説明

露光装置及び画像形成装置

【課題】電気接続部材から露光手段に作用する荷重を低減することができる露光装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】露光装置30は、感光体28と下ハウジング13との間に配置され感光体28へ露光する露光ユニット73と、露光ユニット73に設けられたコネクタ45と電気的に接続され、感光体28と下ハウジング13との隙間の外側で第1折曲げ部E1が形成され、該第1折曲げ部E1よりも露光ユニット73とは反対側に第2折曲げ部E2が形成されたFFC75と、を含んで構成されている。ここで、露光装置30では、第1折曲げ部E1及び第2折曲げ部E2において、折曲げによりFFC75のばね性が低くなっているため、FFC75を折曲げないものに比べて、FFC75Cから露光ユニット73に作用する荷重を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、コネクタに接続される可撓性を有する配線部材であるFlexible Flat Cable(以後FFCと記載する)端部に、撓みを規制する規制部材を設けている。
【0003】
特許文献2は、光書き込みヘッドから引き出したFFCを、光書き込みヘッドの側面に設けられた保持手段のスリットに通してから湾曲させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−080739号公報
【特許文献2】特開2000−158749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電気接続部材から露光手段に作用する荷重を低減することができる露光装置及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る露光装置は、被露光体と部品との間に配置され被露光体へ露光する露光手段と、前記露光手段に設けられた接続部と電気的に接続され、前記被露光体と前記部品との隙間の外側で第1折曲げ部が形成され、該第1折曲げ部に対し前記露光手段とは反対側に第2折曲げ部が形成された電気接続部材と、を有する。
【0007】
本発明の請求項2に係る露光装置は、前記電気接続部材の幅方向から見て、前記接続部から前記第1折曲げ部までの距離をL1とし、前記接続部から前記部品の端部までの距離をLd1として、前記第1折曲げ部がLd1<L1となる範囲に形成されている。
【0008】
本発明の請求項3に係る露光装置は、前記電気部材を挟んで前記部品とは反対側に他の部品が設けられ、前記部品と前記他の部品との間隔をSとして、第1折曲げ部がLd1<L1<Ld1+Sとなる範囲に形成されている。
【0009】
本発明の請求項4に係る露光装置は、前記電気接続部材の幅方向から見て、前記第1角部から前記第1折曲げ部による折曲げ側における前記部品の端部までの距離をLd2とし、前記第1折曲げ部から前記第2折曲げ部までの距離をL2として、前記第2折曲げ部がLd2<L2となる範囲に形成されている。
【0010】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、前記露光手段により外周面が露光されるとともに、露光によって形成された潜像を保持する、前記被露光体としての像保持体と、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の露光装置と、前記像保持体の潜像を現像剤で現像する現像手段と、前記現像手段で現像された現像剤像を前記像保持体の外周面に向けて搬送される被転写材に転写する転写手段と、を有する画像形成部が、前記被転写材の搬送方向に複数並べられている。
【0011】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、前記転写手段は、前記像保持体の上側に配置され、前記部品が設置される部位の底板には、前記部品側に開口した溝部が形成され、該溝部内に複数の前記画像形成部の前記電気接続部材が重ねて配置されている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明は、電気接続部材を湾曲させた構成に比べて、電気接続部材から露光手段に作用する荷重を低減することができる。
【0013】
請求項2の発明は、電気接続部材を湾曲させた構成に比べて、電気接続部材から露光手段に作用する荷重を低減することができる。
【0014】
請求項3の発明は、電気接続部材を湾曲させた構成に比べて、電気接続部材から露光手段に作用する荷重を低減することができる。
【0015】
請求項4の発明は、電気接続部材を湾曲させた構成に比べて、電気接続部材から露光手段に作用する荷重を低減することができる。
【0016】
請求項5の発明は、電気接続部材を湾曲させた構成に比べて、電気接続部材から露光手段に作用する荷重を低減することができる。
【0017】
請求項6の発明は、電気接続部材を湾曲させた構成に比べて、電気接続部材から露光手段に作用する荷重を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】(a)本発明の実施形態に係る複数の露光装置の配置状態を示す模式図である。(b)本発明の実施形態に係る露光装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複数の画像形成ユニットでのFFCのはい回し状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複数の画像形成ユニットへの底板の取り付け状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るCとKの画像形成ユニットの断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るFFCの折曲げ状態を示す模式図である。
【図7】(a)第1比較例に係るFFCの湾曲状態を示す模式図である。(b)本発明の実施形態に係るFFCの湾曲状態を示す模式図である。
【図8】(a)第2比較例に係るFFCの湾曲状態を示す模式図である。(b)本発明の実施形態に係るFFCの湾曲状態を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態に係るFFCの引張り力と露光ユニットに作用する荷重の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る露光装置及び画像形成装置の一例について説明する。
【0020】
図1には、第1実施形態の画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、一例として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)による画像形成を行う画像形成手段の一例としての画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kが、本体である筐体11内の中央で斜め方向(図示の右下方向)に配列されている。画像形成ユニット12の配置順は、図示の左上から右下へ向けて、Y、M、C、Kとなっている。
【0021】
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kは、収容されるトナーを除いて同様の構成となっている。なお、以後の説明では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色を区別するときには、数字の後にY、M、C、Kの英字を付加した符号で説明するが、各色を区別する必要がない場合は、数字の後のY、M、C、Kの英字は省略する。各トナーY、M、C、Kは、特に製造方法により限定されるものではない。
【0022】
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの上方には、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kで形成されたトナー像(画像)を記録用紙Pに転写させる転写ユニット14が設けられている。転写ユニット14は、筒状の中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の内側に配置され、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各トナー像を中間転写ベルト16に多重転写させる4つの一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kと、中間転写ベルト16上で重ねられたトナー像を、記録用紙Pに転写させる二次転写ロール20とを含んで構成されている。
【0023】
中間転写ベルト16は、二次転写ロール20と対向配置され図示しないモータで駆動される駆動ロール26と、回転可能に支持された支持ロール22とに巻き掛けられており、駆動ロール26が図示しないモータで駆動され回転することにより、矢印A方向(図示の反時計回り方向)に循環移動されるようになっている。
【0024】
一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの後述する被露光体の一例としての感光体28と対向配置されている。一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kには、トナー極性とは逆極性(本実施形態では一例として正極性)の転写電圧が印加されるようになっている。また、二次転写ロール20にも、トナー極性とは逆極性の転写電圧が付与されるようになっている。なお、中間転写ベルト16の支持ロール22が設けられている位置の外周面には、図示しないクリーニング装置が設けられており、このクリーニング装置によって、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等が除去されるようになっている。
【0025】
一方、画像形成ユニット12の下方には、記録用紙Pが収納された給紙部46が設けられている。また、給紙部46の端部(図示の右端部)から鉛直方向(矢印Z方向)上方には、記録用紙Pが搬送される用紙搬送路50が設けられている。
【0026】
用紙搬送路50には、記録用紙Pを給紙部46から送り出す送出ロール48と、記録用紙Pを搬送する一対のロールで構成された搬送ロール52と、中間転写ベルト16上の画像の移動タイミングと記録用紙Pの搬送タイミングとを合わせる一対のロールで構成された位置合せロール54とが設けられている。ここで、給紙部46から送出ロール48によって順次送り出された記録用紙Pは、用紙搬送路50を経由して、位置合わせロール54によって中間転写ベルト16の二次転写位置まで搬送されるようになっている。
【0027】
用紙搬送路50上で二次転写ロール20の下流側(上方)には、定着ユニット60が設けられている。定着ユニット60は、図示しない加熱源(例えば、ハロゲンヒータ)で加熱される加熱ロール62と、加熱ロール62とで記録用紙Pを挟んでトナー像を加圧する加圧ロール64とを有している。また、用紙搬送路50上で定着ユニット60の下流側には、定着後の記録用紙Pを筐体11の外側へ排出する一対のロールで構成された排出ロール66が設けられており、排出ロール66で排出された記録用紙Pは、筐体11の上面に形成された排出部67に載るようになっている。なお、筐体11内で用紙搬送路50と反対側には、画像形成装置10の各部の駆動制御を行う制御部36が設けられている。
【0028】
次に、画像形成ユニット12について説明する。ここでは、トナー各色を区別せずに説明する。
【0029】
画像形成ユニット12は、矢印B方向(図示の時計回り方向)に回転駆動される感光体28と、感光体28の外周面に接触して帯電させる帯電ロール72と、感光体28の外周面に露光光を照射して静電潜像を形成する露光手段の一例としての露光ユニット73と、感光体28の外周面の静電潜像をトナーで現像する現像ロール78と、転写後の感光体28の外周面に光を照射して除電を行う除電ランプ74と、除電後の感光体28の外周面を清掃するクリーニングブレード76とを有している。露光ユニット73は、後述する露光装置30の構成部品の一つである。
【0030】
なお、帯電ロール72、露光ユニット73、現像ロール78、除電ランプ74、及びクリーニングブレード76は、感光体28の外周面と対向して、感光体28の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。また、帯電ロール72の外周面で感光体28と反対側には、帯電ロール72外周面に付着したトナーの外添剤などを取り除くためのクリーニングロール79が回転可能に設けられている。帯電ロール72は、図示しない通電手段に接続されており、従動回転しながら画像形成時に通電され感光体28の外周面を帯電させるようになっている。
【0031】
現像ロール78の下側には、図示しないトナー供給部から供給された現像剤(一例として、樹脂製のトナーと金属製のキャリアの混合物)を攪拌(混合)して現像ロール78に供給する螺旋状の2本の搬送部材81が設けられている。また、現像ロール78の外周面と対向して薄層形成ロール97が設けられている。薄層形成ロール97は、現像ロール78の回転方向の感光体28よりも上流側で、現像ロール78の外周面と間隔をあけて配置されており、現像ロール78外周面上の現像剤の通過量を規制して、現像ロール78上に予め決められた厚さの現像剤層(薄層)を形成するようになっている。
【0032】
現像ロール78は、固定されたマグネットロール(図示省略)と、マグネットロールの外側で回転可能に設けられた筒状の現像スリーブ(図示省略)とで構成されている。なお、現像ロール78と感光体28との間には現像時に電圧が付与されて電界が形成され、現像ロール78は、回転しながら現像剤中のトナーを感光体28の静電潜像に向けて移動させるようになっている。
【0033】
次に、露光装置30について説明する。
【0034】
図2(b)に示すように、露光装置30は、後述するホルダー34を有する露光ユニット73と、露光ユニット73に設けられた接続部の一例としてのコネクタ45に一端が電気的に接続され、他端が後述する駆動用基板32(図3参照)に電気的に接続されて、露光ユニット73への給電及び電気信号の送信を可能とする電気接続部材の一例としてのFFC(Flexible Flat Cable)75とを含んで構成されている。なお、露光ユニット73のホルダー34は、長手方向の両端部34A、34Bが画像形成ユニット12の部品の一例としての後述する下ハウジング13(図1参照)に固定され、感光体28外周面からの距離が予め設定された距離となるように保持されている。
【0035】
図5に示すように、画像形成ユニット12は、下ハウジング13と上ハウジング15とで構成される本体を有している。下ハウジング13には、現像ロール78、搬送部材81、及び薄層形成ロール97が設けられており、上ハウジング15には、感光体28、露光ユニット73、帯電ロール72、クリーニングロール79、クリーニングブレード76、及び除電ランプ74が設けられている。また、露光ユニット73は、その本体となるホルダー34に、発光部となるLED(Light Emitting Diode)アレイ(図示省略)が設けられた第1プリント基板38と、LEDアレイを駆動するドライバ(図示省略)が搭載された第2プリント基板42と、LEDアレイから出射された光を感光体28の外周面へ結像するためのセルフォックレンズアレイ44とが取り付けられた構成となっており、感光体28と下ハウジング13との間である隙間部71に配置されている。
【0036】
第1プリント基板38は、LEDアレイの設置面をホルダー34に形成された開口を通して感光体28の外周面に臨んでホルダー34内に取り付けられており、図示しない板バネによって両端部が支持されている。また、セルフォックレンズアレイ44は、ホルダー34の開口に固定されており、各LEDから出射された光を感光体28の外周面に結像するように構成されている。
【0037】
第2プリント基板42は、図示しない配線により第1プリント基板38と電気的に接続されており、第1プリント基板38側の面にドライバ(図示省略)が半田付けされている。また、第2プリント基板42のドライバ取り付け面とは反対側の面にFFC75の一端を接続するためのコネクタ45が半田付けされている。なお、コネクタ45は、露光ユニット73の長手中央に設けられている。
【0038】
FFC75は、間隔をあけて並列配置した複数本の配線(導電線)を可撓性の帯状の絶縁材で挟んだ構成となっている。一例として、錫メッキの銅箔をポリエステルのテープで挟んだものがある。また、FFC75の表面には図示しない電波シールド部材が貼り付けてあるため、FFC75のばね性が高くなっており、FFC75を湾曲させた場合、元の平坦状態に戻ろうとする復元力がFFC75に作用することになる。
【0039】
図2(a)及び図3に示すように、各露光ユニット73Y、73M、73C、73Kにそれぞれ接続されたFFC75Y、75M、75C、75Kは、各露光ユニット73Y、73M、73C、73K側の端部から2回折曲げた状態で下ハウジング13の長手中央を横切る配置となっており、FFC75Y、75M、75C、75Kの4本まとめて、ノイズ低減(磁気シールド)手段である筒状のフェライトコア58に挿通されている。なお、図3は、図1の画像形成装置10を裏面側から斜め方向に見たときの各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの配置状態及びFFC75Y、75M、75C、75Kの設置状態を示している。
【0040】
図4に示すように、画像形成ユニット12Y、12M、12C、12K(下ハウジング13Y、13M、13C、13K)が設置される部位には、画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの底面及び画像形成ユニット12Yの側面を覆うようにして底板56が設けられている。また、底板56には、下ハウジング13Y、13M、13C、13K側に開口した溝部56A、56Bが形成されており、該溝部56A、56B内にFFC75Y、75M、75C、75K(図3参照)が配置されている。なお、溝部56B内には、前述のフェライトコア58(図3参照)が配置されている。
【0041】
図3に示すように、画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの奥側の側面に近い位置には、駆動用基板32が設けられている。駆動用基板32は、各第2プリント基板42(図5参照)のドライバを駆動制御するための回路を備えた制御部35を有しており、制御部35を実装した面には、制御部35と導通した4つのコネクタ33Y、33M、33C、33Kが設けられている。4つのコネクタ33Y、33M、33C、33Kには、フェライトコア58に挿通され下ハウジング13の長手方向に沿う方向及び駆動用基板32に沿う方向に折曲げられたFFC75Y、75M、75C、75Kの端部(端子部)がそれぞれ接続されている。
【0042】
次に、FFC75の露光ユニット73側での折曲げ状態について説明する。
【0043】
図5に示すように、FFC75は、感光体28と下ハウジング13との隙間の外側で第1折曲げ部E1が形成され、該第1折曲げ部E1に対する感光体28とは反対側に第2折曲げ部E2が形成されている。なお、本実施形態におけるFFC75の折曲げとは、復元しないようにFFC75に折り目が残ることである。
【0044】
ここで、図6には、露光ユニット73C、73K、下ハウジング13C、13K、及びFFC75C、75Kの配置状態が模式図で示されている。なお、トナーY、Mに対応する各部材も同様の構成となっているが、ここでは説明を省略する。
【0045】
図6に示すように、下ハウジング13Cには、第1折曲げ部E1に近い位置に部品の端部の一例としての第1角部H1がある。ここで、コネクタ45Cに接続されたFFC75Cの一端部である接続部47C(接続部47Cもコネクタ45Cの一部を構成しているものとする)から第1折曲げ部E1までの第1平坦部77Aの距離をL1、接続部47Cから第1角部H1までの距離をLd1、下ハウジング13Cの側壁(図示の右側面)と下ハウジング13Kの側壁(図示の左側面)との間隔をSとして、第1折曲げ部E1がLd1<L1<Ld1+Sとなる範囲に形成されている。さらに、下ハウジング13Cには、第2折曲げ部E2に近い位置に第1折曲げ部E1による折曲げ側における部品の端部の一例としての第2角部H2が設けられ、第1角部H1から第2角部H2までの距離をLd2とし、第1折曲げ部E1から第2折曲げ部E2までの第2平坦部77Bの距離をL2として、第2折曲げ部E2がLd2<L2となる範囲に形成されている。なお、FFC75Cにおける第2平坦部77Bに連続する平坦部を第3平坦部77Cとする。
【0046】
同様にして、下ハウジング13Kには、第1折曲げ部E3に近い位置に部品の端部の一例としての第1角部H3が設けられている。ここで、コネクタ45Kに接続されたFFC75Kの一端部である接続部47K(接続部47Kもコネクタ45Kの一部を構成しているものとする)から第1折曲げ部E3までの第1平坦部83Aの距離をL1、接続部47Kから第1角部H3までの距離をLd1として、第1折曲げ部E3がLd1<L1となる範囲に形成されている。さらに、下ハウジング13Kには、第2折曲げ部E4に近い位置に第1折曲げ部E3による折曲げ側における部品の端部の一例としての第2角部H4が設けられ、第1角部H3から第2角部H4までの距離をLd2とし、第1折曲げ部E3から第2折曲げ部E4までの第2平坦部83Bの距離をL2として、第2折曲げ部E4がLd2<L2となる範囲に形成されている。なお、FFC75Kにおける第2平坦部83Bに連続する平坦部を第3平坦部83Cとする。また、下ハウジング13Kの図示の左側には下ハウジング13Cが配置されているが、下ハウジング13Kの図示の右側には、FFC75Kに影響を与える位置に何も配置されていないため、FFC75CのL1に比べてFFC75KのL1が大きくなってもよい。
【0047】
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
【0048】
まず、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0049】
図1に示すように、画像形成装置10の各ユニットが作動状態になると、制御部36で画像処理が施された画像データは、各色の色材階調データに変換され、露光装置30に順次出力される。露光装置30では、各色の色材階調データに応じて露光ユニット73が各露光光を出射して、帯電ロール72によって帯電した各感光体28の外周面に露光を行い、各感光体28に静電潜像が形成される。
【0050】
各感光体28に形成された静電潜像は、現像ロール78によってそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像(現像剤像)として現像(顕在化)される。そして、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28上に順次形成された各色のトナー像は、4つの一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kによって中間転写ベルト16上に順次多重転写される。
【0051】
中間転写ベルト16上に多重転写された各色のトナー像は、給紙部46から搬送されてきた記録用紙P上に二次転写ロール20によって二次転写される。そして、記録用紙P上の各色のトナー像が定着ユニット60で加熱ロール62及び加圧ロール64で定着され、定着後の記録用紙Pは排出ロール66によって排出部67に排出される。また、トナー像の一次転写が終了した後の感光体28の外周面は、クリーニングブレード76によって残留トナーや紙粉等が除去される。
【0052】
次に、露光装置30の作用について説明する。
【0053】
図7(a)には、第1比較例としての露光装置200が示されている。露光装置200は、露光ユニット73Cと、露光ユニット73Cに一端が電気的に接続され他端が駆動用基板32(図3参照)と接続されたFFC202とを含んで構成されている。FFC202は、前述のFFC75と同様の部材で構成されているが、折曲げられておらず、湾曲した状態で取り付けられている。
【0054】
ここで、露光装置200では、画像形成装置10(図1参照)への取り付け時にFFC202を矢印X方向(図示の左方向)に引っ張ると、FFC202に折曲げ部がなくFFC202自体のばね性が高いため、FFC202のコネクタ45Cへの接続部位に引張り開始時から矢印Z方向(図示の下方向)の荷重が作用する(図9の破線グラフG2参照)。この荷重により、露光ユニット73C内の第1プリント基板38及び第2プリント基板42(図5参照)が湾曲して、副走査方向(記録用紙Pの搬送方向)又は焦点方向(感光体28の径方向)の露光位置が予め決められている露光位置からずれ、記録用紙P上の画像が乱れることになる。なお、FFC202は、破線が元の位置を表しており、実線が引っ張り後の位置を表している。
【0055】
一方、図7(b)に示すように、本実施形態の露光装置30C(ここではCのみについて説明し、Y、M、Kの説明は省略する)では、画像形成装置10(図1参照)への取り付け時にFFC75Cを矢印X方向(図示の左方向)に引っ張ったとき、第1折曲げ部E1及び第2折曲げ部E2でFFC75Cの変形が遮断される。すなわち、第1折曲げ部E1及び第2折曲げ部E2でばね性が低くなっているため、第1折曲げ部E1を支点として引っ張られている側のFFC75Cが移動するのみであり、FFC75Cのコネクタ45Cへの接続部位に引張り開始時から作用する応力は第1比較例に比べて低減される(図9の実線グラフG1参照)。これにより、露光ユニット73内の第1プリント基板38及び第2プリント基板42(図5参照)の湾曲が抑えられ、記録用紙P上の画像の乱れが低減される。なお、FFC75Cは、破線が元の位置を表しており、実線が引っ張り後の位置を表している。
【0056】
次に、図8(a)には、第2比較例としての露光装置210が示されている。露光装置210は、露光ユニット73Cと、露光ユニット73Cに一端が電気的に接続され他端が駆動用基板32(図3参照)と接続されたFFC212とを含んで構成されている。FFC212は、前述のFFC75と同様の部材で構成されているが、折曲げられておらず、湾曲した状態で取り付けられている。つまり、折曲げ部の設定位置は管理されていない。また、下ハウジング13Cの隣には、下ハウジング13Kが配置されており、下ハウジング13Cと下ハウジング13Kとの間にFFC212が配置されている。
【0057】
ここで、露光装置210では、画像形成装置10(図1参照)への取り付け時にFFC212が湾曲した状態で取り付けられると、折曲げ部の設定位置が管理されていないため、FFC212は、例えば、図の実線で示すように下ハウジング13Kの側面と接触してコネクタ45C方向に押し付けられ、FFC202のコネクタ45Cへの接続部位に矢印N方向(図示の左斜め上方向)の荷重が作用する。また、FFC212を矢印X方向(図示の左方向)に引っ張ると、FFC212に折曲げ部がなくFFC212自体のばね性が高いため、FFC212のコネクタ45Cへの接続部位に矢印Z方向(図示の下方向)の荷重が作用する。この荷重により、露光ユニット73内の第1プリント基板38及び第2プリント基板42(図5参照)が湾曲して、副走査方向又は焦点方向の露光位置が予め決められている露光位置からずれ、記録用紙P上の画像が乱れることになる。
【0058】
一方、図8(b)に示すように、本実施形態の露光装置30C(ここではCのみについて説明し、Y、M、Kの説明は省略する)では、前述のように第1折曲げ部E1の設定位置がLd1<L1<Ld1+S(図5参照)となるように管理されているため、FFC75Cは、下ハウジング13Cと下ハウジング13Kとの間に配置され、下ハウジング13C、13Kには接触しない。このため、FFC75Cのコネクタ45Cへの接続部位に作用する応力は、比較例に比べて低減される。
【0059】
さらに、本実施形態の露光装置30Cでは、第2折曲げ部E2の設定位置がLd2<L2(図5参照)となるように管理されているため、FFC75Cを矢印X方向(図示の左方向)に引っ張ったとき、下ハウジング13Cの第2角部H2とFFC75Cとが接触しにくい。このため、FFC75Cのコネクタ45Cへの接続部位に作用する応力は、第2比較例に比べて低減される。これにより、露光ユニット73内の第1プリント基板38及び第2プリント基板42(図5参照)の湾曲が抑えられ、記録用紙P上の画像の乱れが低減される。
【0060】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0061】
各下ハウジング13の周囲におけるFFC75の折曲げ部の形成箇所は、3箇所以上の複数箇所であってもよい。また、画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kは、斜め方向に並べられたものだけでなく、水平方向や鉛直方向に並べられたものであってもよい。さらに、画像形成ユニット12の本体は、上ハウジング15と下ハウジング13に分割されていなくともよく、すなわち一体で構成されていてもよい。また、電機接続部材の例として、FFC75に限らず、ばね性の高い配線を用いてもよい。さらに、第1平坦部77A、83A、第2平坦部77B、83B、及び第3平坦部77C、83Cは、断面コ字状に折曲げられるだけでなく、第3平坦部77C、83Cが、第1平坦部77A、83Aと反対側に向けられていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 画像形成装置
12 画像形成ユニット(画像形成部)
13C 下ハウジング(部品)
13K 下ハウジング(他の部品)
16 中間転写ベルト(被転写材)
18 一次転写ロール(転写手段)
20 二次転写ロール(転写手段)
28 感光体(被露光体、像保持体)
30 露光装置
45 コネクタ(接続部)
56 底板
56A 溝部
56B 溝部
73 露光ユニット(露光手段)
75 FFC(電気接続部材)
78 現像ロール(現像手段)
E1 第1折曲げ部
E2 第2折曲げ部
P 記録用紙(被転写材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被露光体と部品との間に配置され被露光体へ露光する露光手段と、
前記露光手段に設けられた接続部と電気的に接続され、前記被露光体と前記部品との隙間の外側で第1折曲げ部が形成され、該第1折曲げ部に対し前記露光手段とは反対側に第2折曲げ部が形成された電気接続部材と、
を有する露光装置。
【請求項2】
前記電気接続部材の幅方向から見て、前記接続部から前記第1折曲げ部までの距離をL1とし、前記接続部から前記部品の端部までの距離をLd1として、前記第1折曲げ部がLd1<L1となる範囲に形成されている請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記電気部材を挟んで前記部品とは反対側に他の部品が設けられ、前記部品と前記他の部品との間隔をSとして、第1折曲げ部がLd1<L1<Ld1+Sとなる範囲に形成されている請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記電気接続部材の幅方向から見て、前記第1角部から前記第1折曲げ部による折曲げ側における前記部品の端部までの距離をLd2とし、前記第1折曲げ部から前記第2折曲げ部までの距離をL2として、前記第2折曲げ部がLd2<L2となる範囲に形成されている請求項2又は請求項3に記載の露光装置。
【請求項5】
前記露光手段により外周面が露光されるとともに、露光によって形成された潜像を保持する、前記被露光体としての像保持体と、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の露光装置と、
前記像保持体の潜像を現像剤で現像する現像手段と、
前記現像手段で現像された現像剤像を前記像保持体の外周面に向けて搬送される被転写材に転写する転写手段と、
を有する画像形成部が、前記被転写材の搬送方向に複数並べられた画像形成装置。
【請求項6】
前記転写手段は、前記像保持体の上側に配置され、
前記部品が設置される部位の底板には、前記部品側に開口した溝部が形成され、該溝部内に複数の前記画像形成部の前記電気接続部材が重ねて配置されている請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−133773(P2011−133773A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294707(P2009−294707)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】