説明

露光装置

【課題】 露光装置において、発光体を駆動する駆動回路の電源電圧を低く抑え、これにより装置コストを低減する。
【解決手段】 カラーペーパ1を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列11Rよりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列11Bの方をレンズアレイ部20の幅方向における中心Cのより近くに位置させ、かつ、カラーペーパ1を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列11Gよりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列11Rの方をレンズアレイ部20の幅方向における中心Cのより近くに位置させた発光ヘッド10を用い、各発光体列11を構成する発光体Qから射出された光を上記多数のレンズLからなるレンズアレイ部20に通してカラーペーパ1上に結像させ、カラーペーパ1を露光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は露光装置に関し、詳しくは、発光ヘッドに配置された多数の発光体から射出された各光をレンズアレイ部に通して感光材料を露光する露光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、カラー画像のハードコピーを作成する露光装置が知られている。このような装置に使用される上記ハードコピー用の感光材料はカラー印画紙、カラー銀塩フィルム等であり、上記感光材料を露光するための露光部としては、赤色、緑色、青色の各色の光のそれぞれを射出する多数の発光体と、上記発光体から射出された光の正立等倍像を感光材料上に結像させる結像光学系とで構成されたものが知られている。また、上記結像光学系には多数の屈折率分布型レンズを並べてなるレンズアレイを用いたものが知られている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
上記露光装置は、発光体から射出される光の光量をこの発光体を駆動する駆動電圧に応じて増大させることができるので、各発光体を駆動する各駆動回路の電源電圧を、上記感光材料を最大濃度で発色させることが可能となる所定電圧以上に設定することにより、この感光材料を最大濃度で発色させることができる。また、上記感光材料を最大濃度で発色させるために要求される上記各色の光を射出する各発光体の駆動電圧は各色毎に異なる。したがって、上記電源電圧は、各色の光を射出する各発光体毎に要求される、上記感光材料を最大濃度で発色させることを可能とする駆動電圧のうちの最も高い電圧に応じて定められる。
【特許文献1】特開平7−22649号公報
【特許文献2】特開2001−167874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記露光装置に対して装置コストの低減が求められており、上記発光体を駆動する駆動回路の電源電圧の低下が装置コストの低減に結びつくので、上記感光材料を最大濃度で発色させる各色の光の光量が得られるように各発光体の駆動を可能にしつつ、上記電源電圧を低く抑えたいという要請がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、発光体を駆動する駆動回路の電源電圧を低く抑え、これにより装置コストを低減することができる露光装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の露光装置は、同一色の光を射出する多数の発光体を1列に並べた発光体列を複数有するとともに、各発光体列は互いに異なる色の光を射出するものである発光ヘッドと、前記発光体から射出された各光を感光材料上に結像させる、1方向に並べられた多数のレンズからなるレンズアレイ部とを備えた露光装置であって、発光ヘッドが、感光材料を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたものであることを特徴とするものである。
【0007】
前記発色効率とは、所定の駆動電圧を与えて駆動した発光体から射出された光をレンズアレイ部を通すことなく感光材料に照射し露光して、この感光材料を発色させたときの発色率(発色率に関しては後述する)を上記所定の駆動電圧で除して得られる値であり、発光体から射出された光をレンズアレイ部を通すことなく感光材料に照射し露光して、この感光材料を発色させたときの単位電圧当りの発色率を意味するものである。すなわち、「発色効率=発色率/駆動電圧」である。
【0008】
上記発色率は、感光材料を発色させたときに得られる最大の濃度レベルに対する、実際に感光材料を発色させたときに得られた濃度レベルの比率を意味するものである。すなわち、「発色率=実際に感光材料を発色させたときに得られる濃度レベル/感光材料を発色させたときに得られる最大の濃度レベル」である。
【0009】
前記「発光体列をレンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させる」とは、この発光体列を構成する発光体から射出された光の光束の中心軸を、他の発光体列を構成する発光体から射出された光の光束の中心軸に比して、上記レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くへ通すように、この発光体列を位置させることを意味するものである。
【0010】
前記発光ヘッドは、前記複数の発光体列のうちの最も発色効率が低い色の光を射出する発光体列と、この発光体列とは異なる前記複数の発光体列のうちの他のいずれか1つの発光体列とに関し、前記発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して前記発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、前記レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたものとすることができる。
【0011】
前記発光ヘッドは、前記複数の発光体列のうちから選択された、どの2つの発光体列に関しても、前記発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して前記発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、前記レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたものとすることができる。すなわち、複数の発光体列を発色効率の悪い順番にレンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたものとすることができる。
【0012】
前記互いに異なる色は、赤色、緑色、および青色とすることができる。
【0013】
前記レンズアレイ部を構成する各レンズは、屈折率分布型レンズとすることができる。
【0014】
前記レンズアレイ部は、マイクロレンズアレイとすることができる。
【0015】
前記マイクロレンズアレイとは、1つの基板上に多数のマイクロレンズが並べられたものであって、この基板と多数のマイクロレンズとが一体的に形成されてなるものである。
【0016】
前記発光体は、有機EL素子、無機EL素子、あるいはLED素子からなるものとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明者は、上記課題に対して、上記発色効率が上記各色毎に異なること、上記発光体列から射出された光のレンズアレイ部中を通る場所によってこの光の利用効率(光の利用効率については後述する)が異なること、および、上記感光材料を最大濃度で発色させるための各発光体列の駆動電圧は上記各色毎に異なり、上記各色毎に定められた駆動電圧のうちの最も高い電圧に応じて上記電源電圧が定められる(すなわち、各発光体列の駆動回路の電源は共通である)ことを考慮して、感光材料を最大濃度で発色させる各色の光の光量が得られるように各発光体列の駆動を可能にしつつ、電源電圧を低く抑えることができる各発光体列の配置を見出したものである。
【0018】
なお、上記光の利用効率は、レンズアレイ部を通った後の光の光量に対する、上記光のレンズアレイ部を通る前の光量の比率である。
【0019】
本発明の露光装置によれば、感光材料を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたので、発光体を駆動するための電源電圧を低く抑えることができ、これにより装置コストを低減することができる。以下にその理由を説明する。
【0020】
例えば、発光体列のうちの互いに異なる色の光を射出する2つの発光体列(ここでは、発色効率が低い色の光を射出する発光体列を低効率発光体列と言い、上記低効率発光体列が射出する光の色より発色効率が高い色の光を射出する発光体列を高効率発光体列という)について考察する。
【0021】
上記高効率発光体列と低効率発光体列とに関し、レンズアレイ部に光を通すことなく感光材料を発色率100%で発色させるための発光体の駆動電圧は、高効率発光体列より低効率発光体列の方が高い。
【0022】
一方、発光体列から射出された同一色で同一光量の光をレンズアレイ部に通して感光材料を露光するときの露光光量は、この光をレンズアレイ部中の光の利用効率が高い光路を通した方が、上記光路より光の利用効率が低い光路を通した場合より多くなる。すなわち、レンズアレイ部に入射した光束が、このレンズアレイ部を通るときに上記レンズアレイ部で蹴られる上記光束中の範囲は、このレンズアレイ部を通る光束の光軸が上記レンズアレイ部の幅方向における中心から離れるにしたがって少なくなるので、レンズアレイ部の幅方向における中心により近い光路に光を通した方が、この光路に比して上記中心から幅方向により離れた光路に光を通すより光量の損失が少ない。したがって、上記感光材料を100%発色させるために要求される発光体列の駆動電圧は、この発光体列から射出された光を、上記光量の損失が少ないレンズアレイ部の幅方向における中心により近い光路へ通すことにより低くすることができる。
【0023】
さらに、レンズアレイ部に光を通して感光材料を発色率100%で発色させるための、各発光体列の各駆動電圧(各最大駆動電圧)のうちの最も高い電圧に応じて上記電源電圧が定められる。
【0024】
上記のことにより、感光材料を発色率100%で発色させるための駆動電圧がより高い低効率発光体列から射出された光を、上記感光材料を発色率100%で発色させるための駆動電圧がより高い上記レンズアレイ部の中心から幅方向により離れた光路に通すよりも、上記低効率発光体列の発光体から射出された光を、上記感光材料を発色率100%で発色させるための駆動電圧がより低い上記レンズアレイ部の中心から幅方向により近い光路に通す方が、上記高効率発光体列と低効率発光体列との両方を駆動するための上記電源電圧を低く抑えることができる。
【0025】
上記説明においては、互いに異なる色の光を射出する2つの発光体列に関して考察したが、例えば、複数の発光体列のうちの最も発色効率が低い色の光を射出する発光体列と、この発光体列とは異なる前記複数の発光体列のうちの他のいずれか1つの発光体列とに関し上記考察を適用したり、あるいは、複数の発光体列から選択可能な2つの発光体列の全ての組み合わせに関して上記考察を適用することにより、互いに異なる色の光を射出する3つ以上の発光体列についての考察も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態による露光装置の概略構成を示す斜視図、図2は上記露光装置を図1中の矢印X方向から見た側面図、図3(a)は発光体列およびレンズアレイ部を上方から見た図、図3(b)は横軸に図1中に示すY方向の位置を縦軸に光の利用効率を示す座標上にレンズアレイ部を通る光の位置と光の利用効率との関係を示す図、図4は発色効率を説明するための図であり上記露光装置からレンズアレイ部を除いた図、図5(a)、(b)は発光ヘッドを構成する発光体の種々の態様を示す図である。
【0027】
図示の本発明の露光装置101は、同一色の光である赤色の光を射出する多数の発光体Qrを1列に並べた発光体列11R、同一色の光である緑色の光を射出する多数の発光体Qgを1列に並べた発光体列11G、および同一色の光である青色の光を射出する多数の発光体Qbを1列に並べた発光体列11B(まとめて、発光体列11ともいう)を有する発光ヘッド10であって、各発光体列11R、11G、11Bは互いに異なる色である、赤色、緑色、青色の光を射出する発光ヘッド10と、上記発光体Qr、Qg、Qb(まとめて発光体Qともいう)から射出された各光を感光材料であるカラーペーパ1上に結像させる、1方向に並べられた多数のレンズLからなるレンズアレイ部20とを備えている。
【0028】
上記露光装置101は、さらに、各発光体列11のそれぞれを駆動する各駆動回路30R、30G、30B(まとめて、各駆動回路30ともいう)と、各駆動回路30用の1つの駆動電源35とを備えている。
【0029】
なお、カラーペーパ1は、上記露光装置により各発光体列が延びる方向である主走査方向(図中矢印X方向)に線状に露光されながら、副走査方向(図中矢印Y方向)に搬送されて2次元状に露光される。
【0030】
上記各発光体Qは、有機EL素子、無機EL素子、あるいはLED素子等からなるものとすることができる。
【0031】
また、上記レンズアレイ部20をマイクロレンズアレイとしたり、あるいはレンズアレイ部20の各レンズLを屈折率分布型レンズとしたりしてもよい。なお、レンズアレイ部20は、上記発光体Qの正立等倍像、すなわち、発光体Qのから射出された光の正立等倍像をカラーペーパ1上に結像させるものである。
【0032】
発光ヘッド10は、カラーペーパ1を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、レンズアレイ部20の幅方向における中心のより近くに位置させたものである。したがって、発色効率の高い緑色の光を射出する発光体列Gよりも、この緑色の光に比して発色効率の低い赤色の光を射出する発光体列11Rの方を、レンズアレイ部20の幅方向における中心のより近くに位置させ、かつ、発色効率の高い赤色の光を射出する発光体列Rよりも、この赤色の光に比して発色効率の低い青色の光を射出する発光体列11Bの方を、レンズアレイ部20の幅方向における中心のより近くに位置させている。
【0033】
上記露光装置101とカラーペーパ1との組み合わせにおいては、発色効率が最も高い色が緑色であり、赤色、青色の順に発色効率が低くなる。すなわち、緑色の発色効率Eg>赤色の発色効率Er>青色の発色効率Ebである。
【0034】
また、発光ヘッド10に配置された各発光体列11R、11G、11Bは、レンズアレイ部20の入射面20Nに対して平行に並べられており、レンズアレイ部20の幅方向(図中矢印Y方向)における中心Cに青色の光を射出する発光体列11Bが配置されている。図2および図3(a)に示すように、上記青色より発色効率の高い、赤色の光を射出する発光体列11Rおよび緑色の光を射出する発光体列11Gが、青色の光を射出する発光体列11Bの両側に配置されており、発光体列11Rは、発光体列11Gよりも中心Cに対して幅方向により近い位置に配置され、発光体列11Bは、発光体列11Rよりも上記中心Cに対して幅方向により近い位置に配置されている。
【0035】
より具体的には、発光体列11Bは、レンズアレイ部20の幅方向の中心Cに位置し、つまり、中心Cから上記幅方向に距離L1=0だけ離れた位置に配置され、発光体列11Rは、中心Cから幅方向に距離L2だけ離れた位置K2に配置され、発光体列11Gは、中心Cから幅方向に距離L3だけ離れた位置K3に配置されて、距離L3>距離L2>距離L1となっている。なお、距離L1=0なので、図2および図3(a)中における距離L1の図示は省略している。
【0036】
すなわち、露光装置101においては、緑色の発色効率Eg>赤色の発色効率Er>青色の発色効率Ebであり、かつ、レンズアレイ部20に対する各発光体列11の位置が、距離L1<距離L2<距離L3となるように設定されている。
【0037】
なお、図4に示すように、各発光体列11R、11G、11Bを同一の電圧で駆動して各発光体列11R、11G、11Bから射出された赤色、緑色、青色の各光を、レンズアレイ部20を通すことなくカラーペーパ1上に照射してこのカラーペーパ1を露光し発色させたときの発色率は、緑色の光で露光し発色させたものが最も高く、赤色、青色の順に低くなる。すなわち、上記条件において、緑色の発色率Hg>赤色の発色率Hr>青色の発色率Hbである。
【0038】
図3(b)に示すように、レンズアレイ部20は、このレンズアレイ部20を通る特定の光の光束の中心軸が上記レンズアレイ部20の幅方向における中心Cを通るときにこの特定の光に関する光の利用効率δが最も高くなり(すなわち、レンズアレイ部20を通る光の光量の減衰が最も少なくなり)、上記特定の光の光束の中心軸がこの中心Cから上記幅方向に離れるに従ってこの特定の光に関する光の利用効率δが低下する(レンズアレイ部20を通る光の光量の減衰が大きくなる)。
【0039】
次に、上記駆動電源35の電圧と、上記各色毎の発色効率と、レンズアレイ部20に対する各発光体列11の配置との関係について詳しく説明する。
【0040】
上記図2に示すように、この露光装置101は、駆動電源35が10Vの電圧を供給するものであり、各駆動回路30R、30G、30Bで、各発光体列11R、11G、11Bを同一の駆動電圧10Vで駆動してカラーペーパ1を露光したときに、このカラーペーパ1上での各色の発色率がそれぞれ1(100%)となるように設定されている。
【0041】
ここで、発光体列11Bから射出された青色の光が、レンズアレイ部20の幅方向における中心Cを通るときの光の利用効率δは0.9(90%)であり、発光体列11Rから射出された赤色の光が、レンズアレイ部20の幅方向における中心Cから離れた位置K2を通るときの光の利用効率δは0.8(80%)であり発光体列11Gから射出された緑色の光が、上記K2に比して、レンズアレイ部20の幅方向における中心Cからさらに離れた位置K3を通るときの光の利用効率δは0.7(70%)である。
【0042】
また、各発光体列11R、11G、11Bから射出された赤色、緑色、青色の各光を、レンズアレイ部20を通すことなくカラーペーパ1上に照射してこのカラーペーパ1を露光し発色させたときの単位電圧(1V)当りの発色率は、緑色の光で露光したときの発色率Hgが最も高く(0.143)14.3%、赤色の光で露光したときの発色率Hrが次に高く(0.125)12.5%、青色の光で露光したときの発色率Hbが最も低く(0.111)11.1%である(図4参照)。
【0043】
なお、上記発色率は、各発光体列11R、11G、11Bのそれぞれを駆動して各発光体列11R、11G、11Bから射出された赤色、緑色、青色の各光を、レンズアレイ部20を通すことなくカラーペーパ1上に照射してこのカラーペーパ1を露光し発色させたときの単位電圧(1V)当りの値であるので、この値は各色の発色効率と一致する。すなわち、上記装置構成において、緑色の発色効率Eg=0.143>赤色の発色効率Er=0.125>青色の発色効率Eb=0.111である。
【0044】
上記のように仕様が定められた本発明の露光装置101において上記各発光体列11R、11G、11Bを同一の駆動電圧10(V)で駆動してカラーペーパ1を露光する場合について図3を参照して説明する。
【0045】
発光体列11Rを駆動電圧10(V)で駆動したときに、発光体列11Rの発光体Qrから射出される単位面積当りの光の光量は80(lm・s)であり、この光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の上記位置K2を通ってこのレンズアレイ部20から射出されるときの光量は、80×0.8(光の利用効率)=64(lm・s)となり、この光量を持つ光がカラーペーパ1上に結像されてこのカラーペーパ1を露光し発色させる。そして、このときの発色率が1(100%)となる。
【0046】
また、発光体列11Bを駆動電圧10(V)で駆動したときに、発光体列11Bの発光体Qbから射出される単位面積当りの光の光量は90(lm・s)であり、この光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の上記位置Cを通ってこのレンズアレイ部20から射出されるときの光量は、90×0.9(光の利用効率)=81(lm・s)となり、この光量を持つ光がカラーペーパ1上に結像されてカラーペーパを露光し発色させる。そして、このときの発色率が上記のように1(100%)となる。
【0047】
また、発光体列11Gを駆動電圧10(V)で駆動したときに、発光体列11Gの発光体Qgから射出される単位面積当りの光の光量は70(lm・s)であり、この光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の上記位置K3を通ってこのレンズアレイ部20から射出されるときの光量は、90×0.7(光の利用効率)=49(lm・s)となり、この光量を持つ光がカラーペーパ1上に結像されてカラーペーパを露光し発色させる。そして、このときの発色率が上記のように1(100%)となる。
【0048】
このように各発光体列11R、11B、11Gを同一の駆動電圧10(V)で駆動すると、カラーペーパ1を露光する光量は、赤色光が光量64(lm・s)、青色光が81(lm・s)、緑色光が49(lm・s)となり、上記各色の光で露光されたカラーペーパ1の発色率Hr,Hb、Hgはともに1(100%)となる。
【0049】
なお、図5(a)に示すように、上記発光ヘッド10の発光体Qは、赤色、緑色、青色の光のそれぞれを射出する発光素子15としたり、あるいは、図5(b)に示すように、白色光を射出する発光素子16と、この発光素子16から射出された光を通し赤色、緑色、青色の光のそれぞれを射出す各色用のカラーフィルタ17とで構成されたものとすることができる。
【0050】
上記本発明の露光装置101は、感光材料を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたものであるが、このように設定しない従来の露光装置、より具体的には、発光体列11Bが配されている位置と発光体列11Gが配されている位置とが入れ替えられた発光ヘッドを有する従来の露光装置について説明する。図6は従来の露光装置の概略構成を示す図である。
【0051】
以下、上記従来の露光装置201について、駆動電源の電圧と、各色毎の発色効率と、レンズアレイ部に対する各発光体列の配置との関係について説明する。なお、この従来の露光装置201は、上記本発明の露光装置101における発光体列の配置を入れ替えたものであり、その他は上記露光装置101と同様であるので、この露光装置101と共通の機能を有する構成要素については同じ符号を使用しその説明を省略する。
【0052】
上記露光装置201は、発光体列11Gを構成する発光体Qgから射出された光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の幅方向における中心Cを通り、発光体列11Rを構成する発光体Qrから射出された光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の中心Cから上記幅方向に離れた位置K2を通り、発光体列11Bを構成する発光体Qbから射出された光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の中心Cから上記幅方向にさらに離れた位置K3を通る。より具体的には、発光体列11Gは、レンズアレイ部20の幅方向の中心Cに位置し、つまり、中心Cから上記幅方向に距離L1=0だけ離れた位置に配置され、発光体列11Rは、中心Cから幅方向に距離L2だけ離れた位置K2で示す位置に配置され、発光体列11Bは、中心Cから幅方向に距離L3だけ離れた位置K3で示す位置に配置されて、距離L3>距離L2>距離L1となっている。
【0053】
上記のように配置された各発光体列11R、11G、11Bを同一の駆動電圧10(V)で駆動する。
【0054】
発光体列11Rを駆動電圧10(V)で駆動したときに、発光体列11Rの発光体Qrから射出される光の単位面積当りの光量は上記と同様の80(lm・s)であり、この光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の上記位置K2を通ってこのレンズアレイ部20から射出されるときの光量も上記と同様に、90×0.8(光の利用効率)=64(lm・s)である。この光量を持つ光がカラーペーパ1上に結像されてカラーペーパ1を露光し発色させたときの発色率は上記と同様に1(100%)となる。
【0055】
また、発光体列11Gを駆動電圧10(V)で駆動したときに、発光体列11Gの発光体Qgから射出される光の単位面積当りの光量は上記と同様の70(lm・s)であり、この光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の中心Cを通ってこのレンズアレイ部20から射出されるときの光量は、70×0.9(光の利用効率)=63(lm・s)となる。この光量を持つ光がカラーペーパ1上に結像されてカラーペーパ1を露光し発色させたときの発色率は、上記本発明の露光装置の場合とは異なり1.28(128%)となる。すなわち、緑色の光でカラーペーパ1を発色率100%で発色させるための光量が49(lm・s)なので(図2参照)、上記光量63(lm・s)はカラーペーパ1を100%以上の発色率で発色させる光量となる(1.28=63(lm・s)/49(lm・s))。なお、上記発色率は計算上の値であり、実際にカラーペーパ1が発色率100%以上で発色するということではない。
【0056】
また、発光体列11Bを駆動電圧10(V)で駆動したときに、発光体列11Bの発光体Qbから射出される光の単位面積当りの光量は上記と同様の90(lm・s)であり、この光の光束の中心軸がレンズアレイ部20の上記位置K3を通ってこのレンズアレイ部20から射出されるときの光量は、90×0.7(光の利用効率)=63(lm・s)となる。この光量を持つ光がカラーペーパ1上に結像されてカラーペーパ1を露光し発色させたときの発色率は、上記本発明の露光装置とは異なり0.777(77.7%)となる。すなわち、青色の光でカラーペーパ1を発色率100%で発色させるための光量が81(lm・s)なので(図2参照)、上記光量63(lm・s)ではカラーペーパ1を発色率100%で発色させることはできない(0.777=63(lm・s)/82(lm・s))。
【0057】
上記のように各発光体列11を同一の駆動電圧10(V)で駆動すると、カラーペーパ1を露光する光量は、赤色光が光量64(lm・s)、緑色光が光量63(lm・s)、青色光が光量63(lm・s)となり、赤色光での露光によるカラーペーパ1の発色率Hrは1(100%)、緑色光での露光による発色率Hgは1.27(127%)、青色光での露光による発色率Hbは0.777(77.7%)となる。
【0058】
このような場合には、発光体列11Bからの青色光の射出によりカラーペーパを発色率100%で発色させるために、発光体列11Bを駆動する電圧を10(V)以上にする必要がある。より具体的には、青色の光でカラーペーパ1を発色率100%で発色させるために要求される光量は81(lm・s)なので、要求される駆動電圧は、12.9V=10(V)×(81(lm・s)/63(lm・s))となる。したがって、従来の露光装置201では、駆動電源35の電圧を、上記本発明の露光装置101の駆動電源の電圧(10V)より高い電圧(12.9V以上)に設定する必要がある。
【0059】
このように、上述した本発明の露光装置101は、従来の露光装置102とは異なり、複数の発光体列のうちから選択された、どの2つの発光体列に関しても、発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させるようにした発光ヘッドを備えているので、カラーペーパを最大濃度で発色させる光の光量が得られるように各発光体の駆動を可能にしつつ、電源電圧を低く抑えることができる。
【0060】
以下に、本発明の露光装置における、レンズアレイ部に対する各発光体列の配置の種々の例について説明する。図7(a)は本発明の露光装置におけるレンズアレイ部に対する発光体列の配置の1例を示す図、図7(b)は横軸に上記Y方向の位置を縦軸に光の利用効率を示す座標上にレンズアレイ部を通る光の位置と光の利用効率との関係を示す図、図8は本発明の露光装置におけるレンズアレイ部に対する発光体列の配置の1例を示す図、図8(b)は横軸に上記Y方向の位置を縦軸に光の利用効率を示す座標上にレンズアレイ部を通る光の位置と光の利用効率との関係を示す図である。なお、上記レンズアレイ部に対する各発光体列の配置の種々の例は、上記露光装置101における発光体列の配置を変更したものであり、その他の仕様はこの露光装置101同様であるので、共通の機能を有する構成要素については同じ符号を使用しその説明を省略する。
【0061】
図7に示すように、緑色と赤色の発色効率が等しく、上記緑色および赤色の発色効率より青色の発色効率が低い場合、すなわち、緑色の発色効率Eg=赤色の発色効率Er>青色の発色効率Eb場合には、レンズアレイ部20の幅方向の中心Cに青色の光を射出する発光体列11Bを配置し、上記中心Cの両側であって中心Cから上記幅方向において同じ距離だけ離れた位置11K、12Kに、発光体列11Rおよび発光体列11Gのそれぞれを配置する。この配置は、カラーペーパ1を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列11Rおよび発光体列11Gよりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列11Bの方を、レンズアレイ部20の幅方向における中心Cのより近くに位置させたものであり、すなわち、複数の発光体列のうちの最も発色効率が低い色の光を射出する発光体列と、この発光体列とは異なる前記複数の発光体列のうちの他のいずれか1つの発光体列とに関し、発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたものであり、上記と同様に、カラーペーパ1を最大濃度で発色させる光の光量が得られるように各発光体の駆動を可能にしつつ、電源電圧を低く抑える効果を得ることができる。
【0062】
また、図8に示すように、青色と赤色の発色効率が等しく、上記青色および赤色の発色効率より緑色の発色効率が高い場合、すなわち、青色の発色効率Eg=赤色の発色効率Er<緑色の発色効率Eb場合には、レンズアレイ部20の幅方向の中心Cの両側近傍であって中心Cから上記幅方向において同じ距離だけ離れた位置21K、22Kに、発光体列11Bおよび発光体列11Rのそれぞれを配置し、上記位置21K、22Kに比して上記中心Cから幅方向により離れた位置23Kに発光体列11Gを配置する。この配置は、カラーペーパ1を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列11Gよりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列11Rおよび発光体列11Bの方を、レンズアレイ部20の幅方向における中心Cのより近くに位置させたものであり、すなわち、複数の発光体列のうちの最も発色効率が低い色の光を射出する発光体列と、この発光体列とは異なる前記複数の発光体列のうちの他のいずれか1つの発光体列とに関し、発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたものであり、上記と同様に、カラーペーパ1を最大濃度で発色させる光の光量が得られるように各発光体の駆動を可能にしつつ、電源電圧を低く抑える効果を得ることができる。
【0063】
なお、上記実施の形態においては、赤色光、緑色光、青色光のそれぞれ射出する3つの発光体列を用いた露光装置の例を示したが、このような場合に限らず、本発明は、赤色光、緑色光、および青色光以外の光を射出する発光体列を有する発光ヘッドを備えた露光装置や、互いに異なる2種類の色の光をそれぞれ射出する複数の発光体列を有する発光ヘッドを備えた露光装置や、互いに異なる4種類以上の色の光をそれぞれ射出する複数の発光体列を有する発光ヘッドを備えた露光装置にも適用することも可能である。
【0064】
次に、感光材料上に各色を同じ濃度で発色させるための露光エネルギー(露光光量)が各色で一致するようにカラーバランスを考慮した場合について説明する。図9(a)は横軸に波長を縦軸に感度を示す座標上に感光材料の分光感度を示す図、図9(b)は横軸に波長を縦軸にパワーを示す座標上に各色毎の規格化パワースペクトルを示す図、図9(c)は横軸に波長を縦軸に感度を示す座標上に比視感度を示す図、図10は発光体の駆動電圧とこの発光体から射出される光の輝度との関係を示す図である。
【0065】
3色の発光素子の色が赤、緑、青であり、その各色のパワースペクトルをおのおのPR(λ)、PG(λ)、PB(λ)とする。また、露光プリントを行う感光材料(以後、省略して感材ともいう)の分光感度特性をそれぞれFR(λ)、FG(λ)、FB(λ)とした場合、以下の関係がある。図9(a)に感光材料の分光感度F(λ)を示す。
【0066】
ER=∫FR(λ)・PR(λ)dλ (1)
EG=∫FG(λ)・PG(λ)dλ (2)
EB=∫FB(λ)・PB(λ)dλ (3)
ここで、ER、EG、EBは各色で露光に寄与する露光エネルギーを表している。
【0067】
パワースペクトルは実際のエネルギーを示しているが、スペクトルの測定は一般的に分布のみを見ており、絶対値は割愛されている場合が多い。よって、ピーク値を1とした規格化パワースペクトルをp(λ)とした場合、以下の関係が示される。図9(b)に規格化パワースペクトルをp(λ)を示す。
【0068】
PR(λ)=αR・pR(λ) (4)
PG(λ)=αG・pG(λ) (5)
PB(λ)=αB・pB(λ) (6)
よって、(1)〜(3)式は以下のようになる。
【0069】
ER=αR∫FR(λ)・pR(λ)dλ (7)
EG=αG∫FG(λ)・pG(λ)dλ (8)
EB=αB∫FB(λ)・pB(λ)dλ (9)
露光プリントのカラーバランスを考えた場合、露光エネルギーが各色で一致する必要があるので、
ER=EG=EB (10)
の条件が満たされる必要がある。(7)〜(9)式と(10)式から、
αRBB
=1/∫FR(λ)・pR(λ)dλ:1/∫FG(λ)・pG(λ)dλ:1/∫FB(λ)・pB(λ)dλ (11)
の関係が導かれる。
【0070】
一般的に有機ELなどの発光素子は輝度を測定して光量を推し量るが、輝度はパワースペクトルと比視感度をかけた値として、以下のような関係を有する。図9(c)に比視感度V(λ)を示す。
【0071】
LR∞αR∫V(λ)・pR(λ)dλ (12)
LG∞αG∫V(λ)・pG(λ)dλ (13)
LB∞αB∫V(λ)・pB(λ)dλ (14)
Lは輝度、V(λ)は比視感度特性を示す。(12)〜(14)式により、
LR:LG:LB
R∫V(λ)・pR(λ)dλ:αG∫V(λ)・pG(λ)dλ:αB∫V(λ)・pB(λ)dλ (15)
の関係が成り立ち、(11)式と合わせると、
LR:LG:LB
=∫V(λ)・pR(λ)dλ/∫FR(λ)・pR(λ)dλ
:∫V(λ)・pG(λ)dλ/∫FG(λ)・pG(λ)dλ
:∫V(λ)・pB(λ)dλ/∫FB(λ)・pB(λ)dλ (16)
となり、各色で同じ露光エネルギーを与える各色の輝度の関係が示される。
【0072】
ここで、各発光素子の電圧一輝度特性が図10のようになった場合での、配列の決定方法を説明する。(16)式で実際に露光プリントを実施する系の各色のp(λ)、F(λ)を(16)式に入れて、LR:LG:LBを求めた結果が図10の縦軸に示した比率になっていたと仮定する。図10の電圧一輝度特性から各色輝度に対応する電圧値(VR、VG、VB)が決まる。〔(16)式で求められるのは輝度の相対比であり、絶対値は求められない。輝度の絶対値は実際にプリントを行う時の露光条件に合う輝度を基準とし、その値から電圧値を求めるのが望ましい。〕
この結果が、図10のようにVB>VR>VGであった場合、最も電圧の高い青色素子を副走査方向の中央部に配置し、最も電圧の低い緑色素子を上記中央部の副走査方向における周辺部に配置する。図10のように、VRとVBは比較的値が近く、VGに対して離れている傾向にある場合、上記図8に示した配置のようにレンズアレイ部の中心をはさんで赤、青を配置し、緑を最もレンズ中心から離す配列が望ましい。また、青色素子の電圧が若干赤色素子より高いので、赤色素子より青色素子をレンズアレイ部の中心に近い配置にする方が望ましい。このように実際に露光プリントを行う系での各色のパワースペクトルと感材分光感度から、各色輝度比を求め、各色素子の電圧一輝度特性から各色の電圧を算出して、その大小から配置を求める事ができる。
【0073】
これまで各色が独立した発光を行う素子で説明を行って来たが、白色光を発する発光素子の前にRGB各色の光のみを透過するフィルターを配置してプリントを行う場合にも適用できる。F(λ)を各色フィルターの分光透過率、PM(λ)を各光源のパワースペクトルとした場合、各色のパワースペクトルは、
PR(λ)=FR(λ)・PM(λ) (17)
PG(λ)=FG(λ)・PM(λ) (18)
PB(λ)=FB(λ)・PM(λ) (19)
となる。上式の各パワースペクトルを規格化して規格化パワースペクトルを求めれば、式(16)より輝度比を求めることができる。この場合の輝度は光源自体の輝度ではなく、単色光源にフィルターをつけた場合の透過輝度を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態による露光装置の概略構成を示す斜視図
【図2】露光装置を図1中の矢印X方向から見た側面図
【図3】発光体列およびレンズアレイ部を上方から見た図
【図4】露光装置からレンズアレイ部を除いた発色効率を説明するための図
【図5】発光ヘッドが有する発光体の種々の構成例を示す図
【図6】従来の露光装置の概略構成を示す図
【図7】本発明の露光装置におけるレンズアレイ部に対する発光体列の配置の1例を示す図
【図8】本発明の露光装置におけるレンズアレイ部に対する発光体列の配置の1例を示す図
【図9】図9(a)は感光材料の分光感度を示す図、図9(b)は規格化パワースペクトルを示す図、図9(c)は比視感度を示す図
【図10】発光体の駆動電圧とこの発光体から射出される光の輝度との関係を示す図
【符号の説明】
【0075】
1 カラーペーパ
10 発光ヘッド
11 発光体列
20 レンズアレイ部
30 駆動回路
35 駆動電源
L レンズ
Q 発光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一色の光を射出する多数の発光体を1列に並べた発光体列を複数有するとともに、各発光体列は互いに異なる色の光を射出するものである発光ヘッドと、
前記発光体から射出された各光を感光材料上に結像させる、1方向に並べられた多数のレンズからなるレンズアレイ部とを備えた露光装置であって、
前記発光ヘッドが、前記感光材料を露光して発色させる際の発色効率の高い色の光を射出する発光体列よりも、この色の光に比して前記発色効率の低い色の光を射出する発光体列の方を、前記レンズアレイ部の幅方向における中心のより近くに位置させたものであることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記互いに異なる色が、赤色、緑色、および青色であることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
【請求項3】
前記レンズアレイ部を構成する各レンズが、屈折率分布型レンズであることを特徴とする請求項1または2記載の露光装置。
【請求項4】
前記レンズアレイ部が、マイクロレンズアレイであることを特徴とする請求項1または2記載の露光装置。
【請求項5】
前記発光体が、有機EL素子、無機EL素子、あるいはLED素子からなるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−26954(P2006−26954A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205498(P2004−205498)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】