説明

露出制御機構及びレンズ鏡筒

【課題】露出調整機構の小型軽量化を実現する。
【解決手段】露出制御機構1は、矩形平板形状を有し一端が部材中央方向に向かって尖状に切り込まれた三角状切欠12aを有する絞り羽根11aと、レンズ鏡筒に対して固定支持される第1ヨーク17a及び第2ヨーク18aと、第2ヨーク18aに取り付けられたマグネット19aと、第2ヨーク18a及びマグネット19aに可動自在に巻回された駆動コイル20aとからなるリニアアクチュエータとを備え、絞り羽根11aと駆動部は、駆動コイル20aの移動方向に垂直な方向に絞り羽根11aを移動する連結部材24aによって連結されている。絞り羽根11aと絞り羽根11bは、互いに逆向きに移動することにより、三角状切欠12aと三角状切欠12bとが一部重なり合うことできる略菱形の開口部によって“絞り開口”を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露出制御機構及びレンズ鏡筒に関し、特に、ビデオカメラ等の撮像装置に装備され非接触駆動手段によって変位駆動される露出制御機構とこれを備えるレンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ等の撮像装置に用いられ光量を制御する露出制御機構において、複数の絞り羽根を光軸回りに回動させて絞り径の調整を行う“虹彩絞り”に換わって、一部切欠を有する少なくとも一組の平板状の遮光部材を同一平面上を互いに逆方向に移動することによって絞り径調整を行う“絞り羽根”を用いて露出制御する機構が実用化されている。この手法は、露出制御機構の小型化及び軽量化が達成されるとともに駆動機構が簡素化できることによる製造コストの低減も実現されるという利点がある。また、露出制御機構のなかには、小型軽量化、機構の簡素化という点からシャッタを兼用したものもある。
【0003】
撮像装置に用いられる露出制御機構では、2枚若しくは複数枚の絞り羽根を光軸に対して垂直平面上に互いに逆方向に平行移動させるための駆動手段として、ガルバノ式メータ、ステッピングモータ等を用いてアーム機構等により駆動用モータの回転運動を直線運動に換える手法が広く採用されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、特許文献1を始めとする技術で用いられる駆動手段を使用した機構は、回転運動を直線運動に変える手法をとっているが、レンズ駆動機構に採用されているリニアアクチュエータを絞り調整に適用し、可動平板磁石とコイルを組み合わせて予め直線運動で光量制御部材を移動する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
近年では、撮像装置を小型化する要求が高まっており、これに伴い撮像装置のレンズ鏡筒自体、また鏡筒に含まれる各機構も益々小型化する必要がある。特に、絞りを調整するための露出制御機構は、例えば特許文献1をはじめとする技術では、上述したように駆動手段であるガルバノ式メータ、ステッピングモータ等のメータ部がレンズ鏡筒外部に張り出すことになり、この部分の占める空間容量を削減することが難しい。これに対して、特許文献2に記載の技術のように、予め直線運動によって絞りを制御する機構は、駆動効率という点で、また空間的な問題が解決できるという点で、回転駆動を直線運動に変更するタイプの機構に替わる手法として期待できる。
【0006】
【特許文献1】特開2001−272709号公報
【特許文献2】特開平2−226130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2の技術に提案されている光量制御装置の構成では、光量制御部材が互いに相反発するように着磁された強磁性材料からなるため、遮光のために動かす部材が重くなり駆動性が低下する。この問題を解決するには磁力を増大すればよいが、それには駆動機構が大きくなることが懸念される。
【0008】
更には、光量制御部材全体が着磁されているため、これを支持する支持マグネットを含め、光量制御部内に不要な磁界及び磁力線が多数発生し、制御系に悪影響を及ぼす可能性がある。移動する光量制御部材が少なくとも一対(2枚)あるため、光量制御装置内の磁界が不安定に変動し、速度検出コイルにおいて正確な速度検出ができず、正確な制御が難しい。
【0009】
そこで本発明は、上述した従来の実情に鑑みて提案されたものであり、小型軽量化を実現する露出制御機構及びレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明に係る露出制御機構は、レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されたコイルと、ヨークに平行であってコイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つの第1のガイド軸と、矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた切欠部を有する遮光部材と、遮光部材を外縁部において可動自在に支持するとともに該遮光部材の動きをコイルの可動方向に対して垂直な平面上の一方向に規制する少なくとも1つの第2のガイド軸と、コイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に遮光部材を移動するようコイルと遮光部材とを連結する連結部材と、コイルに供給する電流の方向を制御する電流制御手段とを備え、第1のガイド軸を介してコイルに駆動電流を供給しコイルのスライド方向を第1のガイド軸に沿って変位駆動させる。
【0011】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る露出制御機構は、レンズ鏡筒に対して固定支持される第1のヨークと、第1のヨークと同形状を有し該第1のヨークに取り付けられる第1のマグネットと、第1のヨーク及び第1のマグネットに可動自在に巻回された第1のコイルと、第1のヨークに平行であって第1のコイルの動きを第1のヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つの第1のガイド軸と、矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第1の切欠部を有する第1の遮光部材と、第1の遮光部材を外縁部において可動自在に支持するとともに該第1の遮光部材の動きを第1のコイルの可動方向に対して垂直な平面上の一方向に規制する少なくとも1つの第2のガイド軸と、第1のコイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に第1の遮光部材を移動するよう第1のコイルと第1の遮光部材とを連結する第1の連結部材とを有する第1の絞りユニットと、同様の構成を有する第2の絞りユニットとを備えている。
【0012】
この露出制御機構は、第2の遮光部材が第2のガイド軸に対して第1の遮光部材と略同一平面上に該第2の切欠部を第1の切欠部に向き合わせて支持されており、第1のコイルに駆動電流を供給し第1のコイルのスライド方向を第1のガイド軸に沿って変位駆動させ、第2のコイルに駆動電流を供給し第2のコイルのスライド方向を第2のガイド軸に沿って変位駆動させると、第1の遮光部材が第2のガイド軸に沿って移動するとともに第2の遮光部材が該第2のガイド軸に沿って移動することにより第1の遮光部材と第2の遮光部材の一部が重なって第1の切欠部と第2の切欠部との間にできる開口領域によって絞り開口を形成することを特徴とする。
【0013】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る露出制御機構は、レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されたコイルと、ヨークに平行であってコイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第1の切欠部を有する第1の遮光部材と、第1の遮光部材の長辺外縁に沿って設けられ光軸に直交する平面上に延長された第1の支持部材と、コイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に第1の遮光部材を移動するようコイルと第1の遮光部材とを連結する連結部材と、矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第2の切欠部を有する第2の遮光部材と、第2の遮光部材の長辺外縁に沿って設けられ光軸に直交する平面上に延長された第2の支持部材と、コイルに供給する電流の方向を制御する電流制御手段と、一端に上記第1の支持部材の端部が連結され他端に上記第2の支持部材の端部が連結され中央部で回動自在に軸支された回動アームとを備えている。
【0014】
この露出制御機構は、第1のガイド軸を介して上記コイルに駆動電流を供給しコイルのスライド方向をガイド軸に沿って変位駆動させると、第1の遮光部材が光軸に直交する平面上の一方向に移動し回動アームを介して第2の支持部材が第1の遮光部材の移動方向と逆方向に移動し、第1の遮光部材と第2の遮光部材の一部が重なって第1の切欠部と第2の切欠部との間にできる開口領域によって絞り開口を形成することを特徴とする。
【0015】
上述した目的を達成するために、本発明に係るレンズ鏡筒は、ズームレンズと該ズームレンズを駆動する駆動手段を有するズーム機構と、フォーカスレンズと該フォーカスレンズを駆動する駆動手段を有し焦点調整を行うフォーカス機構とを備え、絞り調整を行う露出制御機構として上述した露出制御機構を適用し、これらを鏡筒本体内部に配置する。
【0016】
ズーム機構は、少なくとも1つのズームレンズを保持するズームレンズ保持部材と、レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されズームレンズ保持部材が連結されたコイルと、ヨークに平行であってコイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、ガイド軸にスライド可能に支持されたズームレンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するレンズ駆動手段とを備え、コイルにガイド軸を介して駆動電流を供給することによってズームレンズ保持部材をガイド軸に沿って変位駆動させている。
【0017】
また、フォーカス機構は、少なくとも1つのフォーカスレンズを保持するフォーカスレンズ保持部材と、レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されフォーカスレンズ保持部材が連結されたコイルと、ヨークに平行であってコイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、ガイド軸にスライド可能に支持されたフォーカスレンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するレンズ駆動手段とを備え、コイルにガイド軸を介して駆動電流を供給することによってフォーカスレンズ保持部材をガイド軸に沿って変位駆動させている。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る露出制御機構によれば、レンズ駆動機構及びフォーカス機構と同様の仕組みで絞り調整のための露出制御機構を構成するようにしたことにより、駆動手段がレンズ鏡筒外部に張り出すことがなく撮像装置の小型化及びスリム化に寄与できる。また、レンズ駆動用のアーム、フォーカス駆動用のアームをすべて共通化できるため、レンズ鏡筒を組み立てる工程が簡単になる。また、本発明に係る露出制御機構では、ガイド軸及びスリーブ部を設けたことにより、遮光部である絞り羽根とこれを支持する支持部との間の摩擦を軽減するとともに絞り羽根同士のクリアランスが確保でき安定した駆動制御が可能になる。
【0019】
また、本発明に係るレンズ鏡筒によれば、露出制御機構がレンズ駆動機構及びフォーカス機構と同様の仕組み構成されるため、レンズ駆動用のアーム、フォーカス駆動用のアームをすべて共通化でき組立工程が簡単になる。さらに、駆動手段がレンズ鏡筒外部に張り出すことがなく撮像装置の小型化及びスリム化に寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施例として示す露出制御機構は、スライド式の“絞り羽根”によって結像部の光量を制御する装置であって、駆動手段としてレンズ鏡筒内部に設けられた固定磁石と固定磁石に可動自在に巻回されたコイルとの間でフレミングの法則に基づいて生じる力を用いて非接触駆動により絞り羽根を動かすための直線運動を得て、更に光軸に対して垂直な方向に変換して絞り羽根の開閉動作とすることを特徴としている。
【0021】
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。図1に、本発明の第1の実施例として示す露出制御機構1を光軸方向からみた外観平面図を示す。露出制御機構1は、絞り開口を調整する絞りユニットを一対有しているため、図面ではa,bの符号を付けて区別している。図2は、露出制御機構1に一対設けられた絞りユニットのうち一方を説明する図である。
【0022】
絞りユニットは、光量を制御するための遮光部材11aと、遮光部材11aの駆動手段としての構成を備えている。遮光部材11aは、可撓性を有する程度に薄い軽量な材料からなり矩形平板形状を有し、一端に該矩形平板の両長辺から部材中央方向に向かって尖状に切り込まれた三角状切欠12aを有する。遮光部材11aの両長辺の外縁部分は、光量を調整するときのスライド動作によって遮光部材11aが屈曲したりずれたりしないように、この遮光部材の材質よりも堅い材料からなる補強部材13−1a,13−2aで補強されている。遮光部材11aは、後述するもう一方の遮光部材11bとともに絞り開口を形成し、開口サイズを変更することで撮像時における被写体からの光量を規制している。以下、遮光部材を“絞り羽根”と記す。
【0023】
絞り羽根11aは、補強部材13−1a,13−2aに、後述するガイド軸16−1を挿入するスリーブ14aを備え、スリーブ14aと対照位置にガイド軸16−2を挿通するための支持孔15aを備える。スリーブ14a及び支持孔15aは、ガイド軸挿通孔を絞り羽根11aの厚み方向に対して一方の平面寄りにして取り付けられることが好ましい。これにより、絞り羽根11aに対向して設けられる絞り羽根11bとの間のクリアランスを確保し、互いに接触・衝突しないようにしている。スリーブ14aには、絞り羽根11aの移動量を検出するためのMRマグネット31aが設けられている。
【0024】
露出制御機構1は、絞り羽根11aを可動自在に支持するとともに移動方向を光軸に直交する平面上の一方向に規制するガイド軸16−1、ガイド軸16−2を備えている。ガイド軸16−1、ガイド軸16−2は、互いに平行になっている。絞り羽根11aは、スリーブ14aにガイド軸16−1が挿通され、支持孔15aにガイド軸16−2が挿通されることによってガイド軸に移動可能に支持されている。また、スリーブ14a及び支持孔15aの一部は、レンズ鏡筒内部に光軸に対して垂直方向に設けられた溝に沿って摺動するようになっている。絞り羽根11aは、2本のガイド軸に支持されることにより、ガイド軸外周方向に対して回り止めされて光軸に対して安定し、移動方向にガタつくことなくガイド軸方向の一平面上をスライド動作できる。
【0025】
続いて、上述した絞り羽根11aを駆動する駆動手段としての構成について説明する。図3は、露出制御機構1における絞り羽根11aの動きを説明する光軸に平行な側面からみた側面図を示す。
【0026】
露出制御機構1は、レンズ鏡筒に対して固定支持される第1ヨーク17a及び第2ヨーク18aと、第2ヨーク18aと同形状を有し、第2ヨーク18aに取り付けられたマグネット19aと、第2ヨーク18a及びマグネット19aに可動自在に巻回された駆動コイル20aと、第1ヨーク17a及び第1ヨーク18に平行であって駆動コイル20aの動きをヨークの延長方向の一方向に規制するガイド軸21−1a,21−2aを備えている。
【0027】
第1ヨーク17aと第2ヨーク18aは、第2ヨーク18aに駆動コイル20aが支持された状態で両端がヨーク側板22aで挟持されて箱型の閉ループを構成している。この駆動部は、第1ヨーク17a及び第2ヨーク18aに対して可動自在に挿着されていた駆動コイル20と、第2ヨーク18aに吸着固定されるマグネット19aとにより磁気回路が構成された、いわゆるリニアアクチュエータになっている。
【0028】
駆動コイル20aには、絞り羽根11aをスライド動作させる機構を支持する絞り羽根支持部材23aが取り付けられ、更に、絞り羽根支持部材23aは、光軸に平行方向に規制するガイド軸21−1a,21−2aに移動可能に支持されている。ガイド軸21−1a,21−2aには、外周面から給電可能になっており、図示しない電流制御部によって供給される電流方向及び電流量が制御されている。絞り羽根支持部材23aは、2本のガイド軸に支持されることにより、ガイド軸外周方向に対して回り止めされて移動方向にガタつくことなくガイド軸に沿ったスライド動作ができる。
【0029】
上述した絞り羽根11aと駆動部は、連結部材24aによって連結されている。連結部材24aは、駆動コイル20aの動作に連動して駆動コイル20aの移動方向に垂直な方向に絞り羽根11aを移動するように駆動コイル20aと絞り羽根11aとを連結している。
【0030】
連結部材24aは、絞り羽根支持部材23aの側面に設けられた連結凸部25a及び支持孔15aに設けられた連結凸部26aが係合される連結孔27a,28aを備えている。連結孔27a及び連結孔28aは、円弧状に湾曲した開口部であり、駆動コイル20aが第2ヨーク18a及びマグネット19aに沿って移動する(矢印A)と、絞り羽根11aの光軸方向の位置がレンズ鏡筒内壁の溝によって規制されているため、連結凸部25aが連結孔27aの湾曲開口に沿って他方の開口端部まで移動することによって連結凸部26aが連結孔28aの湾曲開口に沿って移動し、絞り羽根11aが駆動コイル20aの移動に連動して駆動コイル20aの移動方向に対する垂直方向に移動する(矢印B)。
【0031】
露出制御機構1は、上述した絞り羽根11aと同様の絞り羽根11bを備えている。絞り羽根11bは、三角状切欠12bを有しており、三角状切欠12bを三角状切欠12aに向き合わせるようにしてガイド軸16−1,16−2に支持されている。絞り羽根11bの三角状切欠12bを三角状切欠12aに対して向き合わせる方向でスリーブ15bにガイド軸16−1を挿通し、支持孔15bにガイド軸16−2を挿通する。このとき絞り羽根11bは、絞り羽根11aと略同一平面であるが互いに衝突しない高さ差をもって、光軸に直交する平面上の一方向にスライド可能に支持される。
【0032】
このときの、絞り羽根の位置は、MRマグネット及びMRセンサによって検出される。絞り羽根11aでは、MRマグネット31aは、移動方向に沿って磁極が交互に異なるように着磁されており、絞り羽根11aのスリーブ14a上、又は絞り羽根支持部材23a上に設けられている。位置検出用のMRセンサ32aは、MRマグネット31aが移動する領域に対応するレンズ鏡筒の内壁に、MRマグネット31aと一定間隔をあけて取り付けられている。MRセンサ32aは、MRマグネット31aからこのセンサに及ぶ磁界の変化に伴って抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子である。したがって、絞り羽根11aの移動に伴ってMRマグネット31aが移動すると、対向配置されたMRセンサ32aに及ぶ磁界が変化し、これに伴うMRセンサ32aの抵抗値変化をカウントすることによって絞り羽根11aの位置を正確に検出することができる。絞り羽根11bに対しても同様である。
【0033】
MRマグネット31aを設ける位置は、マグネット19aの磁力線によって干渉を受けない位置であれば、スリーブ14a、絞り羽根支持部材23a上に限定されない。また、絞り羽根11aの位置を検出する手段としては、MRセンサ及びMRマグネットに限定されず、既知の位置検出器を用いることができる。ただし、絞り羽根の駆動を妨げないように非接触の位置検出器であることが好ましい。
【0034】
上述した構成により露出制御機構1は、駆動コイル20aに駆動電流を供給しスライド方向をガイド軸21−1a,21−2aに沿って変位させると、マグネット19aとの間を通る磁束密度が変化し、駆動コイル20aがマグネット19aを横切る部分にフレミングの左手の法則により光軸方向に平行な推力が発生する。その結果、この推力を駆動力として、駆動コイル20aに一体化された絞り羽根支持部材23が光軸方向に移動する。同じく駆動コイル20bに駆動電流を供給しスライド方向をガイド軸21−1b,21−2bに沿って変位させると、絞り羽根11aがガイド軸16−1,16−2に沿って光軸側に移動し、絞り羽根11bが同様に光軸側に移動する。
【0035】
絞り羽根11aと絞り羽根11bは、絞り羽根11aがガイド軸に沿って移動し、絞り羽根11bが同一のガイド軸に沿って絞り羽根11aとは逆向きに移動することにより、三角状切欠12aと三角状切欠12bとが一部重なり合うことできる略菱形の開口部によって“絞り開口”が形成される。絞り羽根11aと絞り羽根11bとが互いに逆方向に移動するように制御されると開口領域の大きさが変わり、通過する光量を規制できる。
【0036】
次に、第1の実施例の駆動部分を変更した第2の実施例について図面を参照して説明する。第2の実施例として示す露出制御機構2を光軸方向からみた外観平面図を示す。露出制御機構1は、絞り開口を調整する絞りユニットを一対有しているため、図面ではa,bの符号を付けて区別している。第2の実施例として示す露出制御機構2は、絞り羽根11aと絞り羽根11bに各々設けていた駆動部を1組使用するだけで両方の羽根を同時に開閉する機構を取り入れることによって露出制御機構をより軽量化・簡素化したものである。そのため、露出制御機構2は、絞り羽根の構造に特徴を有する。
【0037】
本実施例の絞り開閉機構に適用する絞り羽根について、図4及び図5を用いて説明する。図4及び図5において、上述した露出制御機構1,2に共通する機能を有する構成には同一の番号を付けて詳細な説明を省略する。
【0038】
図4に示すように、絞り羽根41aは、可撓性を有する程度に薄い軽量な材料からなり矩形平板形状を有し、一端に該矩形平板の両長辺から部材中央方向に向かって尖状に切り込まれた三角状切欠42aを有し、移動方向に平行な長辺の一方に連結アーム411が三角状切欠側に延長されている。また、絞り羽根41aは、光量を調整するときのスライド動作によって絞り羽根41aが屈曲したりずれたりしないように絞り羽根41aの両長辺の外縁部分が絞り羽根の材質よりも堅い材料からなる補強部材14−1a,14−2aで補強されている。本具体例では、この補強部材の一方が連結アーム411を兼ねている。連結アーム411の端部には、後述する駆動羽根連結軸に連結するための連結孔43aが設けられている。
【0039】
一方、絞り羽根41bは、絞り羽根41aと同様、可撓性を有する程度に薄い軽量な材料からなり矩形平板形状を有し、一端に該矩形平板の両長辺から部材中央方向に向かって尖状に切り込まれた三角状切欠42bを有する。また、移動方向に平行な長辺の一方に連結アーム421が三角状切欠の反対端側に延長されている。絞り羽根41bも外縁部分が絞り羽根の材質よりも堅い材料からなる補強部材14−1b,14−2bで補強されている。この補強部材の一方が連結アーム421を兼ねている。連結アーム421の端部には、後述する羽根連結軸と連結するための連結孔43bが設けられている。
【0040】
図5に、露出制御機構2の構成を示す。絞り羽根41aは、補強部材14−1a,14−2aに、ガイド軸16−1を挿入するスリーブ14aを備え、スリーブ14aと対照位置に後述するガイド軸16−2を挿通するための支持孔15aを備える。絞り羽根41aは、スリーブ14aにガイド軸16−1が挿通され、支持孔15aにガイド軸16−2が挿通されることによってガイド軸に移動可能に支持されている。また、スリーブ14a及び支持孔15aの一部は、レンズ鏡筒内部に光軸に対して垂直方向に設けられた溝に沿って摺動するようになっている。絞り羽根41aは、2本のガイド軸に支持されることにより、ガイド軸外周方向に対して回り止めされて光軸に対して安定し、移動方向にガタつくことなくガイド軸方向の一平面上をスライド動作できる。
【0041】
スリーブ14a及び支持孔15aは、ガイド軸挿通孔を絞り羽根11aの厚み方向に対して一方の平面寄りにして取り付けられることが好ましい。これにより、絞り羽根11aに対向して設けられる絞り羽根11bとの間のクリアランスを確保し、互いに接触・衝突しないようにしている。スリーブ14aには、絞り羽根11aの移動量を検出するためのMRマグネット31aが設けられている。
【0042】
絞り羽根41aは、上述した第1ヨーク17a、第2ヨーク18a、マグネット19a、駆動コイル20aから構成される駆動部の絞り羽根支持部材23aと、連結部材24aによって連結され、図示しない電流制御部によって、駆動コイル20aに供給される電流方向及び電流量が制御されている。
【0043】
一方、絞り羽根41bは、絞り羽根41aと同様、可撓性を有する程度に薄い軽量な材料からなり矩形平板形状を有し、一端に該矩形平板の両長辺から部材中央方向に向かって尖状に切り込まれた三角状切欠42bを有する。また、移動方向に平行な長辺の一方に連結アーム421が三角状切欠の反対端側に延長されている。絞り羽根41bも外縁部分が絞り羽根の材質よりも堅い材料からなる補強部材14−1b,14−2bで補強されている。この補強部材の一方が連結アーム421を兼ねている。連結アーム421の端部には、後述する羽根連結軸と連結するための連結孔43bが設けられている。
【0044】
露出制御機構2は、絞り羽根41aと絞り羽根41bとを互いに逆方向に同期して動作させるための構成として、回動軸44によって回動自在な回動アーム45を備えている。回動アーム45は、絞り羽根の短辺幅と略同長であって、一端に駆動側となる絞り羽根41aの連結アーム411の先端と連結される駆動羽根連結軸46を有し、他方の端に絞り羽根41bの連結アーム421の先端と連結される羽根連結軸47を有している。
【0045】
保持部材12に接合された絞り羽根41aから延長された連結アーム411は、駆動羽根連結軸46を介して回動アーム45と連結され、絞り羽根41bの連結アーム421が回動アーム45の羽根連結軸47に連結されている。
【0046】
したがって、露出制御機構1は、駆動コイル20aに駆動電流を供給しスライド方向をガイド軸21−1a,21−1bに沿って変位させると、マグネット19aとの間を通る磁束密度が変化し、駆動コイル20aがマグネット19aを横切る部分にフレミングの左手の法則により光軸方向に平行な推力が発生する。その結果、この推力を駆動力として、駆動コイル20aに一体化された絞り羽根支持部材23aが光軸方向に移動する。駆動コイル20aが第2ヨーク18a及びマグネット19aに沿って移動すると、絞り羽根11aの光軸方向の位置がレンズ鏡筒内壁の溝によって規制されているため、連結凸部25aが連結孔27aの湾曲開口に沿って他方の開口端部まで移動することによって連結凸部26aが連結孔28aの湾曲開口に沿って移動し、絞り羽根11aが駆動コイル20aの移動に連動して駆動コイル20aの移動方向に対する垂直方向に移動する。
【0047】
このとき、絞り羽根41aが絞り方向(矢印Ca方向)へ移動すると、連結アーム411に連結された回動アーム45が回動軸45を中心に回動し、その回動に伴って羽根連結軸47に連結された連結アーム421を動かし、絞り羽根41bを同じく絞り方向(矢印Cb方向)へ絞り羽根41aの移動量と同距離だけ移動させる。同様に、絞り羽根41aを開放する場合には、絞り羽根41aが開放方向(矢印Oa方向)へ移動すると、この動きが回動アーム45を介して絞り羽根41bに伝達され、絞り羽根41bを同じく開放方向(矢印Ob方向)へ絞り羽根41aの移動量と同距離だけ移動させる。
【0048】
絞り羽根41aと絞り羽根41bは、同一のガイド軸に沿って互いに逆向きに移動することにより、三角状切欠部42aと三角状切欠42bとが一部重なり合うことできる略菱形の開口部によって“絞り開口”が形成される。絞り羽根41aと絞り羽根41bとが互いに逆方向に移動するように制御されると開口領域の大きさが変わり、通過する光量を規制できる。
【0049】
したがって、露出制御機構2によれば、絞り羽根のリニア駆動部が1つでよいため、部品点数の削減及び製造コスト削減に寄与できる。またこのとき、上述したように絞り羽根41aと絞り羽根41bは、互いに一方の平面寄りに取り付けられているために、絞り羽根の厚みに相当する高さ差ができ、両絞り羽根間のクリアランスが確保される。これにより、絞り羽根同士が干渉し合って互いに他の動作を妨げることがない。
【0050】
なお、位置検出用のMRマグネット31及びMRセンサ32は、絞り羽根41a、41bの移動量が回動アーム45を介して同量であるため、絞り羽根41a、41bの何れかに設置されていればよい。位置検出のための機構としては、上述した第1の実施例と同様、非接触による既知の位置検出器を用いることができる。
【0051】
次に、上述した露出制御機構1を撮像装置のレンズ鏡筒に適用した例について図5を用いて説明する。
【0052】
図5に示すように、レンズ鏡筒100は、複数のレンズを備える鏡筒本体によって、ズーム機構によるズーミング(変倍操作)とフォーカス機構によるフォーカッシング(焦点調節操作)とを行いながら、被写体の像を固体撮像素子に結像させる。レンズ鏡筒100は、固体撮像素子とで撮像装置を形成しいている。
【0053】
レンズ鏡筒100は、ズームレンズと該ズームレンズを駆動する駆動手段を有するズーム機構と、フォーカスレンズと該フォーカスレンズを駆動する駆動手段を有し焦点調整を行うフォーカス機構と、絞り調整を行う露出制御機構とを備えており、ここでの露出制御機構として上述した実施例を適用する。このレンズ鏡筒100は、例えばビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像部に用いて好適である。
【0054】
レンズ鏡筒100の鏡筒本体においてズーム機構、フォーカス機構を構成する複数のレンズは、図6に示すように、被写体側から順に、鏡筒前部に固定された第1のレンズ111、第2のレンズ112及び第3のレンズ113からなる固定レンズ群114と、鏡筒中間の内部で光軸方向に変位駆動される第4のレンズ115、第5のレンズ116及び第6のレンズ117からなるズーム用の可動レンズ群118と、鏡筒中間に固定された第7のレンズ(固定レンズ)119と、鏡筒中間の内部で光軸方向に変位駆動される第8のレンズ120、第9のレンズ121及び第10のレンズ122からなるフォーカス用の可動レンズ群123とを有し、いわゆる4群インナーフォーカス式のズームレンズとして構成されている。
【0055】
このうち、固定レンズ群114は、鏡筒前部の前面に設けられた略円筒状のレンズ保持部124に保持されている。また、固定レンズ119は、鏡筒中間の内周部に設けられた略円環状のレンズ保持枠125に保持されている。
【0056】
一方、ズーム用の可動レンズ群118及びフォーカス用の可動レンズ群123は、レンズ支持機構によって光軸方向に移動可能に支持されている。
【0057】
ズーム機構は、ズームレンズ群118を保持するズームレンズ保持部材126と、レンズ鏡筒100に対して固定支持される第1ヨーク128と、第1ヨーク128と同形状を有する第2ヨーク129、第1ヨーク128と同形状を有し、該ヨークに取り付けられるマグネット130と、ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されズームレンズ保持部材が連結されたコイル131と、第1ヨーク128に平行であってコイル131の動きを第1ヨーク128の延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能なガイド軸132aとを備えている。
【0058】
一対のガイド軸132a,132bは、例えばステンレスや黄銅等の剛性を有する導電性材料からなり、後述するコイルに駆動電流を供給するための駆動回路と電気的に接続されている。すなわち、これら一対のガイド軸132a,132bは、外周面からの給電が可能となっている。ガイド軸132aにスライド可能に支持されたズームレンズ保持部材126は、コイル131にガイド軸132aを介して駆動電流を供給することによってフォーカスレンズ保持部材をガイド軸に沿って変位駆動させている。ズームレンズ保持部材126の他方の端部は、鏡筒内部に固定されたガイド軸132bに可動自在に支持されている。
【0059】
また、フォーカス機構は、フォーカスレンズ群を保持するフォーカスレンズ保持部材133と、レンズ鏡筒に対して固定支持される第1ヨーク134と、第1ヨーク134と同形状を有する第2ヨーク135と、第1ヨーク134と同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネット136と、ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されフォーカスレンズ保持部材133が連結されたコイル137と、ヨークに平行であってコイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能なガイド軸138aとを備えている。
【0060】
一対のガイド軸138a,138bは、例えばステンレスや黄銅等の剛性を有する導電性材料からなり、後述するコイルに駆動電流を供給するための駆動回路と電気的に接続されている。すなわち、これら一対のガイド軸138a,138bは、外周面からの給電が可能となっている。ガイド軸138aにスライド可能に支持されたフォーカスレンズ保持部材133は、コイル137にガイド軸138aを介して駆動電流を供給することによってフォーカスレンズ保持部材133をガイド軸に沿って変位駆動させている。フォーカスレンズ保持部材133の他方の端部は、鏡筒内部に固定されたガイド軸138bに可動自在に支持されている。
【0061】
絞り機構としては、上述した露出制御機構1を適用する。このとき、図1を用いて説明した露出制御機構1を構成する一方の絞りユニットにおける第1ヨーク17a、第2ヨーク18a、マグネット19aを図6におけるズーム機構の第1ヨーク128、第2ヨーク129,マグネット130と共通化し、もう一方の絞りユニットにおける第1ヨーク17b、第2ヨーク18b、マグネット19bを図6におけるフォーカス機構の第1ヨーク134、第2ヨーク135,マグネット136と共通化する。
【0062】
続いて、上述した露出制御機構2を撮像装置のレンズ鏡筒に適用した例について図7を用いて説明する。図7に示す例では、絞り羽根の開閉に駆動手段を1つしかもたない露出制御機構2を用いた。レンズ鏡筒101は、上述したレンズ鏡筒100と同様の構成を有するが、ズーム機構、フォーカス機構、絞り機構を、第1ヨーク140、第2ヨーク141、マグネット142、ガイド軸143aで全て共通化できる点が特徴である。ズームレンズ保持部材126、フォーカスレンズ保持部材133の他方の端部は、ガイド軸143bで共通化する。
【0063】
したがって、以上説明したように、レンズ鏡筒100及びレンズ鏡筒101を構成するズーム機構、フォーカス機構、及び絞り機構の駆動部における固定部剤を共有化することにより、レンズ鏡筒100を組み立てる際には、結像側より各部材をヨークに差し込んでいくことでレンズ鏡筒100を組み立てることができ、製造工程が簡略化され、製造コストの削減にもつながる。また、本発明の具体例では、上述した機構にすることにより、部品点数を削減できる。更に、従来のレンズ鏡筒のように絞り機構がレンズ鏡筒外側に張り出すことがないため、レンズ鏡筒及び撮像部分の小型・軽量化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施例として示す露出制御機構を光軸方向からみた外観平面図である。
【図2】上記露出制御機構に一対設けられた絞りユニットのうち一方を説明する図である。
【図3】上記露出制御機構における絞り羽根の動きを説明する光軸に平行な側面からみた側面図である。
【図4】本発明の第2の実施例として示す露出制御機構に適用する絞り羽根を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施例として示す露出制御機構を光軸方向からみた外観平面図である。
【図6】上記第1の実施例として示す露出制御機構を適用した撮像装置の光軸に平行な平面における断面図である。
【図7】上記第2の実施例として示す露出制御機構を適用した撮像装置の光軸に平行な平面における断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 露出制御機構、 11a 遮光部材(絞り羽根)、 12a 三角状切欠、 13−1a,13−2a 補強部材、 14a スリーブ、 15a 支持孔、 16−1,16−2 ガイド軸、 17a 第1ヨーク、 18a 第2ヨーク、 19a マグネット、 20a 駆動コイル、 21−1a,21−2a ガイド軸、 31 MRマグネット、 32 MRセンサ、 41a 絞り羽根、 42a 三角状切欠、 44 回動軸、 45 回動アーム、 46 駆動羽根連結軸、 47 羽根連結軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、
上記ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、
上記ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されたコイルと、
上記ヨークに平行であって上記コイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つの第1のガイド軸と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた切欠部を有する遮光部材と、
上記遮光部材を外縁部において可動自在に支持するとともに該遮光部材の動きを上記コイルの可動方向に対して垂直な平面上の一方向に規制する少なくとも1つの第2のガイド軸と、
上記コイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に上記遮光部材を移動するよう上記コイルと上記遮光部材とを連結する連結部材と、
上記コイルに供給する電流の方向を制御する電流制御手段とを備え、
上記第1のガイド軸を介して上記コイルに駆動電流を供給し上記コイルのスライド方向を上記第1のガイド軸に沿って変位駆動させることを特徴とする露出制御機構。
【請求項2】
レンズ鏡筒に対して固定支持される第1のヨークと、
上記第1のヨークと同形状を有し該第1のヨークに取り付けられる第1のマグネットと、
上記第1のヨーク及び第1のマグネットに可動自在に巻回された第1のコイルと、
上記第1のヨークに平行であって上記第1のコイルの動きを第1のヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つの第1のガイド軸と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第1の切欠部を有する第1の遮光部材と、
上記第1の遮光部材を外縁部において可動自在に支持するとともに該第1の遮光部材の動きを上記第1のコイルの可動方向に対して垂直な平面上の一方向に規制する少なくとも1つの第2のガイド軸と、
上記第1のコイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に上記第1の遮光部材を移動するよう上記第1のコイルと上記第1の遮光部材とを連結する第1の連結部材とを有する第1の絞りユニットと、
レンズ鏡筒に対して固定支持される第2のヨークと、
上記第2のヨークと同形状を有し該第2のヨークに取り付けられる第2のマグネットと、
上記第2のヨーク及び第2のマグネットに可動自在に巻回された第2のコイルと、
上記第2のヨークに平行であって上記第2のコイルの動きを第2のヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つの第3のガイド軸と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第2の切欠部を有する第2の遮光部材と、
上記第2のコイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に上記第2の遮光部材を移動するよう上記第2のコイルと上記第2の遮光部材とを連結する第2の連結部材とを有する第2の絞りユニットと、
上記第1のコイル及び上記第2のコイルに供給する電流の方向を制御する電流制御手段とを備え、
上記第2の遮光部材は、上記第2のガイド軸に対して、上記第1の遮光部材と略同一平面上に該第2の切欠部を上記第1の切欠部に向き合わせて支持されており、上記第1のコイルに駆動電流を供給し第1のコイルのスライド方向を第1のガイド軸に沿って変位駆動させ、上記第2のコイルに駆動電流を供給し第2のコイルのスライド方向を第2のガイド軸に沿って変位駆動させると、上記第1の遮光部材が上記第2のガイド軸に沿って移動するとともに上記第2の遮光部材が該第2のガイド軸に沿って移動することにより上記第1の遮光部材と上記第2の遮光部材の一部が重なって上記第1の切欠部と上記第2の切欠部との間にできる開口領域によって絞り開口を形成することを特徴とする露出制御機構。
【請求項3】
レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、
上記ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、
上記ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されたコイルと、
上記ヨークに平行であって上記コイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第1の切欠部を有する第1の遮光部材と、
上記第1の遮光部材の長辺外縁に沿って設けられ光軸に直交する平面上に延長された第1の支持部材と、
上記コイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に上記第1の遮光部材を移動するよう上記コイルと上記第1の遮光部材とを連結する連結部材と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第2の切欠部を有する第2の遮光部材と、
上記第2の遮光部材の長辺外縁に沿って設けられ光軸に直交する平面上に延長された第2の支持部材と、
上記コイルに供給する電流の方向を制御する電流制御手段と、
一端に上記第1の支持部材の端部が連結され他端に上記第2の支持部材の端部が連結され中央部で回動自在に軸支された回動アームとを備え、
上記第1のガイド軸を介して上記コイルに駆動電流を供給し上記コイルのスライド方向を上記ガイド軸に沿って変位駆動させると、上記第1の遮光部材が光軸に直交する平面上の一方向に移動し上記回動アームを介して上記第2の支持部材が上記第1の遮光部材の移動方向と逆方向に移動し、上記第1の遮光部材と上記第2の遮光部材の一部が重なって上記第1の切欠部と上記第2の切欠部との間にできる開口領域によって絞り開口を形成することを特徴とする露出制御機構。
【請求項4】
ズームレンズと該ズームレンズを駆動する駆動手段を有するズーム機構と、フォーカスレンズと該フォーカスレンズを駆動する駆動手段を有し焦点調整を行うフォーカス機構と、絞り調整を行う露出制御機構とを備え、これらが鏡筒本体内部に配置されたレンズ鏡筒において、
上記露出制御機構は、
レンズ鏡筒に対して固定支持される第1のヨークと、
上記第1のヨークと同形状を有し該第1のヨークに取り付けられる第1のマグネットと、
上記第1のヨーク及び第1のマグネットに可動自在に巻回された第1のコイルと、
上記第1のヨークに平行であって上記第1のコイルの動きを第1のヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つの第1のガイド軸と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第1の切欠部を有する第1の遮光部材と、
上記第1の遮光部材を外縁部において可動自在に支持するとともに該第1の遮光部材の動きを上記第1のコイルの可動方向に対して垂直な平面上の一方向に規制する少なくとも1つの第2のガイド軸と、
上記第1のコイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に上記第1の遮光部材を移動するよう上記第1のコイルと上記第1の遮光部材とを連結する第1の連結部材とを有する第1の絞りユニットと、
レンズ鏡筒に対して固定支持される第2のヨークと、
上記第2のヨークと同形状を有し該第2のヨークに取り付けられる第2のマグネットと、
上記第2のヨーク及び第2のマグネットに可動自在に巻回された第2のコイルと、
上記第2のヨークに平行であって上記第2のコイルの動きを第2のヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つの第3のガイド軸と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第2の切欠部を有する第2の遮光部材と、
上記第2のコイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に上記第2の遮光部材を移動するよう上記第2のコイルと上記第2の遮光部材とを連結する第2の連結部材とを有する第2の絞りユニットと、
上記第1のコイル及び上記第2のコイルに供給する電流の方向を制御する電流制御手段とを備え、
上記第2の遮光部材は、上記第2のガイド軸に対して、上記第1の遮光部材と略同一平面上に該第2の切欠部を上記第1の切欠部に向き合わせて支持されており、上記第1のコイルに駆動電流を供給し第1のコイルのスライド方向を第1のガイド軸に沿って変位駆動させ、上記第2のコイルに駆動電流を供給し第2のコイルのスライド方向を第2のガイド軸に沿って変位駆動させると、上記第1の遮光部材が上記第2のガイド軸に沿って移動するとともに上記第2の遮光部材が該第2のガイド軸に沿って移動することにより上記第1の遮光部材と上記第2の遮光部材の一部が重なって上記第1の切欠部と上記第2の切欠部との間にできる開口領域によって絞り開口を形成することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項5】
上記ズーム機構は、
少なくとも1つのズームレンズを保持するズームレンズ保持部材と、
レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、
上記ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、
上記ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回され上記ズームレンズ保持部材が連結されたコイルと、
上記ヨークに平行であって上記コイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、
上記ガイド軸にスライド可能に支持された上記ズームレンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するレンズ駆動手段とを備え、
上記コイルに上記ガイド軸を介して駆動電流を供給することによって、上記ズームレンズ保持部材を上記ガイド軸に沿って変位駆動させること
ことを特徴とする請求項4記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
上記露出制御機構の第1のヨーク及び第1のマグネットを上記ズーム機構のヨーク及びマグネットと共通化する、或いは上記露出制御機構の第2のヨーク及び第2のマグネットを上記ズーム機構のヨーク及びマグネットと共通化することを特徴とする請求項5記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
上記フォーカス機構は、
少なくとも1つのフォーカスレンズを保持するフォーカスレンズ保持部材と、
レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、
上記ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、
上記ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回され上記フォーカスレンズ保持部材が連結されたコイルと、
上記ヨークに平行であって上記コイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、
上記ガイド軸にスライド可能に支持された上記フォーカスレンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するレンズ駆動手段とを備え、
上記コイルに上記ガイド軸を介して駆動電流を供給することによって、上記フォーカスレンズ保持部材を上記ガイド軸に沿って変位駆動させること
ことを特徴とする請求項4記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
上記露出制御機構の第1のヨーク及び第1のマグネットを上記フォーカス機構のヨーク及びマグネットと共通化する、或いは上記露出制御機構の第2のヨーク及び第2のマグネットを上記フォーカス機構のヨーク及びマグネットと共通化することを特徴とする請求項7記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
ズームレンズと該ズームレンズを駆動する駆動手段を有するズーム機構と、フォーカスレンズと該フォーカスレンズを駆動する駆動手段を有し焦点調整を行うフォーカス機構と、絞り調整を行う露出制御機構とを備え、これらが鏡筒本体内部に配置されたレンズ鏡筒において、
上記露出制御機構は、
レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、
上記ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、
上記ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回されたコイルと、
上記ヨークに平行であって上記コイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第1の切欠部を有する第1の遮光部材と、
上記第1の遮光部材の長辺外縁に沿って設けられ光軸に直交する平面上に延長された第1の支持部材と、
上記コイルの動きに連動して該コイルの移動方向に垂直な方向に上記第1の遮光部材を移動するよう上記コイルと上記第1の遮光部材とを連結する連結部材と、
矩形平板形状を有し一端に該矩形平板の中央方向に切り込まれた第2の切欠部を有する第2の遮光部材と、
上記第2の遮光部材の長辺外縁に沿って設けられ光軸に直交する平面上に延長された第2の支持部材と、
上記コイルに供給する電流の方向を制御する電流制御手段と、
一端に上記第1の支持部材の端部が連結され他端に上記第2の支持部材の端部が連結され中央部で回動自在に軸支された回動アームとを備え、
上記第1のガイド軸を介して上記コイルに駆動電流を供給し上記コイルのスライド方向を上記ガイド軸に沿って変位駆動させると、上記第1の遮光部材が光軸に直交する平面上の一方向に移動し上記回動アームを介して上記第2の支持部材が上記第1の遮光部材の移動方向と逆方向に移動し、上記第1の遮光部材と上記第2の遮光部材の一部が重なって上記第1の切欠部と上記第2の切欠部との間にできる開口領域によって絞り開口を形成することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項10】
上記ズーム機構は、
少なくとも1つのズームレンズを保持するズームレンズ保持部材と、
レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、
上記ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、
上記ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回され上記ズームレンズ保持部材が連結されたコイルと、
上記ヨークに平行であって上記コイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、
上記ガイド軸にスライド可能に支持された上記ズームレンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するレンズ駆動手段とを備え、
上記コイルに上記ガイド軸を介して駆動電流を供給することによって、上記ズームレンズ保持部材を上記ガイド軸に沿って変位駆動させること
ことを特徴とする請求項9記載のレンズ鏡筒。
【請求項11】
上記露出制御機構の第1のヨーク及び第1のマグネットを上記ズーム機構のヨーク及びマグネットと共通化する、或いは上記露出制御機構の第2のヨーク及び第2のマグネットを上記ズーム機構のヨーク及びマグネットと共通化することを特徴とする請求項10記載のレンズ鏡筒。
【請求項12】
上記フォーカス機構は、
少なくとも1つのフォーカスレンズを保持するフォーカスレンズ保持部材と、
レンズ鏡筒に対して固定支持されるヨークと、
上記ヨークと同形状を有し該ヨークに取り付けられるマグネットと、
上記ヨーク及びマグネットに可動自在に巻回され上記フォーカスレンズ保持部材が連結されたコイルと、
上記ヨークに平行であって上記コイルの動きをヨークの延長方向の一方向に規制し外周面から給電可能な少なくとも1つのガイド軸と、
上記ガイド軸にスライド可能に支持された上記フォーカスレンズ保持部材を光軸方向に変位駆動するレンズ駆動手段とを備え、
上記コイルに上記ガイド軸を介して駆動電流を供給することによって、上記フォーカスレンズ保持部材を上記ガイド軸に沿って変位駆動させること
ことを特徴とする請求項9記載のレンズ鏡筒。
【請求項13】
上記露出制御機構の第1のヨーク及び第1のマグネットを上記フォーカス機構のヨーク及びマグネットと共通化する、或いは上記露出制御機構の第2のヨーク及び第2のマグネットを上記フォーカス機構のヨーク及びマグネットと共通化することを特徴とする請求項12記載のレンズ鏡筒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−72242(P2006−72242A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258760(P2004−258760)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】