説明

露出制御装置及びカメラ

【課題】本発明は、露出を好適に行うことが可能な露出制御装置及びカメラを提供する。
【解決手段】本発明の露出制御装置105は、被写体の最大輝度値BvMax及び最小輝度値BvMinの輝度差deltaBvを取得する輝度値取得部105aと、ブラケット撮影を行う場合のブラケット量HDRBKTを、最大輝度値BvMax及び最小輝度値BvMinとの輝度差deltaBvに応じて求めるブラケット量演算部105bと、被写体を撮影する際に適正露出として自動的に求められる自動露出値EvAutoを決定する第1露出値演算部105cと、ブラケット撮影のオーバー側撮影を行う際のオーバー側露出値EvAuto−ExCompPlus及びアンダー側撮影時のアンダー側露出値EvAuto+ExCompMinusを、最大輝度値BvMax、最小輝度値BvMin、ブラケット量HDRBKT及び自動露出値EvAutoより求める第2露出値演算部105dと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露出制御装置及びカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被写体を撮影する際に、被写体の輝度レンジが、撮像素子における出力のダイナミックレンジを超える場合、白飛びや黒つぶれが発生し、画質が悪化する。このため、ブラケット撮影を行い、露出量を大きくした撮像画像と露出量を抑えた撮像画像とを取得し、これらの画像を合成することでハイダイナミックレンジ(HDR)を得ることが行われている。従来、このブラケット撮影を自動で行う技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−104009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術は、実際の露光条件を何度か変えながらHDR用の露出処理を決定するため時間がかかる。また同特許文献には、累積ヒストグラムから輝度差を推定し、露出を決定するという方法で時間短縮が可能と記載されているが、これではHDRブラケットの正確さに欠ける。
【0005】
本発明の課題は、露出を好適に行うことが可能な露出制御装置及びカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
請求項1に記載の発明は、被写体の最大輝度値(BvMax)及び最小輝度値(BvMin)を取得する輝度値取得部(105a)と、ブラケット撮影を行う場合のブラケット量(HDRBKT)を、前記最大輝度値(BvMax)及び前記最小輝度値(BvMin)の輝度差(deltaBv)に応じて求めるブラケット量演算部(105b)と、前記被写体を撮影する際に適正露出として自動的に求められる自動露出値(EvAuto)を決定する第1露出値演算部(105c)と、前記ブラケット撮影のオーバー側撮影を行う際のオーバー側露出値(EvAuto−ExCompPlus)及びアンダー側撮影時のアンダー側露出値(EvAuto+ExCompMinus)を、前記最大輝度値(BvMax)、前記最小輝度値(BvMin)、前記ブラケット量(HDRBKT)及び前記自動露出値(EvAuto)より求める第2露出値演算部(105d)と、を備えること、を特徴とする露出制御装置(105)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の露出制御装置(105)であって、前記輝度差(deltaBv)に対する、前記最大輝度値(BvMax)と前記自動露出値(EvAuto)との差の比と、前記ブラケット量(HDRBKT)に対する、前記オーバー側露出値(EvAuto−ExCompPlus)と前記自動露出値(EvAuto)との差の比とが等しいこと、を特徴とする露出制御装置(105)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の露出制御装置(105)と、前記露出制御装置(105)により決定されたオーバー側露出値(EvAuto−ExCompPlus)でオーバー側画像を撮像し、前記アンダー側露出値(EvAuto+ExCompMinus)でアンダー側画像を撮像する撮像部(104)と、前記オーバー側画像と前記アンダー側画像とを合成してハイダイナミック画像を得る画像合成部(105e)と、を備えること、を特徴とするカメラ(100)である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のカメラであって、前記輝度値取得部は、前記撮像部により撮像されている画像より、前記被写体の最大輝度値(BvMax)及び最小輝度値(BvMin)を求めること、を特徴とするカメラである。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のカメラ(100)であって、前記輝度値取得部(105a)は、前記撮像部(104)とは異なる撮像部(112)に撮像されている画像より、前記被写体の最大輝度値(BvMax)及び最小輝度値(BvMin)を求めること、を特徴とするカメラ(100)である。
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれか1項に記載のカメラ(100)であって、前記撮像部(104)は、撮像時のシャッタ速度及び撮像時のISO感度の少なくも一方を変えることにより、露出値を変更して前記オーバー側画像と前記アンダー側画像とを撮像すること、を特徴とするカメラ(100)である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のカメラであって、撮影シーンを判定するシーン判定部を備え、前記撮像部は、該判定された撮影シーンに応じて、撮像時のシャッタ速度、撮像時のISO感度、又は、シャッタ速度及びISO感度の両方を変えるかを選択すること、を特徴とするカメラである。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、露出を好適に行うことが可能な露出制御装置及びカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態のカメラを示すブロック図である。
【図2】HDR画像を得る際のフローチャートである。
【図3】第2撮像部を模式的にあらわしたものである。
【図4】第2撮像部に被写体像が結像された状態を模式的に表したものである。
【図5】図2のステップS104を詳細に説明するフローチャートである。
【図6】輝度差とHDRのブラケット量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の一実施形態のカメラ100を示すブロック図である。本実施形態では、カメラ本体100aと、カメラ本体100aに対して着脱自在に装着されるレンズ鏡筒100bとを備える一眼レフタイプのカメラ100について説明する。
【0011】
レンズ鏡筒100bは、被写体光が入射する複数のレンズ群を備えるが、図1においては代表して1枚のレンズ102で表している。
【0012】
カメラ本体100aは、ミラー110と、表示部103と、プリズム他108と、接眼部109及び測光部130を備える。さらにカメラ本体100aは、シャッタ111と、第1撮像部104と、制御部105と、モニタ107と、メモリカードスロット106と、操作部101と、を備えている。以下、各部について説明する。
【0013】
ミラー110は、回転可能なクイックリターンミラーであり、レンズ102からの光が入射する位置に設けられ、表示部103や測光部130、又は、シャッタ6や撮像部7に被写体光を入射させる。
【0014】
表示部103は、例えば高分子分散型液晶であり、ミラー110の上方に配置されている。ミラー110で反射された被写体光は表示部103に投影されて被写体像が形成される。表示部103上に設けられた表示は、レンズ102を通ってミラー110によって導かれた光に重ね合わせられる。 この表示が重畳された光は、プリズム108によって接眼部109に導かれ、撮影者は被写体像を観察することができる。また、表示部103に投影された被写体像は、ペンタプリズム108によって測光部130へも導かれる。
【0015】
測光部130は、測光レンズ113及び第2撮像部112を備えている。
第2撮像部112は例えばCMOSやCCDなどの複数画素からなるイメージセンサーである。第2撮像部112により撮像された画像は制御部105へと送られ、この画像を元に、制御部105は公知の自動露出を行い、露出を決定する。
【0016】
シャッタ111は、ミラー110の後方に配置されている。シャッタ111には、ミラー110が上へ回動して撮影可能状態となったときに被写体光が入射される。
シャッタ111は不図示の複数のシャッタ羽根を備えている。シャッタ111は、レリーズボタンなどによる撮影指示に応じてシャッタ羽根を開閉させ、第1撮像部104に被写体光を入射する。
【0017】
第1撮像部104は、例えばCMOSやCCDなどのイメージセンサーである。撮像時にはミラー110が上がり、シャッタ111が開いて、レンズ102によって結像した被写体像が制御部105により決定された露出で撮像される。そして撮像により得られた画像信号は制御部105へ出力される。
【0018】
制御部105は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、カメラ100を制御する。
制御部105は、第1撮像部104から入力された画像信号に基づいて所定の画像形式、たとえばJPEG形式の画像データ(以下、本画像データ)を生成する。また、制御部105は生成した画像データに基づいて、表示用画像データ、たとえばサムネイル画像データを作成する。そして制御部105は、生成した本画像データとサムネイル画像データとを含み、さらにヘッダ情報を付加した画像ファイルを生成してメモリカードスロット106へ出力する。
さらに制御部105は、後述するが、輝度差演算部105a、ブラケット量演算部105b、第1露出値演算部105c、第2露出値演算部105d及び画像合成部105eとを備える。
【0019】
なお、制御部105を構成するメモリには、SDRAMやフラッシュメモリが含まれる。SDRAMは揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用され、またデータを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。フラッシュメモリは、不揮発性のメモリであって、制御部105が実行するプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。
【0020】
モニタ107は、カメラ100の背面などに搭載された液晶モニタであり、当該モニタ107には、メモリカードに記憶されている画像やカメラ100を設定するための設定メニューなどが表示される。
【0021】
操作部101は、使用者によって操作される入力部材、たとえば電源スイッチ、レリーズボタン、ズームボタン、十字キー、決定ボタン、再生ボタン、削除ボタンなどを含んでいる。そして、この操作部101において、後述するハイダイナミックレンジ(HDR)を行うか否かの選択や、その適応量の選択などが可能となっている。
【0022】
本実施形態では、本画像データとサムネイル画像データとは、いずれも例えばRGB表色系で表された画像データであるものとする。
メモリカードスロット106は、記憶媒体としてのメモリカードを挿入するためのスロットであり、制御部105から出力された画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。
また、メモリカードスロット106は、制御部105からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み込む。
【0023】
本実施形態のカメラ100は、以下のように動作する。レンズ102を通してミラー110によって反射された被写体光は、表示部103及び測光部130へ導かれる。そして、測光部130の第2撮像部112により撮像された画像は制御部105へと送られる。そして、この画像を元に、制御部105の第1露出値演算部105cは公知の自動露出を行い、露出を決定する。
【0024】
そして、操作部101に含まれるレリーズスイッチの全押し操作等によって撮影が指令されると、ミラー110が上へ回動して撮影可能状態となり、シャッタ111が開いて第1撮像部104に被写体光が入射する。第1撮像部104によって撮像された被写体像は制御部105によって電気信号に変換され、これを画像情報としてメモリカードスロット106へ出力される。
【0025】
ここで、被写体を撮影する際に、被写体に輝度差が大きい場合、被写体の輝度レンジが撮像部のダイナミックレンジを超えることがある。この場合、白飛びや黒つぶれが発生し、画質が悪化する。
このため、本実施形態では、露出量を大きくした撮像画像と、露出量を抑えた撮像画像とを取得するブラケット撮影を行い、これらの画像を合成することで、HDR画像を得る。
【0026】
図2は、HDR画像を得る際のフローチャートである。
まず、ステップS101で、レンズ102、ミラー110、表示部103を通した被写体像を、第2撮像部112により撮像する。そして、撮像された画像は制御部105へと送られる。
【0027】
ステップS102において、制御部105の輝度値取得部105aは、第2撮像部112の出力を輝度値に変換し、その最大輝度値と最小輝度値の検出を行う。最大輝度値と最小輝度値の検出を、図3及び図4を用いて説明する。
【0028】
図3は、第2撮像部112を模式的に表したものである。本実施形態では第2撮像部112の画素200の数は15であり、図3においてそれぞれの画素200に0〜14までのインデックスが付してある。以下の説明においてそれぞれの画素を第0画素から第15画素という。
なお、本実施形態では画素200の数を15としているが、それぞれの画素200が、さらに複数の画素を含んでいても良い。
【0029】
図4は、第2撮像部112に被写体像が結像された状態を模式的に表したものである。図4に示すように、第2撮像部112に、例えば太陽と人物の被写体像が結像されると、第2撮像部112の画素輝度値は、第0画素が最大となり、第8画素か第13画素が最小となる。
ここで、第2撮像部112の画素における最大輝度値をMaxBv、最小輝度値をMinBvとする。
図2に戻り、ステップS103において、制御部105の第1露出値演算部105cは公知の自動露出を行う。この自動露出において、設定により図4の被写体像における適正な自動露出値が決定される。この自動露出値をEvAutoとする。
【0030】
ステップS104では、上記のMaxBv,MinBv,EvAutoによりブラケット撮影を行う場合の露出値を求める。
図5は、ステップS104を詳細に説明するフローチャートである。
【0031】
(最大輝度と最小輝度の輝度差演算)
まず、ステップS201において制御部105のブラケット量演算部105bは、第2撮像部112の画面内の最大輝度と最小輝度の輝度差deltaBvを計算する。
deltaBv=BvMax−BvMin
【0032】
(ブラケット量演算)
ステップS202で制御部105のブラケット量演算部105bは、求めた輝度差deltaBvよりHDRのためのブラケット量を求める。
図6は輝度差とHDRのブラケット量との関係を示すグラフであり、横軸が輝度差deltaBv、縦軸がHDRのブラケット量HDRBKTである。
図6の縦軸に示すHDRLimt1はHDR撮影時の最低露出差である。このHDRLimt2は違和感なくHDR合成できる最大露出差である。図6の横軸のdeltaBvTh1とdeltaBvTh2は予め実験などで求めた値である。
【0033】
図示するように、
(1)輝度差がdeltaBvTh1以下の場合は、ブラケット量はHDRLimt1で一定である。ここで、HDRLimt1はHDR撮影時の最低露出差なので0としてもよい。輝度差が小さく、ブラケットを行う必要度が低いからである。
(2)輝度差がdeltaBvTh2以上の場合は、ブラケット量はHDRLimt2で一定である。これ以上ブラケット量を大きくすると不自然な画像となるからである。
【0034】
すなわち、数式で表すと、
deltaBv≦deltaBvTh1 → HDRBKT=HDRLimt1
deltaBv≧deltaBvTh2 → HDRBKT=HDRLimt2
【0035】
(3)それ以外の範囲では、ブラケット量は輝度差に応じて線形に変化して、以下の式を満たす。
HDRBKT=
{(HDRLimt2−HDRLimt1)×dBv+(HDRLimt1×deltaBvTh2−HDRLimt2×deltaBvTh1)}
/(deltaBvTh2− deltaBvTh1)
【0036】
ステップS203において制御部105の第2露出値演算部105dは、ステップS202で求めたブラケット量より、露出オーバー画像を得るために、自動露出によって求めた自動露出値EvAutoに対する露出補正値ExCompPlusを計算する。
この露出補正量は以下の式で計算される。
ExCompPlus=HDRBKT×(MaxBv−EvAuto)/deltaBv
【0037】
ステップS204ではステップS202で求めたブラケット量より、露出アンダー画像を得るために、自動露出によって求めた自動露出値EvAutoに対する補正値ExCompMinusを計算する。
この補正量は以下の式で計算される。
ExCompMinus=HDRBKT×(EvAuto−MinBv)/deltaBv
【0038】
或いは露出アンダー画像を得るための露出補正値ExCompMinusは、以下のようにBKT量HDRBKTから計算しても良い。
ExCompMinus=HDRBKT−ExCompPlus
【0039】
以上、HDR画像作成用の、露出差のある2枚を撮影するための露出補正値が求められる。
その結果、実際の撮像動作では、公知の自動露出により算出されたEvAutoに上記露出補正を加える。アンダー画像を撮るための露出は、EvAuto+ExCompMinus、オーバー画像を撮影するための露出は、EvAuto−ExCompPlusとなる。
【0040】
図2のフローチャートに戻り、ステップS105でレリーズ動作の判定を行う。
ステップS105によってレリーズが行われた場合に、ステップS106で第1撮像部によるブラケット(BKT)撮像動作を行う。
BKT撮像動作とは、2回の撮像を連続して行うことである。1回目の撮像では露出値EvAuto+ExCompMinusでアンダー画像、2回目の撮像では露出値EvAuto−ExCompPlusでオーバー画像を撮影する。または逆でも良い。
なお、2回連続して撮像動作を行う場合、メカシャッターを用いても、電子シャッターを用いても良い。
【0041】
ここで、撮像部は、撮像時のシャッタ速度及び撮像時のISO感度の少なくも一方を変えることにより、露出値を変更してオーバー側画像と前記アンダー側画像とを撮像する。
以上の処理を経て、2枚の露出差のある画像を得る。そしてステップS107において制御部105の画像合成部105eは、2枚の画像を合成してハイダイナミックレンジの画像を得る。
【0042】
以上、本実施形態によると、被写体の最大輝度値と自動露出値との差と、自動露出値と最小輝度値との差の比、及び、HDRのオーバー側露出値と自動露出値との差と、自動露出値とアンダー側露出値との差の比、を等しくする。これにより、最大輝度値と自動露出値の差が最小輝度値と自動露出値の差よりも大きくて白トビの程度が大きくなりそうな場合は、HDRの露出差をExCompMinusに多く振り分けることで白トビを抑える事が出来る。
【0043】
また逆に、最小輝度と自動露出の差が最大輝度と自動露出の差よりも大きくて黒つぶれの程度が大きくなりそうな場合は、HDRの露出差をExCompPlusに多く振り分けることで黒つぶれを抑える事が出来る。
従って、本実施形態によると、最適なHDR用の露出を決定することが出来る。
【0044】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では一般に一眼レフと呼ばれるカメラでの使用を説明したが、画面内の最小輝度と最大輝度が検出できれば、コンパクトデジタルカメラやカメラ機能付き携帯電話などであってもよい。
また、上述の実施形態では、一眼レフタイプのカメラを用いたため、被写体画像を撮像する第1撮像部104と、被写体の輝度を得るための第2撮像部112とは異なるものを使用する。しかし、これに限定されず、例えばコンパクトカメラ等の場合、被写体画像を撮像する撮像部と、被写体の輝度を得るための撮像部とは同じものであっても良い。
(2)また、カメラは、撮影シーンを判定するシーン判定部を備えてもよく、その場合撮像部は、判定された撮影シーンに応じて、撮像時のシャッタ速度、撮像時のISO感度、又は、シャッタ速度及びISO感度の両方を変えるかを選択してもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0045】
100:カメラ、105:制御部、105a:輝度値取得部、105b:ブラケット量演算部、105c:第1露出値演算部、105d:第2露出値演算部、105e:画像合成部、BvMax:最大輝度値、BvMin:最小輝度値、deltaBv:輝度差、HDRBKT:ブラケット量、EvAuto:自動露出値、EvAuto−ExCompPlus:オーバー側露出値、アンダー側露出値:EvAuto+ExCompMinus

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の最大輝度値及び最小輝度値を取得する輝度値取得部と、
ブラケット撮影を行う場合のブラケット量を、前記最大輝度値と前記最小輝度値との輝度差に応じて求めるブラケット量演算部と、
前記被写体を撮影する際に適正露出として自動的に求められる自動露出値を決定する第1露出値演算部と、
前記ブラケット撮影のオーバー側撮影を行う際のオーバー側露出値及びアンダー側撮影時のアンダー側露出値を、前記最大輝度値、前記最小輝度値、前記ブラケット量及び前記自動露出値より求める第2露出値演算部と、を備えること、
を特徴とする露出制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の露出制御装置であって、
前記輝度差に対する、前記最大輝度値と前記自動露出値との差の比と、
前記ブラケット量に対する、前記オーバー側露出値と前記自動露出値との差の比とが等しいこと、
を特徴とする露出制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の露出制御装置と、
前記露出制御装置により決定されたオーバー側露出値でオーバー側画像を撮像し、前記アンダー側露出値でアンダー側画像を撮像する撮像部と、
前記オーバー側画像と前記アンダー側画像とを合成してハイダイナミック画像を得る画像合成部と、を備えること、
を特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項3に記載のカメラであって、
前記輝度値取得部は、前記撮像部に撮像されている画像より、前記被写体の最大輝度値及び最小輝度値を取得すること、
を特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項3に記載のカメラであって、
前記輝度値取得部は、前記撮像部とは異なる撮像部に撮像されている画像より、前記被写体の最大輝度値及び最小輝度値を取得すること、
を特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載のカメラであって、
前記撮像部は、撮像時のシャッタ速度及び撮像時のISO感度の少なくも一方を変えることにより、露出値を変更して前記オーバー側画像と前記アンダー側画像とを撮像すること、
を特徴とするカメラ。
【請求項7】
請求項6に記載のカメラであって、
撮影シーンを判定するシーン判定部を備え、
前記撮像部は、該判定された撮影シーンに応じて、撮像時のシャッタ速度、撮像時のISO感度、又は、シャッタ速度及びISO感度の両方を変えるかを選択すること、
を特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−204952(P2012−204952A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65788(P2011−65788)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】