説明

静止したタッカーバー機構

静止したタッカーバー機構は縦型の直立型袋及びガセットを形成した、平坦な底部を有する袋を構成するために使用される縦型の形成、充填、及び熱融着包装機械に取り付けられる。チューブ上に横断方向シールを形成するに先立って包装フィルムのチューブの対向する両側面に沿って1つか2つの縦の折り目を形成することにより、包装フィルムのシ―ト1枚から縦型の直立型袋や平坦な底部を有する袋を形成する。縦の折り目は静止したタッカーバーガセット形成機構を使用して形成される。タッカーバーガセット形成機構は包装フィルムのチューブの外側に設けられ、包装フィルムのチューブの内側に設けられる2つの形成プレートの間に配置される。タッカーバーガセット形成機構は操作中静止するが、多数の軸の配向に沿って調整可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は縦型の直立した袋及び平坦な底面のガセット袋を構成するための、縦型の形成、充填、及び熱融着する包装機械に取り付けられた固定タッカーバー機構及びその使用方法に関する。これらは小売りのスナック食品の頒布に好適な縦型の直立した袋を一体的に構成する。本発明により現存するフィルム変換器及び包装技術が使用可能となり、コストの上昇及び構成の変更を最小限に抑えて直立した包装を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
通常、チップス及びその他の類似の製品の袋を形成し、充填し、熱融着するために、縦型の形成、充填、及び熱融着する包装機械がスナック食品産業において使用される。このような包装機械はシートロールから包装用フィルムを取り出し、フィルムを製品搬送シリンダの周囲にて縦にチューブ状に形成する。縦のチューブは長さ方向に沿って熱融着され、裏側シールを形成する。機械はチューブに対して一対の熱融着かみ合い部又は面を貼り付け、横断するシールを形成する。この横断方向のシールは下部の袋の上部シール、及び上部にて充填され形成された包装の下部シールとして機能する。ポテトチップスのような包装される製品は製品搬送シリンダ及び形成されたチューブを通過して落とされ、底面の横断方向のシールの上部においてチューブ内に支持される。包装が充填された後はフィルムのチューブは下方に押され次の包装の長さ分を引き出す。横断方向のシールが製品上部に形成され、これによりフィルム内に熱融着して製品の包装を形成する。前述した横断方向のシールの下部の包装は、熱融着した領域を横断して水平に切断することによりフィルムのチューブの残部から分離される。
【0003】
通常、このような工程において使用される包装フィルムはフィルム変換器により形成される複合高分子材料である。例えば、図1はポテトチップス及び類似の製品を包装するために使用される従来技術による合わせフィルムを示す。図1は各層を示すフィルムの断面の概略図である。図1は内側、即ち製品側の、通常金属化配向ポリプロピレン(「OPP」)や金属化ポリエチレンテレフタレート(「PET」)から構成される層16を示す。これに通常ポリエチレンの押し出し成形による積層14、及びインク層又はグラフィック層12が続く。通常、インク層12はグラフィックを表示するために使用される。グラフィックは透明な外側層10を介して目視可能である。通常、層10はOPPやPETよりなる。
【0004】
図1に示す従来技術によるフィルム組成は食品包装用の縦型の形成、充填、及び熱融着機械における使用に対して好適である。通常薄いアルミニウムの層によって金属化される金属化内側層16は高いバリア特性を有する。外側層10及び内側層16にOPP及びPETを使用することにより、更に、包装の横断方向のシールと裏側シールのいずれかを形成する際にフィルムの表面を別の表面に熱融着させることができる。これに代えて、紙の層や熱融着しないポリマー層のような自身に融着しない材料が外側層12上に使用可能である。これにより内側層16のみがシール面として使用される。
【0005】
図2a及び図2bは図1に示すフィルム組成を使用して形成した典型的な裏側シールを示す。図2aは実施例におけるフィルムのチューブ上に形成された裏側シールの「重合シール」の概略を示す。これは外側層及び内側層が共に熱融着可能である場合に使用可能である。図2bは実施例におけるフィルムのチューブ上に形成された裏側シールの「フィンシール」を示す。これは外側層がシール面として好適でない場合に使用可能である。
【0006】
図2aにおいて、内側の金属化層26の一部は外側層20の一部と矢印によって示される領域において重合され、重合シールを形成する。この領域におけるシールはフィルムのこのような領域に熱及び圧力を作用させることにより達成される。図2aに示す重合シール構成により、形成された包装内に配置される製品が金属化内側層26によってインク層から確実に保護される。
【0007】
図2bに示すフィンシールの変形も形成された包装内に配置される製品が金属化内側層26によってインク層から保護されるようにする。また、外側層20は製品と接触しない。しかしながら、図2bに示す実施例において、内側層26は折り返されて矢印で示す領域において自身上に熱融着される。また、このシールはフィルムの図示の領域内に熱及び圧力を作用させることにより達成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
縦型の形成、充填、及び熱融着包装機械を使用して標準的な包装を構成するために、重合シールとフィンシールのいずれを使用した場合においても結果として図3aに示す、水平方向に指向した上部横断方向シール31及び下部横断方向シール33を備えた包装となる。このような包装は当業界において「縦型柔軟袋」や「枕袋」と呼ばれ、通常ポテトチップスやトルティーヤチップス、及びその他の様々なシート状の押出製品のようなスナック食品を包装するために使用される。図2a及び図2bを参照して上述した裏側シールは縦方向に袋に沿って延び、通常図3aに示す包装の裏側上の中心にあるため、図3aでは表示されていない。図3aに示す下部横断方向シール33により形成される、包装上の狭小な端部による底面のために、このような従来技術による包装は端部により直立する場合に特に安定しない。この短所は図4a、4b、及び4cに示す実施例における水平方向の直立型袋を開発することにより包装業界において対応されてきた。上述した図に示すように、このような水平方向の直立型袋は2つの接触端部を有する比較的幅広で平坦な底部47を備える。これにより袋はこの底部47により縦型の姿勢で支えられる。しかしながらこのような直立型袋の製造は標準的な縦型の形成、充填、及び熱融着機械を使用するものではなく、むしろ袋形成、充填、及び熱融着機械を使用する、高価で比較的低速な3片構成体を使用するものである。
【0009】
図4b及び4cにおいて、従来技術による水平方向の直立型袋は一体的に重合させるフィルムの3つの独立した部分、即ち前面シート41、背面シート43、及び底面シート45から構成される。前面シート41及び背面シート43は通常熱融着によりこれらの端部の周囲において相互に熱融着される。しかしながら図4cに最もよく示すように、底面シート45はまず外側端部に沿って、前面シート41及び背面シート43の底部の外側端部に固定される。同様に、底面シート45の前面シート41及び背面シート43への貼り合わせも通常熱融着により達成される。このような水平方向の直立型袋が3片から構成されるという要件により、包装は標準的な形成、充填、及び熱融着による縦型の柔軟な袋と比較して費用のかかることは顕著である。
【0010】
水平方向の直立型袋を使用することの別の短所は、水平方向の直立型袋の機械の初期費用がかかることと、縦型の柔軟な袋と比較して包装の間に付加的なガスの流量を要することと、袋の寸法を変えるために中断時間が増えることと、袋の形成が遅くなることと、袋の寸法の範囲が減少することである。例えば、アメリカ合衆国ジョージア州のKlick Lock Woodmanによって製造されたPolaris モデルの縦型形成、充填、及び熱融着機械は1分あたり60乃至100袋の操業度を有し、機械1台あたり7万5千ドルの範囲の費用がかかる。ミシガン州Battle CreekのRoberts Packaging によって製造された典型的な水平方向の直立型袋の製造機械は1分あたり40乃至60袋の操業度を有し、通常機械1台あたり50万ドルの費用がかかる。標準的な縦型の形成、充填、及び熱融着包装のためのフィルムの費用は袋1つあたり約0.04ドルであり、同等の水平方向の直立型袋はその約2倍の費用がかかる。水平方向の直立型袋は酸素ガス又は窒素ガスの流量が2倍以上更に必要である。通常、水平方向の直立型袋のサイズの変更には2時間以上更にかかるが、縦型の形成及び充填機械では袋の寸法はほんの数分の内に変更可能である。また、水平方向の直立型袋の機械における典型的な袋の内容量の範囲は4オンス乃至10オンス(約113.4グラム乃至283.5グラム)であるが、縦型の形成及び充填機械では通常1オンス乃至24オンス(約28.3グラム乃至680.4グラム)の範囲の内容量の袋を形成可能である。
【0011】
しかしながら、縦型の形成、充填、及び熱融着機械に対する水平方向の直立型袋の機械の長所として、袋を再び閉じるために袋の上部にジッパーシールを付加する工程を付加することが比較的単純に済むことである。通常、縦型の形成、充填、及び熱融着機械は、水平方向に横断するシールを熱融着するために使用されるシール面に対して水平方向に指向した、フィルム上に予め設けられたジッパーシールの相当な変形及び使用のうちの少なくともいずれか一方を要する。
【0012】
従来技術において直立した姿勢を有する袋を形成するために採用される、これに代わる手段として、図3bに示すような平坦な底面を有する袋の構成が挙げられる。このような袋は従来技術の枕袋に関して上述したものと非常に類似した方法により構成される。しかしながら、袋の両側に縦型のガセット37を形成するために、縦型の形成、充填、及び熱融着機械は2つの移動可能な装置を熱融着するキャリッジの対向する側上に付加することにより相当変形されなければならない。装置は包装フィルムのチューブと接触するために出入りし、図3bに示すガセット37となるタックを形成する。具体的にはチューブが次の袋を形成するために下方に押される場合に、2つの縦型のタックが形成されるまで2つの三角形状の装置が水平方向に包装フィルムのチューブに向かって移動される。タックは横断方向のシールの上部の包装フィルムのチューブ上に、これらの移動する三角形状の装置と接触することにより形成される。2つの三角形状の装置がこのように包装のチューブと接触する間に底部の横断方向のシール33が形成される。包装は紙のような熱融着しない外側層30を使用して構成される。これらは横断方向のシール31,33が形成されるときに包装の縦型の各端部に沿ってV字型のガセット37が形成される要因となる。三角形状の装置が包装材料のチューブとまだ接触している間に、製品は形成されるチューブから一端が底部横断方向シール33により熱融着された包装フィルムのチューブ内に落とされる。三角形状の装置は包装フィルムのチューブと引き離され、フィルムは次の包装のために押し下げられる。この工程は上部の包装の下部横断方向シール33と下部の包装の上部横断方向シール31が形成されるように繰り返される。この横断方向のシールは切断され、これにより独特の縦型のガセット37を有する、形成及び充填された包装は機械から解放される。
【0013】
上述した従来技術による方法はV字型の縦型のガセット37により比較的幅広な底部を備える包装を形成する。従って、通常当業界において平坦な底部を有する袋と呼ばれる。このような平坦な底部を有する袋は上述した水平方向の直立型袋に対して、大きな変更を要するものの、縦型の形成、充填、及び熱融着機械において形成されるという点で有利である。しかしながら、従来技術による平坦な底部を有する袋の製造方法は多くの重大な短所を有する。例えば、移動する三角形状の装置を含むべく縦型の形成、充填、及び熱融着機械を変形することに要する費用は機械1台あたり約3万ドルである。縦型の形成、充填、及び熱融着機械を標準的な枕袋形状から直立型袋形状に変換するための改造時間は相当なものとなり、通常4分の1工数の近傍である。各包装形成サイクルにおいて三角形状の装置が出入りするために要する移動部品の全てを付加することは、縦型の形成、充填、及び熱融着機械を複雑なものにもし、必然的に保守の問題を引き起こす。重要なことに、三角形状の装置を含むべく変形された縦型の形成、充填、及び熱融着機械はこれらの装置を有しない縦型の形成、充填、及び熱融着機械と比較して、縦型のガセットを形成する移動する要素により顕著に低速である。例えば、6インチ×9インチ(約15.24cm×約22.86cm)の袋の形成において、三角形状の移動する装置を使用する変形された縦型の形成、充填、及び熱融着機械の最高稼働速度は1分あたり15乃至20袋の範囲である。このような変形のない標準的な縦型の形成、充填、及び熱融着機械は同様の寸法の枕袋を1分あたり約40袋の速度で形成可能である。
【0014】
従って、縦型の形成、充填、及び熱融着機械技術及び包装フィルムの1枚のシートを使用して、従来技術による水平方向の直立型袋及び平坦な底部を有する袋と外見が類似する直立型袋を形成する方法に対する需要がある。この方法により水平方向の直立型袋と比較して袋1つあたりにかかるフィルムの費用を減少させることができ、寸法の変更が容易にでき、費用の支出を減少させ、袋にジッパーシールを容易に付加することができる。これら全てにおいて袋を形成する速度は通常の縦型の形成、充填、及び熱融着機械により枕袋を形成する速度と同じ速度に維持できる。このような方法は縦型の直立型袋や、標準的な縦型の柔軟な袋を形成するために通常使用される材料から構成される平坦な底部を有する袋を好適に形成する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、僅かに変形した縦型の形成、充填、及び熱融着機械を使用して1枚の材料のシートから構成される、縦型の直立型袋や平坦な底部を有するガセット袋に関する。実施例において、縦型の形成、充填、及び熱融着機械は機械のフレームに取り付けられる、静止しているが調整可能なタッカー機構を更に備える。タッカー機構は2枚の形成プレートの間に位置する場合において袋形成中に袋の部分に沿って縦のガセットやタックを形成するように包装フィルムを挾持する。
【0016】
縦型の直立型袋の本発明を使用した製造において使用される包装フィルム上のラベルは従来技術の配向と90°ずれて配向されている。従って、完成した包装上のラベルのグラフィックはガセットやタックが袋の底部を形成するように標準的な表示とは90°ずれて配向される。従って、形成された袋上の横断方向シールは袋が陳列棚上に配置される場合に縦に配向される。ジッパーシールや再閉シールは、ジッパーシールがフィルムの一端に沿って連続した一片としてフィルムの1枚のシートに付随可能であるため、このような縦型の直立型袋のような構造体に容易に付加することができる。
【0017】
別例において、縦型の形成、充填、及び熱融着機械は2つの静止しているが調整可能なタッカー機構を更に備える。タッカー機構は機械のフレームに取り付けられ、形成チューブの対向する側面上に位置させて操作可能である。各タッカー機構は形成プレートのそれぞれの対の間に設けられる。従って、機械の形成チューブを下方に進められる間に、袋の部分に沿って対向する側面上に縦の折り目やタックを形成する。
【0018】
包装フィルムのラベルはフィルムの縦の移動と一致するよう配向され、これによりフィルムが形成チューブを下方に移動すると、作業者はラベルを読むことができる。この態様において、形成された袋の横断方向シールは袋がディスプレイ上に設けられる場合に水平方向に配向される。形成した袋は袋の縦の側部それぞれ上に形成された「V」字型のガセットにより安定した平坦な底部を備える。
【0019】
これに代えて、本発明を使用した平坦な底部を有する袋の製造において使用される包装フィルム上のラベルは従来技術の配向と90°ずれて配向される。従って、ラベルのグラフィックはフィルムが形成チューブの下方に進められる場合において、縦型の形成及び充填機械の作業者によって目視されるように側面に表れる。言い換えると、包装フィルム上のラベルのグラフィックはフィルムの移動方向に対して直交する。このような態様において、形成された袋上の横断方向シールは袋が陳列棚上に配置される場合に縦に配向される。従って、完成した包装上のラベルのグラフィックは「V」字型のガセットやタックが袋の底部及び袋の上部を形成するように標準的な表示とは90°ずれて配向される。
【0020】
本開示における装置及び方法において、これらの態様により形成される袋は従来技術による水平方向の直立型袋及び平坦な底部を有する袋に対する実質的な改良である。本方法は従来の縦型の形成、充填、及び熱融着機械に殆ど変更を加える必要ないため有効である。可動部はなく、顎部キャリッジによる変形は含まれない。縦型の形成、充填、及び熱融着機械は従来技術による枕袋の態様に単純な以前への変更を付加することにより容易に戻すことができる。枕袋の材料として使用される同一の金属化層や透明層も本発明と共に使用可能である。従って袋1枚当たりの費用を抑えることができる。本発明により、縦型の形成、充填、及び熱融着機械技術の経済性を利用する全く別の方法を使用して水平方向の直立型袋に匹敵する袋を形成することができる。
【0021】
上記及び本発明の付加的な特徴及び効果は、以下に記載の詳細な説明により明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
様々な図面において使用される同一の符号は同一の部分や類似の部分を示す。更に、ここで使用される用語「上部」、「底部」、「第1の」、「第2の」、「上部の」、「下部の」、「高さ」、「幅」、「長さ」、「端部」、「側部」、「水平方向の」、「縦の」、及び類似の用語に関して、これらの用語は図面に示す構造体のみを参照し、本発明を容易に記載する目的のためにのみ使用されるものといえる。
本発明の特徴であると信ずる新規性は、添付の特許請求の範囲により画定される。しかしながら、本発明及び好ましい実施態様、更に、その目的並びに利点は、添付の図面と共に読まれる際に、以下の例示された実施例の詳細な説明を参照して良好に理解されるであろう。
【0023】
全ての図面は本発明の基本的な教示を容易に説明するためにのみ描かれる。好適な実施例において形成される部分の数、位置、関係、及び寸法に関する図の拡張は後述する本発明の技術を読み、理解した後に明らかになるか当業者の技術の範囲内にある。更に、特定の力、重量、耐久力、及び類似の要件に従った正確な寸法及び寸法の比は後述する本発明の技術を読み、理解した後に同様に当業者の技術の範囲内にある。
【0024】
A.縦の直立型袋
図5a及び6aは縦の直立型袋の製造に関する本発明の基礎となる要素を示す。同一の参照符号は特に指示がない限り全ての図面にわたって同一の対応する要素を示すために使用される。
【0025】
図5aは本発明の方法により形成された包装材料(フィルム)のチューブの断面図である。図5aに示す包装フィルムのチューブは図6aの形成チューブ101の直下の断面図である。包装フィルムのチューブは外側層116及び内側層110から構成され、図1を参照して述べたように、標準的な縦型の柔軟な袋を製造するために当技術分野において使用される材料から構成可能である。図5aに示すチューブは従来技術による縦型の形成及び充填機械の方法に関して前述したように、縦の裏側シールによりフィルム1シートを熱融着することにより形成される。
【0026】
図6aは従来技術による縦型の形成、充填、及び熱融着機械において使用されるものと最も関係して典型的な形成チューブ101を示す。この形成チューブ101は円筒状であっても、長方形の断面を有しても、或いは多くの形状を有してもよいが、好適には図示のような円筒状である。図5aに示すフィルムは図6aの形成チューブ101の周囲に最初に形成される。この形成チューブ101は立面図であるが、通常縦型の形成、充填、及び熱融着機械に一体的に取り付けられる。図6aは従来技術による一対の熱融着顎部108も同様に立面図により示す。図6aには熱融着顎部108が形成チューブ101の下に載置される熱融着顎部キャリッジは示していない。
【0027】
上述したように、従来技術による縦型の柔軟な袋の製造における慣例は包装フィルムの連続したシートを形成チューブ101の周囲に直接供給することを含む。形成チューブ101の周囲にフィルムのチューブを形成するために、裏側シールがフィルムの単層上に形成される。熱融着顎部108はこのように形成された包装フィルムのチューブ上で閉じられ、これにより下部の横断方向シールが形成される。続いて、製品が形成チューブ101を通過して包装フィルムのチューブ内に落とされる。チューブは回転ベルト(図示しない)に対する摩擦により下方に押しやられ、熱融着顎部108がチューブ内に供給された製品の水準より上部において別の横断方向シールを形成するために使用される。このシールは続いて水平方向に切断され、これにより上部横断方向シールが充填した下部の袋の上部に形成され、下部横断方向シールが上部の包装フィルムのチューブ上に形成される。
【0028】
上述した従来技術の操作における包装フィルムは、フィルムが形成チューブ101の下方に移動する際に作業者が読むことができるように配向される。この配向により形成された従来技術による袋上にグラフィック39が設けられる。小売りの陳列棚上に形成された袋が載置される場合に消費者はグラフィック39を読むことができる。図3aに示すように下部横断方向シール33により袋は支持される。より詳細に後述するように、本願発明者の発明のフィルム包装上のグラフィックの配向は従来技術における配向とは90°ずれている。従って、グラフィックは側方を指向し、図6aの形成チューブ101の下方にフィルムが引き下ろされると、縦型の形成及び充填機械の作業者によって目視される。言い換えると、包装フィルム上のグラフィックはフィルムの移動方向に対して直交する。
【0029】
縦の直立型袋を製造する本発明の実施例において、後述する基本的な要素が従来技術による縦型の形成、充填、及び熱融着機械に付加される。図5aに矢印によって示すように、一対の形成プレート104及び張力バー102がチューブ内から包装フィルムのチューブに張力をかけて保持するために使用される。図6aに示すように、形成プレート104及び張力バー102は形成チューブ101に直接取り付けられる。これに代えて、形成プレート104及び張力バー102が包装材料のチューブ内において、形成チューブ101の底部下方であって熱融着顎部108の上方に位置する限り、形成プレート104及び張力バー102は縦型の形成、充填、及び熱融着機械上のいかなる支持構造体に直接取り付けられてもよい。
【0030】
張力がフィルムの外側上に固定したタッカー機構106又は静止したタッカー機構106(これに代えて以下タッカーバー106と呼ぶ)によって作用され、反対側に形成プレート104によって張力が設けられる。タッカーバー106は形成プレート104間に設けられる。タッカーバー106は縦型の形成、充填、及び熱融着機械のフレームか、或いはフィルムチューブを外方に支持する機能を有するその他の部分に取り付け可能である。図6aに示すように、例えばタッカーバー106は摺動自在に同軸の拡張バー109に連結され、これは縦型の形成、充填、及び熱融着機械上の固定取り付け部(図示しない)に取り付けられてもよい。張力ネジ162を緩めることにより形成プレート104に対するタッカーバー106の位置はタッカーバー106を拡張バー109の部分に沿って摺動させることにより調整可能である。張力ネジ162は締められると、タッカーバー106は素早く定位置に固定される。
【0031】
タッカーバー106は好適には縦型の形成、充填、及び熱融着機械用の熱融着キャリッジに取り付けられ、多軸に沿って調整可能である(例、出入、上下、及び前後に)。例えば、図8は好適な実施例におけるタッカーバー106を示す。タッカーバーアセンブリ200は取り付けプレート192によって熱融着キャリッジに取り付けられる。熱融着キャリッジに対するアセンブリ200の位置はプレート192及びキャリッジ間のスペーサ要素の寸法を変化させることにより矢印zの方向に調整可能である。取り付けプレート192はネジ棒196によってブラケットアセンブリ198に連結される。ノブ194を回すことにより、取り付けプレート192に対するブラケットアセンブリ198の位置は通常矢印zの方向と直交する矢印yの方向に調整可能である。同様にブラケットアセンブリ198は通常直交する配向により拡張バー109に取り付けられる。タッカーバー106は摺動可能に同軸の拡張バー109に連結される。従って、拡張バー109に対するタッカーバー106の位置は通常矢印y及びzの方向とは直交する矢印xの方向に調整可能である。張力ネジ162は締められると拡張バー109上にタッカーバー106を固定するために設けられる。
【0032】
多軸により形成プレート104に対するタッカーバー106の位置を調整する能力によりタッカーバー106は容易に取り払われて縦型の形成及び充填機械を標準的動作に戻すことができる。図6a及び8に示す実施例において調整する能力は、締められると定位置にタッカーバー106を素早く固定する張力ネジ162によって実現される。
【0033】
タッカーバー106の位置は形成プレート104に対して調整可能であるが、従来技術とは異なり、動作中に固定されるか静止している。従って、本発明は袋製造時にタッカー機構に可動部を省略したことが従来技術に対する実質的な改善点である。更に固定したタッカーバー又は静止したタッカーバーのガセット形成機構106によりガセットを形成するためにフィルムチューブに対して押圧する往復運動部又は可動部が不要になる。このように可動部を取り外すことにより袋の製造速度を向上させ、特に枕袋製造への変換時間を減少させ、保守の問題を減少させる。このような改善点は本願発明者がタッカーバー106を「静止」や「固定」した点を言及する際に意図したことである。このような静止したタッカーバーの特徴により袋の製造速度は通常の枕袋の製造速度に匹敵する。
【0034】
定位置内に(即ち、形成プレート104に向かって)前方に移動すると、静止したタッカーバー106は包装フィルムのチューブ内の2つの形成プレート104間にV字型の折り目やひだを形成する。この折り目は熱融着顎部108によって横断方向シールが形成されるに先立って形成される。従って、横断方向シールが形成されると、折り目は包装の一側面の一体化した外観をなす。
【0035】
縦型の形成、充填、及び熱融着機械はその後従来技術において上述したものと同様に基本的に動作する。熱融着顎部108が下部の横断方向シールを形成し、製品が形成チューブ101を通過して包装フィルムの熱融着されたチューブ内に案内され(この時点で一側面に)、上部の横断方向シールが形成され、これにより包装が完成する。
【0036】
しかしながら従来技術による包装と本願発明者の包装との大きな差異は、上述した固定した機構を使用して折り目が一方の側に形成されることと、本発明により使用される包装上のグラフィックが、形成した包装が折り目を使用して端部上に直立した場合に消費者が読むことができる点にある。
【0037】
図7a及び7bは本発明の形成された包装の例を示す。上述したように包装フィルム116の外側層が配向されたグラフィック179を有することを示す。図7a及び7bからわかるように本発明の縦型の直立型袋の構造は図3aに示す従来技術による縦型の柔軟な袋と共通する特徴を有する。しかしながら図7bに示すように、本発明の縦型の直立型袋の横断方向シール131,133は袋が一端部により直立した場合に縦に配向される。図7aは図5a及び6aにおいて上述したタッカーバー106及び形成プレート104により形成された折り目176を示す。
【0038】
図6aにおいて、本発明に組み込み可能な別の任意の特徴として形成チューブ101内の転換プレート160の使用が挙げられる。図示の実施例において、この転換プレート160は形成チューブ101内に縦に溶接された平板を備える。平板は形成チューブ101の底部から形成チューブ101の底部上方に向かって一定の距離(例、少なくとも2インチか3インチ(約5.08cmか約7.62cm))延びる。ここで平板は形成チューブ101の内側に対して熱融着される。
【0039】
好適な実施例において、転換プレート160は2つの機能を果たす。第1に転換プレート160は包装フィルムのチューブ上の折り目が形成される領域から離間して形成チューブ101の下方に落とされる製品を保持する。第2に転換プレート160は形成チューブ101に対して適切に熱融着される場合にガスや窒素の流路として使用可能である。このような事例において、形成チューブ101の底部上方のある位置における転換プレート160はプレート160の上部にて形成チューブ101に対して熱融着する。このようなシール(図示しない)の下部に、外部のガス(例、窒素や酸素)源と、転換プレート160及び形成チューブ101の内部間に形成される開口とが連通してガスが通過するように孔がドリルにより形成可能である。図6aに示すように転換プレート160は平板であるが、製品をフィルムのチューブ上のタックが形成される領域から方向転換させるという機能を果たすことができるなら、様々な形状が可能であり、例えば湾曲した面を有してもよいものといえる。
【0040】
転換プレート160をガスの流路として使用することにより本発明において、通常従来技術において同一の機能を果たす形成チューブ101内に設けられる別のガス管が不要になる。転換プレート160及び形成チューブ101の内部により形成される比較的大容量の流路を設ける付加的な利点として、比較的大容量の流入ガスが従来技術のガス管と比較して顕著に低速に、充填されて部分的に形成された包装内に案内可能であることが挙げられる。これにより本発明の実施例において、従来技術による流し込みチューブでは形成チューブ内に逆流するかもしれない重量の少ない製品を包装に充填することができる。
【0041】
図8は好適な実施例における静止したタッカーバー106のガセット形成機構を更に示す。本実施例においてタッカーバー106は支持体182に取り付けられたヘッド108を備える。図8上に支持体182及びヘッド180内にドリルにより形成されるガス路184を破線で示す。このガス路184は管状の給水管188に連結される場合に、外部のガス源(図示しない)と支持体182、ヘッド180、及び3つの開口部を通過して外部と連通する。ガス路184により、加圧されたガスを(通常空気)一定量バーストさせることができ、これにより図5aに示すタックがタッカーバーを袋形成中に出入りさせる必要なく、形成及び熱融着操作にわたってピンと張った状態を保持することを補助する。
【0042】
操作中(即ち、袋製造中)はタッカーバー106が常に静止した状態にある。更にヘッド180はタッカーバー106及び形成プレート104によって形成される折り目の全長に沿って必ずしも拡張できない。
【0043】
更に、熱融着顎部108はフィルムのチューブ上で閉じられる場合にフィルムのチューブの側面の寸法は変化する。これら全ての点は開口部186からの加圧された空気のバーストの使用により補償される。加圧された空気は、形成及び熱融着工程の様々な段階において形成されると同量の圧力をタック上に保持する。空気のバーストは連続してもよいが、好適には横断方向シールの完了により次の袋のためのフィルムが引き下ろされるときに始まるよう計量しながら供給される。
【0044】
ヘッド180は非粘着材料から構成可能であるが、好適には登録商標名がテフロンであるフッ素重合体である。別例において、静止したタッカーバー106のガセット形成機構はフッ素重合体を使用してコーティングされたヘッド部180を備える、一体的に形成された金属から構成可能である。ヘッド180の湾曲した接触領域により図5aに示すタックは、包装フィルムが形成チューブの下方に引き下ろされる際にフィルムが破損されることなく、連続して形成可能である。3つの開口部186を示すが、ヘッド180は1つ以上の任意の数の開口部を備える。
【0045】
図6aの熱融着顎部108によって横断方向シールが形成される場合のフィルムチューブの幅の変化を更に補正するために、張力バー102の部分に沿ったフィルムのチューブの中心から離間して外側に張力バー102が屈曲することと、形成プレート104は水平ヒンジ165により動作する。張力バー102が別の構成を有する場合(例、完全に縦型)、横断方向シールの近傍においてフィルムチューブの領域に過度のたるみが発生する。形成プレート104は水平ヒンジ165を備え、これにより下部の横断方向シールが形成されても形成プレートは僅かに内側に(例、相互に向かって)屈曲することができる。別例において包装フィルムのチューブはこの工程において形成プレート104の先端により破損される。
【0046】
本発明は従来技術による水平方向の直立型袋及びこれらの製造方法に対して多くの長所を備えた直立型袋を製造する経済的な方法を提供する。
以下の表1にこれらの長所の例を示す。
【0047】
【表1】

上述したように連続したジッパー取り付けのオプションが本願発明者の発明において採用可能であるが、これは従来の縦型の形成、充填、及び熱融着機械による技術の使用においては採用できないものである。この原因は本発明の包装フィルム上において使用されるフィルムのグラフィックの配向のためである。グラフィックは従来技術のものから90°の角度をなして配向されているため、ジッパーシールは包装フィルムがチューブから包装に形成されるので包装フィルムに沿って形成チューブの下方に向かって縦に連続して延びる。このことは従来技術においては不可能である。この理由としてこのような連続した縦のジッパーシールの配向は包装が形成され陳列のために直立する場合に縦向きにされることが挙げられる。
【0048】
B.平坦な底面を有する袋
図5b及び6bは平坦な底部を有する袋の製造に関する本発明の基礎となる要素を示す。図5bは本発明の方法により形成された包装材料(フィルム)のチューブの断面図である。図5bに示す包装フィルムのチューブは図6bの形成チューブ101(図5bに破線で示す)の直下の断面図である。包装フィルムのチューブは外側層116及び内側層110を備え、図1において上述したように標準的な縦型の柔軟な袋を製造する当技術分野において通常使用される材料から構成可能である。しかしながら、後述する記載により明らかとなるように、本発明の第1の好適な実施例において、袋は紙のような熱融着できない外側層116から構成される。図5bのチューブは従来技術による形成及び充填機械の方法に関して上述したように、フィルムの1シートを縦の裏側シールを使用して熱融着することにより形成されてきた。
【0049】
図6bは従来技術による縦型の形成、充填、及び熱融着機械において使用されるものと最も関係して典型的である形成チューブ101を示す。この形成チューブ101は円筒状であっても、長方形の断面を有しても、或いは多くの形状を有してもよいが、図示のような円筒状が好適である。図5bに示すフィルムは図6bの形成チューブ101の周囲に最初に形成される。この形成チューブ101は立面図であるが、通常縦型の形成、充填、及び熱融着機械に一体的に取り付けられる。図6bは従来技術による一対の熱融着顎部108も同様に立面図により示す。図6bには熱融着顎部108が形成チューブ101の下方にて載置される熱融着顎部キャリッジは示していない。
【0050】
上述したように、従来技術による縦型の柔軟な袋の製造における慣例は連続した包装フィルムを形成チューブ101の周囲に直接供給することを含む。形成チューブ101の周囲にフィルムのチューブを形成するために、裏側シールがフィルムの単層上に形成される。熱融着顎部108はこのように形成された包装フィルムのチューブ上で閉じられ、これにより下部の横断方向シールが形成される。続いて製品が形成チューブ101を通過して包装フィルムのチューブ内に落とされる。チューブは回転ベルト(図示しない)に対する摩擦により下方に押しやられ、熱融着顎部108がチューブ内に供給された製品の水準より上部において別の横断方向シールを形成するために使用される。このシールは続いて水平方向に切断され、これにより上部横断方向シールが充填した下部の袋の上部に形成され、下部横断方向シールが上部の包装フィルムのチューブ上に形成される。
【0051】
上述した従来技術の操作における包装フィルム上のラベルは、フィルムが形成チューブ101の下方に移動する際に作業者が読むことができるように縦の移動と一致する。このラベルの配向により形成された従来技術による袋上にグラフィック39が設けられる。小売りの陳列棚上に形成された袋が載置される場合に消費者はグラフィック39を読むことができる。図3aに示すように下部横断方向シール33により袋は支持される。より詳細に後述するように、本発明の実施例において、本願発明者による発明のフィルム包装上のラベルのグラフィックの配向は従来技術のものの配向とは90°ずれている。従って、ラベルのグラフィックは側方を指向し、図6bの形成チューブ101の下方にフィルムが引き下ろされると、縦型の形成、充填、及び熱融着機械の作業者によって目視される。言い換えると、包装フィルム上のラベルのグラフィックはフィルムの移動方向に対して直交する。
【0052】
平坦な底部を有する袋を製造する本発明の実施例において、後述する基本的な要素が従来技術による縦型の形成、充填、及び熱融着機械に付加される。図5bにおいて矢印によって示すように、二組の形成プレート104,105がチューブ内から包装フィルムのチューブに張力をかけて保持するために使用される。図6bに示すように、形成プレート104,105は形成チューブ101に直接取り付けられる。これに代えて、形成プレート104,105が包装材料のチューブ内において、形成チューブ101の底部下方であって熱融着顎部108の上方に位置する限り、形成プレート104,105は縦型の形成、充填、及び熱融着機械上のいかなる支持構造体に直接取り付けられてもよい。
【0053】
張力がフィルムの外側上に二組の静止したタッカー機構又は固定したタッカー機構106a,106b(これに代えて以下タッカーバー106a,106bと称する)によって作用され、反対側に形成プレート104,105によって張力が付与される。タッカーバー106は形成プレート104,105間に設けられる。
【0054】
タッカーバー106a,106bは縦型の形成、充填、及び熱融着機械のフレームか、或いはフィルムチューブを外方に支持する機能を有するその他の部分に取り付け可能である。図6bに示すように、例えばタッカーバー106a,106bは摺動自在にそれぞれ同軸の拡張バー109に連結され、これは縦型の形成、充填、及び熱融着機械上の固定取り付け部(図示しない)に取り付けられてもよい。張力ネジ162を緩めることにより形成プレート104,105に対するタッカーバー106a,106bのそれぞれの位置はタッカーバー106を拡張バー109の一部分に沿って摺動させることにより調整可能である。張力ネジ162は締められるとタッカーバー106を素早く定位置に固定する。
【0055】
タッカーバー106a,106bは好適には縦型の形成、充填、及び熱融着機械用の熱融着キャリッジに取り付けられ、多軸に沿って調整可能である(例、出入、上下、及び前後に)。例えば、図8は好適な実施例におけるタッカーバー106を示す。各タッカーバーアセンブリ200は取り付けプレート192によって熱融着キャリッジに取り付けられる。熱融着キャリッジに対する各アセンブリ200の位置はプレート192及びキャリッジ間のスペーサ要素の寸法を変化させることにより矢印zの方向に調整可能である。各取り付けプレート192はネジ棒196によってブラケットアセンブリ198に連結される。ノブ194を回すことにより、取り付けプレート192に対する各ブラケットアセンブリ198の位置は通常矢印zの方向と直交する矢印yの方向に調整戒能である。同様に各ブラケットアセンブリ198は通常直交する配向により拡張バー109に取り付けられる。各タッカーバー106は摺動可能に同軸の拡張バー109に連結される。従って、各拡張バー109に対する各タッカーバー106の位置は通常矢印y及びzの方向とは直交する矢印xの方向に調整可能である。張力ネジ162は締められると拡張バー109上にタッカーバー106を固定するために設けられる。
【0056】
多軸により形成プレート104,105に対するタッカーバー106a,106bのそれぞれの位置を調整する能力によりタッカーバー106a,106bは容易に取り払われて縦型の形成及び充填機械を標準的動作に戻すことができる。図6b及び8に示す実施例において調整する能力は、締められると定位置に各タッカーバー106a,106bを素早く固定する張力ネジ162によって実現される。
【0057】
各タッカーバー106a,106bの位置は形成プレート104,105に対して調整可能であるが、従来技術とは異なり、動作中固定されるか静止している。従って、本発明において固定したガセット形成機構106a,106b又は静止したガセット形成機構106a,106bは袋製造時にタッカー機構やガセット形成機構に可動部をなくした点において従来技術に対する実質的な改善点である。更に固定したタッカーバー又は静止したタッカーバーのガセット形成機構106a,106bによりガセットを形成するためにフィルムチューブに対して押圧する往復運動部又は可動部が不要になる。このように可動部を取り外すことにより袋の製造速度を向上させ、特に枕袋製造への変換時間を減少させ、保守の問題を減少させる。このような改善点は本願発明者がタッカーバー106a,106bを「静止」や「固定」した点を言及する際に意図したことである。このような静止したタッカーバーの特徴により、袋の製造速度は通常の枕袋の製造速度に匹敵し、変形に要する費用も低く(例、機械1台当たり3乃至4千ドル)、付加的な保守の問題が発生することもない。
【0058】
定位置内に(例、形成プレート104,105に向かって)前方に移動すると、静止したタッカーバーガセット形成機構106a,106bは包装フィルムのチューブ内の2組の形成プレート104,105間に折り目やひだを形成する。これらの折り目は熱融着顎部108によって横断方向シールが形成されるに先立って形成される。従って、横断方向シールが形成されると、折り目は包装の両側面の一体化したガセットと呼ばれる外観をなす。図3bに示すように、袋を形成するために使用される包装フィルムの外側層が紙のような熱融着しない材料から構成される場合において、これらのガセット37は水平方向の横断方向シール31,33の各端部上に「V」字型を形成する。
【0059】
横断方向シールが形成された後、縦型の形成、充填、及び熱融着機械は基本的には従来技術と同様に動作する。熱融着顎部108が下部の横断方向シールを形成し、製品が形成チューブ101を通過して包装フィルムの熱融着されたチューブ内に案内され(この時点で対向する両側面に縦の折り目を有する)、上部の横断方向シールが形成され、これにより包装が完成する。
【0060】
図3bは本発明の第1の好適な実施例において、形成された平坦な底部を有する袋の例を示す。上述したように、包装フィルム30の外側層が従来と同様に配向されたグラフィック38を有することを示す。上述したように、本実施例において包装フィルム30の外側層は紙のような熱融着しない材料から構成される。図3bから明瞭なように、発明の本実施例における平坦な底部を有する袋は、従来技術による平坦な底部を有する袋と多くの共通点を有する。図3bは上述した静止したタッカーバーガセット形成機構106a,106bにより形成されたガセット37を示す。しかしながら、従来技術による包装と本発明の第1の好適な実施例において形成された平坦な底部を有する袋との大きな差異は、上述した静止したタッカーバーガセット形成機構106a,106bを使用して本発明の包装の各側面上にガセットが形成されることである。本発明の第1の好適な実施例において形成された平坦な底部を有する袋は、熱融着する材料から構成されるフィルムの外側層130を特徴とし、図7cに示すように「V」字型のガセット137の両端部を閉じる。
【0061】
図3b及び7cに示す本発明の第1の好適な実施例における平坦な底部を有する袋の製造方法によると、フィルムが形成チューブ101を下方に移動する際に作業者が読むことができるように(上述した従来技術による操作と同じように)包装フィルムのラベルはフィルムの縦の移動と一致するように配向される。このラベルの配向により形成された袋上にグラフィック38,138が設けられる。小売りの陳列棚上に形成された袋が載置される場合に消費者はグラフィック38,138を読むことができる。図3b及び7cに示すように下部横断方向シール33,133により袋は支持される。
【0062】
前述した方法(平坦な底部を有する袋のラベルのグラフィックが従来の方法により配向される場合)と比較して、本発明の別例における包装フィルムのラベルのグラフィックの配向は90°ずれている。これにより、ラベルのグラフィックはフィルムが図6bの形成チューブ101の下方に前進される場合に縦型の形成、充填、及び熱融着機械の作業者によって目視されるように側面に表れる。言い換えると、包装フィルム上のラベルのグラフィックは形成した包装が折り目を使用して端部により直立した場合にグラフィックを消費者が読むことができるようにフィルムの移動方向に直交して配向される。
【0063】
図7dに示すように、得られた包装は前述したように配向されたグラフィック279を備える包装フィルムの外側層から構成される。図7dに示すように、別例において包装フィルム216の外側層は紙のような熱融着しない材料から構成される。図7dから明瞭なように、本発明の別例における平坦な底部を有する袋は、従来技術による平坦な底部を有する袋と多くの共通点を有する。図7dは上述した静止したタッカーバーガセット形成機構106a,106b、及び図5b及び6bにおいて上述した形成プレート104,105によって形成されるガセット237を示す。しかしながら図7dに示すように本発明の別例において、平坦な底部を有する袋の横断方向シール231,233は袋が一端部により適切に直立した場合に縦に配向される。
【0064】
図7e及び7fに示すように別例の好適な変形例において平坦な底部を有する袋は、熱融着する材料から構成される包装フィルムの外側層216aに特徴を有し、これにより「V」字型のガセット276,277の端部を閉じる。
【0065】
本発明の別例の好適な変形例において、平坦な底部を有する袋は上述するように配向したグラフィック279aを備える包装フィルム216aの外側層から構成される。図7e及び7fから明瞭なように別例における平坦な底部を有する袋の構造は図3aに示す従来技術による縦型の柔軟な袋と共通する特徴を有する。しかしながら、図7fに示すように、本発明の平坦な底部を有する袋の横断方向シール231,233は袋が一端部により直立した場合に縦に配向される。図7e及び7fは図5b及び6bにおいて上述した二組の形成プレート104,105のそれぞれの間の上述した静止したタッカーバーガセット形成機構106a,106bによって形成される折り目276,277も示す。
【0066】
図6bにおいて、本発明に組み込み可能な別の任意の特徴として形成チューブ101内の1つ以上の転換プレート160の使用が挙げられる。図示の実施例において、これらの転換プレート160は形成チューブ101内に縦に溶接された平板を備える。平板は形成チューブ101の底部から形成チューブ101の底部上方に向かって一定の距離(例、少なくとも2インチか3インチ(約5.08cmか約7.62cm))延びる。ここで平板は形成チューブ101の内側に対して熱融着される。
【0067】
好適な実施例において、転換プレート160は2つの機能を果たす。第1に転換プレート160は包装フィルムのチューブ上の折り目が形成される領域から離間して形成チューブ101の下方に落とされる製品を保持する。第2に転換プレート160は形成チューブ101に対して適切に熱融着される場合にガスや窒素の流路として使用可能である。このような事例において、形成チューブ101の底部上方のある位置における少なくとも1つの、好適には転換プレート160の双方はプレート160の上部にて形成チューブ101に対して熱融着する。このようなシール(図示しない)の下部に外部のガス(例、窒素や酸素)源と、転換プレート160及び形成チューブ101の内部間に形成される開口とが連通してガスが通過するように1つ以上の孔がドリルにより形成可能である。図6bに示すように転換プレート160は平板であるが、製品をフィルムのチューブ上のタックが形成される領域から方向転換させるという機能を果たすことができるなら、様々な形状が可能であり、例えば湾曲した面を有してもよいものといえる。
【0068】
1つ以上の転換プレート160をガスの流路として使用することにより本発明において、通常従来技術において同一の機能を果たす形成チューブ101内に設けられる別のガス管が不要になる。転換プレート160及び形成チューブ101の内部により形成される比較的大容量の流路を設ける付加的な利点として、比較的大容量の流入ガスが従来技術のガス管と比較して低速に、充填されて部分的に形成された包装内に案内可能であることが挙げられる。これにより本発明の実施例において、従来技術による流し込みチューブでは形成チューブ内に逆流するかもしれない重量の少ない製品を包装に充填することができる。
【0069】
図8は好適な実施例における静止したタッカーバーガセット形成機構106を更に示す。本実施例における静止したタッカーバー106は支持体182に取り付けられたヘッド108を備える。図8上に支持体182及びヘッド180内にドリルにより形成されるガス路184を破線で示す。このガス路184は管状の給水管188に連結される場合に、外部のガス源(図示しない)と支持体182、ヘッド180、及び3つの開口部186を通過して外部と連通する。ガス路184により、加圧されたガスを(通常空気)一定量バーストさせることができ、これにより図5bに示すタックがタッカーバー106a,106bを袋形成中に出入りさせる必要なく、形成及び熱融着操作にわたって張引された状態を保持することを補助する。
【0070】
操作中(即ち、袋製造中)はタッカーバー106a,106bが常に静止した状態にあることに再び留意する必要がある。更にヘッド180はタッカーバー106及び形成プレート104によって形成される折り目の全長に沿って必ずしも拡張できない。更に、熱融着顎部108はフィルムのチューブ上に閉じられる場合にフィルムのチューブの側面の寸法は変化する。これら全ての点は開口部186からの加圧された空気のバーストの使用により補償される。加圧された空気は、形成及び熱融着工程の様々な段階において形成されると同量の圧力をタック上に保持する。空気のバーストは連続してもよいが、好適には横断方向シールの完了により次の袋のためのフィルムが引き下ろされるときに始まるよう計量しながら供給される。
【0071】
ヘッド180は非粘着材料から構成可能であるが、好適には登録商標名がテフロンであるフッ素重合体である。別例において、タッカーバー106a,106bはそれぞれフッ素重合体を使用してコーティングされたヘッド部180を備える、一体的に形成された金属から構成可能である。ヘッド180の湾曲した接触領域により図5bに示すタックは、包装フィルムが形成チューブの下方に引き下ろされる際にフィルムが破損されることなく、連続して形成可能である。3つの開口部186を示すが、ヘッド180は1つ以上の任意の数の開口部を備える。
【0072】
図6bの熱融着顎部108によって横断方向シールが形成される場合のフィルムチューブの幅の変化を更に補正するために、形成プレート104,105のそれぞれが水平ヒンジ165によって動作する。形成プレート104,105は水平ヒンジ165から構成され、これにより形成プレートは下部の横断方向シールが形成されても内側に(例、相互に向かって)僅かに屈曲することができる。別例において包装フィルムのチューブはこの工程において形成プレート104,105の先端により破損される。
【0073】
本発明は従来技術による水平方向の直立型袋及びこれらの製造方法に対して多くの長所を備えた平坦な底部を有する袋を製造する経済的な方法を提供する。
以下の表2にこれらの長所の例を示す。
【0074】
【表2】

更に、本願発明者の発明により変形される形成、充填、及び熱融着機械が可動可能な速度は変形により妥協されるものではなく、操作中に三角形状の装置を使用して平坦な底部を有する袋を製造する従来技術による方法と同等である。実際、本願発明者の発明により、同一のスタイルの袋を製造する従来技術による方法と比較して約2倍の袋製造速度が可能になる。
【0075】
更に、本願発明者の発明においてはタッカー機構と関連する可動部が不要であるので、平坦な底部を有する袋を製造するために縦型の形成、充填、及び熱融着機械を改造する費用が大幅に減少し、これにより保守の問題も減少する。例えば、操作中に出入りする従来技術による装置を使用して、縦型の形成、充填、及び熱融着機械を平坦な底部を有する袋の態様に改造するために、機械1台当たり3万ドルの費用がかかる。本願発明者の発明は現存する縦型の形成、充填、及び熱融着機械を、ほんの少しの、即ち約10分の1の費用により改造することを含む。
【0076】
好適な実施例を参照して本発明が詳細に開示され説明されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、形状及び詳細において、当業者により様々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】従来技術による包装フィルムの断面図。
【図2a】従来技術による重合シールの形成を示す包装フィルムのチューブの断面図。
【図2b】従来技術によるフィンシールの形成を示す包装フィルムのチューブの断面図。
【図3a】従来技術による縦型の柔軟な袋の斜視図。
【図3b】従来技術による平坦な底部を有する袋の斜視図。
【図4a】従来技術による水平方向の直立型袋の斜視立面図。
【図4b】従来技術による水平方向の直立型袋の斜視立面図。
【図4c】従来技術による水平方向の直立型袋の斜視立面図。
【図5a】本発明の実施例における縦の直立型袋の方法により形成される包装フィルムのチューブの断面図。
【図5b】本発明の実施例における平坦な底部を有する袋の方法により形成される包装フィルムのチューブの断面図。
【図6a】本発明の縦型の直立型袋の実施例における縦型の形成、充填、及び熱融着機械の形成チューブ及び熱融着顎部に対する静止したタッカー機構、形成プレート、及び張力バーの斜視立面図。
【図6b】本発明の平坦な底部を有する袋の実施例における縦型の形成、充填、及び熱融着機械の形成チューブ及び熱融着顎部に対する静止したタッカー機構、形成プレート、及び張力バーの斜視立面図。
【図7a】本発明における縦型の直立型袋の斜視図。
【図7b】本発明における縦型の直立型袋の斜視図。
【図7c】本発明の実施例において熱融着する材料から構成される、平坦な底部を有する袋の斜視図。
【図7d】本発明の別例において熱融着しない材料から構成される、平坦な底部を有する袋の斜視図。
【図7e】本発明の別例において熱融着する材料から構成される、平坦な底部を有する袋の斜視図。
【図7f】本発明の別例において熱融着する材料から構成される、平坦な底部を有する袋の斜視図。
【図8】本発明の実施例における静止したタッカー機構の斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦型の形成、充填、及び熱融着機械の形成チューブの周囲に形成されるフィルムのチューブにおいて縦の折り目を付与するガセット形成機構であって、
加圧したガスをフィルムのチューブに対して吹き付ける手段を有する静止したタッカーバーを備え、同加圧したガスを吹き付ける手段は加圧したガス源と連通する、タッカーバー内の少なくとも1つのガスポートを備えることと、該ガスはフィルムのチューブの外層において形成チューブから離間して突出する一対の形成プレートの間に対して吹き付けられることを特徴とするガセット形成機構。
【請求項2】
前記タッカーバーはフッ素重合体から構成されるヘッド部を備えることを特徴とする請求項1に記載のガセット形成機構。
【請求項3】
前記ヘッド部は湾曲した接触領域を備えることを特徴とする請求項2に記載のガセット形成機構。
【請求項4】
前記タッカーバーを着脱自在に取り付ける手段を更に備え、これによりガセット形成機構を使用しない操作に機械を転換することができることを特徴とする請求項1に記載のガセット形成機構。
【請求項5】
前記タッカーバーを着脱自在に取り付ける手段は機械上の固定取り付け部に取り付けられた拡張バーを備えることと、同拡張バーはタッカーバーと同軸上に配置され、タッカーバーに選択的に連結されることを特徴とする請求項4に記載のガセット形成機構。
【請求項6】
前記タッカーバーを着脱自在に取り付ける手段は形成プレートに対して少なくとも1つの軸の配向に沿って調整可能であることを特徴とする請求項1に記載のガセット形成機構。
【請求項7】
前記タッカーバーを着脱自在に取り付ける手段は形成プレートに対して1つ以上の軸の配向に沿って調整可能であることを特徴とする請求項1に記載のガセット形成機構。
【請求項8】
前記ガスはフィルムチューブの外面に対して一定の圧力により吹き付けられることを特徴とする請求項1に記載のガセット形成機構。
【請求項9】
前記ガスはフィルムチューブの外面に対して圧力による計測したバーストにより噴射されることを特徴とする請求項1に記載のガセット形成機構。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図7c】
image rotate

【図7d】
image rotate

【図7e】
image rotate

【図7f】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2009−515791(P2009−515791A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541153(P2008−541153)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/032181
【国際公開番号】WO2007/058689
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(500208519)フリト−レイ ノース アメリカ インコーポレイテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】FRITO−LAY NORTH AMERICA,INC.
【Fターム(参考)】