説明

静電容量位置センサ

【課題】パラメータを、ある範囲内の所望の値に設定する検知経路を有する静電容量タッチセンサが提供される。
【解決手段】センサは、パラメータが、所望の値にほぼ設定されることができる第1動作モード、および、値が、正確な量に微細調整されることができる第2モードを有する。第1モードでは、可能性のある値の全範囲(たとえば、0〜300℃)を、第2モードでは、全範囲の狭い副範囲(たとえば、150〜200℃)を検知経路にマッピングすることによって、粗調整から微細調整へのユーザのための直感的移行を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量位置センサに関し、より詳細には、本発明は、曲線経路の周りの物体の位置を検出する静電容量位置センサに関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量位置センサは、制御器と機器、メカニズムと機械装置、およびコンピューティングとともに、ヒューマンインタフェースならびに材料変位検知に適用可能である。
静電容量位置センサは、概して、最近になって益々一般的になり、ヒューマンインタフェースとして、また、機械制御用として用いられる、家庭用機器の分野では、ガラスまたはプラスチックパネルを通して動作する静電容量タッチ制御を見出すことは、今やかなり一般的である。これらのセンサは、電荷転送原理を採用するマトリクスセンサ手法を記述する米国特許第6,452,514号によって一層特徴が示される。TV、洗濯機、および調理用オーブンなどの電気機器は、種々のパラメータ、たとえば、容積、時間、および温度を調整するための静電容量センサ制御を益々有する。
【0003】
静電容量タッチ制御についての市場需要の増加によって、1機能当たりのコストの低下、ならびに、使用および構成の柔軟性の増加についての一層の必要性が存在する。正当な価格で、一方では電気機械制御の技術的欠点を、また、他方ではタッチスクリーンまたは他の珍しいもののコストを克服することができる新しいヒューマンインタフェース技術についてのかなりの需要が存在する。
【0004】
特許文献1は、温度設定、電力設定、または調理用装置の他のパラメータを調整するデバイスを開示する。デバイスは、直線、曲線、または円であってよいストリップセンサを備え、静電容量タッチセンサまたはある種の他の形態のタッチセンサであることができる。直線状ディスプレイが、センサに平行して配置される。静電容量タッチセンサは、指のタッチに感応性があり、ディスプレイストリップは、静電容量タッチセンサに対する指のタッチによって規定されるその時のタッチ設定を示すように照明する複数のディスプレイセグメントで構成される。調整されるパラメータに関連する所定の較正曲線が、ストリップにマッピングされ、その範囲は、最小値から最大値に及ぶ。最小値は、家庭用機器のオフ状況に相当してもよい。さらなる動作モードは、新しい機能をセンサストリップに帰する調整ストリップに関連してもよい。これらは、一定時間の間、ディスプレイにタッチすることによって選択することができる。たとえば、第1の追加モードは、5秒間タッチすることによって入力され、第2の追加モードは、10秒間タッチすることによって入力されることができる。追加の動作モードの1つは、パラメータ値の微細調整を可能にするズームモードである。ズーム動作モードは、たとえば、10秒の接触時間によって起動されることができる。ズームモードでは、調整されるパラメータのその時の数値を示すために、追加のデジタルディスプレイが起動される。ズームモードでは、元の調整範囲の何分の1(たとえば、10%)かだけが、調整ストリップにマッピングされ、その結果、センサストリップの全長にわたって指を左から右へ(または、右から左へ)移動させることは、パラメータ値のその時の設定を増加させる(減少させる)ことになるだけであり、それにより、微細調整を実現する。この微細調整中に、ディスプレイストリップは、最大値と最小値との間の全範囲の相対インジケータとして元の機能を維持する。
【0005】
より一般的には、調理器設定を調整する直線、曲線、および円センサストリップは、長年知られてきた。たとえば、米国特許第4121204号(抵抗性または静電容量センサ)、独国特許第19645907A1号(静電容量センサ)、独国特許第19903300A1号(抵抗性センサ)、欧州特許出願第1602882A1号(光学センサ)を参照
されたい。
【0006】
引用文献2、引用文献3、および引用文献4は、静電容量センサを使用した家庭用機器のためのタッチ感応式制御ストリップに関する研究のより最近の例である。これら3つの特許出願は、本出願の優先権主張日の前に出願されたが、本出願の優先権主張日後に始めて公開された。特に、引用文献2および引用文献4は、タイマを設定するのに使用される上述した引用文献1に類似のズーム機能を有するセンサを開示する。
【0007】
引用文献2は、2つの動作モードを有する調整ストリップを提供する。第1モードでは、全パラメータ値範囲が、センサストリップにわたってマッピングされる。たとえば、タイマ機能の0〜99分である。ユーザが、タイマを30分に設定したいと思う場合、ユーザは、端からほぼ3分の1のところでストリップにタッチする。たとえば、34分のパラメータ値が、静電容量センサによって検知され、数値ディスプレイ上でユーザに表示される。初期値が設定されると、センサフィールドをタッチする作用が、第2モードへ自動的に変更され、第2モードでは、パラメータ値は、センサストリップに沿って指によって移動した距離に応じた量だけ、最初に選択された値から微細に減少する(または、増加する)。例では、ユーザは、その後、視覚フィードバック用のディスプレイを使用して、時間を34分から所望の30分へ減少させるために、右から左へ自分の指を摺動させることができる。こうして、ユーザは、ポイントアンドタッチアクションによって所望のパラメータ値の粗い選択を最初に行い、次に、指摺動アクションによってパラメータ値を所望される正確な値に微細調整することができる。
【0008】
引用文献4は、センサストリップにわたって全パラメータ値範囲をマッピングすることと、ユーザによって、その間に最もしばしばパラメータが設定されるパラメータ値の副範囲を示すように選択される部分範囲をマッピングすることとの間で切換える2つの動作モードを有する調整ストリップを提供する。調理器に関してタイマを設定する例が示される。
【0009】
ズーム機能は有用であるが、ズーム機能の従来技術の実施態様は、全範囲モードからズームモードへ移行が行われる方法に関して制限がある。引用文献1では、ユーザは、移行が起こるまで、一定時間、特定の例では10秒待たされる。他方、引用文献2では、全範囲からの値が選択されるとすぐに、移行が自動的に起こる。いずれの移行モードも理想的でなく、前者は、困ったことにユーザにとって遅い可能性があり、後者の微細調整への自動移行は、初期タッチが、ユーザによって意図されるものからかなり離れた値を設定する場合に望ましくない。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1273851A2号
【特許文献2】国際公開第2006/133976号
【特許文献3】国際公開第2007/006624号
【特許文献4】国際公開第2007/023067号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、所望のパラメータ値を、より効率的にかつ正確に選択することができる、電気機器用の改良型静電容量位置センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、静電容量位置センサ上での物体の位置を決定することによって、パラメータまたは機能を、パラメータまたは機能値の範囲内の所望の値に設定する静電容量位置センサであって、検知経路を含む検知要素と、前記検知要素に接続された少なくとも1つの端子と、前記少なくとも1つの端子に接続さ
れた少なくとも1つの検知チャネルであって、前記端子とシステムアースとの間の静電容量を指示する信号を生成するように動作する、検知チャネルと、前記検知要素上での物体の位置を決定する手段と、前記パラメータまたは機能値の範囲内の値に相当する前記物体の位置をさらに微細調整する手段とを備え、プロセッサは、前記信号を解釈し処理して、前記検知経路上での物体のおよその位置を決定するように動作し、前記プロセッサは、前記パラメータまたは機能値の範囲が、前記検知経路にマッピングされ、また、パラメータまたは機能が、最初の点における前記検知経路のタッチによって、ほぼ前記所望の値に設定されることができる静電容量位置センサの第1モード、および、前記検知要素上での物体の変位が、前記第1モードで最初に設定された値からパラメータまたは機能を調整する第2モードを提供するように構成され、前記プロセッサは、前記最初のタッチ点を基準にした、前記検知経路に沿う物体の移動性変位によって生じる静電容量的結合に応答して前記第1モードから前記第2モードへ切換わるように構成されることを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のセンサにおいて、前記検知経路は、閉ループとして形成されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のセンサにおいて、前記プロセッサは、前記第1モードから前記第2モードへのセンサのモード変更を始動させるために、前記移動性変位が最小閾値を超えることを要求することを要旨とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のセンサにおいて、前記最小閾値は、予め決められており、また、前記プロセッサは、要求される感度および調整されるパラメータまたは機能に応じて、前記最小閾値を異なる値に設定するように構成可能であることを要旨とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサにおいて、前記第2モードでは、前記プロセッサは、前記物体が、前記検知経路に沿って所定の閾変位だけ移動したことが検知されると、前記パラメータまたは機能値の増分的な変更を実施することを要旨とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサにおいて、前記第2モードでは、前記プロセッサは、前記検知経路に沿う前記物体の変位が、前記所定の閾変位を越えたことが検知される回数に基づいて、ある単位数だけ前記パラメータまたは機能値を変更することを要旨とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサにおいて、前記第2モードでは、前記プロセッサは、前記パラメータまたは機能値の範囲の狭い副範囲を、前記第1モードで最初に設定された前記パラメータまたは機能値を中心として前記検知経路にマッピングすることを要旨とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサにおいて、前記プロセッサは、前記第2モードにおける前記検知要素からのタッチの解除と、それに続いて、前記検知要素の再タッチが検知される場合、前記第1モードが起動されるように、さらに構成されることを要旨とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のセンサにおいて、静電容量位置センサによって制御されるパラメータまたは機能は、温度、容積、コントラスト、輝度、および周波数の群から選択されることを要旨とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のセンサにおいて、前記プロセッサは、パラメータまたは機能が、静電容量位置センサを使用する前に、選択さ
れるように制御されることを可能にするように構成されることを要旨とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の静電容量位置センサを組み込む電子機器の制御パネルにおいて、ことを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の静電容量位置センサを組み込む制御パネルを有する電子機器において、ことを要旨とする。
【0021】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の電子機器において、調理用オーブン、電子レンジ、テレビ受像機、洗濯機、MP3プレーヤ、移動体電話、およびマルチメディアデバイスの群から選択されることを要旨とする。
【0022】
請求項14に記載の発明は、静電容量位置センサ上での物体の位置を決定することによって、パラメータまたは機能を、パラメータまたは機能値の範囲内の所望の値に設定する方法であって、前記静電容量位置センサは、検知経路を含む検知要素と、前記検知要素に接続された少なくとも1つの端子と、前記少なくとも1つの端子に接続された少なくとも1つの検知チャネルであって、前記端子とシステムアースとの間の静電容量を指示する信号を生成するように動作する、検知チャネルと、前記検知要素上での物体の位置を決定する手段と、前記パラメータまたは機能値の範囲内の値に相当する前記物体の位置をさらに微細調整する手段とを備え、方法は、前記パラメータまたは機能値の範囲が前記検知経路にマッピングされる前記静電容量位置センサの第1モードにおいて、前記物体の位置を決定するために、最初の点において物体を前記検知要素に近接させ、それにより、パラメータまたは機能をほぼ前記所望の値に最初に設定すること、第2モードにおいて、最初に設定された値から前記所望の値へパラメータまたは機能を調整するために前記検知要素上で物体を変位させること、および、選択されるパラメータまたは機能値を決定するために前記信号を処理することを含んでおり、前記検知要素上での前記物体の前記最初のタッチ点を基準にした、前記検知経路に沿う前記物体の移動性変位によって生じる静電容量結合に応答して前記第1モードから前記第2モードへの前記センサのモード変更を始動することを要旨とする。
【0023】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の方法において、前記検知経路は、閉ループとして形成されることを要旨とする。
請求項16に記載の発明は、請求項14または15に記載の方法において、前記移動性変位は、前記第1モードから前記第2モードへの前記センサのモード変更を始動させるために、最小閾値を超えることを要求されることを要旨とする。
【0024】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の方法において、前記最小閾値は、予め決められており、また、要求される感度および調整されるパラメータまたは機能に応じて、異なる値に設定可能であることを要旨とする。
【0025】
請求項18に記載の発明は、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法において、前記第2モードでは、前記物体が、前記検知経路に沿って所定の閾変位だけ移動することによって、前記パラメータまたは機能値の増分的な変更が実施されることを要旨とする。
【0026】
請求項19に記載の発明は、請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法において、前記第2モードでは、前記検知経路に沿う前記物体の変位が、前記所定の閾変位を越える回数に基づいて、前記パラメータまたは機能値が、ある単位数だけを変更されることを要旨とする。
【0027】
請求項20に記載の発明は、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法において、前記第2モードでは、前記パラメータまたは機能値の範囲の狭い副範囲が、前記第1モー
ドで最初に設定された前記パラメータまたは機能値を中心として前記検知経路にマッピングされることを要旨とする。
【0028】
請求項21に記載の発明は、請求項14〜20のいずれか1項に記載の方法において、前記第2モードにおける前記検知要素からのタッチの解除および、次に、前記検知要素への再タッチによって、前記第1モードが再び起動することを要旨とする。
【0029】
請求項22に記載の発明は、請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法において、前記静電容量位置センサによって制御されるパラメータまたは機能は、温度、容積、コントラスト、輝度、および周波数の群から選択されることを要旨とする。
【0030】
請求項23に記載の発明は、請求項14〜22のいずれか1項に記載の方法において、制御されるパラメータまたは機能が、前記静電容量位置センサを使用する前に選択可能であることを要旨とする。
【0031】
本発明の一態様によれば、物体の位置を検出する静電容量位置センサが提供され、静電容量位置センサは、検知経路を含む検知要素と、検知要素に接続された少なくとも1つの端子と、少なくとも1つの端子に接続された少なくとも1つの検知チャネルであって、端子とシステムアースとの間の静電容量を指示する信号を生成するように動作する、検知チャネルと、検知要素上での物体の位置を決定する手段と、パラメータ値の範囲内の値に相当する物体の位置をさらに微細調整する手段とを備える。
【0032】
より詳細には、本発明のこの態様は、静電容量位置センサ上での物体の位置を決定することによって、パラメータまたは機能を、パラメータまたは機能値の範囲内の所望の値に設定する静電容量位置センサを提供し、静電容量位置センサは、検知経路を含む検知要素と、検知要素に接続された少なくとも1つの端子と、少なくとも1つの端子に接続された少なくとも1つの検知チャネルであって、端子とシステムアースとの間の静電容量を指示する信号を生成するように動作する、検知チャネルと、検知要素上での物体の位置を決定する手段と、パラメータまたは機能値の範囲内の値に相当する物体の位置をさらに微細調整する手段とを備えており、プロセッサは、信号を解釈し処理して、検知経路上での物体のおよその位置を決定するように動作し、プロセッサは、パラメータまたは機能値の範囲が、検知経路にマッピングされ、また、パラメータまたは機能が、最初の点における検知経路のタッチによって、ほぼ所望の値に設定されることができる静電容量位置センサの第1モード、および、検知要素上での物体の変位が、第1モードで最初に設定された値からパラメータまたは機能を調整する第2モードを提供するように構成され、プロセッサは、最初のタッチ点を基準にした、検知経路に沿う物体の移動性変位によって生じる静電容量結合に応答して第1モードから第2モードへ切換わるように構成される。
【0033】
本発明の別の態様によれば、先に規定されたように、静電容量位置センサ上での物体の位置を決定する方法が提供され、方法は、物体の位置を決定するために、物体を検知要素に近接させること、検知要素上での物体の移動性変位によって生じる静電容量結合に応答してセンサのモード変更を始動すること、パラメータ値の範囲内の値を選択するために、検知要素上で物体を変位させること、および、選択されるパラメータ値を決定するために信号を処理することを含む。
【0034】
より詳細には、本発明のこの態様は、静電容量位置センサ上での物体の位置を決定することによって、パラメータまたは機能を、パラメータまたは機能値の範囲内の所望の値に設定する方法を提供し、静電容量位置センサは、検知経路を含む検知要素と、検知要素に接続された少なくとも1つの端子と、少なくとも1つの端子に接続された少なくとも1つの検知チャネルであって、端子とシステムアースとの間の静電容量を指示する信号を生成
するように動作する、検知チャネルと、検知要素上での物体の位置を決定する手段と、パラメータまたは機能値の範囲内の値に相当する前記物体の位置をさらに微細調整する手段とを備え、方法は、パラメータまたは機能値の範囲が検知経路にマッピングされる静電容量位置センサの第1モードにおいて、物体の位置を決定するために、最初の点において物体を検知要素に近接させ、それにより、パラメータまたは機能をほぼ所望の値に最初に設定すること、検知要素上での物体の最初のタッチ点を基準にした、検知経路に沿う物体の移動性変位によって生じる静電容量結合に応答して第1モードから第2モードへのセンサのモード変更を始動すること、第2モードにおいて、最初に設定された値から所望の値へパラメータまたは機能を調整するために検知要素上で物体を変位させること、および、選択されるパラメータまたは機能値を決定するために信号を処理することを含む。
【0035】
本発明のある実施形態では、静電容量センサは、第1モードおよび第2モードで働く。第1モードでは、物体、たとえば、ユーザの指と検知要素との静電容量結合を指示する信号が生成される。第1モードで生成した信号は、ユーザが選択したいと思う所望のパラメータ値に関連して物体のおよその位置を提供してもよい。プロセッサは、好ましくは、信号を解釈し処理して、検知要素上での物体のおよその位置を決定するために設けられてもよい。第1動作モードでは、静電容量センサは、センサ上の所望のロケーションに物体を近接させることによって、または、検知要素に近接した移動性変位によって生じる静電容量結合を指示する信号を生成することができることが好ましい。
【0036】
本発明のある実施形態では、第1動作モード中に、検知要素に近接した物体の移動性変位が、最小閾値を超える場合、静電容量センサは、第2動作モードに入いることができる。たとえば、回転静電容量センサの形態の検知要素の場合、第1動作モード中に、ユーザが、検知要素上での物体の最初のタッチ点を基準にして最小閾角だけ、検知要素に近接して物体を変位させる場合、静電容量センサは、第2動作モードへ切換わることができる。最小閾角は、マイクロコントローラにプログラム入力されたアルゴリズムによって決定することができ、閾角は、要求される感度および調整されるパラメータに応じて異なる値に設定されてもよい。一実施形態では、閾角は、静電容量センサが、第1動作モードから第2動作モードへ切換わる前に20°に設定されてもよい。およそのパラメータ値が、第1モードで得られ、第2モードで所望のパラメータ値が選択されてもよい。
【0037】
第2動作モードでは、物体が、所定の閾値、たとえば、20°だけ、検知要素に近接して変位して、パラメータ値の増分的な変更を行ってもよく、それにより、所望の特定のパラメータ値を選択することが可能になる。有利には、第1モードで動作する本発明の静電容量センサは、(ユーザが選択したいと思う所望の値であってよく、または所望の値に近くてもよい)パラメータ値が選択されることを可能にしてもよく、第2モードでは、センサは、第1モードで選択されたパラメータ値の増分的な増加または減少を実施してもよい。第2モードでは、物体が、所定の閾値を超えて、検知要素上で変位する回数に基づいて、パラメータ値は、所定量、たとえば、±1単位、±5単位、または±10単だけ、増減してもよい。したがって、閾値は、たとえば、±1単位だけのパラメータ値の増減に相当してもよく、閾値に(n回)達するたびに、パラメータ値は、±1(n回の±1)だけ増減するであろう。
【0038】
本発明の代替の実施形態では、静電容量センサは、ユーザが所望のパラメータ値を正確に選択できるように、第1モードで表示されたパラメータ範囲と比較して、より狭い範囲のパラメータ値上で効率的に「ズームイン」することによって第2動作モードに入ってもよい。第2モード中に示される狭い範囲のパラメータ値は、第1モードで選択されるパラメータ値、たとえば、第1モードで選択された値から+10単位また−10単位によって決定されるであろう。第2動作モードでは、物体は、所望のパラメータ値を選択するために、検知要素に沿って変位してもよい。
【0039】
好ましくは、第1動作モードにおいて、検知要素に近接した物体の位置を決定するプロセッサは、第2動作モードにおいて、検知要素に近接した物体の位置を同様に決定するように動作してもよい。
【0040】
したがって、本発明では、静電容量センサは、およそのパラメータ値を選択することができる第1動作モードと、それに続いて、特定のパラメータ値を選択することができる第2動作モードで機能してもよい。静電容量センサに関連するパラメータ値の範囲(すなわち、分解能)は、所望のパラメータ値を第1動作モードで選択することができるかどかを判定してもよい。第2動作モードは、たとえば、第1モードで選択されたパラメータ値を中心としてパラメータ値の狭い範囲上にズームインし、所望の値を選択するために、検知要素に近接して物体を変位させることによって、または、第1モードから選択されたパラメータ値を1つまたは複数の増分だけ変更するために、所定の閾値を超えるように、検知要素に近接して物体を変位させることによって、所望のパラメータ値が正確に選択されることを可能にするであろう。閾値が超えられる回数は、パラメータ値が増減される回数を決定してもよい。
【0041】
本発明の静電容量センサは、電子機器または機械装置、たとえば、調理用オーブン、電子レンジ、テレビ受像機、洗濯機、MP3プレーヤ、移動体電話、または他のマルチメディアデバイスの制御パネルに組み込まれてもよい。静電容量センサが組み込まれる電子機器のタイプに応じて、広い範囲のパラメータ/機能、たとえば、温度、容積、コントラスト、輝度、または周波数が、本発明の静電容量センサによって制御されてもよい。制御されるパラメータまたは機能は、静電容量センサの使用の前に選択されてもよい。
【0042】
有利には、センサは、第2モードにおいて程度の高い分解能を有し、ユーザが、特定のパラメータ値を選択するために、検知要素に近接してユーザの指を移動させることを可能にする。検知要素が閉ループの形態である場合、ユーザは、所望の値を選択するために、検知要素の周りで時計方向または反時計方向にスクロールすることができてもよい。たとえば、第2モードでは、20°回転は、1単位だけパラメータ値を変更することに匹敵してもよい。パラメータ値の増分的変更を引き起こすための、検知要素上での物体によって要求される回転量は、制御されるパラメータまたは機能に応じて変動してもよい。制御回路要素またはプログラム制御式マイクロプロセッサを使用して、パラメータ値の変更を引き起こすのに必要とされる回転の程度を制御してもよい。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、検知要素は、形が弧状である。検知要素は、回転静電容量位置センサで使用するために閉ループの形態であることが特に好ましい。回転静電容量位置センサの実施形態では、物体は、センサの検知要素に沿って複数の回転について移動してもよく、物体が移動する距離は、検知チャネル(複数可)によって生成される出力信号を決定してもよい。
【0044】
静電容量センサの第1動作モードでは、検知要素に近接した物体の静電容量結合が、検出されて、所与のパラメータについての値の範囲に関連しておよその位置が与えられてもよい。ユーザが、異なる位置データを得たいと思う場合、物体は、検知要素との近接状態から取り除かれ、次に、再び前記検知要素との近接状態にもたらされてもよい。換言すれば、ユーザは、単に、検知要素に再タッチすることによって再びセンサの第1モードを始動してもよい。第2動作モードが始動されると、ユーザは、検知要素をスクロールして、一定のパラメータの特定の値を選択してもよい。物体が、検知要素上のある位置で変位を終了すると、特定のパラメータ値を指示する出力信号が生成されてもよい。ある実施形態では、ユーザが、第2モードにおいて、検知要素からタッチを解除し、検知要素に再タッチする場合、第1動作モードが、再び起動されてもよい。
【0045】
本発明のある実施形態では、静電容量位置センサは、さらに、回転検知要素の中央領域に1つまたは複数の離散的な検知エリアを備えてもよい。好ましくは、検知要素の中央領域の検知エリアは、物体に対する静電容量結合を検知する場合、検知要素から生成される任意の信号は、出願人の初期の米国特許第6,993,607号および第11/279,402号(共に、本明細書に組み込まれる)に記載されるAdjacent Key Suppression(商標)技術を使用して、低減される、または、「ロックアウト」される。物体との静電容量結合によって生じる回転検知要素からの任意の出力信号は、中央検知エリアからの信号をロックアウトしてもよい。
【0046】
検知要素は、単一抵抗器によって具現化されてもよい。たとえば、検知要素は、連続パターンを形成するために、基板上に堆積した抵抗性材料を含んでもよい。これは、パターンの範囲内のいずれか1つのパターンで基板に堆積されることができる作製の容易な抵抗検知要素を実現する。あるいは、検知要素は、複数の離散的な抵抗器から作られてもよい。離散的な抵抗器は、あるいは、複数の導電性センス板に直列に接続されてもよく、センス板は、物体と抵抗検知要素との間の静電容量結合の増大を実現する。これは、広く利用可能な、棚から取り出してすぐに使える製品から作製されることができる抵抗検知要素を実現する。国際公開公報WO2005/019766号の開示は、使用することができる静電容量測定回路要素の例として、参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、米国特許第4,264,903号に記載される要素に類似の抵抗器無しの検知要素を使用して、本発明の静電容量センサを形成してもよい。
【0047】
抵抗検知要素は、単位長さ当たり実質的に一定の抵抗を有してもよい。これは、単純な均一応答を有する静電容量位置センサを実現する。より高い位置分解能が必要とされるとき、かつ/または、比較的長い抵抗検知要素を採用するとき、抵抗検知要素は、複数の端子を含んでもよい。
【0048】
検出される物体は、ユーザによって自由に位置決めされることができる、ポインタ、たとえば、指またはスタイラスであってよい。あるいは、物体は、抵抗検知要素に近接して保持されるワイパであってよく、抵抗検知要素に沿うワイパの位置は、静電容量位置センサによって検出される。ワイパの位置は、ユーザによって、たとえば、回転ノブを回すことによって調整されてもよく、または、静電容量位置センサが、エンコーダの役目を果たすことができるように、接続機器によって駆動される軸に結合されてもよい。
【0049】
本発明の一部の実施形態のさらなる目的は、信頼性が高く、表面がシールされ、電力消費が低く、設計が単純で、作製が容易で、棚から取り出してすぐに使えるロジックまたはマイクロコントローラを使用して動作することができるセンサを実現することである。
【0050】
米国特許第6,466,036号において、出願人は、アースに対する静電容量の変化を検出するために、単一結合板を採用した静電容量フィールドセンサを教示する。この装置は、一般的な集積化されたCMOSプッシュプルドライバ回路要素を使用して、反復的な、充電−その後−転送サイクル、または、充電−プラス−転送サイクルを採用する回路を備える。この技術は、本発明の一部の実施形態の基礎を形成し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
一部の定義がここで行われる。「要素(Element) 」は、導電性物質でできた物理的な電気検知要素を指す。「電極(Electrode) 」は、適したドライバ/センサ電子部品に要素を接続するために、要素に対して行われる動電気的接続点の1つを指す。「物体(object)」および「指(finger)」という用語は、ワイパまたはポインタまたはスタイラスなどの生命のない物体、または、別法として、人間の指または他の付属物に言及するときに同じ意味
で使用され、要素に隣接してそれが存在することがいずれも、動電気的か、非動電気的のいずれかで、任意の回り道の経路を介して、要素の領域から回路基準に戻るまでの局在化された静電容量結合を生成するであろう。「タッチ」という用語は、物体と要素との間の物理的接触か、物体と要素との間の自由空間内の近接性か、物体と、物体と要素との間に存在する誘電体(ガラスなど)との間の物理的接触か、または、物体と要素との間に存在する介在する誘電体層を含む自由空間の近接性を含む。以降で、「円(circle)」または「円状(circular)」という用語は、任意の楕円、台形、または、任意のサイズでかつ開いた中央セクションを有する外形の他の閉ループを指す。
【0052】
本発明は、図面に述べられ、示される実施形態を参照して例としてだけここで述べられるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
図1は、静電容量センサ60およびデジタル読み出しディスプレイ70を有する制御パネル50の一部を示す。制御パネル50は、調理用オーブン、電子レンジ、洗濯機、冷凍冷蔵庫、テレビ受像機、MP3プレーヤ、移動体電話などのような電子機器に組み込まれてもよい。静電容量センサによって制御されるパラメータまたは機能は、静電容量センサが、その中に組み込まれる電気機器のタイプに依存するであろう。容積、温度、作動プログラム、輝度、コントラストのようなパラメータは、本発明の静電容量センサによって制御されてもよい機能の一部の例である。本発明の好ましい実施形態では、制御されるパラメータは、ユーザが、有利には、電気機器または装置に関して異なるパラメータを調整できるようにパラメータの所定のリストから選択されてもよい。図1に示す静電容量センサ60は、電子レンジまたは調理用オーブンの調理用温度を制御するために設定される
静電容量センサ60は、物体、通常オペレータの指との静電容量結合を検出する回転検知要素100を備える。液晶ディスプレイ(または、他の知られているディスプレイ)が、制御パネル50内に形成されて、回転検知要素の周りの温度目盛りを照明する。温度目盛りは、摂氏0〜300度の範囲になる。静電容量センサ60は、ユーザの指が、調理用温度を選択するのに使用される第1動作モードにあるのが示される。ユーザの指80は、デジタル読み出しディスプレイ70上に表示される摂氏175度(℃)の温度に相当する回転検知要素100の部分に近接しているのが示される。175℃の選択された温度は、ユーザが望む所望の温度であってよいが、ほとんどの場合、第1動作モードで選択される温度は、ユーザが必要とする実際の温度に近い温度を指示するであろう。ユーザは、センサの回転検知要素100に再タッチして、第1動作モードを再起動し、異なる温度を選択してもよい。センサの分解能は、第1モードで選択される温度が、ユーザが求める所望の温度にどれほど近いかを決定することができる。
【0054】
ここで図2Aおよび図2Bを考えると、静電容量センサ60は、第2動作モードにあるのが示される。第1動作モードにおいて、ある温度が選択された後に、静電容量センサは、自動的に第2動作モードに入る。第2動作モードでは、ユーザは、第1モードで選択された温度を所定の増分だけ増減することができる。所与の増分だけ温度を変更することは、回転検知要素100に近接したユーザの指を所与の閾角だけユーザが変位させることによる。図2Aおよび図2Bに示す実施形態は、±1℃の温度変更を実施するために20°の回転を必要とする(すなわち、閾角は20°である)。
【0055】
図2Aに示すように、ユーザは、第1モードで選択された175℃の温度を減少させるために、回転検知要素100に近接したユーザの指を反時計方向に変位させた。ユーザは、2℃だけ温度を減少させて173℃にするために、第1動作モードの最初のタッチ点から40°(すなわち、2×閾角)だけ自分の指を移動させた(矢印Cで示す)。図2Bに示すように、ユーザは、2℃だけ温度を増加させて177℃にするために、第1動作モードの最初のタッチ点から40°だけ自分の指を時計方向に移動させた(矢印D)。有利に
は、第2動作モードにおける静電容量センサは、ユーザが、所望の温度を正確に選択することを可能にする。第2動作モードにおける静電容量センサの分解能は、通常、第1動作モードより微細である。閾角は、再設定可能であり、通常、マイクロコントローラに記憶されたプログラムによって決まってもよい。
【0056】
図2Aおよび図2Bに示す第2動作モードでは、+および−インジケータディスプレイ92は、静電容量センサ60の上に存在して、温度が、1単位(複数可)だけ増減することができることをユーザに指示する。デジタル読み出しディスプレイ70は、ユーザによって変更されるときの温度を示す。第1モードの温度目盛りを示すLCD75は、第2動作モード中にはもはやハイライトされない。
【0057】
図3は、本発明を具現化する静電容量位置センサ10の回転検知要素20を示す。静電容量位置センサ10は、調理用オーブンの制御パネルに組み込まれる。図1に示す静電容量位置センサ10は、所望の調理用温度を選択するのに使用されるが、センサは、使用中の電気機器に基づいて任意特定のパラメータ値を選択するために使用することができる。図1のセンサは、第1動作モードにあるのが示される。ユーザの指30は、回転検知要素20に近づき、150〜200℃の領域内で検知要素の容量的に結合する。175℃の温度が、デジタル読み出しディスプレイ70に示される。センサの第1動作モードは、ユーザが、およその調理用温度を選択することを可能にする。回転検知要素20は、約5.08mm(2インチ)の直径を有することができ、この直径は、本発明が存在する前では、ユーザが、一定の温度を正確に選択することを難しくする可能性がある。
【0058】
静電容量位置センサ10は、ある温度が、第1モードで選択された後に、図4に示すように、第2動作モードに自動的に入る。図4に示すように、回転検知要素20の周りの温度目盛りは、第1動作モードから決定された静電容量的に結合した領域の温度範囲を拡張するために修正されるか、または、リセットされた。ユーザは、今や、所望の温度、この場合、デジタル読み出しディスプレイ70上に示される180℃に達するまで、検知要素の周りで時計方向または反時計方向に自分の指をスクロールすることによって、調理用の所望の温度を選択してもよい。図4に示す温度目盛りは、静電容量センサが、所定の温度範囲に関してズームインするようにどのようにプログラムすることができるかの例に過ぎない。第2動作モードでは、一定の増分によって温度変更を実施するのに必要とされる回転の程度の数値が調整されてもよい。選択された温度は、デジタル読み出しディスプレイ70上などの、制御パネル内に形成されたアナログまたはデジタル読み出しディスプレイ上に表示されてもよい。
【0059】
本発明は、好ましい実施形態に関して述べられたが、本発明から逸脱することなく、多くの修正および変更を行うことができる。したがって、全てのこうした修正および変更は、本発明の精神および範囲内にあるものとして考えられることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】回転静電容量センサ(センサは第1動作モードで使用される)を具現化する装置の制御パネルを示す上面図。
【図2A】図1の静電容量センサが第2動作モードで使用され、ユーザがセンサの周りで反時計方向にスクロールするところを示す上面図。
【図2B】図1の静電容量センサが第2動作モードで使用され、ユーザがセンサの周りで時計方向にスクロールするところを示す上面図。
【図3】回転静電容量センサが、第1動作モードで使用される別の実施形態による、装置の制御パネルを示す図。
【図4】第2動作モードで使用される図3の静電容量センサを示す図。
【符号の説明】
【0061】
10…静電容量位置センサ、50…制御パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量位置センサ上での物体の位置を決定することによって、パラメータまたは機能を、パラメータまたは機能値の範囲内の所望の値に設定する静電容量位置センサであって、
検知経路を含む検知要素と、
前記検知要素に接続された少なくとも1つの端子と、
前記少なくとも1つの端子に接続された少なくとも1つの検知チャネルであって、前記端子とシステムアースとの間の静電容量を指示する信号を生成するように動作する、検知チャネルと、
前記検知要素上での物体の位置を決定する手段と、
前記パラメータまたは機能値の範囲内の値に相当する前記物体の位置をさらに微細調整する手段とを備え、
プロセッサは、前記信号を解釈し処理して、前記検知経路上での物体のおよその位置を決定するように動作し、前記プロセッサは、前記パラメータまたは機能値の範囲が、前記検知経路にマッピングされ、また、パラメータまたは機能が、最初の点における前記検知経路のタッチによって、ほぼ前記所望の値に設定されることができる静電容量位置センサの第1モード、および、前記検知要素上での物体の変位が、前記第1モードで最初に設定された値からパラメータまたは機能を調整する第2モードを提供するように構成され、前記プロセッサは、前記最初のタッチ点を基準にした、前記検知経路に沿う物体の移動性変位によって生じる静電容量的結合に応答して前記第1モードから前記第2モードへ切換わるように構成されることを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記検知経路は、閉ループとして形成される請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1モードから前記第2モードへのセンサのモード変更を始動させるために、前記移動性変位が最小閾値を超えることを要求する請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記最小閾値は、予め決められており、また、前記プロセッサは、要求される感度および調整されるパラメータまたは機能に応じて、前記最小閾値を異なる値に設定するように構成可能である請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記第2モードでは、前記プロセッサは、前記物体が、前記検知経路に沿って所定の閾変位だけ移動したことが検知されると、前記パラメータまたは機能値の増分的な変更を実施する請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記第2モードでは、前記プロセッサは、前記検知経路に沿う前記物体の変位が、前記所定の閾変位を越えたことが検知される回数に基づいて、ある単位数だけ前記パラメータまたは機能値を変更する請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記第2モードでは、前記プロセッサは、前記パラメータまたは機能値の範囲の狭い副範囲を、前記第1モードで最初に設定された前記パラメータまたは機能値を中心として前記検知経路にマッピングする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第2モードにおける前記検知要素からのタッチの解除と、それに続いて、前記検知要素の再タッチが検知される場合、前記第1モードが起動されるように、さらに構成される請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項9】
静電容量位置センサによって制御されるパラメータまたは機能は、温度、容積、コント
ラスト、輝度、および周波数の群から選択される請求項1〜8のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記プロセッサは、パラメータまたは機能が、静電容量位置センサを使用する前に、選択されるように制御されることを可能にするように構成される請求項1〜9のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の静電容量位置センサを組み込む電子機器の制御パネル。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の静電容量位置センサを組み込む制御パネルを有する電子機器。
【請求項13】
調理用オーブン、電子レンジ、テレビ受像機、洗濯機、MP3プレーヤ、移動体電話、およびマルチメディアデバイスの群から選択される請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
静電容量位置センサ上での物体の位置を決定することによって、パラメータまたは機能を、パラメータまたは機能値の範囲内の所望の値に設定する方法であって、前記静電容量位置センサは、検知経路を含む検知要素と、前記検知要素に接続された少なくとも1つの端子と、前記少なくとも1つの端子に接続された少なくとも1つの検知チャネルであって、前記端子とシステムアースとの間の静電容量を指示する信号を生成するように動作する、検知チャネルと、前記検知要素上での物体の位置を決定する手段と、前記パラメータまたは機能値の範囲内の値に相当する前記物体の位置をさらに微細調整する手段とを備え、方法は、
前記パラメータまたは機能値の範囲が前記検知経路にマッピングされる前記静電容量位置センサの第1モードにおいて、前記物体の位置を決定するために、最初の点において物体を前記検知要素に近接させ、それにより、パラメータまたは機能をほぼ前記所望の値に最初に設定すること、
第2モードにおいて、最初に設定された値から前記所望の値へパラメータまたは機能を調整するために前記検知要素上で物体を変位させること、および、
選択されるパラメータまたは機能値を決定するために前記信号を処理することを含んでおり、
前記検知要素上での前記物体の前記最初のタッチ点を基準にした、前記検知経路に沿う前記物体の移動性変位によって生じる静電容量結合に応答して前記第1モードから前記第2モードへの前記センサのモード変更を始動することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記検知経路は、閉ループとして形成される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記移動性変位は、前記第1モードから前記第2モードへの前記センサのモード変更を始動させるために、最小閾値を超えることを要求される請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記最小閾値は、予め決められており、また、要求される感度および調整されるパラメータまたは機能に応じて、異なる値に設定可能である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2モードでは、前記物体が、前記検知経路に沿って所定の閾変位だけ移動することによって、前記パラメータまたは機能値の増分的な変更が実施される請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2モードでは、前記検知経路に沿う前記物体の変位が、前記所定の閾変位を越え
る回数に基づいて、前記パラメータまたは機能値が、ある単位数だけを変更される請求項14〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2モードでは、前記パラメータまたは機能値の範囲の狭い副範囲が、前記第1モードで最初に設定された前記パラメータまたは機能値を中心として前記検知経路にマッピングされる請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第2モードにおける前記検知要素からのタッチの解除および、次に、前記検知要素への再タッチによって、前記第1モードが再び起動する請求項14〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記静電容量位置センサによって制御されるパラメータまたは機能は、温度、容積、コントラスト、輝度、および周波数の群から選択される請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
制御されるパラメータまたは機能が、前記静電容量位置センサを使用する前に選択可能である請求項14〜22のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−141733(P2008−141733A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273759(P2007−273759)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(303033185)
【氏名又は名称原語表記】PHILIPP,Harald
【Fターム(参考)】