静電容量式タッチセンサ及びこれを備えた表示装置
【課題】ダミー電極を用いる手法を採らずに透明導電部の露見を抑制することができる静電容量式タッチセンサ及びこれを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る静電容量式タッチセンサは、樹脂シートと、該樹脂シート上に並列に形成された複数の透明導電部とを含む静電容量式タッチセンサであって、透明導電部を備えた樹脂シートのリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下であることを特徴とするものである。
【解決手段】本発明に係る静電容量式タッチセンサは、樹脂シートと、該樹脂シート上に並列に形成された複数の透明導電部とを含む静電容量式タッチセンサであって、透明導電部を備えた樹脂シートのリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下であることを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の映像画面を設けるような携帯電話やPDA、小型PC等の入力デバイスに適用できるタッチセンサ及びこれを備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置(LCD)や有機発光装置(OLED)等の用途が拡大しており、屋外で用いられる各種の表示物にもLCD等が利用されている。
【0003】
例えば、車、船、飛行機などの計器盤、車載カーナビゲーション、デジタルカメラ、携帯電話やパソコンなどのモバイル機器、あるいはビル、スーパーなどで用いられるデジタルサイネージなどにLCD等の利用が広がっている。これらの電子機器においては、ディスプレイに入力手段を兼ね備えるタッチパネルが広く利用されている。
【0004】
タッチパネルの方式には、光学式、超音波式、電磁誘導式、抵抗膜式、又は静電容量方式が一般に使われているが、小型液晶ディスプレイとの組み合わせには抵抗膜式タッチパネルがよく用いられている。この抵抗膜式タッチパネルは透明導電膜を導体とした入力スイッチであり、2枚の透明導電膜を、スペーサーを介して対向させた構造となっている。タッチペン又は指の押し圧によって電極面同士が接触して導通し、位置検出を行うことができるようになっている。
【0005】
これに対して静電容量方式のタッチパネルは、通常の抵抗膜方式では対応できない多点検知、いわゆるマルチタッチを可能とする点で近年注目が集まっている。上記の透明導電膜については、透明導電膜を基材上に成膜した後に、耐久性を得るために所定温度(例えば約150℃)でアニール処理(熱処理)を実施することによって、透明導電膜を結晶化することが行われている。
【0006】
ところが従来の静電容量方式のタッチパネルにおいては、透明電極が存在する部分と存在しない部分では透明度が異なるためにディスプレイ画面の明るさや色合いの相違として現れ、透明電極の存在が使用者に見えてしまうという、ディスプレイの外観上及び表示品位上の問題がある。この問題をある程度改善する手法として、隣接する縦方向または横方向の透明電極間の隙間を狭くすることにより、画面の透明度を一定に近づける方法も採られていた。しかしながら、このようなタッチパネルでは隣接する縦方向または横方向の透明電極間の隙間が狭いので、キーの周辺部に触れると隣接するキーが誤入力されるという解決しなければならないという問題もあった。
【0007】
この問題を解決するため、例えば特許文献1には誤入力防止タッチパネルが開示されている。この誤入力防止タッチパネルにおいては、縦方向透明電極2とダミー電極4との隙間は、約0.6mm以下に設定されているので、結果的に透明度は一定に近づく。
【0008】
また特許文献2には、タッチパネル装置が開示されている。このタッチパネル装置においては、縦方向透明電極2a〜2nと、ダミー電極列4a〜4nとの間隔は狭くなっておりダミー電極列4a〜4nは、隣接した電極間の隙間に沿って区切られているため、透過度は一定に近づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平05−189151号公報
【特許文献2】特開平05−224818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1或いは2に記載されているようにダミー電極を配置する方法では、ダミー電極を配置する分、そのエリアでの光線透過率が落ちてしまい、ディスプレイ画面全体の明るさは低下してしまう。
【0011】
そこで本発明は、ダミー電極を用いる手法を採らずディスプレイ画面全体の明るさを維持しつつ、透明導電部の露見を抑制することができる静電容量式タッチセンサ及びこれを備えた表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは上記の目的を達成するため、透明導電部の露見がそもそもどのようなメカニズムで起こっているのか、原因の究明から始めた。というのも、例えば酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)透明電極の光透過率は、90%(透明電極の厚さが20nmの場合)と決して低くはないため、光透過率が透明電極の露見の原因であるとする従来の考え方に疑問を持った。
【0013】
また、透明電極の表面は比較的反射率が高いが、タッチセンサにおいて使用者側に偏光板や円偏光板が配置されている場合には、透明電極の表面からの反射光はある程度は低減されている。これらのことに鑑みると、従来のタッチセンサにおいて現実に観察されている透明電極の露見は、透明電極の光透過率以外の何らかの原因によって起こっているのではないかと考えるに至った。透明電極の露見原因についての従来の課題認識が誤っていれば適切な解決手段を取ることはできないため、本発明者らは更に分析を進めるべく、静電容量式タッチセンサの主な構成要素である樹脂シートと、樹脂シート上に透明導電部を形成する実験工程を繰り返し行い透明電極の露見の状況を確認した。なお静電容量式タッチセンサは通常、樹脂シート上にITO等の導電性酸化金属膜を形成した後、アニール処理によって導電性酸化金属膜を結晶化させることにより形成される。透明導電部をアニール処理する実験を繰り返す中で、本発明者らは、アニール処理の前後で、観察される透明電極の露見状況に随分違いがあることに気づいた。
【0014】
そこで、次に示すようにアニール処理の前後における樹脂シートのリタデーション値を調べてみた。すなわち、アニール処理前の、透明導電部の存在領域及び非存在領域のリタデーションを測定するとともに、アニール処理後の、透明導電部の存在領域及び非存在領域のリタデーションを測定した。なお樹脂シートの材質はポリカーボネート(PC)とし、測定波長は550nmとした。図13は、この実験で測定されたリタデーション値を示すものである。図13において、アニール処理前後の透明導電部12の存在領域におけるリタデーションの変化をラインL1で示し、アニール処理前後の透明導電部12の非存在領域におけるリタデーションの変化をラインL2で示している。図13から、アニール処理の前後で樹脂シートの面内でリタデーション値の差が大きくなっていることを発見した。
【0015】
すなわち、アニール処理によって透明導電部が結晶化する際に、当該透明導電部の伸縮により樹脂シート内に応力分布が生じることによって、当該樹脂シートの屈折率や反射率が変化し、樹脂シート内でリタデーションの差が生じており、この差が、透明電極露見の原因となっていることを突き止めた。
【0016】
本発明は、樹脂シートのリタデーションの差が抑制された静電容量式タッチセンサを提供するものであり、より詳しくは、リタデーションを抑制する種々の手法を講じた静電容量式タッチセンサを提供するものである。
【0017】
本発明に係る静電容量式タッチセンサは、樹脂シートと、該樹脂シート上に並列に形成された複数の透明導電部とを含む静電容量式タッチセンサであって、透明導電部を備えた樹脂シートのリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下であることを要旨とする。
【0018】
また、透明導電部は、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又は鍍金法により形成され、(透明導電部の厚さ/樹脂シートの厚さ)の値が0.000016以上、0.02以下であれば、樹脂シートにおける応力を小さくすることができ、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0019】
或いは、透明導電部は塗布乾燥膜からなり、(透明導電部の厚さ/樹脂シートの厚さ)の値が5未満であれば、樹脂シートにおける応力を小さくすることができ、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0020】
樹脂シートの少なくとも一方面に透明導電部がストライプ状に形成されており、該一方面において(透明導電部の非存在領域の幅/透明導電部の存在領域の幅)の値が3以上、10以下であれば、樹脂シートにおける応力を小さくすることができ、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0021】
樹脂シートと透明導電部との間に応力緩和層を形成すれば、樹脂シートにおける応力を一層小さくすることができる。
【0022】
透明導電部の一部に溝を形成すれば、樹脂シートにおける応力を一層小さくすることができる。溝が透明導電部の厚さ方向に貫通していてもよい。
【0023】
透明導電部が145℃以下の温度でアニールされたものであれば、樹脂シートにおける応力をより小さくすることができる。
【0024】
樹脂シートのガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。
【0025】
樹脂シートの光弾性係数が30×10−8cm2/N以下であれば、複屈折が小さくなり、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0026】
樹脂シート上であって透明導電部の非存在領域に、透明導電部の材料とは異なる材料からなる応力緩和部を形成すれば、樹脂シートにおける応力を小さくすることができる。透明導電部とは異なる上記材料は樹脂シートと同じ材料であってもよい。
【0027】
静電容量式タッチセンサが偏光板と位相差板とをさらに備えれば、当該静電容量式タッチセンサの表面の反射を防止でき、視認性をより向上することができる。
【0028】
本発明に係る表示装置は、上記の静電容量式タッチセンサを表示パネルに装着したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、樹脂シートにおけるリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下に抑制されたものであり、これにより、透明導電部の露見を抑制することができ、外観上優れた静電容量式タッチセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る静電容量式タッチセンサの原理を示す平面図である。
【図2】静電容量式タッチセンサを含む表示装置の構成を示す断面図である。
【図3】(a)はリタデーションの差による透明電極の露見を示す斜視図であり、(b)はリタデーションと透明電極の位置との関係を示すグラフである。
【図4】(a)はリタデーションの差による透明電極の露見を示す斜視図であり、(b)はリタデーションと透明電極の位置との関係を示すグラフである。
【図5】(a)は第1実施形態における透明導電部の構成を示す上面図であり、(b)は図5(a)のA−A線断面図である。
【図6】(a)及び(b)は図2のセンサシートの他の構成を示す断面図である。
【図7】(a)〜(d)はリタデーションに影響を与える、樹脂シートの厚さと透明導電部の厚さとの関係を示す説明図である。
【図8】(a)は第2実施形態における透明導電部の構成を示す上面図であり、(b)は図8(a)のB−B線断面図である。
【図9】第3実施形態における透明導電部の構成を示す上面図である。
【図10】第4実施形態における透明導電部の構成を示す上面図である。
【図11】樹脂シートと透明導電部との間に応力緩和層を設けた例を示す断面図である。
【図12】隣り合う透明導電部間に応力緩和部を設けた例を示す断面図である。
【図13】従来のアニール処理前後のリタデーションの変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態に係る静電容量式タッチセンサについて図面を参照しながら説明する。
【0032】
1.第1実施形態
1−1.静電容量式タッチセンサの全体構成
図1は本実施形態に係る静電容量式タッチセンサ100の原理を示す平面図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態に係る静電容量式タッチセンサ100は、例えばポリカーボネートからなる樹脂シート11と、縦方向のキー入力を検出し例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる透明導電部12と、横方向のキー入力を検出し例えばITOからなり、透明導電部12と絶縁されている透明導電部13と、コネクタ部15と、各透明導電部12,13とコネクタ部15とを接続するリード電極14とを主として備えている。コネクタ部15は制御部16に接続されており、静電容量式タッチセンサ100は制御部16により制御されている。
【0034】
1−2.静電容量式タッチセンサを含む表示装置の断面構成
図2は本実施形態に係る静電容量式タッチセンサ100を含む表示装置200の構成を示す断面図である。
【0035】
図2に示すように、表示装置200は静電容量式タッチセンサ100と、この静電容量式タッチセンサ100の下方に間隔を空けて設けられる表示パネルとしてのディスプレイDPとから構成される。
【0036】
静電容量式タッチセンサ100は、透明のカバーパネルCP、円偏光板23、及びセンサシート50の積層構造からなる。
【0037】
カバーパネルCPは例えばガラスで形成されてもよい。円偏光板23は静電容量式タッチセンサ100の表面の反射を防止し、視認性を向上するために設けられ、偏光板21と位相差板22との積層構造で形成されている。
【0038】
また、センサシート50は、樹脂シート11a、樹脂シート11a上に形成された透明導電部12、及び位相差板22と樹脂シート11aとを接着する接着層17a、並びに、樹脂シート11b、樹脂シート11b上に形成された透明導電部13、及び樹脂シート11aと樹脂シート11bとを接着する接着層17bにより構成されている。なお以下、樹脂シート11a及び樹脂シート11bを樹脂シート11と総称することがある。
【0039】
ディスプレイDPは、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等の表示素子から構成される。
【0040】
1−3.樹脂シート11
本発明において樹脂シート11の厚さは10〜300μmであることが好ましい。光弾性係数の小さい樹脂シート11を用いることで、この樹脂シート11における複屈折を小さくでき、樹脂シート11のリタデーションの差を抑制することができる。樹脂シート11の光弾性係数は、好ましくは30×10−8cm2/N以下、より好ましくは20×10−8cm2/N以下、更に好ましくは10×10−8cm2/N以下であるものを用いることが望ましい。
【0041】
光弾性係数の小さい材料の例としては、5×10−8cm2/Nの光弾性係数を有するシクロオレフィンポリマー(COP)やARTON(登録商標)、又は12×10−8cm2/Nの光弾性係数を有するトリアセチルセルロース(TAC)を用いることができる。特にCOPは、複屈折が小さく、高温高湿下でも吸湿がほとんど無く、耐熱性に優れ、熱による寸法変化も極めて小さい点において長所がある。
【0042】
1−4.リタデーションの差による透明導電部の露見
図3及び図4は透明導電部12の存在領域と非存在領域とのリタデーションの差による透明導電部12の露見について説明するための説明図である。
【0043】
上述したように、アニール処理によって透明導電部が結晶化する際に、当該透明導電部の収縮により樹脂シートに応力が生じ樹脂シート上のリタデーションに差が生じてしまう。
【0044】
例えば、図3(a)の矢印で示すように、透明導電部12が伸長しようとする場合は、一方の透明導電部12と他方の透明導電部12とに挟まれた領域の樹脂シート11の部分40に引張応力が集中し、この部分40は縮もうとする。その結果、部分40における複屈折状態が変化し、人間の目には図3(a)のような明暗のグラデーションが映ってしまう。つまり、透明導電部12の存在が露見してしまう。なお図3(b)は、その横軸の位置が図3(a)の樹脂シート11の幅方向の位置に対応しており、当該位置に応じたリタデーションの変化を示すものである。
【0045】
また図4(a)に示すように、隣り合う透明導電部12間の間隔が上述の図3(a)よりも大きい場合には、左側の透明導電部12と右側の透明導電部12とに挟まれた領域の樹脂シート11の部分41,42,43のうち、部分41,42は透明導電部12の伸長により応力を受ける。一方、部分43については透明導電部12の伸長による影響を比較的受け難い。その結果、人間の目には図4(a)のようなグラデーションが映ってしまう。なお図4(b)は、その横軸の位置が図4(a)の樹脂シート11の幅方向の位置に対応しており、当該位置に応じたリタデーションの変化を示すものである。
【0046】
なお、リタデーションとは、結晶その他の非等方性物質に入射した光が互いに垂直な振動方向を持つ2つの光波に分かれる現象によって生じる両波の位相差である。複屈折を持つ材料に非偏光の光を入射すると、入射光は2つに分かれる。両者は振動方向が互いに直角で、一方を垂直偏光、他方を水平偏光という。垂直の方が異常光線、水平の方が常光線となり、常光線は伝搬速度が伝搬方向によらない光線で、異常光線は伝搬方向によって速度が異なる光線である。複屈折材料ではこの2つの光線の速度が一致する方向があり、これを光学軸という。リタデーション値Δndは、(nx−ny)dで表される。ここで、dは試料の厚さ、nx、nyは試料の屈折率である。
【0047】
以上がリタデーションの一般的定義であるが、本発明におけるリタデーションは、次に示す(1)〜(3)の条件の下で計測されるリタデーション値を指すものとする。
(1)静電容量式タッチセンサが2以上の樹脂シート11を有する場合にはそれぞれの樹脂シート11(図2では樹脂シート11aと樹脂シート11b)を含んだ状態で測定する。
(2)リタデーション値の最大値および最小値は、樹脂シート11の全エリアを対象として測定する必要はなく、少なくとも隣り合う3つの透明導電部をまたぐ区間内における最大値と最小値を測定することで足りるものとする。
(3)樹脂シートに透明導電部が形成された状態で測定する。
【0048】
1−5.透明導電部の構成
本発明は、以上のように樹脂シート11と、該樹脂シート11上に並列に形成された複数の透明導電部12とを含む静電容量式タッチセンサであって、透明導電部12を備えた樹脂シート11のリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下であるということを満たすことによって、透明導電部12の露見を抑制することができ、さらに以下のように透明導電部12の形状に工夫を加えることにより、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0049】
図5は本実施形態における透明導電部12の構成を示す図である。
【0050】
図5(a)に示すように、透明導電部12に、その長さ方向に沿って長尺の溝(スリット)12aが形成される。
【0051】
溝12aは、図5(b)に示すように、透明導電部12の厚さ方向に貫通していてもよい。なお図5(b)では、溝12aの全部が透明導電部12の厚さ方向に貫通している例を説明したが、これに限定されるものではなく、溝12aの一部が貫通している構成を採用してもよい。
【0052】
このように透明導電部12に溝12aを形成することによって、この透明導電部12に溝12aが無い場合と比べて、アニール処理後の透明導電部12による伸縮力を分散させ、リタデーションの最大値と最小値の差を3nm以下に抑制できる。これにより透明導電部12の露見を抑制することができる。
【0053】
透明導電膜12の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)や、酸化インジウム亜鉛(IZO)などの金属酸化物などからなる層が挙げられ、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成することができる。
【0054】
また、透明導電膜12は、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))などの透明導電性ポリマーや、カーボンナノチューブ又は銀ナノファイバーをバインダー中に含む透明導電インキの塗布乾燥物からなる層で構成してもよい。透明導電膜12のパターニングには、ウェットエッチングやドライエッチングなどの方法を用いることができる。
【0055】
上記の蒸着法などを用いて形成した場合の透明導電膜12の厚みは、5〜200nm程度とすることが好ましい。また透明導電膜12は、80%以上、好ましくは85%以上の光線透過率、100Ω〜400Ωの表面抵抗値を有することが望ましい。
【0056】
また、PEDOTなど塗布乾燥物で形成した場合の透明導電部12の厚みは50μm未満とすることが好ましい。
【0057】
なお、リタデーションの差をより抑制するために、透明導電部12の上記アニール処理を好ましくは145℃以下、より好ましくは135℃以下、さらに好ましくは125℃以下の低温で行うことが望ましい。
【0058】
1−6.センサシートの他の構成
図6は図2のセンサシート50の他の構成を示す断面図である。
【0059】
本発明に適用し得るセンサシートの他の例として、図6(a)に示すように、1枚の樹脂シート11の一方面に透明導電部12が形成され、他方面に透明導電部13が形成されているセンサシート50aを用いてもよい。
【0060】
また本発明に適用し得るセンサシートのさらに他の例として、図6(b)に示すように、透明導電部12が一方面に形成された樹脂シート11aと、上記一方面の逆側である他方面に透明導電部13が形成された樹脂シート11bとが接着層17cを介して積層されたセンサシート50bを用いてもよい。
【0061】
1−7.樹脂シートと透明導電部との関係
図7は、樹脂シート11の厚さと透明導電部12の厚さとの関係を示す説明図である。
【0062】
樹脂シート11の厚さをta1とし、透明導電部12の厚さをtb1とした場合(図7(a)参照)よりも、樹脂シート11の厚さを同じくta1とし、透明導電部12の厚さをtb2(<tb1)とした場合(図7(b)参照)の方が、透明導電部12の伸縮によって樹脂シート11に与える引張応力は小さくなる(視点1)。
【0063】
また、樹脂シート11の厚さをta2(>ta1)とし、透明導電部12の厚さをtb1とした場合(図7(c)参照)よりも、樹脂シート11の厚さをta1とし、透明導電部12の厚さを同じくtb1とした場合(図7(d)参照)の方が、透明導電部12の伸縮によって樹脂シート11に与える引張応力は大きくなる(視点2)。
【0064】
上記視点1,2から、(透明導電部12の厚さ/樹脂シート11の厚さ)の値が小さいほど、引張応力は小さくなることがいえる。
【0065】
以上のことから、本発明においては、透明導電部12を蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又は鍍金法により単層で形成した場合、(透明導電部12の厚さ/樹脂シート11の厚さ)の値が0.000016以上、0.02以下であることが望ましい。また、透明導電部12を単層の塗布乾燥膜から構成した場合、(透明導電部12の厚さ/樹脂シート11の厚さ)の値が5未満であることが望ましい。
【0066】
また、(透明導電部12の非存在領域の幅/透明導電部12の存在領域の幅)の値は、3以上10以下であることが好ましい。これは、透明導電部12同士が一定距離以内にある場合は透明導電部12の非存在領域において両隣の透明導電部双方から応力を受けるため、リタデーションの程度も大きくなるという考察の下で、望ましい値である。
【0067】
なお本発明の静電容量式タッチセンサは自己容量検出方式及び相互容量検出方式のどちらにも適用することができる。
【0068】
2.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態と同じ構成のものには同符号を付し、その説明については省略する。
【0069】
図8は本実施形態における透明導電部12の構成を示す図である。
【0070】
図8(a)に示すように、透明導電部12に、その長さ方向に沿って長尺の溝12bが形成される。なお溝12bは、図8(b)に示すように透明導電部12の厚さ方向に貫通していない。
【0071】
このように透明導電部12に溝12bを形成することによって、この透明導電部12に溝12bが無い場合と比べて、アニール処理後の透明導電部12全体における伸縮力を小さくすることができる。したがって、樹脂シート11に生じる引張応力を低減させることができ、樹脂シート11のリタデーションの差を3nm以下に抑制できる。
【0072】
3.第3実施形態
図9は本実施形態における透明導電部12の構成を示す図である。
【0073】
図9に示すように、透明導電部12に、その長さ方向に沿って長尺の溝12cが形成される。溝12cは、透明導電部12が一部繋がってない状態(同図上部)となるように形成されている。
【0074】
このように透明導電部12に溝12cを形成することによって、この透明導電部12に溝12cが無い場合と比べて、アニール処理後の透明導電部12全体における伸縮力を小さくすることができる。したがって、樹脂シート11に生じる引張応力を低減させることができ、樹脂シート11のリタデーションの差を3nm以下に抑制できる。
【0075】
4.第4実施形態
図10は本実施形態における透明導電部12の構成を示す図である。
【0076】
本実施形態では図10に示すように、1つの透明導電部12を細状の2つの導電部121,122で構成する。なおリード電極14については、導電部121に接続するリード電極14aと導電部122に接続するリード電極14bとで構成する。
【0077】
このように、透明導電部12を細状の2つの導電部121,122に分けて構成することで、アニール処理後の透明導電部12全体における伸縮力を小さくすることができる。したがって、樹脂シート11に生じる引張応力を低減させることができ、樹脂シート11のリタデーションの差を3nm以下に抑制できる。
【0078】
5.第5実施形態
図11は樹脂シート11と透明導電部12との間に応力緩和層30を設けた例を示す断面図である。
【0079】
図11に示すように、樹脂シート11と透明導電部12との間に応力緩和層30を形成してもよい。応力緩和層30は例えばチタンオキサイド薄膜(厚さ:20nm〜1μm程)で形成することができる。
【0080】
このように応力緩和層30を形成することで、透明導電部12の伸縮によって樹脂シート11が受ける応力をこの応力緩和層30により緩和することができる。その結果として、樹脂シート11のリタデーションの差を3nm以下に抑制できる。
【0081】
6.第6実施形態
図12は隣り合う透明導電部12間に応力緩和部31を設けた例を示す断面図である。
【0082】
図12に示すように、樹脂シート11上であって透明導電部12の非存在領域に、透明導電部12とは異なる材料からなる応力緩和部31を形成してもよい。応力緩和部31は例えば樹脂シート11と同じ材料で形成することができる。
【0083】
このように応力緩和部31を形成することで、透明導電部12の伸縮によって樹脂シート11が受ける応力をこの応力緩和部31により緩和することが期待できる。
【0084】
本発明はもとより上記実施形態によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0085】
11,11a,11b 樹脂シート
12,13 透明導電部
12a,12b,12c 溝
30 応力緩和層
31 応力緩和部
50,50a,50b センサシート
100 静電容量式タッチセンサ
200 表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の映像画面を設けるような携帯電話やPDA、小型PC等の入力デバイスに適用できるタッチセンサ及びこれを備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置(LCD)や有機発光装置(OLED)等の用途が拡大しており、屋外で用いられる各種の表示物にもLCD等が利用されている。
【0003】
例えば、車、船、飛行機などの計器盤、車載カーナビゲーション、デジタルカメラ、携帯電話やパソコンなどのモバイル機器、あるいはビル、スーパーなどで用いられるデジタルサイネージなどにLCD等の利用が広がっている。これらの電子機器においては、ディスプレイに入力手段を兼ね備えるタッチパネルが広く利用されている。
【0004】
タッチパネルの方式には、光学式、超音波式、電磁誘導式、抵抗膜式、又は静電容量方式が一般に使われているが、小型液晶ディスプレイとの組み合わせには抵抗膜式タッチパネルがよく用いられている。この抵抗膜式タッチパネルは透明導電膜を導体とした入力スイッチであり、2枚の透明導電膜を、スペーサーを介して対向させた構造となっている。タッチペン又は指の押し圧によって電極面同士が接触して導通し、位置検出を行うことができるようになっている。
【0005】
これに対して静電容量方式のタッチパネルは、通常の抵抗膜方式では対応できない多点検知、いわゆるマルチタッチを可能とする点で近年注目が集まっている。上記の透明導電膜については、透明導電膜を基材上に成膜した後に、耐久性を得るために所定温度(例えば約150℃)でアニール処理(熱処理)を実施することによって、透明導電膜を結晶化することが行われている。
【0006】
ところが従来の静電容量方式のタッチパネルにおいては、透明電極が存在する部分と存在しない部分では透明度が異なるためにディスプレイ画面の明るさや色合いの相違として現れ、透明電極の存在が使用者に見えてしまうという、ディスプレイの外観上及び表示品位上の問題がある。この問題をある程度改善する手法として、隣接する縦方向または横方向の透明電極間の隙間を狭くすることにより、画面の透明度を一定に近づける方法も採られていた。しかしながら、このようなタッチパネルでは隣接する縦方向または横方向の透明電極間の隙間が狭いので、キーの周辺部に触れると隣接するキーが誤入力されるという解決しなければならないという問題もあった。
【0007】
この問題を解決するため、例えば特許文献1には誤入力防止タッチパネルが開示されている。この誤入力防止タッチパネルにおいては、縦方向透明電極2とダミー電極4との隙間は、約0.6mm以下に設定されているので、結果的に透明度は一定に近づく。
【0008】
また特許文献2には、タッチパネル装置が開示されている。このタッチパネル装置においては、縦方向透明電極2a〜2nと、ダミー電極列4a〜4nとの間隔は狭くなっておりダミー電極列4a〜4nは、隣接した電極間の隙間に沿って区切られているため、透過度は一定に近づく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平05−189151号公報
【特許文献2】特開平05−224818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1或いは2に記載されているようにダミー電極を配置する方法では、ダミー電極を配置する分、そのエリアでの光線透過率が落ちてしまい、ディスプレイ画面全体の明るさは低下してしまう。
【0011】
そこで本発明は、ダミー電極を用いる手法を採らずディスプレイ画面全体の明るさを維持しつつ、透明導電部の露見を抑制することができる静電容量式タッチセンサ及びこれを備えた表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは上記の目的を達成するため、透明導電部の露見がそもそもどのようなメカニズムで起こっているのか、原因の究明から始めた。というのも、例えば酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)透明電極の光透過率は、90%(透明電極の厚さが20nmの場合)と決して低くはないため、光透過率が透明電極の露見の原因であるとする従来の考え方に疑問を持った。
【0013】
また、透明電極の表面は比較的反射率が高いが、タッチセンサにおいて使用者側に偏光板や円偏光板が配置されている場合には、透明電極の表面からの反射光はある程度は低減されている。これらのことに鑑みると、従来のタッチセンサにおいて現実に観察されている透明電極の露見は、透明電極の光透過率以外の何らかの原因によって起こっているのではないかと考えるに至った。透明電極の露見原因についての従来の課題認識が誤っていれば適切な解決手段を取ることはできないため、本発明者らは更に分析を進めるべく、静電容量式タッチセンサの主な構成要素である樹脂シートと、樹脂シート上に透明導電部を形成する実験工程を繰り返し行い透明電極の露見の状況を確認した。なお静電容量式タッチセンサは通常、樹脂シート上にITO等の導電性酸化金属膜を形成した後、アニール処理によって導電性酸化金属膜を結晶化させることにより形成される。透明導電部をアニール処理する実験を繰り返す中で、本発明者らは、アニール処理の前後で、観察される透明電極の露見状況に随分違いがあることに気づいた。
【0014】
そこで、次に示すようにアニール処理の前後における樹脂シートのリタデーション値を調べてみた。すなわち、アニール処理前の、透明導電部の存在領域及び非存在領域のリタデーションを測定するとともに、アニール処理後の、透明導電部の存在領域及び非存在領域のリタデーションを測定した。なお樹脂シートの材質はポリカーボネート(PC)とし、測定波長は550nmとした。図13は、この実験で測定されたリタデーション値を示すものである。図13において、アニール処理前後の透明導電部12の存在領域におけるリタデーションの変化をラインL1で示し、アニール処理前後の透明導電部12の非存在領域におけるリタデーションの変化をラインL2で示している。図13から、アニール処理の前後で樹脂シートの面内でリタデーション値の差が大きくなっていることを発見した。
【0015】
すなわち、アニール処理によって透明導電部が結晶化する際に、当該透明導電部の伸縮により樹脂シート内に応力分布が生じることによって、当該樹脂シートの屈折率や反射率が変化し、樹脂シート内でリタデーションの差が生じており、この差が、透明電極露見の原因となっていることを突き止めた。
【0016】
本発明は、樹脂シートのリタデーションの差が抑制された静電容量式タッチセンサを提供するものであり、より詳しくは、リタデーションを抑制する種々の手法を講じた静電容量式タッチセンサを提供するものである。
【0017】
本発明に係る静電容量式タッチセンサは、樹脂シートと、該樹脂シート上に並列に形成された複数の透明導電部とを含む静電容量式タッチセンサであって、透明導電部を備えた樹脂シートのリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下であることを要旨とする。
【0018】
また、透明導電部は、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又は鍍金法により形成され、(透明導電部の厚さ/樹脂シートの厚さ)の値が0.000016以上、0.02以下であれば、樹脂シートにおける応力を小さくすることができ、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0019】
或いは、透明導電部は塗布乾燥膜からなり、(透明導電部の厚さ/樹脂シートの厚さ)の値が5未満であれば、樹脂シートにおける応力を小さくすることができ、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0020】
樹脂シートの少なくとも一方面に透明導電部がストライプ状に形成されており、該一方面において(透明導電部の非存在領域の幅/透明導電部の存在領域の幅)の値が3以上、10以下であれば、樹脂シートにおける応力を小さくすることができ、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0021】
樹脂シートと透明導電部との間に応力緩和層を形成すれば、樹脂シートにおける応力を一層小さくすることができる。
【0022】
透明導電部の一部に溝を形成すれば、樹脂シートにおける応力を一層小さくすることができる。溝が透明導電部の厚さ方向に貫通していてもよい。
【0023】
透明導電部が145℃以下の温度でアニールされたものであれば、樹脂シートにおける応力をより小さくすることができる。
【0024】
樹脂シートのガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。
【0025】
樹脂シートの光弾性係数が30×10−8cm2/N以下であれば、複屈折が小さくなり、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0026】
樹脂シート上であって透明導電部の非存在領域に、透明導電部の材料とは異なる材料からなる応力緩和部を形成すれば、樹脂シートにおける応力を小さくすることができる。透明導電部とは異なる上記材料は樹脂シートと同じ材料であってもよい。
【0027】
静電容量式タッチセンサが偏光板と位相差板とをさらに備えれば、当該静電容量式タッチセンサの表面の反射を防止でき、視認性をより向上することができる。
【0028】
本発明に係る表示装置は、上記の静電容量式タッチセンサを表示パネルに装着したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、樹脂シートにおけるリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下に抑制されたものであり、これにより、透明導電部の露見を抑制することができ、外観上優れた静電容量式タッチセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る静電容量式タッチセンサの原理を示す平面図である。
【図2】静電容量式タッチセンサを含む表示装置の構成を示す断面図である。
【図3】(a)はリタデーションの差による透明電極の露見を示す斜視図であり、(b)はリタデーションと透明電極の位置との関係を示すグラフである。
【図4】(a)はリタデーションの差による透明電極の露見を示す斜視図であり、(b)はリタデーションと透明電極の位置との関係を示すグラフである。
【図5】(a)は第1実施形態における透明導電部の構成を示す上面図であり、(b)は図5(a)のA−A線断面図である。
【図6】(a)及び(b)は図2のセンサシートの他の構成を示す断面図である。
【図7】(a)〜(d)はリタデーションに影響を与える、樹脂シートの厚さと透明導電部の厚さとの関係を示す説明図である。
【図8】(a)は第2実施形態における透明導電部の構成を示す上面図であり、(b)は図8(a)のB−B線断面図である。
【図9】第3実施形態における透明導電部の構成を示す上面図である。
【図10】第4実施形態における透明導電部の構成を示す上面図である。
【図11】樹脂シートと透明導電部との間に応力緩和層を設けた例を示す断面図である。
【図12】隣り合う透明導電部間に応力緩和部を設けた例を示す断面図である。
【図13】従来のアニール処理前後のリタデーションの変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態に係る静電容量式タッチセンサについて図面を参照しながら説明する。
【0032】
1.第1実施形態
1−1.静電容量式タッチセンサの全体構成
図1は本実施形態に係る静電容量式タッチセンサ100の原理を示す平面図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態に係る静電容量式タッチセンサ100は、例えばポリカーボネートからなる樹脂シート11と、縦方向のキー入力を検出し例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる透明導電部12と、横方向のキー入力を検出し例えばITOからなり、透明導電部12と絶縁されている透明導電部13と、コネクタ部15と、各透明導電部12,13とコネクタ部15とを接続するリード電極14とを主として備えている。コネクタ部15は制御部16に接続されており、静電容量式タッチセンサ100は制御部16により制御されている。
【0034】
1−2.静電容量式タッチセンサを含む表示装置の断面構成
図2は本実施形態に係る静電容量式タッチセンサ100を含む表示装置200の構成を示す断面図である。
【0035】
図2に示すように、表示装置200は静電容量式タッチセンサ100と、この静電容量式タッチセンサ100の下方に間隔を空けて設けられる表示パネルとしてのディスプレイDPとから構成される。
【0036】
静電容量式タッチセンサ100は、透明のカバーパネルCP、円偏光板23、及びセンサシート50の積層構造からなる。
【0037】
カバーパネルCPは例えばガラスで形成されてもよい。円偏光板23は静電容量式タッチセンサ100の表面の反射を防止し、視認性を向上するために設けられ、偏光板21と位相差板22との積層構造で形成されている。
【0038】
また、センサシート50は、樹脂シート11a、樹脂シート11a上に形成された透明導電部12、及び位相差板22と樹脂シート11aとを接着する接着層17a、並びに、樹脂シート11b、樹脂シート11b上に形成された透明導電部13、及び樹脂シート11aと樹脂シート11bとを接着する接着層17bにより構成されている。なお以下、樹脂シート11a及び樹脂シート11bを樹脂シート11と総称することがある。
【0039】
ディスプレイDPは、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等の表示素子から構成される。
【0040】
1−3.樹脂シート11
本発明において樹脂シート11の厚さは10〜300μmであることが好ましい。光弾性係数の小さい樹脂シート11を用いることで、この樹脂シート11における複屈折を小さくでき、樹脂シート11のリタデーションの差を抑制することができる。樹脂シート11の光弾性係数は、好ましくは30×10−8cm2/N以下、より好ましくは20×10−8cm2/N以下、更に好ましくは10×10−8cm2/N以下であるものを用いることが望ましい。
【0041】
光弾性係数の小さい材料の例としては、5×10−8cm2/Nの光弾性係数を有するシクロオレフィンポリマー(COP)やARTON(登録商標)、又は12×10−8cm2/Nの光弾性係数を有するトリアセチルセルロース(TAC)を用いることができる。特にCOPは、複屈折が小さく、高温高湿下でも吸湿がほとんど無く、耐熱性に優れ、熱による寸法変化も極めて小さい点において長所がある。
【0042】
1−4.リタデーションの差による透明導電部の露見
図3及び図4は透明導電部12の存在領域と非存在領域とのリタデーションの差による透明導電部12の露見について説明するための説明図である。
【0043】
上述したように、アニール処理によって透明導電部が結晶化する際に、当該透明導電部の収縮により樹脂シートに応力が生じ樹脂シート上のリタデーションに差が生じてしまう。
【0044】
例えば、図3(a)の矢印で示すように、透明導電部12が伸長しようとする場合は、一方の透明導電部12と他方の透明導電部12とに挟まれた領域の樹脂シート11の部分40に引張応力が集中し、この部分40は縮もうとする。その結果、部分40における複屈折状態が変化し、人間の目には図3(a)のような明暗のグラデーションが映ってしまう。つまり、透明導電部12の存在が露見してしまう。なお図3(b)は、その横軸の位置が図3(a)の樹脂シート11の幅方向の位置に対応しており、当該位置に応じたリタデーションの変化を示すものである。
【0045】
また図4(a)に示すように、隣り合う透明導電部12間の間隔が上述の図3(a)よりも大きい場合には、左側の透明導電部12と右側の透明導電部12とに挟まれた領域の樹脂シート11の部分41,42,43のうち、部分41,42は透明導電部12の伸長により応力を受ける。一方、部分43については透明導電部12の伸長による影響を比較的受け難い。その結果、人間の目には図4(a)のようなグラデーションが映ってしまう。なお図4(b)は、その横軸の位置が図4(a)の樹脂シート11の幅方向の位置に対応しており、当該位置に応じたリタデーションの変化を示すものである。
【0046】
なお、リタデーションとは、結晶その他の非等方性物質に入射した光が互いに垂直な振動方向を持つ2つの光波に分かれる現象によって生じる両波の位相差である。複屈折を持つ材料に非偏光の光を入射すると、入射光は2つに分かれる。両者は振動方向が互いに直角で、一方を垂直偏光、他方を水平偏光という。垂直の方が異常光線、水平の方が常光線となり、常光線は伝搬速度が伝搬方向によらない光線で、異常光線は伝搬方向によって速度が異なる光線である。複屈折材料ではこの2つの光線の速度が一致する方向があり、これを光学軸という。リタデーション値Δndは、(nx−ny)dで表される。ここで、dは試料の厚さ、nx、nyは試料の屈折率である。
【0047】
以上がリタデーションの一般的定義であるが、本発明におけるリタデーションは、次に示す(1)〜(3)の条件の下で計測されるリタデーション値を指すものとする。
(1)静電容量式タッチセンサが2以上の樹脂シート11を有する場合にはそれぞれの樹脂シート11(図2では樹脂シート11aと樹脂シート11b)を含んだ状態で測定する。
(2)リタデーション値の最大値および最小値は、樹脂シート11の全エリアを対象として測定する必要はなく、少なくとも隣り合う3つの透明導電部をまたぐ区間内における最大値と最小値を測定することで足りるものとする。
(3)樹脂シートに透明導電部が形成された状態で測定する。
【0048】
1−5.透明導電部の構成
本発明は、以上のように樹脂シート11と、該樹脂シート11上に並列に形成された複数の透明導電部12とを含む静電容量式タッチセンサであって、透明導電部12を備えた樹脂シート11のリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下であるということを満たすことによって、透明導電部12の露見を抑制することができ、さらに以下のように透明導電部12の形状に工夫を加えることにより、リタデーションの差を一層抑制できる。
【0049】
図5は本実施形態における透明導電部12の構成を示す図である。
【0050】
図5(a)に示すように、透明導電部12に、その長さ方向に沿って長尺の溝(スリット)12aが形成される。
【0051】
溝12aは、図5(b)に示すように、透明導電部12の厚さ方向に貫通していてもよい。なお図5(b)では、溝12aの全部が透明導電部12の厚さ方向に貫通している例を説明したが、これに限定されるものではなく、溝12aの一部が貫通している構成を採用してもよい。
【0052】
このように透明導電部12に溝12aを形成することによって、この透明導電部12に溝12aが無い場合と比べて、アニール処理後の透明導電部12による伸縮力を分散させ、リタデーションの最大値と最小値の差を3nm以下に抑制できる。これにより透明導電部12の露見を抑制することができる。
【0053】
透明導電膜12の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)や、酸化インジウム亜鉛(IZO)などの金属酸化物などからなる層が挙げられ、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成することができる。
【0054】
また、透明導電膜12は、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))などの透明導電性ポリマーや、カーボンナノチューブ又は銀ナノファイバーをバインダー中に含む透明導電インキの塗布乾燥物からなる層で構成してもよい。透明導電膜12のパターニングには、ウェットエッチングやドライエッチングなどの方法を用いることができる。
【0055】
上記の蒸着法などを用いて形成した場合の透明導電膜12の厚みは、5〜200nm程度とすることが好ましい。また透明導電膜12は、80%以上、好ましくは85%以上の光線透過率、100Ω〜400Ωの表面抵抗値を有することが望ましい。
【0056】
また、PEDOTなど塗布乾燥物で形成した場合の透明導電部12の厚みは50μm未満とすることが好ましい。
【0057】
なお、リタデーションの差をより抑制するために、透明導電部12の上記アニール処理を好ましくは145℃以下、より好ましくは135℃以下、さらに好ましくは125℃以下の低温で行うことが望ましい。
【0058】
1−6.センサシートの他の構成
図6は図2のセンサシート50の他の構成を示す断面図である。
【0059】
本発明に適用し得るセンサシートの他の例として、図6(a)に示すように、1枚の樹脂シート11の一方面に透明導電部12が形成され、他方面に透明導電部13が形成されているセンサシート50aを用いてもよい。
【0060】
また本発明に適用し得るセンサシートのさらに他の例として、図6(b)に示すように、透明導電部12が一方面に形成された樹脂シート11aと、上記一方面の逆側である他方面に透明導電部13が形成された樹脂シート11bとが接着層17cを介して積層されたセンサシート50bを用いてもよい。
【0061】
1−7.樹脂シートと透明導電部との関係
図7は、樹脂シート11の厚さと透明導電部12の厚さとの関係を示す説明図である。
【0062】
樹脂シート11の厚さをta1とし、透明導電部12の厚さをtb1とした場合(図7(a)参照)よりも、樹脂シート11の厚さを同じくta1とし、透明導電部12の厚さをtb2(<tb1)とした場合(図7(b)参照)の方が、透明導電部12の伸縮によって樹脂シート11に与える引張応力は小さくなる(視点1)。
【0063】
また、樹脂シート11の厚さをta2(>ta1)とし、透明導電部12の厚さをtb1とした場合(図7(c)参照)よりも、樹脂シート11の厚さをta1とし、透明導電部12の厚さを同じくtb1とした場合(図7(d)参照)の方が、透明導電部12の伸縮によって樹脂シート11に与える引張応力は大きくなる(視点2)。
【0064】
上記視点1,2から、(透明導電部12の厚さ/樹脂シート11の厚さ)の値が小さいほど、引張応力は小さくなることがいえる。
【0065】
以上のことから、本発明においては、透明導電部12を蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又は鍍金法により単層で形成した場合、(透明導電部12の厚さ/樹脂シート11の厚さ)の値が0.000016以上、0.02以下であることが望ましい。また、透明導電部12を単層の塗布乾燥膜から構成した場合、(透明導電部12の厚さ/樹脂シート11の厚さ)の値が5未満であることが望ましい。
【0066】
また、(透明導電部12の非存在領域の幅/透明導電部12の存在領域の幅)の値は、3以上10以下であることが好ましい。これは、透明導電部12同士が一定距離以内にある場合は透明導電部12の非存在領域において両隣の透明導電部双方から応力を受けるため、リタデーションの程度も大きくなるという考察の下で、望ましい値である。
【0067】
なお本発明の静電容量式タッチセンサは自己容量検出方式及び相互容量検出方式のどちらにも適用することができる。
【0068】
2.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態と同じ構成のものには同符号を付し、その説明については省略する。
【0069】
図8は本実施形態における透明導電部12の構成を示す図である。
【0070】
図8(a)に示すように、透明導電部12に、その長さ方向に沿って長尺の溝12bが形成される。なお溝12bは、図8(b)に示すように透明導電部12の厚さ方向に貫通していない。
【0071】
このように透明導電部12に溝12bを形成することによって、この透明導電部12に溝12bが無い場合と比べて、アニール処理後の透明導電部12全体における伸縮力を小さくすることができる。したがって、樹脂シート11に生じる引張応力を低減させることができ、樹脂シート11のリタデーションの差を3nm以下に抑制できる。
【0072】
3.第3実施形態
図9は本実施形態における透明導電部12の構成を示す図である。
【0073】
図9に示すように、透明導電部12に、その長さ方向に沿って長尺の溝12cが形成される。溝12cは、透明導電部12が一部繋がってない状態(同図上部)となるように形成されている。
【0074】
このように透明導電部12に溝12cを形成することによって、この透明導電部12に溝12cが無い場合と比べて、アニール処理後の透明導電部12全体における伸縮力を小さくすることができる。したがって、樹脂シート11に生じる引張応力を低減させることができ、樹脂シート11のリタデーションの差を3nm以下に抑制できる。
【0075】
4.第4実施形態
図10は本実施形態における透明導電部12の構成を示す図である。
【0076】
本実施形態では図10に示すように、1つの透明導電部12を細状の2つの導電部121,122で構成する。なおリード電極14については、導電部121に接続するリード電極14aと導電部122に接続するリード電極14bとで構成する。
【0077】
このように、透明導電部12を細状の2つの導電部121,122に分けて構成することで、アニール処理後の透明導電部12全体における伸縮力を小さくすることができる。したがって、樹脂シート11に生じる引張応力を低減させることができ、樹脂シート11のリタデーションの差を3nm以下に抑制できる。
【0078】
5.第5実施形態
図11は樹脂シート11と透明導電部12との間に応力緩和層30を設けた例を示す断面図である。
【0079】
図11に示すように、樹脂シート11と透明導電部12との間に応力緩和層30を形成してもよい。応力緩和層30は例えばチタンオキサイド薄膜(厚さ:20nm〜1μm程)で形成することができる。
【0080】
このように応力緩和層30を形成することで、透明導電部12の伸縮によって樹脂シート11が受ける応力をこの応力緩和層30により緩和することができる。その結果として、樹脂シート11のリタデーションの差を3nm以下に抑制できる。
【0081】
6.第6実施形態
図12は隣り合う透明導電部12間に応力緩和部31を設けた例を示す断面図である。
【0082】
図12に示すように、樹脂シート11上であって透明導電部12の非存在領域に、透明導電部12とは異なる材料からなる応力緩和部31を形成してもよい。応力緩和部31は例えば樹脂シート11と同じ材料で形成することができる。
【0083】
このように応力緩和部31を形成することで、透明導電部12の伸縮によって樹脂シート11が受ける応力をこの応力緩和部31により緩和することが期待できる。
【0084】
本発明はもとより上記実施形態によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0085】
11,11a,11b 樹脂シート
12,13 透明導電部
12a,12b,12c 溝
30 応力緩和層
31 応力緩和部
50,50a,50b センサシート
100 静電容量式タッチセンサ
200 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シートと、該樹脂シート上に並列に形成された複数の透明導電部とを含む静電容量式タッチセンサであって、前記透明導電部を備えた前記樹脂シートのリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下であることを特徴とする静電容量式タッチセンサ。
【請求項2】
前記透明導電部は、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又は鍍金法により形成され、(前記透明導電部の厚さ/前記樹脂シートの厚さ)の値が0.000016以上、0.02以下である請求項1に記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項3】
前記透明導電部は塗布乾燥膜からなり、(前記透明導電部の厚さ/前記樹脂シートの厚さ)の値が5未満である請求項1に記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項4】
前記樹脂シートの少なくとも一方面に前記透明導電部がストライプ状に形成されており、該一方面において(前記透明導電部の非存在領域の幅/前記透明導電部の存在領域の幅)の値が3以上、10以下である請求項1〜3のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項5】
前記樹脂シートと前記透明導電部との間に応力緩和層が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項6】
前記透明導電部の一部に溝が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項7】
前記溝が前記透明導電部の厚さ方向に貫通している請求項6に記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項8】
前記透明導電部が145℃以下の温度でアニールされたものである請求項1〜7のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項9】
前記樹脂シートのガラス転移温度が100℃以上である請求項1〜8のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項10】
前記樹脂シートの光弾性係数が30×10−8cm2/N以下である請求項1〜9のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項11】
前記樹脂シート上であって前記透明導電部の非存在領域には、前記透明導電部の材料とは異なる材料からなる応力緩和部が形成されている請求項1〜10のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項12】
前記透明導電部とは異なる材料は、前記樹脂シートと同じ材料である請求項11に記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項13】
偏光板と位相差板とをさらに備えた請求項1〜12のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサを表示パネルに装着した表示装置。
【請求項1】
樹脂シートと、該樹脂シート上に並列に形成された複数の透明導電部とを含む静電容量式タッチセンサであって、前記透明導電部を備えた前記樹脂シートのリタデーション値の最大値と最小値との差が3nm以下であることを特徴とする静電容量式タッチセンサ。
【請求項2】
前記透明導電部は、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、又は鍍金法により形成され、(前記透明導電部の厚さ/前記樹脂シートの厚さ)の値が0.000016以上、0.02以下である請求項1に記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項3】
前記透明導電部は塗布乾燥膜からなり、(前記透明導電部の厚さ/前記樹脂シートの厚さ)の値が5未満である請求項1に記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項4】
前記樹脂シートの少なくとも一方面に前記透明導電部がストライプ状に形成されており、該一方面において(前記透明導電部の非存在領域の幅/前記透明導電部の存在領域の幅)の値が3以上、10以下である請求項1〜3のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項5】
前記樹脂シートと前記透明導電部との間に応力緩和層が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項6】
前記透明導電部の一部に溝が形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項7】
前記溝が前記透明導電部の厚さ方向に貫通している請求項6に記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項8】
前記透明導電部が145℃以下の温度でアニールされたものである請求項1〜7のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項9】
前記樹脂シートのガラス転移温度が100℃以上である請求項1〜8のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項10】
前記樹脂シートの光弾性係数が30×10−8cm2/N以下である請求項1〜9のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項11】
前記樹脂シート上であって前記透明導電部の非存在領域には、前記透明導電部の材料とは異なる材料からなる応力緩和部が形成されている請求項1〜10のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項12】
前記透明導電部とは異なる材料は、前記樹脂シートと同じ材料である請求項11に記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項13】
偏光板と位相差板とをさらに備えた請求項1〜12のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサ。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の静電容量式タッチセンサを表示パネルに装着した表示装置。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2013−69072(P2013−69072A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206417(P2011−206417)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】
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