説明

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

【課題】感光体の偏磨耗と色筋の発生を抑制する静電荷像現像用トナーの提供。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量が0.5ppm以下であるポリテトラフルオロエチレン粒子と、温度20℃湿度20%の環境下における水分量が0.1質量%以上10質量%であるシリカ粒子と、を含む静電荷像現像用トナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
静電潜像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。この電子写真法は、一般には、帯電・露光工程において、感光体表面に静電潜像を形成し、現像工程において、静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を用いて静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写工程において、トナー像を紙やシート等の転写材上に転写し、定着工程において、熱、溶剤、圧力等を利用してトナー像を転写材上に定着し、永久画像を得る方法である。そして、トナー像を記録媒体表面に転写した後、感光体は、クリーニングされる。特許文献3には、シリコーン樹脂微粒子を用いてクリーニング時の低ストレス化を図ることが記載されている。
【0003】
また、特許文献4には、結着樹脂と磁性粉とを含む一成分系トナーにおいて、トナー粒子の内部及び/又は表面にフッ素樹脂粉末を添加することにより、トナー粒子が感光体表面に付着して感光体に損傷を与えることを防止することが記載されている。特許文献5には、様々な目的で、トナー粒子の表面にポリフッ化ビニリデン樹脂粉末を固定することが記載されている。特許文献6には、特定の粒径範囲及び粒子形状を有するトナー粒子に、特定の粒径範囲と溶融粘度とを有するフッ素系樹脂又は化合物を組み合わせることが記載されている。また、特許文献7には、トナー粒子に、特定の粒径範囲のポリテトラフルオロエチレン及び粒径の異なる2種のシリカが外添されてなる二成分現像剤が開示されている。
【特許文献1】米国特許第2297691号明細書
【特許文献2】米国特許第2357809号明細書
【特許文献3】特開昭64−49052号公報
【特許文献4】特開昭60−166957号公報
【特許文献5】特開昭60−79361号公報
【特許文献6】特開2000−305311号公報
【特許文献7】特開2007−178869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子及び水分量が0.1質量%以上10質量%のシリカ粒子を含まない場合に比較して、感光体の偏磨耗と色筋の発生が抑制された静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、以下の本発明により解決される。
即ち、請求項1に係る発明は、結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下であるポリテトラフルオロエチレン粒子と、温度20℃湿度20%の環境下における水分量が0.1質量%以上10質量%であるシリカ粒子と、を含む静電荷像現像用トナーである。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
【0007】
請求項3に係る発明は、画像形成装置に着脱され、該画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容し、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであるトナーカートリッジである。
【0008】
請求項4に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジである。
【0009】
請求項5に係る発明は、潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電潜像を請求項3に記載の静電荷像現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分をクリーニングするクリーニング手段と、を有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に係る発明によれば、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子及び水分量が0.1質量%以上10質量%のシリカ粒子を含まない場合に比較して、感光体の偏磨耗と色筋の発生が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
【0011】
本発明の請求項2に係る発明によれば、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子及び水分量が0.1質量%以上10質量%のシリカ粒子を含まない静電荷像現像用トナーを含む場合と比較して、感光体の偏磨耗と色筋の発生が抑制された静電荷像現像剤が提供される。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子及び水分量が0.1質量%以上10質量%のシリカ粒子を含まない静電荷像現像用トナーを適用した場合と比較して、感光体の偏磨耗と色筋の発生が抑制されたトナーカートリッジが提供される。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子及び水分量が0.1質量%以上10質量%のシリカ粒子を含まない静電荷像現像用トナーを適用した場合と比較して、感光体の偏磨耗と色筋の発生が抑制されたプロセスカートリッジが提供される。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子及び水分量が0.1質量%以上10質量%のシリカ粒子を含まない静電荷像現像用トナーを適用した場合と比較して、感光体の偏磨耗と色筋の発生が抑制された画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態について詳細に説明する。
≪静電荷像現像用トナー≫
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、パーフルオロオクタン酸(以下「PFOA」と称する場合がある。)の含有量が0.5ppm以下であるポリテトラフルオロエチレン粒子(以下、適宜「特定PTFE粒子」と称する。)と、温度20℃湿度20%の環境下における水分量が0.1質量%以上10質量%であるシリカ粒子(以下、適宜「特定シリカ粒子」と称する)と、を含む。
本実施形態に係る特定PTFE粒子及び特定シリカ粒子は、いずれも外添剤として用いられる粒子である。
【0017】
本実施態様では、上記の構成を有することにより、色筋の発生が抑制する静電荷像現像用トナーとなる。
上記効果を奏するメカニズムについては、必ずしも明確ではないが、以下のように推定している。
【0018】
潜像保持体(以下、適宜「感光体」とも称する。)のクリーニンングにクリーニングブレード方式を用いた場合、そのクリーニング性は、クリーニングブレードのニップ部先端において、トナーやトナーに含まれる外添剤等が強固な集積物(以下、適宜「ダム」とも称する。)を形成し、このダムと潤滑剤による摺動性とのバランスにより、感光体が磨耗されることにより得られるものであり、このダムの形成は、例えばシリカ粒子等が適用される外添剤が、その表面に有する吸着水による液架橋力が大きな要素の一つであると考えられている。しかし、低湿下(15%RH)で連続印刷するような場合には、ダムの形成力が弱まり、感光体への付着物が増加し、クリーニングにおける感光体の均一磨耗が得られないことがある。
一方で、形成されるダムは、ある程度の水分を保持していることが必要ではあるが、多すぎる水分量はトナー粒子間の付着力を増加させ過ぎてしまい、ニップ部でのトナー対流性を低下させることから、トナーが濃縮される画像部では、感光体の磨耗量が増加してしまうことがある。
【0019】
また、クリーニングブレード方式を用いた場合において、クリーニングブレードと感光体との接触部(以下、適宜「ニップ部」とも称する。)では、トナー構成物質は堆積物となり対流しにくい。このことは、画像部でニップ圧増加により引き起こされる偏磨耗を発生させる場合がある。
これに対して、トナー粒子にポリテトラフルオロエチレン粒子(PTFE粒子)を外添すると、PTFE粒子を構成する素材に起因する低摩擦係数という特性により、トナー粒子と感光体表面との間における摩擦を軽減する効果の他、トナー粒子間の付着を抑制する効果が得られる。これは、ニップ部に堆積したトナー粒子の表面に粘着し偏在するPTFE粒子が、トナー粒子同士の粘着を防止し、トナー粒子を対流させることにより、クリーニング性は保持したまま、ニップ圧を増加させずに感光体が均一に磨耗されるためと考えられる。
しかしながら、PTFE粒子にはその製造時に用いられたパーフルオロオクタン酸(PFOA)が残存していることがあり、トナー粒子にPTFE粒子を外添した場合、このパーフルオロオクタン酸がブレードニップ部において凝縮された際にPTFE粒子から離れて、トナーや感光体表面などといった箇所へ付着して、外添剤により形成されるダムが保持する吸着水を除去してしまう。その結果、クリーニング性が低下して、感光体への付着物が増加することがある。
【0020】
上記の状況に対し、本実施形態のトナーにおいては、外添剤として、温度20℃湿度20%の環境下における水分量が0.1質量%以上10質量%であるシリカ粒子(特定シリカ粒子)を含むことにより、外添剤による強固なダムを形成しうると共に、パーフルオロオクタン酸(PFOA)の含有量が0.5ppm以下であるポリテトラフルオロエチレン粒子(特定PTFE粒子)含まれることにより、外添剤により形成されたダムに含まれる吸着水が除去されるにくくなるものと推測される。更に、特定PTFE粒子は、ニップ部では水分が多いところへ選択的に特定PTFE粒子が付着するために、トナー粒子間の付着力を低減させ、トナーの対流性を低下させにくいものと推測される。その結果、本実施形態のトナーは、色筋の発生が抑制されたものとなる。本実施形態のトナーは、特に、低湿下で連続印刷時においても、色筋の発生が抑制されるものと推測される。
【0021】
以下、本実施形態のトナーを構成する各成分の詳細について順次説明する。
【0022】
(トナー粒子)
トナー粒子は、結着樹脂及び着色剤を含み、必要に応じて離型剤を更に含んでもよい。
【0023】
トナー粒子の製造には、公知の方法が適用されるが、例えば、結着樹脂、着色剤、及び、必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等を、混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液と、を混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液と、を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が用いられる。
また、上記の方法で得られた粒子をコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を用いて、トナー粒子を製造してもよい。
これらの中でも、形状制御、粒度分布制御の観点から、水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法にてトナー粒子を製造することが望ましく、乳化重合凝集法トナー粒子を製造することが特に望ましい。
なお、湿式製法でトナー粒子を製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点から、後述する各種の素材の中でも、水に溶解しにくい素材を選択して使用することが望ましい態様ある。
【0024】
<結着樹脂>
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体が例示され、特に、代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
これらの他にも、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が結着樹脂として用いられる。
【0025】
<着色剤>
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が代表的なものとして挙げられる。
【0026】
<離型剤>
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が代表的なものとして挙げられる。
【0027】
<その他の成分>
また、トナー粒子には必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。
帯電制御剤としては、公知のものが用いられるが、具体的には、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が用いられる。
【0028】
トナー粒子には滑性剤が添加されていてもよい。
滑性剤としては、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用され、これらを単独で使用するか、或いは併用してもよい。
【0029】
更に、トナー粒子には、電子写真感光体の表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機粒子、該有機粒子に無機粒子を付着させた複合粒子などを添加されてもよく、研磨性に優れる無機粒子が特に望ましい。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
また、上記無機粒子に、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行ってもよい。
【0030】
トナー粒子は、磁性材料を内包する磁性トナー、及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0031】
トナー粒子の体積平均粒子径は、2μm以上12μm以下が望ましく、3μm以上9μm以下がより望ましい。トナー粒子の粒子径が2μmよりも小さいと、トナー粒子の流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすい。また、帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。また、クリーニング性が困難となる場合がある。また、粒子径が12μmより大きいと、解像度が低下するため、充分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
【0032】
なお、トナー粒子の体積平均粒子径の測定には、以下の方法が用いられる。
測定装置としては、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、粒子径を測定する。
【0033】
測定法としては、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下の範囲で加え、これを100ml以上150ml以下の範囲の上記電解液中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、上記コールターマルチサイザー−II型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒子径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50000である。
【0034】
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、体積で累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50v、数で累積50%となる粒子径を個数平均粒子径D50pと定義する。なお、トナーの体積平均粒子径も粒度分布も外添により大きく変わることはない。
【0035】
また、トナー粒子は、形状指数SF1が115以上140以下の球状であることが望ましい。トナー粒子の形状が上記の範囲の球状であることで、現像性、転写性が高まり、画像の緻密性が向上し、高画質の画像が得られる。トナー粒子の形状指数SF1は、120以上135以下の範囲がより望ましい。
【0036】
ここで上記形状係数SF1は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
【0037】
SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出される。
即ち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。なお、トナーのSF1は外添により大きく変わることはない。
【0038】
(外添剤)
本実施形態のトナーは、外添剤を含有する。
外添剤としては、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下であるポリテトラフルオロエチレン粒子(特定PTFE粒子)と、度20℃湿度20%の環境下における水分量が0.1質量%以上10質量%であるシリカ粒子(特定シリカ粒子)とを含み、2種の粒子は、それぞれトナー粒子表面に付着された状態又は遊離した状態で外添される。
【0039】
1.パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下であるポリテトラフルオロエチレン粒子(特定PTFE粒子)
本実施形態のトナーは、外添剤の一つとして、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下であるポリテトラフルオロエチレン粒子(特定PTFE粒子)を含む。
【0040】
特定PTFE粒子は、パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下のものであり、パーフルオロオクタン酸を含まないものがより望ましい。
【0041】
本実施形態において、特定PTFE粒子におけるパーフルオロオクタン酸の含有量は、以下の測定方法を用いて得た値である。
−測定方法−
試料となるPTFE粒子約0.2gをその10倍量のアセトンに溶解させ、アセトン溶液を約2倍量の水にゆっくりと滴下する。得られた水溶液を、LC/MS/MS(アプライドバイオシステムズジャパン社製:3200 Q TRAP(登録商標)L/MS/MSシステム)にて定量する。
【0042】
パーフルオロオクタン酸の含有量が0.5ppm以下である特定PTFE粒子は、PFOAを用いないで乳化重合する方法や、パーフルオロオクタン酸とパーフルオロオクタン酸以外の界面活性剤とを併用する方法により得ることができる。また、パーフルオロオクタン酸を使用し乳化重合した後に水溶液をフッ化アルキル系溶媒で抽出する方法、ノニオン性界面活性剤に水溶液を接触させる方法、超臨界流体を用いてパーフルオロオクタン酸を除去する方法によっても特定PTFE粒子を得ることができる。
【0043】
特定PTFE粒子の平均粒子径は100nm以上500nm以下のものが望ましく、より望ましくは、平均粒子径が100m以上300nm以下の粒子である。
特定PTFE粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(S−4700型、日立株式会社製)を用いて、100視野(50000倍)の観察を実施し、PTFE粒子の画像面積に相当する粒子を円として近似して粒径(長径と短径の平均値)を1000箇所測定し、その平均値をPTFE粒子の個数平均一次径とすることにより測定される。
【0044】
特定PTFE粒子は、例えば、乳化重合法で製造される。また、特定PTFE粒子として市販品を用いることもでき、例えば、ダイキン工業(株)製「ルブロン-L2」としても入手してもよい。
【0045】
特定PTFE粒子の組成は、テトラフルオロエチレンの単独重合体であることが望ましいが、例えば、フッ化ビニリデン、モノフルオロエチレン、などを10重量%以下程度含むものであってもよい。
【0046】
特定PTFE粒子は、トナー粒子表面に付着した状態又は遊離した状態で本実施形態のトナーに外添される。トナー粒子表面への付着は、乾燥状態で剪断力を加えてトナー粒子表面に添加すればよい。このときの具体的な条件としては、高剪断力(例えば、ヘンシェルミキサーを用いて高回転数で攪拌する。)を付与する手段により行われる。
【0047】
特定PTFE粒子の添加量は、トナー粒子の付着性低減の観点からは、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上1質量部以下であることが望ましく、0.1質量部以上0.6質量部以下であることがより望ましい。
【0048】
2.水分量が0.1質量%以上10質量%であるシリカ粒子(特定シリカ粒子)
本実施形態のトナーは、外添剤の一つとして、水分量が0.1質量%以上10質量%であるシリカ粒子(特定シリカ粒子)を含む。
特定シリカ粒子の水分量は、0.1質量%以上10質量%であり、1質量%以上5質量%以下がより望ましい。
【0049】
本実施形態に係るトナーにおいて、特定シリカ粒子の水分量は、以下に示す方法により測定された値である。
−測定方法−
シリカ粒子の水分量(水分率)の測定は、カールフィッシャー法(KF−06型、三菱化成社製)により直接滴定することにより行う。
シリカ微粒子は、温度20℃、湿度20%の環境下17時間放置した後に、専用のパッキン付きネジ付き瓶にサンプルを採取する。マイクロシリンジで純水を10μl精秤した後に、この水を除去するのに必要な試薬滴定量より、カールフィッシャー試薬1ml当りの水分(mg)を算出する。次に、測定サンプルを100mg〜200mg精秤し、測定フラスコ内で5分間マグネチックスターラーにより十分分散させる。分散後、測定を開始し、滴定に要したカールフィッシャー試薬の滴定量(ml)を積算して下記式により水分量および水分率を算出し、その水分率でカールフィッシャー水分量を表す。
水分量(mg)=試薬消費量(ml)×試薬力価(mgH2 O/ml)
水分率(%)=〔水分量(mg)/サンプル量(mg)〕×100
【0050】
特定シリカ粒子における水分量を0.1質量%以上10質量%とするには、真空乾燥機で減圧乾燥する方法、加湿するにはシリカ粒子の製造工程において高温高湿環境下で一定時間保持する方法でもよいが、攪拌機を設けた混合槽にシリカ微粒子と水を少しずつ添加し、弱く攪拌することにより作成しても良い。また、シリカ微粒子を高温高湿環境下;温度30℃、湿度80%で保管してもよい。
【0051】
特定シリカ粒子としては、上記の測定方法により特定される水分量が、0.1質量%以上10質量%のシリカ粒子であれば特に限定されない。また、特定シリカ粒子は、少なくとも表面にSiOを含む粒子であればよく、そのような粒子としては、シリカ単体粒子、シリカ複合酸化物粒子(例えば、SiOとTiO、Al等との混晶粒子、TiO、Al等の粒子にSiOを被覆した粒子等)が挙げられる。
さらに、特定シリカ粒子は、気相法シリカ粒子、湿式シリカ粒子のいずれであってもよい。なお、湿式シリカ粒子としては、沈降法シリカ粒子、ゲル法シリカ粒子、ゾル法シリカ粒子等が挙げられる。
【0052】
特定シリカ粒子は、疎水化処理を施されていてもよい。疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられ、これらの中でもシリコーンオイル処理が好適である。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
特定シリカ粒子の個数平均粒径は、0.005μm以上0.50μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.010μm以上0.30μm以下である。
【0054】
特定シリカ粒子は、トナー粒子表面に付着した状態で本実施形態のトナーに含有される。トナー粒子表面への付着は、乾燥状態で剪断力を加えてトナー粒子表面に添加すればよい。このときの具体的な条件としては、高剪断力(例えば、ヘンシェルミキサーを用いて高回転数で攪拌する。)を付与する手段により行われる。
【0055】
ここで、特定PTFE粒子の添加量と特定シリカ粒子との含有量比としては、特定シリカ粒子が、ポリテトラフルオロエチレン粒子1質量部に対して、0.5質量部以上30質量部以下であり、より望ましい添加量は、1質量部以上25質量部以下である。
【0056】
<静電荷像現像用トナーの調製>
本実施態様の静電荷像現像用トナーは、トナー粒子、外添剤である特定PTFE粒子及び特定シリカ粒子等の成分を、ヘンシェルミキサー或いはVブレンダー等で混合することによって製造される。また、トナー粒子を湿式法にて製造する場合であれば、湿式にて外添剤を外添する方法を用いてもよい。
【0057】
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、或いは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
【0058】
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。
キャリアとしては、電気抵抗が1×107.5以上1×109.5Ω・cm以下の範囲のものが望ましく、具体的には、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、又はそれ等を芯材として、その表面に樹脂被覆を施したものが使用される。
特に、キャリアの帯電の能力維持の点から、芯材表面を樹脂被覆したキャリアが望ましい。
【0059】
また、キャリアにおいて、芯材表面を被覆する樹脂としてはフッ素系樹脂が含まれることが望ましい。
更に、キャリアの樹脂被覆層中には、樹脂粒子及び/又は導電性粒子が分散されていることも望ましい態様である。
【0060】
キャリアの粒子径としては、20μm以上60μm以下の範囲が望ましく、25μm以上45μm以下の範囲がより望ましく、30μm以上40μm以下の範囲が更に望ましい。
【0061】
本実施形態において、前述の静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合割合は、適宜、設定される。通常、静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100以下程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100以下の範囲がより望ましい。
【0062】
<画像形成装置>
次に、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを用いた本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分をクリーニングするクリーニング手段とを有し、前記現像剤として本実施形態に係る静電荷像現像剤を用いるものである。以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0063】
なお、この画像形成装置において、例えば、前記現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容する本実施形態に係るプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0064】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定めた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着されるプロセスカートリッジであってもよい。
【0065】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に予め定めた張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の感光体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを供給しうる。
【0066】
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0067】
第1ユニット10Yは、潜像保持体として機能する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定めた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
なお、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0068】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
【0069】
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って予め定めた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(トナー像)化される。
【0070】
現像装置4Y内には、本実施形態に係るイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定めた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定めた1次転写位置へ搬送される。
【0071】
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに予め定めた1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば、第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは、クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0072】
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0073】
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定めたタイミングで給紙され、予め定めた2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。なお、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0074】
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
【0075】
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び除電露光のための開口部117を、取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を表す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置に対して着脱自在としたものである。
【0076】
図2で示すプロセスカートリッジでは、帯電ローラ108、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これらの部材や装置は選択的に組み合わされる。
本実施形態に係るプロセルカートリッジでは、感光体107、及び現像装置111の他には、帯電ローラ108、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えるものであってもよい。
【0077】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納するトナーカートリッジにおいて、前記トナーを既述した本実施形態に係る静電荷像現像用トナーとしたものである。なお、本実施形態に係るトナーカートリッジには少なくとも本実施形態に係る静電荷像現像用トナーが収容されていればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば、現像剤が収容されてもよい。
【0078】
従って、トナーカートリッジの着脱される構成を有する画像形成装置においては、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを収納したトナーカートリッジを利用することにより、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーが容易に現像装置に供給される。
【0079】
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換すればよい。
【実施例】
【0080】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、「部」は特に断りがない限り「質量部」を示す。
【0081】
[実施例1乃至8、比較例1乃至4]
<トナー粒子1の作製>
−ポリエステル樹脂分散液の調整−
・テレフタル酸 30mol%
・フマル酸 70mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 20mol%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 80mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記モノマーを仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイド1.2質量部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、酸価が12.0mg/KOH、重量平均分子量9700であるポリエステル樹脂を得た。
【0082】
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記非結晶性ポリエステル樹脂1溶融体と同時にキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に移送した。
回転子の回転速度が60Hz,圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、平均粒径0.16μm,固形分量30部の非結晶性ポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂分散液を得た。
【0083】
−着色剤分散液の調製−
・シアン顔料(銅フタロシアニンB15:3:大日精化製) 45部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5部
・イオン交換水 200部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、中心粒径168nm,固形分量22.0部の着色剤分散液を得た。
【0084】
−離型剤分散液の調製−
・パラフィンワックス HNP9(融点75℃:日本精鑞製) 45部
・カチオン性界面活性剤ネオゲン RK(第一工業製薬) 5部
・イオン交換水 200部
以上を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、中心径200nm,固形分量20.0部の離型剤分散液を得た。
【0085】
−トナー粒子1の作製−
・ポリエステル樹脂樹分散液 292.2部
・着色剤分散液 26.3部
・離型剤分散液 34部
以上を、丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.25質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここにポリエステル樹脂分散液を、緩やかに70.0部を追加した。
【0086】
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、18分350rpmで攪拌・洗浄した。
【0087】
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度7.0μS/cmtとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒子径を測定したところ体積平均径D50は6.1μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数は128であることが観察された。
【0088】
<トナー粒子2の作製>
・ポリエステル樹脂
(テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、平均分子量Mw:12000、Tg:65℃、軟化点:100℃) 95部
・着色剤
(銅フタロシアニンブルーC.I.ピグメントブルー15:3) 5部
以上を、ヘンシェルミキサーにより予備混合し、これを設定温度145℃のエクストルーダーにより熱混錬した。これを冷却した後、粗粉砕した。さらにジェットミルで微粉砕を行った。この時の粒子径を測定したところ、体積平均径D50は6.2μm、であった。さらに、この粉砕物を分級し、体積平均径D50が6.6μmで、5μm以下のものが22体積%の分級品を得た。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数は145であることが観察された。
【0089】
<外添剤の作製>
1.PTFE粒子の作製
(1−1)PTFE粒子1の作製
ステンレス製アンカー型攪拌翼と温度調節用ジャケットとを備えたオートクレーブに、脱イオン水3.5Lを仕込み、加熱しながら窒素ガス、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という)で系内を置換した後に、エタン1.0gをTFEで圧入し、攪拌を500rpmで行いつつ内温を80℃に保った。脱イオン水25mlに過硫酸アンモニウム400mgを溶解させた水溶液をTFEで圧入した。TFEは槽内圧力が一定となるように供給した。温度を90℃、攪拌速度を550rpmに制御した。1時間攪拌した後、PTFE分散液500gに対して硝酸1gを添加すると同時に攪拌速度600rpmで凝析を開始し、ポリマーと水を分離した後、1時間攪拌した後、水を除去し、乾燥させて、PTFE粒子1を得た。PTFE粒子1のPFOA量は0ppmであった。
【0090】
(1−2)PTFE粒子2の作製
オートクレーブにパーフルオロオクタン酸アンモニウム200mgを仕込んだ以外は、PTFE粒子1の作製と同様に凝析まで作製し水溶液を得た。その水溶液500gと、CFClCFCHClF、CFCFCHClの混合溶媒を500gとを分液槽へ入れ激しく攪拌した後、3時間放置し抽出した。抽出操作を3回実施した後、乾燥させた後、この粉末を水で洗浄し乾燥させて、PTFE粒子2を得た。PTFE粒子2のPFOA量は0.5ppmであった。
【0091】
(1−3)PTFE粒子3の作製
抽出操作をCHFCHCFで行った以外はPTFE粒子2の作製と同様にし、PTFE粒子3を得た。PTFE粒子3のPFOA量は0.6ppmであった。
【0092】
各実施例及び比較例に用いるPTFE粒子が含むパーフルオロオクタン酸の含有量は、既述の測定方法により測定した。測定結果を表1にも示す。
【0093】
2.特定シリカ粒子の作製
(1−1)特定シリカ粒子1の作製
気相法で生成された市販のシリカ粒子(Wacker社製のHDK H2000)を用いた。このシリカ粒子を真空乾燥機で12時間保管した後のものを、特定シリカ粒子であるシリカ粒子1とした。シリカ粒子1の含水率は0.1質量%であった。
【0094】
(1−2)シリカ粒子2の作製
テトラメトキシシラン1000部を、イオン交換水35部、メタノール500部の存在下で25重量%アンモニア水55部を30℃で3時間かけて滴下しながら150rpmで攪拌する。この反応で得られたシリカゾル懸濁液を85℃に加熱しメタノールを除去し、トルエンを加え100℃に加熱して、アンモニア、水を除去した。さらに分離した湿潤シリカゲルを120℃で2時間乾燥した。次にシリカ100部に対して60部のヘキサメチルジシラザンを入れ更に4時間攪拌した。最後に温度を90℃に上げてエタノールを減圧乾燥させ、処理物を取り出して更に120℃で5時間真空乾燥を行った。乾燥されたシリカを粉砕し、特定シリカ粒子であるシリカ粒子2を得た。シリカ粒子2の含水率は5.6質量%であった。
【0095】
(1−3)シリカ粒子3の作製
テトラメトキシシラン1000部を、イオン交換水35部、メタノール500部の存在下で25質量%アンモニア水55部を30℃で3時間かけて滴下しながら150rpmで攪拌した。この反応で得られたシリカゾル懸濁液を、85℃に加熱しメタノールを除去し、トルエンを加え100℃に加熱して、アンモニア、水を除去した。さらに分離した湿潤シリカゲルを120℃で2時間乾燥した。次に、シリカ100部に対して50部のヘキサメチルジシラザンを入れ更に3時間攪拌した。温度を90℃に上げてエタノールを減圧乾燥させ、処理物を取り出して更に120℃で5時間真空乾燥を行った。乾燥されたシリカを粉砕し、温度30℃、湿度80%の空気中で攪拌しながら2時間調湿し、特定シリカ粒子であるシリカ粒子3を得た。シリカ粒子3の含水率は9.8重量%であった。
【0096】
(1−4)シリカ粒子4の作製
気相法で生成された市販のシリカ粒子(Wacker社製のHDK H2000)を用いた。このシリカ粒子を30℃80%RHで48時間保管した後のものを特定シリカ粒子であるシリカ粒子4とした。シリカ粒子4の含水率は1.3質量%であった。
【0097】
(1−5)シリカ粒子5の作製
調湿時間を5時間とした以外は(1−3)シリカ粒子3の作製と同様にして、シリカ粒子5を得た。シリカ粒子5の含水率は10.4質量%であった。
【0098】
各実施例及び比較例に用いたシリカ粒子の水分量(含水率)は、既述の測定方法により測定した。測定結果を表1にも示す。
【0099】
<トナー(静電荷像現像用トナー)の作製>
・トナー1
トナー粒子1を100部に対して、表1に記載したPTFE粒子を0.4部、特定シリカ粒子を2.0部を添加し、ヘンシェルミキサーにより800rpmで20分間ブレンドして、トナー1を得た。
・トナー2乃至12
トナー粒子、外添剤であるPTFE粒子及びシリカ粒子の種類を、表1に記載したものに変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー2乃至12を得た。
【0100】
<キャリアの作製>
・フェライト粒子(体積平均粒子径50μm、体積電気抵抗3×10Ω・cm)
100部
・トルエン 14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体(共重合比40:60、Mw=80000) 1.6部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製) 0.12部
上記の成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、樹脂被膜形成用液を調製し、この樹脂被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。
【0101】
<現像剤の作製>
トナー1を5部、及びキャリア100質量部を、V型ブレンダーを用いて40rpmで10分間攪拌し、各実施例及び比較例の現像剤1を作製した。
現像剤1と同様にして、トナー2乃至12のそれぞれと、キャリアとを混合し、現像剤2乃至12を得た。
得られた現像剤1乃至12を、それぞれ実施例1乃至8及び比較例1乃至4に用いる現像剤とした。
【0102】
〔評価〕
1.色筋の評価
20℃15%の低湿環境下でDocuCenterColor400(富士ゼロックス(株)製)の改造機を用いて、トナー量を6.0g/m、A4サイズの普通紙(富士ゼロックス(株)製、C2紙)を使用し、20×20cmの画像を作成し、10kpv連続プリント(1万枚画像出力)の実機評価を行った。このときの、1000枚出力毎の画像部について、色筋の発生の有無を目視で観察した。評価指標は以下の通りである。評価結果を表1に示す。
<評価指標>
◎:色筋が観察されない
○:色筋がわずかに観察される
△:色筋がされるが許容下限レベル
×:色筋が観察される
【0103】
2.感光体の摩耗評価
20℃15%の低湿環境下でDocuCenterColor400(富士ゼロックス(株)製)の改造機を用いて、トナー量を6.0g/m、A4サイズの普通紙(富士ゼロックス(株)製、C2紙)を使用し、20×20cmの画像を作成し、10kpv連続プリント(1万枚画像出力)を行ったときの感光体の磨耗量について、1000枚出力毎に、渦電流膜厚計により磨耗量(周方向に4箇所、長軸方向に20箇所の、計80箇所を測定した平均値)と偏磨耗(最大磨耗量-最小磨耗量)とを測定することにより評価した。評価指標は以下の通りである。評価結果を表1に示す。
<評価指標>
◎:磨耗量10nm/kcycle、偏磨耗2nm/kcycle未満
○:磨耗量10nm/kcycle以上20nm/kcycle未満、偏磨耗2nm/kcycle未満
△:磨耗量10nm/kcycle以上20nm/kcycle未満、偏磨耗2nm/kcycle以上
×:磨耗量20nm/kcycle、偏磨耗2nm/kcycle以上
【0104】
【表1】

【0105】
表1から明らかなように、実施形態のトナーを用いれば、感光体の偏磨耗と色筋の発生が抑えられていることが分かる。また、実施形態のトナーを用いれば、感光体の摩耗量も抑えられていることが分かる。
【符号の説明】
【0106】
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(潜像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(被転写体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量が0.5ppm以下であるポリテトラフルオロエチレン粒子と、温度20℃湿度20%の環境下における水分量が0.1質量%以上10質量%であるシリカ粒子と、を含む静電荷像現像用トナー。
【請求項2】
請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
【請求項3】
画像形成装置に着脱され、該画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容し、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであるトナーカートリッジ。
【請求項4】
現像剤保持体を少なくとも備え、請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジ。
【請求項5】
潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電潜像を請求項3に記載の静電荷像現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、前記潜像保持体をクリーニング部材で摺擦し転写残留成分をクリーニングするクリーニング手段と、を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−59586(P2011−59586A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211938(P2009−211938)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】