説明

非カノニカル生物学的活性を有するヒスチジル−tRNAシンテターゼスプライスバリアントを含む組成物および方法

非カノニカル生物学的活性を有する単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼスプライスバリアントポリヌクレオチドおよびポリペプチド、ならびにそれに関連する組成物および方法が提供される。一局面において、本発明は、非カノニカル活性を有する単離HRSスプライスバリアントポリペプチド;HRSスプライスバリアントポリペプチドをエンコードするHRSスプライスバリアントポリヌクレオチド;HRSポリペプチドを結合する結合剤;HRSポリペプチドおよびポリヌクレオチドの類似体、変異体およびフラグメント、ならびに上述のいずれかを作製および使用する組成物および方法に関する。本発明のHRSポリペプチドによって、サイトカイン産生の調節、細胞増殖の調節、アポトーシスの調節、細胞シグナル伝達の調節、血管新生の調節、細胞移動の調節、細胞結合の調節、細胞代謝の調節などを行うことが可能である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
非カノニカル生物学的活性を有する単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼ(HRS)スプライスバリアントポリペプチド、またはその活性フラグメントもしくは活性変異体。
【請求項2】
前記ポリペプチドが少なくともHRSのWHEPドメインを含む、請求項1に記載の単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼポリペプチド。
【請求項3】
前記ポリペプチドが少なくともHRSのアンチコドン結合ドメインを含む、請求項1に記載の単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼポリペプチド。
【請求項4】
前記ポリペプチドが機能性アミノアシル化ドメインを欠失している、請求項1に記載の単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼポリペプチド。
【請求項5】
前記ポリペプチドが少なくともHRSのWHEPドメインおよびHRSのアンチコドン結合ドメインを含むが、機能性アミノアシル化ドメインを欠失している、請求項1に記載の単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼポリペプチド。
【請求項6】
前記ポリペプチドが配列番号6または配列番号9または配列番号11で示す配列を含む、請求項1に記載の単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼポリペプチド。
【請求項7】
前記その活性変異体が配列番号6または配列番号9または配列番号11で示す配列に少なくとも90%の同一性を有するポリペプチドである、請求項1に記載の単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼポリペプチド。
【請求項8】
前記その活性フラグメントが配列番号6または配列番号9または配列番号11で示す配列の少なくとも20隣接アミノ酸残基を含む、請求項1に記載の単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼポリペプチド。
【請求項9】
前記非カノニカル生物学的活性が、RNA結合、アミノ酸結合、細胞増殖の調節、細胞移動の調節、細胞分化の調節、アポトーシスまたは細胞死の調節、細胞シグナル伝達の調節、血管新生の調節、細胞結合の調節、細胞代謝の調節、サイトカイン産生または活性の調節、サイトカイン受容体活性の調節、炎症の調節からなる群より選択される、請求項1に記載の単離ヒスチジル−tRNAシンテターゼポリペプチド。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリペプチドおよび異種融合パートナーを含む、融合ポリペプチド。
【請求項11】
請求項1に記載の少なくとも1つの単離ポリペプチドを含む、ダイマー複合体またはマルチマー複合体。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリペプチドをエンコードする単離ポリヌクレオチド。
【請求項13】
前記ポリヌクレオチドが配列番号5、8もしくは10で示す配列、またはその相補体を含む、請求項12に記載の単離ポリヌクレオチド。
【請求項14】
請求項13に記載の単離ポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項15】
請求項14に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項16】
配列番号5、8または10のポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
プライマー、プローブ、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択される、請求項16に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
請求項1に記載の単離HRSポリペプチド、該HRSポリペプチドの細胞結合パートナー、またはそれらの両方に結合特異性を示す結合剤。
【請求項19】
抗体、その抗原結合フラグメント、ペプチド、ペプチドミメティック、小型分子、およびアプタマーから選択される、請求項18に記載の結合剤。
【請求項20】
前記結合剤が前記HRSポリペプチドの非カノニカル活性と拮抗する、請求項18に記載の結合剤。
【請求項21】
前記結合剤が前記HRSポリペプチドの非カノニカル活性を作動させる、請求項18に記載の結合剤。
【請求項22】
試料中のヒスチジル−tRNAシンテターゼ(HRS)スプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定する方法であって、該方法は、該試料と、配列番号5、8、または10で示すHRSスプライスバリアントに特異的にハイブリダイズする1つ以上のオリゴヌクレオチドとを接触させる工程と、該試料での該オリゴヌクレオチドの存在または非存在を検出する工程と、これにより該HRSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定する工程とを含む、方法。
【請求項23】
試料中のヒスチジル−tRNAシンテターゼ(HRS)スプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定する方法であって、該方法は、該試料と、配列番号5、8、または10で示すHRSスプライスバリアントを特異的に増幅する少なくとも2つのオリゴヌクレオチドとを接触させる工程と、増幅反応を行う工程と、増幅された生成物の存在または非存在を検出する工程と、これにより該HRSスプライスバリアントのポリヌクレオチド配列の存在またはレベルを決定する工程とを含む、方法。
【請求項24】
前記オリゴヌクレオチド(複数可)が、前記HRSスプライスバリアントに固有であるスプライス部位に特異的にハイブリダイズする、または該スプライス部位を特異的に増幅する、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記HRSスプライスバリアントの存在またはレベルを対照試料または所定の値と比較する工程を含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項26】
前記試料を対照と区別するために該試料の状態を特徴づけする工程を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記試料および対照が細胞または組織を含み、前記方法が異なる種の細胞もしくは組織、異なる組織もしくは臓器の細胞、異なる細胞発生状態にある細胞、異なる細胞分化状態にある細胞、または健常および罹患細胞の間で区別する工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
配列番号6、9、もしくは11で示すヒスチジル−tRNAシンテターゼ(HRS)スプライスバリアントポリペプチド、またはその細胞結合パートナーの1つ以上に特異的に結合する化合物を同定する方法であって、該方法は、a)該HRSポリペプチドもしくはその細胞結合パートナーまたはそれらの両方を少なくとも1つの試験化合物と好適な条件下で組合せる工程と、b)該HRSポリペプチドもしくはその細胞結合パートナーまたはそれらの両方の該試験化合物に対する結合を検出して、これにより該HRSポリペプチドもしくはその細胞結合パートナーまたはそれらの両方に特異的に結合する化合物を同定する工程とを含む、方法。
【請求項29】
前記試験化合物がポリペプチドもしくはペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ペプチドミメティック、または小型分子である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記試験化合物が、前記HRSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーの非カノニカル生物学的活性を作動させる、請求項28に記載の方法。

【請求項31】
前記試験化合物が、前記HRSポリペプチドまたはその細胞結合パートナーの非カノニカル生物学的活性と拮抗する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
請求項28〜31のいずれか1項に記載の方法によって同定される化合物。
【請求項33】
生理学的に許容され得る担体、ならびに(i)請求項1に記載の単離ポリペプチド;(ii)請求項10に記載の融合タンパク質;(iii)請求項11に記載のダイマー複合体またはマルチマー複合体;(iv)請求項12に記載の単離ポリヌクレオチド;(v)請求項13に記載の発現ベクター;(vi)請求項16に記載のオリゴヌクレオチド;(vii)請求項18に記載の結合剤;および(viii)請求項32に記載の化合物;からなる群より選択される少なくとも1つの構成要素を含む、製薬組成物。
【請求項34】
細胞または組織と、請求項33に記載の組成物とを接触させる工程を含む、細胞活性を調節するための方法。
【請求項35】
前記細胞活性が細胞増殖、細胞移動、細胞分化、アポトーシスまたは細胞死、細胞シグナル伝達、血管新生、細胞結合、代謝、サイトカイン産生または活性、サイトカイン受容体活性、および炎症からなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記細胞活性がサイトカイン産生または分泌である、請求項37に記載の方法。
【請求項37】
前記サイトカインがIL−2、TNF−α、またはMIP1−αのいずれか1つ以上である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記細胞活性がサイトカイン受容体活性である、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記サイトカイン受容体はCCR1である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記細胞活性が細胞移動である、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
単球の細胞移動を減少させる工程を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記細胞活性がトル様受容体(TLR)を通じた細胞シグナル伝達である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記細胞が被験体内にある、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
状態を処置するための方法であって、該方法は、処置を必要とする被験体に請求項33に記載の製薬組成物を投与することを含み、該状態は、炎症性疾患、自己免疫疾患、新生物性疾患、代謝病、神経疾患、感染、心血管疾患、異常な血管新生に関係する疾患、および異常な細胞生存に関係する疾患からなる群より選択される、状態を処置する方法。
【請求項45】
前記状態が神経疾患である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記神経疾患が6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)誘発ニューロン死に関係する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記状態が炎症性疾患である、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記炎症性疾患が痛風性関節炎または炎症性腸疾患である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
細胞活性のモジュレータを同定するためのスクリーニング方法であって、該方法は:
(a)以下:
(i)請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリペプチド;請求項10に記載の融合ポリペプチド;請求項12に記載のポリヌクレオチド;および請求項13に記載の発現ベクター;からなる群より選択される構成要素と;
(ii)該構成要素に結合および/または調節される、結合パートナー、細胞エフェクタおよび/または細胞型と;
(iii)試験化合物と;
を含む反応混合物を形成する工程と;
(b)該構成要素と該結合パートナー、細胞エフェクタおよび/または細胞型との相互作用を検出する工程であって、試験化合物の非存在下での該相互作用に対する該試験化合物の存在下での該相互作用の変化によって、細胞シグナル伝達のモジュレータを同定する、工程と;
を含む、方法。

【図3−1】
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【図3−2】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16A】
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【図16D】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図12】
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【図13A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−520681(P2012−520681A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500899(P2012−500899)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/027525
【国際公開番号】WO2010/107825
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(511225594)パング バイオファーマ リミテッド (1)
【出願人】(512105222)エイティア ファーマ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】