説明

非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物の化粧品における使用

【課題】 非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物を化粧品において使用すること。
【解決手段】 本発明は、多糖類と式(I)に対応するシロキサン化合物との反応によって得ることができる非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物の化粧品としての使用、特にケラチン物質の化粧処置への使用に関する。本発明は、さらに、化粧品として受容可能な媒体中に、上記の多糖類化合物を含む組成物に関し、また、非ポリマーシロキサングラフトを含む新規な多糖類化合物にも関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物の化粧品における使用、それを含む組成物、及び非ポリマーシロキサングラフトを含む新規な多糖類化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品の分野においては、ケラチン物質、例えば毛髪及び皮膚、特に敏感になった毛髪、すなわち、特に環境物質及び/又は毛髪処置、例えばパーマネントウエーブ処置、染色又は脱色処置の化学作用によって損傷を受け又はもろくなった毛髪の化粧特性を改良することが特に求められている。
この目的のために、コンディショニング剤として知られている相補的な化粧剤を使用することが通常行われており、該コンディショニング剤は、例えばカチオン性のポリマー又はシリコーンであり、毛髪繊維が多少とも繰り返して受ける種々の処置又は攻撃因子によって誘導される有害又は好ましくない結果を修復し又は制限することを主に意図している。これらのコンディショニング剤はまた天然毛髪の化粧品の作用を改良する。
他のコンディショニング剤、例えば米国特許第6,066,727号に記載された両性多糖類は、毛髪用の化粧組成物において使用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらのコンディショニング剤は、コンディショニング及び化粧特性の残存に関して必ずしも極めて有効ではない。何度か使用した後では、毛髪は積み重なり、軽快さ及び柔らかさを失う。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、また予期せざることに、出願人は、非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物を化粧品で使用すると、上記の欠点が解消されて優れた化粧特性、例えば毛髪に対する優れたコンディショニング作用及び保護作用、良好な毛髪の櫛通り性、ケラチン繊維に対する柔軟化及びスムージング作用が得られることを見出した。
これらの化合物及びその製造方法は、Xiaolin Cai他、“Cellulose fiber/poly(ethylene-co-methacrylic acid) composite with ionic interphase”、Composites Part A 34, 2003年、1075-1084頁に記載されている。
さらに、非ポリマーシロキサングラフトを含むこれらの多糖類化合物を使用すると、毛髪を数回洗浄した後であっても、積み重なった、非可鍛性で非柔軟性である毛髪に導く過剰な堆積を見ることなく、上記特性の良好な残存を生じる。
これらのコンディショニング剤はまた、皮膚に化粧特性、例えば良好な保湿性を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
従って、本発明の一つの主題は、化粧品、特にケラチン物質を化粧処置するための化粧品、例えば毛髪をケアしまた保護し、整え、パーマネントウエーブ処置し、直毛化し毛髪を染色し若しくは脱色し、又は皮膚を洗浄又はケアする化粧品における、以下に記載する非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物の使用である。
本発明の他の主題は、以下に記載する非ポリマーシロキサングラフトを含む少なくとも一つの多糖類化合物を化粧品として受容可能な媒体中に含む化粧組成物である。
本発明の主題はさらに以下に記載する新規な化合物である。
本発明の他の主題、特徴、観点及び利点は、以下の記載及び種々の例を読むことによってより明確となろう。
【0006】
本発明に従って使用される非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物を、多糖類と以下の式(I)の化合物との反応によって得ることができる:
【化1】

式中:
Rは、直鎖又は分岐したC1〜C12、好ましくはC1〜C8のアルキル基、又は直鎖又は分岐したC2〜C8のアルケニル基を表し、
Aは、直鎖又は分岐した、飽和又は不飽和の、任意にヒドロキシル化したC1〜C22の二価の炭化水素をベースとする基であって、鎖中にヘテロ原子のN、O又はSを含んでもよい基を表し、
Zは、−NHR4、−+NR123-、−C≡N、−SH、−OH、グアニジン基又はグアニジニウム塩、又はスルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネート塩であって、上記塩は有機塩又は無機塩であってもよく、Cl-がアニオンとして好ましく、Na+がカチオンとして好ましいものを表し、
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐したC1〜C22、好ましくはC1〜C18のアルキル基であって、任意に少なくとも一つのヒドロキシル及び/又は4級アンモニウム置換基を有する基を表し、
1、R2及びR3は、相互に独立に、水素原子又は直鎖若しくは分岐したC1〜C22、好ましくはC1〜C18のアルキル基であって、任意に少なくとも一つのヒドロキシル置換基を有する基を表し、及び
Xは、無機又は有機のアニオン、例えばハロゲン原子、例えば臭素又は塩素原子、ここで塩素原子が特に好ましく、又はアセテート、シトレート、ラクテート、オレエート又はベヘネートを表す。
【0007】
多糖類は、好ましくはセルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、デンプン、イヌリン、グアーガム、キサンタンガム、プルラン、アガー−アガー、アルギン酸ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウム、カラギーナン、デキストラン、ファーセララン、ゲランガム、アラビアゴム、トラガカントゴム、ヒアルロン酸、コンニャクマンナン、リグニンスルホネート、カルボガム、部分的にN−アセチル化したキチン、ペクチン、ポリデキストロース、ラムサンガム又はウェランガムである。
より好ましくは、多糖類は、セルロース、ヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、リグノセルロース、デンプン、デンプンアセテート、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、イヌリン、グアーガム、カルボキシメチルグアーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム又はキサンタンガムである。
多糖類は、好ましくは500〜15,000,000、より好ましくは1000〜10,000,000の質量平均分子量を有する。
【0008】
直鎖又は分岐したC1〜C12、好ましくはC1〜C8、より好ましくはC1〜C4アルキル基の例として、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル及びt−ブチル基を挙げることができる。
直鎖又は分岐したC2〜C8、好ましくはC2〜C4アルケニル基の例として、特にビニル、アリル、クロトニル、ブテニル、イソブテニル及びt−ブテニル基を挙げることができる。
直鎖又は分岐した、飽和又は不飽和のC1〜C22、好ましくはC1〜C18、より好ましくはC1〜C8の二価の炭化水素をベースとする基の例として特に挙げることができる例は、以下を含む:直鎖又は分岐したアルキレン基、例えばメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、t−ブチレン、ヘキシレン又はオクチレン基;直鎖又は分岐したC2〜C8アルケニレン基、例えばビニレン、アリレン、クロトニレン、ブテニレン、イソブテニレン、t−ブテニレン、ヘキセニレン又はオクテニレン基。これらの基はさらに少なくとも一つのヒドロキシル置換基を有することができ及び/又は鎖中にN、O又はSのヘテロ原子を含むことができる。
特に挙げることができるC1〜C22、好ましくはC1〜C18アルキル基の例は、直鎖又は分岐したC1〜C4アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はt−ブチル基、及び直鎖又は分岐したC12〜C18アルキル基、例えばラウリル、ミリスチル、セチル又はステアリル基を含む。
【0009】
本発明において特に好ましい非ポリマーシロキサングラフトを含む両性多糖類化合物は、
− 以下から選択する多糖類:セルロース、ヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、リグノセルロース、デンプン、デンプンアセテート、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、イヌリン、グアーガム、カルボキシメチルグアーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム及びキサンタンガム;と
− 以下の式(I)に対応するシロキサン化合物:
【化2】

式中:
Rは、直鎖又は分岐したC1〜C4アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル若しくはt−ブチル基、又は直鎖又は分岐したC2〜C4アルケニル基、例えばビニル、アリル、クロトニル、ブテニル、イソブテニル若しくはt−ブテニル基を表し、
Aは、直鎖又は分岐した、飽和又は不飽和の、任意にヒドロキシル化したC1〜C18の二価の炭化水素をベースとする基であって、鎖中にヘテロ原子のN、O又はSを含んでもよい基、例えばメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、t−ブチレン、ヘキシレン、オクチレン、ドデシレン、ヘキサデシレン若しくはオクタデシレン、又は直鎖又は分岐したC2〜C8アルケニレン基、例えばビニレン、アリレン、クロトニレン、ブテニレン、イソブテニレン、t−ブテニレン、ヘキセニレン又はオクテニレン基を表し、
Zは、−NHR4、−+NR123-、−C≡N、−SH、−OH、グアニジン基又はグアニジニウム塩、又はスルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネート塩であって上記塩は有機塩又は無機塩であってもよく、Cl-がアニオンとして好ましく、Na+がカチオンとして好ましいものを表し、
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐したC1〜C4のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル若しくはt−ブチル基、又は直鎖若しくは分岐したC12〜C18のアルキル基、例えばラウリル、ミリスチル、セチル若しくはステアリル基であって、任意に少なくとも一つのヒドロキシル及び/又は4級アンモニウム置換基を有する基を表し、
1、R2及びR3は、相互に独立に、水素原子又は直鎖若しくは分岐したC1〜C4のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル若しくはt−ブチル基、又は直鎖若しくは分岐したC12〜C18のアルキル基、例えばラウリル、ミリスチル、セチル若しくはステアリル基であって、任意に少なくとも一つのヒドロキシル置換基を有する基を表し、及び
Xは、ハロゲン原子、アセテート、シトレート、ラクテート、オレエート又はベヘネートを表す、
との反応によって得られる。
【0010】
本発明に従う両性多糖類化合物を、“Interaction of silane coupling agents with cellulose”, American Chemical Society, Langmuir 2002, 18, 3203-3208に記載された方法によって、又は“Cellulose fiber/poly(ethylene-co-methacrylic acid) composites with ionic interphase”de Xiaolin Cai et al., Composites Part A 34, 2003, pages 1075-1084に記載された方法によって調製することができる。
上記の非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物は、化粧品において、特にケラチン物質の化粧処置、例えば毛髪のケア及び保護のための処置にコンディショニング剤として、ヘアスタイルを保持しまとめるための固定剤として使用され、さらに皮膚を洗浄しかつケアし、また皮膚、唇及び爪をメーキャップするために使用される。
【0011】
本発明の主題はまた、化粧品として受容可能な媒体中に、上記の非ポリマーシロキサングラフトを含む少なくとも一つの多糖類化合物を、化粧組成物の全質量に対して好ましくは0.05〜50質量%、より好ましくは0.5〜25質量%の範囲の量で含む化粧組成物である。
用語“化粧品として受容可能な媒体”は、いずれのケラチン物質、例えば皮膚、毛髪、爪、まつげ、眉毛及び唇並びに身体及び顔の皮膚のいずれの他の領域とも適合する媒体を意味する。
化粧品として受容可能な媒体は、水のみから成っていてもよく、又は化粧品として受容可能な溶媒、例えばC1〜C4低級アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、t−ブタノール又はn−ブタノール;アルキレンポリオール、例えばプロピレングリコール;ポリオールエーテル;及びこれらの混合物と水との混合物から成っていてもよい。
【0012】
本発明に従う組成物は、さらに本技術分野で周知の一以上の標準的な添加剤、例えば以下のものを含むことができる:アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性界面活性剤、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性ポリマー、増粘剤、真珠光沢剤、不透明化剤、UV−遮蔽剤、芳香剤、鉱油、植物及び/又は合成油、脂肪酸エステル、染料、揮発性又は非揮発性の、有機変性したか又は有機変性していない、環状の又は非環状の、分岐したか又は分岐していないシリコーン、無機又は有機の、天然又は合成の粒子、保存剤及びpH安定剤。
当業者は、任意の添加剤及びその量を本発明の組成物の性質を害さないように、注意して選択するであろう。
これらの添加剤は本発明に従う組成物中に、組成物の全質量に対して一般的には0〜20質量%の範囲の量で存在する。
【0013】
本発明に従う化粧組成物は、ムース、ジェル、スプレー又はラッカーの形態にあることができ、また洗い流し型又は残置型の適用で使用することができる。
本発明の組成物は毛髪用製品として、特に洗い流し型又は残置型の製品、特に毛髪を洗浄し、ケアし及び/又はコンディショニングする製品、ヘアスタイルを保持し、毛髪を成形し、染色し、脱色し、パーマネントウエーブ処置し又は直毛化する製品として使用することができる。
本発明の組成物はさらに、ケア又は衛生製品、例えば顔、手及び身体用の保護、処置又はケアクリーム、保護又はケアのボディミルク、皮膚のケア又は洗浄用のジェル又はムースとして、又は皮膚、唇、爪及びまつげをメーキャップし又はこれらから化粧落としをする製品として使用することができる。
【0014】
本発明の他の主題は、多糖類P’を上記の式(I)のシロキサン化合物と反応させることによって得られる非ポリマーシロキサングラフトを含む新規な多糖類化合物から成る。
P’は、ヘミセルロース、リグノセルロース、デンプン、イヌリン、グアーガム、キサンタンガム、プルラン、アガー−アガー、アルギン酸ナトリウム、カリウム又はアンモニウム、カラギーナン、デキストラン、ファーセララン、ゲランガム、アラビアゴム、トラガカントガム、ヒアルロン酸、コンニャクマンナン、リグニンスルホネート、カルボガム、部分的にN−アセチル化したキチン、ペクチン、ポリデキストロース、ラムザンガム及びウェランガムから選択され、これらは好ましくは500〜15,000,000、より好ましくは1000から10,000,000の質量平均分子量を有する。
より好ましくは、多糖類鎖は、ヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、リグノセルロース、デンプン、デンプンアセテート、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、イヌリン、グアーガム、カルボキシメチルグアーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム又はキサンタンガムである。
【0015】

例1
20gのヒドロキシエチルセルロースを480mlの80/20エタノール/水混合物に室温で分散させる。50mlの80/20エタノール/水混合物に希釈した15.93gのアミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を導入する。
該混合物を室温で2時間撹拌する。沈殿物を遠心により分離し、真空下に40℃でオーブン中で乾燥する。
次いで該生成物をアルゴン雰囲気下に110℃で2時間加熱する。このようにして、14.5gの黄色粉末が得られる。
【0016】
例2
20gのヒドロキシエチルセルロースを480mlの80/20エタノール/水混合物に室温で分散させる。50mlの80/20エタノール/水混合物に希釈した15.93gのアミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を導入する。
該混合物を室温で2時間撹拌する。沈殿物を遠心により分離し、真空下に40℃でオーブン中で乾燥する。
次いで該生成物を236Pa(2mmHg)の圧力下に110℃で2時間加熱する。このようにして、14gの黄色粉末が得られる。
【0017】
例3:シャンプー
以下の成分を使用してシャンプーを製造した。ここで、成分の量は組成物の全質量に対する活性物質の質量百分率として示されている。

【0018】
例4:コンディショナー
以下の成分を使用してコンディショナーを製造した。ここで、成分の量は組成物の全質量に対する活性物質の質量百分率として示されている。

【0019】
例5−7
以下の成分を使用して染料組成物を製造した。ここで、成分の量は組成物の全質量に対する活性物質の質量百分率として示されている。

使用時に、上記の各染料組成物を、質量対質量で20容量の過酸化水素溶液(6質量%)と混合した。
このようにして製造した混合物を、90%の白髪を含む灰色の天然の毛髪の房又はパーマネントウエーブ処置した毛髪の房に30分間適用した。毛髪の房を次いでリンスし、標準的なシャンプーで洗浄し、再度リンスし、次いで乾燥した。
例5ないし例7のそれぞれについて毛髪はゴールデン−ブロンドに染色された。
【0020】
例8
以下の成分を使用して他の染料組成物を製造した。ここで、成分の量は組成物の全質量に対する活性物質の質量百分率として示されている。

この組成物を使用時に、酸化剤として7.5%の過酸化水素を含むエマルション形態の酸化組成物と、酸化組成物1.5部当たり1部の染料組成物の比率で混合する。得られた混合物を、90%の白髪を含む天然毛髪の房に適用し、30分間放置して作用させる。リンスし、シャンプーで洗浄しかつ乾燥した後、強い赤銅色の明るい栗色の色調に染色された毛髪が得られる。
【0021】
例9
以下の組成物を製造した。ここで、示された百分率は組成物の全質量に対する質量百分率である。
酸化組成物




染料組成物

AM*=活性物質
染料組成物を、使用時に、プラスチックのボウル中で2分間、上記の酸化組成物と、酸化組成物1.5部当たり1部の染料組成物の割合で、混合した。
得られた混合物を、白髪を90%含む天然の毛髪の房に適用し、30分間放置して作用させた。
次いで房を水でリンスし、シャンプーで洗浄し、再度水でリンスし、次いで乾燥してくしで梳いた。
こうして毛髪は強い明るい栗色の色調に染色された。
【0022】
例10
以下の成分を使用して他の染料組成物を製造した。ここで、成分の量は組成物の全質量に対する活性物質の質量百分率として示されている。

AM: 活性物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多糖類を以下の式(I)に対応するシロキサン化合物と反応させることによって得ることができる非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物の化粧品への使用:
【化1】

式中:
Rは、直鎖又は分岐したC1〜C12のアルキル基、又は直鎖又は分岐したC2〜C8のアルケニル基を表し、
Aは、直鎖又は分岐した、飽和又は不飽和の、任意にヒドロキシル化したC1〜C22の二価の炭化水素をベースとする基であって、鎖中にヘテロ原子のN、O又はSを含んでもよい基を表し、
Zは、−NHR4、−+NR123-、−C≡N、−SH、−OH、グアニジン基又はグアニジニウム塩、又はスルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネート塩であって、上記塩は有機塩又は無機塩であってもよいものを表し、
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐したC1〜C22のアルキル基であって、任意に少なくとも一つのヒドロキシル及び/又は4級アンモニウム置換基を有する基を表し、
1、R2及びR3は、相互に独立に、水素原子又は直鎖若しくは分岐したC1〜C22のアルキル基であって、任意に少なくとも一つのヒドロキシル置換基を有する基を表し、及び
Xは、無機又は有機のアニオンを表す。
【請求項2】
多糖類を以下から選択することを特徴とする、請求項1に記載の使用:セルロース、ヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、リグノセルロース、デンプン、デンプンアセテート、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、イヌリン、グアーガム、カルボキシメチルグアーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム又はキサンタンガム。
【請求項3】
Rがメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ビニル、アリル、クロトニル、ブテニル、イソブテニル又はt−ブテニル基を表すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
Aが直鎖又は分岐したC1〜C6のアルキレン基又は直鎖又は分岐したC2〜C8アルケニレン基であって、これらの基は任意に少なくとも一つのヒドロキシル置換基及び/又は鎖中にN、O又はSのヘテロ原子を含んでもよいことを特徴とする、先の請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
Aがメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、t−ブチレン、ヘキシレン、オクチレン、ビニレン、アリレン、クロトニレン、ブテニレン、イソブテニレン、t−ブテニレン、ヘキセニレン又はオクテニレン基であって、任意にヒドロキシル置換基を有し及び/又は任意に鎖中にN、O又はSのヘテロ原子を含む基を表すことを特徴とする、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
直鎖又は分岐したC1〜C22のアルキル基が直鎖又は分岐したC1〜C4アルキル基又は直鎖又は分岐したC12〜C18のアルキル基であることを特徴とする、先の請求項1ないし5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
直鎖又は分岐したC1〜C22のアルキル基がメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ラウリル、ミリスチル、セチル又はステアリル基であることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
Xがハロゲン原子、アセテート、シトレート、ラクテート、オレエート又はベヘネートを表すことを特徴とする、先の請求項1ないし7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
ケラチン物質の化粧処置のための、先の請求項1ないし8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
毛髪をケアし及び保護するための、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
皮膚を洗浄し及びケアするための、請求項9に記載の使用。
【請求項12】
皮膚、唇及び爪をメーキャップするための、請求項9に記載の使用。
【請求項13】
化粧品として受容可能な媒体中に、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の非ポリマーシロキサングラフトを含む少なくとも一つの多糖類化合物を含む化粧組成物。
【請求項14】
組成物が非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物を該組成物の全質量に対して0.05〜50質量%の範囲の量で含むことを特徴とする、請求項13に記載の化粧組成物。
【請求項15】
組成物が非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物を該組成物の全質量に対して0.5〜25質量%の範囲の量で含むことを特徴とする、請求項14に記載の化粧組成物。
【請求項16】
化粧品として受容可能な媒体が水と少なくとも一つの有機溶媒との混合物又は水を含むことを特徴とする、請求項13ないし15のいずれか1項に記載の化粧組成物。
【請求項17】
有機溶媒をC1〜C4低級アルコール、アルキレンポリオール、ポリエーテル及びこれらの混合物から選択することを特徴とする、請求項16に記載の化粧組成物。
【請求項18】
組成物が以下から選択する少なくとも一つの添加剤を含むことを特徴とする、請求項13ないし17のいずれか1項に記載の化粧組成物:アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性界面活性剤、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性又は双性イオン性ポリマー、増粘剤、真珠光沢剤、不透明化剤、UV−遮蔽剤、芳香剤、鉱油、植物及び/又は合成油、脂肪酸エステル、染料、揮発性又は非揮発性の、有機変性したか又は有機変性していない、環状の又は非環状の、分岐したか又は分岐していないシリコーン、無機又は有機の、天然又は合成の粒子、保存剤及びpH安定剤。
【請求項19】
多糖類P’を請求項1ないし8に規定する式(I)のシロキサン化合物と反応させることによって得られた非ポリマーシロキサングラフトを含む多糖類化合物であって、該P’は、ヘミセルロース、リグノセルロース、デンプン、イヌリン、グアーガム、キサンタンガム、プルラン、アガー−アガー、アルギン酸ナトリウム、カリウム又はアンモニウム、カラギーナン、デキストラン、ファーセララン、ゲランガム、アラビアゴム、トラガカントガム、ヒアルロン酸、コンニャクマンナン、リグニンスルホネート、カルボガム、部分的にN−アセチル化したキチン、ペクチン、ポリデキストロース、ラムザンガム及びウェランガムから選択される多糖類鎖を表し、好ましくは500〜15,000,000の質量平均分子量を有する、前記多糖類。
【請求項20】
P’がヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、リグノセルロース、デンプン、デンプンアセテート、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、イヌリン、グアーガム、カルボキシメチルグアーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム又はキサンタンガムを表す、請求項16に記載の化合物。

【公表番号】特表2008−513357(P2008−513357A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526404(P2007−526404)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009986
【国際公開番号】WO2006/018323
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】