説明

非侵襲生体情報測定装置

【課題】 侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を用いて、非侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を校正する非侵襲生体情報測定装置において、ユーザ生体状態に応じたレーザの光量を選択し、低消費電力な非侵襲生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】 侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を用いて、非侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を校正する非侵襲生体情報測定装置において、校正期間の非侵襲型血糖測定装置での測定を複数の光量で行い、 それぞれの光量で算出した複数の特徴量と、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から複数の推定血糖値を算出し、校正期間終了時に、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と複数の推定血糖値を比較し最も近い結果となった推定血糖値の光量で通常測定期間の測定を行う非侵襲生体情報測定装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体を侵襲することなく生体情報の測定が可能な非侵襲生体情報測定装置に関し、より詳細には、校正期間において非侵襲的に測定した血糖値に基づき、通常測定期間の光量を選択することが可能な非侵襲生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な生活習慣病である糖尿病の患者数は世界的に増加傾向にある。糖尿病患者は、糖尿病による合併症を抑制し、患者の生活の質を向上するために、日常的な血糖コントロールが必要である。そのため、患者は医師の指導のもと、毎日定期的に血糖値を測定しなければならない。
【0003】
血糖値を測定する代表的な方法としては、患者の指を刺して血液を採取し血糖値を測定する侵襲型の血糖測定装置がある。侵襲型の血糖測定装置では、指を刺して血液を採取する際に手間と痛みを伴うこと、さらに感染症などの危険が伴うことから、血液の採取を必要としない、非侵襲型の血糖測定装置が既に提案されている。
【0004】
この非侵襲型の血糖測定装置の一例として、光音響効果を用いた「生物学的測定システム」が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
光音響効果を用いた「生物学的測定システム」は、グルコースに吸収される波長の光を、生物学的測定システムから指先のような生体の一部分に照射し、照射された光は生体内の比較的小さい焦点領域に集光される。また、一般的に、集光された光はグルコースに吸収されて、焦点領域と隣接する領域の組織内で運動エネルギーに変換される。
【0006】
組織内で変換された運動エネルギーは、吸収組織領域の温度及び圧力を増大させ、音波を生成する。この音波を、以下「光音響波信号」と表記する。光音響波信号は吸収組織領域から放射され、生物学的測定システムが備える音響センサによって検出される。音響センサは生体表面と接するよう装着される。光音響波信号の強度は、吸収組織領域内のグルコースの量の関数であり、センサによって計測された強度は血糖値を調べるために使用される。
【特許文献1】特表2001−526557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、生体から得られる光音響波は非常に微弱であり、その微弱な信号の変化から特徴量を推定できる信号を得られるレーザの出力を血管の太さや血糖値の濃度等のユーザの生体状態に関係なく使用していた。そのため、低出力で十分な信号が得られるユーザにも高出力のレーザを使用するため大きな消費電力を必要とし、ポータブル機器としては不向きであるという課題を有していた。
【0008】
また、上記特許文献1に記載された技術では、ノイズの影響や体動の影響を最小限にするために、測定を複数回行い、一連の測定結果を平均化している。そのため、消費電力のみならず、測定時間も増大するという課題を有していた。
【0009】
本発明は、従来の課題を解決するもので、ユーザの生体状態に応じたレーザの光量を選択し、低消費電力、短測定時間の非侵襲生体情報測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来の課題を解決するために、本発明の非侵襲生体情報測定装置は、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を用いて、非侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を校正する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも一つの光源と、前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されているデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を算出する特徴量検出手段と、前記特徴量検出手段で算出した特徴量と、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、推定血糖値を求める血糖値推定手段と、を備え、校正期間において前記非侵襲型血糖測定装置での測定を複数の光量で行い、それぞれの光量で算出した複数の前記特徴量と、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、複数の推定血糖値を算出し、校正期間終了時に、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と前記複数の推定血糖値を比較し最も近い結果となった推定血糖値の光量で通常測定期間の測定を行う、ことを特徴とするものである。
【0011】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記血糖値推定手段は、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と前記複数の推定血糖値を比較して誤差の平均を算出し、前記誤差の平均があらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい光量を検出する光量選択手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記光量選択手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、閾値を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0013】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記制御手段は、光量変更手段を備え、前記血糖値推定手段より出力された光量指示信号に応じて光量を制御する、ことを特徴とするものである。
【0014】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記光量変更手段が、外部から書き込み可能な少なくとも一つの第一のレジスタ群を備え、前記光量指示信号に応じた光量の値を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0015】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記制御手段は、光量定期確認手段を備え、通常測定期間において、前記光源に対し、前記点灯タイミングをあらかじめ設定された周期で、前記光量をあらかじめ設定された値に変更し出力する、ことを特徴とするものである。
【0016】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記光量定期確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記光量を変更する周期を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0017】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記光量定期確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記光量の値を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0018】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記血糖値推定手段は、光量適正確認手段を備え、前記光量定期確認手段で変更された光量で測定した推定血糖値と、前記光量定期確認手段で変更される前に設定されていた光量で測定した推定血糖値を比較して誤差を算出し、前記誤差があらかじめ設定された閾値以下であるか判定し、前記誤差があらかじめ設定された閾値以下である場合には、前記制御手段に対し、前記光量定期確認手段で変更される前に設定されていた光量に戻すよう光量復元信号を出力する、ことを特徴とするものである。
【0019】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記光量適正確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記閾値を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の非侵襲生体情報測定装置は、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を用いて、非侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を校正する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも一つの光源と、前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、前記光源を点灯させ、デジタルデータを前記記憶手段に記憶するまでの一連の動作を所定回数繰り返し、前記記憶手段に記憶されている所定回数分のデジタルデータを平均化し、前記平均化したデータを解析して生体情報の特徴量を算出する特徴量検出手段と、前記特徴量検出手段で算出した特徴量と、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、推定血糖値を求める血糖値推定手段と、を備え、校正期間において前記非侵襲型血糖測定装置での前記一連の動作を複数の繰り返し回数で行い、それぞれの繰り返し回数で算出した複数の前記特徴量と、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、複数の推定血糖値を算出し、校正期間終了時に、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と前記複数の推定血糖値を比較し最も近い結果となった推定血糖値の繰り返し回数で通常測定期間の測定を行う、ことを特徴とするものである。
【0021】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記血糖値推定手段は、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と前記複数の推定血糖値を比較して誤差の平均を算出し、前記誤差の平均があらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい繰り返し回数を検出する繰り返し回数選択手段を備えた、ことを特徴とするものである。
【0022】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記繰り返し回数選択手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、閾値を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0023】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記制御手段は、繰り返し回数変更手段を備え、前記血糖値推定手段より出力された繰り返し回数指示信号に応じて繰り返し回数を制御する、ことを特徴とするものである。
【0024】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記繰り返し回数変更手段が、外部から書き込み可能な少なくとも一つの第一のレジスタ群を備え、前記繰り返し回数指示信号に応じた繰り返し回数の値を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0025】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記制御手段は、繰り返し回数定期確認手段を備え、通常測定期間において、前記光源に対し、前記点灯タイミングをあらかじめ設定された周期で、あらかじめ設定された値の繰り返し回数に変更し出力する、ことを特徴とするものである。
【0026】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記繰り返し回数定期確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記繰り返し回数を変更する周期を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0027】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記繰り返し回数定期確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記繰り返し回数の値を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【0028】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記血糖値推定手段は、繰り返し回数適正確認手段を備え、前記繰り返し回数定期確認手段で変更された繰り返し回数で測定した推定血糖値と、前記繰り返し回数定期確認手段で変更される前に設定されていた繰り返し回数で測定した推定血糖値を比較して誤差を算出し、前記誤差があらかじめ設定された閾値以下であるか判定し、前記誤差があらかじめ設定された閾値以下である場合には、前記制御手段に対し、前記繰り返し回数定期確認手段で変更される前に設定されていた繰り返し回数に戻すよう繰り返し回数復元信号を出力する、ことを特徴とするものである。
【0029】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記繰り返し回数適正確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記閾値を変更することができる、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明の非侵襲生体情報測定装置によれば、低消費電力で短い測定時間の装置を実現することが可能となり、ポータブル機器の連続測定時間を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明の非侵襲生体情報測定装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0032】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1において、非侵襲生体情報測定装置は非侵襲型血糖測定装置101であることを想定している。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態1におけるシステム構成を示す図である。図1において、101は非侵襲型血糖測定装置、102は生体の表面、103は光、104は血管、105は光音響波信号である。(a)は起動信号83、(b)は点灯タイミング82、(c)は光音響波信号105、(d)は終了信号84、(e)は推定血糖値算出タイミングである。
【0034】
非侵襲型血糖測定装置101は、これを生体の表面102に接するように装着し、非侵襲型血糖測定装置101が照射する光103を生体に入射させる。光103は生体内を伝播し、血管104内の血糖値を推定できる物質で吸収され、光音響波信号105が生成される。非侵襲型血糖測定装置101は血管104内の血糖値を推定できる物質により生成された光音響波信号105を検出し、生体情報の特徴量である血糖値を推定する。
【0035】
図2は、本発明の実施の形態1による非侵襲型血糖測定装置101のブロック構成を示す図である。図2において、101は非侵襲型血糖測定装置、201は光源、202は生体情報センサ、203は増幅手段、204はA/D変換手段、205は記憶手段、206は特徴量検出手段、207は血糖値推定手段、208は制御手段である。
【0036】
光源201は、少なくとも一つ以上備え、血管104内の血糖値を推定できる物質が吸収する波長の光103を放出する。制御手段208は、光量変更手段281、光量定期確認手段285から構成され、光量指示信号71に応じて光源201の光量81を変更するとともに、光源201の点灯タイミング82を制御し、さらに増幅手段203とA/D変換手段204に起動信号83を、増幅手段203とA/D変換手段204と特徴量検出手段206と血糖値推定手段207に終了信号84を出力する。
【0037】
光量変更手段281は、血糖値推定手段207より出力された光量指示信号71に応じて光量81を光源201に出力する。
【0038】
光量定期確認手段285は、通常測定期間において、光源201に対し、点灯タイミング82を確認周期レジスタA286にあらかじめ設定された周期で、光量81を確認光量レジスタ287にあらかじめ設定された値に変更し出力する。
【0039】
生体情報センサ202は、光音響波信号105を電圧信号21に変換する。増幅手段203は、制御手段208からの起動信号83に基づき、電圧信号21を検出し、増幅信号31を生成する。A/D変換手段204は、制御手段208からの起動信号83に基づき、増幅信号31をサンプリングデータ41に変換する。記憶手段205は、サンプリングデータ41を記憶する領域で、A/D変換手段204によって書き込まれ、特徴量検出手段206によって読み出される。特徴量検出手段206は、記憶データ51を解析し生体情報の特徴量61を算出する。
【0040】
血糖値推定手段207は、光量選択手段271、光量適正確認手段273から構成され、侵襲型血糖測定装置(図示せず)で測定した血糖値の変化量が校正用血糖閾値レジスタ275にあらかじめ設定された閾値以上になったときに校正データを算出し、算出した校正データに基づき、特徴量検出手段206で算出した特徴量61と侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から推定血糖値72を求め、外部に出力する。
【0041】
光量選択手段271は、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と複数の推定血糖値を比較して誤差の平均を算出し、誤差の平均が推定誤差レジスタA272にあらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい推定血糖値の光量を検出し、光量指示信号71を出力する。
【0042】
光量適正確認手段273は、光量定期確認手段285で変更された光量で測定した推定血糖値と、光量定期確認手段285で変更される前に設定されていた光量で測定した推定血糖値を比較して誤差を算出し、誤差が適正誤差レジスタA274にあらかじめ設定された閾値以下であるか判定し、誤差が閾値以下である場合には、制御手段208に対し、光量定期確認手段285で変更される前に設定されていた光量に戻すよう光量復元信号73を出力する。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態1における非侵襲型血糖測定装置101の推定血糖値72を時間軸でプロットした図である。図3において、(a)は推定血糖値72、(b)は推定血糖値72の拡大図(時間10分〜時間20分及び時間90分〜時間100分)、(c)は光量81である。
【0044】
図4は、本発明の実施の形態1における侵襲型血糖測定装置と非侵襲型血糖測定装置101の血糖値及び推定血糖値72を時間軸でプロットした時間0分から20分までの拡大図である。図4において、401は近似式に基づいて計算された近似曲線である。
【0045】
以下、図1、図2、図3を用いて非侵襲型血糖測定装置101が血糖値の連続測定を行う場合の動作について説明する。
【0046】
本発明の実施の形態1において、侵襲型血糖測定装置での測定は10分間隔で、非侵襲型血糖測定装置101での測定は、制御手段208が増幅手段203とA/D変換手段204に起動信号83を出力してから、血糖値推定手段207が推定血糖値72を算出し外部に出力するまでの区間を測定基本サイクルとし、6分間隔で繰り返す。
【0047】
但し、呼吸や脈拍等の体動、外部ノイズの影響による推定血糖値72の誤差を最小限に抑えるために、上記測定基本サイクルを10μsから100ms程度の周期で規定回数繰り返し動作させ、測定基本サイクルとし推定血糖値72を算出する方法もある。(詳細は実施の形態2で示す。)
ここで、外部より書き込み可能なレジスタの初期値として、
光量変更手段281の最小光量値(最小光量レジスタ282)として20μJ、
光量変更手段281の光量81の増加量(増加光量レジスタ283)として20μJ、
光量変更手段281の最大光量値(最大光量レジスタ284)として100μJ、
光量選択手段271の侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と推定血糖値72の誤差の平均閾値(推定誤差レジスタA272)として10mg/dl、
光量定期確認手段285の点灯タイミング82の出力周期(確認周期レジスタA286)として30分、
光量定期確認手段285の光量81として(確認光量レジスタ287)100μJ、
光量適正確認手段273の光量定期確認手段285で変更された光量で測定した推定血糖値と、光量定期確認手段285で変更される前に設定されていた光量で測定した推定血糖値の誤差(適正誤差レジスタA274)として3mg/dl、
校正データを算出するために必要な侵襲型血糖測定装置の血糖値の変化量(校正用血糖閾値レジスタ275)として70mg/dlを設定する。
【0048】
まず、時間0分のとき、ユーザにより侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチ(図示せず)が押されると採血を伴う血糖値の測定を開始する。穿刺針などの採血手段により生体から血液を採取し、血糖値を測定する。
【0049】
このときの血糖値は70mg/dlとする。
【0050】
ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値などの血糖測定情報91(時間0分:70mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に伝えるため、非侵襲型血糖測定装置101が備える血糖測定情報入力手段(図示せず)により血糖測定情報91を入力する。
【0051】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存される。
【0052】
なお、ここでは、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91はユーザにより非侵襲型血糖測定装置101に入力されるとしたが、侵襲型血糖測定装置から非侵襲型血糖測定装置101に自動で転送されてもよい。
【0053】
非侵襲型血糖測定装置101は図1に示すように腕などの生体の表面102に装着し、その後、ユーザが非侵襲型血糖測定装置101に設けられた血糖値測定開始スイッチ(図示せず)を起動すると、制御手段208が増幅手段203とA/D変換手段204に起動信号83を出力し、増幅手段203とA/D変換手段204が安定動作に入るタイミングで光源201の光量81と点灯タイミング82を制御し、光源201を点灯する。
【0054】
このとき、光量変更手段281が備える最小光量レジスタ282には20μJが設定されているため、光量81として20μJが光源201に出力される。
【0055】
なお、ここでは、侵襲型血糖測定装置と非侵襲型血糖測定装置101はユーザによりそれぞれ同時に採血スイッチ及び測定開始スイッチが押され測定が開始されるものとして説明したが、同時刻に測定が行われなくてもよいし、侵襲型血糖測定装置から非侵襲型血糖測定装置101を起動し測定を開始してもよいし、非侵襲型血糖測定装置101から侵襲型血糖測定装置を起動し測定を開始してもよい。
【0056】
光源201からの光103は生体内を伝播し、血管104内の血糖値を推定できる物質で吸収され光音響波信号105が生成される。
【0057】
生体情報センサ202は、光音響波信号105の圧力を電圧信号21に変換する。増幅手段203は、制御手段208からの起動信号83を受け取り、生体情報センサ202によって変換された電圧信号21をあらかじめ設定されているゲインで増幅し、増幅信号31としてA/D変換手段204に出力する。
【0058】
なお、ここで、増幅手段203に起動信号83と終了信号84が入力されているのは、光音響波信号105の発生するタイミングでのみ増幅手段203の構成要素であるオペアンプ等の素子の動作をイネーブルにするためのものである、増幅手段203の低消費電力化を図る目的のものである。従って、これらの信号が入力されていなくても同等の動作をすることは可能である。
【0059】
A/D変換手段204は、制御手段208からの起動信号83を受け取り、増幅手段203から出力された増幅信号31を特定の間隔でアナログデジタル変換し、サンプリングデータ41を記憶手段205に書き込む。
【0060】
なお、ここで、A/D変換手段204に起動信号83と終了信号84が入力されているのは、光音響波信号105の発生するタイミングでのみA/D変換手段204の構成要素であるADコンバータ等の素子の動作をイネーブルにするためのものであり、A/D変換手段204の低消費電力化を図る目的のものである。従って、これらの信号が入力されていなくても同等の動作をすることは可能である。
【0061】
特徴量検出手段206は、制御手段208からの終了信号84を受け取り、記憶手段205に記憶されている記憶データ51を読み出し、解析して生体情報の特徴量61を算出し、保存する。
【0062】
なお、ここで、A/D変換手段204のサンプリングデータ41を記憶手段205に一度書き込み、特徴量検出手段206で読み出して解析することにより特徴量61を算出しているが、特徴量検出手段206が直接A/D変換手段204からサンプリングデータ41を受け取ることでも特徴量61が算出できることは明白である。
【0063】
20μJの光量81で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を終了すると、光量変更手段281は、増加光量レジスタ283に設定されている20μJを現在の光量81に加算し、加算した光量81(40μJ)が最大光量レジスタ284に設定されている最大光量(100μJ)より大きいかどうか比較する。
【0064】
加算した光量81が最大光量レジスタ284を超えていないので、制御手段208が40μJの光量81と点灯タイミング82を制御し、光源201を点灯する。
【0065】
20μJの光量81のときと同様に、40μJの光量81で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行い、一連の動作が終了すると、光量変更手段281は、増加光量レジスタ283に設定されている20μJを現在の光量81に加算し、加算した光量81(60μJ)が最大光量レジスタ284に設定されている最大光量(100μJ)より大きいかどうか比較する。
【0066】
加算した光量81が最大光量レジスタ284を超えていないので、制御手段208が60μJの光量81と点灯タイミング82を制御し、光源201を点灯する。
【0067】
20μJの光量81のときと同様に、60μJの光量81で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行い、一連の動作が終了すると、光量変更手段281は、増加光量レジスタ283に設定されている20μJを現在の光量81に加算し、加算した光量81(80μJ)が最大光量レジスタ284に設定されている最大光量(100μJ)より大きいかどうか比較する。
【0068】
加算した光量81が最大光量レジスタ284を超えていないので、制御手段208が80μJの光量81と点灯タイミング82を制御し、光源201を点灯する。
【0069】
20μJの光量81のときと同様に、80μJの光量81で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行い、一連の動作が終了すると、光量変更手段281は、増加光量レジスタ283に設定されている20μJを現在の光量81に加算し、加算した光量81(100μJ)が最大光量レジスタ284に設定されている最大光量(100μJ)より大きいかどうか比較する。
【0070】
加算した光量81が最大光量レジスタ284を超えていないので、制御手段208が100μJの光量81と点灯タイミング82を制御し、光源201を点灯する。
【0071】
20μJの光量81のときと同様に、100μJの光量81で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行い、一連の動作が終了すると、光量変更手段281は、増加光量レジスタ283設定されている20μJを現在の光量81に加算し、加算した光量81(120μJ)が最大光量レジスタ284に設定されている最大光量(100μJ)より大きいかどうか比較する。
【0072】
加算した光量81が最大光量レジスタ284を超えているので、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(6分)まで待機する。
【0073】
なお、ここでは、光量変更手段281が備えるレジスタ群(最小光量レジスタ282、増加光量レジスタ283、最大光量レジスタ284)に従って最小光量(20μJ)から最大光量(100μJ)まで光量81を変更するものとしたが、複数の光量を設定するレジスタ群を備えることにより光量81を変更する方式でもよい。
【0074】
時間6分のとき、非侵襲型血糖測定装置101での測定が6分間隔で行われるため、時間0分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0075】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(12分)まで待機する。
【0076】
時間10分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0077】
このときの血糖値は82mg/dlとする。ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間10分:82mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0078】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量12mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0079】
時間12分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0080】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(18分)まで待機する。
【0081】
時間18分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0082】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(24分)まで待機する。
【0083】
時間20分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0084】
このときの血糖値は100mg/dlとする。ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間20分:100mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0085】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量30mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0086】
時間24分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0087】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(30分)まで待機する。
【0088】
時間30分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0089】
このときの血糖値は118mg/dlとする。ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間30分:118mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0090】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量48mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0091】
非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0092】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(36分)まで待機する。
【0093】
時間36分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0094】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(42分)まで待機する。
【0095】
時間40分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0096】
このときの血糖値は125mg/dlとする。ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間40分:125mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0097】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量60mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0098】
時間42分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0099】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(48分)まで待機する。
【0100】
時間48分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0101】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(54分)まで待機する。
【0102】
時間50分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0103】
このときの血糖値は138mg/dlとする。ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間50分:138mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0104】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量68mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0105】
時間54分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、20μJ〜100μJまで20μJ間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0106】
100μJの光量81での測定が終了すると、光量変更手段281は光量81を最小光量レジスタ282に設定されている最小光量(20μJ)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(60分)まで待機する。
【0107】
時間60分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0108】
このときの血糖値は142mg/dlとする。ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間60分:142mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0109】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量72mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dl以上なので、これまでに測定した侵襲型血糖測定装置の7つのデータ(時間0分:70mg/dl、時間10分:82mg/dl、時間20分:100mg/dl、時間30分:118mg/dl、時間40分:125mg/dl、時間50分:138mg/dl、時間60分:142mg/dl)を基に近似式を算出し、算出した近似式から近似曲線401を求める。さらに、非侵襲血糖測定装置101で測定したタイミングの近似血糖値を近似曲線401から算出し、この近似血糖値と各光量に対する非侵襲血糖測定装置101の特徴量61を基に各光量ごとに校正データを算出する。
【0110】
算出した校正データに基づき、時間0分から時間60分までの各光量ごとの推定血糖値72を求める。
【0111】
各測定時間における推定血糖値72を校正データに基づき算出すると、
時間0分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は68mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は69mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は70mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は70mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は70mg/dlとなる。
【0112】
時間6分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は75mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は76mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は78mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は78mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は78mg/dlとなる。
【0113】
時間12分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は79mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は80mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は83mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は85mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は87mg/dlとなる。
【0114】
時間18分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は80mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は82mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は85mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は88mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は92mg/dlとなる。
【0115】
時間24分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は82mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は83mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は92mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は105mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は108mg/dlとなる。
【0116】
時間30分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は83mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は85mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は98mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は113mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は115mg/dlとなる。
【0117】
時間36分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は83mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は88mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は105mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は117mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は119mg/dlとなる。
【0118】
時間42分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は82mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は90mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は110mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は128mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は129mg/dlとなる。
【0119】
時間48分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は84mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は92mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は115mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は133mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は134mg/dlとなる。
【0120】
時間54分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は85mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は95mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は123mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は138mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は138mg/dlとなる。
【0121】
時間60分のとき、
光量20μJの推定血糖値72は85mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72は100mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72は133mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72は142mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72は142mg/dlとなる。
【0122】
次に、光量選択手段271は時間0分から時間60分までの各光量ごとの非侵襲血糖測定装置の推定血糖値72と侵襲型血糖測定装置の血糖値、あるいは、血糖値を測定していない場合は近似血糖値とを比較して誤差を算出する。
【0123】
各測定時間における誤差を算出すると、
時間0分のとき、侵襲型血糖測定装置の血糖値は70mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は2mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は1mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dlとなる。
【0124】
時間6分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は78mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は3mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は2mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dlとなる。
【0125】
時間12分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は89mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は10mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は9mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は6mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は4mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は2mg/dlとなる。
【0126】
時間18分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は98mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は18mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は16mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は13mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は10mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は6mg/dlとなる。
【0127】
時間24分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は107mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は25mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は24mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は15mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は2mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は1mg/dlとなる。
【0128】
時間30分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は118mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は35mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は33mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は20mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は5mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は3mg/dlとなる。
【0129】
時間36分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は122mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は39mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は37mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は24mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は9mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は7mg/dlとなる。
【0130】
時間42分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は128mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は46mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は38mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は18mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は1mg/dlとなる。
【0131】
時間48分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は133mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は49mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は41mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は18mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は1mg/dlとなる。
【0132】
時間54分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は138mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は53mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は43mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は15mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dlとなる。
【0133】
時間60分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は142mg/dlなので、
光量20μJの推定血糖値72との誤差は57mg/dl、
光量40μJの推定血糖値72との誤差は42mg/dl、
光量60μJの推定血糖値72との誤差は90mg/dl、
光量80μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
光量100μJの推定血糖値72との誤差は0mg/dlとなる。
【0134】
次に、光量選択手段271は各光量における誤差の平均をそれぞれ算出し、算出した誤差の平均があらかじめ設定された推定誤差レジスタA272以下で、かつ、最も小さい光量を光量指示信号71として出力する。
【0135】
各光量における誤差の平均は、
光量20μJのとき31mg/dl、
光量40μJのとき26mg/dl、
光量60μJのとき12mg/dl、
光量80μJのとき2.4mg/dl、
光量100μJのとき1.5mg/dlとなる。
【0136】
光量選択手段271は算出した誤差の平均が推定誤差レジスタA272にあらかじめ設定された誤差の平均閾値(10mg/dl)以下で、かつ、最も小さい光量80μJを光量指示信号71として出力するとともに、推定血糖値72を外部に出力する。
【0137】
制御手段208に、血糖値推定手段207より出力された光量指示信号71が入力されると、光量変更手段281は、光量指示信号71に応じて通常測定期間で使用する光量81を80μJに変更する。
【0138】
光量定期確認手段285は、光量指示信号71を検出すると、経過時間の測定を開始する。
【0139】
なお、ここでは、算出した校正データを使って、時間0分から時間60分までの推定血糖値72を算出し、それぞれの測定時間における侵襲型血糖測定装置の血糖値と推定血糖値72の誤差の平均を求めて、通常測定期間で使用する光量81を決定するとして説明したが、校正データを算出したタイミングで誤差を求めて通常測定期間で使用する光量81を決定したり、校正期間中の結果を使って通常測定期間に使用する光量81を決定したりするその他の方法でも良い。
【0140】
校正期間が終了すると通常測定期間となり、時間66分以降6分ごとに、非侵襲血糖値測定装置での測定を行う。
【0141】
時間66分のとき、経過時間は6分である。
【0142】
経過時間が確認周期レジスタA286にあらかじめ設定された30分を超えていないので、制御手段208が、校正期間で決定した80μJの光量81と点灯タイミング82を制御して光源201を点灯し、光103により血管104内の血糖値を推定できる物質から発生した光音響波信号105から生体情報の特徴量61を算出し、血糖値推定手段207が算出した特徴量61から、校正データに基づいて推定血糖値72を求め、外部に出力する一連の処理は校正期間と同様である。
【0143】
時間72分以降6分ごとに、経過時間が30分を超えるまで、経過時間66分のときと同様に非侵襲血糖測定装置での測定を行う。
【0144】
時間96分のとき、経過時間は36分である。
【0145】
経過時間が確認周期レジスタA286にあらかじめ設定された30分を超えているので、制御手段208が、校正期間で決定した80μJの光量81で推定血糖値72を算出した後、光量定期確認手段285が確認光量レジスタ287にあらかじめ設定された100μJの光量81で推定血糖値72の測定を行う。
【0146】
まず、制御手段208が80μJの光量81と点灯タイミング82を制御して光源201を点灯し、光103により血管104内の血糖値を推定できる物質から発生した光音響波信号105から生体情報の特徴量61を算出し、血糖値推定手段207が算出した特徴量61から、校正データに基づいて推定血糖値72を求める。80μJの推定血糖値72は162mg/dlであるとする。
【0147】
次に、光量定期確認手段285が確認光量レジスタ287にあらかじめ設定された100μJの光量81で光源201を点灯するとともに、これまでカウントしていた経過時間をリセットし、新たに経過時間の測定を開始する。光源201からの光103により血管104内の血糖値を推定できる物質から発生した光音響波信号105から生体情報の特徴量61を算出し、血糖値推定手段207が算出した特徴量61から、校正期間に算出した100μJの校正データに基づいて推定血糖値72を求める。100μJの推定血糖値72は163mg/dlであるとする。
【0148】
血糖値推定手段207が備える光量適正確認手段273は、光量80μJの推定血糖値(162mg/dl)と光量100μJの推定血糖値(163mg/dl)を比較して誤差(1mg/dl)を算出し、この誤差が適正誤差レジスタA274にあらかじめ設定された3mg/dl以下であるか判定する。誤差があらかじめ設定された適正誤差レジスタA274以下なので、制御手段208に対し、光量定期確認手段285で変更される前に設定されていた光量80μJに戻すよう光量復元信号73を出力する。光量適正確認手段273が判定した結果、誤差があらかじめ設定された適正誤差レジスタA274より大きい場合は、光量復元信号73は出力されない。
【0149】
制御手段208が、血糖値推定手段207より出力された光量復元信号73を検出すると、光量変更手段281が、光量復元信号73に従って光量81を80μJに戻す。光量復元信号73を検出できない場合は、光量定期確認手段285で変更した光量81(確認光量レジスタ287にあらかじめ設定された100μJ)で以降の測定を行う。
【0150】
時間102分以降6分ごとに、時間66分のときと同様に経過時間が確認周期レジスタA286にあらかじめ設定された30分を超えるまで光量80μJで推定血糖値72の測定を行う。
【0151】
このように、本発明の実施の形態1による非侵襲生体情報測定装置によれば、校正期間において非侵襲型血糖測定装置101での測定を複数の光量で行い、それぞれの光量で算出した複数の特徴量と、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、複数の推定血糖値を算出し、校正期間終了時に、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と複数の推定血糖値を比較し算出した誤差の平均があらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい光量で通常測定期間の測定を行うようにしたので、ユーザ生体状態に関係なく高出力の光量で測定していた場合に比べ低消費電力化を実現することが可能となり、ポータブル機器で実現した実現した場合の連続測定時間を大幅に伸ばすことができる。
【0152】
また、本発明の実施の形態1では、校正期間終了時に算出した侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と複数の推定血糖値を比較し算出した誤差の平均があらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい光量で通常測定期間の測定を行うものとして説明したが、各光量に対する誤差平均の近似曲線を求めて、閾値以下になる光量を新たに算出し通常測定期間に使用する光量を算出してもよく、上記と同様の効果が得られる。
【0153】
また、本発明の実施の形態1では、非侵襲型血糖測定装置101は、光音響を用いた装置を想定したものとして説明したが、非侵襲的に血糖値を求める他の装置としてもよく、上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2において、非侵襲生体情報測定装置は非侵襲型血糖測定装置101であることを想定している。
【0154】
図5は、本発明の実施の形態2におけるシステム構成図を示す図である。図5において、101は非侵襲型血糖測定装置、102は生体の表面、103は光、104は血管、105は光音響波信号である。(a)は起動信号83、(b)は点灯タイミング82、(c)は光音響波信号105、(d)は終了信号84、(e)は推定血糖値算出タイミングである。繰り返し測定を行い、血糖値を推定する区間を測定基本サイクルとし測定周期ごとに一連の動作を行う。
【0155】
非侵襲型血糖測定装置101は、これを生体の表面102に接するように装着し、非侵襲型血糖測定装置101が照射する光103を生体に入射させる。光103は生体内を伝播し、血管104内の血糖値を推定できる物質で吸収され、光音響波信号105が生成される。
【0156】
非侵襲型血糖測定装置101は血管104内の血糖値を推定できる物質により生成された光音響波信号105を検出し、生体情報の特徴量である血糖値を推定する。
【0157】
図6は、本発明の実施の形態2による非侵襲型血糖測定装置101のブロック構成を示す図である。図6において、101は非侵襲型血糖測定装置、201は光源、202は生体情報センサ、203は増幅手段、204はA/D変換手段、205は記憶手段、206は特徴量検出手段、601は血糖値推定手段、701は制御手段である。
【0158】
光源201は、少なくとも一つ以上備え、血管104内の血糖値を推定できる物質が吸収する波長の光103を放出する。制御手段208は、繰り返し回数変更手段711、繰り返し回数定期確認手段715から構成され、繰り返し回数指示信号615に応じて光源201の点灯タイミング82を変更するとともに、光源201の光量81を制御し、さらに増幅手段203とA/D変換手段204に起動信号83を、増幅手段203とA/D変換手段204と特徴量検出手段206と血糖値推定手段207に終了信号84を出力する。
【0159】
繰り返し回数変更手段711は、血糖値推定手段207より出力された繰り返し回数指示信号615に応じて点灯タイミング82を光源201に出力する。
【0160】
繰り返し回数定期確認手段715は、通常測定期間において、光源201に対し、点灯タイミング82を確認周期レジスタA286にあらかじめ設定された周期で、確認繰り返し回数レジスタ717にあらかじめ設定された値の繰り返し回数に変更し出力する。
【0161】
生体情報センサ202は、光音響波信号105を電圧信号21に変換する。増幅手段203は、制御手段208からの起動信号83に基づき、電圧信号21を検出し、増幅信号31を生成する。
【0162】
A/D変換手段204は、制御手段208からの起動信号83に基づき、増幅信号31をサンプリングデータ41に変換する。
【0163】
記憶手段205は、サンプリングデータ41を記憶する領域で、A/D変換手段204によって書き込まれ、特徴量検出手段206によって読み出される。
【0164】
光源201を点灯させ、サンプリングデータ41を記憶するまでの一連の動作を所定回数繰り返す。
【0165】
特徴量検出手段206は、所定回数分の記憶データ51を平均化し、平均化したデータを解析して生体情報の特徴量61を算出する。
【0166】
血糖値推定手段207は、繰り返し回数選択手段611、繰り返し回数適正確認手段613から構成され、侵襲型血糖測定装置(図示せず)で測定した血糖値の変化量が校正用血糖閾値レジスタ275にあらかじめ設定された閾値以上になったときに校正データを算出し、算出した校正データに基づき、特徴量検出手段206で算出した特徴量61と侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から推定血糖値72を求め、外部に出力する。
【0167】
繰り返し回数選択手段611は、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と複数の推定血糖値を比較して誤差の平均を算出し、誤差の平均が推定誤差レジスタB612にあらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい繰り返し回数を検出し、繰り返し回数指示信号615を出力する。
【0168】
繰り返し回数適正確認手段613は、繰り返し回数定期確認手段715で変更された繰り返し回数で測定した推定血糖値と、繰り返し回数定期確認手段715で変更される前に設定されていた繰り返し回数で測定した推定血糖値を比較して誤差を算出し、誤差が適正誤差レジスタB614にあらかじめ設定された閾値以下であるか判定し、誤差が閾値以下である場合には、制御手段208に対し、繰り返し回数定期確認手段715で変更される前に設定されていた繰り返し回数に戻すよう繰り返し回数復元信号616を出力する。
【0169】
図7は、本発明の実施の形態2における非侵襲型血糖測定装置101の推定血糖値72を時間軸でプロットした図である。図7において、(a)は推定血糖値72、(b)は推定血糖値72の拡大図(時間10分〜時間20分及び時間90分〜時間100分)、(c)は繰り返し回数である。
【0170】
以下、図5、図6、図7を用いて非侵襲型血糖測定装置101が血糖値の連続測定を行う場合の動作について説明する。
【0171】
本発明の実施の形態2において、侵襲型血糖測定装置での測定は10分間隔で、非侵襲型血糖測定装置101での測定は、制御手段208が増幅手段203とA/D変換手段204に1回目の起動信号83を出力してから、血糖値推定手段207が推定血糖値72を算出し外部に出力するまでの区間を測定基本サイクルとし、6分間隔で繰り返す。
【0172】
ここで、外部より書き込み可能なレジスタの初期値として、
繰り返し回数変更手段711の最小繰り返し回数値(最小繰り返し回数レジスタ712)として100回、
繰り返し回数変更手段711の繰り返し回数の増加量(増加繰り返し回数レジスタ713)として100回、
繰り返し回数変更手段711の最大繰り返し回数値(最大繰り返し回数レジスタ714)として300回、
繰り返し回数選択手段611の侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と推定血糖値72の誤差の平均閾値(推定誤差レジスタB612)として10mg/dl
繰り返し回数定期確認手段715の繰り返し回数を変更する周期(確認周期レジスタB716)として30分、
繰り返し回数定期確認手段715のか繰り返し回数として(確認繰り返し回数レジスタ717)として300回、
繰り返し回数適正確認手段613の繰り返し回数定期確認手段715で変更された繰り返し回数で測定した推定血糖値と、繰り返し回数定期確認手段715で変更される前に設定されていた繰り返し回数で測定した推定血糖値の誤差(適正誤差レジスタB614)として3mg/dl、
校正データを算出するために必要な侵襲型血糖測定装置の血糖値の変化量(校正用血糖閾値レジスタ275)として70mg/dlを設定する。
【0173】
まず、時間0分のとき、ユーザにより侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチ(図示せず)が押されると採血を伴う血糖値の測定を開始する。穿刺針などの採血手段により生体から血液を採取し、血糖値を測定する。
【0174】
このときの血糖値は70mg/dlとする。
【0175】
ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値などの血糖測定情報91(時間0分:70mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に伝えるため、非侵襲型血糖測定装置101が備える血糖測定情報入力手段(図示せず)により血糖測定情報91を入力する。
【0176】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存される。
【0177】
なお、ここでは、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91はユーザにより非侵襲型血糖測定装置101に入力されるとしたが、侵襲型血糖測定装置から非侵襲型血糖測定装置101に自動で転送されてもよい。
【0178】
非侵襲型血糖測定装置101は図5に示すように腕などの生体の表面102に装着し、その後、ユーザが非侵襲型血糖測定装置101に設けられた血糖値測定開始スイッチ(図示せず)を起動すると、制御手段208が増幅手段203とA/D変換手段204に起動信号83を出力し、増幅手段203とA/D変換手段204が安定動作に入るタイミングで光源201の光量81と点灯タイミング82を制御し、光源201を点灯する。
【0179】
このとき、繰り返し回数変更手段711が備える最小繰り返し回数レジスタ712には100回が設定されており、制御手段701は光源201の点灯回数が100回になるまで点灯回数をカウントする。
【0180】
なお、ここでは、侵襲型血糖測定装置と非侵襲型血糖測定装置101はユーザによりそれぞれ同時に採血スイッチ及び測定開始スイッチが押され測定が開始されるものとして説明したが、同時刻に測定が行われなくてもよいし、侵襲型血糖測定装置から非侵襲型血糖測定装置101を起動し測定を開始してもよいし、非侵襲型血糖測定装置101から侵襲型血糖測定装置を起動し測定を開始してもよい。
【0181】
光源201からの光103は生体内を伝播し、血管104内の血糖値を推定できる物質で吸収され光音響波信号105が生成される。
【0182】
生体情報センサ202は、光音響波信号105の圧力を電圧信号21に変換する。
【0183】
増幅手段203は、制御手段208からの起動信号83を受け取り、生体情報センサ202によって変換された電圧信号21をあらかじめ設定されているゲインで増幅し、増幅信号31としてA/D変換手段204に出力する。
【0184】
なお、ここで、増幅手段203に起動信号83と終了信号84が入力されているのは、光音響波信号105の発生するタイミングでのみ増幅手段203の構成要素であるオペアンプ等の素子の動作をイネーブルにするためのものである、増幅手段203の低消費電力化を図る目的のものである。従って、これらの信号が入力されていなくても同等の動作をすることは可能である。
【0185】
A/D変換手段204は、制御手段208からの起動信号83を受け取り、増幅手段203から出力された増幅信号31を特定の間隔でアナログデジタル変換し、サンプリングデータ41を記憶手段205に書き込む。
【0186】
なお、ここで、A/D変換手段204に起動信号83と終了信号84が入力されているのは、光音響波信号105の発生するタイミングでのみA/D変換手段204の構成要素であるADコンバータ等の素子の動作をイネーブルにするためのものであり、A/D変換手段204の低消費電力化を図る目的のものである。従って、これらの信号が入力されていなくても同等の動作をすることは可能である。
【0187】
光源201を点灯させ、サンプリングデータ41を記憶するまでの一連の動作を100回繰り返し、特徴量検出手段206が、制御手段701からの終了信号84を受け取ると、記憶手段205に記憶されている100回分の記憶データ51を読み出して平均化し、平均化したデータを解析して繰り返し回数が100回のときの生体情報の特徴量61を算出し、保存する。
【0188】
点灯回数が100回になると、繰り返し回数変更手段711は、点灯回数が最大繰り返し回数レジスタ714に設定された繰り返し回数(300回)以上か比較する。
【0189】
点灯回数が最大繰り返し回数レジスタ714より小さいので、繰り返し回数変更手段711は増加繰り返し回数レジスタ713に設定された繰り返し回数の増加量分(100回)、引き続き点灯タイミング82を制御し、点灯回数が200回になるまで光源201を点灯させ、サンプリングデータ41を記憶するまでの一連の動作を繰り返す。
【0190】
特徴量検出手段206が、制御手段701から終了信号84を受け取ると、記憶手段205に記憶されている200回分の記憶データ51を読み出して平均化し、平均化したデータを解析して繰り返し回数が200回のときの生体情報の特徴量61を算出し、保存する。
【0191】
点灯回数が200回になると、繰り返し回数変更手段711は、点灯回数が最大繰り返し回数レジスタ714に設定された繰り返し回数(300回)以上か比較する。
【0192】
点灯回数が最大繰り返し回数レジスタ714より小さいので、繰り返し回数変更手段711は増加繰り返し回数レジスタ713に設定された繰り返し回数の増加領分(100回)、引き続き点灯タイミング82を制御し、点灯回数が300回になるまで光源201を点灯させ、サンプリングデータ41を記憶するまでの一連の動作を繰り返す。
【0193】
特徴量検出手段206が、制御手段701から終了信号84を受け取ると、記憶手段205に記憶されている300回分の記憶データ51を読み出して平均化し、平均化したデータを解析して繰り返し回数が300回のときの生体情報の特徴量61を算出し、保存する。
【0194】
点灯回数が300回になると、繰り返し回数変更手段711は、点灯回数が最大繰り返し回数レジスタ714に設定された繰り返し回数(300回)以上か比較する。
【0195】
点灯回数が最大繰り返し回数レジスタ714以上なので、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(6分)まで待機する。
【0196】
なお、ここでは、光量変更手段281が備えるレジスタ群(最小繰り返し回数レジスタ712、増加繰り返し回数レジスタ713、最大繰り返し回数レジスタ714)に従って最小繰り返し回数(100回)から最大繰り返し回数(300回)まで点灯タイミング82を変更するものとしたが、複数の繰り返し回数を設定するレジスタ群を備えることにより繰り返し回数を変更する方式でもよい。
【0197】
時間6分のとき、非侵襲型血糖測定装置101での測定が6分間隔で行われるため、時間0分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0198】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(12分)まで待機する。
【0199】
時間10分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0200】
このときの血糖値は82mg/dlとする。
【0201】
ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間10分:82mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0202】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量12mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0203】
時間12分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0204】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(18分)まで待機する。
【0205】
時間18分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0206】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(24分)まで待機する。
【0207】
時間20分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0208】
このときの血糖値は100mg/dlとする。
【0209】
ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間20分:100mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0210】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量30mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0211】
時間24分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0212】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(30分)まで待機する。
【0213】
時間30分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0214】
このときの血糖値は118mg/dlとする。
【0215】
ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間30分:118mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0216】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量48mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0217】
非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0218】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(36分)まで待機する。
【0219】
時間36分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0220】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(42分)まで待機する。
【0221】
時間40分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0222】
このときの血糖値は125mg/dlとする。
【0223】
ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間40分:125mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0224】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量60mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0225】
時間42分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0226】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(48分)まで待機する。
【0227】
時間48分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0228】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(54分)まで待機する。
【0229】
時間50分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0230】
このときの血糖値は138mg/dlとする。
【0231】
ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間50分:138mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0232】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量68mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dlより小さいので引き続き、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。
【0233】
時間54分のとき、非侵襲型血糖測定装置101は、時間6分のときと同様に、100回〜300回まで100回間隔で光源201を点灯し、特徴量61を保存する一連の動作を行う。
【0234】
300回の繰り返し回数での測定が終了すると、繰り返し回数変更手段711は繰り返し回数を最小繰り返し回数レジスタ712に設定された最小繰り返し回数(100回)に戻し、次の非侵襲型血糖測定装置101での測定タイミング(60分)まで待機する。
【0235】
時間60分のとき、時間0分のときと同様に、侵襲型血糖測定装置が備える採血スイッチをユーザが押すことにより、測定が開始され、侵襲型血糖測定装置での測定を行う。測定方法は、時間0分のときと同様である。
【0236】
このときの血糖値は142mg/dlとする。
【0237】
ユーザは侵襲型血糖測定装置で測定した血糖測定情報91(時間60分:142mg/dl)を非侵襲型血糖測定装置101に入力する。
【0238】
入力された血糖測定情報91は記憶手段205に保存されるとともに、血糖値推定手段207に入力され、時間0分の血糖値(70mg/dl)と比較され変化量72mg/dlを算出する。算出した変化量が校正用血糖閾値レジスタ275に設定されている閾値70mg/dl以上なので、これまでに測定した侵襲型血糖測定装置の7つのデータ(時間0分:70mg/dl、時間10分:82mg/dl、時間20分:100mg/dl、時間30分:118mg/dl、時間40分:125mg/dl、時間50分:138mg/dl、時間60分:142mg/dl)を基に近似式を算出し、算出した近似曲線402を求める。さらに、非侵襲血糖測定装置101で測定したタイミングの近似血糖値を近似曲線402から算出し、この近似血糖値と各繰り返し回数に対する非侵襲血糖測定装置101の特徴量61を基に各繰り返し回数ごとに校正データを算出する。
【0239】
算出した校正データに基づき、時間0分から時間60分までの各繰り返し回数ごとの推定血糖値72を求める。
【0240】
各測定時間における推定血糖値72を校正データに基づき算出すると、
時間0分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は68mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は70mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は70mg/dlとなる。
【0241】
時間6分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は75mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は78mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は78mg/dlとなる。
【0242】
時間12分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は82mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は84mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は87mg/dlとなる。
【0243】
時間18分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は84mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は90mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は94mg/dlとなる。
【0244】
時間24分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は87mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は98mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は108mg/dl、
時間30分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は95mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は110mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は115mg/dlとなる。
【0245】
時間36分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は100mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は112mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は119mg/dlとなる。
【0246】
時間42分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は101mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は120mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は129mg/dlとなる。
【0247】
時間48分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は102mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は125mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は134mg/dlとなる。
【0248】
時間54分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は102mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は134mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は138mg/dlとなる。
【0249】
時間60分のとき、
繰り返し回数100回の推定血糖値72は103mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72は138mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72は142mg/dlとなる。
【0250】
次に、繰り返し回数選択手段611は時間0分から時間60分までの各繰り返し回数ごとの非侵襲血糖測定装置の推定血糖値72と侵襲型血糖測定装置の血糖値、あるいは、血糖値を測定していない場合は近似血糖値とを比較して誤差を算出する。
【0251】
各測定時間における誤差を算出すると、
時間0分のとき、侵襲型血糖測定装置の血糖値は70mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は2mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は0mg/dlとなる。
【0252】
時間6分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は78mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は3mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は0mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は0mg/dlとなる。
【0253】
時間12分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は89mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は7mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は5mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は2mg/dlとなる。
【0254】
時間18分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は98mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は14mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は8mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は4mg/dlなる。
【0255】
時間24分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は107mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は20mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は9mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は1mg/dlなる。
【0256】
時間30分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は118mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は23mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は8mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は3mg/dlなる。
【0257】
時間36分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は122mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は22mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は10mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は3mg/dlなる。
【0258】
時間42分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は128mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は27mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は8mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は1mg/dlなる。
【0259】
時間48分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は133mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は31mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は8mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は1mg/dlなる。
【0260】
時間54分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は138mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は36mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は4mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は0mg/dlなる。
【0261】
時間60分のとき、侵襲型血糖測定装置の近似血糖値は142mg/dlなので、
繰り返し回数100回の推定血糖値72との誤差は39mg/dl、
繰り返し回数200回の推定血糖値72との誤差は4mg/dl、
繰り返し回数300回の推定血糖値72との誤差は0mg/dlなる。
【0262】
次に、繰り返し回数選択手段611は各繰り返し回数における誤差の平均をそれぞれ算出し、算出した誤差の平均があらかじめ設定された推定誤差レジスタB612以下で、かつ、最も小さい繰り返し回数を繰り返し回数指示信号615として出力する。
【0263】
各繰り返し回数における誤差の平均は、
繰り返し回数100回のとき20mg/dl、
繰り返し回数200回のとき5.8mg/dl、
繰り返し回数300回のとき1.4mg/dlとなる。
【0264】
繰り返し回数選択手段611は算出した誤差の平均が推定誤差レジスタB612にあらかじめ設定された誤差の平均閾値(10mg/dl)以下で、かつ、最も小さい繰り返し回数200回を繰り返し回数指示信号615として出力するとともに、推定血糖値72を外部に出力する。
【0265】
制御手段208に、血糖値推定手段207より出力された繰り返し回数指示信号615が入力されると、繰り返し回数変更手段711は、繰り返し回数指示信号615に応じて通常測定期間で使用する繰り返し回数を200回に変更する。
【0266】
繰り返し回数定期確認手段715は、繰り返し回数指示信号615を検出すると、経過時間の測定を開始する。
【0267】
なお、ここでは、算出した校正データを使って、時間0分から時間60分までの推定血糖値72を算出し、それぞれの測定時間における侵襲型血糖測定装置の血糖値と推定血糖値72の誤差の平均を求めて、通常測定期間で使用する繰り返し回数を決定するとして説明したが、校正データを算出したタイミングで誤差を求めて通常測定期間で使用する繰り返し回数を決定したり、校正期間中の結果を使って通常測定期間に使用する繰り返し回数を決定したりするその他の方法でも良い。
【0268】
校正期間が終了すると通常測定期間となり、時間66分以降6分ごとに、非侵襲血糖値測定装置での測定を行う。
【0269】
時間66分のとき、経過時間は6分である。
【0270】
経過時間が確認周期レジスタB716にあらかじめ設定された30分を超えていないので、制御手段208が、校正期間で決定した繰り返し回数分(200回)、点灯タイミング82を制御して光源201を点灯し、光103により血管104内の血糖値を推定できる物質から発生した光音響波信号105から生体情報の特徴量61を算出し、血糖値推定手段207が算出した特徴量61から、校正データに基づいて推定血糖値72を求め、外部に出力する一連の処理は校正期間と同様である。
【0271】
時間72分以降6分ごとに、経過時間が30分を超えるまで、経過時間66分のときと同様に非侵襲血糖測定装置での測定を行う。
【0272】
時間96分のとき、経過時間は36分である。
【0273】
経過時間が確認周期レジスタA286にあらかじめ設定された30分を超えているので、制御手段208が、校正期間で決定した繰り返し回数(200回)の点灯タイミング82で推定血糖値72を算出した後、繰り返し回数定期確認手段715が確認光量レジスタ287にあらかじめ設定された300回の繰り返し回数になるまで、引き続き、光源201を点灯し、繰り返し回数300回でも推定血糖値72の測定を行う。
【0274】
まず、制御手段208がの光量81と繰り返し回数200回分の点灯タイミング82を制御して光源201を点灯し、光103により血管104内の血糖値を推定できる物質から発生した光音響波信号105から生体情報の特徴量61を算出し、血糖値推定手段207が算出した特徴量61から、校正データに基づいて推定血糖値72を求める。繰り返し回数200回の推定血糖値72は162mg/dlであるとする。
【0275】
次に、繰り返し回数定期確認手段715が確認繰り返し回数レジスタ717にあらかじめ設定された300回の繰り返し回数になるまで、引き続き、光源201を点灯し、点灯回数が300回になったとき、これまでカウントしていた経過時間をリセットし、新たに経過時間の測定を開始する。光源201からの光103により血管104内の血糖値を推定できる物質から発生した光音響波信号105から生体情報の特徴量61を算出し、血糖値推定手段207が算出した特徴量61から、校正期間に算出した繰り返し回数300回の校正データに基づいて推定血糖値72を求める。繰り返し回数300回の推定血糖値72は163mg/dlであるとする。
【0276】
血糖値推定手段207が備える繰り返し回数適正確認手段613は、繰り返し回数200回の推定血糖値(162mg/dl)と繰り返し回数300回の推定血糖値(163mg/dl)を比較して誤差(1mg/dl)を算出し、この誤差が適正誤差レジスタB614にあらかじめ設定された3mg/dl以下であるか判定する。誤差があらかじめ設定された適正誤差レジスタB614以下なので、制御手段208に対し、繰り返し回数定期確認手段715で変更される前に設定されていた繰り返し回数200回に戻すよう繰り返し回数復元信号616を出力する。繰り返し回数適正確認手段613が判定した結果、誤差があらかじめ設定された適正誤差レジスタB614より大きい場合は、繰り返し回数復元信号616は出力されない。
【0277】
制御手段208が、血糖値推定手段207より出力された繰り返し回数復元信号616を検出すると、繰り返し回数変更手段711が、繰り返し回数復元信号616に従って繰り返し回数を200回に戻す。繰り返し回数復元信号616を検出できない場合は、繰り返し回数定期確認手段715で変更した繰り返し回数(確認繰り返し回数レジスタ717にあらかじめ設定された300回)で以降の測定を行う。
【0278】
時間102分以降6分ごとに、時間66分のときと同様に経過時間が確認周期レジスタB716にあらかじめ設定された30分を超えるまで繰り返し回数200回で推定血糖値72の測定を行う。
【0279】
このように、本発明の実施の形態2による非侵襲生体情報測定装置によれば、校正期間において非侵襲型血糖測定装置101での測定を複数の繰り返し回数で行い、それぞれの繰り返し回数で算出した複数の特徴量と、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、複数の推定血糖値を算出し、校正期間終了時に、侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と複数の推定血糖値を比較し算出した誤差の平均があらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい繰り返し回数で通常測定期間の測定を行うようにしたので、非侵襲型血糖測定装置の精度を低下することなく低消費電力化と、測定時間の短縮を実現することが可能となり、ポータブル機器で実現した実現した場合の連続測定時間を大幅に伸ばすことができる。
【0280】
また、本発明の実施の形態2では、校正期間終了時に算出した侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と複数の推定血糖値を比較し算出した誤差の平均があらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい繰り返し回数で通常測定期間の測定を行うものとして説明したが、各繰り返し回数に対する誤差平均の近似曲線を求めて、閾値以下になる繰り返し回数を新たに算出し通常測定期間に使用する繰り返し回数を算出してもよく、上記と同様の効果が得られる。
【0281】
また、本発明の実施の形態2では、非侵襲型血糖測定装置101は、光音響を用いた装置を想定したものとして説明したが、非侵襲的に血糖値を求める他の装置としてもよく、上記と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0282】
以上のように、本発明にかかる非侵襲生体情報測定装置は、通常測定期間に使用する光量や繰り返し回数を校正期間に算出した推定血糖値と侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を比較して決定することにより、低消費電力で短い測定時間の非侵襲生体情報測定装置を提供することが可能となり、ポータブル機器の連続測定時間を向上することに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0283】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシステム構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1による非侵襲型血糖測定装置101のブロック構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における非侵襲型血糖測定装置101の推定血糖値72を時間軸でプロットした図
【図4】本発明の実施の形態1における侵襲型血糖測定装置と非侵襲型血糖測定装置101の血糖値及び推定血糖値72を時間軸でプロットした時間0分から20分までの拡大図
【図5】本発明の実施の形態2におけるシステム構成を示す図
【図6】本発明の実施の形態2による非侵襲型血糖測定装置101のブロック構成を示す図
【図7】本発明の実施の形態2における非侵襲型血糖測定装置101の推定血糖値72を時間軸でプロットした図
【符号の説明】
【0284】
21 電圧信号
31 増幅信号
41 サンプリングデータ
51 記憶データ
61 特徴量
71 光量指示信号
72 推定血糖値
73 光量復元信号
81 光量
82 点灯タイミング
83 起動信号
84 終了信号
91 血糖測定情報
101 非侵襲型血糖測定装置
102 生体の表面
103 光
104 血管
105 光音響波信号
201 光源
202 生体情報センサ
203 増幅手段
204 A/D変換手段
205 記憶手段
206 特徴量検出手段
207 血糖値推定手段
271 光量選択手段
273 光量適正確認手段
272 推定誤差レジスタA
274 適正誤差レジスタA
275 校正用血糖閾値レジスタ
208 制御手段
281 光量変更手段
285 光量定期確認手段
282 最小光量レジスタ
283 増加光量レジスタ
284 最大光量レジスタ
286 確認周期レジスタA
287 確認光量レジスタ
401、402 近似曲線
601 血糖値推定手段
611 繰り返し回数選択手段
612 推定誤差レジスタB
613 繰り返し回数適正確認手段
614 適正誤差レジスタB
615 繰り返し回数指示信号
616 繰り返し回数復元信号
701 制御手段
711 繰り返し回数変更手段
712 最小繰り返し回数レジスタ
713 増加繰り返し回数レジスタ
714 最大繰り返し回数レジスタ
715 繰り返し回数定期確認手段
716 確認周期レジスタB
717 確認繰り返し回数レジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を用いて、非侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を校正する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも一つの光源と、
前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、
生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、
前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を算出する特徴量検出手段と、
前記特徴量検出手段で算出した特徴量と、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、推定血糖値を求める血糖値推定手段と、を備え、
校正期間において前記非侵襲型血糖測定装置での測定を複数の光量で行い、 それぞれの光量で算出した複数の前記特徴量と、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、複数の推定血糖値を算出し、校正期間終了時に、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と前記複数の推定血糖値を比較し最も近い結果となった推定血糖値の光量で通常測定期間の測定を行う、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記血糖値推定手段は、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と前記複数の推定血糖値を比較して誤差の平均を算出し、前記誤差の平均があらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい光量を検出する光量選択手段を備えた、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記光量選択手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、閾値を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記制御手段は、光量変更手段を備え、前記血糖値推定手段より出力された光量指示信号に応じて光量を制御する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記光量変更手段が、外部から書き込み可能な少なくとも一つの第一のレジスタ群を備え、前記光量指示信号に応じた光量の値を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記制御手段は、光量定期確認手段を備え、通常測定期間において、前記光源に対し、前記点灯タイミングをあらかじめ設定された周期で、前記光量をあらかじめ設定された値に変更し出力する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記光量定期確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記光量を変更する周期を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項8】
請求項6に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記光量定期確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記光量の値を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項9】
請求項6に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記血糖値推定手段は、光量適正確認手段を備え、前記光量定期確認手段で変更された光量で測定した推定血糖値と、前記光量定期確認手段で変更される前に設定されていた光量で測定した推定血糖値を比較して誤差を算出し、前記誤差があらかじめ設定された閾値以下であるか判定し、前記誤差があらかじめ設定された閾値以下である場合には、前記制御手段に対し、前記光量定期確認手段で変更される前に設定されていた光量に戻すよう光量復元信号を出力する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項10】
請求項9に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記光量適正確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記閾値を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項11】
侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を用いて、非侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値を校正する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも一つの光源と、
前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、
生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、
前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、
前記光源を点灯させ、デジタルデータを前記記憶手段に記憶するまでの一連の動作を所定回数繰り返し、前記記憶手段に記憶されている所定回数分のデジタルデータを平均化し、
前記平均化したデータを解析して生体情報の特徴量を算出する特徴量検出手段と、
前記特徴量検出手段で算出した特徴量と、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、推定血糖値を求める血糖値推定手段と、を備え、
校正期間において前記非侵襲型血糖測定装置での前記一連の動作を複数の繰り返し回数で行い、それぞれの繰り返し回数で算出した複数の前記特徴量と、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値から、複数の推定血糖値を算出し、校正期間終了時に、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と前記複数の推定血糖値を比較し最も近い結果となった推定血糖値の繰り返し回数で通常測定期間の測定を行う、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項12】
請求項11に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記血糖値推定手段は、前記侵襲型血糖測定装置で測定した血糖値と前記複数の推定血糖値を比較して誤差の平均を算出し、前記誤差の平均があらかじめ設定された閾値以下で、かつ、最も小さい繰り返し回数を検出する繰り返し回数選択手段を備えた、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項13】
請求項12に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記繰り返し回数選択手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、閾値を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項14】
請求項11に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記制御手段は、繰り返し回数変更手段を備え、前記血糖値推定手段より出力された繰り返し回数指示信号に応じて繰り返し回数を制御する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項15】
請求項14に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記繰り返し回数変更手段が、外部から書き込み可能な少なくとも一つの第一のレジスタ群を備え、前記繰り返し回数指示信号に応じた繰り返し回数の値を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項16】
請求項11に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記制御手段は、繰り返し回数定期確認手段を備え、通常測定期間において、前記光源に対し、前記点灯タイミングをあらかじめ設定された周期で、あらかじめ設定された値の繰り返し回数に変更し出力する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項17】
請求項16に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記繰り返し回数定期確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記繰り返し回数を変更する周期を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項18】
請求項16に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記繰り返し回数定期確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記繰り返し回数の値を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項19】
請求項16に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記血糖値推定手段は、繰り返し回数適正確認手段を備え、前記繰り返し回数定期確認手段で変更された繰り返し回数で測定した推定血糖値と、前記繰り返し回数定期確認手段で変更される前に設定されていた繰り返し回数で測定した推定血糖値を比較して誤差を算出し、前記誤差があらかじめ設定された閾値以下であるか判定し、
前記誤差があらかじめ設定された閾値以下である場合には、前記制御手段に対し、前記繰り返し回数定期確認手段で変更される前に設定されていた繰り返し回数に戻すよう繰り返し回数復元信号を出力する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項20】
請求項19に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記繰り返し回数適正確認手段は、外部から書き込み可能なレジスタを備え、前記レジスタの値により、前記閾値を変更することができる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−39267(P2009−39267A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206569(P2007−206569)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】