説明

非定常発光体の分光解析方法およびその装置

【課題】発光状態が時間的・空間的に高速変動する非定常発光体の発光現象を、的確に把握するための方法を提供する。
【解決手段】非定常発光体を高速撮影し、複数の撮影像における発光スペクトルを時間的に積算し、該発光スペクトルの時間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光状態が非定常である発光体(非定常発光体)の分光解析方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光状態(発光場所、輝度、発光スペクトル等)が時間的・空間的に高速変動する非定常発光体の過渡現象は、目視だけではどの様な現象が生じているのが十分判断できず、反応終了後の結果から、反応中に如何なる現象が生じているのか推測せざるを得ない。また、上記非定常発光体(具体的には、スパークやプラズマ等といった上記輝度等が瞬間的に変動し易い発光現象)の分光解析において、瞬間の発光スペクトルや1測定点の発光スペクトルのみの解析では、着目元素の発光スペクトルが弱すぎてノイズとして把握してしまう場合があり、信頼性の高い解析をすることができない、といった問題がある。
【0003】
これまでにも発光体の分光解析を行った技術は多く提案されており、例えば特許文献1には、従来の方法において、特定の検出器に到達する大部分の放射が排除され、得られる情報に対して無駄が多いことに鑑みて、集められた画像の入射光から得られる全ての情報をより良く利用すべく、通常の「スリット」形の画像分光計に比して、必要なフレーム時間を実質的に減少させ、かつ/または、SN比を実質的に増加させた方法が示されている。しかし、この方法は、ほとんど定常状態である被写体の効率的な撮影法と解析法が示されているだけであり、上記の様な発光状態の時間的・空間的な高速変動を伴う発光体を対象とするものではない。
【0004】
また、特許文献2には、高速反応現象を測定する分光光度計として、検出部からの出力をデジタル的に高速で記憶する記憶手段と;該記憶手段の出力を演算処理し記憶手段の記録速度に合わせて低速で、出力する演算手段と;該演算手段の出力を記憶する比較的低速の記録手段;とを備えたことを特徴とする分光光度計が示されている。しかしこの方法は、特定の測定点の1波長または2波長の光度解析を目的としており、他の波長の分布や空間分布がある発光体の分光解析を行ったものではない。
【0005】
特許文献3には、カメラの適正露光を把握することを最終目的に、該カメラにおいて被写体を測光すべく、複数の受光領域を、被写体撮像領域の区分された各領域にそれぞれ対応させた受光器と;前記被写体撮像領域における複数の測光パターン情報を収納したメモリと;このメモリから択一的に読み出された測光パターン情報に基づいて前記受光器の受光領域を選択的に付勢する手段と;この選択的に付勢された上記受光領域による被写体光の各受光量の総和から前記被写体を測光する手段;とを具備した測光装置が開示されている。この様に特許文献3では、被写体からの光を時間的に積算しているが、分光して元素や温度の分析を目的としたものではない。また、発光状態が時間的・空間的に高速変動する発光体を測定するような技術でもない。
【0006】
更に特許文献4には、プラズマ内の不純物の移動を従来よりも正確に測定する装置として、分光計と、分光計を励起している光を空間分解的に電荷に変換する光電変換手段と、電荷を空間分解的に積分する積分回路と、その位置ごとに積分された電荷を表示する手段とからなるものであって、前記積分回路が作動増幅器(IC2)と抵抗器(R3)及び並行に接続した消去用スイッチ(IC3)を有するコンデンサ(C9)とからなる離散的成分で構成し、コンデンサ(C9)とスイッチ(IC3)との間に位置する抵抗器(R5,R6)がスイッチの内部抵抗と共に消去時にスイッチ(IC3)の最大許容電流を超えないように機能するといった、構造の複雑な測定装置が開示されている。しかし、該方法は、プラズマ中の不純物粒子の移動時間を測定するものであり、発光元素の分布を時間的・空間的に把握するものではない。
【特許文献1】特開平7−301562号公報
【特許文献2】特開昭53−121680号公報
【特許文献3】特開昭54−123030号公報
【特許文献4】特表2005−505773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、発光状態が時間的・空間的に高速変動する非定常発光体の発光現象を、的確に把握するための方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る非定常発光体の分光解析方法(以下、「第1の分光解析方法」ということがある)とは、上記非定常発光体を高速撮影し、複数の撮影像における発光スペクトルを時間的に積算し、該発光スペクトルの時間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行うところに特徴を有する。
【0009】
また、本発明における別の非定常発光体の分光解析方法(以下、「第2の分光解析方法」ということがある)は、上記非定常発光体を高速撮影し、複数の撮影像の中から選択した一つの撮影像における発光スペクトルを空間的に積算し、該発光スペクトルの空間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行うところに特徴を有する。
【0010】
前記元素分析および/または温度解析における発光スペクトルの波長同定に際しては、既知の波長を示す2以上の、発光スペクトル中のピークを用いて、前記発光スペクトルの波長を校正することが好ましい。
【0011】
本発明は、非定常発光体の分光解析を行うための装置も規定するものであって、該装置は、
・前記非定常発光体を高速撮影する手段;
・複数の撮影像における発光スペクトルを時間的に積算する手段、または複数の撮影像の中から選択した一つの撮影像における発光スペクトルを空間的に積算する手段;および
・該発光スペクトルの時間的積算量または空間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行う手段;を有するところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発光スペクトルを時間的または空間的に積算しているので、着目元素が検出されているのかノイズであるのかを確実に見極めることができ、結果として、発光状態が時間的・空間的に高速変動する非定常発光体の発光現象を、的確に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明者らは、発光状態が時間的・空間的に高速変動する非定常発光体の過渡現象(発光現象)を、的確に把握するための方法およびその装置を実現すべく鋭意研究を行った。
【0014】
その結果、上記非定常発光体(以下では「発光体」と略称することがある)を分光解析するための第1の方法として、
(i)発光体を高速撮影し、
(ii)複数の撮影像における発光スペクトルを時間的に積算し、
(iii)該発光スペクトルの時間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行う方法(第1の分光解析方法)がよいことを見出した。
【0015】
図1は、上記第1の分光解析方法を説明するためのイメージ図である。上記第1の分光解析方法は、図1に示す通り、ある測定位置(以下「測定点:Y」と示す)における発光現象を、高速度(例えば、図1に示す通り1/2000秒間隔)で複数撮影し、ある時間(以下「測定時間:X」と示す)、X+(1/2000秒)、X+(2/2000秒)・・・の各撮影時間の撮影像における発光スペクトルを積算し、この時間的に積算した発光スペクトル(発光スペクトルの時間的積算量)を用いて、元素分析および/または温度解析を行う点に特徴を有する。
【0016】
図2は、発光体の輝度が瞬間的に変動する測定点:Yの分光解析において、上記の様にして発光スペクトルを時間的に積算した結果と、測定時間:Xのみの発光スペクトルを併せて示した図である。この図2から、例えば図2中に矢印で示す着目元素の波長のピークは、測定時間:Xには現れておらずノイズのように見えるが、上記発光スペクトルを時間的に積算した結果をみると、上記波長のピークが検出されていることがわかる。
【0017】
即ち、高速度カメラで発光体を撮影した場合、瞬間によって着目元素が発光していない可能性があるが、上記方法によれば、着目元素の発光の期待できる時間領域の発光スペクトルを時間積分することにより、着目元素の発光の可否を確実に確認することができる。
【0018】
また、上記発光スペクトルの時間的な積算を行う方法は、発光スペクトルの平滑化や鮮鋭化の効果があり、ノイズの軽減が可能なため、信号対ノイズ比(SN比)を改善することもできる。
【0019】
上記第1の分光解析方法を実施するに際しては、まず、非定常現象を予備的に調べて、サンプリング間隔、積算時間を決めるのがよい。このとき、積算時間を、非定常現象が1周期(回)から2周期(回)程度発生する時間とするのがよい。
【0020】
本発明では、上記撮影時間の制限は特になく、対象に応じて適宜決定することができる。装置・機器の性能の制約(記憶容量、通信速度など)や対象とする非定常現象を確実にとらえることのバランスの観点からは、撮影時間を5秒以内とすることがよく、また、高速撮影として100コマ/秒〜10000コマ/秒の間隔で撮影することができる。尚、本発明の方法は、発光状態(発光場所、輝度、発光スペクトル等)が時間的・空間的に高速変動する非定常発光体を対象とすることを前提としており、定常である発光体は対象から除かれる。また、撮影の時間・空間は、上記非定常現象が1回以上撮影されるよう適宜調整すればよい。
【0021】
本発明は、上記非定常発光体を分光解析するための第2の方法として、
(I)発光体を高速撮影し、
(II)複数の撮影像の中から選択した一つの撮影像における発光スペクトルを空間的に積算し、
(III)該発光スペクトルの空間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行う方法(第2の分光解析方法)を規定する。
【0022】
上記第2の分光解析方法においては、高速撮影をすることで、所望の非定常状態を確実に撮影することができる。高速撮影した複数の撮影像の中から、非定常状態が撮影されている分光解析に適した画像を選択して、空間的積算に使用すればよい。
【0023】
図3は、上記第2の分光解析方法を説明するためのイメージ図である。上記第2の分光解析方法は、高速撮影した複数の撮影像の中から選択した一つの撮影像(測定時間:X)における複数の測定箇所[図3(a)に示す通り、測定点:Y、Y+y1、Y+y2(y1、y2は測定点:Yからの距離)・・・]の発光スペクトル[図3(b)]を積算し、この空間的に積算した発光スペクトル(発光スペクトルの空間的積算量)を用いて、元素分析および/または温度解析を行う点に特徴を有するものである。
【0024】
図4は、発光時間・場所が変動する発光体の測定時間:Xの分光解析において、上記の様にして発光スペクトルを空間的に積算した結果と、測定点:Yのみの発光スペクトルを併せて示した図である。この図4から、例えば図4中に矢印で示す着目元素の波長のピークは、測定点:Yには現れておらずノイズのように見えるが、上記発光スペクトルを空間的に積算した結果をみると、上記波長のピークが検出されていることがわかる。
【0025】
即ち、高速度カメラで発光体を撮影した場合、特定位置においては着目元素が発光していない可能性があるが、上記方法によれば、着目元素の発光を期待できる空間領域の発光スペクトルを位置積分することにより、着目元素の発光の可否を確実に確認することができる。
【0026】
また、上記発光スペクトルの空間的な積算を行う方法は、発光スペクトルの平滑化や鮮鋭化の効果があり、ノイズの軽減が可能なため、信号対ノイズ比(SN比)を改善することもできる。
【0027】
上記第2の分光解析方法を実施するに際しては、まず、非定常現象を予備的に調べて、サンプリング領域、積算空間領域を決めるのがよい。このとき、積算空間領域として、分析を目的とする空間領域を適宜選択する必要がある。
【0028】
また、撮影空間領域の制限も特になく、対象に応じて視野の大きさを適宜決めればよい。例えば、光学レンズ(顕微、広角、望遠)を使用して撮影できる範囲として、数μm〜数10mの範囲が挙げられる。
【0029】
上記第1の分光解析方法では、測定位置を固定して一定時間領域の発光スペクトルの積算を行い、一方、第2の分光解析方法では、測定時間を固定して一定空間領域の発光スペクトルの積算を行っているが、これら第1の分光解析方法および第2の分光解析方法を組み合わせる、即ち、一定空間領域の一定時間領域における発光スペクトルを積算して解析を行うこともできる。
【0030】
上記元素分析および/または温度解析における発光スペクトルの波長同定に際しては、既知の波長を示す2以上の、発光スペクトル中のピークを用いて、前記発光スペクトルの波長を校正することが好ましい。目的の非定常現象を撮影するため、レンズなどの光学機器を変更する必要が生じる。また、撮影時間によっても、発光位置が変化するためレンズの収差の影響がある。そのため、未知物質の同定や未知物質の温度測定には、発光スペクトルの波長が既知である標準物質(標準となる発光体)の撮影を行い、該標準物質の示す波長に校正するための校正値を算出することが、精度よく元素分析や温度解析を行う観点から好ましい。
【0031】
分光分析方法や温度解析方法について、その具体的方法は特に限定されず、既知の方法を採用することができる。例えば、誘導結合プラズマ(ICP)分光分析等の分光分析方法や、放射温度計を用いた温度分析法を、測定対象物に応じて採用することができる。
【0032】
また本発明は、上記方法を実施するための装置も提供する。該装置は、
(A)発光体を高速撮影する手段;
(B)複数の撮影像における発光スペクトルを時間的に積算する手段、または複数の撮影像の中から選択した一つの撮影像における発光スペクトルを空間的に積算する手段;および
(C)該発光スペクトルの時間的積算量または空間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行う手段;
を有するところに特徴を有する。
【0033】
上記高速撮影する手段としては、上記の通り、100コマ/秒〜10000コマ/秒の間隔で撮影することができるものであればよく、例えば、(株)Photron製FASTCAM MAX等を用いることができる。
【0034】
上記撮影像における発光スペクトルを積算する手段としては、例えば、汎用の画像解析処理ソフトを用いて、発光スペクトル強度を数値化し、当該数値を汎用の表計算ソフトで積算する方法等を用いることができる。
【0035】
上記元素分析を行う手段としては、上記例示した分光分析方法を実施するための装置、また、温度解析を行う手段としては、放射温度計等を用いることができる。
【0036】
その他、本発明の装置には、減光のための光学フィルタ等が具備されていてもよい。
【0037】
本発明の方法や装置を適用できる現象としては、例えば、蛍光灯の点灯時不安定性(適応スケール:1m)、回路のショート時に発光するスパークの分析(適応スケール:数cm)、半導体プロセス時のプラズマ(適応スケール:mm〜m)、発光を伴う化学反応(適応スケール:μm)、爆発(適応スケール:μm〜m)、金属板材製造プロセス(適応スケール:mm〜m)等の非定常な発光現象が挙げられる。
【実施例】
【0038】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0039】
まず、非定常状態の発光体として、Arランプと該Arランプの一部を被覆するカバーからなるものであって、該カバーが高速移動するものを用意した。そして、測定時間:Xとそれから0.01秒(t1)経過後の測定時間:X+t1の画像を撮影した。その実画像を図5に示す。図5(a)は測定時間:X、図5(b)は測定時間:X+t1の実画像であり、いずれにも分析位置(測定点:Yおよび分析ライン)を示している。
【0040】
また、測定時間:Xと測定時間:X+t1のそれぞれの時間の撮影像の分析ラインにおける発光信号を分光した分光画像を図6に示す。図6(a)は測定時間:X、図6(b)は測定時間:X+t1の分光画像である。図6の(a)(b)それぞれにおける破線は、測定点:Yの発光スペクトルを示している。
【0041】
尚、上記撮影には(株)Photron製FASTCAM MAX2台を使用し、かつ分光器にはJFEテクノリサーチ(株)販売のImspectorを使用した。
【0042】
(実施例1)
上記測定結果をもとに、まず、測定点:Yにおいて、測定時間:Xのみの発光スペクトルと、測定時間:Xから測定時間:X+t1までの発光スペクトルを積算した結果を対比する。
【0043】
図7に、測定点:Yにおいて、測定時間:Xから測定時間:X+t1までの発光スペクトルを時間的に積算をした結果と、測定時間:Xのみの発光スペクトルを併せて示す。この図7から、測定点:Yにおいて、測定時間:Xのみの発光スペクトルは、Arの発光スペクトルを示すピークが全く存在していない。これに対し、測定点:Yにおいて、測定時間:Xから測定時間:X+t1までの発光スペクトルを積算したものは、Arの発光スペクトルである多数のピークが検出されており、画像内においてArの発光を示す発光体が存在することを認識できる。
【0044】
このことから、測定点:Yにおける発光状態が時間的に高速変動する発光体の分光解析において、高速撮影した複数の撮影像における発光スペクトルを時間的に積算すれば、上記時間的な発光の高速変動をふまえた結果が得られることがわかる。
【0045】
(実施例2)
次に、測定時間:Xにおいて、測定点:Yのみの発光スペクトルと、測定点:Yを含む複数の測定位置(分析ライン)の発光スペクトルを積算した結果を対比する。
【0046】
図8に、測定時間:Xにおいて、測定点:Yを含む複数の測定位置(分析ライン)の発光スペクトルを空間的に積算した結果と、測定点:Yのみの発光スペクトルを併せて示す。この図8から、測定時間:Xにおいて、測定点:Yのみの発光スペクトルには、Arの発光スペクトルを示すピークが全く存在していない。これに対し、測定時間:Xにおいて、測定点:Yを含む複数の測定位置(分析ライン)の発光スペクトルを積算したものには、Arの発光スペクトルである多数のピークが検出されており、画像内においてArの発光を示す発光体が存在することを認識できる。
【0047】
このことから、測定時間:Xにおいて発光場所が高速変動する発光体の分光解析において、高速撮影した複数の撮影像の中から選択した一つの撮影像における発光スペクトルを、空間的に積算すれば、上記発光場所の高速変動をふまえた結果が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の第1の分光解析方法を説明するためのイメージ図である。
【図2】図2は、測定点:Yにおいて、発光スペクトルを時間的に積算した結果と、測定時間:Xのみの発光スペクトルを示した図である。
【図3】図3は、本発明の第2の分光解析方法を説明するためのイメージ図である。
【図4】図4は、測定時間:Xにおいて、発光スペクトルを空間的に積算した結果と、測定点:Yのみの発光スペクトルを示した図である。
【図5】図5は、実施例における発光体の実画像であり、(a)は測定時間:X、(b)は測定時間:X+t1の撮影像(実画像)を示している。
【図6】図6は、実施例における発光体の分光画像であり、(a)は測定時間:X、(b)は測定時間:X+t1の分光画像を示している。
【図7】図7は、実施例における測定点:Yの、発光スペクトルの時間的積算結果と、測定時間:Xのみの発光スペクトルを示した図である。
【図8】図8は、実施例における測定時間:Xの、発光スペクトルの空間的積算結果と、測定点:Yのみの発光スペクトルを示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光状態が非定常である発光体(以下、「非定常発光体」という)の分光解析方法であって、
上記非定常発光体を高速撮影し、複数の撮影像における発光スペクトルを時間的に積算し、該発光スペクトルの時間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行うことを特徴とする非定常発光体の分光解析方法。
【請求項2】
非定常発光体の分光解析方法であって、
上記非定常発光体を高速撮影し、複数の撮影像の中から選択した一つの撮影像における発光スペクトルを空間的に積算し、該発光スペクトルの空間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行うことを特徴とする非定常発光体の分光解析方法。
【請求項3】
前記元素分析および/または温度解析における発光スペクトルの波長同定に際し、
既知の波長を示す2以上の、発光スペクトル中のピークを用いて、前記発光スペクトルの波長を校正する請求項1または2に記載の分光解析方法。
【請求項4】
非定常発光体の分光解析を行うための装置であって、
前記非定常発光体を高速撮影する手段;
複数の撮影像における発光スペクトルを時間的に積算する手段、または複数の撮影像の中から選択した一つの撮影像における発光スペクトルを空間的に積算する手段;および
該発光スペクトルの時間的積算量または空間的積算量を用いて、元素分析および/または温度解析を行う手段;
を有することを特徴とする非定常発光体の分光解析装置。

【図2】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−229387(P2009−229387A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77843(P2008−77843)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000130259)株式会社コベルコ科研 (174)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】