説明

非常に均一なプロピレンの溶液重合法

プロピレンを重合する方法である。プロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約40重量%乃至約80重量%のプロピレンモノマーと、プロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約20重量%乃至約60重量%希釈剤を反応器へ供給する。このプロピレンモノマーは約80℃以上の温度及び約13MPa以上の圧力の反応器内で、メタロセン触媒及び活性剤の存在下で、重合され、均一システムにおいてポリマー生成物が生成される。プロピレンモノマー、希釈剤、及びポリマー生成物の重量に基づいて、約20重量%乃至約76重量%(好ましくは約28重量%乃至約76重量%)のプロピレンモノマーが、安定状態条件の反応器の出口に存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2007年6月4日に提出されたUSSN60/933,007に対して優先権を主張する。
【0002】
本発明の態様は、超溶液条件において、3以上の炭素原子を有するオレフィンモノマーの重合に関する。
【背景技術】
【0003】
1980年代半ばから、メタロセン触媒は高圧反応器において、主に、4−メチル−1,5−ヘキサジエン等の他の特別なモノマーと一緒に、プロピレン、ブテン、及びヘキセンの1つ以上のモノマーと、エチレンコポリマーを含むエチレン主鎖ポリマーを生成するために、用いられてきた。例えば、Langhausenらに付与されたU.S.5,756,608は架橋されたメタロセン触媒を用いてC2乃至C10 1−アルケンを重合する方法を報告する。しかしながら、均一な高圧条件中でのポリプロピレン生成は、プロピレンの臨界点以上の温度では現実的ではなく機能的ではなかった。高圧システムにおいて商業的に有用なポリプロピレンを生成する方法は、改善された活性、又は高められた触媒生産性、又は高い生産性、又は短い滞留時間等の利益を提供するであろう。同様に、新たな改善された生成物を調整するための新たなプロピレンポリマーも常に必要とされている。従って、新たなポリプロピレンポリマーのより効果的に製造することができる新たな方法を開発することが、本分野において必要となっている。
【0004】
Andtsjoeらに付与された、U.S.6,084,041は、担持チグラ−ナッタ及び/又はメタロセン触媒を用いて比較的マイルドな条件(90乃至100℃及び/又は6.89MPa未満の圧力)下での超臨界プロピレン重合を開示する。この特許はこれらよりも高い温度又は圧力でのプロピレン共重合を開示してはいない。この特許は可溶性、未担持、メタロセン触媒を用いた嵩高いプロピレン重合を開示してはいない。
【0005】
Moleらに付与されたU.S.5,969,062は100乃至350MPaの間の圧力及び/又は200乃至280℃の温度で実施される、αオレフィンを用いたエチレンコポリマーを調製する方法を説明する。この触媒はテトラメチルシクロペンタジエニルチタニウム錯体に基づくものである。
【0006】
U.S.5,408,017は140℃乃至160℃又はそれ以上の重合温度で用いるオレフィン重合触媒を記載する。この特許では、主に、融点を超える温度及びポリマー分解温度に達することが高い生産性をもたらすと説明されている。
【0007】
WO93/11171はオレフィンモノマー及びメタロセン触媒を連続的に反応器へ供給する工程を含む、ポリオレフィン生成方法を開示する。このモノマーを連続的に重合さて、モノマー−ポリマー混合物を提供する。重合条件はシステムの冷点圧力以下でこの混合物を保持する。これらの条件はポリマー高含有相及びモノマー高含有相を生成し、ポリマーの融点以上の温度にこの混合物を維持する。
【0008】
U.S.6,355,741は二峰性分子量分布を有するポリオレフィンを生成するための方法を開示する。この方法は第一反ループ反応器で第一ポリオレフィン分画を生成する工程を含む。この方法では第一ループ反応器を、第二ポリオレフィン分画を生成する第二反応ループに結合する。少なくとも1つのループが臨界条件を用いる。
【0009】
WO92/14766は、オレフィンモノマーとメタロセン成分と触媒成分を含む触媒システムを反応器に連続的に供給する工程;(b)高められた圧力下で、重合反応器内のモノマーを連続的に重合する工程、(c)反応器からポリマー/モノマー混合物を連続的に除去する工程;(d)溶融ポリマーからモノマーを連続的に分離する工程;(e)圧力を減らしてモノマー高含有相又はポリマー高含有相を形成する工程、及び(f)反応器からモノマーを分離する工程を含む方法を開示する。
【0010】
U.S.5,326,835は二峰性ポリエチレン生成物を開示する。この発明の第一反応工程は、不活性な低沸点炭化水素内で重合が起こるループ反応器である。ループ反応器の後に、重合システムで気相エチレン重合が生じ、通常、気相反応器へ移る。生成されたポリマーは二峰性分子量分布を有するようである。
【0011】
CA2,118,711(DE4,130,299に等しい)は、(CHC(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド錯体、メチルアルモキサン、及びトリメチルアルミニウムを用いて、149℃の温度及び1510barの圧力で行われるプロピレン重合を開示する。触媒活性は8,380gPP/gIc’hrと報告されている。Mwは2,000と報告されている。CA2,188,711は、(CHC(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド錯体、メチルアルモキサン、及びトリメチルアルミニウムを用いて、190℃の温度及び1508barの圧力で行われるプロピレンとエチレンの重合も開示する。触媒活性は、24,358gポリマー/gIc’hrと報告されている。Mwは10,000と報告されている。
【0012】
他の関連文献としては、Olefin Polymerization Using Highly Congested ansa−Metallocenes under High Pressure:Formation of Superhigh Molecular Weight Polyolefins,Suzukiら、 Macromolecules,2000,33,754−759;EP1123226;WO00/12572;WO00/37514;EP1195391;U.S.6,355,741;Ethylene Bis(Indenyl)Zirconocenes..., Schaverien,CJら、Organometallics,ACS,Columbus Ohio,vol 20,no.16,August 2001,3436−3452ページ;WO96/34023;WO97/11098;U.S.5,084,534;U.S.2,852,501;WO93/05082;EP129368Bl;WO97/45434;JP96−208535 199660807;U.S.5,096,867;WO96/12744;U.S.5,408,017;U.S.5,084,534;U.S.6,225,432;WO02/090399;EP1195391;WO02/50145;U.S.2002 013440;WO01/46273;EP1008607;JP−1998−110003A;U.S.6,562,914,及びJP−1998−341202B2を含む。
【0013】
意図する他の文献はBorealisウェーブサイトから得られた以下の記載を含む。
Barbo Loefgren,E. Kokko,L.Huhtanen,M Lahelin,Petri Lehmus,Udo Stehling.「超臨界条件下で生成されたメタロセン−PP」(“Metallocene−PP produced under supercritical conditions.")1st Bluesky Conference on Catalytic Olefin Polymerization, 17.−20.6.2002, Sorrrento, Italy., (),2002.「バルク条件、特に高い温度及び臨界条件で生成されたmPPは、ポリマー中の少量のLCBが存在することに起因する流動学的特徴を示す。このことは、工業的に意味のある条件下で高い融点を有するmPPを製造するために用いることができる特徴である。」
【発明の概要】
【0014】
プロピレンを重合するための方法を提供する。少なくとも1つの測定の態様において、プロピレンモノマーと希釈剤の総重量に基づいて、約40重量%乃至約80重量%のポリマーモノマー及びプロピレンモノマーと希釈剤の総重量に基づいて、約20%乃至約60%の希釈剤反応器に供給される。プロピレンモノマーは、約80℃以上の温度及び/又は約13MPa以上の圧力で、反応器内にあるメタロセン触媒及び活性剤の存在下で、重合され、均一システムにおけるポリマー生成物を生成する。プロピレンモノマー、希釈剤、及びポリマー生成物の総重量に基づいて、約20重量%乃至約76重量%(好ましくは約28重量%乃至約76重量%)のプロピレンモノマーが安定状条件において反応器内に存在する(「安定状条件において」とは、バッチ重合においてバッチの操作が終了したときの状態を意味する)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は転換率のパーゼントと触媒濃度を説明するグラフである。転換率は、触媒の濃度が増えると及び圧力が増えると、増加する。
【図2】図2はポリマーアチーバー(Achiver)(商標)1635の冷点等温線を示す。
【図3】図3はバルクプロピレン中に溶解されたポリマーPP45379の冷点等温線を示す。
【図4】図4はバルクプロピレン中に溶解されたポリマーPP4062の冷点等温線を示す。
【図5】図5は、バルクプロピレン中に溶解されたポリマーアチーバー(Achiver)(商標)1635の冷点等温線を示す。
【図6】図6はバルクプロピレン中に溶解されたポリマーPP45379の冷点等温線を示す。
【図7】図7はバルクプロピレン中に溶解されたポリマーPP4062の冷点等温線を示す。
【0016】
定義
本発明の目的のために触媒システムについて、触媒前駆体に化合物と活性剤との組合せと定義される。
【0017】
液体は300kg/mより高い範囲の液体は超臨界状態であると定義される。
【0018】
重合システム1つの液相又は2つの液相を形成することができる。
【0019】
固−液相遷移温度は所与の圧力でポリマー含有重合システムから固ポリマー相が分離する温度であると定義される。固―液相遷移温度は重合システムにおいてポリマーが充分溶解している温度を開始点として一定の圧力で温度を下げていくことにより決定される。固−液相遷移温度は他の既知の方法に加えて、濁度により測定することができる。
【0020】
固−液相遷移圧力は所与の温度で固形ポリマー含有重合システムから分離するときの圧力であると定義される。固−液相遷移圧力はポリマーが重合システムに充分溶解しているときの圧力を開始点として、一定の温度で圧力を下げることにより決定される。固−液相遷移圧力は既知の測定方法に加えて濁度により測定することができる。
【0021】
冷点は所与の温度で重合システムを含むポリマーがJ.Vladimir Olineria,C.Dariva andJ.C. Pinto,Ind.Eng,Chem.Res.29,200,4627に記載のように、濁り始めるときの圧力である。冷点はフォトセルの上の冷点セル中の選択された重合システムを通過するヘリウムレーザー光線が光、所与の温度での光散乱(にごり)の開示のときの圧力を記録することにより測定できる。
【0022】
「重合」の語の使用は歩もポリ重合及び共重合等の任意の重合反応を含む。共重合は2つ以上のモノマーの重合反応を含む。
【0023】
周期表律の番号付けはChemical and Emgineering News,63(5)、27(1985)に記載のものを用いる。
【0024】
ポリマーがオレフィンを含む場合、ポリマー中のオレフィンはオレフィンの重合形態である。
【0025】
オリゴマーは2乃至75マー単位を有する組成物である。
【0026】
ポリマーは76マー単位以上の組成物である。
【0027】
連続反応カスケードは連結された2つ以上の反応器を含み、この反応カスケードの上流の反応器の排出液が下流にある次の反応器に供給される。上流の反応器の排出液のほかに、追加的なモノマー、触媒、又は新しい又は再利用された原料流れ溶媒と組み合わせて、任意の反応器の原料を、増量させることができる。並行反応器配置において、並行反応器配列の分岐を形成している連続カスケードの反応器(複数)を反応器トレインと言う。
【0028】
本発明の目的及び添付の特許請求の範囲の目的のために、「重合システム」の語はモノマーと、任意のコモノマーと、ポリマー生成物と、溶媒/希釈剤と、任意のスカベンンジャーとの組み合わせを意味する。触媒システムの一部分は重合システムの一部とは考えない。
【0029】
本発明及び特許請求の範囲の目的のために、臨海温度(Tc)及び臨海圧力(Pc)はthe Handbook of Chemistry and Physics, David R. Lide, Editor−in−Chief, 82版 2001−2002, CRC Press, LLC. New York, 2001に記載されているものである。特に、各種分子のTc及びPcを以下の表に示す。

【0030】
「連続」とは阻害又は中断なしで稼動する(又は稼動を意図する)システムである。例えば、ポリマーを製造する工程は反応器が連続的にそこに導入され、ポリマー生成物が連続的に取り出されるものである。
【0031】
「高沸点希釈剤」の語は、プロピレンの沸点(750mmHgで−47.6℃)より30℃以上、又は50℃以上、又は70℃以上、100℃以上、120℃以上、又は150℃以上、高い沸点を有する炭化水素を意味する。
【発明の詳細な説明】
【0032】
均一なシステムでオレフィンモノマーを重合する工程を提供する、1つ以上の態様において、この方法は重合システム内で、1つ以上のモノマー(好ましくは、プロピレン)を触媒、活性剤、任意でコモノマー(好ましくはエチレン、ブテン、ヘキセン、又はオクテン)、及び任意で希釈剤又は溶媒に、80℃以上の温度及び13MPa以上の圧力で接触させる工程を含む。この重合は反応器内の均一なシステム内で生じる。
【0033】
1つ以上の態様において、プロピレンモノマーと希釈剤との重量に基づいて約40重量%乃至約40重量%のプロピレンモノマーと、プロピレンモノマーと希釈剤との重量に基づいて約20重量%乃至約60重量%の希釈剤とが反応器に供給される。プロピレンモノマーをメタロセン触媒及び活性剤の存在下で、約80℃以上の温度又は約13MPa以上の圧力で反応器内で重合させて、均一システムでポリマー生成物を生成する。好ましくは、プロピレンモノマー、希釈剤、及びポリマー生成物の総重量に基づいて、約20重量%乃至約76重量%(好ましくは約28重量%乃至好ましくは約76重量)プロピレンモノマーが安定状態条件の反応器内に存在する。以上又は以下の1つ以上の態様において、この方法に供給されるモノマーは1つ以上のモノマー及び1つ以上の希釈剤を含む。以上又は以下の1つ以上の態様において、この方法に供給されるモノマーはモノマー、コモノマー、及び1つ以上の希釈剤を含むシカベンジャー及び共触媒もモノマー供給に含まれる。
【0034】
1つ以上の態様において、モノマー原料はモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約40重量%、45重量%、又は50重量%の低含量から、約70重量%、75重量%、又は80重量%の高含量の範囲でモノマーを含む。1つ以上の態様において、モノマー及び希釈剤の総重量に基づいてモノマー供給は約40重量%乃至約75重量%の範囲のモノマーを含む。1つ以上の態様において、モノマー及び希釈剤の総重量に基づいてモノマー供給は約40重量%乃至約70重量%の範囲のモノマーを含む。1つ以上の態様において、モノマー及び希釈剤の総重量に基づいてモノマー供給は約40重量%乃至約60重量%の範囲のモノマーを含む。1つ以上の態様において、プロピレンモノマー、コモノマー、及び希釈剤の総重量に基づいて、モノマー供給は約20重量%、15重量%以下のコモノマーを含む。
【0035】
1つ以上の態様において、この重合システムは40重量%乃至80重量%のモノマーを含む。1つ以上の態様において、この重合システムは40重量%乃至75重量%のモノマーを含む。1つ以上の態様において、この重合システムは40重量%乃至75重量%のモノマーを含む。1つ以上の態様において、この重合システムは50重量%乃至75重量%のモノマーを含む。1つ以上の態様において、この重合システムは40重量%乃至70重量%モノマーを含む。1つ以上の態様において、この重合システムのモノマー含量は低くは約40重量%、45重量%、又は50重量%から、高くは約70重量%、75重量%、又は80重量%の範囲である。
【0036】
1つ以上の態様において、この重合システムは30重量%乃至80重量%の希釈剤又は溶媒を含む。1つ以上の態様において、この重合システムは30重量%乃至75重量%の希釈剤又は溶媒を含むモノマーを含む。1つ以上の態様において、この重合システムは40重量%乃至75重量%の希釈剤又は溶媒を含む。1つ以上の態様において、この重合システムの希釈剤又は溶媒の含量は低くは約40重量%、45重量%、又は50重量%乃至、高くは約65重量%、70重量%、又は75重量%の範囲である。好ましくは希釈剤又は溶媒はヘキサンであるか、ヘキサンを含む。1つ以上の態様において、モノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、モノマー供給は低くは約20重量%、30重量%、又は40重量%乃至高くは約50重量%、55重量%、又は60重量%の範囲の希釈剤を含む。1つ以上の態様において、このモノマー供給はモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約20重量%乃至約60重量%の範囲の希釈剤を含む。1つ以上の態様において、モノマー供給はモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約30重量%乃至約50重量%の範囲の希釈剤を含む。理論により拘束することを意図するものではないが、希釈剤又は溶媒の濃度が高いと、硬結晶性iPPの溶解性を改善し、重合システムの冷点を低めることができると信じられている。希釈剤又は溶媒は、高結晶性のアイソタクチックポリプロピレン及びシンジオタクチックポリプロピレンを含む、結晶可能なポリプロピレンベースポリマー生成物生成するのに必要な圧力を減らし、構築及び操作費用を有意に減らすと信じられている。
【0037】
1つ以上の態様において、重合システムの密度は0.3g/cc以上である。1つ以上の態様において、重合システムの密度は0.4g/cc以上である。1つ以上の態様において、重合システムの密度は0.5g/cc以上である。1つ以上の態様において、重合システムの密度は0.6g/cc以上である。1つ以上の態様において、重合システムの密度は0.513g/cc乃至0.75g/ccの範囲内である。1つ以上の態様において、安定状態において、は少なくとも5重量%のプロピレンモノマー(代替的に少なくとも10重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%のプロピレンモノマーから)ポリマーが生成される(即ち、プロピレンモノマーからポリマー生成物への転換率)。他の態様において、プロピレンモノマーからポリマー生成物への転換率に関して、約5重量%乃至約45重量%(好ましくは約5重量%乃至約35重量%。好ましくは約15重量%乃至約35重量%のプロピレンモノマー)がポリマー生成物に転換される。
【0038】
1つ以上の態様において、重合条件は単一、均一な液体状態の重合システムを維持するために十分な条件である。例えば、反応温度及び圧力はポリマー生成物及びこれを重合するための重合システムが単一の相、即ちポリマーを含む重合システムの冷点以上を維持する、温度の上限は反応温度に大きく影響を受ける生成物の性質により決定される(例えば、表1参照)。高分子量及び/又は低いオレフィンを有するオレフィンポリマーが所望であれば、高い重合温度(200℃より高い)は通常好ましくない。高温は、他の理由から過剰な重合温度を避けるために提供される既知の触媒システムの多くを分解する。図2は触媒活性がどのようにして高められていく重合温度に影響を受けるかということを説明している。温度は250℃以下が好ましい。
【0039】
反応温度の下限値は所望のポリマー性質により決定される。低い温度は通常高い結晶性及び/又は高い分子量に好ましい(例えば、図1参照)。均一な重合プロセスのために、反応温度の下限値は固−液相遷移温度により決定される。反応混合物の固−液相遷移温度以下で操作される反応器は付着物に起因する問題を引き起こす。均一な重合プロセスにおいて、高結晶性ポリオレフィン(150℃より高い融点)を生成するために、最小操作温度は約95乃至100℃である。エチレン−プロピレン及び/又はエチレン−ヘキセン−1コポリマー等の低融点コポリマーの生成において、有意に低い反応器温度、例えば、90℃以下、であれば付着物は生じない。特定の不活性な溶媒を用いると、そのような溶媒が大量に存在すると、前述のように、重合速度、生成物の分子量を減らし、融解ピーク温度を低くするけれども、付着物が生じない温度を更に低くすることができる。
【0040】
1つ以上の態様において、この重合条件は液体中に存在するモノマーからのポリマー生成物を溶解するのに十分である(即ち、バルク溶液重合)。1つ以上の態様において、この反応ブレンドの臨界温度及び圧力は純粋な成分の臨界値とは異なり、従って純粋なモノマーの臨界温度より低い温度で超臨界相操作が可能である(例えば、プロピレンについて92℃)。1つ以上の態様において、アモルファス物質のほかに、低い融点を有する準アモルファス物質が、反応ブレンドの臨界温度以下でも、即ち、反応器のシステムの濃縮された液体状態に対応する温度においても付着しないで、生成することができる。この場合、操作温度は反応混合物の発泡点であり、従って、反応は液体充満条件といわれている条件で操作することができる。幾つかの態様において、そのような操作モデルは、高い分子量(MW)と低い溶融速度(MFR)を達成するために、特に、プロピレン−エチレン又はエチレン−高級オレフィンコポリマー等のコポリマーの製造に好適である。
【0041】
1つ以上の態様において、反応温度及び圧力は、特にポリマーを多く含む相とポリマーをあまり含まない相を生成する2相重合システムとなる重合システムにおいてポリマーの冷点以下の圧力で維持するように操作することができる。しかしながら、ポリマーの冷以下の温度で操作すると、ポリマー結晶化温度以上の操作となる。「2相システム」又は「2相重合」の語は2つの相を有する、好ましくは相が2つだけの、重合システムを意味する。特定の態様において、第一相は、「モノマー相」であるか、又はこれを含む相である。この相は、モノマーを含み希釈剤及び/又は幾つかの又は全ての重合生成物を含んでいてもよい。特定の対応において、第二相は固形相であるか、又は固形相を含む。この相はモノマー(例えば、プロピレン)ではなく、例えば、マクロマー又はポリマー生成物等の重合生成物を含む。
【0042】
1つ以上の態様において、重合温度は反応圧力における単一相の重合システムの冷点以上の温度である。より好ましくは、この温度は、この反応圧力における重合システムの冷点より2℃以上高い。他の態様において、温度は50℃乃至250℃の間、60℃乃至200℃の間、及び70℃及び180℃、又は80℃150℃の間である。他の態様において、この温度は50、60、70、80、90、95、100、110、又は120℃以上である。他の態様において、この温度は250、200、190、180、170、160、又は150℃以下である、1つ以上の態様において、この重合温度は約60℃乃至約160℃である。1つ以上の態様において、この重合温度は約80℃乃至約140℃である。
1つ以上の態様において、この重合温度は約80℃乃至約130℃である。1つ以上の態様において、この重合温度は約80℃乃至約105℃である。1つ以上の態様において、この重合温度は約80℃乃至約95℃である。1つ以上の態様において、この重合温度は約60℃乃至約65℃である。
【0043】
1つ以上の態様において、この重合温度は反応圧力における重合温度の固−液相遷移温度以上である。好ましくは、この温度はこの反応圧力の固−液相遷移温度より5℃以上高い。より好ましくは、この温度はこの反応圧力の固−液相遷移温度より10℃以上高い。
【0044】
1つ以上の態様において、この重合圧力は所与の温度の重合システムの液−液相遷移温度よりも低い。1つ以上の態様において、この重合圧力は、所与の反応温度における重合システムの冷点よりも2MPa低い。1つ以上の態様において、この圧力は13.8MPa乃至300Mpaの間、20MPa乃至200Mpaの間、又は20MPa乃至150Mpaの間である。1つ以上の態様において、この圧力は10、15、20、30、又は40MPaである。1つ以上の態様において、この圧力は500、300、250、100、又は50MPa以下である。1つ以上の態様において、この圧力は、10乃至200MPaの間、10乃至100MPaの間10乃至50MPaの間、10乃至40MPaの間、10乃至30MPaの間、10乃至20MPaの間、又は10乃至15MPaの間、10乃至14MPaの間、又は10乃至13MPaの間、又は10乃至12MPaの間、10乃至11MPaの間である。1つ以上の態様において、この圧力は13MPa以上である。1つ以上の態様において、この圧力は約13MPa乃至約35MPaである。1つ以上の態様において、この圧力は約13MPa乃至28Mpaである、1つ以上の態様において、この圧力は約13MPa乃至約20MPaである、1つ以上の態様において、この圧力は13.8MPaである。
モノマー
【0045】
1つ以上の脂肪族二重結合及び2つ以上の炭素原子を有するモノマーを用いることができる。好適なモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、及びデセン−1等のαオレフィン、スチレン、パラメチルスチレン、ビニルシクロヘキセンン等の置換オレフィン、ビニルシクロヘキセン等のパラメチルスチレン、ビニルシクロヘキセン等の非共役ジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等のα−ωジエン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン等のシクロオレフィン、ノルボルネンなどがある。
【0046】
1つ以上の態様において、飽和モノマーを用いることができる。好適なモノマーとしては、C2乃至C100オレフィン、好ましくはC2乃至C60オレフィン、好ましくはC3乃至C40オレフィン、好ましくはC3乃至C20オレフィン、好ましくはC3乃至C12オレフィンを含む。幾つかの態様において、好適なモノマーは直鎖、分岐鎖、又は環状アルファオレフィン、好ましくはC3乃至C100アルファオレフィン、好ましくはC3乃至C60アルファオレフィン、好ましくはC3乃至C40アルファオレフィン、好ましくはC3乃至C20アルファオレフィン、好ましくはC3乃至C12アルファオレフィンを含む。好適なオレフィンモノマーはプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、デセン、ドデセン、4−メチル−ペンテン−1、3−メチルペンテン−1,3,5,5−トリメチルヘキセン−1、及び50エチル−1−ノネンがある。
【0047】
1つ以上の態様において、30までの炭素原子を含む芳香族基含有モノマーを用いることができる。好適な芳香族含有モノマーは更に少なくとも1つの芳香族部分、好ましくは1乃至3の芳香族部分を含むものであり、より好ましくはフェニル、インデニル、フルオレニル、又はナフテニル部分を含む。この芳香族基含有モノマーは更に、重合の後に、芳香族構造がポリマー主鎖からペンダントになる、重合可能な二重結合を少なくとも1つ含む。この芳香族基含有モノマーは更にC1乃至C10アルキル基を含むがこれらに限定されない1つ以上のヒドロカルビル基で置換されている。追加的に、2つの隣接する置換基を結合して環構造を形成してもよい。好適な芳香族基含有モノマーは、重合可能なオレフィン部分に結合する少なくとも1つの芳香族構造を含む。特に好適な芳香族部分はスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、アルキルベンゼン、インデン、特にスチレン、パラメチルスチレン(前述に列挙したもの)、4−フェニル−1−ブテン、及びアルキルベンゼンを含む。
【0048】
1つ以上の態様において、非芳香環含有モノマーを用いることができる。これらのモノマーは30までの炭素原子を含む。好適な非芳香環基含有モノマーは、好ましくは、環構造上のペンダントになるか又は環構造の一部である、少なくとも1つの重合可能なオレフィン基を含む。この環構造はC1乃至C10アルキル基を含むがこれらに限定されない1つ以上のヒドロカルビル基により更に置換されていてもよい。好適な非芳香環基含有モノマーはビニルシクロへキサン、ビニルシクロへキサン、ビニルシクロノルボルネン、エチリデンノルボルネン、シクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロブテン、ビニルアダマンタンなどを含む。
【0049】
1つ以上の態様において、ジオレフィンモノマーを用いることができる。好適なジオレフィンモノマーは、少なくとも2つの不飽和結合を有する、任意の炭化水素構造、好ましくはC4乃至C30の炭化水素を含む。ここで少なくとも2つの不飽和結合が立体特異性又は非立体特異性触媒のいずれかによりポリマーに容易に取り込まれる。このジオレフィンモノマーが、アルファ、オメガ−ジエンモノマー(即ち、ジビニルモノマー)から選択されることが好ましい。より好ましくは、このジオレフィンモノマーは直鎖ジビニルモノマーであり、最も好ましくは4乃至30炭素原子を含む直鎖ジビニルモノマーである。好適なジエンの例としては、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、ノナジエン、ドデカジエン、ウンデカジエン、トリデカジエン、テトラデカジエン、ペンタデカジエン、ヘキサデカジエン、ヘプタデカジエン、オクタデカジエン、ノナデカジエン、イコサジエン、ヘネイコサジエン、ドコサジエン、トリコサジエン、テトラコサジエンを含み、特に好適なジエンは1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,10−ウンデカジエン、1,11−ドデカジエン、1,12−チルデカジエン、1,13−テトラデカジエン、及び低分子量ポリブタジエン(1000g/mol以下のMw)を含む。好適なシクロジエンは、シクロペンタジエン、ビニルノルボルネン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、ジビニルベンゼン、ジシクロペンタジエン、又は各種位置での置換を含む又は含まない、多環含有ジオレフィンを含む。
ポリマー生成物
【0050】
好適な態様において、本発明の方法はホモポリマー又はコポリマーを生成するのに用いられる。好適なポリマー生成物は前記モノマーの任意のホモポリマー又はコポリマーを含む。好適な態様において、このポリマーはC3乃至C12アルファオレフィンのホモポリマーである。好ましくは、このポリマーはプロピレンのホモポリマーである。他の態様において、このポリマーはプロピレンとエチレンを含むコポリマー、好ましくは40重量%未満のエチレン、好ましくは30重量%未満のエチレン、より好ましくは20重量%未満のエチレンを含む。他の態様において、このポリマーはプロピレンと1つ以上の前述のモノマーとを含むコポリマーである。他の態様において、このポリマーは1つ以上のジオレフィンモノマーを含み、好ましくは、1つ以上のC6乃至C40非共役ジエン、より好ましくはC6乃至C40α,ωジエンを含む。
【0051】
他の好適な態様において、本発明により生成されるポリマーはプロピレンと1つ以上のC2又はC4乃至C20直鎖、分岐又は環状モノマー、好ましくは1つ以上のC2又はC4乃至C12直鎖、分岐、又は環状αオレフィンとのコポリマーである。好ましくは、本明発明により生成されるポリマーはプロピレンと、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、4−メチル−ペンテン−1,3−メチルペンテン−1、及び3,5,5−トリメチルヘキセン1とのコポリマーである。
【0052】
他の好適な態様において、本発明により生成されるポリマーは、立体特異又は非立体特異触媒により重合することができる、C3乃至C30プロキラルアルファオレフィン又はC5乃至C30環含有オレフィン又はこれらの組み合わせの1つ以上のコポリマーである。本明細書で用いる、プロキラルは、立体特異的な触媒を用いて重合したときにアイソタクチック又はシンジオタクチックの形成に好適なモノマーを意味する。
【0053】
好適な態様において、本発明のコポリマーは少なくとも50モル%第一モノマーと50重モル%までの他のモノマーを含む。
【0054】
他の態様において、このポリマーは50乃至98モル%、好ましくは60乃至95モル%、好ましくは70乃至95モル%のプロピレン、2乃至50モル%、好ましくは2乃至40モル%、より好ましくは5乃至30モル%のコモノマー(第二のモノマー)、並びに1乃至5モル%、より好ましくは0.5モル%乃至モル%、最も好ましくは1乃至3モル%のターモノマー(第三のモノマー)を含む。
【0055】
1つ以上の態様において、第一モノマーはプロピレン、ブテン(及びこれらの全異性体)、ペンタン(及びこれらの全異性体)、ヘキセン(及びこれらの全異性体)、ヘプタン(及びこれらの全異性体)、及びオクテン(及びこれらの全異性体)を含むC3乃至C8直鎖分岐、又は環状αオレフィンを含む。好適なモノマーはプロピレン、4−メチルペンテン−1,1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、シクロへキセン、シクロオクテン、ヘキサジエン、シクロヘキサジエン等を含む。
【0056】
好適な態様において、このコモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプンテン、及びオクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセン、ブタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、ペンタジエン、オクタジエン、ノナジエン、デカジエン、ドデカジエン、スチレン、3,5,5−トリメチルヘキセン−1,3−メチルペンテン−1,4−メチルペンテン−1、シクロペンタジエン、及びシクロヘキセンを含む、C2乃至C40直鎖、分岐、又は環状アルファオレフィン(エチレンが提供される場合は10モル%以下、好ましくは5モル%以下)の1つ以上を含む。
【0057】
1つ以上の態様において、ターポリマーは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプンテン、及びオクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセン、ブタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、ペンタジエン、オクタジエン、ノナジエン、デカジエン、ドデカジエン、スチレン、3,5,5−トリメチルヘキセン−1,3−メチルペンテン−1,4−メチルペンテン−1、シクロペンタジエン、及びシクロヘキセンを含む、C2乃至C40直鎖、分岐、又は環状アルファオレフィン(エチレンが提供される場合は5モル%以下)の1つ以上を含む。
【0058】
好適な態様において、任意の前述のポリマーは組成物の総重量に基づいて、5重量%まで、好ましくは0.00001乃至1重量%、好ましくは0.002乃至0.5重量%、更に好ましくは0.003乃至0.2重量%、までの1つ以上のジエンを更に含む。幾つかの態様において、700重量ppm以下の、好ましくは500重量ppm以下、好ましくは400重量ppm以下のジエンが重合原料に添加される。他の態様において、少なくとも100重量ppm、又は150重量ppm以上、又は200重量ppm以上のジエンが重合に添加される。
【0059】
他の態様において、本発明の方法は、エチレン、例えば、C4乃至C20オレフィン、C4乃至C20ジオレフィン、C4乃至C20環状オレフィン、C8乃至C20スチレン系オレフィンの他のαオレフィン、αオレフィンジオレフィン、又は非共役ジオレフィンモノマーを用いてプロピレンコポリマーを生成するのに用いる。前述で特定されたもの他に他の飽和モノマーを本発明の方法を用いて共重合することができ、そのようなモノマーは、態様において、スチレン、アルキル置換スチレン、エチリデンノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ビニルシクロへキセン、ビニルシクロヘキセン、アクリレート、及びシクロペンテン、ノルボルネン、及びアルキル置換ノルボルネン等の他の環状お礼fンを含む他のオレフィン系不飽和モノマーがある。共重合はその場で形成された又は他の源からのαオレフィンマクロモノマーも取り込むことができる。幾つかの発明の態様はαオレフィンマクロモノマーの共重合を2000マー以下のマクロモノマーに限定する。U.S.6,300,451号は多くの有用なコモノマーを開示する。この開示でこのコモノマーとされているものは、本明細書置ける「第二モノマー」である。
【0060】
他の態様において、プロピレンコポリマーを説明する場合、以下のモノマーがプロピレンと共重合される:エチレン、but−1−ene、hex−1−ene、4−メチルペント−1−エン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、C4乃至C2000、C4乃至C200又はC4乃至C40直鎖分岐αωジエン、C4乃至C2000、C4乃至C200、又はC4乃至C40環状オレフィン、並びにC4乃至C2000、C4乃至C200、C4乃至C40直鎖又は分岐鎖αオレフィン。
触媒システム
【0061】
前述のモノマーを重合することができる任意の重合触媒を、もし触媒が十分に活性であるならば、本明細書で開示する重合条件下に用いることができる。従って、第3乃至10族遷移金属が好適な重合触媒を形成することができる。好適なオレフィン重合触媒は、アルキル不飽和に配位させ、又のほかの方法で一緒に用いることができる。例示的であり非限定的なオレフィン重合触媒はチグラナッタ触媒化合物、メタロセン触媒化合物、及び他の非メタロセン触媒化合物を含む。特に有用なメタロセン触媒及び非メタロセン触媒化合物はU.S.SerialNo.10/667585の段落[0081]乃至[0111]及びU.S.SerialNo.11/177004の段落[0173]乃至[0293]に記載のものである。これらの段落を参照により本明細書に援用する。
【0062】
開示の方法は触媒化合物の混合物を用いてポリマーの所望の性質を選択することができる。混合された触媒システムはインラインブレンド法を用いて所望の物理的又は分子の性質を変更又は選択する。例えば、混合触媒システムを本発明の方法又は本発明のポリマーに用いて、アイソタクチックポリプロピレンの分子量分布を制御することができる。本発明の他の態様において、重合反応は2つ以上の異なる触媒化合物を同時又は連続して活性化させることができる。特に、2つの異なる触媒化合物は同じか又は別の活性剤で活性化され、同時又は別々に重合システムに導入される。任意で、これらのシステムは、ジエン取り込みに用いて、混合触媒システム及び高レベルのビニル末端ポリマーを用いた長鎖分岐形成を促進することができる。
【0063】
前述のように、2つ以上の触媒化合物を一緒に用いることができる。他の形態において、この触媒の組み合わせは以下の2つ以上を含む:
μ−ジメチルシリルビル(−2−メチル1,4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、
μ−ジメチルシリルビル(−2−メチル1,4−フェニルインデニル)ジルコニウム(ハフニウムでもよい)ジメチル、
1,1’−ビス(4−トリエチルシリルフェニル)メチレン−(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tertiary−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、
1,1’−ビス(4−トリエチルシリルフェニル)メチレン−(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tertiary−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジメチル、
ジメチルシリルリル(テトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミド)チタニウムジメチル、
ジメチルシリルリル(テトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミド)チタニウムジクロライド、
1,1’−ビス(4−トリエチルシリルフェニル)メチレン−(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tertiary−ブチル−9−フルオレニル)ジハフニウムジクロライド、
1,1’−ビス(4−トリエチルシリルフェニル)メチレン−(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tertiary−ブチル−9−フルオレニル)ジハフニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(インデニル)ジクロライド、
ジメチルシリルビス(インデニル)ハフニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシリルビス(2−メチルフルオレニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチル−5,7−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシリルビス(2−メチル−5,7−プロピルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチル−5−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシリルビス(2−メチル−5−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−エチル−5−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシリルビス(2−エチル−5−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、
ジメチルシリルビス(2−メチル−5−ビフェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、及びジメチルシリルビス(2−メチル−5−ビフェニルインデニル)ジルコニウムジメチル。
【0064】
触媒化合物の組合せとしては、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(ドデシルアミド)チタニウムジクロライド及びμ−ジメチルシリルビス(−2−メチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライドがある。他の触媒化合物の組合せはジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(ドデシルアミド)チタニウムメチル及びμ−ジメチルシリルビス(−2−メチル,4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチルを含む。更なる触媒化合物の組合せは、1,1’−ビス(4−トリエチルシリルフェニル)メチレン−(シクロペンテジエニル)(2,7−ジ−tertiary−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド及びμ−ジメチルシリルビス(−2−メチル、4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライドがある。更なる他の触媒化合物の組合せは、1,1’−ビス(4−トリエチルシリルフェニル)メチレン−(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tertiary−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジメチル及びμ−ジメチルシリルビス(−2−メチル,4−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチルがある。
【0065】
他の触媒化合物の組み合わせは、任意の上の触媒(好ましくは、ジメチルシリルリルビス,2,5,5−テトラメチル−インデニル)ジルコニウムジクロライドと、ジメチルシリルリルビス(2−メチル、5−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルリルビス(2−ル,5−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルビス(2−メチル、5−フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(2−メチル、5−フェニル−インデニル)Zr(N−R)2
式中Rはメチル、エチル、ブチル、又はヘキシル)の1つ以上との組み合わせを含む。
【0066】
本発明の方法は重合反応のセクションでの反応器のいずれかに1つ以上の触媒を用いる。触媒の任意の数を本発明の重合反応領域の反応器のいずれかで活性化させることもできる。実施の理由から、所与の反応器中では5つを超えない触媒が好ましく、3つを超えない触媒が更に好ましい。本発明の方法は本発明の反応器領域の異なる別個の反応器において同じ又は異なる触媒又は触媒混合物を用いることができる。実施の理由から、本発明の重合方法において、10個を超えない触媒の活性化がこのましく、6つを超えない触媒の活性化がより好ましい。
【0067】
本発明の方法において活性化された1つ以上の触媒は重合システムに均一に溶解されるか、又は反応器の不均一な固形相を形成する。均一な溶解触媒を用いた操作が好ましい。触媒が固形相として、重合反応基中に存在する場合、触媒は担持されていてもいなくても良い。本発明の方法は重合領域の1つ以上の別々の反応器に、均一及び不均一触媒の組み合わせを同時に使用することもできる。即ち、本発明の重合領域の任意の反応器が1つ以上の均一触媒及び1つ以上の不均一触媒を同時に使用することができる。
【0068】
本発明の方法は本発明の重合反応器で活性化する均一及び不均一触媒の任意の組み合わせを使用することができる。これらの組み合わせは幾つかの又は全ての反応物が単一の触媒及びを用いる場合、いくつか又は全ての反応器が1つ以上の触媒を用いる場合を含む。本発明の方法において活性化させる1つ以上の触媒は液体重合システムに分散することができ、又は固定触媒床に含まれている、ヒュームドシリカを担体として用いて、粒子上に担持させることができる。
【0069】
担持触媒粒子が重合システム中に分散している場合、重合生成物中に残る又は重合反応領域の下流にある分離システムで排出液から、その結晶化する前の生成物から分離される。もし触媒粒子が回収されたならば、それらは廃棄されるか、あるいは再生をして又はしないで、再利用することができる。この触媒も、まっすぐな又は曲がったチャンネル、反応器壁、内部管等を含むモノリスト等の構造的な担体上に担持されていてもよい。これらの構造的な担体は不均一触媒の分野でよく知られている。
【0070】
触媒が担持されている場合、分散された又は他の方法で粒子を定義することが好ましい。触媒が分散された粒子上に担持されている場合、触媒回収を行わずに操作することが好ましい。即ち、触媒は本発明の方法のポリマー生成物中に残されたままである。重合システムに分散している担持されていない触媒が最も好ましい。この触媒は数多くの方法で反応器に導入することができる。例えば、触媒はモノマーを含む供給原料と一緒に又は、これとは別に反応器に導入される。
【0071】
加えて、この触媒は1つ以上のポートを通じて官能基に導入することができる。もし複数のポートを触媒の導入に用いるならば、これらのポートは反応器の長さに沿って、同じか又は違う位置に設置されている。別々のポートを通じて触媒の量及びタイプを調整することで分子量、成分、組成分布、結晶性等のポリマー性質を調節することができる。
【0072】
イオン的化学量論活性剤化合物は活性部分又は幾つかのカチオンを一緒に(しかし配位していない)、又はゆるく配位している、イオン化化合物の残りのイオンを含む。そのような化合物はEP−A−0570982,EP−A−0520732,EP−A−0495375,EP−Bl−0500944,EP−A−0277003及びEP−A−0277 004,及びU.S. Pat. Nos. 5,153,157;5,198,401; 5,066,741;5,206,197;5,241,025;5,384,299及び5,502,124、並びに1994年8月3日に出願されたU.S.特許出願Ser. No.08/285,380に記載されている。これらの文献を参照により本明細書に援用する。
非イオン化活性剤
【0073】
活性剤は通常、イオン化又は非イオン化活性剤のいずれかの役割をすることができる強ルイス酸である。イオン化活性剤として説明されている活性剤は非イオン化活性剤としても使用することができる。
【0074】
ホルマール中性リガンドの抽出はホルマール中性リガンドに親和性を示すルイス酸を用いて行うことができる。これらのルイス酸は通常不飽和又は弱く配位している。非イオン化活性剤の例としては、R10(R11)3、を含む。式中、R10は13族元素であり、R11は水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、又はハフニウム基である。通常、R11はアレン又はペルフルオレオアレンである。活性剤の非限定的な例は低価数のオレフィン錯体等の弱はいい遷移金属化合物も含む。
【0075】
非イオン化活性剤の非限定的な例としては、BMe、MEt、B(iBu)、Bph、B(C、AlMe、AlEt、Al(iBu),AlPh,B(C、アルミノキサン、CuCl、Ni(1,5−シクロオクテジエン)2がある。
【0076】
追加的な中性ルイス酸は当分野で知られており、ホルマール中性リガンドを抽出するのに適している。特に、E. Y.−X. Chen and T. J. Marks, “Cocatalysts for Metal−Catalyzed Olefin Polymerization: Activators, Activation Processes, and Structure−Activity Relationships”, Chem.Rev.,100,1391−1434(2000)による文献の検討を参考にこと。
【0077】
好適な非イオン化活性剤はR10(R11を含む。式中R10は第13族元素でありR11は水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、又は官能基である。1つ以上の態様において、R11はアレン、又はペルフルオロアレンである。
【0078】
他の非イオン化活性剤はB(R12を含む。式中R12はアレン又はペルフルオロアレンである。例示的な活性剤の幾つかのは、PhNMeB(CB(C)4、及びB(C等のペルフルオロアリルボロン及びペルフルオロアリルボレエートに基づいた非及びインデニル活性剤を含む。用いることができる追加的な活性剤は、WO03/0644331A1に記載されている。該文献を参照により本明細書に援用する。
担体
【0079】
他の態様において、本発明の触媒組成物は担体又はキャリアを含む。例えば、1つ以上の触媒組成物及び/又は1つ以上の活性剤は1つ以上の担体又はキャリアに、付着、接触され、液化され、結合され、又はその中に導入され、吸着又はその中に吸着させることができる。
【0080】
この担体物質は従来の担体物質のいずれかでよい。好ましくは、この担体物質は細孔性物質であり、例えば、タルク、無機酸化物、又は無機塩化物である。他の担体物質は、ポリスチレン、ポリスチレンジビニルベンゼンポリオレフィン等の官能化された又は架橋された有機担体、又はポリマー化合物、ゼオライト、クレイ、又は任意の他の有機又は無機単体物質、又はこれらの混合物を含む。
【0081】
好適な担体物質は2、3、4、5、13、又は14金属酸化物を含む無機酸化物である。好適な担体は、シリカを含む。このシリカは脱水、焼成、されていてもいなくてもよく、アルミナ(WO99/60033)、シリカアルミナ、及びこれらの混合物でもよい。他の有用な担体はマグネシア、チタニア、ジルコニア、塩化マグネシウム(U.S.5,965,477)、モントモリロナイト(EP−B10511655)、フィロシリケート、ゼオライト、タルク、クレイ(U.S.6,034,187)等を含む。更に、これらの担体物質の組み合わせも用いることができ、例えば、シリカ−クロミニウム、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア等がある。追加的な担体はEP0767184B1に記載の細孔性アクリルポリマーを含む。該文献を参照により本明細書に援用する。他の担体物質は、PCTWO99/47598号に記載のナノコンポジット、U.S.5,972、510に記載の球状物質及びWO99/50311に記載のポリマー性ビーズを含む。これらの文献を参照により本明細書に援用する。
【0082】
担体物質、最も好ましくはは無機酸化物は約10乃至約700m/gの範囲の表面面積、約0乃至約4.0cc/gの範囲の細孔容量、及び約0.02乃至約50μmの範囲の平均粒子サイズを有する。より好ましくは、この担体物質は約50乃至約500m/gの範囲の表面エリア、約0乃至3.5cc/gの細孔容量、約0.02乃至約20μmの平均粒子サイズを有する。最も好ましくは、この担体物質は約100乃至約400m2/gの表見面積、約0乃至約3.0cc/gの細孔容量、及び約0.02乃至約10μmの平均粒子サイズを有する。
【0083】
非細孔性担体も本明細書に開示の方法に担体として用いることができる。例えば、好適な態様において、U.S.6,590,055に記載の非細孔性ヒュームドシリカ担体を用いることができる。
【0084】
本発明の方法に用いるのに有用な追加的な活性剤はU.S.6,531,522及び/又はEP1160261A1に記載のように、(HSO等の)酸で処理し、その後で金属アルキル(トリエチルアルミニウム)と組み合わせたクレイを含む。これらの文献を参照により本明細書に援用する。
【0085】
担持されることができる好適な単体は、最大で−8.2pKaの酸性部位、中和のために消費される2,6−ジメチルピリジンの少なくとも0.05mmol/gに等しい酸性部位の量を有するイオン交換層状シリケートを含む。好適な例としては、化学的に処理されたスメクティック基シリケート、酸処理スメクティック基シリケートがある。本発明に有用な追加的な公的なイオン交換層状シリケートの例としては、“Clay Minerals(Nendo Kobutsu Gaku)”Haruo Shiramizu著(朝倉書店から1995年に出版)に記載のような、1:1タイプ構造又は2:1タイプ構造を有するシリケートがある。
【0086】
主な構成層として1:1層を含むイオン交換層状シリケートの例としては、ディケイト、カオリン、メタハロサイト、ハロサイト等のカオリンクループシリケート並びにクリソタイト、リザルダイト、アンチゴライト等の雲母グループがある。本発明に有用なイオン交換層状シリケートの追加的な好適な例としては、2:2層を主要成分として含むイオン交換層状シリケートがある。該シリケートの例としては、モントモリロナイト、ベイライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクタイト、ステペンスタイト等のクメクティックグループシリケート、バーミキュライト等のバーミキュライトグループシリケート、マイカ、イライト、雲母石、ガウコナイト等のマイカグループシリケート、並びにアタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、パイロフィライト、タルク、キロライト等がある。これらのクレイは、酸、塩、アルカリ、酸化剤、還元剤、又はイオン交換層状シリケートの層の間に割り込み可能な化合物を含む処理剤に接触させる。インターカレーションの意味は、層状物質の層の間に他の物質を導入することを意味し、導入される物質をゲスト化合物と言う。これらの処理のなかで、酸処理又は塩基処理が特に好ましい。処理されたクレイはその後、TEAL等の活性化合物及び触媒に接触させられ、オレフィンを重合する。
【0087】
他の態様において、重合システムは5重量%未満、好ましくは4重量%未満、より好ましくは3重量%未満、より好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満、より好ましくは1000ppm未満、より好ましくは705ppm未満、より好ましくは500ppm未満、より好ましくは250ppm未満、より好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、より好ましくは10ppm未満の極性物質を含む。極性物質はアルコール、酸素、ケトン、アルデヒド、及びエーテル等の酸素含有化合物(アルモキサンを除く)を含む。
【0088】
他の好適な態様において、重合システムは5重量%未満、好ましくは4重量%未満、より好ましくは3重量%未満、より好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満、より好ましくは1000ppm未満、より好ましくは705ppm未満、より好ましくは500ppm未満、より好ましくは250ppm未満、より好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、より好ましくは10ppm未満のトリメチルアルミニウム及び/又はトリエチルアルミニウムを含む。
【0089】
他の好適な態様において、重合システムはメチルアルモキサンと、5重量%未満、好ましくは4重量%未満、より好ましくは3重量%未満、より好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満、より好ましくは1000ppm未満、より好ましくは705ppm未満、より好ましくは500ppm未満、より好ましくは250ppm未満、より好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、より好ましくは10ppm未満のトリエチルアルミニウムとを含む。
【0090】
本発明の好適な方法では、細かく粉砕された担持触媒を用いて、1.0モル%のhex−1−エンを含むプロピレン/1−ヘキセンコポリマーを調製することができる。細かく粉砕された担持触媒に加えて、本発明の方法は、200オングストローム乃至1500オングストロームの範囲の担体粒子径を有するヒュームドシリカを用いることができる。小さな粒径は反応媒体からコロイドを形成する。
シカベンジャー
【0091】
触媒を分解せずに不純物を分解する化合物は重合分野の当業者にスカベンジャーと言われている。不純物はそれらの活性を減らすので触媒に有害である。スカベンジャーは本明細書で開示されている方法の反応器に任意で供給することができる。触媒活性は多くの異なる方法で定義することができる。例えば、触媒活性は遷移周波数(転換頻度)、即ち、触媒1モルにより、単位時間当たりにモノマーが生成物に転換されるモル数で、表すことができる。同じ滞留時間で操作する所与の反応器について、触媒活性は、通常触媒重量当たりから生産されるポリマー重量として表す、触媒生産性の観点からも測定される。
【0092】
本発明の方法に用いるスカベンジャーは触媒活性剤とは異なる化合物である。スカベンジャーの非限定的な例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、及びトリオクチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化合物がある。このスカベンジャーは触媒活性剤と同じものでもよく、触媒の活性化に必要な充分量より過剰に用いられる。これらのスカベンジャーはメチルアルモキサン等のアルモキサンを含むがこれらに限定されない。このスカベンジャーをモノマー原料と一緒に、又は他の原料流れと共に、反応器に導入する。1つの特定の態様において、このスカベンジャーはモノマー含有流れと一緒に導入される。このスカベンジャーは重合システムに均一に溶解されており、又は別個の固形相を形成していてもよい。1つの特定の態様において、スカベンジャーは重合システムに溶解されている。
溶媒/希釈剤
【0093】
本発明に用いるのに好適な溶媒/希釈剤は、C2乃至C24アルケンの1つ以上、好ましくはプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、混合ヘキサン、シクロペンタン、シクロへキサン等、トルエン及びキシレン等の単環芳香族化合物を含む。幾つかの好適な態様において、希釈剤は、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、イソペンタン、及びヘキサンの1つ以上を含む。好適な態様において、希釈剤は再利用可能である。
【0094】
好適な希釈剤はC4乃至C150イソパラフィン、好ましくはC4乃至C100イソパラフィン、好ましくはC4乃至C25イソパラフィン、より好ましくはC4乃至C20イソパラフィンも含む。イソパラフィンとは各パラフィン鎖の少なくとも一部分で、分岐に沿ったC1乃至C10アルキル分岐を有するパラフィン鎖を意味する。より具体的には、イソパラフィンは少なくとも1つの炭素原子又は少なくとも1つの側鎖に結合している少なくとも1つの炭素原子を有する分子(即ち、1つ以上の3級又は4級炭素を有する分子)であり、及び好ましくは6乃至50の間、及び他の態様において10乃至24の間、更なる態様において10乃至15の間の範囲の炭素原子を1分子当たり有する分子である、飽和脂肪族炭化水素である。各炭素数の各種異性体が通常存在している。イソパラフィンは通常、マイナー成分である、分岐側鎖を有するシクロパラフィンも含む。好ましくは、これらのイソパラフィンの密度(ASTM4052、15.6/15.6℃)は0.65乃至0.83g/cmの範囲内であり、流動点は−40℃以下、好ましくは−50℃以下であり、粘度(ASTM445、25℃)は25℃で0.5乃至20cStであり、及び平均分子量は100乃至300g/molの範囲である。幾つかの好適なイソパラフィンはISOPAR(エクソンモービル ケミカル カンパニー、ヒューストン、テキサス)の商標で市販されており、例えば、U.S.6,197,285及び3,439,088に記載されている。ISOPARシリーズのイソパラフィンも市販されている。他の好適なイソパラフィンもSHELLOL(シェル)、SOLTROL(シェヴロンフィリップ)、及びSASOL(Sasolリミテッド)の商標で販売されている。SHELLOL、例えば、Shellol TM(沸点範囲=215乃至260℃)はロイヤルダッチ/シェルグループカンパニーの製品である。SOLTROLはシェブロンフィリップスケミカルの製品であり、例えば、SOLTROL220(沸点=233乃至280℃)がある。SASOLはSasol(ヨハネスブルグ、南アフリカ)の製品であり、例えば、SASOL LPA−210、SASOL−47(沸点=238−274℃)がある。
【0095】
他の態様において、好適な希釈剤は、0.1%未満、好ましくは0.01%未満の芳香族種を含むC4乃至C25n−パラフィン、好ましくはC4乃至C20n−パラフィン、好ましくはC4乃至C15n−パラフィンを含む。幾つかの好適なn−パラフィンはNORPAR(エクソンモービル ケミカル カンパニー、ヒューストン、テキサス)及びNORPARシリーズの商標で市販されているものである。他の態様において、好適な希釈剤はノルマルパラフィン、イソパラフィン、及びシクロパラフィンの混合物を含む脱芳香化(dearomaticized)脂肪族炭化水素を含む。通常、これらはC4乃至C25、好ましくはC5乃至C18、好ましくはC5乃至C12ノルマルパラフィン、イソパラフィン、及びシクロパラフィンの混合物である。これらは非常に微量の芳香族炭化水素、好ましくは0.1、好ましくは0.01の芳香族種を含む。好適な脱芳香化脂肪族炭化水素はEXXSOL(エクソンモービル ケミカル カンパニー、ヒューストン、テキサス)の商標で販売されており、及びEXXSOLシリーズとして市販されている。
【0096】
他の態様において、希釈剤は20重量%までの、C6乃至C14オレフィンのオリゴマー及び/又は6乃至14炭素原子、より好ましくは8乃至12炭素原子、より好ましくは10炭素原子を有し、(ASTMD445で測定して)10以上の動的粘度、好ましくは100以上のASTMD2270で決定される粘度指数(VI)を有する、直鎖オレフィンオリゴマーを含む。
【0097】
他の態様において、希釈剤はC20乃至C1500パラフィン、好ましくはC40乃至C1000パラフィン、好ましくはC50乃至C750パラフィン、好ましくはC50乃至C500パラフィンのオリゴマーを20重量%まで含む。他の態様において、希釈剤は、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、及び1−ドデセンの水素仕上げされたオリゴマーを20重量%まで含む。そのようなオリゴマーはSHF及びSuperSynPAO(エクソンモービル ケミカル カンパニー、ヒューストン、テキサス)として市販されている。他の有用なオリゴマーはシェブロンフィリップケミカル社(パセエデナ、テキサス)からのSynfluid(商標)、BP Amocoケミカルズ(ロンドン、英国)、Nexbase(商標)(Fortum Oil and Gas)(フィンランド)、Synton(商標)(Crompton社、Middlebury、CN、USA)、EMERY(商標)(Conign社、オハイオ、米国)の商標で販売されているものを含む。
【0098】
他の態様において、希釈剤はフッ化炭化水素を含む。本発明に用いるのに好適なフッ化炭化水素は、過フッ化炭化水素(PFC)及び/又はヒドロフルオロカーボン(HFC)を含み、相称して「フッ化炭化水素」又は「フルオロカーボン」と言う。フルオロカーボンは少なくとも1つの炭素原子と少なくとも1つのフッ素原子、及び任意で水素原子からなる化合物であると定義される。ペルフルオロカーボンは炭素原子とフッ素原子とからなり、例えば、直鎖、分岐鎖、又は環状のC1乃至C40ペルフルオロアルカンを含む化合物である。ヒドロフルオロカーボンは炭素、フッ素、及び水素のみからなる化合物である。好適なFCは式、CxHyFzで表されるものを含む。式中xは1乃至40、又は1乃至30、又は1乃至20、又は1乃至10、又は1乃至6、又は2乃至20、又は3乃至10、又は3乃至6、最も好ましくは1乃至3の整数である。yは0以上の整数である。zは少なくとも1の整数である。より好ましくはy及びzは整数であり、少なくとも1である。本発明及び特許請求の範囲の目的のために、ヒドロフルオロカーボン及びフルオロカーボンの語はクロロフルオロカーボンを含まない。
【0099】
他の態様において、フルオロカーボンの混合物は本発明の方法に用いられ、好ましくは過フッ化炭化水素とヒドロフルオロカーボンの混合物、より好ましくはヒドロフルオロカーボンの混合物が用いられる。更なる態様において、ヒドロフルオロカーボンは用いるHFCのフッ素原子の多くが分岐しているか又はしていない。
【0100】
本明細書で説明するフルオロカーボンに加えて、Raymond Willら、CEH Marketing Report, Fluorocarbons,1−133ページ,by the Chemical Economics Handbook−SRI International, April 2001に記載のフルオロカーボンも含まれる。
【0101】
他の好適な態様において、本発明の方法に用いるフルオロカーボンはジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、及び1,1,1,1,2−テトラフルオロエタン、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0102】
1つの特に好適な態様において、本発明の方法に有用な市販のフルオロカーボンは、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンの化学名を有するHFC−236fa、1,1,1,2−テトラフルオロエタンの化学名を有するHFC−134a、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの化学名をを有するHFC−245fa、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの化学名を有するHFC−365mfc、オクタフルオロシクロブタンの化学名を有するR−318、及び2,3−ジヒドロデカフルオロペンタンの化学名を有するHFC43−10meeを含む。
【0103】
他の態様において、フルオロカーボンは過フッ化C4乃至C10アルケンではない。他の態様において、フルオロカーボンはペルフルオロデカリン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロへキサン、ペルフルオロメチルシクロへキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロ−1,3−ジメチルシクロへキサン、ペルフルオロノナン、又はペルフルオロトルエンではない。他の態様において、フルオロカーボンは反応器中に存在するフルオロカーボンと任意の炭化水素溶媒との重量に基づいて、1重量%より多く、好ましくは3重量%より多く、好ましくは5重量%より多く、好ましくは7重量%より多く、好ましくは10重量%より多く、好ましくは15重量%より多く存在する。幾つかの態様において、フルオロカーボンは、好ましくは重合反応媒体中に、媒体の容量に基づいて、0乃至20容量%、好ましくは0乃至10容量%、好ましくは0乃至5容量%、好ましくは0乃至1容量%存在する。
【0104】
重合システムの点において、好適な希釈剤及び溶媒は用いる重合温度及び圧力において、モノマー及び任意の他の重合成分中に可溶であるか、又はこれらに対して不活性である。
重合工程
【0105】
連続又は並行に配置されている1つ以上の反応器を用いることができる。触媒化合物及び活性剤は、溶液又はスラリーとして、反応器に添加する直前の領域で活性化され別々に反応器に提供されるか、あるいは活性化された溶液又はスラリーとして、予備活性され、反応器へ押し出される。好適な操作はライン上で活性化された2つの溶液である。重合は、単一の反応器へモノマー、コモノマー、触媒/活性剤、スカベンジャー、及び任意の修飾剤が連続的に添加される単一反応器あるいは前述の成分がそれぞれ2つ以上の連結された反応器に添加される、連続反応操作のいずれかで行う。触媒成分は連続する第一の反応器に添加することができる。触媒成分は第一の成分を第一反応器に添加し、第二の成分を他の反応器に添加するように、両方の反応器に添加することもできる。
【0106】
1つ以上の態様において、重合は、コモノマー反応器が実質的に重合反応成分と反応せず、重合反応の間に生じる高温及び高圧に耐えることができる、高圧反応器内で起こる。そのような反応器は本発明の目的のために、高圧反応器として知られている。これらの高温及び高圧に耐えることはこの反応器を均一な状態の重合システムを維持させる。高圧重合反応を維持するのに好適な反応管は本分野で知られている。好適な反応器は、オートクレーブ、ポンプアラウンドループ又はオートクレーブ、環状、及びオートクレーブ/管状反応器である。
【0107】
オートクレーブ反応器はバッチ又は連続モードで操作することができる。よりよい生産性を達成し、生産コストを低めるために、連続操作が商業的操作に好まれている。管状反応器は常に連続モードで操作できる。通常、オートクレーブ反応器は長さ対直径の比が1:1乃至20:1であり、高速多翼撹拌器(200RPMまで)を装着している。商業的なオートクレーブの圧力は、通常5MPaより高いが最大で20MPa未満である。しかしながら、市販オートクレーブの最大圧力は、機械エンジニアリング及びマテリアル科学における利点を高める。オートクレーブが(4未満のような)低い長さ対直径比を有する場合、原料流れは通常、反応器の長さに沿って1つの位置のみから供給される。大きな長さ対直径比を有する反応器は反応器の長さに沿って同じ位置に近い複数の注入ポイントを有していてもよいが、重合システムに用いる原料成分の内部混合をより早くするために、半径方向に分布されている。撹拌タンク反応器の場合、触媒を分離して導入することが可能であり、しばしば好まれている。そのような導入により反応器の混合ポイントと撹拌ポイントとの間の未撹拌供給領域におけるホットスポットが形成する可能性を避けることができる。反応器の長さに沿って2つ以上の位置での注入も可能であり、しばしば好まれている。例えば、長さ対直径の比が約4乃至20である場合、この反応器は好ましくは6つまでの別々の注入ポイントを含むことができる。更に、より大きなオートクレーブにおいて、1つ以上の側面に固定された装置が高速撹拌器を支えている。これらの固定する装置がオートクレーブを2つ以上の領域へ分割することもできる。撹拌による混合ブレンドは領域毎に異なり、別の領域において、高度に独立したプラグフローと逆混合の異なる程度を提供する。1つ以上の領域を有する2つ以上のオートクレーブを連続カスケードに連結して、滞留時間を長くし、又はポリマー構造を調整することができる。連続的に連結された2つ以上の反応器からなる連続反応器カスケードでは、少なくとも1つの上流の反応器の排出液が、このカスケードの次の反応器へ供給される。上流の反応器の排出液は別として、連続カスケード中の任意の反応器の供給を、追加的なモノマー、触媒、又は新たな又は再利用原料流れ溶媒で増幅することができる。2つ以上の反応器は並行配置においても増幅させることができる。そのような並行配置の個々のアームは反応器トレインと呼ばれる。これらの反応器トレインは、逆に、連続及び並行反応器の組合せを形成している1つの反応器又は反応器連続カスケードを含むこともできる。
【0108】
管状反応器は本発明の使用に適しており、特に約300MPaまでで操作することができる管状反応器が好ましい。好適な管状反応器は、外部冷却装置及び反応領域(管状)に沿った1つ以上の注入ポイントがある。オートクレーブの場合と同様に、これらの注入ポイントはモノマー(プロピレン等の)、1つ以上のコモノマー、触媒又はこれらの混合物の入り口として提供される。管状反応器において、外部冷却装置はオートクレーブに対するモノマー転換を高める。ここで、低い表面対容量比は任意熱除去を有意に抑制する。環状反応器は管に沿って圧力衝撃波を後に送ることができる特別のアウトレットバルブを有している。この衝撃波は操作の間に反応器の壁上に形成されたポリマー残渣を除去することに役立つ。壁付着物に関する他の方法は、内部表面を滑らかで磨かれていないように加工することである。好適な管状反応器は300Mpaまでの圧力で操作されるものであり、好ましくは100乃至2500メートルの長さと10cm未満の内部直径を有し、従って長さ/直径比が20,000を超えるものである。
【0109】
管状反応器とオートクレーブが一対になった反応器トレインも本発明の方法に用いることができる。そのような場合、管状反応器又は並行反応器配置の別々の反応幾トレインからの2つのタイプの反応器に先立って、通常オートクレーブが先行して配置される。そのようなシステムは、オートクレーブ及びより具体的には管の長さにそって、幾つかの位置で追加的な触媒及び/又は原料成分の注入ポイントを有する。
【0110】
オートクレーブ及び管状反応器の両方において、注入、原料は好ましくは室温程度以下に冷却されており、最大冷却を提供し、従って最大操作温度の限度内で最大ポリマー生産を提供する。オートクレーブの操作において、もし第一混合領域が幾つかのバック混合性質を有していたなら、反応が安定状態に達したときではく、開始時に、予熱器を操作する。管状反応器において、ダブルジャケットチュービングの第一セクションを冷却するよりはむしろ加熱して、連続的に操作する。好適に設計された管状反応器は、プラグフロー言われているものである。プラグフローは異なる最小放射状流を有する流れパターンである。マルチゾーンオートクレーブ及び管状反応器の両方において、触媒は反応器に沿った任意で1つ以上のポイントで注入口において注入される。この注入口又は他の注入ポイントで注入された触媒は、量、密度、濃度等が異なっていてもよい。反応器出口バルブにおいて、臨界的な相分離が生じるレベルまで圧力を低める。従って、分離管の下流はポリマーが豊富な相とポリマーをあまり含まない相とに別れる。オートクレーブ又は管状反応器排出液は高圧分離器(HPS)に入って、減圧される。プロピレンに基づく重合において、従来の高圧ポリエチレンポリマー製造技術の代替となり得る方法を設計することができる。
【0111】
反応器出口バルブにおいて、圧力を低下させてポリマー及び未反応モノマー、コモノマー、エタン、プロパン等の不活性物質、ヘキサン、トルエン等の溶媒等を分離する。この反応管の温度はポリマー生成物の結晶化温度以上に維持すべきであるが、圧力は、もし臨界点を決定できるなら、この臨界点以下にすることができる。この圧力は、標準的な冷却水に対して濃縮することができるのに充分に高くなるときだけ必要である。その後ポリエチレン単位に対して必要とされるハイパー圧縮器の代わりに液体ポンピングシステムを有する反応器へで液体再利用流れが再利用される。分離器内の相対的に低い圧力は液体ポリマー相のモノマー濃度を減らし、従って、より重合速度が低くなる。この重合速度は触媒毒又は「キラー」(失活剤)を添加しないでこのシステムを操作するのに充分低めることができる。もし触媒失活剤が必要であれば、(例えば、高圧再利用における反応を避けるために)これを供給して再利用されたプロピレン高含有流れから任意の触媒毒となる可能性のあるものをとり除く(例えば、固定吸着床又はアルミニウムアルキルを含むスカベンジャーの使用により)。
【0112】
代替的にHPSはモノマー又はモノマーブレンドの臨界圧力以上であり操作することができるが、モノマー/ポリマー2相領域の内ではできない。このことは、もしポリマーが改造された高圧ポリエチレン(HPPE)プラントで製造されるならば経済的に好ましい。再利用されたHPSオーバーヘッドを冷却し、HPPEプラント操作で通常用いる第二圧縮機のセクションに帰る前に「脱ロウ」する。
【0113】
この中間体又は高圧反応管からのポリマーはその他の圧力低下工程を経て低圧分離器へ行く。この反応間の温度をポリマーの融点上に維持して、この反応管からのコポリマーを液体として直接押出し成形又は静的混合に供給する。この反応管の圧力は圧縮器で低く維持して、前述のコンデンサー及びポンピングシステムへの未反応モノマーを回収する。
【0114】
オートクレーブ、管状反応器、又はこれらの反応器の組合せに加えて、ループタイプ反応器は本発明に有用である。このタイプの反応器において、インラインポンプで連続的に内容物(反応液体)を循環させている間、モノマーが入り、ポリマーが連続的に、ループに沿った異なるポイントにおいて、連続的に出て行く。この原料/生成物取り出し速度が合計平均滞留時間を制御する。冷却ジャケットはループから反応熱を除去する。
【0115】
通常、原料入り口温度を室温近く又はこれ以下にして、ポリマー生成物結晶化温度以上の反応操作において、発熱反応を冷却する。
【0116】
本発明の方法は短くは0.5秒乃至長くは1時間の滞留時間を有する。好適な態様において、この滞留時間は10秒乃至60分、好ましくは15秒乃至30分、より好ましくは30秒乃至30分、より好ましくは2分乃至30分である。幾つかの態様において、この滞留時間は10、30、45、50秒乃至1、5、10、15、20、25、及び60分から選択される。実務的な最大滞留時間は5、10、15、30、60分から選択される。通常、本発明の方法は1分乃至60分、より具体的には2分から30分の滞留時間を選択する。
【0117】
反応時間の間に収集されるポリマーの総量を反応に添加したモノマーの量で割ると、転換率となる。本発明についてのこのモノマーからポリマーへの転換率は90%程度である。実務的な理由から、例えば、粘度が限定されることから、低い転換率が好まれる。更に、実務的な理由から、モノマー再利用の費用が限定されることから、最小限の転換率が好まれる。従って、この方法は80、60以下のパーセント、3乃至80、5乃至80、10乃至70、15乃至70、20乃至70、25乃至60、3乃至60、5乃至60、15乃至60、20乃至60、10乃至50、10乃至40、40乃至50、15乃至40、20乃至40、又は30乃至40パーセント転換、好ましくは10より多く、又は20より多い転換率、の実務的な転換率で稼動する。
【0118】
触媒生産率は100乃至500,00kgPP/(kg触媒hr)の範囲である。これらの例えば、高いレベルの触媒生産性は、ポリマー生成物中に低い残余灰分を生じさせる。0.5重量%未満、特に0.3重量%未満、より具体的には0.1重量%の総残余灰分が好ましい。
コモノマー、二元触媒、及びポリマー構造
【0119】
触媒及び原料について複数の注入部分を有する反応器において、ポリマーデザインを整える可能性がある。異なる分子量及び構築可能性を有する1つ以上の触媒を使用すると、幅広い組成の組成物(例えば、長鎖分岐を有する二峰性、直鎖混合物)を得ることができる。各種オレフィンは所与の触媒に対して異なる反応性を有するので、プラグフロー操作は、もし原料が反応器の下流で注入されなかったならば、成分が漸減するであろうし、もし反応性の高いモノマーが管にそって好適に注入されればこの漸減を埋めアシルwセルことができる。理想的な逆混合の単一領域を有するオートクレーブ反応器はポリマー組成物の漸減は生じないが、複数の触媒を用いることができる。連続又は並行に配置されたそのような2つのオートクレーブの操作は、新鮮な原料の組成物を第二反応器へ変更させることにより調製をすることができる。
【0120】
複数の反応器を用いる場合、ポリマーブレンドの生成が可能になる。1つの態様において、並行又は連結されている少なくとも2つの反応器を用いて、ホモポリマー及びコポリマーのブレンドを作ることができる。ホモポリマーはポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセン、ポリオクテン等でよい。好適な態様において、このホモポリマーはポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセン、及びポリスチレンを含む。より好適な態様において、このホモポリマーはポリプロピレンである、このコポリマーはエチレン、プロピレン、ブテン1,4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、スチレン、ノルボルネン、1,5−ヘキサジエン、及び1,7−オクタジエンの任意の2つ又は3つの成分の組合せでもよい。より好適な態様において、このコポリマーはエチレン、プロピレン、ブテンー1、ヘキセン−1、スチレン、ノルボルネン、1,5−ヘキサジエン、及び1,7−オクタジエンの2つの成分の組合せから成る。他の好適な態様において、このコポリマーはエチレン−プロピレン、プロピレン−ブテン−1、プロピレン−ヘキセン−1、プロピレン−ブテン−1、プロピレン−ブテン−1、エチレン−ブテン−1、エチレン−ヘキセン−1、エチレン−オクテン−1、エチレン−オクテン−1コポリマーである。ポリマーブレンドが連続反応器カスケードで製造される場合、1つ以上の上流の反応器が単一のモノマー含有原料を供給し、一方で、1つ以上の下流の反応器がコモノマー原料流れで増量される。ホモ及びコポリマーの比の制御は連続カスケード反応器配置では難しいことから、並行反応器配置が、ポリマーブレンドの製造には好ましい。
生成物分離及び下流での処理
【0121】
反応器排出液を冷点圧力よりも有意に低い中程度の圧力に減圧する。このことにより更なる精製のためのポリマー高含有相と再利用圧縮され、反応器に戻るモノマー高含有相とを分離する。この反応器排出液は圧力を減らす前に加熱して、分離器に付着物を生じそれに関連してラインの圧力を減らすことになる、固形ポリマー相の分離を避ける。本開示の方法における、ポリマー高含有相とモノマー高含有相との分離は高圧分離器(HPS、分離器、又は分離管とも言われる)として知られている管中で行う。
【0122】
最終工程の押出成形又は静的混合工程に入ってゆく低揮発性物質を僅かに含むポリマー融解物を生成する目的のためだけに、軽量成分、反応物及びそれらのオリゴマー排出させるために大気圧より少し高い圧力で稼動している、低圧分離器へ分離器−ブレンダーのポリマー高含有相をその後、移すこともできる。
【0123】
1つの態様において、重合システムの冷点以上で重合を行う。その後、ポリマー−モノマー混合物を、圧力が冷点以下にされている分離−ブレンド管に移す。このことは、形質モノマー高含有相からより濃密なポリマー高含有相の分離に遊離である。当業者に理解されているように、ポリマーがより濃縮されるので、固形ポリマー相の形成をさけるために、分離管の温度を高めることが任意で必要となる。その後、分離されたポリマー高含有相がLISTドライヤー(DBT)又は脱蔵押出成形等の連結された脱蔵器へ供給されている間に、このモノマー高含有相は分離され反応器で再利用される。
【0124】
再利用は低圧分離器を通じて行う。ここでの圧力は反応器内の圧力−温度関係に依存している。例えば、重合が40乃至200MPa及び95℃乃至180℃の単一相領域で撹拌しながら行うことができる(図3参照)。反応器に存在している、生成混合物は低圧分離器に提供される、ここで、圧力は25MPaバール又はそれ以下に低くされている、この場合、混合物はその冷点以下であり、モノマーはまだとして排出されていない。(図3を参照9.このような条件下で、Radoszら、 Ind. Eng. Chem. Res. 1997, 36, 5520−5525及びLoosら、 Fluid Phase Equil. 158−160, 1999, 835−846の記載から、モノマー高含有相が約0.1重量%未満の低分子量ポリマーを含み、約0.3乃至0.4g/mlの密度を有することが予測される(図4参照)。このポリマー高含有相は約0.6難0.7g/mlの密度を有することが予測される。
【0125】
例えば、約6MPa/秒以上で、圧力が急速に充分に低下すると仮定すれば、この相は急速に分離され、モノマー高含有相が気相に戻るという問題を生じないで、液体としてモノマー高含有相の再利用が可能になる。当業者に明かなあるように、エネルギーが集中する圧縮及び濃縮工程の必要性が排除できる。
【0126】
ポリマー高含有相が連結された脱蔵装置に直接送る。安定な脱蔵装置が北カリフォルニアのLIST USAInc.から入手することができる。この脱蔵は蒸気ストリッピングの必要性を排除した最終ポリマーから残りの揮発性物質を分離する工程である。低い吸引力で作動し、脱蔵装置へのポリマー溶液流出は単位を有し、その後、ペレット化等の更なる加工工程へ移動する。
【0127】
再利用されるモノマー高含有相中に存在する低い又は非常に低分子量ポリマーは、反応システムの標準的な装置である「ノックオウト」ポットを通じて任意に除去するか、又は製品の必要に応じて流れの中に残するか、生成物中の低分子量ポリマー分画の安定状態濃度のままで存在させることができる。
【0128】
溶液反応工程において、当業者による現在の実務的は、通常、モノマー及び溶媒の排出又は高温冷点を用いる分離に影響する。
【0129】
他の形態において、比重分離管へ輸送されるポリマー−モノマー混合物と一緒に、重合は冷点以下で行われ、ポリマー高含有相とモノマー高含有相との相分離を高めたい場合には、圧力を更に低めることができる。本明細書で説明するいずれかの形態において、モノマー、例えば、プロピレンは相対的に高い密度の液様状態(均一又はバルク液体)のままで再利用される。再度、1つ以上のノックアウトポット又は篩を用いて、この再利用流れから低分子量ポリマーを除去することができる。
【0130】
理解されているように、反応器及び比重について(低臨界溶液温度(LCST)分離器)の可能性のある及び最適な操作形態が存在する。図5を参照すると、単一液相形態における反応器操作について、操作についての可能性のある領域がLCTS及び蒸気圧(VP)圧カーブの上である。操作についてのこの最適領域(斜線の円形内で示す)は、低臨界エンドポイント(LCEP)及びLCTSカーブの僅かに上の圧力で生じる。
【0131】
図6を参照すると、2相液―液形態内の反応操作について、操作についての可能性のある領域は基本的にLCST曲線の下のどこでも生じる。所望の生成物の最終的な性質等の多くの因子が実際には何が最適かということに影響を与えるけれども、最適領域(再度、斜線の円形内で示す)はLCSTのすぐ下であり、VP曲線の上で生じる。当業者に認識されているように、2相液−液形態は、プロピレンが改造されたHPPEプラントで製造される場合、経済的に好適な方法である。
【0132】
図7を参照すると、重合が冷点以下の条件で行われ、ポリマー−モノマー混合物が比重に関係するLCST分離器に輸送される場合において、操作の可能性のある領域はLCST曲線及びVP曲線の以下の任意の領域となる。この至適領域(再度、斜線の円形内で示す)は、示したように、スピノダール以下であるが圧力においてそれほど低くない部分内で生じる。この形態における操作はエネルギー使用が最適化されていると思われる。LCST及びスピノダール曲線の間の領域における操作を回避して、好適な比重で沈殿性能を得ることが好ましい。更に、スピノダールが充分に高い温度で影響を受け、結晶化がポリマー高含有相で生じないようにすることが好ましい。このことは、分離器中の混合物の温度が反応器中の温度よりも高くすることで実現する。
【0133】
有利には、この液体モノマー高含有再利用流れは従来のポリエチレン単位で必要とされていた高圧圧縮機のかわりに液体ポンプ装置を用いて反応器へ再利用することが好ましい。
触媒失活剤及び生成物分離
【0134】
反応器排出木は冷点圧力よりも有意に低い中程度の圧力へ減圧する。このことで、更に精製されるポリマー高含有相と再利圧縮されて反応器へ戻るプロピレン高含有相との分離ができる。圧力を下げる前に排出液を加熱することが、付着の原因となる固形ポリマー相の分離を避けるためにしばしば必要とされる。
【0135】
この分離は高圧分離器(HSP)として知られている管内で行う。この管も充分な滞留時間を有するから、水、アルコール、又はステアリン酸ナトリム/カリウム等の極性物質の添加により失活させる。失活剤の選択及び品質は、もし失活剤が低い活性を有する場合。製品の性質のほかに、再利用プロピレン及びコモノマーの除去の必要に依存している。
【0136】
代替的に、中間体分離を臨界点よりも有意に高い圧力で行い、モノマー濃度を相対的に低め、関連して、高圧分離中の活性も低める。この管中の連続重合の量が少ないと、高又は中程度の圧力における再利用システム中で好ましくない反応が生じないと思われるので、EPプロセスで行われた触媒失活化合物の添加を省くことができる。
プロピレン原料精製の選択
【0137】
プロピレンは、2つのレベルの精製度で市販されている。1つは99.5%のポリマーグレードである、1つは93乃至95%のケミカルグレートである。原料を選択して、再利用から必要とされる排出のレベルを決定し、不活性プロパンによる原料の希釈を避ける。反応器中のプロパン及びHPSの存在は所与の温度における冷点曲線の圧力を上げるが、反応器中のプロピレン(及び他のオレフィン)の濃度を減らして重合効率を減らすこととなる。プロパンに依存する冷点温度圧力の上昇はHPSの操作時間を長くする。意図する量のエチレンとプロピレンの共重合において、冷点圧力を挙げるというにたような影響が、HPSにおけるエチレンの低いレベルに圧力に依存している。
ポリマー生成物
【0138】
本発明により生成されるポリマーは、ブロック、直鎖、ラジカル、星状、分岐、及びこれらの組合せのいずれでもよい。
【0139】
幾つかの本発明の態様はポリプロピレン及び独特のミクロ構造を有するポリプロピレンのコモノマーを製造する。本発明の方法を実施して、新規なアイソタクチック及びシンジオタクチック組成物を製造することができる。他の態様において、本発明の方法は結晶性ポリマーを生成する。
【0140】
本発明の方法は60℃乃至150度の融点、2,000乃至1,000,000;10,000乃至1,000,000;15,000乃至500,000;25,000乃至400,000又は35,000乃至350,000の重量平均分子量を有するプロピレンポリマー(即ち、ポリマー生成物)を生成する。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は、60℃乃至160℃である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は、65℃乃至155℃である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は、110℃乃至160℃である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は、120℃乃至155℃である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は、60℃以上である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は80℃以上である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は110℃以上である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は120℃以上である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は130℃以上である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は140℃以上である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は150℃以上である。1つ以上の態様において、このポリマー生成物の融点は155℃以上である。
【0141】
本発明の方法は融解熱、△Hfが1乃至30J/g、2乃至20J/g、又は3乃至1−J/gであるポリマーを生成する。本発明の他の態様において、110J/gまでの、好ましくは40乃至110J/g、より好ましくは50乃至100J/gの△Hfを有するポリマーを生成する。
【0142】
本明細書に記載の方法は触媒又は担体からの灰分又は残渣をほとんど又は全く含まないポリマーを生成する。好適な態様において、本発明により生成されるポリマーは1重量%未満のシリカ、好ましくは0.1重量%未満のシリカ、好ましくは100重量ppm未満のシリカ、好ましくは10重量ppm未満のシリカしか含まない。
【0143】
ジエンをコモノマーとして用いて、得られたポリマーの分子量を増加させ、長鎖分岐を生成することができる。塩化ビニルはポリマーのビニル末端の程度を高めるためのコモノマーとして用いられる。
【0144】
本発明の方法は長鎖分岐ポリプロピレンを生成することができる。長鎖分岐は、α,ωジエン又はビニルノルボルネン等の他のジエンの使用に関わらず、本発明のプロセスを用いて生成することができる。特に好適な態様において、0.5重量%未満のジエンを用いる。代替的に、ジエン含量は、0.4重量%、0.3重量%未満、0.2重量%、1,000重量ppm、500重量ppm、200重量ppm、又は100ppm未満でもよい。
【0145】
幾つかの態様において、本発明はα,ωジエンのコポリマーの使用及びその使用により得られたオレフィン/α,ωジエンコポリマーを含む。追加的に、本発明はオレフィンモノマーの重合反応を含む。この反応はα,ωジエンを用いたプロピレンとエチレンとの共重合及びこれにより製造されたコポリマーを含む。これらのコポリマーは、例えば、フィルム、不織布、溶融膨張繊維等の繊維、不織布等の布製品、及び成形製品などの各種製品に用いることができる。より具体的には、これらの製品は、例えば、キャストフィルム、配向フィルム、射出成形製品、吹き込み成形製品、発泡成形製品、発泡ラミネート及び熱成形製品を含む。
【0146】
直鎖α,ωジエンが好ましいが、他のジエンを用いて本発明のポリマーを生成することもできる。そのようなジエンには、2−メチル−1,9−デカジエン等の分岐、置換α,ωジエン;ビニルシクロノルボルネン等の環状ジエン、又はジビニルベンゼン等の芳香族タイプを含む。
【0147】
本発明の態様は98乃至99.999重量%のオレフィン単位と0.001乃至2.000重量%のα,ωジエン単位を含むコポリマーを含む。コポリマーの態様は30,000乃至2,000,000の重量平均分子量、50℃乃至140℃の結晶化温度、及び0.1dg/分乃至5000dg/分より高い溶融流量(MFR)を有する。これらの態様はもともと高い結晶化温度を示していることに留意されたい。外部から核剤を添加する必要はない。
【0148】
他の態様において、このコポリマーは90乃至99.999重量%のプロピレン単位と、0.000乃至8重量%のプロピレン以外のオレフィン単位と、0.001乃至2重量%のα,ωジエン単位とを含む。コポリマーの態様は20,000乃至2,000,000の重量平均分子量、85℃乃至135℃の結晶化温度(外部からの核剤を含まない)、及び0.1dg/分乃至5,000dg/分より大きいMFRを有する。一緒に用いられるオレフィンはC2乃至C20αオレフィン、ジオレフィン(1つの内部オレフィンを含む)及びこれらの混合物を用である。より具体的には、このオレフィンはエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、及び1−ドデセンを含む。アイソタクチックポリプロピレンのコポリマーは、エチレン及び3−メチルペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン、及びオクテン等のC4乃至C12コモノマーを含む条件下で生成する。
【0149】
好適な態様において、このポリマーは0.5重量%未満、特に0.3重量%未満の固形含量を有し、0.1重量%未満の固形含量が好ましい。
【0150】
製造される好適なプロピレンポリマーは、通常0乃至40重量%、好ましくは1乃至40重量%、好ましくは2乃至30重量%、好ましくは4乃至20重量%、好ましくは5乃至15時、好ましくは5乃至10重量%、及び/又は以下のパラグラフの1つ以上の性質を有する。
【0151】
1.30J/g以上、好ましくは50J/g以上、より好ましくは60J/g以上、好ましくは70J/g以上、好ましくは80J/g以上、好ましくは90J/g以上、好ましくは95J/g以上、好ましくは100J/g以上、好ましくは105J/g以上の融解熱(△Hf)、30J/g以下、より好ましくは20J/g以上、好ましくは0の△Hf
【0152】
2.0,000以上、好ましくは30,000乃至2,000,000以上、好ましくは60,000乃至1,000,000、好ましくは100,000乃至900,000、好ましくは160,000乃至700,000の重量平均分子量(GPC DRIにより測定される)
【0153】
3.0.1dg/分以上、好ましくは0.5dg/分以上、好ましくは1.0dg/分以上、好ましくは0.1及び5,000dg/分の溶融流量
【0154】
4.85℃以上、好ましくは120℃以上、好ましくは150℃以上、好ましくは155℃乃至160℃の間の、融点
【0155】
5.25℃以上、好ましくは45℃以上、好ましくは65℃以上、好ましくは100℃以上の結晶化温度
【0156】
6.約1乃至20、好ましくは約1.5乃至8、好ましくは約2乃至4のMw/Mn(GPC DRIにより測定される)
【0157】
他の態様において、本発明により生成されるポリマーは10,000センチポアズ未満のBrookfield viscometerで180℃で測定される溶融粘度を有する。幾つかの態様において、好ましくは1,000乃至3,000cpsの間であり。他の製品については5,000乃至10,000の間が好ましい。
製品化
【0158】
幾つかの態様において、本発明により生成されるポリマーは熱可塑性ポリマー及び/又はエラストマーを含むがこれらに限定されない、1つ以上の他のポリマーとブレンドされる。
【0159】
「熱可塑性ポリマー」は熱により融解し、その後冷却により相当の性質の変化を示すものである。熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホネート、ポリアセタール、ポリラクトン、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、スチレンーアクリルニトリル樹脂、スチレン無水マレイン酸、ポリイミド、芳香族ポリケトン、又は2つ以上のこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。好適なポリオレフィンは、1つ以上の直鎖、分岐、又は環状C2又はC4乃至C6オレフィン、好ましくはC3乃至C20αオレフィン、より好ましくはC3乃至C10αオレフィンの1つ以上を含むがこれらに限定されない。より好適なポリオレフィンはエチレンを含むポリマーであり、エチレンとC3乃至C40オレフィン、好ましくはC3乃至C20αオレフィン、より好ましくはプロピレン又はブテンとを含むポリマーであるがこれらに限定されない。
【0160】
「エラストマー」は、ASTM D1566の定義に含まれる全ての天然及び合成ゴムを包含する。好適なエラストマーの例としては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム、スチレンブロックコポリマーゴム(SI、SIS、SB、SBS、SEBS等を含む。Sはスチレン、Iはイソブチレン、及びBはブタジエンである。)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、イソブタジエンとパラアルキルスチレンとのコポリマー、イソブチレンとパラアルキルスチレンとのハロゲン化ゴム、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエンとアクリルニトリルとのコポリマー、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリルニトリル塩化イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(シス及びトランス)を含む。
【0161】
他の態様において、本発明により生成されたポリマーは以下の1つ以上と組み合わせられる。アイソタクチックポリプロピレン、高度にアイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、プロピレンとエチレン及び/又はブタン及び/又はへキセンとのランダムコポリマー、ポリブテン、エチレンビニルアセテート、低密度ポリエチレン(0.915乃至0.935g/cm未満の密度)、直鎖低密度ポリエチレン、ウルトラ超低密度ポリエチレン(0.86乃至0.90g/cm未満の密度)、超低密度ポリエチレン(0.90乃至0.915g/cm未満の密度)、中程度の密度のポリエチレン(0.935乃至0.945g/cm未満の密度)、高密度ポリエチレン(0.945乃至0.98g/cm未満の密度)、エチレンビニルアセテート、エチレンメチルアクリレート、アクリル酸のコポリマー、ポリメチルメタクリレート又は高圧フリーラジカル法により重合された他のポリマー、ポリビニルクロライド、ポリブテン−1、アイソタクチックポリブテン、ABS樹脂、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、加硫EPR、EPDMブロックコポリマー、スチレンブロックコポリマー、ポリアミド、ポリカルボネート、PET樹脂、架橋ポリエチレン、エチレンビニルアルコールコポリマーに等しいEVAの水素化生成物であるポリマー、ポリスチレン等の芳香族モノマーのポリマー、ポリ−1エステル、ポリアセタール、ポリビニリデンフルオライド、ポリエチレングリコール、及び/又はポリイソブチレン。
【0162】
他の態様において、エラストマーを本発明のポリマー生成物とブレンドして、ゴム様の強化された組成物を形成する。幾つかの好適な態様において、このゴム強化された組成物はエラストマーが不連続相で本発明のポリマー生成物が連続相を形成する2つ(以上)の相システムである。このブレンドは粘着付与剤及び/又は本明細書に記載の他の添加剤と結合されることができる。
【0163】
他の態様において、本発明により生成されたポリマーをエラストマー又は他の柔軟なポリマーとブレンドしてインパクトコポリマーを形成することができる。幾つかの態様において、このブレンドはエラストマー又は柔軟性ポリマーが不連続相であり、本発明により生成されたポリマーが連続相である2つ(以上)の相システムを形成する。このブレンドは粘着付与剤及び/又は本明細書に記載の他の添加剤と結合されることができる。
【0164】
幾つかの態様において、前述の本発明のポリマーはメタロセンポリエチレン(mPE)又はメタロセンポリプロピレン(mPP)と組み合わせる。このmPE及びmPPホモポリマー又はコポリマーは通常モノ−又はビスシクロペンタジエニル遷移金属触媒とアルモキサン及び/又は非配位アニオンの活性剤とを、溶液、スラリー、高圧又はガス相中で組み合わせて、製造される。この触媒及び活性剤は担持されていても、されていなくてもよく、シクロペンタジエニル環が置換されていてもいなくてもよい。そのような触媒/活性剤の組合せを用いて生成された幾つかの製品は、EXCEED(商標)、ACHIEVE(商標)、及びEXACT(商標)等の商標でエクソンモービル ケミカル カンパニー(ベイタウン、ヒューストン、テキサス)より販売されている。そのようなホモポリマー及びコポリマーを製造するための方法及び触媒/活性剤についての情報は、WO94/26816;WO94/03506;EPA277,003;EPA277,004;U.S.Pat.No.5,153,157;U.S.Pat.No.5,198,401;U.S.Pat.No.5,240,894;U.S.Pat.No.5,017,714;CA 1,268,753;U.S.Pat.No.5,324,800;EPA129,368;U.S.Pat.No.5,264,405;EPA520,732;WO92/00333;U.S.Pat.No.5,096,867;U.S.Pat.No.5,507,475;EPA426637;EPA573403;EPA520732;EPA495 375;EPA500944;EPA570982;WO91/09882;WO94/03506及びU.S.Pat.No.5,055,438を参照のこと。
【0165】
幾つかの態様において、本発明のポリマーは前述のブレンド中に、ブレンド中のポリマーの重量に基づいて、10乃至99重量%、好ましくは20乃至95重量%、更に好ましくは30乃至90重量%、更に好ましくは40乃至90重量%、更に好ましくは50乃至90重量%、更に好ましくは60乃至90重量%、更に好ましくは70乃至90重量%含まれる。
【0166】
前述のブレンドは(a)本発明のポリマーを(前述の)1つ以上のポリマーと混合する工程、(b)連結されている反応器につなげてその場で反応ブレンドを生成する工程、又は(c)1つ以上の触媒を同じ反応器に用いて複数のタイプのポリマーを生成する工程、により生成する。このポリマーは押出成形に入れる前に混合することもでき、又は押出成形器内で混合することもできる。
【0167】
前述の任意のポリマーは官能化することができる。官能化は不飽和酸又は不飽和無水物と接触することを意味する。好適な不飽和酸又は無水物は少なくとも1つの二重結合及び少なくとも1つのカルボニル基を含む任意の不飽和有機化合物を含む。例示的な酸は、カルボン酸、無水物、エステル、及びこれらの塩、金属塩又は非金属塩を含む。好適な有機化合物はカルボニル基(−C=O)を有するエチレン不飽和共役化合物を含む。例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、アルファメチルクロトン酸、及びシナミック酸のほか、これらの無水物、エステル、及び塩を含む。無水マレイン酸が特に好ましい。この不飽和酸又は無水物は、炭化水素樹脂及び不飽和酸又は無水物の重量に基づいて、約0.1重量%乃至5重量%、好ましくは約0.5重量%乃至約4重量%、更に好ましくは約1乃至約3重量%存在する。
【0168】
粘着付与剤は本発明のポリマー及び/又は本発明により生成されたポリマーのブレンド(前述)と、ブレンドすることができる。有用な粘着付与剤の例としては、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族就職脂肪族炭化水素樹脂、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、ポリシクロペンタジエン樹脂、ガムロジン、ガムロジンエステル、ウッドロジン、ウッドロジンエステル、トールオイルロジン、トールオイルロジンエステル、ポリテルペン、芳香族修飾ポリテルペン、テルペンフェノーリック、芳香族修飾水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、水素化脂肪族樹脂、水素化脂肪族芳香族樹脂、水素化テルペン及び修飾テルペン、並びに水素化ロジンエステルがあるが、これらに限定されない。幾つかの態様において、粘着付与剤は水素化されている。他の態様において、粘着付与剤は非極性である。(非極性粘着付与剤は実質的に極性基を含まないモノマーである。極性基が存在しないことが好ましい。しかしながら、極性基が存在する場合には、それらは5重量%より少なく、好ましくは2重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下の量で含まれる。)幾つかの態様において、粘着付与剤は80℃乃至140℃、好ましくは100℃乃至130℃の軟化点(Ring及びBaii、ASTME−28による)。幾つかの態様において、この粘着付与剤は官能化されている。官能化とは炭化水素樹脂が不飽和酸及び無水物と接触させられることでる。好適な不飽和酸又は無水物は少なくとも1つの二重結合と少なくとも1つのカルボニル基を含む任意の不飽和有機化合物である。例示的な酸はカルボン酸、無水物、エステル、及びこれらの塩、(金属塩及び非金属塩を含む)を含む。特に好適な有機化合物はカルボニル基(−C=O)を含むエチレン不飽和共役物である。例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、アルファメチルクロトン酸、及びシナミック酸のほか、これらの無水物、エステル、及び塩を含む。無水マレイン酸が特に好ましい。この不飽和酸又は無水物は、炭化水素樹脂及び不飽和酸又は無水物の重量に基づいて、約0.1重量%乃至約10重量%、好ましくは約0.5重量%乃至約7重量%、更に好ましくは約1乃至4重量%含まれる。
【0169】
粘着付与剤が、存在する場合には、通常、ブレンドの重量に基づいて、約1乃至50重量%、より好ましくは10乃至40重量%、更に好ましくは20乃至40重量%含まれる。好ましくは、しかしながら、粘着付与剤は含まれない。もし、存在する場合には、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、存在する。
【0170】
他の態様において、本発明のポリマー及び/又はこれらのブレンドは更に、架橋剤を含む。好適な架橋剤は酸又は無水物基と反応することができる官能基を有するものを含む。工程な架橋剤はアルコール、マルチオール、アミン、ジアミン、及び/又はトリアミンを含む。本発明に有用な架橋剤の例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミド、ジエチルアニイノプロピルアミン及び/又はメタンジアミン等のポリアミンを含む。
【0171】
本発明のポリマー及び/又はこれらのブレンドの他の態様において、充填剤、空洞剤、孔酸化剤、界面活性剤、アジュバンド、可塑剤、ブロック剤、抗ブロック剤、カラーマスターバッチ、顔料、加工助剤、UV安定剤、中性剤、潤滑剤、ワックス及び/又は核剤等の典型的な既知の添加剤を含む。この添加剤は0.001重量%乃至10重量%の当業者に典型的であると知られている効果的な量で存在する。
【0172】
好適な充填剤、空洞剤、及び/又は核剤は、酸化チタン、カルボン酸カルシウム。硫酸バリウム、シリカ、酸化シリコン、カーボンブラック、砂、ガラスビーズ、無機凝集物、タルク、クレイ等を含む。
【0173】
好適な抗酸化剤はチバガイギーにより販売さされているIrganox1010、Irganox1076等のフェノール系抗酸化剤を含む。好適なオイルはエクソンモービル ケミカル フランス、(S.A.パリ、フランス)から販売されているPrimol352、又はPrimol879等のパラフィン系又はナフテン系オイルを含む。より好適なオイルは白油等の脂肪族ナフテン系オイルを含む。
【0174】
好適な可塑剤及び/又はアジュバンドはミネラルオイル、ポリブテン、フタレート等を含む。特に好適な可塑剤はジイソウンデシルフタレート(DIUP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、及びエクソンモービル ケミカル カンパニー、(ヒューストン、テキサス)から販売されているParapol950及びParapol1300ポリブテン等のポリブタジエンを含む。追加的な好適な可塑剤はWO0118109A1及びUSSN10/640,435に記載のものを含む。これらの文献を参照により本明細書に援用する。
【0175】
好適な加工助剤、潤滑油、ワックス、及び/又はオイルはワックス、オイル、及び低Mwポリマー等の低分子量生成物に含む(「低い」の意味は5,000以下の、好ましくは4,000以下、より好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,500以下のMwを意味する)。好適なワックスは極性又は非極性ワックス、官能化ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、及びワックス修飾物を含む。
【0176】
好適な官能化ワックスは、アルコール、酸、又はケトンで修飾されたものを含む。官能化は、不飽和酸又は不飽和無水物と接触することを意味する。好適な不飽和酸又は無水物は少なくとも1つの二重結合及び少なくとも1つのカルボニル基を含む任意の不飽和有機化合物を含む。例示的な酸は、カルボン酸、無水物、エステル、及びこれらの塩、金属塩又は非金属塩を含む。好適な有機化合物はカルボニル基(−C=O)を有するエチレン不飽和共役化合物を含む。例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、アルファメチルクロトン酸、及びシナミック酸のほか、これらの無水物、エステル、及び塩を含む。無水マレイン酸が特に好ましい。この不飽和酸又は無水物は、炭化水素樹脂及び不飽和酸又は無水物の重量に基づいて、約0.1重量%乃至約10重量%、好ましくは約0.5重量%乃至約7重量%、更に好ましくは約1乃至4重量%含まれる。好適な例は、メチルケトン、無水マレイン酸、又はマレイン酸で修飾されたワックスを含む。好ましい低Mnポリマーは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等の低級αオレフィンのポリマーを含む。そのようなポリマーの例としては、エクソン ケミカル カンパニーより販売されているPARAPOL(商標)950がある。PARAPOL(商標)950は950Mn及びASTMD445により測定される動的粘度が100度で200cStである。
【0177】
好適なUV安定剤及び抗酸化剤Irganox1010等を含む。
製品
【0178】
本発明のポリマー(及び前述のこれらのブレンド)(その場で形成されたか混合ブレンドによるもの)は、好ましくは既知の熱可塑性又はエラストマー性製品に用いることができる。例としては、成形パッド、フィルム、テープ、シート、チューブ、ホース、敷板、ワイヤ及びケーブルのカバー、接着物、靴底、バンパー、ガスケット、送風機、フィルム、繊維、柔軟繊維、不織布、スパンボンド布、シーリング材、サージカルガウン、及び医療用具がある。
【実施例】
【0179】
前述の議論は以下の非限定的な実施例を参照することにより、更に説明される。本発明の1つ以上の態様に基づいて、6つの実施例を提供する。
【0180】
各実施例において、磁気撹拌機を備えた37ccのオートクレーブ反応器を乾燥窒素の反応器への流れの下で、120℃で1時間加熱した。冷却し、次いで、ヘキサン(5ml;3.295g、38.2mmol)及びトリ−n−オクチルアルミニウム(0.09mmol;ヘキサンの1.5mLの溶液に添加)をスカベンジャーとして添加した。用いたトリ−n−オクチルアルミニウムの総量は300:1を超えない範囲で、意図するAl:Mモル比を達成するために、調整した。この反応器をプロピレンガス(99%より高い精製度、Airgasコーポレーション)でパージして、その後密封してプロピレンを大気圧に維持した。約600psi(4.1MPa)までの圧力になるようにシリンジポンプで追加的な液体プロピレンを添加する間、(29.5ml、15,104g)この反応器を75℃に加熱した。最後にこの反応器を所望の反応温度(約150℃)に加熱して、反応圧力を約1,500psi(10.4Mpa)にして、内容物を撹拌した。
【0181】
これとは別に、窒素充填グローブボックス内で、rac−ジメチルシリル[ビス(インデニル)]ハフニウムジメチル(1mg/mL)(メタロセン)のトルエン溶液と[N,N’−ジメチルアニリウム][テトラキス(ヘプタフルオロフェニル)ボレート](1mg/ml)(活性剤)のトルエン溶液を調製した。これらの混合物を用いて、rac−ジメチルシリル[ビス(インデニル)]ハフニウムジメチル(1238μL、1.238mg;0.0025mmol)及び[N,N’−ジメチルアニリウム][テトラキス(ヘプタフルオロフェニル)ボレート](3435μl;3.435mg;0.003mmol)を撹拌しながら、乾燥脱気トルエンの8.131mlと混合した。この混合物を約15分間室温で撹拌した。次に、乾燥ボックスにおいて、5.5mLのこの溶液を前述の乾燥シリンジポンプに入れ、密封し、35cc反応器へつなげた。この活性化された触媒トルエン溶液(約1mL;0.00025mmol)をシリンジポンプを介して、反応器圧力(約1,500psi;10.4MPa)よりも高い圧力(約2,000psi;13.8MPa)で原料に加圧して導入した。
【0182】
触媒添加の後、プロピレンを添加して、圧力を約2,000psi(13.8MPa)に維持した。この反応をこの温度及び圧力において、3分間維持した。追加的なプロピレンを添加して、反応器圧力を維持した。反応器の排出ラインにつながれているベント収集管内容物を出すことにより反応を停止させた。冷却の後、生成物をベントコレクター及び反応器から回収した。生成物を真空乾燥で12時間以上乾燥させ、生成物をゲルろ過クロマトグラフ(GPC)及び示差操作熱量計(DSC)で特徴付けた。以下の表1に重合条件のいくつかと生成物の性質をまとめた。
【表1】

【0183】
この発熱温度は触媒システムの導入に依存する初期温度上昇(℃)である。この発熱温度上昇は、反応器の内側にあるサーもカップルにより測定した。
【0184】
本発明は更に、以下の態様に関する:
1.プロピレンを重合するための連続法であって、
プロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約40重量%乃至約80重量%のプロピレンモノマー並びにプロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約20乃至約60重量%の希釈剤を反応器へ供給する工程と、
約80℃以上の温度及び約13Mpa以上の反応器内で、触媒(任意でメタロセン触媒及び/又は任意で一部位触媒)及び活性剤の存在下で、プロピレンモノマーを重合して、均一系でポリマー生成物を生成する工程とを含み、
ここで、プロピレンモノマー、希釈剤、及びポリマー生成物の総重量に基づいて、約20乃至約76重量%(好ましくは約28重量%乃至約76重量%)のプロピレンモノマーが安定状態条件で反応器中に存在する、方法。
2.プロピレンモノマーからポリマー生成物への転換率がプロピレンモノマーの約5重量%乃至約45重量%である、パラグラフ1の方法。
3.プロピレンモノマーからポリマー生成物への転換率がプロピレンモノマーの約15重量%乃至約35重量%である、パラグラフ1又は2の方法。
4.ポリマー生成物が約60℃乃至約160℃の融点を有する、パラグラフ1乃至3のいずれか1つに記載の方法。
5.ポリマー生成物が約65℃乃至約155℃の融点を有する、パラグラフ1乃至4のいずれか1つに記載の方法。
6.ポリマー生成物が約110℃乃至約160℃の融点を有する、パラグラフ1乃至5のいずれか1つに記載の方法。
7.ポリマー生成物が約120℃乃至約155℃の融点を有する、パラグラフ1乃至4のいずれか1つに記載の方法。
8.圧力が13MPa乃至約42MPaである、パラグラフ1乃至7のいずれか1つに記載の方法。
9.圧力が13MPa乃至約35MPaである、パラグラフ1乃至8のいずれか1つに記載の方法。
10.圧力が13MPa乃至約28MPaである、パラグラフ1乃至9のいずれか1つに記載の方法。
11.圧力が13MPa乃至約21MPaである、パラグラフ1乃至10のいずれか1つに記載の方法。
12.圧力が13.8MPaである、パラグラフ1乃至11のいずれか1つに記載の方法。
13.温度が80℃乃至約150℃である、パラグラフ1乃至12のいずれか1つに記載の方法。
14.温度が80℃乃至約130℃である、パラグラフ1乃至13のいずれか1つに記載の方法。
15.温度が80℃乃至約105℃である、パラグラフ1乃至14のいずれか1つに記載の方法。
16.原料がプロピレンモノマー、コモノマー、及び希釈剤の総重量に基づいて約20重量%以下の1つ以上のコモノマーを更に含む、パラグラフ1乃至15のいずれか1つに記載の方法。
17.原料がプロピレンモノマー、コモノマー、及び希釈剤の総重量に基づいて約15重量%以下の1つ以上のコモノマーを更に含む、パラグラフ1乃至16のいずれか1つに記載の方法。
18.希釈剤がプロピレンの沸点よりも50℃以上高い沸点を有する、パラグラフ1乃至17のいずれか1つに記載の方法。
19.希釈剤がプロピレンの沸点よりも75℃以上高い沸点を有する、パラグラフ1乃至18のいずれか1つに記載の方法。
20.希釈剤がプロピレンの沸点よりも100℃以上高い沸点を有する、パラグラフ1乃至19のいずれか1つに記載の方法。
21.プロピレンを重合するための方法であって、
プロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約40重量%乃至約80重量%のプロピレンモノマー並びにプロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約20乃至約60重量%の希釈剤を反応器へ供給する工程と、
約80℃以上の温度及び約13Mpa乃至約20MPaの反応器内で、メタロセン触媒及び活性剤の存在下で、プロピレンモノマーを重合して、均一系でポリマー生成物を生成する工程とを含み、
ここで、プロピレンモノマー、希釈剤、及びポリマー生成物の総重量に基づいて、約28重量%乃至約76重量%のプロピレンモノマーが安定状態条件で反応器出口に存在し、この希釈剤がプロピレンの沸点よりも50℃以上高い沸点を有する、方法。
2.プロピレンモノマーからポリマー生成物への転換率がプロピレンモノマーの約5重量%乃至約45重量%である、パラグラフ1の方法。
22.プロピレンモノマーからポリマー生成物への転換率がプロピレンモノマーの約5重量%乃至約35重量%である、パラグラフ21の方法。
23.プロピレンモノマーからポリマー生成物への転換率がプロピレンモノマーの約15重量%乃至約35重量%である、パラグラフ21又は22の方法。
24.ポリマー生成物が約60℃乃至約160℃の融点を有する、パラグラフ21乃至23のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
25.ポリマー生成物が約60℃乃至約155℃の融点を有する、パラグラフ21乃至24のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
26.ポリマー生成物が約110℃乃至約160℃の融点を有する、パラグラフ21乃至25のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
27.ポリマー生成物が約120℃乃至約155℃の融点を有する、パラグラフ21乃至26のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
28.圧力が13MPa乃至19MPaである、パラグラフ21乃至27のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
29.圧力が13MPa乃至17MPaである、パラグラフ21乃至28のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
30.圧力が13MPa乃至15MPaである、パラグラフ21乃至29のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
31.温度が80℃乃至約150℃である、パラグラフ21乃至30のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
32.温度が80℃乃至約130℃である、パラグラフ21乃至31のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
33.温度が80℃乃至約105℃である、パラグラフ21乃至32のいずれか1つのパラグラフに記載の方法。
34.原料がプロピレンモノマー、コモノマー、及び希釈剤の総重量に基づいて約20重量%以下の1つ以上のコモノマーを更に含む、パラグラフ21乃至33のいずれか1つに記載の方法。
35.プロピレンを重合するための方法であって、
プロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約40重量%乃至約80重量%のプロピレンモノマー並びにプロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約20乃至約60重量%の希釈剤を反応器へ供給する工程と、
約80℃乃至150℃以上の温度及び約13Mpa乃至約20MPaの反応器内で、メタロセン触媒及び活性剤の存在下で、プロピレンモノマーを重合して、均一系でポリマー生成物を生成する工程とを含み、
ここで、プロピレンモノマー、希釈剤、及びポリマー生成物の総重量に基づいて、約28重量%乃至約76重量%のプロピレンモノマーが安定状態条件で反応器内に存在し、約5重量%乃至約30重量%のプロピレンモノマーがポリマー生成物へ転換され、この希釈剤がプロピレンの沸点よりも50℃以上高い沸点を有する、方法。
36.ポリマー生成物が約60℃乃至約160℃の反応温度を有する、パラグラフ35の方法。
37.温度が約80℃乃至約130℃である、パラグラフ35又は36の方法。
38.原料がプロピレンモノマー、コモノマー、及び希釈剤の総重量に基づいて約20重量%以下の1つ以上のコモノマーを更に含む、パラグラフ35乃至37のいずれか1つに記載の方法。
39.約50重量%乃至約80重量%のプロピレンモノマー並びにプロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約20乃至約50重量%の希釈剤を反応器へ供給する、パラグラフ35乃至38のいずれか1つに記載の方法。
40.約75重量%のプロピレンモノマー並びにプロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約25重量%の希釈剤を反応器へ供給する、パラグラフ35乃至39のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
特定の態様及び特徴を数値範囲の上限値及び下限値を用いて説明してきた。特に定義しない限り、任意の下限値から任意の上限値からなる範囲を意図することは理解されるべきである。特定の下限値、上限値、及び範囲は以下の特許請求の範囲の1つ以上に記載されている。全ての数値範囲は「約」又は「およそ」を用いて値を示している。このことは当業者により認識されている実験誤差及び偏差を考慮したうえでの表現である。
【0186】
各種用語は以上で定義されている。特許請求の範囲で用いる範囲の用語については上で定義していない。これは少なくとも1つの刊行物又は特許文献に反映されている用語から当業者が理解し得る最も広い定義である。更に、全ての特許、試験手順、及び他の引用された刊行物は、これらの開示が本発明に矛盾しない範囲で、更に、法制度がそのような援用を認めている場合には、参照により完全に本明細書に援用される。
【0187】
これまでに本発明の態様を説明してきたが、本発明の他の及び更なる態様も、本発明の基本的な範囲を逸脱せずに考案することができる。この範囲は以下の特許請求の範囲により決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレンを重合するための連続法であって、
プロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約40重量%乃至約80重量%のプロピレンモノマー並びにプロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて、約20乃至約60重量%の希釈剤を反応器へ供給する工程と、
約80℃以上の温度及び約13Mpa以上の反応器内で、触媒(任意でメタロセン触媒及び/又は任意で一部位触媒)及び活性剤の存在下で、プロピレンモノマーを重合して、均一系でポリマー生成物を生成する工程とを含み、
ここで、プロピレンモノマー、希釈剤、及びポリマー生成物の総重量に基づいて、約20乃至約76重量%(好ましくは約28重量%乃至約76重量%)のプロピレンモノマーが安定状態条件で反応器中に存在する、方法。
【請求項2】
プロピレンモノマーからポリマー生成物への転換率が、プロピレンモノマーの約5重量%乃至約45重量%(好ましくは5重量%乃至35重量%)である、請求項1の方法。
【請求項3】
ポリマー生成物が約60℃乃至約160℃(好ましくは110℃乃至160℃)の融点を有する請求項1又は2の方法。
【請求項4】
圧力が13Mpa乃至約42Mpaである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
圧力が13Mpa乃至約35Mpaである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
温度が約80℃乃至約150℃である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
プロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて約20重量%以下の1つのコモノマーを供給する工程を更に含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
プロピレンモノマー及び希釈剤の総重量に基づいて約15重量%以下の1つのコモノマーを供給する工程を更に含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
希釈剤がプロピレンの沸点よりも50℃以上高い沸点を有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
希釈剤がプロピレンの沸点よりも75℃以上高い沸点を有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
希釈剤がプロピレンの沸点よりも100℃以上高い沸点を有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−529253(P2010−529253A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511227(P2010−511227)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/059567
【国際公開番号】WO2008/150572
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】