説明

非常用照明器

【課題】一般家庭においては、深夜の就寝時に常夜灯を点けていない場合が多々あり、深夜の就寝時に火災や地震が発生したときには真暗闇で、慌ててしまって避難行動がうまく取れないことが想定される。そこで夜間の火災の発生並びに地震の発生と同時に点灯して、素早い避難行動が取れるようにする非常照明灯を提供する。
【解決手段】住宅用火災警報器の赤色ランプの点灯を検知する受光検知部1と、地震による振動を検知する振動検知部5を備えて、受光検知部1もしくは振動検知部5の検知信号で照明ランプ3を一定時間点灯する非常用照明器とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭における夜間の非常用照明灯に関するものであり、とりわけ火災の発生並びに地震の発生と同時に点灯して、素早い避難行動が取れるようにするための非常用照明器を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
一般家庭においては、寝室等に住宅用火災警報器が設置されている。住宅用火災警報器は、火災を検知したときに音の鳴動と赤色ランプの点灯で火災を報知する機能を備えている。
【非特許文献1】消防法施行令第5条の6
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら従来の住宅用火災警報器に備えられている赤色ランプには、室内を照明するだけの十分な照度は備わっていない。一方、一般家庭においては、深夜の就寝時に常夜灯を点けていない場合が多々ある。この場合、深夜の就寝時に火災や地震が発生したときには、真暗闇で慌ててしまって室内灯の点灯スイッチをうまく点けることが出来なかったり、既に停電していたりしていて部屋を明るくすることが出来ず、避難行動がスムーズにとれないという事態の発生が想定される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明は、住宅用火災警報器の赤色ランプの点灯を検知する光検知器と、地震による振動を検知する振動検知器を備えて、光検知器もしくは振動検知器の検知信号で照明灯を一定時間点灯する非常用照明器を提案するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の非常用照明器を寝室の住宅用火災警報器の近傍に備えることにより、就寝時に常夜灯を点けていない家庭において、就寝中に火災あるいは地震の発生があったときは自動的に部屋が明るくなることにより、平静を保つことが出来て、初期消火活動を行ったり避難用の懐中電灯を探したりする等の落ち着いた行動をとることが出来るばかりか、地震の際に落ちてくる物を避けることが可能となる。また、就寝中の火災や地震を心配して常夜灯を点けて寝ている家庭においては、本発明の非常用照明器を寝室の住宅用火災警報器の近傍に備えることにより、常夜灯を消すことが可能となるので、深夜における電気の消費の節約になるばかりか、薄明るくて熟睡できないことも解消される効果が期待出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に図を用いて本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0007】
図1は、本発明の第1の実施例の非常用照明器の構成を表すブロック図である。1は住宅用火災警報器に備え付けられた警報ランプ11a(図2および図5)の点灯した光を受光するところの受光検知部、2は照明ランプ3の点灯回路部で、受光検知部1が光を検知して出力したON信号により照明ランプ3の点灯を開始し、照明ランプ3の点灯開始からある一定時間を経過すると照明ランプ3を消灯するタイマ機能を備えている。3は主に白色光LED製のランプと反射板からなる照明ランプ、4は各部の作動電力の供給源であるところの電源部であり主に電池と電池の残量検知・警告回路である。
【0008】
図2は受光検知部1の内部構成例で、11aは住宅用火災警報器に備え付けられた警報ランプで、受光検知部1は警報ランプ11aの点灯光を受光するセンサ1aと、周囲の明りすなわち室内光を受光するセンサ1bの2つのセンサを備え、2つのセンサ1a、1bの出力を比較器1cで比較判別している。室内が暗い状態において住宅用火災警報器に備え付けられた警報ランプ11aが点灯すると、センサ1aには警報ランプ11aの光が入光し、一方のセンサ1bへは光がほとんど入らないのでセンサ1aとセンサ1bの受光量に著しい差が生じることで警報ランプ11aの点灯が検知出来る。ここで昼間等の周囲が明るいときには、センサ1aに警報ランプ11aの光が入光してもセンサ1bとの受光量に著しい差は生ぜず、そのために警報ランプ11aの点灯を検知することが出来ない場合があるが、周囲が十分に明るくて照明ランプ3の点灯を必要としていない状況なので、照明ランプ3が点灯する必要は無く、実施例の様な簡単な構成で十分に機能を果たせる。
【0009】
以上のような構成とすることで、深夜の真暗な状態での火災発生の際、住宅用火災警報器の警報ランプの点灯と連動して非常用照明灯を点灯させることが可能となる。
【0010】
図3は、本発明の第2の実施例の非常用照明器の構成を表すブロック図である。受光検知部1に並列に、地震による振動を検知するところの振動検知部5が設けられており、受光検知部1の検知信号と振動検知部5の検知信号はそれぞれ並列にオア回路部6へ入力される。受光検知部1の検知信号または振動検知部5の検知信号のどちらかがオア回路部6へ入力されると点灯回路部2は照明ランプ3の点灯を開始し、照明ランプ3の点灯開始からある一定時間を経過すると照明ランプ3を消灯する、3は主に白色光LED製のランプと反射板からなる照明ランプ、4は各部の作動電力の供給源であるところの電源部であり主に電池と電池の残量検知・警告回路である。以上のような構成とすることで、住宅用火災警報器が火災を検知したときのみならず、地震が発生したときにも照明ランプ3を自動的に点灯する装置を提供することが可能となる。ここで受光検知部1のセンサ1b(図2)の入光量から周囲の明るさを同時に監視して、周囲が十分に明るいと判断されたときは照明ランプ3を点灯することが無いようにすることで、明るいときに発生した地震には照明ランプ3が点灯しないようにすることが出来るので、無用な電池の消耗を防ぐことが出来る。
【0011】
図4は第2の実施例の振動検知部5の内部構成例で、ばね5aに付けた錘5bが振動で電気接点5cを叩くことで振動を検知する簡単な構造になっている。ばね5aの強度と錘5bの質量は、例えば震度3以上の地震の振動を検知出来るよう適宜に設定されている。この場合、震度3以上の地震が発生すると、図3における振動検知部5の検知信号がオア回路部6を通して点灯回路部2へ入力されて照明ランプ3のランプが点灯する。地震の揺れが収まっても点灯回路部2に予め設定された適宜な一定時間が経過するまでは照明ランプ3は点灯し続け、一定時間の経過と共に証明ランプ3は消灯し、すなわち自動復帰して次の地震が起きるまで待機する。
【0012】
図5は住宅用火災警報器を含めた本発明の実施例の外観側面図である。11は住宅用火災警報器で11aは住宅用火災警報器の警報ランプ、7は本発明の非常用照明器で7aは先端に受光検知センサ1aが埋め込まれた受光腕で、住宅用火災警報器11の警報ランプ11aを覆い隠すことが無いよう斜め45度程度の角度を持って対向するように設置させることが出来る構造となっている。
【0013】
以上のような簡単な構成で、住宅用火災警報器の赤色ランプの点灯すなわち火災の発生と同時に、あるいは地震の発生と同時に室内を照明する非常用照明器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施例の非常用照明器の構成を表すブロック図
【図2】第1の実施例の受光検知部1の内部構成例
【図3】第2の実施例の非常用照明器の構成を表すブロック図
【図4】振動検知部5の内部構成例
【図5】住宅用火災警報器を含めた非常用照明器の外観側面図
【符号の説明】
【0015】
1 受光検知部
1a センサ
2 点灯回路部
3 照明ランプ
4 電源部
5 振動検知部
6 オア回路部
7 非常用照明器
7a 受光腕
11 住宅用火災警報器
11a 警報ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の住宅用火災警報器に備え付けられた警報ランプの光を受光するように光学的に対になるように設置されたセンサと前記センサの付随回路からなる受光検知部と、室内を照明するための照明ランプと、各部へ作動電力を供給するところの電源部と、前記受光検知部が前記警報ランプの発光光を受光したことを検知して前記照明ランプを点灯すると共に、前記照明ランプ点灯開始から一定時間を経過すると前記照明ランプを消灯するタイマ機能を備えたところの点灯回路部とを備えたことを特徴とする非常用照明器。
【請求項2】
振動を検知するところの振動検知部と、前記振動検知部の検知信号と前記受光検知部の検知信号のオアをとるところのオア回路部を備えたことを特徴とする、請求項1の非常用照明器。
【請求項3】
前記室内を照明するための照明ランプは、発光色が白色または黄色のLEDであることを特徴とする、請求項1ないし2の非常用照明器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−123454(P2010−123454A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297092(P2008−297092)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(508262984)
【Fターム(参考)】