説明

非接触型ICカードの製造方法

【課題】 専用プリンターによる顔写真や名前等の二次印刷に適した、段差やしわがない平坦なカード表面を有し、且つ非接触型ICモジュールの隠蔽性及び耐加重性を備える非接触型ICカードを安定して供給できる、非接触型ICカードの製造方法を提供することである。
【解決手段】 基板5の周縁部より外側の位置に、基板5を囲み、貫通孔8a、貫通孔8b、貫通孔8c、貫通孔8dを、第1のコアシート1に設け、更に、モールド部6の周縁部より外側の位置に、モールド部6を囲み、貫通孔8e、貫通孔8f、貫通孔8g、貫通孔8hを、第2のコアシート2に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型通信機能を備えたICモジュール(以下、非接触型ICモジュールと表記する)と通信用アンテナを有する、非接触型ICカードの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非接触型ICカードは、近年、会員カード、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、乗車定期券、電子マネー等のカード分野において、その利便性及び耐久性の面から様々な分野で使用され、幅広く普及してきている。
【0003】
非接触型ICカードは、一般的に、電気的に結合した非接触型ICモジュールと通信用アンテナを、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET-G(非結晶性ポリエチレンテレフタレートコポリマー)等の材料から成る熱可塑性樹脂シートで挟み、加熱し、加圧して、積層一体化して作られている。例えば、非接触型ICカード及びその製造方法が特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1には、ICチップを装着したアンテナシートを、接着シートとスペーサシートを介して表裏の印刷シート間に挟持し、熱圧プレスして一体の基体にする非接触ICカードにおいて、アンテナシートの両側に積層する接着シートとスペーサシート、および印刷シートのそれぞれの厚みを同一にし、かつ両面の接着シートとスペーサシートにはICチップの厚みを吸収する貫通孔が形成されていることを特徴とする非接触ICカードが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−346112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非接触型ICモジュール及び通信用アンテナを熱可塑性樹脂シートで挟み、この熱可塑性樹脂シートに熱板を接触させ、加熱し、加圧して、積層一体化する非接触型ICカードの製造方法において、積層一体化前の熱可塑性樹脂シートでは、非接触型ICモジュール及び通信用アンテナが配置されている部分の厚みは、非接触型ICモジュール及び通信用アンテナが配置されていない部分に比べ、非接触型ICモジュールの厚み分または通信用アンテナの厚み分だけ厚くなっており、積層一体化の圧力は、非接触型ICモジュール及び通信用アンテナに加わりやすく、特に、通信用アンテナの厚みより非接触型ICモジュールの厚みの方が厚い場合、積層一体化の圧力が非接触型ICモジュールに集中し、非接触型ICモジュールに内蔵するICチップが破損する場合があった。
【0007】
そこで、例えば、特許文献1に記載の非接触型ICカードの製造方法のように、予め、熱可塑性樹脂シートからなるコアシートに、非接触型ICモジュールの外形寸法に応じた貫通孔を設け、その貫通孔に非接触型ICモジュールを挿入し、貫通孔を設けない別の熱可塑性樹脂シートで挟み、加熱し、加圧して、積層一体化することで、非接触型ICモジュールに加わる積層一体化の圧力を軽減する方法が提案されている。
【0008】
しかしながら、コアシートに貫通孔を設ける従来の非接触型ICカードの製造方法において、コアシートの貫通孔に挿入した非接触型ICモジュールの上部及び下部には、貫通孔を設けない別の熱可塑性樹脂シートからなるオーバーシートのみが設けられており、コアシートとオーバーシートが重なっている貫通孔の周囲の樹脂部に比べ、非接触型ICモジュールの上部及び下部設けられたオーバーシートの樹脂部の方が、樹脂の厚みが薄い分だけ早く、熱変形温度に達して流動し始め、貫通孔と非接触型ICモジュールの隙間に流れ込む場合がある。
【0009】
その結果、積層一体化後の非接触型ICカードでは、本来、非接触型ICモジュールの上部及び下部を覆うべき熱可塑性樹脂シートの厚みが減少し、設計した非接触型ICモジュールの隠蔽性及び耐加重性が得られなくなる場合や、非接触型ICモジュールが埋設されている付近の非接触型ICカード表面に段差やしわが発生する場合がある。
【0010】
近年、会員カードや身分証カード等の分野において、カード発行時に、専用プリンターで、顔写真や名前等をカード表面に印刷する二次印刷の要求があり、カードには段差やしわがない平坦なカード表面を有し、且つ、非接触型ICモジュールが視認できない程度の隠蔽性と、専用プリンターの印刷ヘッドの印字圧により非接触型ICモジュールが破損しない程度の耐加重性を備える非接触型ICカードが求められてきている。
【0011】
しかし、従来の非接触型ICカードの製造方法では、段差やしわがない平坦なカード表面を有し、且つ非接触型ICモジュールの隠蔽性及び耐加重性を備える非接触型ICカードを、安定して供給することが困難であるという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、上記課題を解決し、専用プリンターによる顔写真や名前等の二次印刷に適した、段差やしわがない平坦なカード表面を有し、且つ非接触型ICモジュールの隠蔽性及び耐加重性を備える非接触型ICカードを安定して供給できる、非接触型ICカードの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、非接触型ICモジュール及び通信用アンテナを熱可塑性樹脂からなる第1のコアシートに配置し、前記非接触型ICモジュール及び前記通信用アンテナの上に熱可塑性樹脂からなる第2のコアシートを重ね、更に、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートを熱可塑性樹脂からなるオーバーシートで挟持し、加熱し、加圧して積層一体化してなる非接触型ICカードの製造方法において、予め、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートに対して、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートが接する前記非接触型ICモジュールの周縁部より外側の位置に、貫通孔を設けることを特徴とする非接触型ICカードの製造方法が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、前記貫通孔は、前記非接触型ICモジュールが接する領域を囲み、複数個設けることを特徴とする非接触型ICカードの製造方法が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートの温度を熱変形温度まで加熱した後に、加圧を開始することを特徴とする非接触型ICカードの製造方法が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、前記オーバーシートの熱変形温度は、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートの熱変形温度より高いことを特徴とする請求項1乃至3記載の非接触型ICカードの製造方法が得られる。
【0017】
予め、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートの非接触型ICモジュールを配置する領域の周囲に対して、直線部及び/または曲線部を有するスリット状、または円状の開口部を有する貫通孔を、非接触型ICモジュールの周縁部より外側の位置に、非接触型ICモジュールを囲んで、複数個設けることで、非接触型ICモジュールの上部及び下部に重なるコアシートの樹脂部をコアシートに設けた貫通孔に流れ込ませることができ、積層一体化時の熱と圧力により流動するコアシートの樹脂部の圧力が、非接触型ICモジュールに集中することを防ぐことができる。更に、非接触型ICモジュールの周囲に設ける貫通孔は、流動するコアシートの樹脂部が貫通孔以外へ流出することを防ぎ、当初設計した通りの樹脂部の厚みを非接触型ICモジュールの上部及び下部に確保し、十分な非接触型ICモジュールの隠蔽性及び耐加重性を得ることができる。
【0018】
更に、本発明では、コアシートの熱変形温度より、コアシートを挟持するオーバーシートの熱変形温度を高くし、コアシートの温度が熱変形温度に達してから積層一体化の圧力を加えるとともに、非接触型ICモジュールを配置しない部分のコアシートとオーバーシートの構成と、非接触型ICモジュールの上部及び下部に重ねるコアシートとオーバーシートの構成を同一にすることで、非接触型ICモジュールの上部及び下部に設けたコアシートの樹脂部と、非接触型ICモジュールを配置しない部分のコアシートの樹脂部は、ほぼ同時に熱変形温度に達し、柔らかくなり、流動し始め、熱変形温度に達していないオーバーシートが剛性を保った状態で、非接触型ICモジュール及び通信用アンテナをコアシートに埋設することができ、段差やしわのない、優れた平坦性を有するカード表面を実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コアシートに設けた貫通孔が、積層一体化時の熱と圧力により流動するコアシートの樹脂部を吸収するとともに、貫通孔以外へ流出することを防ぐことで、積層一体化時の熱と圧力により流動する樹脂部の圧力が、非接触型ICモジュールに集中して非接触型ICモジュールを破損させることを防止でき、更に、非接触型ICモジュールの上部及び下部に、当初設計した通りの樹脂部の厚みを確保し、十分な非接触型ICモジュールの隠蔽性及び耐加重性を備えた非接触型ICカードの製造方法が得られる。
【0020】
更に、本発明によれば、コアシートより高い熱変形温度のオーバーシートを用い、非接触型ICモジュールを配置しない部分のコアシートとオーバーシートと同じ構成の、コアシートとオーバーシートを非接触型ICモジュールの上部及び下部に設けることで、カード基体となるコアシートは、全域で、同時に熱変形温度に達し、均一に柔らかくなるとともに、カード表面となるオーバーシートが剛性を保った状態で、非接触型ICモジュール及び通信用アンテナをコアシートに埋設することができ、段差やしわのない、優れた平坦性を有するカード表面を備えた非接触型ICカードの製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の非接触型ICカードの製造方法における加熱及び加圧前の熱可塑性樹脂シートの状態を示す分解斜視図。
【図2】本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第1の形態を示す図で、図2(a)は第1のコアシートを示す図、図2(b)は第2のコアシートを示す図。
【図3】本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第2の形態を示す図で、図3(a)は第1のコアシートを示す図、図3(b)は第2のコアシートを示す図。
【図4】本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第3の形態を示す図で、図4(a)は第1のコアシートを示す図、図4(b)は第2のコアシートを示す図。
【図5】本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第4の形態を示す図で、図5(a)は第1のコアシートを示す図、図5(b)は第2のコアシートを示す図。
【図6】本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第5の形態を示す図で、図6(a)は第1のコアシートを示す図、図6(b)は第2のコアシートを示す図。
【図7】本発明の非接触型ICカードの製造方法を説明する図で、図7(a)は加熱及び加圧前の熱可塑性樹脂シートの断面を示す図、図7(b)は加熱及び加圧中の非接触型ICカードの断面図、図7(c)は積層一体化後の非接触型ICカードの断面図。
【図8】比較例の非接触型ICカードの製造方法を説明する図で、図8(a)は加熱及び加圧前の熱可塑性樹脂シートの断面を示す図、図8(b)は加熱及び加圧中の非接触型ICカードの断面図、図8(c)は積層一体化後の非接触型ICカードの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図を参照し、本発明の非接触型ICカードの製造方法について説明する。
【0023】
まず、本発明の非接触型ICカードの製造方法に係る、非接触型ICカードの構成を説明する。図1は、本発明の非接触型ICカードの製造方法における加熱及び加圧前の熱可塑性樹脂シートの状態を示す分解斜視図である。
【0024】
本発明の非接触型ICカードの製造方法で作製する非接触型ICカードは、非接触型ICモジュール9と、通信用アンテナ7と、第1のコアシート1及び第2のコアシート2と、オーバーシート4及びオーバーシート3を積層一体化してなる。
【0025】
非接触型ICモジュール9は、非接触通信機能を備えたICチップを搭載する基板5及び樹脂封止してなるモールド部6からなり、様々な外形形状のものが使用できる。非接触型ICモジュール9の選定において、非接触型ICカードにおける非接触型ICモジュール9の隠蔽性、及びカードプリンター等の印刷ヘッドの加圧に耐え得る耐加重性を考慮すれば、非接触型ICモジュール9の上に設ける樹脂の厚みは厚い方が好ましい。しかし、JISX6301によれば、非接触型ICカードの厚みは840μm以下と規定されており、非接触型ICモジュール9の上に設ける樹脂の厚みを厚くする為には、厚みの薄い非接触型ICモジュール9を用いるのが好ましく、非接触型ICカードの厚み及び機械的強度等の特性、さらにはコスト等を考慮し、適宜選択するのが好ましい。
【0026】
通信用アンテナ7は、非接触型ICモジュール9の通信特性にあわせて、被覆銅線を巻線して作製する。通信用アンテナ7は、アンテナ末端7c及びアンテナ末端7dを非接触型ICモジュール9の基板5に、半田付けあるいは溶接等を行って電気的に接合する。通信用アンテナ7の形状は、非接触型ICモジュール9の通信特性に合致するものであればよく、方形状、円形状等、様々な形状のものが使用でき、適宜選択するのが好ましい。
【0027】
第1のコアシート1及び第2のコアシート2は、加熱し、加圧する事で積層一体化ができ、熱変形温度が60℃程度の熱可塑性樹脂製の樹脂シートであれば良く、汎用のPET−Gシート、あるいは汎用のPVCシートが使用でき、適宜選択するのが好ましい。
【0028】
第1のコアシート1には、非接触型ICモジュール9の基板5を配置する領域の周囲に対して、基板5の周縁部より外側の位置に、基板5を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、貫通孔8a、貫通孔8b、貫通孔8c、貫通孔8dを設ける。貫通孔は、直線部及び/または曲線部を有するスリット状、または円状の開口部を有する貫通孔など、形状は何れでも良く、適宜選択するのが好ましい。
【0029】
第2のコアシート2には、非接触型ICモジュール9のモールド部6を配置する領域の周囲に対して、モールド部6の周縁部より外側の位置に、モールド部6を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、貫通孔8e、貫通孔8f、貫通孔8g、貫通孔8hを設ける。貫通孔は、直線部及び/または曲線部を有するスリット状、または円状の開口部を有する貫通孔など、形状は何れでも良く、適宜選択するのが好ましい。
【0030】
オーバーシート4及びオーバーシート3は、加熱し、加圧する事で積層一体化ができ、コアシートより高い熱変形温度を有する熱可塑性樹脂製の樹脂シートであれば良く、例えば、熱変形温度が80℃程度の耐熱用のPET−Gシート、あるいは熱変形温度が80℃程度の耐熱用のPVCシート等が使用でき、適宜選択するのが好ましい。更には、積層一体化後の非接触型カードの寸法安定性等を考慮すれば、コアシートと同系の熱可塑性樹脂シートを用いることが望ましい。
【0031】
図2は、本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第1の形態を示す図であり、図2(a)は、第1のコアシートを示す図である。
【0032】
本発明の第1の形態に係る第1のコアシート1には、非接触型ICモジュールの基板を配置する領域の周囲に対して、基板の周縁部より外側の位置に、基板を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、長方形の開口部を有する、貫通孔8a、貫通孔8b、貫通孔8c、貫通孔8dを設ける。
【0033】
図2(b)は、本発明の第1の形態に係る第2のコアシートを示す図である。
【0034】
本発明の第1の形態に係る第2のコアシート2には、非接触型ICモジュールのモールド部を配置する領域の周囲に対して、モールド部の周縁部より外側の位置に、モールド部を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、長方形の開口部を有する、貫通孔8e、貫通孔8f、貫通孔8g、貫通孔8hを設ける。
【0035】
図3は、本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第2の形態を示す図であり、図3(a)は、第1のコアシートを示す図である。
【0036】
本発明の第2の形態に係る第1のコアシート1には、非接触型ICモジュールの基板を配置する領域の周囲に対して、基板の周縁部より外側の位置に、基板を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、長方形の開口部を有する、貫通孔8a、貫通孔8b、貫通孔8c、貫通孔8dを設けた後、更に、貫通孔8a、貫通孔8b、貫通孔8c、貫通孔8dを囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、長方形の開口部を有する、貫通孔88a、貫通孔88b、貫通孔88c、貫通孔88dを設ける。
【0037】
図3(b)は、本発明の第2の形態に係る第2のコアシートを示す図である。
【0038】
本発明の第2の形態に係る第2のコアシート2には、非接触型ICモジュールのモールド部を配置する領域の周囲に対して、モールド部の周縁部より外側の位置に、基板を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、長方形の開口部を有する貫通孔8e、貫通孔8f、貫通孔8g、貫通孔8hを設けた後、更に、貫通孔8e、貫通孔8f、貫通孔8g、貫通孔8hを囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、長方形の開口部を有する、貫通孔88e、貫通孔88f、貫通孔88g、貫通孔88hを設ける。
【0039】
図4は、本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第3の形態を示す図であり、図4(a)は、第1のコアシートを示す図である。
【0040】
本発明の第3の形態に係る第1のコアシート1には、非接触型ICモジュールの基板を配置する領域の周囲に対して、基板の周縁部より外側の位置に、基板を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、波形のスリット状の開口部を有する、貫通孔8i、貫通孔8j、貫通孔8k、貫通孔8lを設ける。
【0041】
図4(b)は、本発明の第3の形態に係る第2のコアシートを示す図である。
【0042】
本発明の第3の形態に係る第2のコアシート2には、非接触型ICモジュールのモールド部を配置する領域の周囲に対して、モールド部の周縁部より外側の位置に、モールド部を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、波形のスリット状の開口部を有する、貫通孔8m、貫通孔8n、貫通孔8o、貫通孔8pを設ける。
【0043】
図5は、本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第4の形態を示す図であり、図5(a)は、第1のコアシートを示す図である。
【0044】
本発明の第4の形態に係る第1のコアシート1には、非接触型ICモジュールの基板を配置する領域の周囲に対して、基板の周縁部より外側の位置に、基板を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、直線部及び曲線部を備えたスリット状の開口部を有する、貫通孔88i、貫通孔88j、貫通孔88k、貫通孔88lを設ける。
【0045】
図5(b)は、本発明の第4の形態に係る第2のコアシートを示す図である。
【0046】
本発明の第4の形態に係る第2のコアシート2には、非接触型ICモジュールのモールド部を配置する領域の周囲に対して、モールド部の周縁部より外側の位置に、モールド部を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、直線部及び曲線部を備えたスリット状の開口部を有する、貫通孔88m、貫通孔88n、貫通孔88o、貫通孔88pを設ける。
【0047】
図6は、本発明の非接触型ICカードの製造方法に係るコアシートの第5の形態を示す図であり、図6(a)は、第1のコアシートを示す図である。
【0048】
本発明の第5の形態に係る第1のコアシート1には、非接触型ICモジュールの基板を配置する領域の周囲に対して、基板の周縁部より外側の位置に、基板を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、円状の開口部を有する、貫通孔8q、貫通孔8r、貫通孔8s、貫通孔8tを設ける。
【0049】
図6(b)は、本発明の第5の形態に係る第2のコアシートを示す図である。
【0050】
本発明の第5の形態に係る第2のコアシート2には、非接触型ICモジュールのモールド部を配置する領域の周囲に対して、モールド部の周縁部より外側の位置に、モールド部を囲み、切削機、レーザー加工機、打ち抜き機等を用いて、円状の開口部を有する、貫通孔8u、貫通孔8v、貫通孔8w、貫通孔8yを設ける。
【0051】
次に、本発明の非接触型ICカードの製造方法について説明する。
【0052】
図7は、本発明の非接触型ICカードの製造方法を説明する図であり、図2に示す本発明の第1の形態に係るコアシートを用いた場合の非接触型ICカードの製造方法である。図7(a)は、加熱及び加圧前の熱可塑性樹脂シートの断面を示す図であり、オーバーシートに熱板を接触させる前の熱可塑性樹脂シートの状態を示している。
【0053】
予め、被覆銅線を巻線して、アンテナ部7a、アンテナ部7b、アンテナ部7e、アンテナ部7f、アンテナ末端7c、アンテナ末端7dを有する通信用アンテナ7を作製し、アンテナ末端7c及びアンテナ末端7dと、基板5及びモールド部6からなる接触型ICモジュール9の基板5と電気的に接合する。
【0054】
次に、図2に示すコアシートを第1のコアシート1及び第2のコアシート2に用い、第1のコアシート1に設けた貫通孔8aと貫通孔8b、及び図示しない貫通孔8cと貫通孔8dの間に基板5を配置し、更に、第2のコアシート2に設けた貫通孔8eと貫通孔8f及び図示しない貫通孔8gと貫通孔8hの間にモールド部6を配置して、接触型ICモジュール9及び通信用アンテナ7を、第1のコアシート1及び第2のコアシート2で挟んだ後、第1のコアシート1にオーバーシート4を重ね、更に、第2のコアシート2にオーバーシート3を重ねる。
【0055】
図7(b)は、加熱及び加圧中の非接触型ICカードの断面図であり、オーバーシートに熱板を接触させて加熱し、コアシートの温度が熱変形温度に達し、積層一体化の為の加圧を開始した非接触型ICカードの状態を示している。
【0056】
コアシートにオーバーシートを重ねた後、第1のコアシート1に接していないオーバーシート4の面と、第2のコアシート2に接していないオーバーシート3の面に、図示しない熱板を接触させて加熱し、第1のコアシート1及び第2のコアシート2の温度が熱変形温度に達すると同時に、積層一体化の為の加圧を開始する。
【0057】
熱変形温度に達するとともに積層一体化の圧力が加わった、第1のコアシート1及び第2のコアシート2は、通信用アンテナ7を成す、アンテナ部7a、アンテナ部7b、アンテナ部7e、アンテナ部7f、アンテナ末端7c、アンテナ末端7dを埋設し始める。更に、接触型ICモジュール9の基板5に接する第1のコアシート1は、基板5を埋設し始めるとともに、貫通孔8aと貫通孔8b、及び図示しない貫通孔8cと貫通孔8dに樹脂が流れ込んでスリットの空間を縮小させる。また、非接触型ICモジュール9のモールド部6に接する第2のコアシート2は、モールド部6を埋設し始めるとともに、貫通孔8eと貫通孔8f及び図示しない貫通孔8gと貫通孔8hに樹脂が流れ込んでスリットの空間を縮小させる。
【0058】
図7(c)は、積層一体化後の非接触型ICカードの断面図であり、コアシートの温度が熱変形温度に達すると同時に加圧し始め、積層設定圧力まで加圧し、更に、積層設定温度まで加熱した非接触型ICカードの状態を示している。
【0059】
図示しない熱板により、積層設定圧力まで加圧するとともに積層設定温度まで加熱した、第1のコアシート1及び第2のコアシート2は、通信用アンテナ7を成す、アンテナ部7a、アンテナ部7b、アンテナ部7e、アンテナ部7f、アンテナ末端7c、アンテナ末端7dを埋設し、更に、基板5及びモールド部6からなる非接触型ICモジュール9を埋設するとともに、流れ込む樹脂で貫通孔を塞いで消失させ、第1のコアシート1とオーバーシート4、及び、第2のコアシート2とオーバーシート3が熱融着し、積層一体化する。
【0060】
上述のような非接触型ICカードの製造方法により、段差やしわがない平坦なカード表面を有し、且つ非接触型ICモジュールの隠蔽性及び耐加重性を備える非接触型ICカードを得ることができる。
【0061】
上述した本発明の非接触型ICカードの製造方法は、図2乃至図6に示すコアシートの5つの実施の形態のいずれの形態でも同様の効果が得られ、適宜選択するのが好ましい。
【実施例】
【0062】
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。まず、後に説明する本発明の実施例及び比較例の、非接触型ICカードに対して行った評価内容について説明する。評価した特性は、(1)非接触型ICモジュールの隠蔽性、(2)非接触型ICモジュールの耐加重性、(3)カード表面の平坦性、の3つの特性とし、以下の方法で評価した。
【0063】
(1)非接触型ICモジュールの隠蔽性
非接触型ICモジュールの隠蔽性の評価は、作製した非接触型ICカードの表面を目視観察し、以下の判定基準で評価した。評価数は、本発明の実施例及び比較例とも、各100枚とした。
【0064】
(判定基準)
良好:非接触型ICモジュールを目視で判別できない。
不良:非接触型ICモジュールが透けて、目視で判別できる。
【0065】
(2)非接触型ICモジュールの耐加重性
非接触型ICモジュールの耐加重性の評価は、作製した非接触型ICカードに、非接触型ICカード用二次印刷プリンターで直接印刷を行った後、通信検査機で通信不能になるカードの有無を検査し、評価した。評価数は、本発明の実施例及び比較例とも、各100枚とした。
【0066】
(3)カード表面の平坦性
カード表面の平坦性の評価は、作製した非接触型ICカードに、非接触型ICカード用二次印刷プリンターで直接印刷を行った後、印刷の出来栄えを目視観察し、以下の判定基準で評価した。評価数は、本発明の実施例及び比較例とも、各100枚とした。
【0067】
(判定基準)
良好:印刷面に印刷抜け、スジが認められない。
不良:印刷面に印刷抜け、スジが認められる。
【0068】
次に、後に説明する本発明の実施例及び比較例で共に用いた、非接触型ICモジュール、及び通信用アンテナについて説明する。
【0069】
非接触型ICモジュールは、厚みが150μmの金属製の基板に、厚みが250μmの樹脂封止が成され、総厚みが400μmであり、通信周波数が13.56MHzである市販の非接触通信用のICモジュールを用いた。非接触型ICモジュールの樹脂封止部は、幅寸法が4mmで、長さ寸法が4mmである。また、アンテナ末端と接合するために、非接触型ICモジュールの金属製の基板に設けた端子部は、幅寸法が4mmで、長さ寸法が2mmであり、樹脂封止部の長さ方向に延伸した位置に設けてある。
【0070】
通信用アンテナは、線径が140μmの被覆銅線を方形状に、2ターン螺旋巻きして作製し、アンテナ末端を非接触型ICモジュールの端子部に半田付けして、電気的に接合した。
【0071】
本発明の実施例は、図7に示したように、本発明の第1の形態に係るコアシートを用いた非接触型ICカードの製造方法の事例である。
【0072】
本発明の実施例で用いる第1のコアシート及び第2のコアシートには、60℃の熱変形温度を有し、厚みが200μmであり、幅寸法が210mmで、長さ寸法が290mmの白色のPET−Gシートを用い、オーバーシートには、80℃の熱変形温度を有し、厚みが200μmであり、幅寸法が210mmで、長さ寸法が290mmの白色のPET−Gシートを用いた。
【0073】
まず、図1及び図2で説明したように、第1のコアシート1に、非接触型ICモジュール9の基板5を配置する領域(幅寸法=4mm×長さ寸法=8mm)を囲み、レーザー加工機を用いて、幅寸法が1mmで、長さが寸法8mmの長方形の開口部を有する、貫通孔8c及び貫通孔8dと、幅寸法が1mmで、長さが寸法4mmの長方形の開口部を有する、貫通孔8a及び貫通孔8bを設けた。
【0074】
次に、図1及び図2に示したように、第2のコアシート2に、非接触型ICモジュール9のモールド部6を配置する領域(幅寸法=4mm×長さ寸法=4mm)を囲み、レーザー加工機を用いて、幅寸法が1mmで、長さが寸法4mmの長方形の開口部を有する、貫通孔8e、貫通孔8f、貫通孔8g、貫通孔8hを設けた。
【0075】
次に、図1及び図7で説明したように、非接触型ICモジュールの基板5を第1のコアシート1の貫通孔8c、貫通孔8d、貫通孔8a、貫通孔8bが囲む領域に配置し、更に、非接触型ICモジュール9のモールド部6を第2のコアシート2の貫通孔8e、貫通孔8f、貫通孔8g、貫通孔8hが囲む領域に配置し、予め非接触型ICモジュールと半田付けした通信用アンテナとともに、第1のコアシート1及び第2のコアシート2で挟んだ後、第1のコアシート1にオーバーシート4を重ね、第2のコアシート2にオーバーシート3を重ねた。
【0076】
引き続き、第1のコアシート1に接していないオーバーシート4の面と、第2のコアシート2に接していないオーバーシート3の面に、熱板を接触させ、熱板温度130℃で加熱し、第1のコアシート及び第2のコアシートの温度が熱変形温度の60℃に達したと同時に、積層一体化の為の加圧を開始し、積層設定圧力の圧力1.0MPaまで加圧するとともに、積層設定温度の100℃まで加熱し、積層一体化して、非接触型ICカードを作製した。
【0077】
次に、実施例の非接触型ICカードに対して、(1)非接触型ICモジュールの隠蔽性、(2)非接触型ICモジュールの耐加重性、(3)カード表面の平坦性の特性について、評価特性毎に100枚ずつ評価を行い、その結果を不良率として表1に示した。
【0078】
【表1】

【0079】
表1に示されるように、実施例の非接触型ICカードに対する特性評価の結果、非接触型ICモジュールの隠蔽性は、全てのカードとも目視で非接触型ICモジュールを判別できず、十分な隠蔽性が得られた。更に、非接触型ICモジュールの耐加重性は、全てのカードとも、非接触型ICカード用二次印刷プリンターで直接印刷を行った後に通信不能になるカードは無く、十分な耐加重性が得られた。更に、カード表面の平坦性は、全てのカードとも、印刷面に印刷抜け、スジが認められず、二次印刷に適した平坦性が得られた。
【0080】
(比較例)
図8は、比較例の非接触型ICカードの製造方法を説明する図であり、図8(a)は、加熱及び加圧前の熱可塑性樹脂シートの断面を示す図であり、オーバーシートに熱板を接触させる前の熱可塑性樹脂シートの状態を示している。
【0081】
比較例では、第1のコアシート31、第2のコアシート32、オーバーシート34、オーバーシート33に、60℃の熱変形温度を有し、厚みが200μmであり、幅寸法が210mmで、長さ寸法が290mmの白色のPET−Gシートを用いた。
【0082】
更に、アンテナ部37a、アンテナ部37b、アンテナ部37e、アンテナ部37f、アンテナ末端37c、アンテナ末端37dを有する通信用アンテナ37、及び基板35及びモールド部36からなる非接触型ICモジュール39は、実施例で用いたものと同等のものを用い、アンテナ末端37c及びアンテナ末端37dと、基板35を半田接合して電気的に接合した。
【0083】
次に、第1のコアシート31に、非接触型ICモジュール39の基板35を配置する領域に、幅寸法が4mmで、長さ寸法が8mmの貫通孔38aをレーザー加工機で作製し、更に、第2のコアシート32に、非接触型ICモジュール39のモールド部36を配置する領域に、幅寸法が4mmで、長さ寸法が4mmの貫通孔38bをレーザー加工機で作製した。
【0084】
図8(b)は、加熱及び加圧中の非接触型ICカードの断面図であり、第1のコアシート31の貫通孔38aに非接触型ICモジュール39の基板35を挿入し、更に、第2のコアシート32の貫通孔38bに非接触型ICモジュール39のモールド部36を挿入し、アンテナ部37a、アンテナ部37b、アンテナ部37e、アンテナ部37f、アンテナ末端37c、アンテナ末端37dを有する通信用アンテナ37とともに、第1のコアシート31及び第2のコアシート32で挟んだ後、第1のコアシート31にオーバーシート34を重ね、第2のコアシート32にオーバーシート33を重ねた。
【0085】
引き続き、第1のコアシート31に接していないオーバーシート34の面と、第2のコアシート32に接していないオーバーシート33の面に、図示しない熱板を接触させ、熱板温度130℃で加熱すると同時に、積層一体化の為の加圧を開始し、積層設定圧力の圧力1.0MPaまで加圧するとともに、積層設定温度の100℃まで加熱し、積層一体化して、非接触型ICカードを作製した。
【0086】
図8(c)は、積層一体化後の非接触型ICカードの断面図であり、カード表面に段差が発生した非接触型ICカードを説明する図である。
【0087】
上述の比較例の製造方法で作製された非接触型ICカードは、第1のコアシート31及び第2のコアシート32の間に、基板35及びモールド部36からなる非接触型ICモジュール39と、アンテナ部37a、アンテナ部37b、アンテナ部37e、アンテナ部37f、アンテナ末端37c、アンテナ末端37dを有する通信用アンテナ37を埋設し、更に、第1のコアシート31にオーバーシート34を積層し、第2のコアシート32にオーバーシート33を積層しており、基板35を埋設した箇所の第1のコアシート31及びオーバーシート34には、段差99bが発生し、モールド部36を埋設した箇所の第2のコアシート32及びオーバーシート33には、段差99aが発生した。
【0088】
次に、比較例の非接触型ICカードに対して、(1)非接触型ICモジュールの隠蔽性、(2)非接触型ICモジュールの耐加重性、(3)カード表面の平坦性の特性について、評価特性毎に100枚ずつ評価を行い、その結果を不良率として表1に示した。
【0089】
表1に示されるように、比較例の非接触型ICカードに対する特性評価の結果、非接触型ICモジュールの隠蔽性は、非接触型ICモジュールが透け、目視で非接触型ICモジュールを判別できるカードが20%発生し、隠蔽性が安定して得られなかった。更に、非接触型ICモジュールの耐加重性は、非接触型ICカード用二次印刷プリンターで直接印刷を行った後に通信不能になるカードが、2%発生しており、十分な耐加重性が得られなかった。更に、カード表面の平坦性は、全てのカードに、印刷面の印刷抜け及びスジが認められ、二次印刷に適した平坦性が得られなかった。
【0090】
以上の比較より、コアシートに設けた貫通孔に非接触型ICモジュールを挿入して、積層一体化する従来技術の非接触型ICカードの製造方法では、非接触型ICモジュールの隠蔽性、及び、二次印刷専用プリンターでの印刷に十分な非接触型ICモジュールの耐加重性を有し、更に、二次印刷に適した平坦性を有する非接触型ICカードを作製できないが、本発明の、予め、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートの非接触型ICモジュールを配置する領域の周囲に対して、直線部及び/または曲線部を有するスリット状、または円状の開口部を有する貫通孔を、非接触型ICモジュールの周縁部より外側の位置に、非接触型ICモジュールを囲んで複数個設け、更に、コアシートを挟持するオーバーシートの熱変形温度をコアシートの熱変形温度より高くし、コアシートの温度が熱変形温度に達してから積層一体化の圧力を加えるとともに、非接触型ICモジュールを配置しない部分のコアシートとオーバーシートの構成と、非接触型ICモジュールの上部及び下部に重ねるコアシートとオーバーシートの構成を同一にする、製造方法では、二次印刷に適した平坦性を有し、且つ非接触型ICモジュールの隠蔽性及び耐加重性を備える非接触型ICカードを作製できた。
【0091】
以上、図面を用いて本発明の実施例を説明したが、本発明は、この実施例に限られるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で部材や構成の変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当事者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0092】
1、31 第1のコアシート
2、32 第2のコアシート
3、4、33、34 オーバーシート
5、35 基板
6、36 モールド部
7、37 通信用アンテナ
7a、7b、7e、7f、37a、37b、37e、37f アンテナ部
7c、7d、37c、37d アンテナ末端
8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h、8i、8j、8k、8l、8m、8n、8o、8p、8q、8r、8s、8t、8u、8v、8w、8y、88a、88b、88c、88d、88e、88f、88g、88h、88i、88j、88k、88l、88m、88n、88o、88p 貫通孔
9、39 非接触型ICモジュール
38a、38b 貫通孔
99a、99b 段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触型ICモジュール及び通信用アンテナを熱可塑性樹脂からなる第1のコアシートに配置し、前記非接触型ICモジュール及び前記通信用アンテナの上に熱可塑性樹脂からなる第2のコアシートを重ね、更に、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートを熱可塑性樹脂からなるオーバーシートで挟持し、加熱し、加圧して積層一体化してなる非接触型ICカードの製造方法において、予め、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートに対して、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートが接する前記非接触型ICモジュールの周縁部より外側の位置に、貫通孔を設けることを特徴とする非接触型ICカードの製造方法。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記非接触型ICモジュールが接する領域を囲み、複数個設けることを特徴とする請求項1記載の非接触型ICカードの製造方法。
【請求項3】
前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートの温度を熱変形温度まで加熱した後に、加圧を開始することを特徴とする請求項1乃至2記載の非接触型ICカードの製造方法。
【請求項4】
前記オーバーシートの熱変形温度は、前記第1のコアシート及び前記第2のコアシートの熱変形温度より高いことを特徴とする請求項1乃至3記載の非接触型ICカードの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−198300(P2010−198300A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42182(P2009−42182)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】