説明

非接触情報記録媒体の製造方法

【課題】 簡単にアンテナ回路を形成すると同時に接続端子を介してICモジュールと接続することができ、また、アンテナ回路のパターニングの自由度が高い非接触情報記録媒体の製造方法の提供。
【解決手段】 ICモジュールが埋設された記録基材上に、アンテナ回路を形成し、接続端子を介して当該ICモジュールにアンテナ回路を接続させることにより非接触情報記録媒体を製造する方法であって、接続端子が接続されたICモジュールが埋設された記録基材上に、結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって、少なくとも接続端子に接触する状態にアンテナ回路を接着すべき箔接着用樹脂層を形成し、少なくとも加圧することで当該箔接着用樹脂層上に導電箔を接触させて接着することにより、導電箔によるアンテナ回路を形成する工程を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法によってICモジュールが埋設された記録基材上にトナーによって導電箔を接着して、アンテナ回路を形成する非接触情報記録媒体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴って、情報をカードに記録し、当該カードを用いた情報管理や決済などが行われている。また、商品などに貼付されるラベルに情報を記録し、このラベルを用いて商品などを管理することも行われている。
このようなカードやラベルを用いた情報管理のツールとして、カードやラベルに対して非接触状態で情報の書き込みおよび読み出しを行うことができるIC(集積回路)が搭載された非接触型ICカードや非接触型ICラベルなどの非接触情報記録媒体が、その優れた利便性から急速に普及しつつある。
【0003】
非接触状態で情報の書き込みおよび読み出しを行うことができる非接触情報記録媒体としては、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用した電磁結合方式のもの、2つのコイルの誘電磁束による誘起電力を利用した電磁誘導方式のもの、マイクロ波によってデータを送受信するマイクロ波方式のもの、カードあるいはラベル側と外部に設けられた情報書込/読出側のアンテナ間をコンデンサ原理で帯電させて通信を行う静電結合方式のもの、および近赤外線光を高速で点滅させる光のエネルギー変調を用いた光方式のものなどがあるが、これらの中でも、電磁誘導方式のものが、透過性に優れ、かつ、データ伝送の信頼性が高いことから、多く利用されている。
【0004】
電磁誘導方式の非接触情報記録媒体は、記録基材の表面上において周回するコイル形状のアンテナ回路が形成されると共に、このアンテナ回路と電気的に接続された状態でICモジュールが搭載されて構成されており、この非接触情報記録媒体においては、電磁波を利用して、周囲磁場の変動によりアンテナ回路に誘導起電力が発生することにより当該アンテナ回路がICモジュールの電源として機能すると同時に、ICモジュールが発する信号をアンテナ回路へ供給することによって、外部通信手段との情報伝達、例えばICモジュールに記録された情報の読み出しおよび/またはICモジュールへの新たな情報の書き込みがなされる。
【0005】
このような電磁誘導方式の非接触情報記録媒体は、従来、エッチングやスクリーン印刷などによってアンテナ回路を別個に作製し、このアンテナ回路を記録基材に接着し、さらに接続端子を電気的に接続して製造しており、その作業工程が非常に煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4531183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、簡単にアンテナ回路を形成すると同時に接続端子を介してICモジュールと接続することができ、また、アンテナ回路のパターニングの自由度が高い非接触情報記録媒体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の非接触情報記録媒体の製造方法は、ICモジュールが埋設された記録基材上に、アンテナ回路を形成し、当該ICモジュールに接続端子を介してアンテナ回路を接続させることにより非接触情報記録媒体を製造する方法であって、
接続端子が接続されたICモジュールが埋設された記録基材上に、結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって、少なくとも接続端子に接触する状態にアンテナ回路を接着すべき箔接着用樹脂層を形成し、少なくとも加圧することで当該箔接着用樹脂層上に導電箔を接触させて接着することにより、前記接続端子にアンテナ回路を接続し導電箔によるアンテナ回路を形成する工程を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の非接触情報記録媒体の製造方法は、ICモジュールが埋設された記録基材上に、アンテナ回路を形成し、当該ICモジュールに接続端子を介してアンテナ回路を接続させることにより非接触情報記録媒体を製造する方法であって、
接続端子が接続されたICモジュールが埋設された記録基材上に、熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって加熱定着することにより、少なくとも接続端子に接触する状態にアンテナ回路を接着すべき箔接着用樹脂層を形成し、当該箔接着用樹脂層上に導電箔を接触させて加熱することにより、前記接続端子にアンテナ回路を接続し導電箔によるアンテナ回路を形成する工程を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の非接触情報記録媒体の製造方法においては、前記導電箔が、金属箔であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の非接触情報記録媒体の製造方法においては、前記トナーを導電性のものとすることができる。
【0012】
また、本発明の非接触情報記録媒体の製造方法においては、前記箔接着用樹脂層が接続端子の一部分上に形成され、当該一部分とは異なる部分に、アンテナ回路の端部を接触させる構成とすることができる。
【0013】
さらに、本発明の非接触情報記録媒体の製造方法においては、アンテナ回路を形成する工程を行った後、絶縁性の保護層を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の非接触情報記録媒体の製造方法によれば、電子写真法によって結着樹脂を含有するトナーを接着剤として利用して記録基材および接続端子に導電箔を接着させるために、導電箔によるアンテナ回路が形成されると同時に当該アンテナ回路とICモジュールとが電気的に接続されるので、煩雑な作業工程を要さず簡単にアンテナ回路を形成することができる。
また、電子写真法を利用してアンテナ回路を形成するために、アンテナ回路のパターニングの自由度が高い。このため、本発明の非接触情報記録媒体の製造方法は、オンデマンドプリントに適する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る非接触情報記録媒体の構成の一例を示す説明用図であり、(a−1)はICモジュールが埋設された記録基材の説明用平面図、(a−2)は(a−1)のX−X線断面図、(b−1)は箔接着用樹脂層が形成された状態を示す説明用平面図、(b−2)は(b−1)のY−Y線断面図、(c−1)は導電箔が接着された状態を示す説明用平面図、(c−2)は(c−1)のZ−Z線断面図である。
【図2】本発明の非接触情報記録媒体の製造方法を行うためのアンテナ回路形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【図3】箔転写装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【図4】本発明の非接触情報記録媒体の製造方法に用いる転写箔の断面構造を示す説明用断面図である。
【図5】本発明に係る非接触情報記録媒体の構成の別の一例を示す説明用平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明において、箔接着用樹脂層を形成し、当該箔接着用樹脂層上に導電箔を接触させて接着することにより、前記接続端子にアンテナ回路を接続し導電箔によるアンテナ回路を形成する工程とは、以下に説明するように、(1)箔接着用樹脂層形成工程と、(2)アンテナ回路形成接続工程とに分けられる。
そして、(1)箔接着用樹脂層形成工程において形成される箔接着用樹脂層は、トナーが加熱定着されてなるものであってもよく(第1の実施の形態参照。)、未定着の粉体状態のトナーによって構成されていてもよい(第2の実施の形態参照。)が、記録基材上に箔接着用樹脂層が固定化された状態で導電箔を接着させることにより、高い位置精度が得られて、高精細なアンテナ回路を形成することができることから、箔接着用樹脂層は、トナーが加熱定着されてなるものであることが好ましい。
以下、本発明について具体的に説明する。
【0017】
<第1の実施の形態>
本発明の非接触情報記録媒体の製造方法に係る第1の実施の形態は、図1に示されるように、ICモジュール3が埋設された記録基材2上に、アンテナ回路7を形成し、当該ICモジュール3に接続端子8A,8Bを介してアンテナ回路7を接続させることにより非接触情報記録媒体を製造する方法であって、
(1)接続端子8A,8Bが接続されたICモジュール3が埋設された記録基材2(図1(a−1),(a−2)参照)上に、熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって加熱定着することにより、少なくとも接続端子8A,8Bに接触する状態にアンテナ回路7を接着すべき箔接着用樹脂層5を形成する箔接着用樹脂層形成工程(図1(b−1),(b−2)参照)と、
(2)当該箔接着用樹脂層5上に導電箔80c(図4参照)を接触させて加熱することにより、接続端子8A,8Bにアンテナ回路7を接続して導電箔80cによるアンテナ回路7を形成するアンテナ回路形成接続工程(図1(c−1),(c−2)参照)
を有する方法である。
【0018】
〔記録基材〕
記録基材2としては、ICモジュール3を埋設することができ、かつ、箔接着用樹脂層5を介してアンテナ回路7を保持することができるものであればよく、具体的には、例えば普通紙、厚紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、ダンボール紙などの紙基材;塩化ビニール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂基材などを挙げることができる。
記録基材2の厚みは、例えば0.01〜5mmとすることができる。また、記録基材2のサイズは、特に限定されない。
記録基材2の寸法の一例を具体的に示すと、縦54mm、横85mm、厚み500μmである。
【0019】
〔ICモジュール〕
ICモジュール3は、情報の読み出し、書き込みなどの所望の機能を備えたものであればよく、その形状は特に限定されないが、記録基材2に埋め込むことのできる厚み、例えば10〜400μmの厚みのものであることが好ましい。
ICモジュール3は、記録基材2に埋設されているが、段差のない表面を有する非接触情報記録媒体を得る観点から、記録基材2から突出する部分がない状態に埋設されていることが好ましい。
ICモジュール3は、具体的には、記録基材2の表面に開口する、その内寸が当該ICモジュール3の外寸に従った形状の凹所に配設されることにより、記録基材2に埋設される状態とされている。
【0020】
〔接続端子〕
接続端子8A,8Bは、例えば平板状、直方体状、立方体状または円柱状などのものとすることができ、そのサイズおよび形状は特に限定されない。
接続端子8A,8Bを形成する材料は、導電性を有するものであり、具体的な材料としては、例えばSUS、鉄、銅、アルミニウム、真鍮などが挙げられる。
接続端子8A,8Bの寸法の一例を具体的に示すと、縦1mm、横3mm、厚み100μmである。
【0021】
この接続端子8A,8Bは、ICモジュール3に電気的に接続されており、その少なくとも一部が記録基材2の表面上に露出されている。
【0022】
(1)箔接着用樹脂層形成工程
この箔接着用樹脂層形成工程においては、接続端子8A,8Bが接続されたICモジュール3が埋設された記録基材2上に、熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって加熱定着することにより、少なくとも接続端子8A,8Bに接触する状態にアンテナ回路7を形成すべき箔接着用樹脂層5が形成される。
箔接着用樹脂層5は、具体的には、以下に詳述するアンテナ回路形成装置のトナー像形成部10および定着装置50を用いて形成することができる。
【0023】
〔アンテナ回路形成装置〕
図2は、本発明の非接触情報記録媒体の製造方法を行うためのアンテナ回路形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
このアンテナ回路形成装置は、アンテナ回路7に基づいた形状の箔接着用樹脂層5を形成すべきトナー像を形成して記録基材2上に転写するトナー像形成部10と、トナー像が形成された記録基材2を加熱しながら加圧してトナー像を定着させる定着装置50と、記録基材2に対して導電箔80cを供給、加熱して導電箔80cを接着する箔転写装置70とを有する。
【0024】
トナー像形成部10は、静電潜像担持体である感光体15と、当該感光体15の表面に一様な電位を与える帯電手段11と、一様に帯電された感光体15上に所望の形状の静電潜像を形成する、半導体レーザ光源12A、ポリゴンミラー12Bおよびfθレンズ12Cからなる露光手段12と、トナーを感光体15上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段13と、現像手段13によって形成されたトナー像を記録基材2に転写するための転写手段14と、トナー像が転写された記録基材2を感光体15から分離させる分離手段16と、転写後に感光体15上に残留した残留トナーを回収する、ゴム状弾性体からなるクリーニングブレード19Aを有するクリーニング手段19と、帯電前露光手段(PCL)17とを備えるものである。
【0025】
定着装置50は、一対の加熱加圧ローラ51,52が互いに圧接されてその圧接部にニップ部Nが形成された状態に設けられてなるものである。
【0026】
このようなアンテナ回路形成装置のトナー像形成部10および定着装置50において、箔接着用樹脂層形成工程(1)が、以下のように行われる。
まず、トナー像形成部10において、感光体15上に、帯電手段11より帯電されて露光手段12により露光されることによってアンテナ回路7の形状に基づいた静電潜像が形成され、当該静電潜像が現像手段13においてトナーによって現像されることによりトナー像が形成される。
一方、図示しない給紙カセット内に収容された、予めICモジュール3が埋設された記録基材2が、図示しない搬送手段によってタイミングを合わせて転写領域Rに搬送され、当該転写領域Rにおいて転写手段14によって当該記録基材2上におけるアンテナ回路7を形成すべき位置に、感光体15上のトナー像が転写され、さらに分離手段16によってトナー像が転写された記録基材2が感光体15から分離される。
次いで、分離された記録基材2が定着装置50のニップ部Nに搬送され、当該ニップ部Nおいて加圧および加熱によりトナー像が定着されて箔接着用樹脂層5が形成される。
【0027】
トナー像を記録基材2に転写した後の感光体15は、クリーニング手段19により表面に残留したトナーが除去され、さらに、帯電前露光手段17によって残留電荷が除去された後に、次のトナー像の形成に供される。
【0028】
定着装置50の定着条件は、用いるトナーの種類によっても異なるが、例えば以下の通りにすることができる。
・加熱温度:150〜220℃
・ニップ時間:10〜200msec
なお、ニップ時間とは、加熱加圧ローラ51,52のニップ部Nの搬送方向長さ(mm)/線速(mm/sec)×1000から算出されるものである。
また、加熱温度とは、記録基材2のトナー像が転写された面に接触する加熱加圧ローラ51の表面温度をいう。
【0029】
〔箔接着用樹脂層〕
箔接着用樹脂層5は、所望するアンテナ回路7に基づいた形状となるよう形成される。
箔接着用樹脂層5の厚みは、例えば0.01〜100μmとすることが好ましい。箔接着用樹脂層5の厚みがこの範囲にあることにより、導電箔80cを記録基材2に確実に接着することができながら、導電箔80cと接続端子8A,8Bとの導通が確実に得られやすい。一方、箔接着用樹脂層5の厚みが過小である場合は、接着力が不足して導電箔80cを記録基材2に接着することができないおそれがある。また、箔接着用樹脂層5の厚みが過大である場合は、導電箔80cと接続端子8A,8Bとの十分な導通が得られないおそれがある。
【0030】
上記のアンテナ回路7の例における箔接着用樹脂層5の形状および寸法の一例を具体的に示すと、幅1mm、短辺の最大長さ50mm、長辺の最大長さ80mmの略矩形状である。
【0031】
〔トナー〕
本発明において、トナーは、接続端子8A,8Bおよび記録基材2上に導電箔80cを接着するための接着剤としての作用が発現されるものであって、熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を少なくとも含有するものである。
【0032】
〔熱可塑性樹脂〕
トナーを構成する結着樹脂に含有される熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂などの公知の種々の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂は、融点を有する結晶性樹脂であっても、融点を有さずにガラス転移点を有する非晶性樹脂であっても、またそれらの混合物であってもよい。
【0033】
トナーの軟化点は、90〜130℃であることが好ましい。
上記のような軟化点を有することによって、箔接着処理において熱が付与されたときに適度な接着性が得られながら、ICモジュール3に損傷を与えることがない。特に、上記の範囲の中において軟化点が低いほど、導電箔80cの接着時の加熱に要する熱量が少なくなるために好ましい。
一方、軟化点が過小である場合は、得られたアンテナ回路が、製品の使用環境によっては剥離するおそれがある。また、軟化点が過大である場合は、導電箔を接着させるために高い熱量が必要となるために、導電箔の接着不良が生じるおそれや、環境負荷が大きくなるおそれ、あるいは、熱によってICモジュールが破損するおそれがある。
【0034】
トナーの軟化点は、結着樹脂の種類、結着樹脂を得るための原材料種や使用比率、結着樹脂の分子量の調整などにより制御することができる。
【0035】
トナーの軟化点は、フローテスター法によって測定されたものである。
具体的には、まず、温度20±1℃、相対湿度50±5%RHの環境下において、測定試料(トナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、温度24±5℃、相対湿度50±20%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、軟化点とした。
【0036】
本発明に用いられるトナーとしては、導電性および絶縁性のいずれのものであってもよいが、導電性のものを用いることが、通電性の観点から好ましい。
導電性のトナーとしては、例えば、結着樹脂中に、導電性微粒子が分散されてなるトナー粒子からなるものとすることができる。
導電性微粒子としては、例えばカーボンブラック、鉄粉、マグネタイト、アルミ粉、銅粉などを挙げることができる。
トナー粒子中における導電性微粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましい。
また、絶縁性のトナーとは、上記のような導電性微粒子を有しないトナーのことをいう。
【0037】
〔トナーの作製方法〕
トナーを作製する方法としては、特に限定されず、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、乳化会合法、ミニエマルション重合凝集法、その他の公知の方法などを挙げることができる。
【0038】
〔トナー粒子の粒径〕
トナーを構成するトナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメジアン径で3〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜8μmとされる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は、「コールターカウンターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、測定試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(測定試料の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作成する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャ−径を100μmにし、測定範囲である2.0〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メジアン径(体積D50%径)とする。
【0039】
(2)アンテナ回路形成接続工程
このアンテナ回路形成接続工程においては、箔接着用樹脂層形成工程(1)において形成された箔接着用樹脂層5上に導電箔80cを接触させて加熱することにより、導電箔80cによるアンテナ回路7が形成され、同時に、アンテナ回路7の一端部が正極側の接続端子8Aに電気的に接続されると共に他端部が負極側の接続端子8Bに電気的に接続される。
アンテナ回路7は、具体的には、上述したアンテナ回路形成装置における下記に詳述する箔転写装置70を用いて形成することができる。
【0040】
箔転写装置70は、図3に示されるように、適宜の駆動手段により駆動されて時計方向に回転される箔転写ローラ73aおよび当該箔転写ローラ73aに従動して回転される箔転写ローラ73bが、記録基材2に対して供給されるべき導電箔80cを有する長尺なシート状の転写箔80(図4参照)を介して互いに圧接された状態に設けられていると共に、この転写箔80を走行させる搬送手段79が設けられてなるものである。
【0041】
転写箔80を走行させる搬送手段79は、転写箔80が巻きつけられ、転写箔80が弛むことを防止するために逆テンションがかけられた元巻きローラ71Aを有する元巻き部71と、駆動源によって反時計方向(図3において矢印方向)に回転される巻き取りローラ72Aを有する巻き取り部72とよりなり、転写箔80の走行方向が箔転写ローラ73aの表面の移動方向と同方向となるよう配置されている。
搬送手段79の巻き取りローラ72Aの回転速度は、箔転写ローラ73a,73bの圧接部における転写箔80の搬送速度が、当該圧接部における記録基材2の搬送速度と同じとなる速度とされる。
【0042】
箔転写ローラ73a,73bは、加熱加圧ローラと同様の機能を有するものであり、箔転写ローラ73a,73bの少なくともいずれかに、図示しない加熱源が備えられている。
【0043】
〔導電箔〕
本発明において、導電箔80cは、転写箔80としてアンテナ回路形成接続工程に供せられる。
転写箔80は、具体的には、例えば、図4に示すように、樹脂などからなるフィルム状の支持体80a上に、離型層80bを介して、導電箔80cが形成された層構造を有するものであることが好ましい。
導電箔80cは、具体的には、離型層80b上に形成される導電性材からなる箔層80dと、当該箔層80d上に形成され、接着性を発現する接着層80eとよりなる。この接着層80eは、導電性を有するものであることが好ましい。
【0044】
支持体80aは、樹脂などからなるフィルムまたはシートや紙からなるものである。支持体80aが樹脂からなるものである場合、樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の樹脂材料が挙げられる。
また、支持体80aは、単層構造のものであってもよく、多層構造のものであってもよい。
【0045】
離型層80bは、箔層80dおよび接着層80eからなる導電箔80cの支持体80aからの良好な剥離性を確保するためのものであって、この離型層80bを構成する材料としては、例えば、メラミンまたはイソシアネートを硬化剤として用いた熱硬化性樹脂、アクリレートまたはエポキシ樹脂を含有した紫外線または電子線硬化性樹脂に例えば、フッ素系またはシリコン系のモノマーまたはポリマーなどの公知のワックスを添加したものなどが挙げられる。
【0046】
箔層80dは、導電性を有するものであり、電気抵抗が低いものであることが好ましく、具体的には金属層であることが好ましい。
金属層は、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の方法によって形成することができる。金属層を形成するための金属材料としては、例えば、銀、鋼、アルミニウム、スズ、クロム、ニッケル、金などの単体の他に、ニッケル−クロム−鉄合金や青銅、アルミ青銅などの合金を用いることができる。
箔層80dは、例えば、厚さ20〜4000nmとすることができる。
【0047】
接着層80eは、例えば、加熱により結着性を発現させるいわゆるホットメルトタイプと呼ばれる感熱性の接着剤に導電性材が含有されてなるものとすることができる。感熱性の接着剤としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂およびエチレン−ビニルアルコール共重合体などのホットメルトタイプの接着剤に使用することができる公知の種々の熱可塑性樹脂が挙げられる。
接着層80eは、例えば、グラビアコータ、マイクログラビアコータおよびロールコータなどを用いて、感熱性の接着剤を形成する熱可塑性樹脂に、導電性材が分散されてなる塗液を箔層80d上に塗布することにより、形成することが好ましい。
接着層80eは、例えば、厚さ5〜100nmとすることが好ましい。
【0048】
上記のようなアンテナ回路形成装置の箔転写装置70において、アンテナ回路形成接続工程(2)が、以下のように行われる。
まず、箔接着用樹脂層5が形成された記録基材2が、搬送手段79によって元巻きローラ71Aに巻回されている状態の転写箔80が巻き取りローラ72Aが駆動されて回転されて巻き取られることにより、搬送路に沿って箔転写ローラ73a,73bの圧接部を通過するよう搬送される。
そして、箔転写ローラ73a,73bの圧接部においては、箔接着用樹脂層5が形成された記録基材2上に、送された転写箔80が当該箔接着用樹脂層5の表面に接触する状態で積層され、この状態において箔転写ローラ73a,73bにより加熱され、箔転写ローラ73a,73bの圧接部の通過後に自然冷却されることによって導電箔80cが箔接着用樹脂層5上に接着され、転写箔80の導電箔80cにおける箔接着用樹脂層5に接触されなかった部分が除去されることによって、当該箔接着用樹脂層5の表面形状と略一致した形状のアンテナ回路7が形成される。
転写箔80の導電箔80cにおける箔接着用樹脂層5に接触されなかった部分は、支持体80aおよび離型層80bと共に巻き取りローラ72Aに巻き取られる。
【0049】
このように得られたアンテナ回路7は、当該アンテナ回路7が伸びる長手方向の一端面80αおよび他端面80βが、接続端子8A,8Bのそれぞれ一部分に接触された状態で接着されたものとなる。
具体的には、図1(c−2)に示されるように、箔接着用樹脂層5が接続端子8A,8Bの上面の一部分に接触する状態に形成され、当該箔接着用樹脂層5の上面および側面に導電箔80cが接着されることにより、必然的に、当該一部分とは異なる部分、具体的には接続端子8A,8Bの上面における当該一部分に隣接する部分に、アンテナ回路7の長手方向における一端面80αおよび他端面80βがそれぞれ接触される。これにより、トナーが絶縁性のものである場合にも、導電箔80cと接続端子8A,8Bとの導通が図られる。
【0050】
箔転写装置70における加熱条件は、用いるトナーの種類によっても異なるが、例えば以下の通りにすることができる。
・加熱温度:140〜210℃
・ニップ時間:10〜4000msec
なお、ニップ時間とは、箔転写ローラ73a,73bの圧接部の搬送方向長さ(mm)/線速(mm/sec)×1000から算出されるものである。
また、加熱温度とは、記録基材2の箔接着用樹脂層5が形成された面に接触する箔転写ローラ73aの表面温度をいう。
【0051】
〔アンテナ回路〕
アンテナ回路7は、記録基材2の表面上において周縁に沿って周回する形状を有し、箔接着用樹脂層5上に接着された線状の導電箔80cから構成される。
具体的には、例えば全体として略矩形状とされる。なお、アンテナ回路7の経路形状は、略矩形状であることに限定されず、例えば円形状や楕円形状であってもよい。
アンテナ回路7が全体として略矩形状とされる場合は、具体的には、平面視において、アンテナ回路7の一端部が接続端子8Aの上部に位置されると共に、中間部が記録基材2の周縁に沿って矩形状に1回周回され、さらにアンテナ回路7の他端部が接続端子8Bの上部に位置されるように配置される。
アンテナ回路7においては、導電箔80cが交差される位置は存在しないものとされる。
【0052】
記録基材2の周縁に沿ってアンテナ回路7を配置することによって、アンテナ回路7の有効面積を広く確保することができるので当該アンテナ回路7を貫く磁束を大きくすることができ、従って、得られる非接触情報記録媒体を誘導起電力を大きなものとすることができると共に外部通信手段との情報伝達に係る出力が向上されて通信距離の長いものとすることができる。本発明においては、アンテナ回路のパターニングの自由度が高いために、記録基材として形状が複雑なものを用いる場合においても、記録基材の周縁に沿ってアンテナ回路を配置することによって、当該記録基材の面積を有効活用してアンテナ回路の有効面積を広く確保することが可能となる。
【0053】
周回数は1回以上であればよく、所望する通信距離などによっても異なるが、例えば1〜30回とすることが好ましい。周回数が多いほどアンテナ効率を高くすることができて長い通信距離を得ることができる。
【0054】
アンテナ回路7を構成する導電箔80cの幅は、例えば0.05〜5mmとすることができる。
【0055】
アンテナ回路7の寸法の一例を具体的に示すと、幅1mm、厚み5μm、短辺の最大長さ50mm、長辺の最大長さ80mmである。
【0056】
(3)保護層形成工程
本発明の非接触情報記録媒体の製造方法においては、上記のアンテナ回路形成接続工程(2)の後、必要に応じて、非接触情報記録媒体を耐久性の高いものとするために、アンテナ回路7のみを覆う、または、ICモジュール3、接続端子8A,8Bおよびアンテナ回路7および記録基材2の全面を覆う絶縁性の保護層を形成させる保護層形成工程を行ってもよい。
【0057】
以上のような非接触情報記録媒体の製造方法によれば、電子写真法によって熱可塑性樹脂を含有するトナーを接着剤として利用して記録基材2および接続端子8A,8Bに導電箔80cを接着させるために、導電箔80cによるアンテナ回路7が形成されると同時に当該アンテナ回路7とICモジュール3とが電気的に接続されるので、煩雑な作業工程を要さず簡単にアンテナ回路7を形成することができる。
また、電子写真法を利用してアンテナ回路7を形成するために、アンテナ回路7のパターニングの自由度が高い。このため、オンデマンドプリントに適する。
【0058】
<第2の実施の形態>
本発明の非接触情報記録媒体の製造方法に係る第2の実施の形態は、箔接着用樹脂層5を、電子写真法によって加熱定着されずに形成されたいわゆる未定着の粉体状態のものとすることの他は第1の実施の形態と同様にして、非接触情報記録媒体を製造する方法である。
具体的には、上述のアンテナ回路形成装置において定着装置50が備えられていない装置を用いて、トナー像形成部10によって記録基材2上に形成したトナー像を加熱定着せずに箔接着用樹脂層5としてアンテナ回路形成接続工程(2)に供し、アンテナ回路形成接続工程(2)において、箔転写装置70によって当該箔接着用樹脂層5に導電箔80cを接触させた状態で加圧や加熱することにより、箔接着用樹脂層5が記録基材2および接続端子8A,8B上に加熱定着されると共に導電箔80cが箔接着用樹脂層5に接着される。
【0059】
この第2の実施の形態においては、用いるトナーが、結着樹脂が熱可塑性樹脂を含まない熱硬化性樹脂のみよりなるものであってもよい。
このようなトナーの結着樹脂として用いることのできる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド樹脂、硬化性アクリル樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
【実施例】
【0061】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
<実施例1>
アンテナ回路形成装置として、市販のデジタル画像形成装置「bizhub PRESS C8000」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に図3に示すような箔転写装置を搭載した改造機を用いて、矩形で厚みが300μmのICモジュールが予め埋設されると共に当該ICモジュールの一辺およびこれと対向する一辺にそれぞれ縦1mm、横2mm、厚み80μmのCu線よりなる接続端子がICモジュールと電気的に接続される状態に設けられた記録基材(厚紙「サンマット」(北越製紙社製)、坪量:302g/m2 、厚み:330μm))上に、下記のトナー〔1〕を用いて、図1(c−1)に示す形状のアンテナ回路に基づいた形状の箔接着用樹脂層を形成し、この箔接着用樹脂層上に、転写箔(アルミ蒸着箔「BL2.8」(村田金箔製))を接触させて加熱することにより、アンテナ回路を形成し、これにより、非接触情報記録媒体〔1〕を得た。
【0063】
トナー〔1〕は、結着樹脂(スチレン−アクリル系樹脂)中にカーボンブラック(平均粒径50nm)が10質量%、分散された状態で含有されたものである。このトナーの体積基準のメジアン径は6.5μm、軟化点は120℃である。
アンテナ回路形成装置におけるトナーの供給量は4g/m2 に設定した。
【0064】
<実施例2>
実施例1において、トナー〔1〕の代わりに、トナー〔1〕においてカーボンブラックが含有されていないものを用いたことの他は同様にして、非接触情報記録媒体〔2〕を得た。
【0065】
<実施例3>
実施例1において、形成する箔接着用樹脂層を、図1(c−1)に示すアンテナ回路の形状に基づいたものではなく、下記のアンテナ回路7αの形状に基づいたものとしたことの他は同様にして、非接触情報記録媒体〔3〕を得た。
アンテナ回路7αは、図5に示される形状のものであって、具体的には、アンテナ回路7の一端部が接続端子8Aの上部に接触状態に位置されると共に、中間部が記録基材2の周縁に沿って矩形状に1回周回され、ICモジュール3の上部における接続端子8Aと接続端子8Bの間を通り、前記矩形状の周回部分に沿い、かつ、当該周回部分に接触しないよう再度周回され、さらにアンテナ回路7の他端部が接続端子8Bの上部に接触状態に位置されるように配置された形状を有する。
【0066】
定着装置における条件は以下の通りである。
・上加熱加圧ローラの表面温度:190℃に設定
・下加熱加圧ローラの表面温度:100℃に設定
・ニップ幅(ニップ部の搬送方向長さ):7mm
・記録基材の搬送速度(線速):100mm/sec
・ニップ時間:70msec
・記録基材の搬送方向:縦方向
・環境:常温常湿環境(温度20℃、相対湿度50%RH)
【0067】
箔転写装置における条件は以下の通りである。
・箔転写ローラ(上)の表面温度:150℃に設定
・箔転写ローラ(下)の表面温度:100℃に設定
・ニップ幅(圧接部の搬送方向長さ):7mm
・記録基材の搬送速度(線速):100mm/sec
・ニップ時間:70msec
・記録基材の搬送方向:縦方向
・環境:常温常湿環境(温度20℃、相対湿度50%RH)
【0068】
得られた非接触情報記録媒体〔1〕〜〔3〕について、市販のICカードリーダー「パソリ RC−S370」(SONY社製)で、当該非接触情報記録媒体〔1〕〜〔3〕とICカードリーダーとの距離を10cmとして読み取りを行ったところ、ICモジュールに予め記録されていた情報を読み取ることができることが確認された。
また、この非接触情報記録媒体〔1〕〜〔3〕とICカードリーダーとの距離を5cmとして読み取りを行っても、ICモジュールに予め記録されていた情報を読み取ることができることが確認された。
また、この非接触情報記録媒体〔1〕〜〔3〕とICカードリーダーとの距離を15cmとして読み取りを行うと、非接触情報記録媒体〔3〕のみでICモジュールに予め記録されていた情報を読み取ることができることが確認された。
【符号の説明】
【0069】
2 記録基材
3 ICモジュール
5 箔接着用樹脂層
7,7α アンテナ回路
8A,8B 接続端子
10 トナー像形成部
11 帯電手段
12 露光手段
12A 半導体レーザ光源
12B ポリゴンミラー
12C fθレンズ
13 現像手段
14 転写手段
15 感光体
16 分離手段
17 帯電前露光手段
19 クリーニング手段
19A クリーニングブレード
50 定着装置
51,52 加熱加圧ローラ
70 箔転写装置
71 元巻き部
71A 元巻きローラ
72 巻き取り部
72A 巻き取りローラ
73a,73b 箔転写ローラ
79 搬送手段
80 転写箔
80a 支持体
80b 離型層
80c 導電箔
80d 箔層
80e 接着層
80α 一端面
80β 他端面
N ニップ部
R 転写領域



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICモジュールが埋設された記録基材上に、アンテナ回路を形成し、当該ICモジュールに接続端子を介してアンテナ回路を接続させることにより非接触情報記録媒体を製造する方法であって、
接続端子が接続されたICモジュールが埋設された記録基材上に、結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって、少なくとも接続端子に接触する状態にアンテナ回路を接着すべき箔接着用樹脂層を形成し、少なくとも加圧することで当該箔接着用樹脂層上に導電箔を接触させて接着することにより、前記接続端子にアンテナ回路を接続し導電箔によるアンテナ回路を形成する工程を有することを特徴とする非接触情報記録媒体の製造方法。
【請求項2】
ICモジュールが埋設された記録基材上に、アンテナ回路を形成し、当該ICモジュールに接続端子を介してアンテナ回路を接続させることにより非接触情報記録媒体を製造する方法であって、
接続端子が接続されたICモジュールが埋設された記録基材上に、熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を含有するトナーを用いて、電子写真法によって加熱定着することにより、少なくとも接続端子に接触する状態にアンテナ回路を接着すべき箔接着用樹脂層を形成し、当該箔接着用樹脂層上に導電箔を接触させて加熱することにより、前記接続端子にアンテナ回路を接続し導電箔によるアンテナ回路を形成する工程を有することを特徴とする非接触情報記録媒体の製造方法。
【請求項3】
前記導電箔が、金属箔であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非接触情報記録媒体の製造方法。
【請求項4】
前記トナーが導電性のものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非接触情報記録媒体の製造方法。
【請求項5】
前記箔接着用樹脂層が接続端子の一部分上に形成され、当該一部分とは異なる部分に、アンテナ回路の端部が接触されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の非接触情報記録媒体の製造方法。
【請求項6】
アンテナ回路を形成する工程を行った後、絶縁性の保護層を形成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の非接触情報記録媒体の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−15953(P2013−15953A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147143(P2011−147143)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】