説明

非接触送受信システム及び携帯情報端末

【課題】既にその携帯情報端末上でアプリケーションが起動している場合、IC読み書き装置からの要求に係るアプリケーションを起動することができない。
【解決手段】非接触送受信システムであって、外部読み書き装置は、携帯情報端末が外部読み書き装置から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求を基本ソフトウェアに送信すると共に、コンテンツ格納領域に起動指示情報を格納し、基本ソフトウェアは、起動要求が外部読み書き装置から送信された場合に、携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには起動要求に基づいて携帯端末側アプリケーションを起動し、携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎にコンテンツ格納領域に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、起動指示情報に基づいた処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触送受信システム及び携帯情報端末に関する。特に、外部読み書き装置からの起動要求に基づいて携帯情報端末上でアプリケーションが起動する非接触送受信システム、及び、携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触IC搭載の携帯電話は、店頭又は窓口等に設置等されたIC読み書き装置からの信号を受信して、携帯電話内に格納されているアプリケーションを起動する(例えば、特許文献1を参照)。この場合に、IC読み書き装置にかざされた携帯電話は、IC読み書き装置から送信されるアプリケーションを起動する旨の起動要求に基づいて、携帯電話内に格納されているアプリケーションを起動する。そして、IC読み書き装置からの起動要求によって起動されたアプリケーションを用いて、携帯電話とIC読み書き装置は、会員登録、クーポン利用等の各種サービスの提供に係る情報を送受信する。
【特許文献1】特開2005−108044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、IC読み書き装置が非接触IC搭載の携帯電話にアプリケーションを起動する旨の要求を送信しても、既にその携帯電話上でアプリケーションが起動している場合、その携帯電話は、IC読み書き装置からの起動要求を知る手段がなく、IC読み書き装置からの要求に係るアプリケーションを起動することができないという問題があった。さらに、当該携帯電話が起動要求を知る手段を設けたとしても、この起動要求により起動されるべきアプリケーションとは異なるアプリケーションが既に起動していた場合には、当該起動要求に基づいた処理を実行することができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、非接触送受信システムであって、コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、非接触ICを保持する携帯情報端末と、携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、基本ソフトウェア上で起動及び実行され、非接触ICのコンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置とを備え、外部読み書き装置は、携帯情報端末が外部読み書き装置から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求を、非接触ICを介して基本ソフトウェアに送信すると共に、コンテンツ格納領域に起動要求に基づく起動指示情報を格納し、基本ソフトウェアは、起動要求が外部読み書き装置から送信された場合に、携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには起動要求に基づいて携帯端末側アプリケーションを起動して、起動した携帯端末側アプリケーションは起動要求に基づいた処理を行い、携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に非接触ICのコンテンツ格納領域に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。
【0005】
本発明の第2の形態においては、非接触送受信システムであって、コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、非接触ICを保持する携帯情報端末と、携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、基本ソフトウェア上で起動及び実行され、非接触ICのコンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置とを備え、外部読み書き装置は、携帯情報端末が外部読み書き装置から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求を、非接触ICを介して基本ソフトウェアに送信し、基本ソフトウェアは、起動要求が外部読み書き装置から送信された場合に、携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには起動要求に基づいて携帯端末側アプリケーションを起動して、起動した携帯端末側アプリケーションは、起動要求に基づいた処理を行うと共に、起動した旨を示す情報を、非接触ICを介して外部読み書き装置に送信し、外部読み書き装置は、起動要求を送信してから所定時間内に携帯端末側アプリケーションから起動した旨を示す情報を受信しない場合に、非接触ICのコンテンツ格納領域に起動要求に基づく起動指示情報を書き込み、携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に非接触ICのコンテンツ格納領域に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。
【0006】
本発明の第3の形態においては、非接触送受信システムであって、コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、非接触ICを保持する携帯情報端末と、携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、基本ソフトウェア上で起動及び実行され、非接触ICのコンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置とを備え、外部読み書き装置は、携帯情報端末が外部読み書き装置から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーションが起動可能なときは、起動要求を、非接触ICを介して基本ソフトウェアに送信することにより、携帯端末側アプリケーションを起動し、携帯端末側アプリケーションが既に起動していたときは、外部読み書き装置は、起動要求に基づく起動指示情報をコンテンツ格納領域に格納し、携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に非接触ICのコンテンツ格納領域に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。
【0007】
上記非接触送受信システムにおいて、携帯端末側アプリケーションは、外部読み書き装置以外から起動すべき旨の要求があった場合に、起動前に非接触ICのコンテンツ格納領域に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行ってもよい。
【0008】
上記非接触送受信システムにおいて、携帯端末側アプリケーションは、起動指示情報がコンテンツ格納領域に格納されていると判断した場合に、起動指示情報に基づいた処理を行うか否かをユーザに確認させる表示を表示部に表示してもよい。
【0009】
上記非接触送受信システムにおいて、外部読み書き装置は、起動要求に当該起動要求を特定する起動要求特定情報を含め、起動要求特定情報を含んでいる起動要求を、基本ソフトウェアに送信すると共に、起動要求特定情報を含む起動指示情報をコンテンツ格納領域に格納し、携帯端末側アプリケーションは、起動指示情報が格納されている場合に、起動指示情報に含まれる起動要求特定情報が、すでに処理を行った起動要求に含まれる起動要求特定情報と同じであるか否かを判断し、同じでない場合にコンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行ってもよい。
【0010】
上記非接触送受信システムにおいて、携帯端末側アプリケーションは、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う場合に、起動指示情報をコンテンツ格納領域から消去してもよい。
【0011】
上記非接触送受信システムにおいて、携帯端末側アプリケーションは、起動する時に、起動中である旨を示す起動中情報を非接触ICのコンテンツ格納領域に書き込むと共に、終了する時に、起動中情報をコンテンツ格納領域から消去し、外部読み書き装置は、コンテンツ格納領域に起動中情報が書き込まれているか否かを判断し、起動中情報が書き込まれている場合に、非接触ICのコンテンツ格納領域に起動指示情報を書き込んでもよい。
【0012】
上記非接触送受信システムにおいて、外部読み書き装置は、ユーザに認識可能な表示部を有し、コンテンツ格納領域に起動中情報が書き込まれている場合に、携帯端末側アプリケーションが起動中である旨を表示部に表示してもよい。
【0013】
上記非接触送受信システムにおいて、携帯端末側アプリケーションは、起動指示情報が非接触ICのコンテンツ格納領域に格納されている場合に、起動指示情報に基づいた処理が開始される旨の情報を、非接触ICを介して外部読み書き装置に送信してもよい。
【0014】
上記非接触送受信システムにおいて、携帯端末側アプリケーションは、起動指示情報が非接触ICのコンテンツ格納領域に格納されている場合に、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を優先してもよい。
【0015】
上記非接触送受信システムにおいて、非接触ICは、起動指示情報に対応付けて、割り込みの優先順位をコンテンツ格納領域に格納し、携帯端末側アプリケーションは、起動指示情報が非接触ICのコンテンツ格納領域に格納されている場合に、起動指示情報に対応付けられている優先順位を読み出し、優先順位に基づいて、起動指示情報に基づく処理を割り込ませるか否かを判断してもよい。
【0016】
本発明の第4の形態においては、携帯情報端末であって、コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、基本ソフトウェア上で起動及び実行され、非接触ICのコンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置とを備え、非接触ICは、携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求が外部読み書き装置から送信された場合に、コンテンツ格納領域に起動要求に基づく起動指示情報を格納し、基本ソフトウェアは、起動要求が外部読み書き装置から送信された場合に、携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには起動要求に基づいて携帯端末側アプリケーションを起動して、起動した携帯端末側アプリケーションは起動要求に基づいた処理を行い、携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に非接触ICのコンテンツ格納領域に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。
【0017】
本発明の第5の形態においては、携帯情報端末であって、コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、基本ソフトウェア上で起動及び実行され、非接触ICのコンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置とを備え、基本ソフトウェアは、携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求が外部読み書き装置から送信された場合に、携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには起動要求に基づいて携帯端末側アプリケーションを起動して、起動した携帯側アプリケーションは、起動要求に基づいた処理を行うと共に、起動した旨を示す情報を、非接触ICを介して外部読み書き装置に送信し、外部読み書き装置は、起動要求を送信してから所定時間内に携帯端末側アプリケーションから起動した旨を示す情報を受信しない場合に、非接触ICのコンテンツ格納領域に起動要求に基づく起動指示情報を書き込み、携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に非接触ICのコンテンツ格納領域に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。
【0018】
本発明の第6の形態においては、携帯情報端末であって、コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、携帯情報端末に組み込まれた基本ソフトウェアと、基本ソフトウェア上で起動され、非接触ICのコンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置とを備え、非接触ICは、外部読み書き装置から携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求に基づく起動指示情報をコンテンツ格納領域に格納し、携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に非接触ICのコンテンツ格納領域に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。
【0019】
ここで「起動している」及び「起動中」によって示される携帯端末側アプリケーションの状態は、携帯端末側アプリケーションのタスクが生成している過程に限定されず、携帯端末側アプリケーションのタスクが生成してから終了するまでの状態(実行可能状態、待ち状態を含む)をいう。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、外部読み書き装置が携帯情報端末に携帯端末側アプリケーションの起動要求をした場合に、外部読み書き装置は携帯情報端末上で既に携帯端末側アプリケーションが起動中であっても、外部読み書き装置からの起動要求に基づいた携帯端末側アプリケーションを起動することができる。よって、外部読み書き装置が設置された店舗又は窓口等において、携帯情報端末に対して確実かつ迅速な各種サービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、非接触送受信システム10の概念図を示す。非接触送受信システム10は、非接触でデータの読み書きが可能な非接触IC220を保持する携帯情報端末200、非接触IC220のデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置100、及び外部読み書き装置100に接続されたコンピュータ300を備える。外部読み書き装置100及び携帯情報端末200は、電波を用いて非接触に双方向に通信する。コンピュータ300は、携帯情報端末200間の通信に関係する情報を、外部読み書き装置100に対して送受信する。これら外部読み書き装置100及びコンピュータ300は、非接触IC220に関するサービスを提供する店舗等に設置される。
【0024】
携帯情報端末200の一例は携帯電話であり、既知のネットワークを用いて、他の携帯電話等と通話又は通信することができる。また、携帯情報端末200は、上記網を介してウェブサーバにアクセスし、携帯情報端末200用のアプリケーションをダウンロードすることができ、また、ウェブページを閲覧することができる。
【0025】
携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近すると、携帯情報端末200に保持された非接触IC220は外部読み書き装置100から送信された電波を受信する。非接触IC220は、受信した電波から起電力を得る。また非接触IC220は、電波によって搬送(送信)された外部読み書き装置100からの情報を取得する。そして非接触IC220は、非接触IC220を識別する識別番号等の情報を、得られた起電力を利用して電波によって外部読み書き装置100に送信する。なお、非接触IC220は、電池等を備え、この電源を利用して情報を送受信してもよい。上記送受信方法の一例はFeliCa(登録商標)であるが、これに限られない。
【0026】
図2は、非接触送受信システム10のブロック図の一例を示す。携帯情報端末200は、上記非接触IC220、携帯情報端末200に組み込まれる基本ソフトウェア232、及び、基本ソフトウェア232上で起動及び実行される携帯端末側アプリケーション230を備える。非接触IC220は、携帯情報端末200と外部読み書き装置100との間で電波を送受信する入出力部222、携帯端末側アプリケーション230のコンテンツ等を格納するコンテンツ格納領域226を備える。このコンテンツ格納領域226には、起動指示情報も格納される。なお、外部読み書き装置100から送信される起動要求は、非接触IC220におけるコンテンツ格納領域226と別の領域に一時的に格納される。この場合に起動要求が格納されたことを非接触ICが基本ソフトウェアに通知し、通知を受けた基本ソフトウェア232が起動要求を当該領域から読み出す。
【0027】
外部読み書き装置100は、外部読み書き装置100と携帯情報端末200との間で電波を送受信する入出力部102、及び外部読み書き装置100とコンピュータ300との間の情報を制御する制御部108を備える。
【0028】
外部読み書き装置100は、外部読み書き装置100の入出力部102が非接触IC220の入出力部222から送信された非接触IC220の識別番号を受信した場合、この非接触IC220を保持する携帯情報端末200が所定の範囲内に接近したと判断する。ここで外部読み書き装置100は、非接触IC220の識別番号を受信したか否かをコンピュータ300に判断させてもよい。
【0029】
基本ソフトウェア232は、外部読み書き装置100からの起動要求に基づいて、携帯端末側アプリケーション230を起動する。なお、基本ソフトウェア232は、オペレーティングシステム(OS)とも呼ばれることがある。
【0030】
携帯端末側アプリケーション230は、基本ソフトウェア232により起動され、非接触IC220のコンテンツ格納領域226のコンテンツを読み書きする。なお、携帯端末側アプリケーション230は、携帯情報端末200のボタン等がユーザに操作されることによっても起動する。さらに、携帯端末側アプリケーション230は、起動する時に、起動中である旨を示す起動中情報を非接触IC220のコンテンツ格納領域226に書き込む。また、携帯端末側アプリケーション230は、終了する時に、起動中情報をコンテンツ格納領域226から消去する。
【0031】
外部読み書き装置100は、外部読み書き装置100の入出力部102及び非接触IC220の入出力部222を介して、コンテンツ格納領域226に書き込まれた起動中情報にアクセスする。これにより、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であるか否かを判断することができる。
【0032】
外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーション230が起動可能なときは、起動要求を送信することにより、非接触IC220を介して携帯端末側アプリケーション230を起動する。ここで、携帯端末側アプリケーション230が起動可能である一例は、当該携帯情報端末200においていずれの携帯端末側アプリケーション230も起動していない状態である。
【0033】
一方、外部読み書き装置100は、携帯端末側アプリケーション230が既に起動していた等により、携帯端末側アプリケーション230が起動可能でないときは、起動要求に基づく起動指示情報を、入出力部222を介してコンテンツ格納領域226に格納する。これにより、外部読み書き装置100は、起動要求に係る携帯端末側アプリケーション230の起動を要求することができる。ここで、コンテンツ格納領域226に格納される起動指示情報は、携帯情報端末200上で起動させる携帯端末側アプリケーション230を特定する情報を含むことが好ましい。また、コンテンツ格納領域226に格納される起動指示情報のフォーマットは、当該起動指示情報が有効である期間を示す有効期間のフィールドを有してもよい。
【0034】
また、外部読み書き装置100は、ユーザに認識可能な表示部106を有し、携帯端末側アプリケーション230が既に起動していた場合、すなわち起動中情報が書き込まれている場合に、携帯端末側アプリケーション230が起動中である旨を表示部106に表示する。これにより、外部読み書き装置100のユーザは、携帯情報端末200上で既にアプリケーションが起動中であることを知ることができる。したがって、例えば、ユーザはしばらく携帯情報端末200を外部読み書き装置100にかざし続ける等の適切な行動ができる。
【0035】
携帯端末側アプリケーション230は、起動中において所定タイミング毎に非接触IC220のコンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。上記所定タイミングの一例は、所定時間間隔である。また、上記所定タイミングの他の例は、ユーザから携帯情報端末200へのキー入力の受け付け動作である。
【0036】
これにより、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であっても、この起動要求に対応する起動指示情報に基づいて、携帯端末側アプリケーション230を起動することができ、店舗又は窓口等における各種サービスの迅速化を図ることができる。
【0037】
なお、携帯端末側アプリケーション230は、起動指示情報が非接触IC220のコンテンツ格納領域226に格納されている場合に、起動指示情報に基づいた処理が開始される旨の情報を、非接触IC220を介して外部読み書き装置100に送信する。これにより、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200がコンテンツ格納領域226に格納された起動指示情報に応じて起動したこと、及び、そのタイミングを知ることができる。この場合に、携帯端末側アプリケーション230は、起動指示情報に基づいた処理が開始される旨の情報として、自己が非接触IC220から読み出した当該起動指示情報を外部読み書き装置100に送信してもよい。
【0038】
また、携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う場合に、起動指示情報をコンテンツ格納領域226から消去する。例えば、携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226を「Null値」「スペース」等で初期化する。これにより、外部読み書き装置100からの一の起動指示情報に基づいて、携帯端末側アプリケーション230が重複して起動又は処理することを防止することができる。
【0039】
なお、外部読み書き装置100は、携帯端末側アプリケーション230が書き込む起動中情報にアクセスせずに、携帯端末側アプリケーション230が起動していることを判断してもよい。例えば、外部読み書き装置100は、入出力部102から入出力部222へ起動要求を送信してから所定の時間、起動要求に係る携帯端末側アプリケーション230が起動した旨の入出力部222からの応答がなかった場合、既に携帯端末側アプリケーション230は起動していると判断してもよい。
【0040】
携帯端末側アプリケーション230は、起動指示情報が非接触IC220のコンテンツ格納領域226に格納されている場合に、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づいた処理を優先する。これにより、外部読み書き装置100からの起動要求に係る携帯端末側アプリケーション230が直ちに起動され、店舗又は窓口等における各種サービスの迅速化を図ることができる。
【0041】
起動指示情報に基づく処理を常に優先することに替えて、非接触IC220は、起動指示情報に対応付けて、割り込みの優先順位をコンテンツ格納領域226に格納し、携帯端末側アプリケーション230は、起動指示情報が非接触IC220のコンテンツ格納領域226に格納されている場合に、起動指示情報に対応付けられている優先順位を読み出し、優先順位に基づいて、起動指示情報に基づく処理を割り込ませるか否かを判断してもよい。
【0042】
これにより、割り込み処理を許されない処理について割り込み処理を禁止することができる。また、処理時間の長い処理を後回しにする等により携帯情報端末200の処理を総体に迅速化することができる。さらに、外部読み書き装置100と携帯情報端末200間のデータ送受信がその場において即時的に完結されることが要請される携帯端末側アプリケーション230(例えば、サービスポイントと現物との交換)は優先順位を高く設定し、一方、要請されない携帯端末側アプリケーション230(情報提供に係る単なる情報の交換等)は、優先順位を低く設定する等、場面に応じた適切な割り込み処理を実現することができる。
【0043】
携帯端末側アプリケーション230は、外部読み書き装置100以外から起動すべき旨の要求があった場合に、起動前に非接触IC220のコンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。これにより、ユーザの入力に基づいて、起動要求に基づいた携帯端末側アプリケーション230を起動させることができる。
【0044】
例えば、外部読み書き装置100からの起動指示情報に基づいた携帯端末側アプリケーション230の優先順位が起動中の携帯端末側アプリケーション230の優先順位よりも低く割り込みができなかった場合等、コンテンツ格納領域226に起動指示情報が消去されずに存在している場合、外部読み書き装置100以外から起動すべき旨の要求によって、この起動指示情報に基づいた携帯端末側アプリケーション230が起動する。
【0045】
非接触送受信システム10の上記形態においては、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーション230が起動可能であるときに、起動要求を送信していた。この形態に替えて、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であるか否かを判断することなく、起動要求を送信してもよい。
【0046】
例えば、非接触送受信システム10の別形態として、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーション230を起動する起動要求を、非接触IC220を介して、基本ソフトウェア232に送信する。
【0047】
そして基本ソフトウェア232は、この起動要求が外部読み書き装置100から送信された場合に、携帯端末側アプリケーション230が起動可能であるときには、この起動要求に基づいて携帯端末側アプリケーション230を起動する。これにより、当該携帯端末側アプリケーション230は、起動要求に基づいた処理を行うと共に、起動した旨を示す情報を、非接触IC220を介して外部読み書き装置100に送信する。
【0048】
外部読み書き装置100は、起動要求を送信してから所定時間内に携帯端末側アプリケーション230から起動した旨を示す情報を受信しない場合に、非接触IC220のコンテンツ格納領域226に起動要求に基づいて生成した起動指示情報を書き込む。
【0049】
携帯端末側アプリケーション230は、起動中において所定タイミング毎に非接触IC220のコンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。
【0050】
これにより、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であっても、この起動要求に対応した起動指示情報に基づいた携帯端末側アプリケーション230を起動することができ、店舗又は窓口等における各種サービスの迅速化を図ることができる。
【0051】
さらに、上記形態に替えて、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であるか否かを判断することなく、また携帯端末側アプリケーション230から起動した旨を示す情報の未受信を待つことなく、起動要求を前記非接触IC220を介して、前記携帯端末側アプリケーション230に送信すると共に、コンテンツ格納領域226に起動要求を格納してもよい。
【0052】
すなわち、非接触送受信システム10のさらに別形態として、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーション230を起動する起動要求を、非接触IC220を介して、基本ソフトウェア232に送信すると共に、この起動要求に基づいて生成した起動指示情報を送信し、コンテンツ格納領域226に起動指示情報を格納する。
【0053】
基本ソフトウェア232は、この起動要求が外部読み書き装置100から送信された場合に、携帯端末側アプリケーション230が起動可能であるときには、この起動要求に基づいて起動して起動要求に基づいた処理を行う。
【0054】
携帯端末側アプリケーション230は、起動中において所定タイミング毎に非接触IC220のコンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されているか否かを判断し、起動指示情報が格納されている場合に、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。
【0055】
これにより、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であっても、この起動要求に対応した起動指示情報に基づいた携帯端末側アプリケーション230を起動することができ、店舗又は窓口等における各種サービスの迅速化を図ることができる。
【0056】
また携帯端末側アプリケーション230は、起動指示情報がコンテンツ格納領域226に格納されていると判断した場合に、この起動指示情報に基づいた処理を行うか否かをユーザに確認させる表示を表示部に表示する。これにより、携帯情報端末200のユーザは、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づいた処理が行われる前に、携帯情報端末200上の表示部で確認することができる。この確認によって、処理すべき処理以外の処理の実行を未然に防ぐことができる。
【0057】
また外部読み書き装置100は、起動要求及び起動指示情報に当該起動要求を特定する起動要求特定情報を含め、起動要求特定情報を含んでいる起動要求を、基本ソフトウェア232に送信すると共に、同じ起動要求特定情報を含んでいる起動指示情報を、コンテンツ格納領域226に格納する。
【0058】
そして携帯端末側アプリケーション230は、この起動指示情報が格納されている場合に、この起動指示情報に含まれる起動要求特定情報が、すでに処理を行った起動要求または起動指示情報に含まれる起動要求特定情報と同じであるか否かを判断し、同じでない場合にこのコンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づいた処理を行う。これにより、外部読み書き装置100からの一の起動指示情報に基づいて、携帯端末側アプリケーション230が重複して起動又は処理することを防止することができる。
【0059】
なお、上記いずれの形態であっても、外部読み書き装置100は、非図示の操作部を備え、起動要求を送信する前に、起動要求を送信するか否かをユーザに確認させる表示を表示部106に表示し、この操作部を介してユーザから送信する旨の確認の情報が入力されたのちに起動要求を送信してもよい。同様に外部読み書き装置100は、コンテンツ格納領域226に起動指示情報を格納する前に、起動指示情報を格納するか否かをユーザに確認させる表示を表示部106に表示し、この操作部を介してユーザから格納する旨の確認の情報が入力されたのちに、起動指示情報を格納してもよい。
【0060】
これにより、外部読み書き装置100のユーザは適切な場合に限り、起動要求及び起動指示情報を送信することができる。例えば、盗難又は紛失等の届け出の登録がなされた携帯情報端末200に対しては、外部読み書き装置100は、起動要求及び起動指示情報の送信をしないという運用を実現することができる。
【0061】
図3は、外部読み書き装置100から送信される起動要求のデータフォーマットの一例を示す。起動要求のデータフォーマットは、例えば、個別部数、複数の個別部、及び誤り制御に用いるチェックサムのフィールドを有する。個別部数は、この後に続く個別部の総数を示す。個別部は、携帯情報端末200に起動させる機能を特定する情報を示す。個別部は、起動制御情報及び個別部パラメータサイズを有する個別部ヘッダ、及び個別部パラメータのフィールドを有する。起動制御情報は、携帯情報端末200上で起動させる機能を特定する情報を示す。個別部パラメータサイズは、この後に続く個別部パラメータの送信サイズを示す。個別部パラメータは、起動制御情報で指定された機能の中から、携帯情報端末200上で起動させる機能を限定する情報を示す。具体的には、個別部パラメータは、携帯情報端末200上で起動させる携帯端末側アプリケーション230を限定する、サービス事業者ナンバー及びアプリケーションナンバーのフィールドを有する。
【0062】
外部読み書き装置100は、起動要求のデータに、当該起動要求を特定する起動要求特定情報を含めてもよい。例えば、外部読み書き装置100は、起動要求特定情報をアプリケーションナンバーのフィールドに格納してもよい。この場合に、外部読み書き装置100は、携帯端末側アプリケーション230を提供するサービス事業者が予め付与したアプリケーション認識番号に、外部読み書き装置100が起動要求を送信する都度発行する符号を付加した情報を起動要求特定情報としてもよい。または、外部読み書き装置100は、起動制御情報の未使用の予備領域に起動要求特定情報を格納してもよい。
【0063】
また外部読み書き装置100は、起動要求のデータに起動要求特定情報を含めることに替えて、起動要求の送信と同時に、その起動要求を特定する起動要求特定情報を、基本ソフトウェア232に送信してもよい。このとき基本ソフトウェア232は、起動要求を、その起動要求を特定する起動要求特定情報と対応付けて受信する。
【0064】
また、コンテンツ格納領域226に格納される起動指示情報は、図3に示す起動要求の全部又は一部であってもよいし、この起動要求に情報を追加したものであってもよい。さらに、コンテンツ格納領域226に格納される起動指示情報のフォーマットは、当該起動指示情報が有効である期間を示す有効期間のフィールドを有してもよい。なお、本実施形態において、起動指示情報は外部読み書き装置100により起動要求に基づいて生成される。
【0065】
図4は、非接触送受信システム10の動作をフローチャートで示す。本フローチャートは、外部読み書き装置100が携帯情報端末200からの電波を認識したところからはじまる。なお、非接触IC220のコンテンツ格納領域226は、初期値として例えば「Null値」を格納している。
【0066】
まず、外部読み書き装置100は、コンテンツ格納領域226に起動中フラグが書き込まれているか否かを判断する(S104)。具体的には、外部読み書き装置100は、入出力部102及び入出力部222を介して、コンテンツ格納領域226に格納されたアプリ起動中フラグを読み出してアプリ起動中フラグがONであるか否か判断する(S104)。
【0067】
ここでアプリ起動中フラグは起動中情報の一例であって、1ビットの情報をいう。例えば、携帯端末側アプリケーション230が起動していない場合は「0(OFF)」が格納され、携帯端末側アプリケーション230が起動している場合は「1(ON)」が格納される。これにより、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であるか否かを判断することができる。
【0068】
ステップS104において、外部読み書き装置100は、アプリ起動中フラグがONであると判断した場合(S104:Yes)、ステップS300を実行する。ステップS300において、外部読み書き装置100はコンテンツ格納領域226に格納された起動指示情報に基づいた携帯端末側アプリケーション230の起動を要求する。一方、ステップS104において、アプリ起動中フラグがOFFであると判断した場合(S104:No)、ステップS200を実行する。
【0069】
図5は、非接触送受信システム10のステップS200の動作をフローチャートで示す。外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯端末側アプリケーション230が起動中であるか否か判断し、基本ソフトウェア232に起動要求を送信するか、又は、起動指示情報をコンテンツ格納領域226に格納する動作をフローチャートで示す。本フローチャートは、外部読み書き装置100が携帯情報端末200のアプリ起動中フラグがOFFであると判断(S104:No)したことにより開始する。外部読み書き装置100は、非接触IC220を介して基本ソフトウェア232に起動要求を送信する(S202)。この場合に、基本ソフトウェア232は、起動要求に含まれるアプリケーションナンバーにより特定される携帯端末側アプリケーション230を起動する。
【0070】
上記起動要求に基づいて基本ソフトウェア232により携帯端末側アプリケーション230が起動し(S205)、起動した携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226に格納されたアプリ起動中フラグをONにする(S206)。これにより、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200に起動を要求をした場合に、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であることを知ることができる。
【0071】
次に、携帯端末側アプリケーション230が、外部読み書き装置100との間で上記起動要求に基づく処理を実行する(S208、S210)。この処理は、例えば携帯情報端末200の所有者が、特定のサービスに加入しているかどうかの確認のために非接触IC220のコンテンツ格納領域226から当該サービスの識別番号を読み出す処理、当該サービスを利用したことによりコンテンツ格納領域226にポイントを加算する情報を書き込む処理等である。なお、外部読み書き装置100が、コンテンツ格納領域226に格納されたアプリ起動中フラグをONにしてもよい。
【0072】
携帯端末側アプリケーション230と外部読み書き装置100との間で処理が終了すると、携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226に格納されたアプリ起動中フラグをOFFにする(S212)。なお、外部読み書き装置100が、コンテンツ格納領域226に格納されたアプリ起動中フラグをOFFにしてもよい。
【0073】
図6は、非接触送受信システム10の動作をフローチャートで示す。本フローチャートは、外部読み書き装置100が携帯情報端末200のアプリ起動中フラグがONであると判断(S104:Yes)したことにより開始する。なお、この携帯端末側アプリケーション230は、携帯情報端末200上からの入力操作によって起動された携帯端末側アプリケーション230であっても、外部読み書き装置100からの起動要求または起動指示情報により起動された携帯端末側アプリケーション230であってもよい。
【0074】
外部読み書き装置100は、入出力部222を介してコンテンツ格納領域226に、当該他の携帯端末側アプリケーション230に係る起動指示情報を書き込む(S302)。これにより、外部読み書き装置100は、起動指示情報に基づいた携帯端末側アプリケーション230の起動を要求することができる。ここで、コンテンツ格納領域226に起動指示情報を格納するときは、サービス事業者ナンバー及びアプリケーションナンバーのフィールドを格納する。さらに、コンテンツ格納領域226に格納される起動指示情報のフォーマットは、当該起動指示情報が有効である期間を示す有効期間のフィールドを有してもよい。これにより、有効期間を経過した起動指示情報に基づき携帯端末側アプリケーション230が起動することを防止できる。
【0075】
外部読み書き装置100は、携帯端末側アプリケーション230が起動中である旨を表示部106に表示する(S304)。これにより、外部読み書き装置100のユーザは、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であることを知ることができる。さらに、外部読み書き装置100は、起動中の携帯端末側アプリケーション230によって起動要求に基づいた処理が開始される旨の情報が送信(S316)されるまで待機する。
【0076】
一方、起動中の携帯端末側アプリケーション230の処理は引き続き実行される(S306)。そして携帯端末側アプリケーション230は、所定タイミング毎に非接触IC220のコンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されているか否かを判断する(S310)。具体的には、例えば、携帯端末側アプリケーション230が、その本来の目的又は用途等となる主機能(例えばゲームソフトであれば、そのゲーム機能)とは別に、コンテンツ格納領域226への読み書き機能を有する副機能を備えることにより実現する。
【0077】
例えば、携帯端末側アプリケーション230は、携帯情報端末200のタイマから時刻情報を取得し、主機能の動作中の所定間隔毎に副機能を動作させ、コンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されているか否かを判断する。すなわち、携帯端末側アプリケーション230は、主機能と副機能を交互に動作させればよい。なお、携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226に「Null値」が格納されているか否かによって起動指示情報が格納されているか否かを判断する。
【0078】
ステップS310において、携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されていない場合(S310:No)、副機能によってステップ326を実行する。一方、ステップS310において、携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されている場合(S310:Yes)、待機している外部読み書き装置100に対して、起動指示情報に基づいた処理が開始される旨の情報を副機能によって送信する(S316)。この起動指示情報に基づいた処理が開始される旨は、非接触IC220の入出力部222を介して送信される(S318)。これにより、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200がコンテンツ格納領域226に格納された起動指示情報に応じて起動する、及び、そのタイミングを知ることができる。
【0079】
そして、継続していた処理の実行を一旦中止し、コンテンツ格納領域226に格納された起動指示情報に基づき、携帯端末側アプリケーション230が起動されて、外部読み書き装置100との間で処理が実行される(S322、S320)。この場合に、既に起動していた携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に含まれるアプリケーションナンバーを参照する。これにより、既に起動していた携帯端末側アプリケーション230がこの起動指示情報に基づいて起動すべき携帯端末側アプリケーション230を特定し、この新たに起動すべき携帯端末側アプリケーション230を起動する。次に、既に起動していた携帯端末側アプリケーション230は一旦終了する。新たに起動される携帯端末側アプリケーション230の特定、起動及び既に起動していた携帯端末側アプリケーション230の終了は、携帯端末側アプリケーション230の上記副機能が実行してもよい。以上により、外部読み書き装置100からの起動指示情報に基づいた携帯端末側アプリケーション230が直ちに起動され、店舗又は窓口等における各種サービスの迅速化を図ることができる。なお、携帯端末側アプリケーション230の副機能は、携帯情報端末200のOSが備える割り込み機能に働きかけて、起動指示情報に基づく携帯端末側アプリケーション230の処理の起動を実現させてもよい。
【0080】
携帯端末側アプリケーション230の処理が終了した後、携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226から携帯端末側アプリケーション230に係る起動指示情報を消去する(S324)。例えば、先に起動していた携帯端末側アプリケーション230が再起動するときまたは起動指示情報に基づいて起動した携帯端末側アプリケーション230が終了する直前に、コンテンツ格納領域226に「Null値」を格納する。なお、外部読み書き装置100が、この起動指示情報を消去してもよい。
【0081】
そして、ステップS326において、先に起動していた携帯端末側アプリケーション230が終了していなければ(S326:No)、携帯端末側アプリケーション230の主機能が引き続き実行される(S306)。一方、ステップS230において、携帯端末側アプリケーション230が終了する場合に(S326:Yes)、携帯端末側アプリケーション230は、そのアプリ起動中フラグをOFFにする(S328)。
【0082】
なお、ステップS310において、携帯端末側アプリケーション230の副機能は、コンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されている場合(S310:Yes)、非接触IC220に予め格納されている優先順位を読み出して、読み出された優先順位に基づいて、携帯端末側アプリケーション230の起動中にコンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報に基づく他の処理を割り込ませるか否かを判断してもよい。
【0083】
これにより、割り込み処理を許されない処理について割り込み処理を禁止することができる。また、処理時間の長い処理を後回しにする等により携帯情報端末200の処理を総体に迅速化することができる。さらに、外部読み書き装置100と携帯情報端末200間のデータ送受信がその場において即時的に完結されることが要請される携帯端末側アプリケーション230(例えば、サービスポイントと現物との交換)は優先順位を高く設定し、一方、要請されない携帯端末側アプリケーション230(例えば、単なる情報の提供)は、優先順位を低く設定する等、場面に応じた適切な割り込み処理を実現することができる。
【0084】
この場合において、優先順位が低く起動されなかった当該他の携帯端末側アプリケーション230は、携帯情報端末200上からの入力操作によって次回、携帯端末側アプリケーション230の起動すべき旨の要求があったときに、コンテンツ格納領域226に格納されている起動指示情報が読み出され起動する。これにより、ユーザの入力をトリガーとして、起動指示情報に基づいたアプリケーションを起動させることができる。
【0085】
図7は、非接触送受信システム10の動作の別形態を示すフローチャートである。図7に示す形態において、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であるか否かを判断することなく、起動要求を送信する。本フローチャートは、外部読み書き装置100が携帯情報端末200からの電波を認識したところからはじまる。なお、非接触IC220のコンテンツ格納領域226は、初期値として例えば「Null値」を格納している。
【0086】
まず、外部読み書き装置100は、起動要求を送信する(S112)。この動作は、図5に記載したステップS202及びステップS204と同じなので説明を省略する。外部読み書き装置100は、携帯端末側アプリケーション230から起動した旨の情報を受信したか否かを判断する(S114)。具体的には、外部読み書き装置100は、起動要求を送信してから所定時間内に携帯端末側アプリケーション230から、この起動した旨を示す情報を受信したか否かを判断する。
【0087】
ステップS114において、外部読み書き装置100は、携帯端末側アプリケーション230から起動した旨の情報を所定時間内に受信していないと判断した場合(S114:No)、図6に記載のステップS300を実行する。外部読み書き装置100は、ステップS300において、コンテンツ格納領域226に格納する起動指示情報に基づいた携帯端末側アプリケーション230の起動を要求することができる。一方、ステップS114において、外部読み書き装置100が、携帯端末側アプリケーション230から起動した旨の情報を受信したと判断した場合(S114:Yes)、図5に記載のステップS200を実行する。但し外部読み書き装置100は、ステップS112において、起動要求を送信しているので、図5に記載のステップS202及びステップS204を実行しない。
【0088】
図8は、非接触送受信システム10の動作の更に別形態を示すフローチャートである。この形態において、外部読み書き装置100は、携帯情報端末200が外部読み書き装置100から所定の範囲内に接近した場合に、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であるか否かを判断することなく、また携帯端末側アプリケーション230から起動した旨を示す情報の未受信を待つことなく、起動要求を、前記非接触IC220を介して基本ソフトウェア232に送信すると共に、当該起動要求に基づく起動指示情報を、コンテンツ格納領域226に格納する。本フローチャートは、外部読み書き装置100が携帯情報端末200からの電波を認識したところからはじまる。なお、非接触IC220のコンテンツ格納領域226は、初期値として例えば「Null値」を格納している。
【0089】
まず、外部読み書き装置100は、起動要求及び起動指示情報を送信する(S122)。この動作は、図5に記載したステップS202と同じなので説明を省略する。但し外部読み書き装置100は、送信する起動要求及び起動指示情報に当該当該起動要求を特定する起動要求特定情報を含める。
【0090】
外部読み書き装置100は、コンテンツ格納領域226に起動指示情報を書き込む(S126)。この動作は、図6に記載したステップS302と同じなので説明を省略する。但し外部読み書き装置100は、書き込む起動指示情報に当該当該起動要求を特定する起動要求特定情報を含める。この起動要求特定情報の値は、ステップS122において送信した起動要求に含まれている起動要求特定情報の値と同一であることが好ましい。
【0091】
携帯情報端末200において、いずれかの携帯端末側アプリケーション230が起動している場合(S128:Yes)、携帯情報端末200において、送信された起動要求は無視されて、ステップ図6に記載のステップS300を実行する。但し外部読み書き装置100は、ステップS126において、コンテンツ格納領域226に起動要求を書き込んでいるので、図6に記載のステップS302を飛ばしてステップS304から実行する。更に図6に記載のステップS310に代えて、後述する図9に記載のステップS310を実行する。
【0092】
一方、ステップS128において、携帯情報端末200において、いずれの携帯端末側アプリケーション230も起動していない場合(S128:No)、図5に記載のステップS200を実行する。但し外部読み書き装置100は、ステップS122において、起動要求を送信しているので、図5に記載のステップS202及びステップS204は飛ばしてステップS206から実行する。
【0093】
図9は、非接触送受信システム10における図6のステップS310の動作の更に別の形態を示すフローチャートである。本フローチャートは、外部読み書き装置100が起動要求を送信(S122)すると共に、当該起動要求に基づく起動指示情報をコンテンツ格納領域226に書き込み、この起動要求を受信した携帯情報端末200において、いずれかの携帯端末側アプリケーション230が起動しているところからはじまる(S306)。
【0094】
まず携帯端末側アプリケーション230は、所定タイミング毎に非接触IC220のコンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されているか否かを判断する(S311)。この動作は、図6に記載したステップS310と同じなので説明を省略する。
【0095】
ステップS310において、携帯端末側アプリケーション230は、コンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されている場合(S311:Yes)、携帯端末側アプリケーション230は、この起動指示情報に含まれる起動要求特定情報が、すでに処理を行った起動要求または起動指示情報に含まれる起動要求特定情報と同じであるか否かを判断する(S312)。例えば、携帯端末側アプリケーション230は、処理済みの起動要求特定情報を格納しておき、起動しようとする起動指示情報を特定する起動要求特定情報が、既に格納されている起動要求特定情報に一致するか否かを判断する。
【0096】
ステップS312において、携帯端末側アプリケーション230は、この起動指示情報に含まれる起動要求特定情報が、すでに処理を行った起動要求等に含まれる起動要求特定情報と同じでないと判断した場合(S312:No)、携帯端末側アプリケーション230は、起動指示情報に基づいた処理を行うか否かをユーザに確認させる表示を表示部に表示する(S313)。そして携帯端末側アプリケーション230は、起動指示情報に基づいた処理を行うか否かをユーザに確認する(S314)。
【0097】
ステップS314において、携帯端末側アプリケーション230は、この起動指示情報に基づいた処理を行う旨の情報を取得した場合(S314:Yes)、図6に記載のステップ316を実行する。なお、図6に記載のステップ324において、コンテンツ格納領域226に格納されている当該起動指示情報を消去する場合、コンテンツ格納領域226の所定の格納領域に、消去しようとする起動指示情報を特定する起動要求特定情報を格納する。
【0098】
一方、ステップS311において、携帯端末側アプリケーション230が、コンテンツ格納領域226に起動指示情報が格納されていないと判断した場合(S311:No)、ステップS312において、携帯端末側アプリケーション230が、この起動指示情報に含まれる起動要求特定情報がすでに処理を行った起動要求等に含まれる起動要求特定情報と同じであると判断した場合(S312:Yes)、又はステップS314において、携帯端末側アプリケーション230が、この起動指示情報に基づいた処理を行う旨の情報を取得しなかった場合(S314:No)には、ステップ326を実行する。
【0099】
以上、本実施形態によれば、外部読み書き装置100が携帯情報端末200に携帯端末側アプリケーション230の起動を要求した場合に、携帯情報端末200上で既に携帯端末側アプリケーション230が起動中であっても、外部読み書き装置100からの起動要求に基づいて携帯端末側アプリケーション230を確実に起動することができる。よって、外部読み書き装置100が設置された店舗又は窓口等において、携帯情報端末200に対して確実かつ迅速な各種サービスを提供することができる。
【0100】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】非接触送受信システム10の概念図を示す。
【図2】非接触送受信システム10のブロック図の一例を示す。
【図3】外部読み書き装置100から送信される起動要求のデータフォーマットの一例を示す。
【図4】非接触送受信システム10の動作を示すフローチャートである。
【図5】非接触送受信システム10の動作を示すフローチャートである。
【図6】非接触送受信システム10の動作を示すフローチャートである。
【図7】非接触送受信システム10の動作の別形態を示すフローチャートである。
【図8】非接触送受信システム10の動作の更に別形態を示すフローチャートである。
【図9】非接触送受信システム10の動作の更に別形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
10 非接触送受信システム
100 外部読み書き装置
102 入出力部
106 表示部
108 制御部
200 携帯情報端末
220 非接触IC
222 入出力部
226 コンテンツ格納領域
230 携帯端末側アプリケーション
232 基本ソフトウェア
300 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、
前記非接触ICを保持する携帯情報端末と、
前記携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、
前記基本ソフトウェア上で起動及び実行され、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、
前記非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置と
を備え、
前記外部読み書き装置は、前記携帯情報端末が前記外部読み書き装置から所定の範囲内に接近した場合に、前記携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求を、前記非接触ICを介して前記基本ソフトウェアに送信すると共に、前記コンテンツ格納領域に前記起動要求に基づく起動指示情報を格納し、
前記基本ソフトウェアは、前記起動要求が前記外部読み書き装置から送信された場合に、前記携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには前記起動要求に基づいて前記携帯端末側アプリケーションを起動して、起動した前記携帯端末側アプリケーションは前記起動要求に基づいた処理を行い、
前記携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動指示情報が格納されているか否かを判断し、前記起動指示情報が格納されている場合に、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う非接触送受信システム。
【請求項2】
コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、
前記非接触ICを保持する携帯情報端末と、
前記携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、
前記基本ソフトウェア上で起動及び実行され、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、
前記非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置と
を備え、
前記外部読み書き装置は、前記携帯情報端末が前記外部読み書き装置から所定の範囲内に接近した場合に、前記携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求を、前記非接触ICを介して前記基本ソフトウェアに送信し、
前記基本ソフトウェアは、前記起動要求が前記外部読み書き装置から送信された場合に、前記携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには前記起動要求に基づいて前記携帯端末側アプリケーションを起動して、起動した前記携帯端末側アプリケーションは、前記起動要求に基づいた処理を行うと共に、起動した旨を示す情報を、前記非接触ICを介して前記外部読み書き装置に送信し、
前記外部読み書き装置は、前記起動要求を送信してから所定時間内に前記携帯端末側アプリケーションから起動した旨を示す情報を受信しない場合に、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動要求に基づく起動指示情報を書き込み、
前記携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動指示情報が格納されているか否かを判断し、前記起動指示情報が格納されている場合に、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う非接触送受信システム。
【請求項3】
コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、
前記非接触ICを保持する携帯情報端末と、
前記携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、
前記基本ソフトウェア上で起動及び実行され、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、
前記非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置と
を備え、
前記外部読み書き装置は、前記携帯情報端末が前記外部読み書き装置から所定の範囲内に接近した場合に、前記携帯端末側アプリケーションが起動可能なときは、起動要求を、前記非接触ICを介して前記基本ソフトウェアに送信することにより、前記携帯端末側アプリケーションを起動し、前記携帯端末側アプリケーションが既に起動していたときは、前記外部読み書き装置は、前記起動要求に基づく起動指示情報を前記コンテンツ格納領域に格納し、
前記携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動指示情報が格納されているか否かを判断し、前記起動指示情報が格納されている場合に、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う非接触送受信システム。
【請求項4】
前記携帯端末側アプリケーションは、前記外部読み書き装置以外から起動すべき旨の要求があった場合に、起動前に前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動指示情報が格納されているか否かを判断し、前記起動指示情報が格納されている場合に、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う請求項1から3のいずれかに記載の非接触送受信システム。
【請求項5】
前記携帯端末側アプリケーションは、前記起動指示情報が前記コンテンツ格納領域に格納されていると判断した場合に、前記起動指示情報に基づいた処理を行うか否かをユーザに確認させる表示を表示部に表示する請求項1から3のいずれかに記載の非接触送受信システム。
【請求項6】
前記外部読み書き装置は、前記起動要求に当該起動要求を特定する起動要求特定情報を含め、前記起動要求特定情報を含んでいる前記起動要求を、前記基本ソフトウェアに送信すると共に、前記起動要求特定情報を含む前記起動指示情報を前記コンテンツ格納領域に格納し、
前記携帯端末側アプリケーションは、前記起動指示情報が格納されている場合に、前記起動指示情報に含まれる前記起動要求特定情報が、すでに処理を行った前記起動要求に含まれる前記起動要求特定情報と同じであるか否かを判断し、同じでない場合に前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う請求項1から3のいずれかに記載の非接触送受信システム。
【請求項7】
前記携帯端末側アプリケーションは、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う場合に、前記起動指示情報を前記コンテンツ格納領域から消去する請求項1から3のいずれかに記載の非接触送受信システム。
【請求項8】
前記携帯端末側アプリケーションは、起動する時に、起動中である旨を示す起動中情報を前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に書き込むと共に、終了する時に、前記起動中情報を前記コンテンツ格納領域から消去し、
前記外部読み書き装置は、前記コンテンツ格納領域に前記起動中情報が書き込まれているか否かを判断し、前記起動中情報が書き込まれている場合に、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動指示情報を書き込む請求項1から3のいずれかに記載の非接触送受信システム。
【請求項9】
前記外部読み書き装置は、ユーザに認識可能な表示部を有し、前記コンテンツ格納領域に前記起動中情報が書き込まれている場合に、前記携帯端末側アプリケーションが起動中である旨を前記表示部に表示する請求項8に記載の非接触送受信システム。
【請求項10】
前記携帯端末側アプリケーションは、前記起動指示情報が前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に格納されている場合に、前記起動指示情報に基づいた処理が開始される旨の情報を、前記非接触ICを介して前記外部読み書き装置に送信する請求項1から3のいずれかに記載の非接触送受信システム。
【請求項11】
前記携帯端末側アプリケーションは、前記起動指示情報が前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に格納されている場合に、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を優先する請求項1から3に記載の非接触送受信システム。
【請求項12】
前記非接触ICは、前記起動指示情報に対応付けて、割り込みの優先順位を前記コンテンツ格納領域に格納し、
前記携帯端末側アプリケーションは、前記起動指示情報が前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に格納されている場合に、前記起動指示情報に対応付けられている前記優先順位を読み出し、前記優先順位に基づいて、前記起動指示情報に基づく処理を割り込ませるか否かを判断する請求項1から3のいずれかに記載の非接触送受信システム。
【請求項13】
携帯情報端末であって、
コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、
前記携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、
前記基本ソフトウェア上で起動及び実行され、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、
前記非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置と
を備え、
前記非接触ICは、前記携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求が外部読み書き装置から送信された場合に、前記コンテンツ格納領域に前記起動要求に基づく起動指示情報を格納し、
前記基本ソフトウェアは、前記起動要求が外部読み書き装置から送信された場合に、前記携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには前記起動要求に基づいて前記携帯端末側アプリケーションを起動して、起動した前記携帯端末側アプリケーションは前記起動要求に基づいた処理を行い、
前記携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動指示情報が格納されているか否かを判断し、前記起動指示情報が格納されている場合に、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う携帯情報端末。
【請求項14】
携帯情報端末であって、
コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、
前記携帯情報端末に組み込まれる基本ソフトウェアと、
前記基本ソフトウェア上で起動及び実行され、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、
前記非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置と
を備えた携帯情報端末であって、
前記基本ソフトウェアは、前記携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求が前記外部読み書き装置から送信された場合に、前記携帯端末側アプリケーションが起動可能なときには前記起動要求に基づいて前記携帯端末側アプリケーションを起動して、起動した前記携帯端末側アプリケーションは、前記起動要求に基づいた処理を行うと共に、起動した旨を示す情報を、前記非接触ICを介して前記外部読み書き装置に送信し、
前記外部読み書き装置は、前記起動要求を送信してから所定時間内に前記携帯端末側アプリケーションから起動した旨を示す情報を受信しない場合に、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動要求に基づく起動指示情報を書き込み、
前記携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動指示情報が格納されているか否かを判断し、前記起動指示情報が格納されている場合に、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う携帯情報端末。
【請求項15】
携帯情報端末であって、
コンテンツが格納されるコンテンツ格納領域を有し、非接触でデータの読み書きが可能な非接触ICと、
前記携帯情報端末に組み込まれた基本ソフトウェアと、
前記基本ソフトウェア上で起動され、前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に対して読み書きする携帯端末側アプリケーションと、
前記非接触ICのデータを非接触で読み書き可能な外部読み書き装置と
を備えた携帯情報端末であって、
前記非接触ICは、外部読み書き装置から前記携帯端末側アプリケーションを起動する起動要求に基づく起動指示情報を前記コンテンツ格納領域に格納し、
前記携帯端末側アプリケーションは、起動中において所定タイミング毎に前記非接触ICの前記コンテンツ格納領域に前記起動指示情報が格納されているか否かを判断し、前記起動指示情報が格納されている場合に、前記コンテンツ格納領域に格納されている前記起動指示情報に基づいた処理を行う携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−34987(P2007−34987A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221532(P2005−221532)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(500438172)テックファーム株式会社 (14)
【Fターム(参考)】