説明

非画像領域が被覆されていない基材上に被覆された画像を形成する熱転写方法

【課題】無用物が除かれた改良型熱転写紙及び適用方法を提供すること。
【解決手段】基材上に被覆された画像を形成するための方法及び製品が、一般的に開示される。この方法は、印刷可能な転写シート(10)の転写コーティング層(16)における印刷可能な表面(14)上に画像(12)を形成することを含む。別個のステップにおいて、同じ画像のネガ型鏡像が、トナー印刷可能シート(22)上にトナーで印刷される。これらのシートを互いに位置合わせした後、印刷可能な転写シート(10)の転写コーティング層(16)の一部分が、トナー印刷可能シート(22)に転写され、その結果、トナー印刷可能シート(22)に転写された転写コーティング層(16)の部分は、トナー印刷可能シート(22)上の画像領域に対応するようになる。しかしながら、転写コーティング層(16)の印刷可能な表面(14)上に形成された画像及びその下層にある転写コーティングは、実質的に印刷可能転写シート(10)上に残る。その後、印刷可能転写シート(10)上に残っている画像(12)及び転写コーティング層(16)が、基材に転写される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材上に画像を形成する方法、及び画像形成に使用される画像形成用転写シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Tシャツ、スエットシャツ、皮製品等のような物品上に顧客が選択したデザインや、メッセージ、イラスト等(以下、総称して「画像」と呼ぶ)を形成することに関連する重要な産業が発達してきている。これらの画像には、特定の最終用途に合わせて作られており、剥離紙又は転写紙上に印刷された市販の製品の形態、或いは、顧客が熱転写紙上に画像を生成することができる形態のものがある。画像は、熱及び圧力によって物品に転写され、その後、剥離紙又は転写紙が取り除かれる。一般的に、特殊なインクを用いない限り、布及び皮などの多孔性基材に転写される画像には、インク、トナー、又は他の着色剤で転写する転写コーティング(転写可能な表面)が補充される。このようなコーティングは、画像着色剤を多孔性基材内に運ぶのに必要又は有用である。また、このようなコーティングは、着色剤を基材に付着させ、摩耗に対する保護として機能するためにも必要又は有用である。
【0003】
ワックス・ベースのクレヨン、感熱式プリンタリボン、インクジェットプリンタ、レーザジェットプリンタ、及びインパクトリボン又はドットマトリックス・プリンタによって作られた画像に対する感受性が向上した熱転写紙は、当技術分野において周知である。一般的に、熱転写材料は、セルロース・ベースシート及びベースシート表面上の画像受容コーティングを含む。画像受容コーティングは、通常、コーティングの転写性及び印刷性を改良するために、1つ又はそれ以上の膜形成ポリマー結合剤、並びに他の添加剤を含有する。他の熱転写材料は、セルロース・ベースシート及び画像受容コーティングを含み、この画像受容コーティングは、溶融押出しによって又は膜をベースシートに積層することによって形成される。コーティング又は膜の表面は、その後、例えば、被覆されたベースシートをエンボス・ロールに通すことによって粗面化することができる。
【0004】
基材に対する画像支持積層体(コーティング)の転写性を全体的に改善することに多くの努力が向けられてきた。例えば、特許文献1においては、改良された冷間剥離可能熱転写材料が説明されており、これは、画像支持積層体の転写直後(「熱間剥離可能熱転写材料」)、又はその後しばらくして積層体が冷えたときに(「冷間剥離可能熱転写材料」)ベースシートの除去を可能にするものである。さらに、転写した積層体の耐亀裂性及び耐洗浄性を改善することに更なる努力が向けられている。転写した積層体は、亀裂又は色あせを起こすことなく、多数回の選択サイクル及び通常の「磨滅」に耐えることができなければならない。
【0005】
転写した積層体及びこれを含む物品の全体的な品質を改善しようとして、種々の技術が用いられてきた。例えば、衣服物品上の画像支持積層体の耐亀裂性及び洗浄性を改善するために、熱転写材料のコーティングに可塑剤及びコーティング添加剤が添加されてきた。通常、特定の基材と共に用いるためのこうした紙を設計することが可能である。例えば、絹などの軽い布又は皮などのあまり多孔性ではない基材よりも、スエットシャツの布などの粗く重い布に対して、より重い転写コーティングが必要である。
【0006】
熱転写紙は、一般に、例えば8.5インチ×11インチの、標準的なプリンタ用紙サイズで売られている。グラフィック画像は、例えば、インクジェットプリンタ、レーザーカラーコピー機、その他のトナー・ベースのプリンタ及びコピー機等のような様々な手段のいずれかによって、熱転写紙の転写可能な表面又はコーティング上に生成される。次に、画像及び転写可能な表面は、例えば綿のTシャツのような基材に転写される。ほとんどの場合、紙の性質及び用いられるプロセスのために、画像が存在しない物品の領域に転写コーティングを転写することが必要であるが、これは有用なことでも又は望ましいことでもない。これは、転写コーティングにより基材が硬化し、基材があまり多孔性でなくなり、水分を吸収できなくなることがあるためである。
【0007】
従って、転写可能な表面は、グラフィック画像がある領域においてのみ転写を行ない、転写可能なコーティングで被覆される全体的な基材の面積を減少させることが望ましい。「ウィーディング可能」である、すなわち、基材に転写する前に熱転写紙から転写可能なコーティングの一部を除去することができる、幾つかの紙が開発されてきた。ウィーディング(weeding)は、印刷された領域の周囲を切り取り、関係のない印刷されていない領域からコーティングを除去することを必要とする。しかしながら、特に複雑なグラフィック設計の周囲で、このようなウィーディング・プロセスを行うのは、困難である場合がある。
【0008】
従って、当技術分野において、無用物が除かれるように改良された熱転写紙及び適用方法に対する必要性が依然として存在する。紙及び方法により、良好な画像外観及び耐久性が提供されることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,798,179号
【特許文献2】米国特許第5,501,902号
【発明の概要】
【0010】
1つの実施形態において、基材上に被覆された画像を形成する方法が、一般的に開示される。この方法は、印刷可能な転写シートの転写コーティング層の印刷可能な表面上に画像を形成することを含むことができる。別個のステップにおいて、ネガ型鏡像が、トナーによりトナー印刷可能なシート上に印刷される。トナー印刷可能なシート上のネガ型鏡像は、トナーインクを有する画像領域と、トナーインクが実質的にない非画像領域とを定める。これに加えて、ネガ型鏡像は、トナー印刷可能なシートの非画像領域において印刷可能な転写シートの転写コーティング層の印刷可能な表面上に形成された画像を実質的に複製する。印刷可能な転写シートの転写コーティング層の部分が、トナー印刷可能なシートに転写され、その結果、トナー印刷可能なシートに転写された転写コーティング層の部分は、トナー印刷可能なシート上の画像領域に対応するようになる。しかしながら、転写コーティング層の印刷可能な表面上に形成された画像は、印刷可能な転写シート上に実質的に残る。その後、印刷可能な転写シート上に残っている画像及び転写コーティング層が、基材に転写される。このように、被覆された画像を有する基材は、非画像領域において転写コーティング層が実質的にないものとすることができる。
【0011】
印刷可能な転写シートの転写コーティング層の部分は、約150℃より低い第1の転写温度でトナー印刷可能なシートに転写することができる。次に、印刷可能な転写シート上に残っている画像及び転写コーティング層は、約150℃より高い第2の転写温度で基材に転写することができる。
【0012】
1つの実施形態において、転写コーティング層は、粉末熱可塑性ポリマー、及び膜形成結合剤を含む。転写コーティング層はまた、架橋剤を含むこともできる。
【0013】
別の実施形態において、画像を基材に熱転写するのに用いるための画像形成された中間転写シートが、一般的に提供される。画像形成された中間転写シートは、ベース層と、ベース層の上にある剥離層と、剥離層の上にある印刷可能な転写コーティングとを含む。インクは、画像を形成するために、印刷可能な転写コーティング上に存在する。印刷可能な転写コーティングは、インクが存在する領域においてのみ画像形成された中間転写シート上に存在する。
本発明の他の特徴及び態様を、下記により詳細に説明する。
【0014】
当業者への最良の形態を含む、本発明の完全かつ実施可能な開示が、添付の図面を参照する明細書の残りの部分でより具体的に記載される。
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】印刷可能な表面上に定められた画像を有する印刷可能な転写シートを示す。
【図2】図1の印刷可能な転写シート上に印刷された画像のネガ型鏡像であるトナー画像をその印刷可能な表面上に有するトナー印刷可能なシートを表す。
【図3】画像を位置合わせするようにした印刷可能な転写シート及びトナー印刷可能なシートの配置を表す。
【図4】トナー印刷可能なシート及び印刷可能な転写シートの熱転写ステップを表す。
【図5】図4に示される層の分離の結果としての被覆された画像転写シート及び被覆されたトナー印刷可能なシートを表す。
【図6】基材への被覆された画像転写シートの熱転写を表す。
【図7】基材への被覆された画像転写シートの熱転写を表す。
【図8】被覆された画像領域及び被覆されていない非画像領域を有する最終基材を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
本明細書で用いられる「印刷可能な」という用語は、例証として、直接及びオフセットグラビアプリンタ、シルクスクリーン、タイプライター、レーザープリンタ、レーザーコピー機、他のトナー・ベースのプリンタ及びコピー機、ドットマトリクスプリンタ、並びにインクジェットプリンタなどのあらゆる手段により材料上に画像を配置することを可能にすることを含むように意図される。さらに、画像組成物は、印刷工程において一般的に用いられるインク又は他の組成物のいずれかとすることができる。
「トナーインク」という用語は、本明細書では熱で印刷可能な基材に溶融されるように適合されたインクを説明するように用いられる。
【0017】
「分子量」という用語は、一般に、文脈から別の意味が明らかであるか又はこの用語がポリマーについて言及していない限り、重量平均分子量のことを指す。分子量の単位は、時として「ダルトン」と呼ばれる原子質量単位であることが、長い間理解され、受け入れられてきた。従って、現在の文献では、単位は与えられることは稀である。従って、こうした慣習に合わせて、本明細書では分子量について単位を表さない。
本明細書で用いられる「セルロース不織ウェブ」という用語は、少なくとも約50重量パーセントのセルロース繊維を含有するあらゆるウェブ又はシート状材料を含むように意図される。セルロース繊維に加えて、ウェブは、他の天然繊維、合成繊維、又はそれらの混合物を含むことができる。セルロース不織ウェブは、比較的短い繊維を空気堆積又は湿式堆積してウェブ又はシートを形成することによって調製することができる。従って、この用語は、製紙用完成紙料から調製された不織ウェブを含む。このような完成紙料は、セルロース繊維のみを含むことができ、又はセルロース繊維と他の天然繊維及び/又は合成繊維の混合物を含むことができる。また、完成紙料は、製紙技術分野において周知のように、例えばクレー及び二酸化チタンなどの充填剤、界面活性剤、消泡剤等のような添加剤、及び他の材料を含むこともできる。
【0018】
本明細書で用いられる「ポリマー」という用語は、一般的に、これらに限定されるものではないが、ホモポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダム及び交互コポリマーのようなコポリマー、ターポリマー、並びにこれらのブレンド及び修飾物を含む。さらに、特に断りのない限り、「ポリマー」という用語は、材料の全ての可能な幾何学的構成を含むものとする。これらの構成は、これらに限定されるものではないが、アイソタクチック、シンジオタクチック及びランダム対称性を含む。
「熱可塑性ポリマー」という用語は、本明細書では、加熱されたときに、軟化し流動するあらゆるポリマーを意味するように用いられ、このようなポリマーは、加熱がポリマーの分解温度より低い場合、特性に何の基本的な変化を受けることもなく、何回でも加熱し軟化させることができる。熱可塑性ポリマーの例としては、ほんの一例として、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル酸エステル・ポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等、並びにこれらのコポリマーが挙げられる。
【0019】
[代表的実施形態の詳細な説明]
当業者は、この議論が、例示的な実施形態の説明にすぎず、本発明のより広範な態様を限定するように意図されるものではなく、これらのより広範な態様は、例示的な構成において具体化されることを理解すべきである。
一般的に言えば、本発明は、被覆されていない非画像領域で囲まれた表面上に、被覆された画像領域を有する基材を生成する方法に向けられる。具体的には、本開示は、画像のみが転写コーティング層により被覆され、非画像領域を転写コーティング層により被覆されていない状態で残すように、画像を基材に熱転写する方法に向けられる。従って、これらの方法は、印刷される領域の周囲を切り取って、関係のない印刷されない領域からコーティングを除去する必要のない、当業者により容易に実行することができる、無用物が除かれた熱転写方法を開示する。
【0020】
切り取り又はウィード作業を必要としないため、単純なトナープリンタ及び熱プレスを有するほぼ誰もが、以下の方法を活用して自分のカスタマイズした画像を生成し、基材に熱転写することができる。従って、現在のところ画像を基材に適用するための熱転写方式を利用できない多くのユーザーが、今や、自分の画像を使用してカスタマイズした画像を基材上に生成することができる。
I.印刷可能な転写シート上に画像を印刷する
【0021】
基材上に被覆された画像を生成するために、画像が、まず、印刷可能な転写シートの上に適用される(例えば、印刷される)。印刷可能な転写シートの上に印刷された画像は、被覆された画像の鏡像であり、これが、最終基材に転写される。当業者であれば、多くの市販のソフトウェア・ピクチャ/設計プログラムのいずれか1つを用いて、このような鏡像を生成し、印刷することができる。これらの印刷プロセスの可用性は極めて大きいため、ほとんどの顧客が、自分の画像を容易に生成して、基材上に被覆された画像を作成することができる。図1を参照すると、例示的な印刷可能な転写シート10が、その印刷可能な表面14にインク12が適用された状態で示される。図1において、画像は、印刷可能な表面14のインク付き領域内に明確に定められ、印刷可能な表面14の残りの表面領域には、インクがない。述べられたように、インク12によって定められた画像は、最終基材に適用される所望の被覆される画像の鏡像である。
【0022】
特定の実施形態において、画像は、インクジェットプリンタによって印刷可能な転写シートの上にデジタル印刷することができる。デジタルインクジェット印刷は、高品質の画像を印刷する周知の方法である。もちろん、これらに限定されるものではないが、フレキソ印刷、直接及びオフセットグラビアプリンタ、シルクスクリーン、タイプライター、トナー・ベースのプリンタ及びコピー機、ドットマトリクスプリンタ等を含むあらゆる他の印刷方式を用いて、画像を印刷可能なシートの上に印刷することができる。当技術分野において周知のように、典型的には、インクの組成は、用いられる印刷工程によって変わる。
図1に示すように、印刷可能な転写シート10は、転写コーティング層16を含み、この転写コーティング層は、剥離層18の上にあり、この剥離層は、ベース層20の上にある。従って、転写コーティング層16は、印刷可能な転写シート10の外部層を定め、印刷可能な表面14を定める。図1には2つの別個の層として示されるが、剥離層18をベース層20内に組み込むことができるので、これらは、剥離特性を有する1つの層であるように見える。
【0023】
上述のように、転写コーティング層16は、ベース層20及び剥離層18に重なる。転写コーティングの秤量は、一般に、約2g/m2から70g/m2まで変わり得る。転写コーティングの秤量は、望ましくは、約20g/m2から50g/m2まで、より望ましくは、約25g/m2から45g/m2まで、さらにより望ましくは、約25g/m2から45g/m2まで変わり得る。転写コーティングは、ベース層及び剥離層の上に、1つ又はそれ以上の皮膜又は層の膜形成結合剤及び粉末熱可塑性ポリマーを含む。皮膜又は層の組成は、同じであっても又は異なっていてもよい。転写コーティングは、約10重量パーセントより大きい膜形成結合剤と、約90重量パーセント未満の粉末熱可塑性ポリマーとを含むことが望ましい。1つの特定の実施形態において、転写コーティングは、約50%から約65%までの粉末熱可塑性ポリマーと約25%から約40%までの膜形成結合剤といったような、(乾燥重量に基づいて)約40%から約75%までの粉末熱可塑性ポリマーと、約20%から約50%までの膜形成結合剤とを含む。
【0024】
一般に、膜形成結合剤及び粉末熱可塑性ポリマーの各々は、約65℃から約180℃までの範囲で溶融することができる。例えば、膜形成結合剤及び粉末熱可塑性ポリマーの各々は、約80℃から約120℃までの範囲で溶融することができる。膜形成結合剤又は粉末熱可塑性ポリマーの溶融挙動に関する製造業者の公表データは、本明細書で説明された溶融要件に相関している。しかしながら、材料の性質に応じて真の融点又は軟化点が与られる可能性があることに留意すべきである。例えば、主に線状ポリマー分子で構成される、ポリオレフィン及びワックスのような材料は、融点より下では、多少結晶質であるために、一般的に、比較的狭い温度範囲にわたって溶融する。融点は、製造業者によって与えられない場合には、示差走査熱量測定法のような周知の方法によって容易に求められる。多くのポリマー、特にコポリマーは、ポリマー鎖が分岐しているか又は側鎖成分があるために非晶質である。これらの材料は、温度が上がると、徐々に軟化して流れ始める。例えば、ASTM試験法E−28により判断したこのような材料の環球式軟化点は、本発明におけるその挙動を予測するのに有用であると考えられる。
【0025】
分子量は、一般に、熱可塑性ポリマーの融点特性に影響を与えるが、熱可塑性ポリマーの実際の分子量は、熱可塑性ポリマーの融点特性によって変化し得る。1つの実施形態において、熱可塑性ポリマーは、約1,000から約1,000,000までの平均分子量を有することができる。しかしながら、当業者であれば認識するように、架橋結合の度合い、ポリマー・バックボーンからの分岐鎖の度合い、転写シート16上に被覆されたときのポリマーの結晶構造等といった、ポリマーの他の特性がポリマーの融点に影響を与える場合がある。
粉末熱可塑性ポリマーは、本明細書で述べられる基準を満たす、あらゆる熱可塑性ポリマーとすることができる。例えば、粉末熱可塑性ポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリオレフィン等とすることができる。さらに、粉末熱可塑性ポリマーは、直径が約2マイクロメートルから約50マイクロメートルまでの粒子からなるものとすることができる。
【0026】
一般に、本明細書で指定される基準を満たすあらゆる膜形成結合剤を用いることができる。幾つかの実施形態において、水分散可能なエチレンアクリル酸コポリマーを用いることができる。
転写コーティング層中に他の添加剤が存在してもよい。例えば、成分の一部、特に粉末熱可塑性ポリマーを分散させるのを助けるために、界面活性剤を添加することができる。例えば、界面活性剤は、約20%まで、例えば約2%から約15%まで、転写コーティング層中に存在させることができる。1つの特定の実施形態において、少なくとも2つの界面活性剤の組み合わせが、転写コーティング層中に存在する。例示的な界面活性剤は、親水性ポリエチレンオキシド基(平均して、それは9.5のエチレンオキシド単位を有する)と、ペンシルベニア州フィラデルフィア所在のRohm & Haas Co.社製Triton(登録商標)X−100として市販されるもののような、炭化水素親油基又は疎水基(例えば、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル)とを有する非イオン性界面活性剤のような、非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0027】
転写コーティング層中に可塑剤を含ませることもできる。可塑剤は、一般に、プラスチックのガラス転移温度を低下させること(よって、それをより軟らかくすること)によって、最終製品の柔軟性を増大させる添加剤である。1つの実施形態において、可塑剤は、約10重量%から約30重量%までといった、約40重量%まで、転写コーティング層中に存在することができる。1つの特に好適な可塑剤は、シカゴのVelsicol Chemical Corp.によってBenzoflex352という商品名で売られている化合物のような、1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエートである。同様に、粘度調整剤を転写コーティング層中に存在させることができる。粘度調整剤は、適用の際にコーティングのレオロジーを制御するのに有用である。また、インク粘度調整剤は、特許文献2に説明されるように、インクジェット印刷可能な熱転写コーティングに有用である。インクジェット印刷可能なコーティングに特に好適な粘度調整剤は、Meisei Chemical Works,Ltd.社によってAlkox R400という商品名で売られている化合物のような、高分子量ポリ(エチレンオキシド)である。粘度調整剤は、約1重量%から約4重量%までといった、約5重量%までの任意の量で含ませることができる。
【0028】
第1の転写における印刷可能な表面14の画像されない転写コーティング層16の剥離、次いで(下記により詳細に説明される)第2の転写における画像される転写コーティング層16の剥離を容易にするために、一般に、剥離層18が、転写コーティング層16中に含められる。剥離層18は、剥離可能なラベル、マスキング・テープ等を生成する技術分野において周知の各種材料から製造することができる。1つの実施形態において、剥離層18は、転写温度で本質的に粘着性がない。本明細書で用いられる「転写温度で本質的に粘着性がない」という語句は、剥離層18が、転写品質に悪影響を及ぼす範囲では、上に重なる転写コーティング層16に粘着しないことを意味する。剥離コーティングの厚さは、重要でない。正しく機能するために、転写コーティング層16と剥離層18との間の結合は、転写後にベースシート20から転写コーティング層16を除去するのに、1インチ当たり約0.01ポンドから0.3ポンドまでの力が必要とされるようにすべきである。この力が大きすぎる場合、転写コーティング層16又はベース層20は、これが除去されるときに破れることがあり、或いは、伸びたり変形したりすることもある。力が小さすぎる場合、望ましくないことに、転写コーティング層16は、処理中に分離することがある。
【0029】
剥離層は、これらに限定されるものではないが、被覆されるベースシート20と、これに適用される転写コーティング層16とを含む多数の要因に応じて大幅に変わる層厚を有することができる。典型的には、剥離層は、約2ミル(52ミクロン)より薄い厚さを有する。より望ましくは、剥離層は、約0.1ミルから約1.0ミルまでの厚さを有する。さらにより望ましくは、剥離層は、約0.2ミルから約0.8ミルまでの厚さを有する。剥離層の厚さはまた、秤量で表すこともできる。剥離コーティング層は、約2g/m2から約30g/m2までといった、約45g/m2より少ない秤量を有することが望ましい。
随意的に、印刷可能な転写シート10は、ベース層20と剥離層18との間に適合層(conformable layer)(図示せず)をさらに含み、転写コーティング層16と、熱転写中に接触する対向面との間の接触を容易にすることができる。
【0030】
ベース層20は、付加的な層のコーティング、転写条件、及び転写コーティング層16と熱転写中に接触する対向面の分離を処理するのに十分な強度を有するいずれのシート材料とすることもできる。例えば、ベース層20は廃棄されるので、ベース層20は、膜又はセルロース不織ウェブとすることができる。ベースの正確な組成、厚さ又は重量は、転写プロセスに重要ではない。可能なベース層20の幾つかの例には、セルロース不織ウェブ及び高分子膜が含まれる。これらに限定されるものではないが、一般的なリソ・ラベル紙、ボンド紙、及びラテックス飽和紙を含む、多数の異なるタイプの紙が、本発明に適している。一般に、約4ミルの厚さの紙の裏当てが、大抵の用途に適している。例えば、紙は、1300平方フィート当たり24lbの、Neenah PaperのAvon White Classic Crestのような、普通のオフィス用プリンタ又はコピー機に用いられるタイプとすることができる。
印刷可能な転写シート10を形成するためにベース層20に適用される層は、ロール、ブレード、マイヤー・ロッド、及びエアナイフ・コーティング手法によるような、周知の被覆技術によって、所与の層上に形成することができる。次に、例えば、蒸気加熱ドラム、空気衝突、放射加熱、又はこれらの何らかの組み合わせによって、結果として得られた画像転写材料を乾燥させることができる。
II.トナー印刷可能シート上にネガ画像をトナー印刷する
【0031】
別のステップにおいて、印刷可能な転写シート10の印刷可能な表面14に適用された画像のネガ型の鏡像(negative mirror image)が、レーザープリンタ又はレーザーコピー機によってトナー印刷可能なシートの上に印刷される。例えば、図2を参照すると、トナー印刷可能なシート22は、トナーインク24によって定められたネガ型鏡を有する状態で示される。非画像領域26は、印刷可能な転写シート10の印刷可能な表面14上にあるインク12によって定められた画像の鏡映ネガであるネガ画像を、トナー印刷可能なシート22上に定める。当業者であれば、幾つかの市販のソフトウェア・プログラム又はコピー機のいずれか1つを用いてネガ型鏡像を生成することができる。
【0032】
トナー印刷可能なシートは、レーザープリンタ及びコピー機と共に用いるために商業的に容易に入手可能である。一般に、トナー印刷可能なシートは、セルロース不織ウェブ(例えば、紙)とすることができる。トナー印刷可能なシートは、第1の転写ステップ後に廃棄できるので、トナー印刷可能なシートの正確な組成、厚さ、又は重量は、転写プロセスには重要でない。
これらに限定されるものではないが、一般的なリソ・ラベル紙、ボンド紙及びラテックス飽和紙を含む、多数の異なるタイプの紙が、トナー印刷可能なシートに適している。一般に、約4ミルの厚さの紙が、大抵の用途に適している。例えば、紙は、1300平方フィート当たり24lbの、Neenah PaperのAvon White Classic Crestのような、普通のオフィス用プリンタ又はコピー機に用いられるタイプとすることができる。
III.印刷可能な転写シートから転写コーティング層の印刷されていない部分を除去する
【0033】
印刷可能な転写シート10の印刷可能な表面14の上にインク12を適用した後、トナー印刷可能なシート上のネガ型鏡像により、如何なるインクも存在していない転写コーティング層の部分が、転写シート10から除去される。転写シート10からの如何なるインクも存在していない転写コーティング層の部分の除去を達成するために、印刷可能な転写シート10及びトナー印刷可能なシート22が、位置合わせされて並べられる。本明細書で用いられる「位置合わせされた」という用語は、印刷可能な転写シート10の印刷可能な表面14上のインク12によって定められた画像が、トナー印刷可能なシート22上の非画像領域26と実質的に合致することを意味する。例えば、図3を参照すると、印刷可能な転写シート10及びトナー印刷可能なシート22は、トナー印刷可能なシート22の非画像領域26だけが、印刷可能な転写シート10の印刷可能な表面14上のインク12に接触するように、向かい合わせに位置合わせされる(すなわち、印刷可能な転写シート10の印刷可能な表面14は、トナー印刷可能なシート22に適用されたトナーインク24を有する面に接触する)。同様に、トナー印刷可能なシート22上のネガ型鏡像を定めるトナーインク24だけが、印刷可能な転写シート10の印刷可能な表面14の非画像領域に接触する。もちろん、画像の複雑さによって、残りの転写ステップに実質的に影響を与えずに、何らかの最小量の重なりが生じる可能性がある。例えば、印刷可能な転写シート10の印刷可能な表面14上のインク12によって定められた画像の表面積の約5%未満、例えば約3%未満が、トナー印刷可能なシート22上のトナーインク24に接触する場合がある。
【0034】
互いに接触した状態で位置合わせされ、配置されると、熱H及び圧力Pが位置合わせされたシートに加えられ、図4に示すような、一時的な積層体を形成する。熱H及び圧力Pを加えることにより、印刷可能な転写シート10及びトナー印刷可能なシート22が一時的積層体として互いに積層される。印刷可能な転写シート10がトナー印刷可能なシート22から分離される(例えば、剥離される)と、画像形成された中間転写シート28及び被覆されたトナー印刷シート30が生成される。
【0035】
図5を参照すると、画像形成された中間転写シート28は、トナー印刷可能なシート22のトナーインク24が転写コーティング層16に接触した領域においてのみ、印刷可能な転写シート10から除去された転写コーティング層16を有する。このように、正しく位置合わせされた場合、印刷可能な転写シート10に適用されたポジ画像は、いずれの転送コーティング層16も残っていない領域により囲まれた、転写コーティング層16の印刷可能な表面14上に残る。同様に、今や、トナー印刷可能なシート22上のトナーインク24は、印刷可能な転写シート10からの転写コーティング層16で被覆され、被覆されたトナー印刷シート30を形成する。トナー印刷可能なシート22の非画像領域26には、如何なるコーティングもない。この被覆されたトナー印刷シート30は、トナー印刷可能なシート22の使い道がなくなった(余分な転写コーティング層16が印刷可能な転写シート10の非画像領域から除去された)ときに廃棄することができる。
【0036】
一時的な積層体を形成し、印刷可能な転写シート10からの転写コーティング層16を、トナー印刷可能なシート22のトナーインク24によって定められたインク付き領域に付着させるのに必要な温度は、一般に、転写コーティング層16における熱可塑性粒子の融点及び/又は軟化点より低い。
例えば、転写温度(すなわち、H)は、約50℃から約150℃まで、例えば約80℃から約120℃までとすることができる。この温度において、トナーインク24が軟化し溶融して粘着性になり、転写コーティング層16に十分に付着して、トナー印刷可能なシート22の画像領域に接触すると考えられる。このように、分離後、トナー印刷可能なシート22のインク付き領域(すなわち、トナーインク24によって定められたネガ画像)は、印刷可能な転写シート10の転写コーティング層16に付着し、印刷可能な転写シート10から、これらの領域を有効に取り除く。一方、転写コーティング層16の画像領域(正しく位置合わせされた場合、トナーインク24に接触しない)は、トナー印刷可能なシート22の非画像領域26に接触し、かつ、トナー印刷可能なシート22に付着しない。このように、分離後、転写コーティング層16の画像領域のみが、印刷可能な転写シート10上に残り、画像形成された中間転写シート28を形成する。
IV.熱転写して、基材上に被覆された画像を形成する
【0037】
ここで、画像形成された中間転写シート28を用いて、基材の上に被覆された画像を適用することができる。図6及び図7を参照すると、(インク12によって定められる)画像を有する残りの転写コーティング層16が基材32に接触するように、画像形成された中間転写シート28が、基材32に隣接して位置決めされる。第2の転写温度で熱H’及び圧力P’を画像形成された中間転写シート28に加えることによって、画像の熱転写が達成される。
分離後(例えば、基材32から画像形成された中間転写シート28を剥離した後)、図7に示されるように、基材32は、インク12によって形成された画像を有する。転写コーティング層16は、インク12が存在する領域にのみ存在して、被覆された画像領域34を形成する。インク12がない基材32の周囲の表面領域は、被覆されていない非画像領域36のままである。このように、余分な転写コーティング層16は、基材32に適用されない。
【0038】
この転写は、基材32の上に残りの転写コーティング層16を軟化させ及び/又は溶融させるのに十分な温度で行われる。1つの実施形態において、この第2の転写は、例えば約150℃から約200℃までのような、約120℃より高い温度で行うことができる。
被覆された画像領域34は、本開示の方法を用いて任意の基材32(例えば、多孔性基材)に適用することができる。もちろん、装飾するために選択する特定の基材と両立性があるように、印刷可能な転写シートを設計することができる。例えば、粗く重い材料のために設計された転写は、絹のような極めて軽い材料、又は、皮のようなあまり多孔性でない材料のために設計されたものより重いコーティングを必要とする。1つの特定の実施形態において、基材32は、衣類(例えば、シャツ、パンツ等)を作るのに用いられるような布である。布は、織布(例えば、綿繊維、絹繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等)の製造に用いるのに適した任意の繊維を含むことができる。例えば、基材は、綿繊維を含むTシャツとすることができる。
本発明は、以下の実施例を参照してより、良好に理解することができる。
【実施例】
【0039】
印刷可能な熱転写紙は、1300平方フィート当たり24lbのセルロース・ベースのシート(Neenah Paper 24lb、Classic Crest)を有していた。1.8ミルの厚さの、Dupont社製エチレン酢酸ビニルコポリマー、Elvax3200の押し出された層が、熱整合層として機能するように適用された。剥離コーティングは、100乾燥部のRhoplex SP 100(Rohm and Haas社製アクリル・ラテックス)、5乾燥部のXAMA 7(Bayer社製架橋剤)、2乾燥部のDow Corning Surfactant 190、及び5乾燥部のCarbowax ポリエチレン・グリコール8000(Dow Chemical社製)とからなる、1連当たり2.5lbであった。
転写可能な印刷コーティング重量は、1300平方フィート当たり7lbであり、100乾燥部のOrgasol 3501(Arkema社製ポリアミド粒子)、50乾燥部のMichem Prime 4983(Michelman社製エチレン・アクリル酸コポリマー)、2部のアンモニア、8部のTriton X 100(Dow Chemical社製非イオン性界面活性剤)、9乾燥部のAPC M1(Advanced Polymer Inc.社製ポリアミン)、40乾燥部の粉末Benzoflex 352(Velsicol社製可塑剤)、及び5乾燥部のpolyox N80(Dow Chemical社製ポリエチレンオキシド)とからなっていた。
【0040】
多色の蝶の鏡像が、Epson R 200インクジェットプリンタを用いて上述した熱転写紙の上に印刷された。コンピュータ・ソフトウェア及びCanon 700カラーコピー機を用いて、蝶の画像が、白黒のネガ画像(オリジナルの蝶のネガ画像又は転写紙の上に印刷された画像のネガ鏡像)に変換された。この白黒のネガは、Canon 700カラーコピー機を用いてトナー印刷可能なシート(Neenah Paper社製の80lbのアバランシェ・スーパースムーズ・ペーパー)の上に印刷された。次に、印刷された熱転写紙及びネガ画像が印刷された紙を整列させて画像を位置合わせし、Tシャツ・プレス機において220°F(約104℃)で30秒間熱プレスした。これらは、まだ高温の間に分離され、結果として、コーティングは、トナー画像を有する紙の黒色のネガ画像領域においてのみ、トナー印刷可能なアバランシェ・ペーパーに転写された。残りの蝶の鏡像及び画像領域の下のみにコーティングを有する転写紙が、熱プレス機において1枚のTシャツ布地に対して350°F(約177℃)で30秒間プレスされた。冷却後、この紙を除去し、インクジェットのインクを含む領域内にのみコーティングを有する蝶の被覆された画像を布に与えた。
【0041】
本発明は、特定の実施形態に関して詳細に説明されたが、当業者であれば、上記の理解を得た場合に、これらの実施形態の代替物、変形物及び均等物を容易に考え得ることを理解するであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそのいずれかの均等物として判断されるべきである。
【0042】
10:印刷可能な転写シート
12:インク
14:印刷可能な表面
16:転写コーティング層
18:剥離層
20:ベース層
22:トナー印刷可能なシート
24:トナーインク
26:非画像領域
28:画像形成された中間転写シート
32:基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に被覆された画像を形成する方法であって、
印刷可能な転写シートの転写コーティング層の印刷可能な表面上に画像を形成するステップと、
トナー印刷可能なシート上に、トナーインクを有する画像領域と、トナーインクが実質的にない非画像領域とを定めるようにネガ型鏡像を印刷して、該ネガ型鏡像により、前記トナー印刷可能なシートの前記非画像領域内において、該印刷可能な転写シートの前記転写コーティング層の前記印刷可能な表面上に前記画像の鏡像を実質的に形成するステップと、
前記印刷可能な転写シートの前記転写コーティング層の、前記トナー印刷可能なシート上の前記画像領域に対応する部分を前記トナー印刷可能なシートに転写し、前記画像とその下層にある該印刷可能な転写シートの転写コーティングとが該印刷可能な転写シート上に実質的に残るようにするステップと、
その後、前記印刷可能転写シート上に残っている前記画像及び前記転写コーティング層を前記基材に転写するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記印刷可能転写シートの前記転写コーティング層の前記部分は、約150℃より低い第1の転写温度で前記トナー印刷可能シートに転写されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記印刷可能転写シート上に残っている前記画像及び前記転写コーティング層は、約150℃より高い第2の転写温度で前記基材に転写されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記転写コーティング層は、粉末熱可塑性ポリマーと、膜形成結合剤とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記転写コーティング層は、粘度調整剤をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ネガ型鏡像は、レーザープリンタ又はレーザーコピー機によって、前記トナー印刷可能シート上にレーザー印刷されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記被覆された画像を有する前記基材には、非画像領域内に前記転写コーティング層が実質的にないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
基材の非画像領域に実質的にコーティングがない状態で該基材上に被覆された画像を形成する方法であって、
印刷可能な転写シートの転写コーティング層の印刷可能な表面上に画像を定めるように該印刷可能な表面上にインクを付与するステップと、
トナー印刷可能なシート上に、トナーインクを有する画像領域とトナーインクがない非画像領域とを定めるようにネガ型鏡像を印刷して、前記ネガ型鏡像により、前記トナー印刷可能シートの前記非画像領域に、該印刷可能な転写シートの前記転写コーティング層の前記印刷可能な表面上の前記画像の鏡像を実質的に形成するステップと、
前記印刷可能な転写シートと前記トナー印刷可能なシートとを、該印刷可能な転写シートの前記転写コーティング層の前記印刷可能な表面上にある前記画像が該トナー印刷可能なシートの非画像領域のみに実質的に接触するように位置合わせし、接触させるステップと、
前記印刷可能な転写シートの前記転写コーティング層の、該トナー印刷可能シート上の前記画像領域に実質的に対応する部分を、前記トナー印刷可能シートに転写して、画像形成された中間転写シートを形成し、該転写コーティング層に形成された前記画像が前記画像形成された中間転写シート上に実質的に残るようにするステップと、
前記画像形成された中間転写シート上に残っている前記画像と前記転写コーティング層とを前記基材に転写するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記印刷可能転写シートの前記転写コーティング層の前記部分は、約150℃より低い第1の転写温度で前記トナー印刷可能なシートに転写されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記印刷可能転写シート上に残っている前記画像及び前記転写コーティング層は、約150℃より高い第2の転写温度で前記基材に転写されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記転写コーティング層は、粉末熱可塑性ポリマーと、膜形成結合剤とを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記転写コーティング層は、粘度調整剤をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ネガ型画像は、レーザープリンタ又はレーザーコピー機によって、前記トナー印刷可能シート上にレーザー印刷されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
画像を基材に熱転写するのに用いるための画像形成された中間転写シートであって、
ベース層と、
前記ベース層の上に重なる剥離層と、
前記剥離層の上に重なる印刷可能な転写コーティングと、
を含み、
前記印刷可能な転写コーティング上にインクが存在して画像を形成し、該印刷可能な転写コーティングは、前記インクが存在する領域にのみ存在することを特徴とする画像形成された中間転写シート。
【請求項15】
前記転写コーティング層は、粉末熱可塑性ポリマーと、膜形成結合剤とを含むことを特徴とする、請求項14に記載の画像形成された中間転写シート。
【請求項16】
前記転写コーティング層は粘度調整剤をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の画像形成された中間転写シート。
【請求項17】
前記ベース層は紙ウェブを含むことを特徴とする、請求項14に記載の画像形成された中間転写シート。
【請求項18】
前記印刷可能転写コーティング上に存在する前記インクによって形成された前記画像は、熱転写によって前記基材上に形成される該画像の鏡像であることを特徴とする、請求項14に記載の画像形成された中間転写シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−502060(P2011−502060A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531100(P2010−531100)
【出願日】平成20年9月15日(2008.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/076359
【国際公開番号】WO2009/055158
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(505029713)ニーナ ペイパー インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】