説明

面状発熱体を利用したシートヒータ及びシートヒータ付き座席

【課題】効率的に最適な温度に暖めながらも省電力を達成するシートヒータ及びシートヒータ付き座席を提供する。
【解決手段】シートヒータ4は、下地シート5と、下地シート5上に配置された、長辺が9cm以下かつ短辺が5cm以下の長方形からなる複数の面状発熱体6と、各々の面状発熱体6に接続された2つの面状電極7とを有する。各々の面状電極7が、各々の面状発熱体6上に、実質的に面状発熱体6の2つの短辺の全体に沿って配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状発熱体を利用したシートヒータ及びシートヒータ付き座席に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、面状発熱体を用いたシートヒータが種種提案されている。ここでいう面状発熱体とは、フッ素系樹脂を主成分とする合成樹脂分散媒に、黒鉛(グラファイト)とカーボンブラックからなる導電性材料を混入、分散させたものである。
例えば特許文献1では、複数の面状発熱体を伸縮性接続部によって接続することで、面状発熱体の変更を防ぐ構成が提案されている。
また、例えば特許文献2では、複数の面状発熱体の間をリード線で接続して電気的に一体化することで、面状発熱体の設計的な制約を低減できること等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−55219号公報
【特許文献2】特開2006−351458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、面状発熱体を用いたシートヒータはいくつか提案されている。しかしながら、上記の技術においては、面状発熱体に対して櫛歯状の電極が用いられている。櫛歯状の電極は、電極間の間隔が狭いため、発熱量は大きいものの消費電力も大きくなる。
このことは、面状発熱体を用いたシートヒータを自動車の座席に用いる場合に特に不都合が生じる。これは、自動車では多くの場合電源が直流12Vのバッテリーだからである。さらに、近年普及してきているハイブリッド車や電気自動車においては、電気を自動車の動力としても利用する必要がある。このため、ヒータに用いる電力はより一層低減することが求められる。
さらに、地球環境保護(エコロジー)の観点からも、電力の消費はできるだけ抑えることが望まれている。
従って、本発明の目的は、効率的に最適な温度に暖めながらも省電力を達成するシートヒータ及びシートヒータ付き座席を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点によれば、本発明に係るシートヒータは、
下地シートと、
前記下地シート上に配置された、長辺が9cm以下かつ短辺が5cm以下の長方形からなる複数の面状発熱体と、
各々の前記面状発熱体に接続された2つの面状電極と
を有し、
各々の前記面状電極が、各々の前記面状発熱体上に、実質的に前記面状発熱体の2つの短辺の全体に沿って配置されている。
【0006】
本発明の第2の観点によれば、本発明に係るシートヒータ付き座席は、
座部及び背部の少なくとも一方が複数の隆起部を有する座席と、
下地シートと、
前記下地シート上に配置された、長辺が9cm以下かつ短辺が5cm以下の長方形からなる複数の面状発熱体と、
前記面状発熱体上に、実質的に前記面状発熱体の2つの短辺の全体に沿って配置されている面状電極と、を有するシートヒータと
を含み、
前記シートヒータが、前記座部又は背部のうち少なくとも一方に、前記隆起部の隆起形状に沿って設けられ、
前記面状発熱体が前記隆起部の頂上近傍に配置されている。
【0007】
本発明の第3の観点によれば、本発明に係るシートヒータは、
下地シートと、
前記下地シート上に配置された帯状の面状発熱体と、
前記面状発熱体上に、実質的に幅方向の全体に亘って、かつ一定間隔で配置された面状電極とを有し、
前記面状発熱体が複数回折りたたまれている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る面状発熱体を用いたシートヒータ又はシートヒータ付き座席によれば、比較的小さい面状発熱体を複数用い、かつ面状発熱体全体を有効活用できるように電極を構成している。このため、効率的に最適な温度に暖めつつ、更なる省電力を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態に係るシートヒータ付き座席を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係るシートヒータの構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係るシートヒータのA−A線部分断面図である。
【図4−A】第1実施形態に係るシートヒータに関する比較例1である。
【図4−B】第1実施形態に係るシートヒータに関する比較例2である。
【図4−C】第1実施形態に係るシートヒータに関する比較例3である。
【図4−D】第1実施形態に係るシートヒータに関する比較例4である。
【図5】第1実施形態に係るシートヒータの動作を示す図である。
【図6】第2実施形態に係るシートヒータ付き座席を示す概略構成図である。
【図7】第2実施形態に係るシートヒータの構成を示す図である。
【図8】第2実施形態に係るシートヒータの構成を示す図である。
【図9−A】第2実施形態に係るシートヒータに用いられる並列編み線を示す写真である。
【図9−B】第2実施形態に係るシートヒータに用いられる並列編み線の断面図である。
【図10−A】第3実施形態に係る温風発生装置の構成を示す図である。
【図10−B】第3実施形態に係る温風発生装置の構成を示す図である。
【図10−C】第3実施形態に係る温風発生装置の構成を示す図である。
【図10−D】第3実施形態に係る温風発生装置の構成を示す図である。
【図11−A】第3実施形態に係る温風発生装置の変形例の構成を示す正面図である。
【図11−B】第3実施形態に係る温風発生装置の変形例の構成を示す右側面図である。
【図12】第4実施形態に係る足下用ヒータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【第1実施形態】
【0010】
本発明の第1実施形態に係るシートヒータ及びシートヒータ付き座席について、図1〜図5を用いて説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態に係るシートヒータ付き座席1を示す概略構成図である。シートヒータ付き座席1は、座部2及び背部3を含む。本実施形態では、座部2にシートヒータ4が設置されている。より具体的には、シートヒータ4は、座部2表面のシートカバーの下側に埋め込まれている。よって、シートヒータ4は、座部2の表面からは見えない。また、本実施形態のシートヒータ付き座席1は、車載用のものである。
【0012】
図2は、シートヒータ4の構成を示す平面図である。シートヒータ4は、下地シート5と、下地シート5上に配置された複数の面状発熱体6a〜6fと、面状発熱体6a〜6f同士を接続する面状電極7とを有する(なお、いずれの面状発熱体であるかを区別しない場合には、単に面状発熱体6と称する)。面状電極7は、下地シート5の端部まで伸びており、端部において配線8と接続される。配線8は、制御部20に接続している。制御部20は、電源22と接続している。また、温度センサ24が面状発熱体6に隣接して配置されており、図示しない配線によって制御部20と接続されている。なお、図面の右方向が、座席2の前方、すなわちユーザの足が位置する方向である。反対に、図面の左方向が、座席2の後方、すなわちユーザの背中が位置する方向である。
【0013】
下地シート5は、柔軟性があり、薄い素材からできていることが好ましい。このような素材の例として、不織布(PET)がある。不織布は多孔質構造なので、通気性及び保温性が良く、シートヒータに適している。特に、ユーザが長時間同じ位置に座らなければならない車載用のシートヒータには特に適している。
【0014】
複数の面状発熱体6は、いずれも、フッ素系樹脂を主成分とする合成樹脂分散媒に、黒鉛(グラファイト)とカーボンブラックからなる導電性材料を混入、分散させたものである。面状発熱体は、非常に薄く、柔軟性に富む。
【0015】
また、各々の面状発熱体6は長方形状である。各々の面状発熱体6の大きさは、長辺の長さL1が9cm以下、かつ短辺の長さL2が5cm以下とするのが好ましい。理由は、面状電極7との関連で後述する。このように、比較的小さい面状発熱体を複数用いることで、座席上の必要な場所のみを、無駄なく暖めることができる。言い換えれば、暖める必要がない場所には、面状発熱体を配置しないで済むので、省電力にもつながる。本実施形態における各々の面状発熱体の大きさは、長辺の長さL1が7cm、短辺の長さL2が3.3cmである。
【0016】
また、本実施形態において、全ての面状発熱体6の面積の合計は、138.6cmである。通常の自動車において、一般的に座席の大きさは、少なくとも幅38cm、奥行き40cm程度はある。これは、面積にすると1,520cmである。従って、本実施例において面状発熱体が座部2に対して占める面積の割合は、約9.1%であり、10%以下である。このことからも、本実施形態では、必要な場所のみを暖めることで、省電力を達成していることが分かる。
【0017】
本実施形態において、面状発熱体6a及び6bは、短辺において互いに隣接している。同様に、面状発熱体6e及び6fも、短辺において互いに隣接している。従って、短辺において互いに隣接する面状発熱体6が2セット存在する。そして、面状発熱体6a及び6b、並びに面状発熱体6e及び6fの長辺は、いずれも、座席2の前後方向に沿うように配置されている。この方向は、ちょうどユーザの太ももの方向と一致する。また、ユーザの太ももに接する位置に配置している。このように、横長の面状発熱体6(6a及び6b、並びに6e及び6f)を、最も暖める必要がある位置に配置しているので、効率的である。
【0018】
さらに、面状発熱体6dは座席2の後方に、面状発熱体6cは座席2の前方に、それぞれ配置されている。また、いずれも長辺が座席2の左右方向に沿う向きに配置されている。面状発熱体6dは、ちょうどユーザのお尻の位置に配置されている。面状発熱体6cはユーザの両足の間を埋めるように、補完的に配置されている。このように6つの面状発熱体6を配置することで、暖める必要がある部分のみを、効率的に暖めることが可能となる。
【0019】
複数の面状電極7は、各々の面状発熱体6の2つの短辺に沿って配置されている。このように、面状電極7を、面状発熱体6の2つの短辺のみに配置する構成としたので、消費電力を低減することができる。これは、面状電極同士は比較的広い間隔(7cm)で配置されているので、その分消費電力を低減することができるからである。特に、櫛歯状電極を面状発熱体の略全面に配置する態様の場合は電極間の間隔が狭いので、消費電力が大きい。このような態様と比較すると、本実施形態の方が低消費電力である。なお、面状電極7としては、銅箔を用いることが好ましい。また、面状電極7は、面状発熱体6にリベット9によってかしめられて固定されている。
【0020】
上述のように、面状電極7同士の間隔は、省電力(低消費電力)の観点からは、広い方が好ましい。これは、抵抗が大きくなれば電流は下がるためである。この観点からは、発明者らの実験によると、面状電極7同士の間隔は、6cm以上であることが好ましい。一方、発熱の観点からは、あまりに面状電極7同士の間隔が広すぎると十分な発熱を得ることができない。特に、直流12Vの自動車用電源を用いる場合のように電源電圧が低い場合に、十分な発熱を得ることができない。この観点からは、発明者らの実験によると、面状電極7同士の間隔は9cm以下であることが好ましい。従って、面状電極同士の間隔(すなわち、面状発熱体6の長辺の長さL1)は、6cm以上9cm以下であることが好適である。
【0021】
また、本実施形態においては、面状電極7は、実質的に各々の面状発熱体6の短辺の全体に亘って形成されている。短辺の全体に亘って形成することにより、面状発熱体6の全体を発熱させることができるためである。特に、本実施形態においては、比較的小さい面状発熱体6を用いるので、これらの限られた発熱体を有効に活用することが望ましい。
【0022】
なお、上述の通り、面状発熱体6の短辺の長さは5cm以下であることが好ましい。もし短辺が5cmより大きく、短辺の全体に亘って面状電極7が形成されていると、消費電力が増えてしまうので好ましくないからである。もちろん、面状電極7を短辺の一部にのみ形成すれば、消費電力の増加は招かないが、それでは面状発熱体6の一部が使用されていないことになり、発熱体を有効活用できない。
【0023】
また、面状電極7の面状発熱体6上における長さ、すなわち面状発熱体6の短辺の長さは、3cm以上であることが好適である。これは3cmより小さいと、十分な発熱を得ることができないためである。従って、面状発熱体6の短辺は、3cm以上5cm以下であることが好適である。
【0024】
なお、面状発熱体6a及び6bは、互いに接触する短辺において、共通の面状電極7を用いている。この場合、面状発熱体6a及び6bは切れ目なく一体に形成されていることが好ましい。一体に形成される場合、面状電極7との接触面積を十分に確保することができると共に、ユーザの重みによって破損する危険性が減る。このことは、面状発熱体6e及び6fにおいても同様である。
【0025】
また、面状発熱体6に隣接して、温度センサ24が配置されている。温度センサ24は、面状発熱体6の温度を計測するものである。なお、面状発熱体6自体の温度でなく、面状発熱体6の間の部分の温度を計測するように配置しても良い。
【0026】
また、複数の面状電極7は、面状発熱体6同士を電気的に接続している。そして、面状電極7は、配線8に電気的に接続されている。配線8は、制御部20に接続されている。
【0027】
制御部20は、ユーザがシートヒータ4の電源のオン・オフを操作するためのスイッチ、及びシートヒータ4の温度を設定するためのボタン等を有している。さらに、シートヒータ4の温度センサ24、自動車のイグニッションスイッチ(図示せず)、及びシートベルト認識センサ(図示せず)等とも電気的に接続されていても良い。これらと接続されている場合には、シートヒータの温度、自動車のイグニッションのオンオフ、シートベルト着用の有無等と連動して、シートヒータ4を制御することが可能となる。さらに、シートヒータ4が自動車の複数の座席に設置されている場合には、それぞれのシートヒータ4に制御部20が設置されていることが好ましい。そのような形態によれば、座席ごとにシートヒータ4の動作を制御することが可能となる。
【0028】
制御部20は、電源22と接続される。本実施形態では、電源22は自動車のバッテリーである。
【0029】
図3は、シートヒータ4の部分断面図である。具体的には、図3は、図2のA−A線における部分拡大断面図である。
図3において、面状発熱体6が下地シート5上に、両面テープ10によって接着されている。また、面状電極7は、面状発熱体6上に、銀蝋11によって接着されている。銀蝋11は、製造過程においては、面状発熱体6の一部上に予め塗布されていたものである。また、面状電極7にも接着剤が塗布されていても良い。これは、銀蝋11のみによって面状電極7を面状発熱体6上に接着しようとすると、銀蝋11の接着力はそれほど強力ではないので、十分に接着することができないためである。このため、接着剤が塗布された面状電極7を用いることが好適である。さらに、面状電極7は、リベット9によって最終的に固定されている。リベット9は、面状電極7、銀蝋11、面状発熱体6、両面テープ10、及び下地シート5をまとめてかしめている。その上で、リベット9、面状電極7及び銀蝋11は、カプトンシール12によって被覆されている。カプトンシール12によって、面状電極7が電気的に絶縁される。このように、面状電極7はリベットによって面状発熱体6に対して強力に固定されている。電極を、面状発熱体の全面に櫛歯状に形成する場合には、1つの面状発熱体の多数の箇所で電極と接触するため、それぞれの電極と面状発熱体との接触にあまり神経質になる必要がない。しかし、本実施形態のように、面状発熱体6と面状電極7との接触箇所が限られている場合には、接触不良が生じないように十分配慮する必要がある。そのため、上記のようにリベット9や銀蝋11を用いて強力に固定し、同時に電気的な接触面積を十分に確保する構成としている。
【0030】
図4A〜図4Dは、本実施形態に係るシートヒータ4とは異なる構成のシートヒータを用いて実験した結果を説明するものである。併せて、本実施形態に係るシートヒータ4の実験結果も説明する。
【0031】
(比較例1)
図4Aは、比較例1に係るシートヒータ54の構成を示す図である。図示されるように、下地シート55全面に亘って、12枚の面状発熱体56を配置した。面状発熱体1枚当たりの大きさは、長辺が6cm、短辺が3.3cmである。電源はDC12Vであり、これは、車載用シガーライタ(cigarette lighter)から供給した。電流値は、面状発熱体1枚当たり133mAであり、12枚なので合計1,596mAである。そして、実際に測定した表面温度は48℃であり、かなり熱く、長時間は座れない温度だった。
【0032】
(比較例2)
図4Bは、比較例2に係るシートヒータ64の構成を示す図である。図示されるように、下地シート65全面に亘って、比較例1と同様に12枚の面状発熱体66を配置した。面状発熱体1枚の大きさは、長辺が7cm、短辺が3.3cmである。電源はDC12Vであり、これは、車載用シガーライタから供給した。電流値は、面状発熱体1枚当たり103.4mAであり、12枚なので合計1,240.8mAである。そして、実際に測定した表面温度は45℃であり、この例でもかなり熱く、長時間は座れない温度だった。
【0033】
(比較例3)
図4Cは、比較例3に係るシートヒータ74の構成を示す図である。図示されるように、下地シート75全面に亘って、12枚の面状発熱体76を配置した。面状発熱体1枚の大きさは、長辺が9cm、短辺が3.3cmである。電源はDC12Vであり、これは、車載用シガーライタから供給した。電流値は、面状発熱体1枚当たり69.5mAであり、12枚なので合計834mAである。そして、実際に測定した表面温度は42℃であり、まだ若干熱く、快適ではない温度だった。
【0034】
(比較例4)
図4Dは、比較例4に係るシートヒータ84の構成を示す図である。図示されるように、下地シート85の前側及び後ろ側のみに、8枚の面状発熱体86を配置した。面状発熱体1枚の大きさは、長辺が7cm、短辺が3.3cmである。電源はDC12Vであり、これは、車載用シガーライタから供給した。電流値は、面状発熱体1枚当たり103.4mAであり、8枚なので合計827.2mAである。そして、実際に測定した表面温度は40℃であり、まだ若干熱く、快適ではない温度だった。
【0035】
次に、図2に示される本実施形態に係るシートヒータ4の構成による場合、6枚の面状発熱体6を上述及び図2に示されるように配置した。面状発熱体1枚の大きさは、長辺が7cm、短辺が3.3cmである。電源はDC12Vであり、これは、車載用シガーライタから供給した。電流値は、面状発熱体1枚当たり103.4mAであり、6枚なので合計620.4mAである。すなわち、面状発熱体1枚当たりの電流値が110mA以下であり、電流値が非常に低い。そして、実際に測定した表面温度は37℃〜40℃であり、快適に使用できる温度であった。また、10名による使用実験でも、全員が適度な暖かさであるとの評価をした。
このように、本実施形態によるシートヒータ4は、電流値が0.62Aと非常に低く省電力である。同時に、ユーザにとって快適な暖かさを提供する。
【0036】
(動作)
次に、本実施形態によるシートヒータ4の動作の一例を、図5を用いて説明する。ここでは、シートヒータ4を自動車に搭載した場合の動作の例を説明する。より具体的には、シートヒータ4の電源オンオフを、イグニッションスイッチ、シートベルト等と連動させる動作例である。この動作は、図2の制御部20によって実行される。また、この動作を実行するには、制御部20が、温度センサ24、イグニッションスイッチ及びシートベルト認識センサと接続されている必要がある。この動作例によると、シートヒータ4を自動で発熱させることができ、利便性のみならず安全性をも向上させることができる。
【0037】
まず、ステップS1において、ユーザが、自動車のイグニッションスイッチをオンにする。
【0038】
次に、ステップS2において、シートベルトが着用されているかどうかを判定する。具体的には、制御部20に接続されたシートベルト着用センサによって、シートベルト着用の有無を判断する。シートベルトが着用されている場合にはステップS3に進み、着用されていない場合にはステップS6に進む。
【0039】
ステップS3において、制御部20に搭載されている、ユーザによって操作されるヒータスイッチがオンであるかどうかを判定する。オンである場合にはステップS4に進み、オフである場合にはステップS6に進む。例えば、ヒータスイッチをオン状態に固定しておくことも可能であり、その場合には自動的にステップS4に進むことになる。
【0040】
ステップS4において、ヒータ温度が設定温度以下であるかどうかを判定する。具体的には、温度センサ24によって計測された温度に基づいて判定する。設定温度以下である場合にはステップS5に進み、設定温度以上である場合にはステップS6に進む。
【0041】
ステップS5において、シートヒータ4の電源がオンになる。一方、ステップS6においては、シートヒータ4の電源がオフになる。これら一連の動作が繰り返される。
【0042】
以上の動作によれば、ユーザがシートヒータ4のスイッチをオンにしておけば、ユーザが車に乗り、イグニッションスイッチをオンにし、シートベルトを着用することで、自動的にシートヒータ4の電源がオンになる。このため、シートヒータを使用する際の利便性が向上する。一方、シートヒータ4のスイッチをオンにしていても、ユーザが車に乗っていない限りはシートヒータ4の電源がオンにならないので、発火事故などの危険性が低減され、安全性が向上する。また、イグニッションスイッチがオンになっていない限りは電源がオンにならないので、バッテリーがあがってしまうことを防ぐことができる。例えば、シートヒータ4のスイッチをオフにし忘れて車から降り、車を放置している間にもバッテリーから電源が供給され続け、バッテリーがあがってしまう事態を防ぐことができる。
【0043】
さらに、シートヒータ4が自動車の複数の座席に設置されており、それぞれのシートヒータ4に制御部20が設置されている場合には、人が座っている座席のシートヒータ4の電源のみが自動的にオンになる。具体的には、まず、全ての座席のシートヒータ4のスイッチをオン状態にしておく。この状態で、ユーザがイグニッションスイッチをオンにする。そして、ユーザ及びその他の人がシートベルトを締めると、シートベルトが締められた座席のシートヒータ4の電源のみがオンになり、人が座っていない座席のシートヒータ4の電源はオンにならない。従って、ユーザが何も操作をしなくとも、人が座っている座席のシートヒータ4のみが発熱し、人が座っていない座席のシートヒータ4は発熱しない。このため、効率的で省電力のシートヒータ4を提供することができる。なお、前提として、自動車のシートベルト着用センサがそれぞれの座席に備えられている必要がある。
【0044】
なお、上記動作は一例であり、いずれかのステップを除外しても良い。例えば、シートベルト着用センサと連動させない場合にはステップS2を除くことが可能である。また例えば、温度センサ24を搭載しないシートヒータ4の場合には、ステップS4を除くことが可能である。
【0045】
以上説明したように、第1実施形態においては、最小限の面状発熱体を使用しかつ電極の間隔を広くすることで省電力を実現し、同時にユーザに快適な暖かさを提供するシートヒータ及びシートヒータ付き座席を提供する。このようなシートヒータ及びシートヒータ付き座席は、自動車用に用いるのに特に適している。
【第2実施形態】
【0046】
本発明の第2実施形態に係るシートヒータ及びシートヒータ付き座席について、図6〜図9を用いて説明する。第2実施形態は、座部及び背部それぞれに2つの隆起部を有する車の座席に適したシートヒータを提供する。また、帯状の面状発熱体を使用することで、シートヒータの製造効率が優れたシートヒータを提供する。
【0047】
図6は、第2実施形態に係るシートヒータ付き座席31を示す概略構成図である。シートヒータ付き座席31は、座部32及び背部33を含む。また、本実施形態では、座部32及び背部33は、それぞれ、隆起部を2つ有している。すなわち、座部32は隆起部32a及び32bを、背部33は隆起部33a及び33bを有している。そして、座部32にシートヒータ34aが、背部33にはシートヒータ34bが設置されている。シートヒータ34a及び34bは、それぞれ、座部32及び背部33の表面のシートカバーの下側に埋め込まれている。よって、シートヒータ34a及び34bは、座部32及び背部33の表面からは見えない。さらに、シートヒータ34a及び34bは、隆起部32a、32b、33a及び33bの隆起形状に沿って設置されている。また、本実施形態のシートヒータ付き座席31は、車載用のものである。
【0048】
図7は、座部用のシートヒータ34aの構成を示す平面図である。シートヒータ34aは、下地シート35と、下地シート35上に配置された複数の面状発熱体36a〜36lを有する(なお、いずれの面状発熱体であるかを区別しない場合には、単に面状発熱体36と称する)。複数の面状発熱体36は、第1面状発熱体群36−1及び第2面状発熱体群36−2という2つのグループに分けられる。下地シート35の、2つの面状発熱体群の間の位置に、孔部39が形成されている。また、複数の面状発熱体36上には、複数の面状電極37が所定の間隔で配置されている。複数の面状電極37同士は、配線38によって接続されている。配線38は、各面状電極37を接続し、下地シート35の外部まで伸びている。配線38は、図示しない電源と電気的に接続される。なお、図面の下方向が、座部32の前方、すなわちユーザの足が位置する方向である。反対に、図面の上方向が、座部32の後方、すなわちユーザの背中が位置する方向である。また、本実施形態においても、第1実施形態と同様の制御部20、温度センサ24等を有していても良い。
【0049】
下地シート35は、第1実施形態における下地シート5と同様の素材からできている。第2実施形態において、下地シート35は、シートヒータ付き座席31の凹凸形状に適した形状を有している。すなわち、下地シート35は略長方形状であり、その長辺方向の略中央部に、細長の孔部39を有している。この孔部39は、座部32の2つの隆起部32a及び32bの間の凹部に位置することになる。そして、孔部39は係止部材によってその凹部に固定される。これにより、下地シート35は隆起部32a及び32bの形状に適合した形状で固定されることができる。
【0050】
複数の面状発熱体36a〜36lは、第1実施形態の面状発熱体6と同様の素材からできている。また、各々の面状発熱体36の形状及び大きさも第1実施形態の面状発熱体6と同様である。特に、面状発熱体36の大きさは、長辺が9cm以下、かつ短辺が5cm以下とするのが好ましい。従って、第1実施形態と同様に、比較的小さい面状発熱体を複数用いることで、座席上の必要な場所のみを、無駄なく暖めることができる。言い換えれば、暖める必要がない場所には、面状発熱体を配置しないで済むので、省電力にもつながる。
【0051】
また、本実施形態において、全ての面状発熱体36の面積の合計は、255.42cmである(7×3.3×12−(3.3×3.3÷2×4)=255.42。引き算部分は折りたたみ部。)。通常の自動車において、一般的に座席の大きさは、少なくとも幅38cm、奥行き40cm程度はある。これは、面積にすると1,520cmである。従って、本実施例において面状発熱体が座部32に対して占める面積の割合は、約16.8%であり、20%以下である。このことからも、本実施形態においても、必要な場所のみを暖めることで、省電力を達成していることが分かる。
【0052】
本実施形態において、第1面状発熱体群36−1に属する面状発熱体36a〜36fは、帯状のものである。すなわち、面状発熱体36a〜36fは、一体に切れ目なく連続的に形成されている。第2面状発熱体群36−2に属する面状発熱体36g〜36lも、同様に帯状のものである。帯状の面状発熱体36を2回折り曲げることによって、第1面状発熱体群36−1及び第2面状発熱体群36−2のようなU字状の形状が形成されている。
【0053】
そして、U字状に形成された面状発熱体群は、それぞれ、シートヒータ付き座席31の座部32の隆起部32a及び32bの頂上近傍に配置されており、一方隆起部32a及び32bの間の凹部付近には配置されていない。隆起していない部分にはユーザの体は接触しないので、ユーザの体が接触する部分付近のみを効率的に暖めることができる。
【0054】
複数の面状電極37は、各々の面状発熱体36の2つの短辺に沿って配置されている。すなわち、全ての面状発熱体36は、互いに接触する短辺において隣接する面状発熱体36と共通の面状電極37を用いている。互いに隣接する面状発熱体同士は一体に形成されているので、面状電極37との接触面積を十分に確保することができると共に、ユーザの重みによって破損する危険性が減る。面状電極37同士の間隔及び面状電極37の長さについては、第1実施形態の面状電極7と同様である。すなわち、第1実施形態において説明した理由により、面状電極37同士の間隔(すなわち、面状発熱体36の長辺の長さ)は6cm以上9cm以下、面状電極37の長さ(すなわち、面状発熱体36の短辺の長さ)は3cm以上5cm以下であることが好適である。
【0055】
本実施形態においては、配線38が複数の面状電極37同士を電気的に接続している。本実施形態においては、配線38としては、並列編み線を用いる。並列編み線とは、図9A及び図9Bに示すように、複数の導体素線が平面状に編まれた配線である。具体的には、図9Bに示すように、素線90は、導体90aと、導体90aを被覆する絶縁被膜90bから構成される。そして、2本の素線90が1セットになっている。そして、このセットが7セットあり、これらが平面状に編まれている。
【0056】
ここで、並列編み線は、リード線及び銅箔と比較して、次のような利点がある。まず、リード線は厚みがあるため、ユーザが座席に座った際にリード線の存在に気付いてしまい、ユーザの座り心地が悪くなる。また伸縮性も悪い。次に、銅箔は薄いのでユーザは銅箔の存在には気付かない。しかしながら、ユーザが座席の銅箔上に座った際に雑音(パリパリ音)が生じてしまい、ユーザに不快感を与えてしまう場合がある。また、伸縮性も悪く、コストも高い。この点、並列編み線はリード線よりもはるかに薄いので、ユーザが座席に座った際に存在に気付かない。また、銅箔のような雑音も生じず、伸縮性にも優れている。コストも銅箔よりも高くない。以上より、並列編み線は、配線38として用いるのに最も好適である。
【0057】
配線38は、複数の面状電極37同士を接続した上で、下地シート35の外側まで伸びており、第1実施形態と同様の制御部や電源(例えば自動車用バッテリー)等と接続される。さらに、温度センサが面状発熱体36に隣接して配置されていてもよい。これらの構成は第1実施形態で説明されたものと同じであるので、図示は省略する。
【0058】
以上のように、帯状の連続的な面状発熱体36上に、一定間隔で面状電極37が配置されている。このことは、シートヒータ34aの製造時にメリットがある。すなわち、製造時においては、まず帯状の面状発熱体36に一定間隔で複数の面状電極37を配置する。そして、一定個数の面状発熱体36(例えば6個)ごとに切断する。切断された面状発熱体群に対して、配線38を接続する。そして、面状発熱体群を折り曲げ、最後に下地シート35上に接着する。このような製造工程は、予め複数の面状発熱体の小片を作製してから所定形状に配置しなければならない場合と比較して、製造が容易である。
【0059】
図8は、背部用のシートヒータ34bの構成を示す平面図である。シートヒータ34bは、下地シート45と、下地シート45上に配置された複数の面状発熱体46a〜46lを有する(なお、いずれの面状発熱体であるかを区別しない場合には、単に面状発熱体46と称する)。複数の面状発熱体46は、第1面状発熱体群46−1及び第2面状発熱体群46−2という2つのグループに分けられる。下地シート45の、2つの面状発熱体群の間の位置に、孔部49a及び49bが形成されている。また、複数の面状発熱体46上には、複数の面状電極47が所定の間隔で配置されている。複数の面状電極47同士は、配線48によって接続されている。配線48は、各面状電極47を接続し、下地シート45の外部まで伸びている。配線48は、図示しない電源と電気的に接続される。なお、図面の下方向が、背部33の下方、すなわちユーザの腰が位置する方向である。反対に、図面の上方向が、背部33の上方、すなわちユーザの頭が位置する方向である。また、本実施形態においても、第1実施形態と同様の制御部20、温度センサ24等を有していても良い。
【0060】
下地シート45は、第1実施形態における下地シート5と同様の素材からできている。第2実施形態において、下地シート45は、シートヒータ付き座席31の凹凸形状に適した形状を有している。すなわち、下地シート45は略長方形状であり、その長辺方向のやや上方よりに、細長の孔部49a及び49bを有している。この孔部49a及び49bは、背部33の2つの隆起部33a及び33bの間の凹部に位置することになる。そして、孔部49a及び49bは係止部材によってその凹部に固定される。これにより、下地シート45は隆起部33a及び33bの形状に適合した形状で固定されることができる。
【0061】
複数の面状発熱体46a〜46oは、第1実施形態の面状発熱体6と同様の素材からできている。また、各々の面状発熱体46の形状及び大きさも第1実施形態の面状発熱体6と同様である。
【0062】
本実施形態において、第1面状発熱体群46−1に属する面状発熱体36a〜36cは、帯状のものである。すなわち、面状発熱体46a〜46cは、一体に切れ目なく連続的に形成されている。第2面状発熱体群46−2に属する面状発熱体46d〜46oも、同様に帯状のものである。帯状の面状発熱体46を2回折り曲げることによって、第1面状発熱体群46−1は図示されるようなU字状の形状を有しており、第2面状発熱体群46−2は図示されるようなS字状の形状を有している。
【0063】
そして、U字状及びS字状に形成された面状発熱体群は、それぞれ、シートヒータ付き座席31の背部33の隆起部33b及び33a頂上近傍に配置されており、一方隆起部33b及び33aの間の凹部付近には配置されていない。隆起していない部分にはユーザの体は接触しないので、ユーザの体が接触する部分付近のみを効率的に暖めることができる。
【0064】
面状電極47及び配線48の構成については、図7において説明した座部用のシートヒータ34aのものと同じであるので、説明を省略する。
【0065】
以上のように、背部用のシートヒータ34bにおいても、帯状の連続的な面状発熱体46上に、一定間隔で面状電極47が配置されている。このことは、シートヒータ34bの製造時にメリットがある。すなわち、製造時においては、まず帯状の面状発熱体46に一定間隔で複数の面状電極47を配置する。そして、一定個数の面状発熱体46(例えば12個と3個)ごとに切断する。切断された面状発熱体群に対して、配線48を接続する。そして、面状発熱体群を折り曲げ、最後に下地シート45上に接着する。このような製造工程は、予め複数の面状発熱体の小片を作製してから所定形状に配置しなければならない場合と比較して、製造が容易である。
【0066】
このように、第2実施形態においては、シートヒータの製造効率を向上させた上で、ユーザの体の接触部位を効率的に温めることが可能な係るシートヒータ及びシートヒータ付き座席を提供する。このようなシートヒータ及びシートヒータ付き座席は、自動車用に用いるのに特に適している。
【第3実施形態】
【0067】
本発明の第3の実施形態に係る面状発熱体を利用した温風発生装置について、その製造方法と共に、図10A〜図11Bを用いて説明する。
【0068】
図10Aにおいて、アルミニウム製のパイプ302に絶縁処理をし、面状発熱体304をパイプ302に巻きつける。
【0069】
図10Bにおいて、裸電線306を2本準備し、それらを一定間隔で面状発熱体304上に巻き付ける。なお、この間隔が狭いほど温度は上がる。裸電線306を巻き付けた後、裸電線部分上を絶縁シート(スミチューブなど)で被覆する。この裸電線は、面状発熱体304に電圧を印加し、発熱させるためのものである。
【0070】
このようにして完成した温風発生装置300は、図10Cに示すように、パイプの中を風が通過することで風が暖まり、温風となって吹き出す。温風発生装置300は、車のダクト(吹き出し部)などに装着して利用することができる。
【0071】
また、図10Dに示すように、面状発熱体304をパイプ302の上部は露出するように被覆し、パイプ302の上部に複数の穴308を開け、パイプ302の一方の端部に蓋をする。(なお、右図は断面図である。)このような温風発生装置301によれば、パイプ302の他方の端部から風を導入すると、穴308から温風が吹き出す。温風発生装置301は、車のフロントガラス用のダクトに利用することが可能であり、フロントガラスの結露・凍結防止、及び車内上部の暖房として効果的である。またこの場合、温風は、フロントガラスの下方ではなく、目線部分に対して当たるようにするのが好適である。現行の自動車(ガソリン車)は、温風がフロントガラスの下方に当たるものが多いが、省電力を考慮した場合、結露を取る必要性が最も高い目線部分から温風を当てることが効率的だからである。
【0072】
(変形例)
次に、本発明の第3の実施形態に係る面状発熱体を利用した温風発生装置の変形例を図11A及び11Bを用いて説明する。図11Aは正面図であり、図11Bは右側面図である。
【0073】
図11Aにおいて、面状発熱体314が、20mm間隔で連続的に配置されている。合計17枚配置されている。外側の筐体は銅板316である。図11Bにおいて、318はビスを示す。
【0074】
このような温風発生装置310において、直流12V電源を用いて温風を発生させたところ、電流値は約4.59Aであり、温風の温度は115℃(室温24℃)であった。温風発生装置として十分な高温を得ることができた。
【第4実施形態】
【0075】
本発明の第4実施形態に係る面状発熱体を利用した足下用ヒータについて、図12を用いて説明する。
【0076】
図12は、本発明の第4実施形態に係る足下用ヒータ400の概略図である。足下用ヒータ400において、板状部材401の周りに面状発熱体404が巻き付けられている。具体的には、板状部材401の上面及び4つの側面上に、面状発熱体404が巻き付けられている。面状発熱体404の周りには、2本の裸電線406が一定間隔で面状発熱体404上に巻き付けられている。なお、板状部材401として蓄熱する材料の板を用いれば、ヒータの電源を切った後も熱が持続するので好適である。
【0077】
このような足下用ヒータ400は、自動車のフロアの足が置かれる部分に配置することが好適である。これにより、ユーザの足下のみを局所的に暖めることができる。
【符号の説明】
【0078】
1、31 シートヒータ付き座席
2、32 座部
3、33 背部
32a、32b、33a、33b 隆起部
4、34a、34b、104 シートヒータ
5、35、45、105 下地シート
6、36、46、106 面状発熱体
36−1、46−1 第1面状発熱体群
36−2、46−2 第2面状発熱体群
39、49 孔部
7、37、47 面状電極
8、38、48 配線
9 リベット
10 両面テープ
11 銀蝋
12 カプトンシール
90 素線
20 制御部
22 電源
24 温度センサ
300、310 温風発生装置
302 パイプ
304、314 面状発熱体
306 裸電線
316 銅板
318 ビス
400 足下用ヒータ
401 板状部材
404 面状発熱体
406 裸電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地シートと、
前記下地シート上に配置された、長辺が9cm以下かつ短辺が5cm以下の長方形からなる複数の面状発熱体と、
各々の前記面状発熱体に接続された2つの面状電極と
を有し、
各々の前記面状電極が、各々の前記面状発熱体上に、実質的に前記面状発熱体の2つの短辺の全体に沿って配置されている、シートヒータ。
【請求項2】
複数の導体素線が平面状に編まれている並列編み線によって、複数の前記面状発熱体の前記面状電極同士が接続されている、請求項1に記載のシートヒータ。
【請求項3】
前記面状発熱体は、長辺が6cm以上かつ短辺が3cm以上である、請求項1に記載のシートヒータ。
【請求項4】
前記面状発熱体と前記面状電極との間に銀蝋が形成されており、前記面状発熱体、前記銀蝋及び前記面状電極は、リベットによって固定されている、請求項1に記載のシートヒータ。
【請求項5】
短辺において互いに隣接する前記面状発熱体同士は、一体に形成されている、請求項1に記載のシートヒータ。
【請求項6】
前記複数の面状発熱体の表面積の合計は、前記シートヒータが設置される座席の座部の表面積の20%以下である、請求項1に記載のシートヒータ。
【請求項7】
各々の前記面状発熱体の電流値は110mA以下である、請求項1に記載のシートヒータ。
【請求項8】
前記面状電極は銅箔からなる、請求項1に記載のシートヒータ。
【請求項9】
座部及び背部の少なくとも一方が複数の隆起部を有する座席と、
下地シートと、
前記下地シート上に配置された、長辺が9cm以下かつ短辺が5cm以下の長方形からなる複数の面状発熱体と、
前記面状発熱体上に、実質的に前記面状発熱体の2つの短辺の全体に沿って配置されている面状電極と、を有するシートヒータと
を含み、
前記シートヒータが、前記座部又は背部のうち少なくとも一方に、前記隆起部の隆起形状に沿って設けられ、
前記面状発熱体が前記隆起部の頂上近傍に配置されている、
シートヒータ付き座席。
【請求項10】
複数の導体素線が平面状に編まれている並列編み線によって、複数の前記面状発熱体の前記面状電極同士が接続されている、請求項9に記載のシートヒータ付き座席。
【請求項11】
前記面状発熱体は、長辺が6cm以上かつ短辺が3cm以上である、請求項9に記載のシートヒータ。
【請求項12】
前記座部に設けられた前記シートヒータが、
前記短辺において互いに隣接する複数の前記面状発熱体のセットを含み、前記セットのうち少なくとも2つの前記面状発熱体の長辺が前記座席の左右方向に沿うように配置されている、請求項9に記載のシートヒータ付き座席。
【請求項13】
前記面状発熱体の前記セットはU字形状部分を含む、請求項12に記載のシートヒータ付き座席。
【請求項14】
前記座部に設けられた前記シートヒータが、
前記短辺において互いに隣接する複数の面状発熱体の前記セットを2つ含む、請求項12に記載のシートヒータ付き座席。
【請求項15】
前記背部に設けられた前記シートヒータが、
前記短辺において互いに隣接する複数の前記面状発熱体のセットを含み、前記セットのうち少なくとも2つの面状発熱体の長辺が前記背部の上下方向に沿うように配置されている、請求項9に記載のシートヒータ付き座席。
【請求項16】
前記面状発熱体のセットはU字形状部分を含む、請求項15に記載のシートヒータ付き座席。
【請求項17】
前記複数の面状発熱体の表面積の合計は、前記シートヒータが設置される座席の座部の表面積の20%以下である、請求項9に記載のシートヒータ。
【請求項18】
下地シートと、
前記下地シート上に配置された帯状の面状発熱体と、
前記面状発熱体上に、実質的に幅方向の全体に亘り、かつ一定間隔で配置された面状電極とを有し、
前記面状発熱体が複数回折りたたまれている、シートヒータ。
【請求項19】
前記面状電極によって区画された前記面状発熱体の部分は、それぞれ長辺が6cm以上9cm以下かつ短辺が3cm以上5cm以下である、請求項18に記載のシートヒータ。
【請求項20】
前記面状電極によって区画された前記面状発熱体の部分は、それぞれ消費電力が110mA以下である、請求項18に記載のシートヒータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図4−C】
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【図4−D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−A】
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【図9−B】
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【図10−A】
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【図10−B】
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【図10−C】
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【図10−D】
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【図11−A】
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【図11−B】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−59705(P2012−59705A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196107(P2011−196107)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(598146850)後藤電子 株式会社 (24)
【Fターム(参考)】