説明

面間測定器

【課題】相対する2面の面間距離を測定するにあたり、面間測定器の倒れを防止することを課題とする。
【解決手段】スピンドル30と、前記スピンドル30を直線移動可能に支持するホルダ20と、前記スピンドル30の先端に取り付けられた可動側測定子80と、前記ホルダ20に取り付けられた固定側測定子60とを備え、前記両測定子60、80を相対する2面に垂直に当てて前記2面の面間距離を計測する面間測定器10であって、前記可動側測定子80は、相対する2面の一方側の面に当接可能である一方、前記固定側測定子60は、前記可動側測定子80の両側に位置して一対の接触部73、75を有し、相対する2面の他方側の面に前記一対の接触部73、75により2箇所で当接可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対する2面の面間距離を測定する面間測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
相対する2面の面間距離を計測する計測器の一例に、下記特許文献1に開示されるようなノギスがある。ノギスは周知のように、内側ジョー(くちばしとも言う)を測定対象となる2面間に差し込んだ後、垂直に当てて面間距離を測定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−185905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、測定対象の周囲に干渉物があるなど使用状況によっては、ノギスの内側ジョーを2面間に差し込んで垂直に当てる作業を窮屈な姿勢でやらざるを得ないから、ノギスに倒れが生じて、面間距離を正確に測定することが難しい場合があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、相対する2面の面間距離を正確に測定することが可能な面間測定器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、スピンドルと、前記スピンドルを直線移動可能に支持するホルダと、前記スピンドルの先端に取り付けられた可動側測定子と、前記ホルダに取り付けられた固定側測定子とを備え、前記両測定子を相対する2面に垂直に当てて前記2面の面間距離を計測する面間測定器であって、前記可動側測定子は、相対する2面の一方側の面に当接可能である一方、前記固定側測定子は、前記可動側測定子の両側に位置する一対の接触部を有し、相対する2面の他方側の面に前記一対の接触部により2箇所で当接可能であるところに特徴を有する。
【0006】
本発明の面間測定器は、相対する2面間に両測定子を差し込んでセットしたときに、相対する2面に対して両測定子が3箇所で当接する。従って、セット後、面間測定器が倒れ難くなる。以上のことから、相対する2面の面間距離を正確に測定することが可能となる。
【0007】
この発明の実施態様として、以下の構成とすることが好ましい。
・前記固定側測定子は、前記スピンドルを挿通させる挿通孔と、この挿通孔に連続して形成され前記可動側測定子を一定のクリアランスをもって嵌合させる逃がし溝と、前記逃がし溝の両側に位置して形成された前記一対の接触部と、を備えてなる。このような構成としておけば、可動側測定子の周囲を、固定側測定子が囲む構成となるので、可動側測定子を含む可動側の機構に故障が起き難くなる。
【0008】
・前記接触部のうち、前記他方側の面に相対する相対面を平面加工しておく。このようにしておけば、接触部が他方側の面に面当りするので、座りが安定し、面間測定器が一層倒れ難くなる。
【0009】
・前記スピンドルを前記ホルダに引き込む方向に付勢する付勢手段を備える。このような構成としておけば、付勢力が可動側測定子を測定対象の面に押し付けるように働くから、面間測定器が一層倒れ難くなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、面間測定器が倒れ難くなり、相対する2面の面間距離を正確に計測できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1における面間測定器の斜視図
【図2】面間測定器の斜視図(一部を切り欠いた図)
【図3】面間測定器の正面図
【図4】面間測定器の断面図(スピンドルの下側停止位置を示す)
【図5】面間測定器の断面図(スピンドルの上側停止位置を示す)
【図6】面間測定器の下面図
【図7】面間測定器の背面図
【図8】配管の接続構造を示す図
【図9】フランジ間に、面間測定器の測定子を差し込んだ状態を示す図
【図10】同じく、フランジ間に、面間測定器の測定子を差し込んだ状態を示す図
【図11】図9のA部を拡大した図
【図12】面間測定器のセット完了状態(両測定子が各フランジに垂直に当接した状態)を示す図
【図13】フランジに対する両測定子の当り方を示す図
【図14】実施形態2に適用された面間測定器の斜視図(一部を切り欠いて示す)
【図15】フランジに対する両測定子の当り方を示す図
【図16】フランジの下面に突起が当接した状態を示す図
【図17】実施形態3に適用された面間測定器の断面図
【図18】変形例(他の実施形態)を示す図
【図19】変形例(他の実施形態)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図13によって説明する。面間測定器10は、図1に示すように、ホルダ20と、スピンドル30と、計測部40と、コイルスプリング50と、固定側測定子60と、可動側測定子80を主体に構成されている。尚、以下の説明では、前後方向を図2の向きに定めて説明を行うものとする。
【0013】
ホルダ20は金属製であって、概ね箱型をしている。このホルダ20には、一方向に長い棒状のスピンドル30が取り付けられている。図2に示すように、スピンドル30はホルダ20の上下両面壁に形成された軸受け部21、23を貫通しており、軸方向(図1の上下方向)に滑らかに直線往復移動(摺動)するようになっている。
【0014】
スピンドル30の上端部には、スピンドル30の径より大径の鍔部31が設けられると共に、鍔部31の下方に位置してコイルスプリング50が取り付けられている。このコイルスプリング50は、スピンドル30を引き込み(図1の上方向)に付勢するようになっている。尚、引き込み方向とは、スピンドル30の先端(下端部)をホルダ20内に引き込む方向という意味である。
【0015】
また、図1、図2には、省略してあるが、スピンドル30の上端部には、図7にて示すようにキャップ33が被されるようになっており、スピンドルカバー34と共にコイルスプリング50を取り囲んで、露出させない構成となっている。
【0016】
上記スピンドル30の外周部には、図2に示すように、ホルダ20内に位置して、検出ヘッド35が固定されている。一方、ホルダ20内には、スピンドル30の軸線Lと平行にスケールベース25が取り付けられている。これら検出ヘッド35とスケールベース25は計測部40を構成しており、スピンドル30の移動量を計測する機能を担っている。
【0017】
また、スピンドル30の外周部には、図4、図5に示すように、ホルダ20内に位置して、下部ストッパ36と、上部ストッパ37が取り付けられている。これら両ストッパ36、37は、スピンドル30のストローク規制を行うものである。すなわち、スピンドル30を突出方向(図4中の下方向)に変位させると、図4に示す下側停止位置にて、下部ストッパ36がホルダ20の下面壁に当接して、スピンドル30の突出方向への移動が規制されるようになっている。一方、スピンドル30を引き込み方向(図5中の上方向)に変位させると、図5に示す上側停止位置にて、上部ストッパ37がホルダ20の上面壁に当接することで、スピンドルの引き込み方向への移動が規制される構成となっている。
【0018】
次に、固定側測定子60について説明する。固定側測定子60は金属鋼材を削り出して形成したものであり、全体としては、スピンドル30の軸方向に長い直方体形状をしている。
【0019】
固定側測定子60には接触部73、75が左右一対設けられている。両接触部73、75は、断面正方形の柱状をしており、固定側測定子60の前面下部から、前方に向かって水平かつ平行に延びている。これら左右一対の接触部73、75の下面73A、75Aを含む固定側測定子60の下面63は、平面加工してあり、全体が平らな平滑面となっている。
【0020】
尚、固定側測定子60の下面(接触部73、75の下面73A、75Aを含む)63は、上述したスピンドル30の軸線Lに対して直交する関係となっている。また、接触部73、75の下面73A、75Aが、本発明の「相対面」に相当している。
【0021】
また、固定側測定子60の前面壁61も平らな平滑面となっている。前面壁61は垂直に切り立っており、下面63に直交する設定となっている。このような設定にしているのは、前面壁61を、測定対象に対する当て面(位置決め面)として使用するからである。
【0022】
上記固定側測定子60には、図2に示すように挿通孔67とそれに連続して逃がし溝65が形成されている。挿通孔67は固定側測定子60の上面壁を貫通しており、内部にスピンドル30が一定のクリアランスをもって挿通される構成となっている。そして、挿通孔67の上部には、ホルダ20に形成された軸受け部23が隙間なく嵌合する構成となっている。本実施形態では、ホルダ20の軸受け部23、固定側測定子60の双方に螺子孔が形成してあり、図1に示すように螺子93にて螺子締めすることで、固定側測定子60がホルダ20に固定される構成となっている。
【0023】
逃がし溝65は、図1に示すように固定側測定子60の中央下寄りの位置から下向きに延びており、固定側測定子60の下面63を切り抜けている。係る逃がし溝65は、溝の全高に亘って一定の溝幅dとなっており(図6参照)、次に説明する可動側測定子80が一定のクリアランスをもって嵌合する構成となっている。尚、この逃がし溝65と両接触部73、75の位置関係は、図1に示す通りであり、両接触部73、75の丁度中間に、逃がし溝65が形成されている。
【0024】
可動側測定子80は金属鋼材を削り出して形成したものであり、水平方向に延設される横長なブロック形状をしている。この可動側測定子80の上面81は、全体が平坦な平滑面となっている。また、可動側測定子80の下面側には段差が付けてあり、基端部83は厚肉になっている。
【0025】
係る可動側測定子80は、図2に示すように逃がし溝65に、一定のクリアランスをもって嵌合可能な大きさとなっており、先端を前方に向けた状態で、スピンドル30の下端部に螺子87によって固定されている。尚、螺子止めした状態では、図1、図2に示すように、可動側測定子80の先端部は、固定側測定子60の前面壁61から前方に突出して、2つの接触部73、75間に丁度収まるようになっている。
【0026】
そして、スピンドル30を上下させると、これと一体的に可動側測定子80が上下移動する。これにより、図5に示すように、可動側測定子80の上面81と固定側測定子60の下面(接触部73、75の下面73A、75A)63との間の距離Hが変化し、その変化量が計測部40にて検出される。
【0027】
以上のことから、可動側測定子80の先端部と、固定側測定子60の接触部73、75を、測定対象の2面間に差し込んだ後、それらを2面に垂直に当ててやることで、2面の面間距離を計測することができる(図12参照)。そして、図7に示すように、ホルダ20の裏面にはデジタル式の表示部90が設けられており、そこに計測結果が表示される構成となっている。
【0028】
次に、上記面間測定器10を用いた計測例を、図8から図12を参照して説明する。図8に示す符号100はガスタービン(図略)の燃焼室に固定された燃焼室側配管、図8に示す符号110は燃料を供給するための燃料配管(フレキシブル配管)である。これら両燃料配管100、110はいわゆるフランジ継ぎ手により接続されており、両配管100、110を通って燃料が燃焼室に供給される構成となっている。
【0029】
周知のように、フランジ継ぎ手は、相対する一対のフランジ105、115間にガスケット120を介挿した状態で、両フランジ105、115をボルト締めして配管接続するものである。そして、ガスケット120は両フランジ105、115によって両側から押し潰された状態で使用されて気密性を保つから、ガスケット120の交換作業を行ったときには、フランジ間距離(本発明の「面間距離」の一例)Dを計測して、ガスケット120が予定通りの寸法になっているかどうか確認する必要があり、この確認作業を面間測定器10にて行うこととしている。
【0030】
さて、図8に示すフランジ間距離Dを測定するには、まず、スピンドル30の上端を下方に押して、可動側測定子80をいくらか下げておく(図1参照)。そして、可動側測定子80を下げた状態に保ちながら(スピンドル30の上端を押しながら)、面間測定器10をフランジ105、115に近づけて行き、図9、図10に示すように、可動側測定子80の先端部と固定側測定子60の両接触部73、75をフランジ105、115間の隙間に差し込む。
【0031】
その後、面間測定器10の全体をいくらか下げて、固定側測定子60の下面63をフランジ115の上面115Aに押し当ててやれば、フランジ115の上面115Aに対して固定側測定子60の両接触部73、75がそれぞれ面当りして、面間測定器10はフランジ115の上面115Aに対してスピンドル30の軸線Lが直交する直交姿勢となる。尚、面間測定器10が直交姿勢になるのは、固定側測定子60の下面63がスピンドル30の軸線Lに対して直交する関係にあるからである。
【0032】
あとは、スピンドル30を押さえた手を離してやれば、コイルスプリング50の作用により、スピンドル30がホルダ20側に引き込まれる。これにより、可動側測定子80はフランジ105に接近してゆき、やがてフランジ105の下面105Aに可動側測定子80の上面81が面当りする。
【0033】
これにて、固定側測定子60の両接触部73、75がフランジ115の上面115Aに垂直に当り、可動側測定子80がフランジ105の下面105Aに垂直に当たった状態となり、フランジ間に対する測定子60、80のセット作業が完了する。
【0034】
従って、あとは、表示部90に表示された計測値、すなわち面間距離Dを読み取ればよく、これにて、面間距離Dの計測は完了する。そして、計測が完了したら、スピンドル30の上端を押して、可動側測定子80を下げてやれば、フランジ間から面間測定器10の両測定子60、80を簡単に外すことが出来る。
【0035】
次に、面間測定器10の効果説明を行う。本面間測定器10では、フランジ間に両測定子60、80をセットしたときに、両フランジ105、115に対して両測定子60、80が3箇所で当接する。図13を参照して具体的に説明すると、下側のフランジ115の上面115Aに対して固定側測定子60の2つの接触部73、75が当り、上側のフランジ105の下面105Aに対して可動側測定子80が当たる。
【0036】
そして、可動側測定子80は、固定側測定子60の両接触部73、75の間にあるため、フランジ105、115に対する各当接箇所の中心同士を結ぶと、図13に示すような三角形状になる。このように、当接箇所を結ぶラインが3角形状をしていれば、面間測定器10が横方向(図13の左右方向)に傾こうとしても、3つの当接箇所が突っ張るから、面間測定器10が横方向に倒れることはない。
【0037】
また、図12に示すように、固定側測定子60の両接触部73、75、可動側測定子80は、いずれもフランジ105、115の各面に対して、前後方向(差し込み方向)において、一定長Fに亘って接触する構成となっているので、面間測定器10が前後方向に倒れることもない。従って、フランジ間に測定子60、80を一度セットすれば、面間測定器10は前後方向、横方向のいずれの方向へも倒れることがなく、スピンドル30の軸線Lがフランジ面に直交する直交姿勢を維持する。従って、面間距離Dを高精度に計測することが可能となる。
【0038】
また、固定側測定子60の両接触部73、75の下面73A、75Aは平滑面となっていて、フランジ115の上面115Aに面接触する構成となっている。そのため、座りがよく、この点も、面間測定器10の倒れを規制する上で効果的である。
【0039】
また、本実施形態では、コイルスプリング50によって、スピンドル30を引き込み方向に付勢する構成となっている。そのため、可動側測定子80には、これをフランジ105の下面105Aに押し当てる力が常に働いた状態となる。このような設定にしておけば、例えば、フランジ間に測定子60、80を一度セットしてやれば、その後、面間測定器10から手を離しても、面間測定器10は、セットされた状態を維持する。従って、表示部90に表示された計測値を読み取る間中、面間測定器10を手で押さえておく必要がなく使い勝っ手がよい。また、この付勢力は、面間測定器10の倒れを防止するようにも作用するので、この点も効果的である。
【0040】
また、本実施形態では、固定側測定子60の前面壁61は測定対象に対する当て面となっており、図10、図12に示すように、前面壁61をフランジ105の周壁に当てることで、フランジ105、115に対して面間測定器10を前後方向について位置決めできる。そのようにしておけば、フランジ105、115間に対する両測定子60、80の差し込みが浅くなるといったセット作業ミスがなくなるので、面間距離Dを一層正確に計測することが可能となる。また、このものでは、可動側測定子80の周囲を、固定側測定子60が囲んだ構成となっている。そのため、可動側測定子80を含む可動側の機構に故障が起き難くなる。
【0041】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を説明する。実施形態2の面間測定器200は、可動側測定子80の上面81に半球状の突起130を追加しており、可動側測定子80をフランジ105の下面105Aに対して点当りさせる設定としてある(図14、図15参照)。このようにしておけば、例えば、フランジ105の下面105Aに、面の傾きが多少あったとしても、図16に示すように、フランジ面に対して突起130の頂部が当たる構成となり、フランジ面の傾きの有無により、可動側測定子80の当り方が変わることがない。そのため、常に、同じ点での測定が可能となり、面間距離Dを正確に計測することが可能となる。
【0042】
尚、実施形態2の面間測定器200は、実施形態1の面間測定器10に対して、上記した突起130を追加した点のみ相違しており、他の部品については面間測定器10と同一である。そのため、図中には、実施形態1と同一符号を付し、これら部品の説明は割愛する。
【0043】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を説明する。実施形態3の面間測定器300は、図17に示すように、ホルダ20の軸受け部23と固定側測定子60の挿通孔67の孔壁との間に、転がり軸受け150を設けている。また、この実施形態では、可動側測定子380の基端部383に形成した挿通孔(螺子87を挿通させる挿通孔)にカラー390を内挿させており、螺子87の締め込み力をカラー390で受ける構造となっている。このような構成であれば、固定側測定子60、可動側測定子380に対して、スピンドル30を軸周りに回転させることが可能になり、それを行うことで表示部90の向きを変更できる。
【0044】
尚、実施形態3の面間測定器300は、実施形態1の面間測定器10に対して、転がり軸受け150を追加した点、スピンドル30に対する可動側測定子380の連結構造が相違しており、他の部品については面間測定器10と同一である。そのため、図中には、実施形態1と同一符号を付し、これら部品の説明は割愛する。
【0045】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0046】
(1)実施形態1〜3では、面間測定器10、200、300として、いわゆるデジタル方式(スピンドルの移動量を電気的に検出して計測値をデジタル表示する方式)のものを例示したが、面間測定器をアナログ方式(スピンドルの移動量を、歯車機構などを使用して機械的に検出して、計測値を指針の回転により表示する方式)とすることも無論可能である。尚、歯車機構の一例としては、例えば、特開2003−344004号公報に示すものがある。
【0047】
(2)実施形態1〜3では、固定側測定子60に設けた接触部73、75の下面73A、75Aをいずれも平面にして、フランジ115の上面115Aに対して2つの接触部73、75を面当りさせる例を示した。接触部73、75は、フランジ115の上面に対して2箇所で面当たり、又は2箇所で線当たりするものであればよく、例えば、図18のG部に示すように、接触部73、75の断面形状を3角形にしておき、フランジ115の上面に対して線当りさせる構成としてもよい。尚、固定側測定子の接触部73、75の断面形状は三角形状の他、円形状にする事も可能である(図19参照)。また、固定側測定子の各接触部73、75に加えて、可動側測定子80についても、断面形状を円形状にすることが可能である。
【0048】
(3)実施形態1〜3では、スピンドル30を引いて使用する例(スピンドル30を引いて可動側測定子80をフランジ面に押し当てる例)を説明したが、スピンドル30を押し出して使用することも可能である。尚、この場合には、接触部73、75の上面、可動側測定子80の下面がそれぞれフランジ面に面当りする構成となる。
【符号の説明】
【0049】
10、200、300…面間測定器
20…ホルダ
30…スピンドル
50…コイルスプリング
60…固定側測定子
65…逃がし溝
67…挿通孔
73…接触部
75…接触部
80、380…可動側測定子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンドルと、
前記スピンドルを直線移動可能に支持するホルダと、
前記スピンドルの先端に取り付けられた可動側測定子と、
前記ホルダに取り付けられた固定側測定子とを備え、前記両測定子を相対する2面に垂直に当てて前記2面の面間距離を計測する面間測定器であって、
前記可動側測定子は、相対する2面の一方側の面に当接可能である一方、
前記固定側測定子は、前記可動側測定子の両側に位置する一対の接触部を有し、相対する2面の他方側の面に前記一対の接触部により2箇所で当接可能であることを特徴とする面間測定器。
【請求項2】
前記固定側測定子は、前記スピンドルを挿通させる挿通孔と、この挿通孔に連続して形成され前記可動側測定子を一定のクリアランスをもって嵌合させる逃がし溝と、前記逃がし溝の両側に位置して形成された前記一対の接触部と、を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の面間測定器。
【請求項3】
前記接触部のうち、前記他方側の面に相対する相対面は平面であり、前記他方側の面に対して面当りする構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の面間測定器。
【請求項4】
前記スピンドルを前記ホルダに引き込む方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の面間測定器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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