説明

音声処理装置

【課題】
インターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置において、回路規模を増大させずに、伝送された音声信号を再生するための種々のオーディオクロック信号を、短いロック時間で生成できるようにする。
【解決手段】
音声情報検出部110によって、HDMI規格におけるASPと呼ばれるパケットから音声信号の周波数情報が抽出され、音声情報として分周器120に出力される。分周器120により前記音声情報に基づいて分数比が決定され、アナログPLL回路130が出力するPLLクロック信号が前記分周比で分周されて、比較クロック信号として出力される。アナログPLL回路130では、前記比較クロック信号と基準クロック信号とが同期するようにフィードバック制御が行われ、前記基準クロック信号が逓倍または分周されたオーディオクロック信号が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDプレイヤー、デジタルテレビ、AVアンプ等に用いられるIEEE1394、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格等のデジタルインターフェースで伝送された音声データの再生に用いられる音声処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばIEEE1394やHDMI規格等のデジタルインターフェースでは、複数種類のサンプリングレートのうちから何れかのレート(周波数)を選択して音声信号を送信することが可能である。
【0003】
前記のようなデジタルインターフェースで伝送された音声データの再生に用いられる音声処理装置では、音声信号を再生する際に、PLL回路(Phase Locked Loop)を用いて、送信された音声信号のサンプリングレートと同じ周波数のオーディオクロック信号を生成する(例えば、特許文献1を参照)ことが多い。
【0004】
前記PLL回路では、オーディオクロック信号が所定の分周比で分周された比較クロック信号と受信側で使用可能な周波数の基準クロック信号とが同期するようにフィードバック制御が行われることによって、前記基準クロック信号が逓倍または分周されたオーディオクロック信号が生成される。
【0005】
前記のようなPLL回路では、例えばノイズシェーバを用いて前記分周比が変更されるように構成され(例えば、特許文献2を参照)、複数種類のサンプリングレートレートに対応できるようになっている。この場合、予め前記分周比を決定しておく必要があるが、例えばHDMI規格のデジタルインターフェースでは、音声データが伝送される際にCRP(Clock Regeneration Packet)というパケットに入っているN、およびCTSという情報を用い、128×FS=(CTS×Pixel Clock)/Nという式からサンプリング周波数FSを求めて、前記分周比を決定することが考えられる。
【特許文献1】特開2004−248123号公報
【特許文献2】特開平11−341306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような式を用いて分周比を決定するのでは、例えば分周比を決定する部分をハードウエアで構成すれば、音声処理装置の回路規模が大きくなりがちである。また、演算時間が必要となるので、音声データのロック時間が増大するという問題を有していた。
【0007】
本発明は、前記の問題に着目してなされたものであり、デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置において、回路規模を増大させずに、伝送された音声信号を再生するための種々のオーディオクロック信号を、短いロック時間で生成できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するため、請求項1の発明は、
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプリング周波数情報を前記音声データから検出するサンプリング周波数情報検出部と、
前記サンプリング周波数情報に応じた分周比を求める一方、入力されたPLLクロック信号を前記分周比で分周した比較クロック信号を出力する比較クロック用分周器と、
入力された基準クロック信号と前記比較クロック信号との位相差に応じた位相の前記PLLクロック信号を出力するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
これにより、オーディオクロック信号を生成するための分周比を容易に、かつ回路規模を増大させずに判別できる。
【0010】
また、請求項2の発明は、
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプリング周波数情報を前記音声データから検出するサンプリング周波数情報検出部と、
前記サンプリング周波数情報に応じた分周比を求める一方、入力されたPLLクロック信号を前記分周比で分周した比較クロック信号を出力する比較クロック用分周器と、
入力された基準クロック信号と前記比較クロック信号との位相差に応じた位相のPLL前クロック信号を出力するデジタルPLL回路と、
前記PLL前クロック信号に基づいて、前記PLLクロック信号の位相を修正して出力するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
これにより、PLL回路のロック時間を削減することが可能になる。
【0012】
また、請求項3の発明は、
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプリング周波数情報を前記音声データから検出するサンプリング周波数情報検出部と、
入力されたPLLクロック信号を分周した比較クロック信号を出力する比較クロック用分周器と、
前記サンプリング周波数情報に応じた分周比を求める一方、求めた分周比を前記比較クロック用分周器に設定する分周比設定部と、
入力された基準クロック信号と前記比較クロック信号との位相差に応じた位相のPLL前クロック信号を出力するデジタルPLL回路と、
前記PLL前クロック信号に基づいて、前記PLLクロック信号の位相を修正するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
これにより、分周比設定部に比較クロック用分周器の分周比を設定させ、例えば音声処理装置の動作をソフトウェアで制御するように構成することも容易になる。
【0014】
また、請求項4の発明は、
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプルレート情報を前記音声データから検出するサンプルレート情報検出部と、
前記音声データが伝送される際に用いられる送信クロック信号の周波数と前記サンプリング周波数との比を示す周波数比情報を前記音声データから検出する周波数比情報検出部と、
入力されたPLLクロック信号を分周した第1の比較クロック信号を出力する第1の比較クロック用分周器と、
前記第1の比較クロック信号を分周して第2の比較クロック信号を出力する第2の比較クロック用分周器と、
入力された基準クロック信号を分周した分周基準クロック信号を出力する基準クロック信号用分周器と、
前記サンプルレート情報に応じ、前記第1の比較クロック用分周器のための分周比を求めて、前記第1の比較クロック用分周器に設定する一方、前記周波数比情報に応じ、前記第2の比較クロック用分周器のための分周比および前記基準クロック信号用分周器のための分周比を求め、求めた分周比をそれぞれ前記第2の比較クロック用分周器および前記基準クロック信号用分周器に設定する分周比設定部と、
前記分周基準クロック信号と前記第2の比較クロック信号との位相差に応じた位相のPLL前クロック信号を出力するデジタルPLL回路と、
前記PLL前クロック信号に基づいて、前記PLLクロック信号の位相を修正するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプルレート情報を前記音声データから検出するサンプルレート情報検出部と、
前記音声データが伝送される際に用いられる送信クロック信号とサンプリング周波数との比を示す周波数比情報を前記音声データから検出する周波数比情報検出部と、
前記サンプルレート情報に応じた分周比を求め、求めた分周比で入力されたPLLクロック信号を分周した第1の比較クロック信号を出力する第1の比較クロック用分周器と、
前記周波数比情報に応じた分周比を求め、前記第1の比較クロック信号を求めた分周比で分周して第2の比較クロック信号を出力する第2の比較クロック用分周器と、
前記周波数比情報に応じた分周比を求め、入力された基準クロック信号を求めた分周比で分周した分周基準クロック信号を出力する基準クロック信号用分周器と、
前記分周基準クロック信号と前記第2の比較クロック信号との位相差に応じた位相のPLL前クロック信号を出力するデジタルPLL回路と、
前記PLL前クロック信号に基づいて、前記PLLクロック信号の位相を修正して出力するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
これらにより、例えば音声処理装置をHDMI規格の装置に適用された場合には、HDMI規格に準拠したオーディオクロック信号が出力される。
【0017】
また、請求項6の発明は、
請求項2から請求項5のうちのいずれか1項の音声処理装置であって、
前記デジタルPLL回路は、前記サンプリング周波数情報に応じて、PLL前クロック信号の周波数を変更するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項7の発明は、
請求項2から請求項5のうちのいずれか1項の音声処理装置であって、
前記デジタルPLL回路は、前記周波数比情報に応じて、PLL前クロック信号の周波数を変更するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
これらにより、より高速にPLL回路がロックできるようになる。
【0020】
また、請求項8の発明は、
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプリング周波数情報を前記音声データから検出して、音声処理装置の外部に出力するサンプリング周波数情報出力部と、
前記サンプリング周波数情報に応じて音声処理装置の外部から送信された分周比を受信する受信部と、
入力されたPLLクロック信号を前記受信部が受信した分周比で分周した比較クロック信号を出力する比較クロック用分周器と、
入力された基準クロック信号と前記比較クロック信号との位相差に応じた位相の前記PLLクロック信号を出力するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする。
【0021】
これにより、分周比が音声処理装置の外部で求められ、外部から送信された分周比に応じて音声クロック信号が生成される。
【0022】
また、請求項9の発明は、
請求項1から請求項5、および請求項8のうちの何れか1項の音声処理装置であって、
前記デジタルインターフェースは、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格のデジタルインターフェースであり、
前記サンプリング周波数情報は、前記HDMI規格におけるチャンネルステータスビットが示す情報であることを特徴とする。
【0023】
また、請求項10の発明は、
請求項4、請求項5、および請求項8のうちの何れか1項の音声処理装置であって、
前記デジタルインターフェースは、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格のデジタルインターフェースであり、
前記周波数比情報は、前記HDMI規格におけるCRP(Clock Regeneration Packet)のNおよびCTSの値であることを特徴とする。
【0024】
これらにより、HDMI規格の音声処理装置において、回路規模を増大させずに種々のオーディオクロック信号を生成することが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、回路規模を増大させずに、種々のオーディオクロック信号を生成することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格に基づいて送信された音声データを処理(再生)するためのオーディオクロック信号を出力する音声処理装置の例である。
【0027】
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る音声処理装置100の構成を示すブロック図である。音声処理装置100は、図1に示すように、音声情報検出部110、分周器120、アナログPLL回路130、および分周器140を備えて構成されている。
【0028】
音声情報検出部110は、HDMI規格におけるASP(Audio Sample Packet)と呼ばれるパケットが入力されるようになっている(図1に示す入力データ)。前記ASPには、チャネルステータスビット(Cbit)と呼ばれる情報が含まれている。Cbitには音声データのサンプリング周波数情報などの音声情報が含まれているが、従来は分周比を求めるためには使用されていない。音声情報検出部110は、前記ASPのチャネルステータスビット(Cbit)から音声信号の周波数情報を抽出し、音声情報として分周器120に出力するようになっている。
【0029】
分周器120は、前記音声情報に基づいて分周比を決定し、決定した分周比でPLLクロック信号(後述)を分周した比較クロック信号を出力するようになっている。前記音声情報に基づいて決定される分周比は、例えば、前記音声情報からサンプリング周波数が認識できるので、アナログPLL130のロック周波数の範囲(例えば、アナログPLL回路130のロック周波数の範囲が10MHzから20MHzであるとすれば、この周波数範囲)にPLLクロック信号を持っていくように比較クロック信号の分周比を決定する。すなわち、従来のような複雑な演算をしなくてもよいので、分周比を決定する回路は、従来の音声処理装置と比べ簡単なもので済む。
【0030】
アナログPLL回路130は、位相比較器131、LPF132(LPF:Low Pass Filter)、およびVCO133(VCO:電圧制御型発振器)を備えて構成されている。
【0031】
位相比較器131は、入力されたクロック信号(入力クロック信号)と前記比較クロック信号との位相差に応じた電圧の信号を出力するようになっている。
【0032】
LPF132は、位相比較器131の出力を平滑化したLPFクロック信号をVCO133に出力するようになっている。
【0033】
VCO133は、前記LPFクロック信号の電圧に応じた周波数のPLLクロック信号を出力するようになっている。
【0034】
以上構成によりアナログPLL回路130は、前記入力クロック信号を前記分周比倍した周波数のPLLクロック信号を出力する。
【0035】
分周器140は、前記PLLクロック信号を所定の分周比で分周して、オーディオクロック信号として出力するようになっている。
【0036】
上記のように構成された、音声処理装置100では、入力データとして前記ASPが音声情報検出部110に入力されると、音声情報検出部110では、チャネルステータスビットの周波数情報を抽出して、音声情報として分周器120に出力する。分周器120では、前記音声情報を基に分周比を判別して、前記PLLクロック信号を分周する。
【0037】
これにより、アナログPLL回路130においてフィードバック制御が行われ、アナログPLL回路130がロックすると所定の周波数のPLLクロック信号が出力される。このPLLクロック信号は、分周器140で分周されて、オーディオクロック信号として出力される。
【0038】
このように、本実施形態によれば、チャネルステータスビットの周波数情報から分周比を容易に判別できるので、分周比の演算に要する時間を節約でき、また、分周比の演算のための回路が必要なくなる。
【0039】
また、異常データの出力を防止すること、あるいは必要のないデータの出力を停止することができ、通常時(2チャンネルデータのみ受信可能な機器に対する2チャンネルのデータ送信等)のデータ出力の時間の短縮を実現可能である。
【0040】
《発明の実施形態2》
図2は、本発明の実施形態2に係る音声処理装置200の構成を示すブロック図である。音声処理装置200は、実施形態1の音声処理装置100に対し、デジタルPLL回路230が追加されて構成されている点が異なっている。なお、以下の実施形態において前記実施形態1等と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
デジタルPLL回路230は、前記入力クロック信号と前記比較クロック信号とが同期するように位相を修正したクロック信号(PLL前クロック信号)をアナログPLL回路130に出力するようになっている。
【0042】
このように構成されることによって、実施形態1の音声処理装置100のように、アナログPLL回路130のみの場合に比べ、PLL回路のロック時間を削減することが可能になる。
【0043】
《発明の実施形態3》
図3は、本発明の実施形態3に係る音声処理装置300の構成を示すブロック図である。音声処理装置300は、音声処理装置200と比べ、さらに設定部310を備えている点、および音声処理装置200における分周器120に代えて分周器320を備えている点が異なっている。
【0044】
設定部310は、前記音声情報に基づいて前記分周比を決定し、分周器320に設定するようになっている。
【0045】
分周器320は、設定部310に設定された分周比で、前記PLLクロック信号を分周し、デジタルPLL回路230に出力するようになっている。
【0046】
このように、設定部310によって分周器320の分周比を設定させることで、例えば音声処理装置300の動作をソフトウェアで制御することが容易になる。
【0047】
《発明の実施形態4》
図4は、本発明の実施形態4に係る音声処理装置400の構成を示すブロック図である。音声処理装置400は、音声処理装置300と比べ、さらにパケット検出部420、分周器430、および分周器440を備えている点、設定部310に代えて設定部410を備えている点が異なっている。
【0048】
設定部410は、前記音声情報に基づいて前記分周比を決定する一方、HDMI規格におけるCRP(Clock Regeneration Packet)というパケットに含まれるN情報とCTS情報とを用いて、分周器430の分周比、および分周器440の分周比を決定するようになっている。具体的には、分周器430の分周比をN、分周器440の分周比をCTSに設定する。
【0049】
パケット検出部420は、前記CRPが入力され(図4に示す入力データ2)、前記CRPに含まれるN情報とCTS情報とを抽出して設定部410に出力するようになっている。
【0050】
分周器430は、設定部410によって設定された分周比で前記比較クロック信号を1/Nの周波数に分周し、デジタルPLL回路230に出力するようになっている。
【0051】
分周器440は、設定部410によって設定された分周比で前記入力クロック信号を1/CTSの周波数に分周し、デジタルPLL回路230に出力するようになっている。
【0052】
このように音声処理装置400が構成されることによって、HDMIの規格に準拠したオーディオクロック信号が出力される。
【0053】
《発明の実施形態5》
図5は、本発明の実施形態5に係る音声処理装置500の構成を示すブロック図である。音声処理装置500は、実施形態4の音声処理装置400における設定部410を省略し、分周器430に代えて分周器530、分周器440に代えて分周器540を備えて構成されている。
【0054】
分周器530は、設定部410が抽出したN情報に基づいて、前記比較クロック信号を1/Nに分周して、デジタルPLL回路230に出力するようになっている。
【0055】
分周器540は、設定部410が抽出したCTS情報に基づいて、前記入力クロック信号を1/CTSに分周して、デジタルPLL回路230に出力するようになっている。
【0056】
このように音声処理装置500は、設定部410を用いず直接分周器120等に設定を行うために、余分なアクセス時間が生じないという利点がある。
【0057】
なお、実施形態2〜5で用いられているデジタルPLL回路230を例えば分周比テーブルを備えて構成し、前記音声情報や前記CRPに基づいて、分周比テーブルから分周比を選択することによって、前記PLL前クロック信号の周波数を修正するようにしてもよい。これにより、より高速にPLL回路がロックできるようになる。
【0058】
また、比較クロック信号を生成するための分周比は、分周器120などで求めるのではなく、例えば前記音声情報を音声処理装置の外部に送信し、外部で分周比を求めるようにしてもよい。この場合は、外部から送信された分周比を受信する受信部を設け、受信部で受信した分周比を分周器120などに設定するようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明にかかる音声処理装置は、回路規模を増大させずに、種々のオーディオクロック信号を生成することが可能になるという効果を有し、DVDプレイヤー、デジタルテレビ、AVアンプ等に用いられるIEEE1394、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格等のデジタルインターフェースで伝送された音声データの再生に用いられる音声処理装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態1に係る音声処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る音声処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る音声処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態4に係る音声処理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態5に係る音声処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
100 音声処理装置
110 音声情報検出部
120 分周器
130 アナログPLL回路
131 位相比較器
132 LPF
133 VCO
140 分周器
200 音声処理装置
230 デジタルPLL回路
300 音声処理装置
310 設定部
320 分周器
400 音声処理装置
410 設定部
420 パケット検出部
430 分周器
440 分周器
500 音声処理装置
530 分周器
540 分周器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプリング周波数情報を前記音声データから検出するサンプリング周波数情報検出部と、
前記サンプリング周波数情報に応じた分周比を求める一方、入力されたPLLクロック信号を前記分周比で分周した比較クロック信号を出力する比較クロック用分周器と、
入力された基準クロック信号と前記比較クロック信号との位相差に応じた位相の前記PLLクロック信号を出力するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項2】
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプリング周波数情報を前記音声データから検出するサンプリング周波数情報検出部と、
前記サンプリング周波数情報に応じた分周比を求める一方、入力されたPLLクロック信号を前記分周比で分周した比較クロック信号を出力する比較クロック用分周器と、
入力された基準クロック信号と前記比較クロック信号との位相差に応じた位相のPLL前クロック信号を出力するデジタルPLL回路と、
前記PLL前クロック信号に基づいて、前記PLLクロック信号の位相を修正して出力するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項3】
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプリング周波数情報を前記音声データから検出するサンプリング周波数情報検出部と、
入力されたPLLクロック信号を分周した比較クロック信号を出力する比較クロック用分周器と、
前記サンプリング周波数情報に応じた分周比を求める一方、求めた分周比を前記比較クロック用分周器に設定する分周比設定部と、
入力された基準クロック信号と前記比較クロック信号との位相差に応じた位相のPLL前クロック信号を出力するデジタルPLL回路と、
前記PLL前クロック信号に基づいて、前記PLLクロック信号の位相を修正するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項4】
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプルレート情報を前記音声データから検出するサンプルレート情報検出部と、
前記音声データが伝送される際に用いられる送信クロック信号の周波数と前記サンプリング周波数との比を示す周波数比情報を前記音声データから検出する周波数比情報検出部と、
入力されたPLLクロック信号を分周した第1の比較クロック信号を出力する第1の比較クロック用分周器と、
前記第1の比較クロック信号を分周して第2の比較クロック信号を出力する第2の比較クロック用分周器と、
入力された基準クロック信号を分周した分周基準クロック信号を出力する基準クロック信号用分周器と、
前記サンプルレート情報に応じ、前記第1の比較クロック用分周器のための分周比を求めて、前記第1の比較クロック用分周器に設定する一方、前記周波数比情報に応じ、前記第2の比較クロック用分周器のための分周比および前記基準クロック信号用分周器のための分周比を求め、求めた分周比をそれぞれ前記第2の比較クロック用分周器および前記基準クロック信号用分周器に設定する分周比設定部と、
前記分周基準クロック信号と前記第2の比較クロック信号との位相差に応じた位相のPLL前クロック信号を出力するデジタルPLL回路と、
前記PLL前クロック信号に基づいて、前記PLLクロック信号の位相を修正するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項5】
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプルレート情報を前記音声データから検出するサンプルレート情報検出部と、
前記音声データが伝送される際に用いられる送信クロック信号とサンプリング周波数との比を示す周波数比情報を前記音声データから検出する周波数比情報検出部と、
前記サンプルレート情報に応じた分周比を求め、求めた分周比で入力されたPLLクロック信号を分周した第1の比較クロック信号を出力する第1の比較クロック用分周器と、
前記周波数比情報に応じた分周比を求め、前記第1の比較クロック信号を求めた分周比で分周して第2の比較クロック信号を出力する第2の比較クロック用分周器と、
前記周波数比情報に応じた分周比を求め、入力された基準クロック信号を求めた分周比で分周した分周基準クロック信号を出力する基準クロック信号用分周器と、
前記分周基準クロック信号と前記第2の比較クロック信号との位相差に応じた位相のPLL前クロック信号を出力するデジタルPLL回路と、
前記PLL前クロック信号に基づいて、前記PLLクロック信号の位相を修正して出力するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のうちのいずれか1項の音声処理装置であって、
前記デジタルPLL回路は、前記サンプリング周波数情報に応じて、PLL前クロック信号の周波数を変更するように構成されていることを特徴とする音声処理装置。
【請求項7】
請求項2から請求項5のうちのいずれか1項の音声処理装置であって、
前記デジタルPLL回路は、前記周波数比情報に応じて、PLL前クロック信号の周波数を変更するように構成されていることを特徴とする音声処理装置。
【請求項8】
デジタルインターフェースを介して伝送された音声データを再生する音声処理装置であって、
前記音声データのサンプリング周波数を示すサンプリング周波数情報を前記音声データから検出して、音声処理装置の外部に出力するサンプリング周波数情報出力部と、
前記サンプリング周波数情報に応じて音声処理装置の外部から送信された分周比を受信する受信部と、
入力されたPLLクロック信号を前記受信部が受信した分周比で分周した比較クロック信号を出力する比較クロック用分周器と、
入力された基準クロック信号と前記比較クロック信号との位相差に応じた位相の前記PLLクロック信号を出力するアナログPLL回路と、
前記PLLクロック信号を分周した音声クロック信号を出力する音声クロック用分周器と、
を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項5、および請求項8のうちの何れか1項の音声処理装置であって、
前記デジタルインターフェースは、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格のデジタルインターフェースであり、
前記サンプリング周波数情報は、前記HDMI規格におけるチャンネルステータスビットが示す情報であることを特徴とする音声処理装置。
【請求項10】
請求項4、請求項5、および請求項8のうちの何れか1項の音声処理装置であって、
前記デジタルインターフェースは、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格のデジタルインターフェースであり、
前記周波数比情報は、前記HDMI規格におけるCRP(Clock Regeneration Packet)のNおよびCTSの値であることを特徴とする音声処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−13853(P2007−13853A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194984(P2005−194984)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】