説明

音声出力回路

【課題】音声出力回路において、マイコンに電源が入力されたときにノイズ音が発生するのを防止する。
【解決手段】音声出力回路1は、音声の出力を制御するためのマイコン2と、音声の出力が可能な状態と不可能な状態とに切替えるミュート回路3と、マイコン2の起動時にノイズ音が出力されるのを防止するダイオード4等を備える。マイコン2は、電源入力ポート21に電源VCCが入力された後に、リセット信号入力ポート22にHighアクティブのリセット信号が入力されることにより、動作を開始して、ミュート制御信号出力ポート24からHighアクティブのミュート制御信号とLowアクティブのミュート制御信号を選択的に出力する制御を開始する。ダイオード4は、アノードがマイコン2のミュート制御信号出力ポート24に接続され、カソードがマイコン2のリセット信号入力ポート22に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばCDプレイヤやテレビジョン受像機等のオーディオ機器に用いることができる音声出力回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、音声出力回路としては、図2に示す構成のものが知られている。図2に示す音声出力回路70は、音声の出力を制御するためのマイコン71と、音声の出力が可能な状態と不可能な状態とに切替えるミュート回路72等を備える。
【0003】
マイコン71は、マイコン71を動作させるための電源VCCが入力される電源入力ポート81、マイコン71をリセットするためのリセット信号が入力されるリセット信号入力ポート82、音声信号を出力するためのオーディオ出力ポート83、及び音声の出力が可能な状態と不可能な状態との切換えを制御するためのミュート制御信号を出力するミュート制御信号出力ポート84を有している。
【0004】
電源入力ポート81には、電源ライン91を介して電源VCCが入力される。ユーザに操作される電源スイッチ(不図示)がオフのときには、電源入力ポート81には電源VCCが入力されず、電源スイッチがオンされることにより、電源入力ポート81に電源VCCが入力される。リセット信号入力ポート82には、リセット信号ライン92を介してリセット信号が入力される。電源スイッチがオフのとき(電源入力ポート81に電源が入力されていないとき)には、リセット信号入力ポート82にLowアクティブ(Lowレベルの信号入力時にアクティブとなる)のリセット信号が入力され、電源スイッチがオンされると、電源入力ポート81に電源VCCが入力されてから(電源スイッチがオンされてから)所定遅延時間(数ms)後に、リセット信号入力ポート82にHighアクティブ(Highレベルの信号入力時にアクティブとなる)のリセット信号が入力される。オーディオ出力ポート83には、音声信号ライン93を介して音声出力端子99が接続されており、音声出力端子99には、スピーカ(不図示)が接続されている。
【0005】
マイコン71は、リセット信号入力ポート82にLowアクティブのリセット信号が入力されている状態では、動作を停止し、電源入力ポート81に電源VCCが入力されると共に、リセット信号入力ポート82にHighアクティブのリセット信号が入力されることにより、動作を開始する。そして、マイコン71は、動作している状態では、オーディオ出力ポート83から音声信号を出力する制御を行うと共に、ミュート制御信号出力ポート84からHighアクティブのミュート制御信号とLowアクティブのミュート制御信号を選択的に出力する制御を行う。
【0006】
ミュート回路72は、音声信号ライン93及びミュート制御信号ライン94を介して、オーディオ出力ポート83とミュート制御信号出力ポート84との間に接続されている。ミュート回路72は、ミュート制御信号出力ポート84からHighアクティブのミュート制御信号が出力されているときに、オーディオ出力ポート83から出力される音声信号のスピーカ(不図示)への出力を可能とし、また、ミュート制御信号出力ポート84からLowアクティブのミュート制御信号が出力されているときに、オーディオ出力ポート83から出力される音声信号のスピーカへの出力を不可能とする。
【0007】
このような構成の音声出力回路70は、電源スイッチがオンされると、マイコン71の電源入力ポート81に電源VCCが入力されると共に、電源入力ポート81に電源VCCが入力されてから(電源スイッチがオンされてから)所定遅延時間後にマイコン71のリセット信号入力ポート82にHighアクティブのリセット信号が入力される。これにより、マイコン71が起動して動作を開始し、マイコン71によって、ミュート制御信号出力ポート84からHighアクティブのミュート制御信号とLowアクティブのミュート制御信号を選択的に出力する制御が開始される。
【0008】
一方、電源がオフにされたときに、音声増幅回路のミュートピンに印加されている電圧を減少させることにより、電源がオフにされたときのポップ音の発生を防止するようにした音声出力回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、マイコンの初期化処理時に、マイコンの初期化処理に影響を受けない外付け回路により音声信号の遮断処理を行うことにより、マイコンの初期化処理に伴う異音の発生を防止するようにした音声出力回路が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、電源がオフされたときに、音声ミュート出力回路が音声ミュート信号を音声回路に出力することにより、電源がオフされたときの音声ミュートを円滑に行うようにした音声出力回路が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、電源がオンされたときに、リセット信号がLowアクティブである期間、及び、マイコンが動作を開始してLowアクティブのミュート制御信号を出力している期間、音声増幅器の音声出力をアースすることにより、電源がオンされたときに音声増幅器が不安定になることによるポップ音の発生を防止するようにした音声出力回路が知られている(例えば、特許文献4参照)。また、電源がオンされたときに、音声増幅器に印加される電圧がポップ音を発生してしまう所定の電圧値を越えた後に、音声増幅器とスピーカとを接続することにより、電源がオンされたときに音声増幅器が不安定になることによるポップ音の発生を防止するようにした音声出力回路が知られている(例えば、特許文献5参照)。
【特許文献1】特開平10−242767号公報
【特許文献2】特開2003−174693号公報
【特許文献3】特開平9−139629号公報
【特許文献4】特開平8−172320号公報
【特許文献5】特開2006−67025号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上述した従来の音声出力回路70においては、電源スイッチがオンされてマイコン71(電源入力ポート81)に電源VCCが入力されたとき、過渡的な現象によって、一瞬、マイコン71(ミュート制御信号出力ポート84)からHighアクティブのミュート制御信号が出力されてしまい、これにより、一瞬、ミュート制御信号ライン94及びミュート回路72を介して音声信号ライン93にノイズが進入してしまい、スピーカからポップ音(ノイズ音)が発生しまうことがある。なお、上述した特許文献1乃至特許文献5に開示の内容を適用したとしても、上記の問題を解決することはできない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、マイコンに電源が入力されたときにノイズ音が発生するのを防止することができる音声出力回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、音声の出力を制御するためのマイコンと、音声の出力が可能な状態と不可能な状態とに切替えるミュート回路とを備え、マイコンは、該マイコンを動作させるための電源が入力される電源入力ポート、該マイコンをリセットするためのリセット信号が入力されるリセット信号入力ポート、音声信号を出力するためのオーディオ出力ポート、及びミュート回路による音声の出力が可能な状態と不可能な状態との切換えを制御するためのミュート制御信号を出力するミュート制御信号出力ポートを有し、リセット信号入力ポートにLowアクティブのリセット信号が入力されている状態では、動作を停止し、電源入力ポートに電源が入力されると共に、リセット信号入力ポートにHighアクティブのリセット信号が入力されることにより、動作を開始して、ミュート制御信号出力ポートからHighアクティブの制御信号とLowアクティブの制御信号を選択的に出力する制御を開始し、ミュート回路は、オーディオ出力ポートとミュート制御信号出力ポートとの間に接続され、ミュート制御信号出力ポートから出力されたHighアクティブのミュート制御信号が入力されているときに、オーディオ出力ポートから出力される音声信号のスピーカへの出力を可能とし、ミュート制御信号出力ポートから出力されたLowアクティブのミュート制御信号が入力されているときに、オーディオ出力ポートから出力される音声信号のスピーカへの出力を不可能とし、電源入力ポートに電源が入力されていないとき、リセット信号入力ポートにLowアクティブのリセット信号が入力され、電源入力ポートに電源が入力された後、リセット信号入力ポートにHighアクティブのリセット信号が入力される音声出力回路において、電源入力ポートに電源が入力された後、リセット信号入力ポートにHighアクティブのリセット信号が入力されるまでの間、電源入力ポートに電源が入力されたことによって過渡的にミュート制御信号出力ポートからHighアクティブのミュート制御信号が出力されたとしても、そのHighアクティブのミュート制御信号がミュート回路に入力されないようにする信号入力制限手段を備えるものである。
【0012】
請求項2の発明は、信号入力制限手段は、アノードがミュート制御信号出力ポートに接続され、カソードがリセット信号入力ポートに接続されたダイオードであるものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、マイコンに電源が入力されたとき、過渡的な現象によって、一瞬、マイコンからHighアクティブのミュート制御信号が出力されたとしても、そのHighアクティブのミュート制御信号は、信号入力制限手段の働きによって、ミュート回路に入力されない。これにより、マイコンに電源が入力されたときにノイズ音が発生するのを防止することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、簡素で容易な構成によって、マイコンに電源が入力されたときにノイズ音が発生するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態による音声出力回路について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による音声出力回路の構成を示す。音声出力回路1は、スピーカから音声を出力するための回路であり、例えばCDプレイヤやテレビジョン受像機等のオーディオ機器に用いられる。
【0016】
音声出力回路1は、音声の出力を制御するマイコン2と、音声の出力が可能な状態と不可能な状態とに切替えるミュート回路3と、マイコン2に電源が入力されたときにノイズ音が出力されるのを防止するダイオード(信号入力制限手段)4等を備える。
【0017】
マイコン2は、マイコン2を動作させるための電源VCCが入力される電源入力ポート21、マイコン2をリセットするためのリセット信号が入力されるリセット信号入力ポート22、音声信号を出力するためのオーディオ出力ポート23、及びミュート回路3による音声の出力が可能な状態と不可能な状態との切換えを制御するためのミュート制御信号を出力するミュート制御信号出力ポート24等を有している。
【0018】
電源入力ポート21には、ユーザに操作される電源スイッチ(不図示)及び電源ライン41を介して電源VCCが入力されるようになっている。電源スイッチがオフのときには、電源入力ポート21に電源VCCが入力されず、電源スイッチがオンされることにより、電源入力ポート21に電源VCCが入力される。
【0019】
リセット信号入力ポート22には、リセット信号ライン42を介してリセット回路(不図示)が接続されており、リセット回路からリセット信号ライン42を介してリセット信号が入力されるようになっている。電源スイッチがオフのとき(すなわち電源入力ポート21に電源VCCが入力されていないとき)には、リセット信号入力ポート22にLowアクティブのリセット信号が入力され、電源スイッチがオンされると、電源入力ポート21に電源VCCが入力されてから(電源スイッチがオンされてから)所定遅延時間(数ms)後に、リセット信号入力ポート22にHighアクティブのリセット信号が入力される。
【0020】
オーディオ出力ポート23には、音声信号ライン43を介して、音声出力端子50が接続されており、音声出力端子50には、スピーカ(不図示)が接続されている。ミュート制御信号出力ポート24には、ミュート制御信号ライン44を介して、ミュート回路3が接続されている。
【0021】
マイコン2は、リセット信号入力ポート22にLowアクティブのリセット信号が入力されている状態では、動作を停止し、電源入力ポート21に電源VCCが入力されると共に、リセット信号入力ポート22にHighアクティブのリセット信号が入力されることにより、動作を開始する。そして、マイコン2は、動作している状態では、オーディオ出力ポート23から音声信号を出力する制御を行うと共に、ミュート制御信号出力ポート24からHighアクティブのミュート制御信号とLowアクティブのミュート制御信号を選択的に出力する制御を行う。
【0022】
ミュート回路3は、音声信号ライン43及びミュート制御信号ライン44を介して、オーディオ出力ポート23とミュート制御信号出力ポート24との間に接続されている。ミュート回路3は、PNP型の第1のトランジスタ31と、NPN型の第2のトランジスタ32等を備える。
【0023】
第1のトランジスタ31は、ベースがミュート制御信号ライン44を介してミュート制御信号出力ポート24に接続され、コレクタが第2のトランジスタ32のベースに接続されており、エミッタに電源Vが供給されるようになっている。第1のトランジスタ31のエミッタには、電源スイッチのオン、オフの状態に関わらず、常時、電源Vが供給される。第2のトランジスタ32は、ベースが第1のトランジスタ31のコレクタに接続され、エミッタがグランドに接地され、コレクタが音声信号ライン43を介してオーディオ出力ポート23に接続されている。
【0024】
ミュート回路3は、第1のトランジスタ31のベースにHighアクティブのミュート制御信号が入力されると、第1のトランジスタがオフすると共に、第2のトランジスタがオフして、音声信号ライン43をグランドから絶縁した状態にする。この状態では、オーディオ出力ポート23から出力される音声信号は、音声出力端子50からスピーカに出力されるため、スピーカからの音声の出力が可能となる。また、ミュート回路3は、第1のトランジスタ31のベースにLowアクティブのミュート制御信号が入力されると、第1のトランジスタがオンすると共に、第2のトランジスタがオンして、音声信号ライン43をグランドに接地した状態にする。この状態では、オーディオ出力ポート23から出力される音声信号は、グランドに放出されて、音声出力端子50からスピーカに出力されないため、スピーカからの音声の出力が不可能となる。
【0025】
すなわち、ミュート回路3は、ミュート制御信号出力ポート24から出力されたHighアクティブのミュート制御信号が入力されているときに、オーディオ出力ポート23から出力される音声信号のスピーカへの出力を可能として、スピーカからの音声の出力が可能な状態にし、また、ミュート制御信号出力ポート24から出力されたLowアクティブのミュート制御信号が入力されているときに、オーディオ出力ポート23から出力される音声信号のスピーカへの出力を不可能として、スピーカからの音声の出力が不可能な状態にする。
【0026】
ダイオード4は、ミュート制御信号ライン44及びリセット信号ライン42を介して、リセット信号入力ポート22とミュート制御信号出力ポート24との間に接続されている。ダイオード4は、アノードがミュート制御信号ライン44を介してミュート制御信号出力ポート24に接続され、カソードがリセット信号ライン42を介してリセット信号入力ポート22に接続されている。
【0027】
このような構成の音声出力回路1は、電源スイッチがオンされると、マイコン2の電源入力ポート21に電源VCCが入力されると共に、電源入力ポート21に電源VCCが入力されてから(電源スイッチがオンされてから)所定遅延時間後にマイコン2のリセット信号入力ポート22にHighアクティブのリセット信号が入力される。これにより、マイコン2が起動して動作を開始し、マイコン2によって、オーディオ出力ポート23から音声信号を出力する制御、及びミュート制御信号出力ポート24からHighアクティブのミュート制御信号とLowアクティブのミュート制御信号を選択的に出力する制御が開始される。
【0028】
ここで、ダイオード4の働きについて説明する。上記音声出力回路1の動作において、電源スイッチがオンされて電源入力ポート21に電源VCCが入力されたとき、過渡的な現象によって、一瞬、ミュート制御信号出力ポート24からHighアクティブのミュート制御信号が出力されることがある。
【0029】
しかしながら、ダイオード4がリセット信号入力ポート22とミュート制御信号出力ポート24との間に接続されており、このダイオード4は、アノードがミュート制御信号出力ポート24に接続され、カソードがリセット信号入力ポート22に接続されている。そして、電源入力ポート21に電源VCCが入力されたとき、リセット信号入力ポート22には、Lowアクティブのリセット信号が入力されており、電源入力ポート21に電源VCCが入力されてから所定遅延時間後まで(Highアクティブのリセット信号が入力されるまで)の間は、リセット信号入力ポート22には、Lowアクティブのリセット信号が入力される。
【0030】
従って、電源スイッチがオンされて電源入力ポート21に電源VCCが入力されたとき、過渡的な現象によって、一瞬、ミュート制御信号出力ポート24からHighアクティブのミュート制御信号が出力されたとしても、そのHighアクティブのミュート制御信号は、ダイオード4を経由してリセット信号入力ポート22に放出されて、ミュート回路3には入力されない。これにより、電源入力ポート21に電源VCCが入力されたときに、ミュート制御信号ライン44及びミュート回路3を介して音声信号ライン43にノイズが進入することがなく、ポップ音(ノイズ音)が発生することがない。
【0031】
また、電源入力ポート21に電源VCCが入力されてから所定遅延時間後にリセット信号入力ポート22にHighアクティブのリセット信号が入力されるとき、ダイオード4は、アノードがミュート制御信号出力ポート24に接続され、カソードがリセット信号入力ポート22に接続されているため、Highアクティブのリセット信号は、ダイオード4を経由してミュート制御信号出力ポート24に放出されることがなく、リセット信号入力ポート22に入力される。これにより、マイコン2は、電源VCCが入力されてから所定遅延時間後にHighアクティブのリセット信号が入力されて、動作を開始する。
【0032】
マイコン2が動作を開始した後においては、マイコン2の動作を停止させるまでの間、リセット信号入力ポート22にHighアクティブのリセット信号が入力されるため、マイコン2の制御によってミュート制御信号出力ポート24から出力されるHighアクティブのミュート制御信号は、ダイオード4を経由してリセット信号入力ポート22に放出されることがなく、ミュート回路3に入力される。これにより、マイコン2が動作を開始した後においては、マイコン2の制御によってミュート制御信号出力ポート24から選択的に出力されるHighアクティブのミュート制御信号及びLowアクティブのミュート制御信号に応じて、ミュート回路3によって音声の出力が可能な状態と不可能な状態とに切替えられる。
【0033】
このように、ダイオード4は、電源入力ポート21に電源VCCが入力された後、リセット信号入力ポート22にHighアクティブのリセット信号が入力されるまでの間(すなわちマイコン2が動作を開始するまでの間)、電源入力ポート21に電源VCCが入力されたことによって過渡的にミュート制御信号出力ポート24からHighアクティブのミュート制御信号が出力されたとしても、そのHighアクティブのミュート制御信号がミュート回路3に入力されないようにする働きをする。
【0034】
このような構成の音声出力回路1によれば、マイコン2の電源入力ポート21に電源VCCが入力されたとき、過渡的な現象によって、一瞬、マイコン2のミュート制御信号出力ポート24からHighアクティブのミュート制御信号が出力されたとしても、そのHighアクティブのミュート制御信号は、ダイオード4の働きによって、ミュート回路3に入力されない。これにより、マイコン2の電源入力ポート21に電源VCCが入力されたときに、ミュート制御信号ライン44及びミュート回路3を介して音声信号ライン43にノイズが進入することがなく、ポップ音(ノイズ音)が発生するのを防止することができる。
【0035】
しかも、ダイオード4をリセット信号入力ポート22とミュート制御信号出力ポート24との間に接続することにより、簡素で容易な構成によって、マイコン2の電源入力ポート21に電源VCCが入力されたときに、ポップ音が発生するのを防止することができる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、ミュート回路は、上記実施形態の構成に限られず、Highアクティブのミュート制御信号が入力されているときに、音声信号のスピーカへの出力を可能とし、Lowアクティブのミュート制御信号が入力されているときに、音声信号のスピーカへの出力を不可能とするものであれば、どのような構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る音声出力回路の構成を示す電気回路図。
【図2】従来の音声出力回路の構成を示す電気回路図。
【符号の説明】
【0038】
1 音声出力回路
2 マイコン
3 ミュート回路
4 ダイオード
21 電源入力ポート
22 リセット信号入力ポート
23 オーディオ出力ポート
24 ミュート制御信号出力ポート
31 第1のトランジスタ
32 第2のトランジスタ
41 電源ライン
42 リセット信号ライン
43 音声信号ライン
44 ミュート制御信号ライン
50 音声出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声の出力を制御するためのマイコンと、音声の出力が可能な状態と不可能な状態とに切替えるミュート回路とを備え、
前記マイコンは、該マイコンを動作させるための電源が入力される電源入力ポート、該マイコンをリセットするためのリセット信号が入力されるリセット信号入力ポート、音声信号を出力するためのオーディオ出力ポート、及び前記ミュート回路による音声の出力が可能な状態と不可能な状態との切換えを制御するためのミュート制御信号を出力するミュート制御信号出力ポートを有し、前記リセット信号入力ポートにLowアクティブのリセット信号が入力されている状態では、動作を停止し、前記電源入力ポートに電源が入力されると共に、前記リセット信号入力ポートにHighアクティブのリセット信号が入力されることにより、動作を開始して、前記ミュート制御信号出力ポートからHighアクティブの制御信号とLowアクティブの制御信号を選択的に出力する制御を開始し、
前記ミュート回路は、前記オーディオ出力ポートと前記ミュート制御信号出力ポートとの間に接続され、前記ミュート制御信号出力ポートから出力されたHighアクティブのミュート制御信号が入力されているときに、前記オーディオ出力ポートから出力される音声信号のスピーカへの出力を可能とし、前記ミュート制御信号出力ポートから出力されたLowアクティブのミュート制御信号が入力されているときに、前記オーディオ出力ポートから出力される音声信号のスピーカへの出力を不可能とし、
前記電源入力ポートに電源が入力されていないとき、前記リセット信号入力ポートにLowアクティブのリセット信号が入力され、前記電源入力ポートに電源が入力された後、前記リセット信号入力ポートにHighアクティブのリセット信号が入力される音声出力回路において、
前記電源入力ポートに電源が入力された後、前記リセット信号入力ポートにHighアクティブのリセット信号が入力されるまでの間、電源入力ポートに電源が入力されたことによって過渡的に前記ミュート制御信号出力ポートからHighアクティブのミュート制御信号が出力されたとしても、そのHighアクティブのミュート制御信号が前記ミュート回路に入力されないようにする信号入力制限手段を備える、
ことを特徴とする音声出力回路。
【請求項2】
前記信号入力制限手段は、アノードが前記ミュート制御信号出力ポートに接続され、カソードが前記リセット信号入力ポートに接続されたダイオードである、
ことを特徴とする請求項1に記載の音声出力回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−177638(P2009−177638A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15588(P2008−15588)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】