説明

項目選択装置、項目選択方法、および、プログラム

【課題】項目選択の操作性を適切に高めることのできる項目選択装置等を提供する。
【解決手段】記憶部110は、階層化されたメニューと各メニューに含まれる項目(コマンド等)の情報を記憶する。また、表示部120は、メニュー等を含むゲーム画像を表示する。位置受付部130は、画面内のタッチ位置を、タッチパネルを介して受け付ける。選択部140は、受け付けられたタッチ位置に基づいて、メニューから1つの項目を選択する。そして、表示制御部150は、上位メニューから何れかの項目がタッチ操作により選択されると、下位メニューにおいて推奨される項目がそのタッチ位置と重なるように、下位メニューを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、項目選択の操作性を適切に高めることのできる項目選択装置、項目選択方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の装置において、タッチパネル(タッチスクリーン)が広く用いられている。このタッチパネルは、表示部に重畳して配置されており、ユーザの指やタッチペン(スタイラス)等によるタッチ操作を受け付けることができる。一例として、表示部に複数の項目(例えば、メニュー中の各項目)が表示されている状態において、ユーザは、タッチパネルを介して目的の項目へタッチ操作を行うことにより、比較的容易に項目を選択することができる。
【0003】
最近では、携帯型のゲーム装置や情報端末(携帯電話等)といったポータブル機器にもこのようなタッチパネルが採用されることが多くなっている。そのため、例えば、ポータブル機器にてゲームをプレイしている際に、コマンドの選択や設定内容の変更等を、タッチ操作によって比較的容易に行うことができる。
このようなタッチパネルが用いられる装置の先行技術の一例として、連続するタッチ操作時において、入力誤りを適切に防止できる技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−048245 号公報 (第7−15頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、タッチパネルが用いられる装置では、タッチ操作によって、項目の選択を比較的容易に行うことができる。
しかしながら、一連の項目を複数回に亘って順次選択するような状況では、項目選択のための操作が煩雑となってしまうことが多かった。
例えば、メニューが階層化されており、各メニューから所望の項目を順次選択して行くような場合において、項目選択の操作性が低下してしまっていた。この場合では、一般に、最上位のメニューから最下位のメニューに至るまで、各メニューがそれぞれ表示位置をずらすように展開されることになる。そのため、ユーザは、そのように展開されていくメニューを追いかけるように、指等をスライド移動させながら所望の項目へタッチ操作を行う必要があった。つまり、項目を選択する際に、指等を大きくスライド移動させることが必要となり、操作がし難いだけでなく、スライド移動分の時間も余計に掛かってしまっていた。
【0006】
そのため、一連の項目を複数回に亘って順次選択するような状況においても、項目選択の操作性を向上させることのできる技術が求められていた。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、項目選択の操作性を適切に高めることのできる項目選択装置、項目選択方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る項目選択装置は、表示部、位置受付部、選択部、及び、表示制御部を備えて構成される。
【0009】
まず、表示部は、選択対象となる項目を画面に表示する。例えば、表示部は、階層化されたメニューや、関連するダイアログ等により各項目を画面に表示する。また、位置受付部は、画面内の位置の指定を受け付ける。例えば、位置受付部は、タッチ操作やカーソル操作等により、ユーザに指定された画面内の位置を受け付ける。選択部は、受け付けられた位置に表示されている項目を選択する。例えば、表示されたメニューにおける何れかの項目に向けてタッチ操作等がなされた場合に、選択部は、その項目を選択する。
【0010】
そして、表示制御部は、第1の項目が選択された後、その位置と重なるように、後続する第2の項目を表示する。例えば、上位メニュー中の項目がタッチ操作により選択されると、表示制御部は、下位メニュー中の項目がタッチ位置と重なるように、下位メニューを表示する。その際に、表示制御部は、下位メニューにおいて推奨される項目(一例として、選択頻度の高い項目)がタッチ位置と重なるように、下位メニューを表示してもよい。この他にも、例えば、最初のダイアログからタッチ操作により項目が選択されると、表示制御部は、後続するダイアログ中の項目がタッチ位置と重なるように、後続するダイアログを表示する。その際にも、表示制御部は、後続するダイアログにおいて推奨される項目(一例として、標準となる項目)がその位置と重なるように、後続するダイアログを表示してもよい。
【0011】
このように、項目を選択した位置と重なるように次の項目が表示されるため、ユーザは、指等を大きくスライド移動させることなく、一連の項目を選択することができる。特に、推奨される項目を順次同じ位置(最初に選択された位置と同じ位置)に表示する場合には、指等を全くスライド移動させずに、一連の項目を選択することも可能となる。この結果、項目選択の操作性を適切に高めることができる。
【0012】
本発明の第2の観点に係る項目選択装置は、表示部、位置受付部、選択部、及び、表示制御部を備えて構成される。
【0013】
まず、表示部は、選択対象となる複数の項目を含んだ項目群を画面に表示する。例えば、表示部は、階層化されたメニューにより各項目を画面に表示する。また、位置受付部は、画面内のタッチ位置を、タッチパネルを介して受け付ける。選択部は、受け付けられたタッチ位置に基づいて、項目群から1つの項目を選択する。例えば、表示されたメニュー中の何れかの項目に向けてタッチ操作がなされた場合に、選択部は、その項目を選択する。
【0014】
そして、表示制御部は、第1の項目群の何れかの項目が選択された後、後続する第2の項目群において推奨される項目が、タッチ位置と重なるように、当該第2の項目群を表示する。例えば、上位メニューからタッチ操作により項目が選択されると、表示制御部は、下位メニューにおいて推奨される項目(一例として、選択頻度の高い項目)がタッチ位置と重なるように、下位メニューを表示する。
【0015】
このように、項目群から項目を選択した位置と重なるように、次の項目群において推奨される項目が表示されるため、ユーザは、指等を全くスライド移動させずにタッチ操作を繰り返すことで、一連の項目を選択することも可能となる。この結果、項目選択の操作性を適切に高めることができる。
【0016】
上記項目選択装置は、第1の項目群の項目と、第2の項目群の項目との選択履歴に基づいて、第1の項目群から何れかの項目が選択された際に、第2の項目群において推奨される項目を決定する決定部を更に備え、
表示制御部は、決定部に決定された項目がタッチ位置と重なるように、第2の項目群を表示してもよい。
この場合、タッチ操作を繰り返す間において、選択頻度の高い項目が順次同じ位置(最初のタッチ位置と同じ位置)に表示されるため、従前と同じ選択を行うのであれば、ユーザは、指等を全くスライド移動させずにタッチ操作だけで、一連の項目を選択することができる。
【0017】
項目群は、階層化されており、
表示制御部は、上位の階層となる第1の項目群から項目が選択され、下位の階層となる第2の項目群を表示する際に、タッチ位置から第1の項目群をずらして表示してもよい。
この場合、表示制御部は、例えば、上位メニューからタッチ操作により項目が選択され、下位メニューにおいて推奨される項目がタッチ位置と重なるように下位メニューを表示する際に、タッチ位置から上位メニューを移動させて表示する。つまり、上位メニューの上に下位メニューをそのまま重ねるのではなく、上位メニューの全部又は主要部が視認できる程度まで、上位メニューを移動させる。
この場合、上位メニューが下位メニューに全て隠れることなく視認できる程度に表示されるため、ユーザが選択の経過を把握し易くなる。
【0018】
本発明の第3の観点に係る項目選択方法は、表示部、位置受付部、選択部、及び、表示制御部を備えた項目選択装置が実行する項目選択方法であって、表示工程、位置受付工程選択工程、及び、表示制御工程を備えて構成される。
【0019】
まず、表示工程では、選択対象となる項目を画面に表示する。例えば、表示工程では、階層化されたメニューや、関連するダイアログ等により各項目を画面に表示する。また、位置受付工程では、画面内の位置の指定を受け付ける。例えば、位置受付工程では、タッチ操作やカーソル操作等により、ユーザに指定された画面内の位置を受け付ける。選択工程では、受け付けられた位置に表示されている項目を選択する。例えば、表示されたメニューにおける何れかの項目に向けてタッチ操作等がなされた場合に、選択工程では、その項目を選択する。
【0020】
そして、表示制御工程では、第1の項目が選択された後、その位置と重なるように、後続する第2の項目を表示する。例えば、上位メニュー中の項目がタッチ操作により選択されると、表示制御工程では、下位メニュー中の項目がタッチ位置と重なるように、下位メニューを表示する。その際に、表示制御工程では、下位メニューにおいて推奨される項目(一例として、選択頻度の高い項目)がタッチ位置と重なるように、下位メニューを表示してもよい。この他にも、例えば、最初のダイアログからタッチ操作により項目が選択されると、表示制御工程では、後続するダイアログ中の項目がタッチ位置と重なるように、後続するダイアログを表示する。その際にも、表示制御工程では、後続するダイアログにおいて推奨される項目(一例として、標準となる項目)がその位置と重なるように、後続するダイアログを表示してもよい。
【0021】
このように、項目を選択した位置と重なるように次の項目が表示されるため、ユーザは、指等を大きくスライド移動させることなく、一連の項目を選択することができる。特に、推奨される項目を順次同じ位置(最初に選択された位置と同じ位置)に表示する場合には、指等を全くスライド移動させずに、一連の項目を選択することも可能となる。この結果、項目選択の操作性を適切に高めることができる。
【0022】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータ(電子機器を含む。)を、上記の項目選択装置として機能させるように構成する。
【0023】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0024】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、項目選択の操作性を適切に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置の外観を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示すブロックである。
【図3】本実施形態に係る項目選択装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】(a)が階層化されたメニュー情報の一例を示す模式図であり、(b)が各メニューの選択履歴(履歴情報)の一例を示す模式図である。
【図5】ゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図6】(a),(b)共に、メニューから項目(コマンド)が選択される様子を説明するための模式図である。
【図7】(a)〜(d)全て、後続するメニュー(下位のメニュー)がタッチ位置に重ねて表示される様子を説明するための模式図である。
【図8】本実施形態に係る項目選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】(a)〜(c)全て、ダイアログが表示される場合を説明するための模式図である。
【図10】(a)〜(d)全て、上位のメニューがずれて表示される場合を説明するための模式図である。
【図11】(a)〜(c)全て、他の実施形態における各メニューの表示を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型ゲーム機(ゲーム装置)に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係る項目選択装置が実現される典型的なゲーム装置の外観を示す模式図である。図示するように、このゲーム装置1の特徴として、第1の表示部18と、第2の表示部19とを有しており、それぞれに、所定の画像が表示可能となっている。そして、第2の表示部19に重畳してタッチパネル20が配置されており、ユーザ(プレイヤ)の指等による操作が可能となっている。
【0029】
図2は、このゲーム装置1の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照してゲーム装置1を説明する。
【0030】
ゲーム装置1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19と、タッチパネル20と、を備える。
【0031】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、クロック回路10cと、VRAM(Video Random Access Memory)10dと、WRAM(Work RAM)10eと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10fと、タッチパネルコントローラ10gと、を備える。
【0032】
CPUコア10aは、ゲーム装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0033】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10dに格納する。
【0034】
クロック回路10cは、種々の時間(時刻)を計時するための回路であり、ゲーム装置1に設定された現在時刻や、ゲーム中に必要となる経過時間等を計時する。
【0035】
VRAM 10dは、表示用の情報を記憶するメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10eは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0036】
LCDコントローラ10fは、第1の表示部18および、第2の表示部19を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10fは、VRAM 10dに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部18に出力する。また、LCDコントローラ10fは、同様に、第2の表示部19に所定の表示用画像を表示する。
【0037】
タッチパネルコントローラ10gは、ユーザの指やタッチペン等によって、タッチパネル20がタッチ操作されると、その座標(検出位置)を取得する。例えば、第2の表示部19に所定の画像(項目画像等)が表示されている状態で、タッチパネル20における指等によるタッチ操作に応答し、その座標(タッチ位置)を検出する。
【0038】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0039】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0040】
無線通信部13は、他のゲーム装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定の無線アクセスポイントとの間で、無線通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0041】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他のゲーム装置1の処理制御部10との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
また、ゲーム装置1が、近傍の無線アクセスポイント等を介してインターネットに接続する際には、無線LANに準拠したプロトコルに沿って、処理制御部10と無線アクセスポイント等との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
【0042】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0043】
操作キー17は、ゲーム装置1に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0044】
第1の表示部18および、第2の表示部19は、LCD等からなり、LCDコントローラ10fに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
なお、第2の表示部19は、タッチパネル20への入力(タッチ操作)の目標となる所定の項目(メニューやダイヤログ等)を表示する。
【0045】
タッチパネル20は、第2の表示部19に重畳され、ユーザの指やタッチペン等によるタッチ操作を検出する。
例えば、タッチパネル20は、抵抗膜方式のタッチセンサパネル等からなり、ユーザの指等によるタッチ操作を検知し、そのタッチ操作がなされた座標に応じた情報(タッチ位置を示す信号等)を出力する。なお、タッチパネル20は、他に静電容量の変化等から、ユーザの指等によるタッチ操作を検出してもよい。
【0046】
(項目選択装置の概要構成)
図3は、本実施形態に係る項目選択装置100の概要構成を示す模式図である。この項目選択装置100は、上述したゲーム装置1によって実現されるものであり、一例として、RPG(Role-Playing Game)がプレイされる際に、タッチ操作により項目(コマンド等)の選択を行う装置である。
以下、本図を参照して項目選択装置100について説明する。
【0047】
図3に示すように、項目選択装置100は、記憶部110と、表示部120と、位置受付部130と、選択部140と、表示制御部150とを備える。
【0048】
まず、記憶部110は、RPGにおいて表示される画像情報や、再生される音楽情報等を記憶する。例えば、プレイヤキャラクタ(主人公キャラクタ)、敵キャラクタ、及び、背景等の画像情報や、BGM(BackGround Music)や効果音等の音楽情報を記憶する。
また、記憶部110は、RPGの進行に伴って、ユーザに提示されるメニュー情報を記憶する。このメニュー情報は、一例として、主人公キャラクタが敵キャラクタと遭遇した際に表示されるメニュー情報であり、複数のコマンド(項目)が含まれている。
【0049】
具体的なメニュー情報は、図4(a)に例示するように、階層化されている。すなわち、最上位のメニュー(メインメニューM1)、その下位のメニュー(戦闘メニューM11,魔法メニュー12,アイテムメニュー13)、及び、最下位(この図では魔法メニュー12の下位)のメニュー(炎の魔法メニューM121,氷の魔法メニューM122,癒しの魔法メニューM123)の3階層となっている。
また、各メニューには、それぞれ複数のコマンド(項目)が含まれている。そして、各コマンドには、それぞれ、下位のメニューが対応付けられている(最下位のメニューを除く)。そのため、例えば、最上位のメインメニューM1が画面に表示された状態で、「魔法」コマンドが選択されると、下位の魔法メニューM12が表示される。同様に、その魔法メニューM12が表示された状態で、「炎の魔法」コマンドが選択されると、最下位の炎の魔法メニューM121が表示されることになる。
なお、このようなメニューの階層数や、各メニューのコマンド数(項目数)は、一例であり、RPGの内容等に応じて、適宜変更可能である。また、このようなメニューが画面に表示された際には、画面上の表示位置が適宜管理される。つまり、メニュー全体の表示位置(表示範囲)や、各コマンドの表示位置(表示範囲)がそれぞれ管理され、ユーザによるタッチ操作がなされた際に、どのコマンドが選択されたのかを判別可能となっている。
【0050】
また、記憶部110は、各メニューにおいて実際に選択されたコマンドの履歴情報も記憶する。具体的に履歴情報は、図4(b)に示すように、各メニュー(この図では、魔法に関するメニューM12,M121,M122,M123)におけるコマンドの選択回数をそれぞれ管理している。つまり、この履歴情報の例では、魔法メニューM12において、「炎の魔法」コマンドが最も選択回数が多く、選択頻度が高いと言える。同様に、その炎の魔法メニューM121において、「△△フレア」コマンドが最も選択回数が多く、選択頻度が高いと言える。
なお、この図4(b)では、履歴情報の一例として、選択回数を管理(記憶)する場合を示しているが、管理する内容は適宜変更可能である。
そして、上述したカートリッジ12(ROM12a)やWRAM10e等が、このような記憶部110として機能しうる。
【0051】
図3に戻って、表示部120は、表示制御部150により生成されたゲーム画像を表示する。つまり、RPGの進行に応じたゲーム画像を表示する。
具体的に表示部120は、図5に示すようなゲーム画像を表示する。このゲーム画像は、RPGにおいて、プレイヤキャラクタPcが敵キャラクタTcと遭遇した場面の一例を示している。このゲーム画像には、最上位となるメインメニューM1も表示されている。
後述するように、ユーザは、このメインメニューM1から始まる一連のメニュー中のコマンドを、タッチ操作により順次選択して行き、プレイヤキャラクタPcに対する指令を決定することになる。
なお、上述した第2の表示部19等が、このような表示部120として機能しうる。
【0052】
図3に戻って、位置受付部130は、ユーザによるタッチ操作を受け付ける。例えば、ユーザの指等によりタッチパネル20がタッチ(押圧等)されると、対応する画面内(上述した第2の表示部19)の位置を取得する。
一例として、表示部120が、上述した図5のようなゲーム画像を表示している際に、ユーザが、メインメニューM1中の何れかのコマンドに向けてタッチ操作を行った場合、位置受付部130は、そのタッチ位置を取得する。
具体的には、図6(a)に示すように、メインメニューM1中のコマンド内にユーザの指Fが触れた場合に、位置受付部130は、タッチ位置P1を取得する。
なお、上述したタッチパネルコントローラ10g等が、このような位置受付部130として機能しうる。
【0053】
図3に戻って、選択部140は、位置受付部130によって受け付けられた位置に表示されているコマンド(項目)を選択する。
例えば、取得されたタッチ位置と、記憶部110に記憶されるメニュー情報(表示しているメニューの表示位置)とを比較して、タッチ位置が、何れかのコマンドの表示範囲に含まれるかを判別する。そして、何れかのコマンドの表示範囲に含まれる場合に、そのコマンドを選択する。
具体的には、上述した図6(a)のように、位置受付部130によってタッチ位置P1が取得されると、選択部140は、図6(b)に示すように、そのタッチ位置P1が含まれるコマンドC2(魔法コマンド)を選択する。
また、選択部140は、最下位のメニューから選択される場合に、タッチ位置のコマンドを、ユーザにより指示されたコマンドとして決定する。
なお、上述したCPUコア10aが、このような選択部140として機能しうる。
【0054】
図3に戻って、表示制御部150は、RPGの進行に応じたゲーム画像を生成する。そして、生成したゲーム画像を表示部120に表示させる。例えば、表示制御部150は、上述した図5に示すようなゲーム画像を生成して、表示部120に表示させる。
特に、表示制御部150は、ゲーム画像中にメニューを描画(表示)する際に、以下のような制御を行う。
まず、表示制御部150は、RPGの進行に沿って、メニューを提示する必要が生じると、最上位のメニューを所定位置(例えば、予め決められた位置)に描画する。例えば、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと遭遇した場合に、表示制御部150は、上述した図5に示すように、メインメニューM1を予め決められた位置に描画する。
そして、上述した図6(a),(b)に示すように、タッチ位置P1が取得され、コマンドC2が選択されると、メインメニューM1を消去した後に、表示制御部150は、そのタッチ位置P1と重なるように、後続するメニューを描画する。具体的に表示制御部150は、図7(a)に示すように、タッチ位置P1と重なるように魔法メニューM12を描画する。
【0055】
より詳細に説明すると、表示制御部150は、記憶部110から上述した図4(a)に示すようなメニュー情報(階層情報)を参照して、対応する下位メニュー(この場合、魔法メニューM12)を特定する。そして、上述した図4(b)に示すような履歴情報を参照し、魔法メニューM12において推奨される項目(一例として、選択頻度の高い項目)である「炎の魔法」コマンドを選定する。そして、表示制御部150は、図7(a)に示すように、選定した「炎の魔法」コマンドの表示位置がタッチ位置P1と重なるように魔法メニューM12を描画する。この図の場合では、一例として、選定した「炎の魔法」コマンドの中心が、タッチ位置P1と重なるように魔法メニューM12を描画している。
この状態から、図7(b)に示すように、タッチ位置P2が取得され、コマンドC11(炎の魔法コマンド)が選択されると、魔法メニューM12を消去した後に、表示制御部150は、今度はタッチ位置P2と重なるように、後続するメニューを描画する。具体的に表示制御部150は、図7(c)に示すように、タッチ位置P2と重なるように炎の魔法メニューM121を描画する。この場合も、表示制御部150は、記憶部110からメニュー情報や履歴情報を参照し、炎の魔法メニューM121の推奨項目である「△△フレア」コマンドを選定する。そして、表示制御部150は、図7(c)に示すように、選定した「△△フレア」コマンドの中心がタッチ位置P2と重なるように炎の魔法メニューM121を描画する。
そして、この状態から、図7(d)に示すように、タッチ位置P3が取得され、コマンドC122(△△フレアコマンド)が選択されると、それ以降に下位メニューがないため、そのコマンドが決定されることになる。
なお、上述した画像処理部10bやLCDコントローラ10fが、このような表示制御部150として機能しうる。
【0056】
(項目選択装置の動作の概要)
以下、このような構成の項目選択装置100の動作について図8を参照して説明する。
この図8は、項目選択装置100にて実行される項目選択処理の流れを示すフローチャートである。この項目選択処理は、RPGの進行に伴って、ユーザが何らかの項目を選択(決定)する必要が生じた際に開始される。以下、具体的に、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと遭遇した場合を一例として説明する。
【0057】
まず、項目選択装置100は、最上位のメニューを表示する(ステップS201)。
すなわち、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと遭遇した場合に、表示部120は、上述した図5に示すような、メインメニューM1を含むゲーム画像を表示する。つまり、表示制御部150は、メインメニューM1をゲーム画像中の予め決められた位置(初期位置等)に描画する。
【0058】
項目選択装置100は、タッチ操作があったか否かを判別する(ステップS202)。
すなわち、位置受付部130は、ユーザの指等によるタッチ操作を受け付けたかどうかを判別する。
項目選択装置100は、タッチ操作がなかったと判別すると(ステップS202;No)、引き続きタッチ操作の判別を繰り返す。
【0059】
一方、タッチ操作があったと判別した場合(ステップS202;Yes)に、項目選択装置100は、タッチ位置を取得する(ステップS203)。
すなわち、位置受付部130は、タッチ操作に応答して、対応する画面内のタッチ位置を取得する。
【0060】
項目選択装置100は、タッチ位置が何れかの項目(項目の表示範囲)と一致したか否かを判別する(ステップS204)。
すなわち、選択部140は、タッチ位置と、記憶部110に記憶されるメニュー情報(表示しているメニューの表示位置)とを比較して、そのタッチ位置が、何れかのコマンドの表示範囲に含まれるかどうかを判別する。
項目選択装置100は、タッチ位置が何れの項目とも一致しなかったと判別すると(ステップS204;No)、ステップS202に処理を戻し、上述したステップS202〜S204の処理を繰り返し実行する。つまり、メニューから外れたタッチ操作であれば、その操作を無効として、メニュー内へのタッチ操作がなされるまで待機する。なお、メニューから外れたタッチ操作であった場合に、上位のメニューに表示を戻して再開するようにしてもよい。
【0061】
一方、タッチ位置が何れかの項目と一致したと判別した場合(ステップS204;Yes)に、項目選択装置100は、一致した項目を選択する(ステップS205)。
すなわち、選択部140は、タッチ位置に表示されているコマンドを選択する。例えば、述した図6(b)に示すように、選択部140は、タッチ位置P1が含まれるコマンドC2を選択する。
【0062】
項目選択装置100は、選択した項目に対応する下位メニューがあるか否かを判別する(ステップS206)。
すなわち、表示制御部150は、記憶部110から上述した図4(a)に示すようなメニュー情報(階層情報)を参照して、対応する下位メニューが存在するかどうかを判別する。
項目選択装置100は、下位メニューがなかったと判別すると(ステップS206;No)、後述するステップS209へ処理を進める。つまり、最下位のメニューから何れかの項目が選択された場合に、ステップS209へ処理を進める。
【0063】
一方、下位メニューがあったと判別した場合(ステップS206;Yes)に、項目選択装置100は、下位メニューにおける推奨項目を選定する(ステップS207)。
すなわち、表示制御部150は、上述した図4(b)に示すような履歴情報を参照し、推奨される項目の一例として、選択頻度の高い項目を選定する。例えば、図4(b)の魔法メニューM12からであれば、選択回数の最も多い「炎の魔法」コマンドを選定し、同様に、炎の魔法メニューM121からであれば、選択回数の最も多い「△△フレア」コマンドを選定する。
【0064】
項目選択装置100は、選定した推奨項目がタッチ位置と重なる様に、下位メニューを表示する。
すなわち、表示制御部150は、タッチ位置と重なるように、後続する下位メニューを描画して、表示部120に表示させる。具体的には、上述した図7(a),(c)に示すように、表示制御部150は、選定したコマンドの表示位置がタッチ位置(タッチ位置P1,P2)と重なるように下位メニュー(魔法メニューM12,炎の魔法メニューM121)を描画する。
そして、項目選択装置100は、上述したステップS202に処理を戻す。つまり、新たな下位メニューに対するタッチ操作を待機し、タッチ操作がなされた場合(項目に対するタッチ操作がなされた場合)に、タッチ位置の項目を選択することになる。
【0065】
そして、上述したステップS206にて、下位メニューがないと判別されると(ステップS206;No)、その項目を決定する(ステップS209)。
すなわち、選択部140は、最下位のメニューから、項目が選択された場合に、その項目をユーザにより指示された項目として決定する。具体的には、上述した図7(d)に示すように、最下位の炎の魔法メニューM121からコマンドC122(△△フレアコマンド)が選択されると、そのコマンドC122を決定する。
このようにして決定されたコマンドは、RPGにおけるユーザの選択コマンドとして入力され、ゲームが続けられる。
【0066】
このような項目選択処理において、上位メニューから項目が選択された位置(つまり、タッチ位置)に、下位メニューにおける推奨項目が重なるように、下位メニューが表示されるため、ユーザは、指等をスライド移動させることなくタッチ操作を繰り返すことで、一連の項目を選択することができる。
【0067】
この結果、一連の項目を複数回に亘って順次選択するような状況においても、項目選択の操作性を適切に高めることができる。
【0068】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、過去全ての選択履歴(過去に選択された各項目の総数)に基づいて推奨項目を選定する場合について説明したが、所定の期間内または所定の回数内の選択履歴に基づいて推奨項目を選定してもよい。
例えば、メインメニュー又はメニュー毎に記憶できる選択履歴の回数に制限を設け、それ以上の回数については、過去の選択履歴を削除して新たな選択履歴に入れ替えるようにしてもよい。このようにすることで、過去頻繁に選択していた項目内容と最近頻繁に選択する項目内容が異なっている場合であっても、直近の選択に応じて推奨項目を選定するため、ユーザの選択傾向の変化にも柔軟に対応した推奨項目を表示することができる。
また、選択項目および選択時間(日時等)を対応付けた選択履歴を記憶するようにし、この選択時間から所定期間が経過している選択履歴を削除するようにしてもよい。このようにすることで、近年選択していなかった選択履歴が履歴情報から削除されるため、ユーザの選択意志の変化にも柔軟に対応した推奨項目を表示することができる。
【0069】
上記の実施形態では、階層化されたメニューから各項目を順次選択する場合について説明したが、このような各メニューから項目を選択する場合に限られず、他にダイアログ等から項目を選択する場合にも適宜適用可能である。
また、上記の実施形態では、推奨される項目として、履歴情報を基に選択頻度の高い項目(選択回数の多い項目)を選定する場合について説明したが、このような選定は一例であり、例えば、標準的に選択されるべき項目が定められている場合には、履歴等を考慮せずに、そのような項目を選定してもよい。
以下、具体的に、関連するダイアログから項目を選定する場合について説明する。
【0070】
まず、記憶部110は、種々のダイアログ情報を更に記憶している。例えば、ゲームの終了時にセーブを促すダイアログや、そのダイアログに関連して、ユーザによる確認を促すダイアログ等の情報を記憶している。なお、各ダイアログには、「はい」,「いいえ」等の項目が含まれている。また、確認を促すダイアログには、一例として、「はい」の項目が標準的に選択されるべき項目として定められているものとする。
そして、表示制御部150は、ダイアログを提示する必要が生じると、最初のダイアログを所定位置(例えば、予め決められた位置)に描画する。一例として、ユーザからゲームを終了する指示がなされた場合に、表示制御部150は、図9(a)に示すように、ダイアログD1を予め決められた位置に描画する。
【0071】
この状況で、ユーザがセーブを望まない場合には、図9(b)に示すように、指Fにて「いいえ」(項目k2)をタッチすることになる。つまり、位置受付部130によりタッチ位置P4が取得され、選択部140により項目k2が選択される。
この項目(「いいえ」)には、ユーザによる確認を促すダイアログが関連付けられており、ダイアログD1を消去した後に、表示制御部150は、図9(c)に示すように、タッチ位置P4と重なるようにダイアログD2を描画する。
すなわち、表示制御部150は、記憶部110からダイアログ情報を参照して、関連するダイアログ(この場合、確認を促すダイアログ)を特定する。そして、上述したように、確認を促すダイアログには、「はい」の項目が標準的に選択されるべき項目として定められているため、表示制御部150は、図9(c)に示すように、その「はい」の表示位置がタッチ位置P4と重なるようにダイアログD2を描画する。この図の場合でも、一例として、「はい」の項目の中心が、タッチ位置P4と重なるようにダイアログD2を描画している。
このように、先行するダイアログの項目が選択された位置(つまり、タッチ位置)に、後続するダイアログの推奨される項目(一例として、標準的に選択されるべき項目)が重なるように、ダイアログが表示されるため、ユーザは、指等をスライド移動させることなくタッチ操作を繰り返すことで、一連の項目を選択することができる。
この結果、一連の項目を複数回に亘って順次選択するような状況においても、項目選択の操作性を適切に高めることができる。
【0072】
上記の実施形態では、タッチ操作により項目が選択されると、元のメニューやダイアログを消去した後、後続するメニューやダイアログをタッチ位置に重ねて表示する場合について説明したが、元のメニュー等を消去せずに、後続するメニュー等をその上に重ねて表示してもよい。また、その際、元のメニュー等の表示位置をずらして、全部又は主要部が視認できるようにしてもよい。
以下、具体的に、上位のメニューをずらして表示する場合について説明する。
【0073】
図10(a)に示すように、最上位のメインメニューM1からタッチ位置P1が取得され、コマンドC2が選択されると、表示制御部150は、メインメニューM1を所定方向(例えば、タッチ位置から左辺又は右辺までの距離が長い方向)に、所定距離(一例として、メニューの横幅に対して7割の長さ)だけ移動させる。
具体的に表示制御部150は、図10(b)に示すように、メインメニューM1を左方向に所定距離移動させた後に、タッチ位置P1と重なるように、後続する魔法メニューM12を描画する。この場合も、上記の実施形態と同様に、魔法メニューM12において推奨される項目である「炎の魔法」コマンドを選定し、その「炎の魔法」コマンドの表示位置がタッチ位置P1と重なるように魔法メニューM12を描画する。
【0074】
この状態から、図10(c)に示すように、タッチ位置P2が取得され、コマンドC11(炎の魔法コマンド)が選択されると、表示制御部150は、メインメニューM1及び魔法メニューM12をそれぞれ所定方向に、所定距離だけ移動させる。
具体的に表示制御部150は、図10(d)に示すように、メインメニューM1及び魔法メニューM12を左方向に所定距離移動させた後に、タッチ位置P2と重なるように、後続する炎の魔法メニューM121を描画する。この場合も、上記の実施形態と同様に、炎の魔法メニューM121において推奨される項目である「△△フレア」コマンドを選定し、その「△△フレア」コマンドの表示位置がタッチ位置P2と重なるように炎の魔法メニューM121を描画する。
このように、先行するメニューから項目が選択されると、先行するメニューの表示位置をずらした後、タッチ位置に、後続するメニューの推奨される項目が重なるように、メニューが表示される。このため、ユーザは、選択の経過を把握しながら、指等をスライド移動させることなくタッチ操作を繰り返すことで、一連の項目を選択することができる。
この結果、一連の項目を複数回に亘って順次選択するような状況においても、項目選択の操作性を適切に高めることができる。
【0075】
また、上記の実施形態では、上位のメニューの全てが視認できるように順次横にずらして表示する場合について説明したが、上位メニューの表示方法はこれに限られず、直前の上位メニューのみを視認できる状態にずらし、それ以前の上位メニューに関しては重ねて表示するようにしてもよい。
例えば、図11(a)に示すように、最上位のメインメニューM1とその下位の魔法メニューM12が表示されている状態で、タッチ位置P1が取得され、魔法メニューM12の中から「炎の魔法」コマンドが選択された場合について説明する。
この場合、表示制御部150は、図11(b)に示すように、メインメニューM1と水平方向がほぼ重なるように、魔法メニューM12を左方向に移動させた後に、タッチ位置P1と重なるように、後続する炎の魔法メニューM121を描画する。
このようにすることで、上位のメニューだけはユーザが視認できるようにしながらも、画面をメニューが覆う面積を少なく抑えることができる。
この他にも、表示制御部150は、図11(c)に示すように、メインメニューM1と魔法メニューM12とを水平位置を入れ替えるようにそれぞれ移動させた後に、タッチ位置P1と重なるように、後続する炎の魔法メニューM121を描画してもよい。
このようにすることで、表示されている各メニューが交互にずれて並ぶことになり、現在のメニューまでの個数等を容易に把握することができる。
【0076】
また、上記の実施形態では、ユーザのタッチ操作がいずれかの項目と一致するか否かのみで項目選択を判別する場合について説明したが、項目の選択はこの様な手法に限られず、いずれかの項目と一致するタッチ操作が所定時間以上継続された場合に、その項目の選択を判別するようにしてもよい。
具体的には、メニューが表示された後、何れかの項目に対してタッチ操作がなされた状態での継続時間を計測し、当該継続時間が所定の基準時間(一例として、2秒)を経過した場合に、当該項目が選択されたと判断する。
このような判別を、上位のメニューから下位のメニューに至るまで、行うようにすることで、ユーザはメニュー毎にタッチ動作を繰り返す(メニュー毎に、画面に触れては離す操作を繰り返す)ことなく、同一箇所をタッチ操作し続けることで、自身の選択履歴に基づいた項目を順次選択していくことができる。
本構成は、後述する背面タッチパネルのように指で表示項目を隠す事の無い場合に特に有効である。
【0077】
また、上記の実施形態では、メニューから外れたタッチ操作が行われた場合に、直ちに上位のメニューに表示を戻して再開する場合について説明したが、上位メニューに戻す手法はこれに限られず、適宜変更可能である。
例えば、メニューから外れたタッチ操作が所定回数以上なされた場合に、上位メニューに戻すようにしてもよい。
また、この他にも、例えば、メニュー表示から有効なタッチ操作がないまま所定時間以上経過した場合に、上位メニューに戻すようにしてもよい。
【0078】
また、上記の実施形態では、表示部に重畳されたタッチパネルをタッチ操作する場合について説明したが、例えば、タッチパネルが表示部の背面に配置されている場合にも適宜適用可能である。
具体的には、背面タッチパネルとよばれ、表示部の背面にタッチパネルが配置されており、ユーザが指等で表示部の裏側をタッチ操作することができるゲーム装置にも適用可能である。
【0079】
上記の実施形態では、タッチ操作により項目を選択する場合について説明したが、このようなタッチ操作に限られず、他のポインティングデバイス等により、位置を指定して項目を選択する場合にも適宜適用可能である。
例えば、マウス等によりカーソルを移動させて、カーソル位置で所定の操作(一例として、クリック操作)を行って項目を選択する場合では、クリック操作時のカーソル位置に重なるように、後続するメニュー等を表示する。
この場合も、上位メニュー等から項目が選択された位置(つまり、クリック位置)に、下位メニューにおける推奨項目が重なるように、下位メニューを表示することで、ユーザは、カーソルを移動させることなくクリック操作を繰り返すことで、一連の項目を選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明したように、本発明によれば、項目選択の操作性を適切に高めることのできる項目選択装置、項目選択方法、および、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 ゲーム装置
10 処理制御部
11 コネクタ
12 カートリッジ
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 操作キー
18 第1の表示部
19 第2の表示部
20 タッチパネル
100 項目選択装置
110 記憶部
120 表示部
130 位置受付部
140 選択部
150 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択対象となる項目を画面に表示する表示部と、
前記画面内の位置の指定を受け付ける位置受付部と、
受け付けられた前記位置に表示されている前記項目を選択する選択部と、
第1の項目が選択された後、前記位置と重なるように、後続する第2の項目を表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする項目選択装置。
【請求項2】
選択対象となる複数の項目を含んだ項目群を画面に表示する表示部と、
前記画面内のタッチ位置を、タッチパネルを介して受け付ける位置受付部と、
受け付けられた前記タッチ位置に基づいて、前記項目群から1つの項目を選択する選択部と、
第1の項目群の何れかの項目が選択された後、後続する第2の項目群において推奨される項目が、前記タッチ位置と重なるように、当該第2の項目群を表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする項目選択装置。
【請求項3】
請求項2に記載の項目選択装置であって、
前記第1の項目群の項目と、前記第2の項目群の項目との選択履歴に基づいて、前記第1の項目群から何れかの項目が選択された際に、前記第2の項目群において推奨される項目を決定する決定部を更に備え、
前記表示制御部は、前記決定部に決定された前記項目が前記タッチ位置と重なるように、前記第2の項目群を表示する、
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の項目選択装置であって、
前記項目群は、階層化されており、
前記表示制御部は、上位の階層となる前記第1の項目群から項目が選択され、下位の階層となる前記第2の項目群を表示する際に、前記タッチ位置から前記第1の項目群をずらして表示する、
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項5】
表示部、位置受付部、選択部、及び、表示制御部を備えた項目選択装置が実行する項目選択方法であって、
前記表示部が、選択対象となる項目を画面に表示する表示工程と、
前記位置受付部が、前記画面内の位置の指定を受け付ける位置受付工程と、
前記選択部が、受け付けられた前記位置に表示されている前記項目を選択する選択工程と、
前記表示制御部が、第1の項目が選択された後、前記位置と重なるように、後続する第2の項目を表示する表示制御工程と、
を備えることを特徴とする項目選択方法。
【請求項6】
コンピュータを、
選択対象となる項目を画面に表示する表示部、
前記画面内の位置の指定を受け付ける位置受付部、
受け付けられた前記位置に表示されている前記項目を選択する選択部、
第1の項目が選択された後、前記位置と重なるように、後続する第2の項目を表示する表示制御部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−73479(P2013−73479A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212997(P2011−212997)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】