説明

項目選択装置、項目選択方法、ならびに、プログラム

【課題】ユーザが複数の項目から1つの項目を容易に選択して決定できる項目選択装置等を提供する。
【解決手段】項目選択装置201の表示部203は、記憶部202に記憶された複数の項目を第1表示領域に表示し、第1表示領域の部分領域に含まれる項目を第2表示領域に拡大表示し、入力受付部204は、位置を指定する指定入力を受け付け、表示更新部205は、指定された位置を含むように部分領域を移動してから表示部203に表示更新をさせ、出力更新部206は、記憶部202に記憶された選択候補と同じ項目の位置が指定されていれば、当該項目を選択結果として出力し、記憶部202に記憶された選択候補と異なる項目の位置が指定されていれば、当該指定された位置の項目を新たな選択候補として記憶部202に記憶させて更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが、複数の項目から1つの項目を、容易に選択して決定するのに好適な項目選択装置、項目選択方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、汎用ゲーム装置や専用ゲーム筐体などのコンピュータ上で、プレイヤーに麻雀やトランプ、花札などのゲームのプレイをさせるコンピュータシステムが提供されている。これらのゲームにおいては、たとえば、捨て牌や捨て札を決定するため、手牌や手札からいずれかの牌や札をプレイヤーに選択させる処理が必要となる。
【0003】
このような選択決定は、麻雀やトランプ、花札などに限らず、複数の項目からいずれかの項目を処理対象としてユーザに選択させる処理が必要となる局面は、一般のコンピュータシステムにおいても頻繁に生じる。
【0004】
このようなシステムに関連する技術は、以下の文献に開示されている。
【特許文献1】特許第3443417号公報
【特許文献2】特許第3123558号公報
【0005】
[特許文献1]においては、麻雀等のゲームをプレイヤーにプレイさせるためのコンピュータシステムが提案されている。
【0006】
[特許文献2]においては、タッチペンを使用して項目の選択入力を行う情報入力装置において、ある項目に対してペンダウンしたときに、当該項目を表示する第1領域を含み、これより広い第2領域をペンアップの領域とし、ペンダウンが第1領域内でペンアップが第2領域内で行われれば、当該項目が選択されたものとする技術が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、麻雀やトランプ、花札などにおいては、手札や手牌の数が多くなることも多く、画面に単純に表示すると、項目の表示領域が小さくなってしまうため、指定ミスが生じやすくなる。また、マウスやタッチペンによる指定ではなく、タッチパネルを指で押すことによる指定では、指の太さのために入力精度が落ちるため、指定ミスが生じやすくなる。
【0008】
したがって、項目の数が多くなったり、入力精度が落ちるような場合であっても、選択ミスが起きにくいような項目選択の技術が強く望まれている。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、ユーザが、複数の項目から1つの項目を、容易に選択して決定するのに好適な項目選択装置、項目選択方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0011】
本発明の第1の観点に係る項目選択装置は、記憶部、表示部、入力受付部、表示更新部、出力更新部を備え、以下のように構成する。
【0012】
まず、記憶部は、いずれか1つを選択可能な複数の項目を記憶し、当該複数の項目のうちいずれか1つを選択候補として記憶する。
【0013】
たとえば麻雀の場合には、あるプレイヤーが自模した直後の手牌(典型的には14枚の牌)が複数の項目に相当し、これから捨て牌を1枚選択することとなる。本発明では、さらに、記憶部にこれらの手牌からいずれか1枚を選択候補とする旨を記憶する。選択候補という概念を採用することによって、選択ミスを防止するのである。以下、麻雀を適宜例にとりあげて説明する。
【0014】
なお、常にいずれか1つの項目が選択候補となるように構成しても良いし、ある局面(たとえば、自模直後のユーザの選択待ちである初期状態)では、いずれの項目も選択候補とならないような構成を採用しても良い。
【0015】
一方、表示部は、画面内に第1表示領域と第2表示領域とを有し、当該第1表示領域に、記憶された複数の項目のすべてを表示し、当該第2表示領域に、当該第1表示領域の部分領域に表示される項目を拡大して表示し、当該第1表示領域および当該第2表示領域に当該選択候補である項目が表示されていれば、当該選択候補である項目を強調表示する。
【0016】
上記の例でいえば、第1領域には、14枚の手牌がすべて表示され、第2領域には、その手牌の一部が拡大して表示されることとなる。また、選択候補(捨て牌の候補に相当する。)については、強調表示を行って、他の牌とは異なる表示形態を採用する。
【0017】
さらに、入力受付部は、当該画面内の位置を指定する位置入力を受け付ける。
【0018】
典型的には、マウスによるクリック、タッチペンや指によるタッチパネルに対するタップ(押圧操作)などにより、画面内の位置が指定される。以下、タップによる位置入力を適宜例にとりあげて説明する。
【0019】
そして、表示更新部は、入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、当該第1表示領域に含まれる場合、当該指定された位置に応じて当該第1表示領域における当該部分領域の位置を更新して、表示部に表示させる。
【0020】
すなわち、第1表示領域において位置指定がされると、当該位置指定がされた位置の近傍(この範囲が「部分領域」に相当する。)に配置されている項目が、第2領域に拡大表示されることになる。コンピュータで絵を描くツールで採用されているルーペ機能に類似する機能である。なお、拡大表示の際には、第1表示領域に表示されている画素をそのまま拡大表示することとしても良いし、各項目について、第1表示領域用の小さい画像と第2表示領域用の大きい画像の2つを用意して、これらを適宜使用することとしても良い。
【0021】
たとえば、部分領域の移動可能範囲を第1表示領域内であらかじめ定めておき、部分領域(の中心)の位置と指定された位置との距離が最短となるような位置に、当該部分領域を移動させる手法や、当該部分領域内に指定された位置が含まれるような位置に、当該部分領域を移動させる手法が採用できる。
【0022】
第1表示領域内で、ある牌(や、その牌の上方や、下方)をタップすると、その牌を中心とするように部分領域の位置を更新して第2表示領域で拡大表示をするのが典型的である。
【0023】
タップした位置を中心とするように部分領域の位置を設定するのが最も一般的である。たとえば、部分領域が横方向にしか移動できない場合は、タップした位置の横方向の座標のみを考慮して、この座標に部分領域の座標を連動させれば良い。また、部分領域が移動可能な位置に制限がある場合には、タップした位置と中心位置ができるだけ近くなるようにするのが典型的である。
【0024】
一方、出力更新部は、入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(p)当該第1表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう記憶部を更新し、
(q)当該第2表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、当該選択候補である項目を選択結果として出力する。
【0025】
すなわち、プレイヤーは捨て牌としたい牌を第1表示領域内で探してタップする。すると、当該捨て牌としたい牌を含む近傍が、第2表示領域内に拡大表示されるとともに、当該牌が選択候補となる。そこで、プレイヤーは、第2表示領域内でもう一度捨て牌としたい牌(現在の選択候補で、強調表示されている。)をタップする。すると、その牌が捨て牌として選択決定されるのである。
【0026】
本発明によれば、第1表示領域において所望の項目の表示位置をユーザに指定させて、当該所望の項目の近傍を第2表示領域において拡大表示し、ついで、第2表示領域において拡大表示されている所望の項目の表示位置をユーザに指定させることで、項目の数が多い場合や位置指定の精度が低い場合であっても、項目の選択決定の際に選択ミスが生じる可能性を減少させることができる。
【0027】
また、本発明の項目選択装置において、出力更新部は、入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(r)当該第1表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、記憶部における当該選択候補を維持し、
(s)当該第2表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、記憶部において、当該選択候補を維持する
ように構成することができる。
【0028】
本発明においては、いずれかの牌を所望の捨て牌とするには、まずその牌を第1表示領域でタップし、しかる後に第2表示領域でその牌をタップする、という処理が必要となる。第1表示領域で選択候補となっている牌をタップしたり、第2表示領域で選択候補となっていない牌をタップしたとしても、その牌が新たな選択候補となったり、捨て牌として選択決定されることはない。
【0029】
本発明によれば、第1表示領域におけるタップと第2表示領域におけるタップとが同じ項目に対して連続して行われることを、当該項目の選択決定の要件とするため、選択ミスが生じるのをできるだけ防止することができる。
【0030】
また、本発明の項目選択装置において、出力更新部は、入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(t)当該第1表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、当該選択候補である項目を選択結果として出力し、
(u)当該第2表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう記憶部を更新する
ように構成することができる。
【0031】
すなわち、本発明においては、選択項目を変更したい場合には、第1表示領域と第2表示領域の、いずれかにおいて所望の項目をタップすれば良い。また、現在の選択項目を選択結果として決定したい場合には、第1表示領域と第2表示領域の、いずれかにおいて強調表示されている項目をタップすれば良い。
【0032】
本発明によれば、選択ミスが生じるのを防止できるほか、第1表示領域に対するユーザの操作と第2表示領域に対するユーザの操作とを同等に扱うことによって、ユーザによる操作入力の自由度を増し、スムースに項目の選択ができるようになる。
【0033】
また、本発明の項目選択装置において、出力更新部は、入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(v)当該第1表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、記憶部における当該選択候補を維持する
(w)当該第2表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう記憶部を更新する
ように構成することができる。
【0034】
すなわち、本発明においては、選択項目を変更したい場合には、第1表示領域と第2表示領域の、いずれかにおいて所望の項目をタップすれば良いが、現在の選択項目を選択結果として決定したい場合には、第2表示領域において強調表示されている項目をタップする必要がある。
【0035】
本発明によれば、選択項目の変更については、第1表示領域と第2表示領域とを同等に扱うが、選択項目を選択結果として決定する際には、拡大表示がされている第2表示領域で行うこととして、ユーザによる操作入力の自由度を増する一方で、間違いが少なくなるように項目の選択ができるようになる。
【0036】
また、本発明の項目選択装置において、表示部は、当該第1表示領域と当該第2表示領域との少なくとも一方にて、当該複数の項目を第1方向に並べて表示し、当該選択候補である項目を当該第1方向とは異なる第2方向にずらして表示して、当該選択候補である項目を強調表示するように構成することができる。
【0037】
たとえば麻雀においては、14枚の牌を横方向(第1方向)に一列に並べて提示するが、強調表示される牌については、他の牌に比べて少し上(第2方向)に位置をずらす。この場合、第1方向と第2方向は直交しているが、斜めに位置をずらすことで牌を立体的に見せる手法などを採用しても良い。
【0038】
本発明は、上記発明の好適実施形態に係るもので、表示位置をずらすことで、現在の選択候補をわかりやすくユーザに提示することができるようになる。
【0039】
また、本発明の項目選択装置において、表示更新部は、当該部分領域の全体が当該第1表示領域に含まれ、当該部分領域の中心と当該指定された位置との距離ができるだけ短くなるように、当該部分領域を当該第1方向に移動させて、当該第1表示領域における当該部分領域の位置を更新するように構成することができる。
【0040】
上記のように、第1表示領域内で、ある牌(や、その牌の上方や、下方)をタップすると、その牌を中心とするように部分領域の位置を更新して第2表示領域で拡大表示をするのが典型的であるが、タップされた牌が手牌の中で端に配置されている場合、第2表示領域に牌が表示されない領域が生じてしまう。すなわち、部分領域の一部が第1表示領域からはみ出している場合である。
【0041】
本発明では、第2表示領域に提示する項目の数をできるだけ増やすもので、麻雀の場合には、部分領域を横方向に移動させるものの、部分領域が第1表示領域からはみ出さないようにする。
【0042】
本発明によれば、第2表示領域に拡大表示される項目の個数を多くして、第2表示領域でユーザが確認したり操作対象とすることができる項目をできるだけ増やし、操作を容易に行えるようにすることができる。
【0043】
また、本発明の項目選択装置において、表示部は、当該画面において、当該第1表示領域に含まれる当該部分領域を他の領域とは異なる体裁で表示するように構成することができる。
【0044】
たとえば、麻雀の場合、手牌の背景(麻雀卓の表面のフェルト地の色)は緑色で表示されることが多いが、部分領域においては、その緑色の明度を変化させて(典型的には、明るくして)表示したり、部分領域の枠を実線や点線で描くこととする。
【0045】
本発明によれば、第2表示領域内に拡大表示されている項目が、第1表示領域内ではどの場所に位置するのか、を、ユーザは容易に確認できるようになる。
【0046】
本発明のその他の観点に係る項目選択方法は、いずれか1つを選択可能な複数の項目を記憶し、当該複数の項目のうちいずれか1つを選択候補として記憶する記憶部、画面内に第1表示領域と第2表示領域とを有する表示部、入力受付部、表示更新部、出力更新部を有する項目選択装置にて実行され、表示工程、入力受付工程、表示更新工程、出力更新工程を備え、以下のように構成する。
【0047】
すなわち、表示工程では、表示部が、当該第1表示領域に、記憶された複数の項目のすべてを表示し、当該第2表示領域に、当該第1表示領域の部分領域に表示される項目を拡大して表示し、当該第1表示領域および当該第2表示領域に当該選択候補である項目が表示されていれば、当該選択候補である項目を強調表示する。
【0048】
一方、入力受付工程では、入力受付部が、当該画面内の位置を指定する位置入力を受け付ける。
【0049】
さらに、表示更新工程では、表示更新部が、入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、当該第1表示領域に含まれる場合、当該部分領域が当該指定された位置を含むように、当該第1表示領域における当該部分領域の位置を更新して、表示部に表示させる。
【0050】
さらに、出力更新工程では、入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(p)当該第1表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、出力更新部が、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう記憶部を更新し、
(q)当該第2表示領域において、記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、出力更新部が、当該選択候補である項目を選択結果として出力する。
【0051】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記の項目選択装置として機能させ、コンピュータに上記の項目選択方法を実行させるように構成する。
【0052】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【0053】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、ユーザが、複数の項目から1つの項目を、容易に選択して決定するのに好適な項目選択装置、項目選択方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0056】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の実施形態に係る項目選択装置の機能を果たす典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0057】
情報処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ROM(Read Only Memory)104と、入力装置105と、画像処理部106と、液晶ディスプレイ107と、音声処理部108と、スピーカ109と、カセットリーダ110と、を備える。
【0058】
CPU 102は、情報処理装置101の各部の制御を行う。RAM 103の記憶域、ROM 104の記憶域、カセットリーダ110に挿入されたROMカセット111の記憶域は、いずれも、CPU 102が管理する1つのメモリ空間にマップされており、CPU 102は、それぞれの記憶域がマップされるアドレスを読み出せば、それぞれに記憶されている情報を取得することができる。また、RAM 103の記憶域には、書き込みも可能である。
【0059】
このほか、CPU 102が画像処理部106や音声処理部108に対して各種の指示を行う際や、これらのほか、入力装置105から情報を取得する際の、窓口となるレジスタも、当該メモリ空間にマップされており、所定のアドレスにコマンドを表すデータ書き込みを行えば指示をすることができ、所定のアドレスからデータを読み出せば、情報を取得することができる。
【0060】
情報処理装置101の電源が投入されると、CPU 102は、カセットリーダ110に挿入されたROMカセット111の記憶域がマップされたアドレスから開始されるプログラムを実行する。RAM 103は、一時的な記憶域として種々の目的に使用される。ROM 104には、情報処理装置101が提供するBIOS(Basic Input/Output System)ルーチンが記録されており、ROMカセット111内のプログラムから、適宜呼び出すことができる。
【0061】
入力装置105は、方向を表す指示入力を受け付けるボタン、各種の操作を区別する指示入力を受け付けるボタンからの入力をメモリ空間にマップされたレジスタに反映させるほか、液晶ディスプレイ107の表面に貼り付けられたタッチパネルが押圧されているか否か、および押圧されているときのその座標の入力も受け付ける。
【0062】
液晶ディスプレイ107は、画像処理部106によって管理される。メモリ空間にマップされたタイルを記憶するための記憶領域や、オブジェクト属性メモリを記憶するための記憶領域が用いられる。CPU 102が、計算により生成した値を書き込んだり、カセットリーダ110に挿入されたROMカセット111から適切に情報を転送すると、液晶ディスプレイ107にスプライト画像が表示されることとなる。
【0063】
このほか、液晶ディスプレイ107に表示される画像を画素単位で管理するフレームバッファを利用することもでき、液晶ディスプレイ107においてある色をある位置に表示したい場合には、フレームバッファ内のその位置に相当する場所にその色に相当する数値を書き込むと、適切なタイミングで液晶ディスプレイ107にビットマップ画像が表示される。
【0064】
たとえば、16ビットカラー表示320×200ドットの液晶ディスプレイ107の場合、画素1つ分の色は2バイトで表現される。そこで、320×200個の要素(各2バイト)を持つ配列をフレームバッファとしてRAM 103内に用意し、当該配列の要素を1対1に液晶ディスプレイ107の画素に対応させる。当該配列の要素に色を表す16ビットの値を書き込み、適切なタイミングで(たとえば、垂直同期割り込みが発生する周期で)フレームバッファの内容を液晶ディスプレイ107に反映させるように、画像処理部106にて制御を行う。
【0065】
液晶ディスプレイ107の数は1つまたは複数とするのが一般的である。本実施形態では、複数の液晶ディスプレイが存在し、一方の液晶ディスプレイ107は表示専用とし、他方の液晶ディスプレイ107にはタッチパネルが貼り付けられている。
【0066】
したがって、タッチペンや指でタッチパネルをタップすることにより、対応する液晶ディスプレイ107の位置を表す座標値が入力される。すなわち、入力装置105を構成するタッチパネルと液晶ディスプレイ107とは一体となって、タッチスクリーンとして機能することとなる。
【0067】
なお、本情報処理装置101は、典型的な携帯ゲーム装置として利用されるものであるが、本発明の技術は、マウスおよびキーボードとCRT(Cathode Ray Tube)を用いて入力と出力を行うような汎用コンピュータで動作する各種のアプリケーションに適用することも可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0068】
また、以下では、麻雀において、自模した後に14枚の手牌からいずれかの牌を捨て牌として選択決定する局面に、本発明が適用される場合を例にあげて説明するが、表示するものを牌のかわりにトランプや花札の札の絵とすれば、これらのゲームにおいて同様の局面に適用できるほか、GUI(Graphical User Interface)において、複数のメニューアイテムがあるメニューからいずれかのメニューアイテムを選択して対応する処理を実行させるような局面では、牌のかわりにメニューアイテムを表示すれば同様に適用が可能である。すなわち、複数の項目からいずれかの項目を選択する局面であれば本発明を適用することができるのは自明であり、このような種々の実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0069】
図2は、本実施形態に係る項目選択装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0070】
本実施形態に係る項目選択装置201は、記憶部202、表示部203、入力受付部204、表示更新部205、出力更新部206を備える。
【0071】
まず、記憶部202は、いずれか1つを選択可能な複数の項目を記憶し、当該複数の項目のうちいずれか1つを選択候補として記憶する。
【0072】
本実施形態では、あるプレイヤーが自模した直後の手牌(典型的には14枚の牌)が複数の項目に相当し、これから捨て牌を1枚選択する局面における処理を行う。したがって、記憶部202には、現在の手牌が記憶される。
【0073】
このほか、記憶部202には、これらの手牌からいずれか1枚を選択候補とする旨が記憶する。選択候補という概念を採用することによって、選択ミスを防止するのである。
【0074】
図3は、本実施形態で説明の対象とする手牌(複数の項目に相当する。)の様子を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0075】
本図に示すように、処理の対象となる手牌301は、二萬、三萬、四萬、四萬、六萬、一筒、二筒、二筒、二索、二索、四索、六索、東が手に入っている牌302であった状態(牌の種類ごとにソートすることによって理牌されている。)において、四萬という牌302を自模してきた状態である。
【0076】
一般に麻雀では、自模牌を捨て牌として選択する局面が多い。そこで、ここでの説明では、自模牌302である四萬302Aが、最初の捨て牌の選択候補となっている。本実施形態では、他の牌302とは上下方向に自模牌302の表示をずらすことによって、捨て牌の選択候補であることを示すこととしている。したがって、本図では、右端に配置された自模牌302である四萬302Aが、選択候補となっており、配置位置が上にずれている。
【0077】
本実施形態では、このような手牌301から、いずれかの牌302を1枚選択決定して捨て牌とするために、本発明が適用される。
【0078】
したがって、記憶部202には、以下のような情報が適宜記憶される。
(1)現在の手牌301に含まれる牌302の識別番号。麻雀では、牌302として136枚が使用されるため、識別番号として、1〜136を使用することとし、手牌14枚に対して要素数14のバイト配列に当該識別番号が記憶されるものとする。
【0079】
(2)現在の選択候補のバイト配列におけるインデックス値。要素数14のバイト配列におけるインデックスの範囲は1〜14と考えることができるので、当該インデックス値が1〜14であれば、そのインデックス番目のバイト配列に記憶された識別番号を有する牌302が、現在の選択候補の項目となる。なお、当該インデックス値として配列の添字の範囲外の値(たとえば、0や−1)が記録されている場合は、選択候補がないことになる。
【0080】
これらの情報から、ROMカセット111に記憶された牌302を液晶ディスプレイ107に表示する際のグラフィックス画像を取得したり、選択候補の牌302が存在すれば、その表示位置をずらしたりすることができるようになる。
【0081】
(3)表示画面における部分領域の位置。この詳細については後述する。
(4)その他、各種の項目選択に必要な一時情報。
【0082】
このように、CPU 101の制御の下、RAM 103が記憶部202として機能することとなる。
【0083】
図4は、本実施形態の項目選択装置にて実行される項目選択処理の制御の流れを示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0084】
本項目選択処理が起動されると、CPU 101は、RAM 103から構成される記憶部202の部分領域の位置等の情報を初期化する(ステップS401)。上記のように、本処理は、手牌301がすべて揃った時点で起動されるので、記憶部202におけるバイト配列には、すでに牌302の識別番号が記憶されており、また自模牌302のバイト配列におけるインデックスが選択候補として記憶されている。部分領域の位置の初期値については、後述する。
【0085】
ついで、CPU 101は、RAM 103内に記憶された情報およびROMカセット111内に記憶された情報に基づいて、画面表示する画像を生成し(ステップS402)、垂直同期割込が生じるまで待機してから(ステップS403)、生成された画像を液晶ディスプレイ107に表示する(ステップS404)。なお、ステップS403の待機中には、他の処理をコルーチン的に実行することができる。したがって、CPU 101は、RAM 103および液晶ディスプレイ107と共働して、表示部203として機能する。
【0086】
図5は、ステップS402において生成され、ステップS404において表示される画像の表示例を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0087】
表示画面501は、上方に第1表示領域502が、下方に第2表示領域503が、それぞれ用意されている。これらの領域は、本図では、一点鎖線により示している。
【0088】
そして、第1表示領域502には、図3に示したものと同様の手牌301(本図では符号を省略している。)が、すべて表示されている。
【0089】
このほか、第1表示領域502には、点線で囲まれた部分領域504が、自模牌302(本図では符号を省略している。)である四萬302Aを含むような位置に配置されている。
【0090】
そして、第2表示領域503には、第1表示領域502において部分領域504に囲まれた領域の画像が、拡大して表示されている。
【0091】
この拡大表示には、第1表示領域502の部分領域504内に配置された画素を拡大して第2表示領域503に転写して拡大表示を行うこととしても良いし、第2表示領域503専用の牌の画像を別途ROMカセット111内に用意しておき、部分領域504の位置に合わせて、第2表示領域503内に描画を行うこととしても良い。
【0092】
選択候補の自模牌302である四萬302Aは、第1表示領域502および第2表示領域503の両方において、他の牌302とは上方向にずれた位置に表示することにより、強調表示を行っている。
【0093】
なお、選択候補の強調表示については、本例に示す手法の他、当該選択候補の項目の明度を明るく変化させたり、各種のカーソルが当該選択候補の項目を指すように表示したり、立体的な絵柄を採用した場合に斜め方向にずらすように表示したりする手法が考えられる。
【0094】
また、第1表示領域502内における部分領域504の位置が明確にわかるようにするため、部分領域504の外枠を点線で囲む手法を採用することができるが、このほか、部分領域504における背景の色や明るさを、部分領域504以外における背景の色や明るさと異なるものとするなど、表示の体裁を異なるものとする手法を採用しても良い。
【0095】
ユーザは、手牌301全体における現在の選択候補の位置を見たい場合には、第1表示領域502を参照すれば良いし、現在の手牌の一部(選択候補の項目が含まれる場合がほとんどであるが、より正確には、部分領域504に囲まれた項目。)をよく確認したい場合は、第2表示領域503を参照すれば良い。
【0096】
ステップS401における初期化では、このように、選択候補とされている牌が部分領域504に含まれるような位置に、部分領域504の位置を初期化するのである。本実施例では、選択候補の初期値は、右端の自模牌302Aであるから、部分領域504は、第1表示領域502の右端から一定の間隔をもって配置されている。
【0097】
ユーザは、液晶ディスプレイ107の上に貼られたタッチスクリーンをタッチペンや指でタップすることにより、これらの牌を選択候補としたり、捨て牌として選択決定したりすることができるのである。以下、詳細に説明する。
【0098】
ステップS404において画面表示がされた後は、入力受付部204は、ユーザからの指示入力を取得する(ステップS405)。ユーザからの指示入力には、以下のような種類がある。
(1)第1表示領域502内のいずれかの位置をタップして指定する位置入力(ステップS405;第1表示領域内)。
(2)第2表示領域503内のいずれかの位置をタップして指定する位置入力(ステップS405;第2表示領域内)。
(3)それ以外の指示入力。たとえば、ユーザが各種のハードウェアボタンを押圧操作した場合や、ソフトウェアボタン(たとえば麻雀において、自模アガリが成立する場合や、暗槓が可能である場合に、これを選択するか否かをユーザに決定させるボタン)が表示されることとなり、これをユーザが選択した場合(ステップS405;その他)。
(4)指示入力がない場合(ステップS405;なし)、ステップS402に戻る。
【0099】
したがって、液晶ディスプレイ107に貼り付けられたタッチパネルやマウスなどの入力装置105が、CPU 101と共働して、入力受付部204として機能する。
【0100】
以下では、まず、上記(1)の場合の処理の流れを説明する。第1表示領域502内のいずれかの位置を指定する位置入力がされた場合(ステップS405;第1表示領域内)、当該指定位置に合わせて、記憶部202に記憶される部分領域504の位置を更新する(ステップS406)。
【0101】
図6は、第1表示領域502内がタップされた後に、部分領域504の位置がどこに移動するかを示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0102】
本図においては、理解を容易にするため、タップされた位置を示す十字線505を図示するとともに、当該十字線505の位置がタップされた後に、部分領域504が移動する先の位置を示している。
【0103】
本図(a)では、四萬302Bをタップした後の様子を示している。十字線505の横方向の位置が、部分領域504の中央の横方向の位置と一致するように、部分領域504を横方向に移動している。
【0104】
本図(b)では、六萬302Cの上側背景をタップした後の様子を示している。十字線505の横方向の位置が、部分領域504の中央の横方向の位置と一致するように、部分領域504を横方向に移動している。
【0105】
本図(c)では、三萬302Dの上側背景をタップした後の様子を示している。十字線505の横方向の位置が、部分領域504の中央の横方向の位置と一致するように、部分領域504を横方向に移動すると、部分領域504が左側の移動限界を超えてしまうため、本図(a)と同じ位置(部分領域504の左側の移動限界)に部分領域504が移動されている。
【0106】
また、本例では、十字線505の位置は、部分領域504に含まれていないが、十字線505の横位置に部分領域の横位置が連動していることがわかる。もっとも、部分領域504の高さと第1表示領域502の高さとを一致させれば、十字線505の位置を部分領域504が必ず含むように設定することは可能である。
【0107】
本図(d)では、東302Eをタップした後の様子を示している。十字線505の横方向の位置が、部分領域504の中央の横方向の位置と一致するように、部分領域504を横方向に移動すると、部分領域504が右側の移動限界を超えてしまうため、図5と同じ位置(部分領域504の左側の移動限界)に部分領域504が移動されている。
【0108】
本図(e)では、四索302Fをタップした後の様子を示している。十字線505の横方向の位置が、部分領域504の中央の横方向の位置と一致するように、部分領域504を横方向に移動している。
【0109】
このように、部分領域504は、第1表示領域502内においてユーザがタップした位置に合わせて横方向に移動されるが、左右の移動限界を超えてしまう場合には、その移動限界まで移動される。このようにして、第2表示領域503に拡大表示される領域が変更されるのである。
【0110】
このように部分領域504を移動するということは、部分領域504の全体が第1表示領域502に含まれ、部分領域504の中心とタップされた位置との距離ができるだけ短くなるように移動していることに相当する。
【0111】
部分領域504の位置が移動されると、次にステップS402に至った場合に生成される画像において、第2表示領域503に配置される牌302が変化する。したがって、CPU 101は、RAM 103等と共働して、表示更新部205として機能する。
【0112】
このように、部分領域504を横方向に移動させるものの、部分領域504が第1表示領域502からはみ出さないようにすることで、第2表示領域503に提示する項目の数をできるだけ増やすことができ、第2表示領域503でユーザが確認したり操作対象とすることができる項目をできるだけ増やし、操作を容易に行えるようにすることができる。
【0113】
さて、部分領域504を移動した後、CPU 101は、第1表示領域502内において、いずれかの牌302がタップされたか否かを判定する(ステップS407)。上記の例では、図6(a)(d)(e)に示す場合は、牌302がタップされたことに相当し、図6(b)(c)に示す場合は、牌302はタップされていないことに相当する。
【0114】
いずれの牌302もタップされていない場合(ステップS407;No)、ステップS402に戻る。
【0115】
一方、いずれかの牌302がタップされていた場合(ステップS407;Yes)、その牌302が選択候補と一致するか否かをさらに判定し(ステップS408)、一致していなければ(ステップS408;No)、タップされた牌を選択候補に設定して(ステップS409)、ステップS402に戻る。
【0116】
たとえば、図5に示す状態の後に、図6(e)に示すようにタップがされたとすると、ステップS409を経てステップS402に戻り、画面表示が更新される。図7は、この場合の画面に対する表示例を示す説明図である。
【0117】
ステップS409において、四索302Gが新たな選択候補に更新されるため、本図に示すように、四索の位置が他の牌301からずれて強調表示されている。また、第2表示領域503に拡大表示されている牌301の種類も変化している。
【0118】
さらに、ステップS404を経て図7のような画面表示がされたとして、ステップS405における判断に至った後に、上記(2)の場合となったとき、すなわち、ユーザが第2表示領域503をタップした(ステップS405;第2表示領域内)ものと想定する。
【0119】
すると、CPU 101は、第2表示領域503内でいずれかの牌301がタップされたか否かを判定する(ステップS410)。いずれの牌301もタップされていない場合(ステップS410;No)、ステップS402に戻る。
【0120】
一方、いずれかの牌301がタップされていた場合(ステップS410;Yes)、その牌301が選択候補と一致するか否かをさらに判定する(ステップS411)。たとえば、図7における状況では、第2表示領域503内で四索302Gがタップされたか否かを判定することとなる。
【0121】
四索302Gがタップされた場合、すなわち、第2表示領域503内でタップされた牌が記憶部202に記憶される選択候補と一致する場合(ステップS411;Yes)、出力更新部206は、タップされた牌を選択結果として出力して(ステップS412)、本処理を終了する。すなわち、CPU 101は、RAM 103等と共働して、出力更新部206として機能する。
【0122】
上記の入力例では、第1表示領域502内で四索302Gをタップすると、四索302Gの近傍が第2表示領域503内で拡大表示されるとともに、当該四索が選択候補となり、その後に第2表示領域503内で選択候補である四索302Gをタップすると、四索302Gが選択結果として決定されるのである。
【0123】
このような入力過程を経て項目の選択決定がなされることにより、タップの入力精度が低い場合や、第1表示領域502における項目の表示が小さい場合であっても、選択ミスをできるだけ抑制して、ユーザに項目の選択決定をおこなわせることができるようになる。
【0124】
また、上記(3)のそれ以外の指示入力がされた場合(ステップS405;その他)は、これに対応する処理を実行して(ステップS413)、ステップS402に戻る。なお、処理の内容によっては、本処理全体を終了することとしても良い。
【0125】
さて、上記の説明では、(ステップS408;Yes)の場合、および、(ステップS411;No)の場合の制御の流れについては、説明を省略していた。この場合の制御の流れについては、図4に示すフローチャートのほか、種々のバリエーションがある。
【0126】
図4に示すフローチャートでは、第1表示領域502内で選択候補の項目がタップされた場合(ステップS408;Yes)、ステップS412に進んで、タップされた牌を選択決定の結果として出力する。また、第2表示領域503内で選択候補でない項目がタップされた場合(ステップS411;No)、ステップS409に進んで、タップされた牌を選択候補に設定することとしている。
【0127】
すなわち、本態様においては、選択項目を変更したい場合には、第1表示領域502と第2表示領域503の、いずれかにおいて所望の項目をタップすれば良い。また、現在の選択項目を選択結果として決定したい場合には、第1表示領域502と第2表示領域503の、いずれかにおいて強調表示されている項目をタップすれば良い。
【0128】
本態様によれば、選択ミスが生じるのを防止できるほか、第1表示領域502に対するユーザの操作と第2表示領域503に対するユーザの操作とを同等に扱うことによって、ユーザによる操作入力の自由度を増し、スムースに項目の選択ができるようになる。
【0129】
このほかのバリエーションとしては、以下のようなものが考えられる。
(1)第1表示領域502内で選択候補の項目がタップされた場合(ステップS408;Yes)、ステップS402にそのまま戻る。また、第2表示領域503内で選択候補でない項目がタップされた場合(ステップS411;No)、ステップS402にそのまま戻る。(図4内では、点線矢印(1)で示す。)
【0130】
この態様では、いずれかの牌を所望の捨て牌とするには、まずその牌を第1表示領域でタップし、しかる後に第2表示領域でその牌をタップする、という処理が必要となる。第1表示領域で選択候補となっている牌をタップしたり、第2表示領域で選択候補となっていない牌をタップしたとしても、その牌が新たな選択候補となったり、捨て牌として選択決定されることはない。
【0131】
本態様によれば、第1表示領域におけるタップと第2表示領域におけるタップとが同じ項目に対して連続して行われることを、当該項目の選択決定の要件とするため、選択ミスが生じるのをできるだけ防止することができる。
【0132】
(2)第1表示領域502内で選択候補の項目がタップされた場合(ステップS408;Yes)、ステップS402にそのまま戻る。また、第2表示領域503内で選択候補でない項目がタップされた場合(ステップS411;No)、ステップS409に進んで、タップされた牌を選択候補に設定する。(図4内では、点線矢印(2)、実線矢印(2)で示す。)
【0133】
本態様においては、選択候補を変更したい場合には、第1表示領域502と第2表示領域503の、いずれかにおいて所望の項目をタップすれば良いが、現在の選択候補を選択結果として決定したい場合には、第2表示領域503において強調表示されている項目をタップする必要がある。
【0134】
本態様によれば、選択候補の変更については、第1表示領域502と第2表示領域503とを同等に扱うが、選択候補を選択結果として決定する際には、拡大表示がされている第2表示領域503で行うこととして、ユーザによる操作入力の自由度を増する一方で、間違いが少なくなるように、かつ、スムースに項目の選択ができるようになる。
【0135】
これらのどのバリエーションを選択するかは、ユーザの特性に合わせてあらかじめ設定してもよいし、ユーザ自身が別途構成設定できるようにしておいても良い。
【産業上の利用可能性】
【0136】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザが、複数の項目から1つの項目を、容易に選択して決定するのに好適な項目選択装置、項目選択方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】プログラムを実行することにより、本発明の項目選択装置の機能を果たす典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係る項目選択装置の概要構成を示す説明図である。
【図3】複数の項目および選択候補の例を示す説明図である。
【図4】本実施形態にて実行される項目選択処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】本実施形態にて表示される画像の表示例を示す説明図である。
【図6】第1表示領域内がタップされた後に、部分領域の位置がどこに移動するかを示す説明図である。
【図7】本実施形態にて表示される画像の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0138】
101 情報処理装置
102 CPU
103 RAM
104 ROM
105 入力装置
106 画像処理部
107 液晶ディスプレイ
108 音声処理部
109 スピーカ
110 カセットリーダ
111 ROMカセット
201 項目選択装置
202 記憶部
203 表示部
204 入力受付部
205 表示更新部
206 出力更新部
301 手牌全体
302 牌
501 表示画面
502 第1表示領域
503 第2表示領域
504 部分領域
505 タップ位置を示す十字線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれか1つを選択可能な複数の項目を記憶し、当該複数の項目のうちいずれか1つを選択候補として記憶する記憶部、
画面内に第1表示領域と第2表示領域とを有し、当該第1表示領域に、前記記憶された複数の項目のすべてを表示し、当該第2表示領域に、当該第1表示領域の部分領域に表示される項目を拡大して表示し、当該第1表示領域および当該第2表示領域に当該選択候補である項目が表示されていれば、当該選択候補である項目を強調表示する表示部、
当該画面内の位置を指定する位置入力を受け付ける入力受付部、
前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、当該第1表示領域に含まれる場合、当該指定された位置に応じて当該第1表示領域における当該部分領域の位置を更新して、前記表示部に表示させる表示更新部、
前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(p)当該第1表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう前記記憶部を更新し、
(q)当該第2表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、当該選択候補である項目を選択結果として出力する
出力更新部
を備えることを特徴とする項目選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載の項目選択装置であって、
前記表示更新部は、当該部分領域が当該第1表示領域内において移動可能な範囲のうち、当該部分領域の位置と当該指定された位置との距離が最短となる位置に、当該部分領域の位置を更新する
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項3】
請求項1に記載の項目選択装置であって、
前記表示更新部は、当該部分領域が当該指定された位置を含むように、当該部分領域の位置を更新する
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の項目選択装置であって、
前記出力更新部は、前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(r)当該第1表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、前記記憶部における当該選択候補を維持し、
(s)当該第2表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、前記記憶部において、当該選択候補を維持する
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の項目選択装置であって、
前記出力更新部は、前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(t)当該第1表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、当該選択候補である項目を選択結果として出力し、
(u)当該第2表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう前記記憶部を更新する
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の項目選択装置であって、
前記出力更新部は、前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(v)当該第1表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、前記記憶部における当該選択候補を維持し、
(w)当該第2表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう前記記憶部を更新する
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の項目選択装置であって、
前記表示部は、当該第1表示領域と当該第2表示領域との少なくとも一方にて、当該複数の項目を第1方向に並べて表示し、当該選択候補である項目を当該第1方向とは異なる第2方向にずらして表示して、当該選択候補である項目を強調表示する
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項8】
請求項7に記載の項目選択装置であって、
前記表示更新部は、当該部分領域の全体が当該第1表示領域に含まれ、当該部分領域の中心と当該指定された位置との距離ができるだけ短くなるように、当該部分領域を当該第1方向に移動させて、当該第1表示領域における当該部分領域の位置を更新する
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の項目選択装置であって、
前記表示部は、当該画面において、当該第1表示領域に含まれる当該部分領域を他の領域とは異なる体裁で表示する
ことを特徴とする項目選択装置。
【請求項10】
いずれか1つを選択可能な複数の項目を記憶し、当該複数の項目のうちいずれか1つを選択候補として記憶する記憶部、画面内に第1表示領域と第2表示領域とを有する表示部、入力受付部、表示更新部、出力更新部を有する項目選択装置にて実行される項目選択方法であって、
前記表示部が、当該第1表示領域に、前記記憶された複数の項目のすべてを表示し、当該第2表示領域に、当該第1表示領域の部分領域に表示される項目を拡大して表示し、当該第1表示領域および当該第2表示領域に当該選択候補である項目が表示されていれば、当該選択候補である項目を強調表示する表示工程、
前記入力受付部が、当該画面内の位置を指定する位置入力を受け付ける入力受付工程、
前記表示更新部が、前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、当該第1表示領域に含まれる場合、当該指定された位置に応じて当該第1表示領域における当該部分領域の位置を更新して、前記表示部に表示させる表示更新工程、
前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(p)当該第1表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、前記出力更新部が、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう前記記憶部を更新し、
(q)当該第2表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、前記出力更新部が、当該選択候補である項目を選択結果として出力する
出力更新工程
を備えることを特徴とする項目選択方法。
【請求項11】
コンピュータを、
いずれか1つを選択可能な複数の項目を記憶し、当該複数の項目のうちいずれか1つを選択候補として記憶する記憶部、
画面内に第1表示領域と第2表示領域とを有し、当該第1表示領域に、前記記憶された複数の項目のすべてを表示し、当該第2表示領域に、当該第1表示領域の部分領域に表示される項目を拡大して表示し、当該第1表示領域および当該第2表示領域に当該選択候補である項目が表示されていれば、当該選択候補である項目を強調表示する表示部、
当該画面内の位置を指定する位置入力を受け付ける入力受付部、
前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、当該第1表示領域に含まれる場合、当該指定された位置に応じて当該第1表示領域における当該部分領域の位置を更新して、前記表示部に表示させる表示更新部、
前記入力を受け付けられた位置入力に指定された位置が、
(p)当該第1表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補でなければ、当該指定された位置に表示される項目を当該選択候補とするよう前記記憶部を更新し、
(q)当該第2表示領域において、前記記憶された複数の項目のうちのいずれかの項目が表示される位置である場合、当該指定された位置に表示される項目が当該選択候補であれば、当該選択候補である項目を選択結果として出力する
出力更新部
として機能させる特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−123375(P2008−123375A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308384(P2006−308384)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】