説明

領域抽出装置、撮像装置、及び領域抽出プログラム

【課題】入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる領域抽出装置、撮像装置、及び領域抽出プログラムを提供する。
【解決手段】領域抽出装置140は、入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する特徴量算出部141と、第1の画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する判定部142と、第1の画像特徴量が閾値未満である場合、第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を画像から抽出し、第1の画像特徴量が閾値以上である場合、第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を画像から抽出する領域抽出部144と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像から領域を抽出する領域抽出装置、撮像装置、及び領域抽出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像特徴量のヒストグラムに基づいて、撮像された画像から領域を抽出し、抽出した領域を識別する画像処理装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−10079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された画像処理装置は、撮像された画像から人が注目する領域を抽出すること、すなわち、主要被写体の領域を適切に抽出することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる領域抽出装置、撮像装置、及び領域抽出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する特徴量算出部と、前記第1の画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する判定部と、前記第1の画像特徴量が閾値未満である場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が閾値以上である場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部と、を備えることを特徴とする領域抽出装置である。
【0007】
また、本発明は、入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する特徴量算出部と、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれているか否かを示す操作信号を受信する受信部と、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていることを前記操作信号が示している場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部と、を備えることを特徴とする領域抽出装置である。
【0008】
また、本発明は、入力された画像に含まれる画像特徴量を算出する特徴量算出部と、前記画像が逆光状態で撮像された画像であるか否かを判定する判定部と、前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出し、前記画像が逆光状態で撮像された画像でない場合、前記特徴量算出部により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部と、を備えることを特徴とする領域抽出装置である。
【0009】
また、本発明は、入力された画像に含まれる画像特徴量を算出する特徴量算出部と、前記画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する判定部と、前記画像特徴量が閾値未満である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出し、前記画像特徴量が閾値以上である場合、前記特徴量算出部により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部と、を備えることを特徴とする領域抽出装置である。
【0010】
また、本発明は、領域抽出装置と、前記領域抽出装置が抽出した領域に合焦させるよう光学系により焦点を調節する焦点調節部と、前記領域を含む画像を撮像する撮像部と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
【0011】
また、本発明は、コンピュータに、入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する手順と、前記第1の画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する手順と、前記第1の画像特徴量が閾値未満である場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が閾値以上である場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する手順と、を実行させるための領域抽出プログラムである。
【0012】
また、本発明は、コンピュータに、入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する手順と、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれているか否かを示す操作信号を受信する手順と、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、一方、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていることを前記操作信号が示している場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する手順と、を実行させるための領域抽出プログラムである。
【0013】
また、本発明は、コンピュータに、入力された画像に含まれる画像特徴量を算出する手順と、前記画像が逆光状態で撮像された画像であるか否かを判定する手順と、前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出し、前記画像が逆光状態で撮像された画像でない場合、算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する手順と、を実行させるための領域抽出プログラムである。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに、入力された画像に含まれる画像特徴量を算出する手順と、前記画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する手順と、前記画像特徴量が閾値未満である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出し、前記画像特徴量が閾値以上である場合、算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する手順と、を実行させるための領域抽出プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、領域抽出装置は、入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における、レンズ鏡筒と、領域抽出装置を備える撮像装置と、記憶媒体との構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における、逆光画像の輝度のヒストグラムを表す図である。
【図3】本発明の一実施形態における、輝度のヒストグラムを表す図である。
【図4】本発明の一実施形態における、輝度に基づいて画像から抽出された領域の例を表す図である。
【図5】本発明の一実施形態における、色成分量に基づいて画像から抽出された領域の例を表す図である。
【図6】本発明の一実施形態における、領域に合焦させるまでの処理の手順を表すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における、無彩色画像に含まれる領域に合焦させるまでの処理の手順を表すフローチャート(前半)である。
【図8】本発明の一実施形態における、無彩色画像に含まれる領域に合焦させるまでの処理の手順を表すフローチャート(後半)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、レンズ鏡筒111と、撮像装置100と、記憶媒体200との構成が、ブロック図により表されている。撮像装置100は、レンズ鏡筒111から入射される光学像を撮像し、得られた画像を静止画形式又は動画形式により記憶媒体200に記憶させる。
【0018】
まず、レンズ鏡筒111の構成を説明する。
レンズ鏡筒111は、焦点調整レンズ(以下、「AF(Auto Focus)レンズ」という)112と、レンズ駆動部116と、AFエンコーダ117と、鏡筒制御部118とを備える。なお、レンズ鏡筒111は、撮像装置100に着脱可能に接続されてもよいし、撮像装置100と一体であってもよい。
【0019】
AFレンズ112は、レンズ駆動部116により駆動され、後述する撮像部110の撮像素子119の受光面(光電変換面)に光学像を導く。
【0020】
AFエンコーダ117は、AFレンズ112の移動を検出し、AFレンズ112の移動量に応じた信号を、鏡筒制御部118に出力する。ここで、AFレンズ112の移動量に応じた信号とは、例えば、AFレンズ112の移動量に応じて位相が変化するサイン(sin)波信号である。
【0021】
鏡筒制御部118は、撮像装置100のCPU190から入力される駆動制御信号に応じて、レンズ駆動部116を制御する。ここで、駆動制御信号とは、AFレンズ112を光軸方向に駆動させるための制御信号である。鏡筒制御部118は、駆動制御信号に基づいて、例えば、レンズ駆動部116に出力するパルス電圧のステップ数を変更する。
【0022】
また、鏡筒制御部118は、AFレンズ112の移動量に応じた信号に基づいて、レンズ鏡筒111におけるAFレンズ112の位置(フォーカスポジション)を、CPU190に出力する。ここで、鏡筒制御部118は、例えば、AFレンズ112の移動量に応じた信号を、AFレンズ112の移動方向毎に積算することにより、レンズ鏡筒111におけるAFレンズ112の移動量(位置)を算出してもよい。
【0023】
レンズ駆動部116は、鏡筒制御部118による制御に応じてAFレンズ112を駆動し、AFレンズ112をレンズ鏡筒111内で光軸方向に移動させる。
【0024】
次に、撮像装置100の構成を説明する。
撮像装置100は、撮像部110と、領域抽出装置140と、表示部150と、バッファメモリ部130と、操作部180と、記憶部160と、CPU190と、通信部170とを備える。
【0025】
撮像部110は、撮像素子119と、A/D(Analog/Digital)変換部120とを備える。撮像部110は、設定された撮像条件(例えば、絞り値、露出値)に従って、CPU190により制御される。
【0026】
撮像素子119は、光電変換面を備え、レンズ鏡筒111(光学系)により光電変換面に結像された光学像を電気信号に変換して、変換した電気信号をA/D変換部120に出力する。撮像素子119は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)により構成されてもよい。また、撮像素子119は、光電変換面の一部の領域についてのみ、光学像を電気信号に変換するようにしてもよい(画像の切り出し処理)。
【0027】
また、撮像素子119は、操作部180を介してユーザからの撮影指示を受け付けた際に得られた光学像に応じた電気信号に基づく画像データとして、A/D変換部120を介して記憶媒体200に記憶させる。一方、撮像素子119は、操作部180を介してユーザからの撮影指示を受け付けていない状態において、連続的に得られた光学像に応じた電気信号に基づくスルー画像として、A/D変換部120を介してバッファメモリ部130及び表示部150に出力する。
【0028】
A/D変換部120は、撮像素子119によって変換された電気信号をデジタル化し、デジタル化された画像をバッファメモリ部130に出力する。
【0029】
操作部180は、例えば、電源スイッチ、シャッタボタン、マルチセレクタ(十字キー)、又はその他の操作キーを備える。操作部180は、ユーザによって操作されることでユーザの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に応じた信号(以下、「操作信号」という)をCPU190に出力する。操作信号には、画像特徴量が予め定められた量以上画像に含まれているか否かを示す操作信号が含まれていてもよい。例えば、ホワイトバランス調整されたことにより彩色画像が無彩色画像に調整された場合、操作信号には、色成分量が予め定められた量以上画像に含まれていないことを示す情報が含まれる。
【0030】
領域抽出装置140は、記憶部160に記憶されている画像処理条件に基づいて、バッファメモリ部130に記憶されている画像に対して画像処理を実行する。画像処理された画像は、通信部170を介して記憶媒体200に記憶される。
【0031】
また、領域抽出装置140は、画像特徴量に基づいて、バッファメモリ部130に記憶されている画像から領域を抽出し、抽出した領域に優先度を定める。また、領域抽出装置140は、抽出した領域を示す情報を、記憶部160に記憶させる。ここで、領域を示す情報とは、例えば、領域の分布を表す情報、領域の画像特徴量を表す情報、及び領域に定められた優先度を表す情報である。
【0032】
ここで、領域抽出装置140は、画像に含まれる第1の画像特徴量(例えば、色成分量)及び第2の画像特徴量(例えば、光量(輝度、明度))を、画素毎に算出する。また、領域抽出装置140は、各画像特徴量が、予め定められた閾値未満であるか否かを判定する。
【0033】
また、領域抽出装置140は、第1の画像特徴量が閾値以上である場合、第1の画像特徴量に基づいて、画像から領域を抽出する。一方、領域抽出装置140は、第1の画像特徴量が閾値未満である場合、第2の画像特徴量に基づいて、画像から領域を抽出する。
【0034】
また、領域抽出装置140は、第1の画像特徴量が予め定められた量以上画像に含まれていないことを操作信号が示している場合、第2の画像特徴量に基づいて画像から領域を抽出する。一方、領域抽出装置140は、第1の画像特徴量が予め定められた量以上画像に含まれていることを操作信号が示している場合、第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量に基づいて、画像から領域を抽出する。
【0035】
また、領域抽出装置140は、第1の画像特徴量が閾値未満である場合、第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出するための分解能を調節する。また、領域抽出装置140は、画像が逆光状態で撮像された画像である場合、画像に予め定められた位置(例えば、9箇所)に在るAF評価領域から得られた評価値に基づいて、画像から領域を抽出する。ここで、AF評価領域とは、コントラストスキャンを実行する対象の領域である。また、領域抽出装置140は、画像が逆光状態で撮像された画像でない場合、画像特徴量に基づいて定まる領域を画像から抽出する。
【0036】
また、領域抽出装置140は、画像特徴量(例えば、色成分量)が閾値未満である場合、画像に予め定められた位置(例えば、9箇所)に在るAF評価領域から得られた評価値に基づいて、画像から領域を抽出する。また、領域抽出装置140は、画像特徴量(例えば、色成分量)が閾値以上である場合、画像特徴量に基づいて定まる領域を画像から抽出する。
【0037】
バッファメモリ部130は、撮像部110によって撮像された画像を記憶する。
表示部150は、撮像部110によって得られた画像、及び操作画面等を表示する。表示部150は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0038】
記憶部160は、シーン判定の際にCPU190によって参照される判定条件と、シーン判定によって判断されたシーン毎に対応付けられた撮像条件と、領域を示す情報等とを記憶する。
【0039】
CPU190は、設定された撮像条件(例えば、絞り値、露出値)に従って、撮像部110を制御する。また、CPU190は、領域を示す情報を、領域抽出装置140から取得する。また、CPU190は、画像から抽出された領域のうち、領域抽出装置140が設定した優先度が高い領域に合焦させるよう、領域を示す情報に基づいて、レンズ鏡筒111の鏡筒制御部118に駆動制御信号を出力することにより焦点を調節する。
【0040】
また、CPU190は、領域を示す情報に基づいて、画像処理のプレ処理又はポスト処理として、焦点調整(AF)の設定、露出調整(AE)の設定、ホワイトバランス調整(AWB)の設定、被写体像(オブジェクト)の追尾の設定、夜景か否かの判定の設定、色補正処理の設定、被写体像の拡大表示の設定、パンニング表示の設定、ズーム倍率に連動した明るさの最適化の設定、などを制御する。
【0041】
また、CPU190は、領域を示す情報に基づいて、トーンカーブ(階調カーブ)の設定、静止画及び動画の同時撮影を実行するか否かの設定などを制御する。
【0042】
また、CPU190は、領域を示す情報に基づいて、プレ処理又はポスト処理として、連写するか否かの設定、及び、連写において、合焦させる被写体像の切り替えの設定、焦点距離の連続変更の設定、撮像装置100の発光部(不図示)が発する閃光の発光量の変更の設定、露光量の変更の設定、又はシャッタスピードの変更を実行するか否かの設定などを制御する。
【0043】
また、CPU190は、操作部180から入力された操作信号に基づいて、静止画形式又は動画形式の画像を、領域抽出装置140に画像処理させる。
【0044】
通信部170は、取り外しが可能な記憶媒体200(カードメモリ等)と接続され、この記憶媒体200への情報(画像データ、領域を示す情報など)の書込み、読み出し、及び消去を実行する。
【0045】
記憶媒体200は、撮像装置100に対して着脱可能に接続される記憶部であり、各種の情報(例えば、画像データ、領域を示す情報)を記憶する。なお、記憶媒体200は、着脱可能でなく撮像装置100と一体でもよい。
【0046】
次に、領域抽出装置140の詳細について説明する。
領域抽出装置140は、特徴量算出部141と、判定部142と、受信部143と、領域抽出部144と、優先度設定部145とを備える。
【0047】
特徴量算出部141は、撮像部110が撮像した画像を、バッファメモリ部130を介して取得する。また、特徴量算出部141は、バッファメモリ部130を介して取得した画像に含まれる複数の特徴(例えば、色成分量、光量(輝度、明度))毎に、その画像特徴量を算出し、算出した画像特徴量を領域抽出部144に出力する。
【0048】
判定部142は、第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量のヒストグラムを生成し、各画像特徴量が閾値未満であるか否かを、それぞれ判定する。ここで、判定部142は、各画像特徴量のヒストグラム波形の標準偏差σに基づいて、画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する。例えば、色成分量のヒストグラム波形における標準偏差σが、予め定められた色成分量以下、すなわち、色差信号Cbの標準偏差σ≦予め定められた色成分量、且つ、色差信号Crの標準偏差σ≦予め定められた色成分量、である場合、判定部142は、撮像された画像が無彩色画像であると判定する。
【0049】
以下では、一例として、第1の画像特徴量は色成分量であるものとし、第2の画像特徴量は光量(輝度、明度)であるものとして説明を続ける。
【0050】
判定部142は、撮像された画像が逆光状態で撮像された画像(以下、「逆光画像」という)であるか否かを判定する。図2には、逆光画像の輝度のヒストグラムが表されている。横軸は、輝度Yを表す。また、縦軸は、頻度Nを表す。ヒストグラムの波形ピークから、他の波形ピークまでの輝度差が、予め定められた輝度差以上である場合、判定部142は、撮像された画像が逆光画像であると判定する。
【0051】
図1に戻り、領域抽出装置140の構成の説明を続ける。受信部143は、操作部180から操作信号を受信し、受信した操作信号を領域抽出部144に転送する。
【0052】
領域抽出部144は、撮像された画像が逆光画像であると判定部142により判定された場合、画像に予め定められた位置(例えば、9箇所)に在るAF評価領域から得られた評価値に基づいて、画像から領域を抽出する。ここで、AF評価領域に基づいて画像から領域を抽出するのは、優先度が定められた適切な領域が、画像に少ない又は無い可能性があるためである。また、領域抽出装置140は、撮像された画像が逆光画像でないと判定部142により判定された場合、特徴量算出部141により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を、画像から抽出する。
【0053】
領域抽出部144は、撮像された画像に含まれる画像特徴量(例えば、色成分量)が閾値未満であると判定部142により判定された場合、画像に予め定められた位置(例えば、9箇所)に在るAF評価領域から得られた評価値に基づいて、画像から領域を抽出する。また、領域抽出装置140は、撮像された画像に含まれる画像特徴量が閾値未満でないと判定部142により判定された場合、特徴量算出部141により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を、画像から抽出する。
【0054】
領域抽出部144は、受信部143から操作信号を取得する。また、領域抽出部144は、特徴量算出部141が算出した画像特徴量を取得する。また、領域抽出部144は、撮像部110が撮像した画像を、バッファメモリ部130から取得する。領域抽出部144は、撮像部110により撮像された画像から、画像特徴量に基づいて領域を抽出する。
【0055】
また、領域抽出部144は、画像特徴量の一定範囲(区分)と、その範囲外とに2値化された画像(以下、「2値画像」という)から領域を抽出し、抽出した領域にラベルを割り当てる(ラベリング)。ここで、画像特徴量の一定範囲(区分)を定める閾値は、画像特徴量のヒストグラム波形の平均値及び標準偏差に基づいて、例えば、「閾値=平均値+係数×標準偏差」のように定められる。
【0056】
領域抽出部144は、画像特徴量が閾値未満である場合、画像特徴量を算出するための分解能を調節する。図3には、輝度のヒストグラムが表されている。横軸は、輝度Yを表す。また、縦軸は、頻度Nを表す。図3(A)には、画面に撮像された被写体領域の輝度のヒストグラムが表されている。
【0057】
領域抽出部144は、ヒストグラムの平均値Ave及び標準偏差σに基づいて、画像特徴量の分解能を定める。例えば、図3(C)と比較して低い分解能によるヒストグラムが、図3(B)に表されている。図3(B)では、図3(C)と比較して輝度の分解能が低いので、ヒストグラム波形の頻度変化がはっきりと検出されないため、被写体領域を検出し難い。一方、図3(C)では、図3(B)と比較して分解能が高いので、ヒストグラム波形の頻度変化がはっきりと検出されるため、被写体領域を検出し易い。このように、領域抽出部144は、ヒストグラムの平均値及び標準偏差に基づいて画像特徴量の分解能を調節することで、被写体領域を検出し易くすることができる。
【0058】
なお、領域抽出部144は、小さすぎる被写体領域が検出されないよう、画像特徴量の分解能に上限を設けてもよい。これにより、領域抽出部144は、被写体領域とノイズとを区別し易くすることができる。
【0059】
図4には、輝度に基づいて画像から抽出された領域の例が表されている。領域抽出部144は、撮像部110が撮像した画像から、輝度に基づく画像(以下、「Y画像」という)を抽出する。領域抽出部144は、撮像部110が撮像した画像の輝度(入力値)を補正(例えば、ガンマ補正)し、補正した輝度Y(出力値)を算出する。
【0060】
領域抽出部144は、補正した輝度Y(出力値)を、複数の一定範囲に区分する。図4では、一例として、補正した輝度Y(出力値)は、区分1〜4に区分されたとする。ここで、例えば、区分1の2値画像に高輝度領域が含まれるよう、区分1の範囲上限が「平均値+K1×標準偏差」と、区分1の範囲下限が「平均値+K2×標準偏差」と定められたとする。領域抽出部144は、区分(階調)毎に2値画像を生成する。
【0061】
領域抽出部144は、区分1の2値画像に含まれている高輝度領域の分布を探索することにより、探索結果を表す領域画像に高輝度領域300を抽出する。同様に、領域抽出部144は、区分2の2値画像に含まれている中輝度領域を探索することにより、探索結果を表す領域画像に中輝度領域310を抽出する。また、領域抽出部144は、区分4の2値画像に含まれている低輝度領域を探索することにより、探索結果を表す領域画像に低輝度領域320を抽出する。
【0062】
図4では、画像特徴量の分解能が領域抽出部144によって調節されたことにより、補正した輝度Y(出力値)は、一例として、区分5〜7に区分されたとする。例えば、区分5は、区分1よりも分解能が高くなるよう変更されたとする。領域抽出部144は、分解能が高い区分5の2値画像に含まれている高輝度領域の分布を探索することにより、探索結果を表す領域画像に高輝度領域301を抽出する。
【0063】
また、例えば、区分7は、区分4よりも分解能が低くなるよう変更されたとする。領域抽出部144は、分解能が低い区分7の2値画像に含まれている低輝度領域の分布を探索することにより、探索結果を表す領域画像に低輝度領域321を抽出する。このように、領域抽出部144は、画像特徴量の分解能を調節することで、被写体領域を検出し易くすることができる。
【0064】
図5には、色成分量に基づいて画像から抽出された領域の例が表されている。領域抽出部144は、撮像部110が撮像した画像から、色成分量(Cr)に基づく画像(以下、「Cr画像」という)を抽出する。領域抽出部144は、撮像部110が撮像した画像の色成分量(入力値)を補正(例えば、ガンマ補正)し、補正した色成分量Cr(出力値)を算出する。
【0065】
撮像された画像に所定閾値以上の色成分量が在る(無彩色画像でない)場合、領域抽出部144は、補正した色成分量(Cr)を、複数の一定範囲に区分する。図5では、一例として、補正した色成分量Cr(出力値)は、区分8〜11に区分されたとする。ここで、例えば、区分8の2値画像に赤色系領域が含まれるよう、区分8の範囲上限が「平均値+K3×標準偏差」と、区分8の範囲下限が「平均値+K4×標準偏差」と定められたとする。領域抽出部144は、区分(階調)毎に2値画像を生成する。
【0066】
領域抽出部144は、区分8の2値画像に含まれる赤色系領域の分布を探索することにより、探索結果を表す領域画像に赤色系領域410を抽出する。同様に、領域抽出部144は、区分9の2値画像に含まれる桃色系領域を探索することにより、探索結果を表す領域画像に桃色系領域430を抽出する。また、領域抽出部144は、区分11の2値画像に含まれる緑色系領域を探索することにより、探索結果を表す領域画像に緑色系領域450を抽出する。
【0067】
図5では、画像特徴量の分解能が領域抽出部144によって調節されたことにより、補正した色成分量Cr(出力値)は、一例として、区分12〜16に区分されたとする。ここで、例えば、区分12は、区分8よりも分解能が高くなるよう変更されたとする。領域抽出部144は、分解能が高い区分12の2値画像に含まれている赤色系領域の分布を探索することにより、探索結果を表す領域画像に赤色系領域410を抽出する。
【0068】
また、例えば、区分16は、区分11よりも分解能が高くなるよう変更されたとする。領域抽出部144は、分解能が高い区分16の2値画像に含まれている緑色系領域の分布を探索することにより、探索結果を表す領域画像に緑色系領域451を抽出する。このように、領域抽出部144は、画像特徴量の分解能を調節することで、被写体領域を検出し易くすることができる。
【0069】
図1に戻り、領域抽出装置140の構成の説明を続ける。優先度設定部145は、領域抽出部144により抽出された領域に、人がより注目しているであろう領域を示す優先度を定める。優先度設定部145は、領域毎に算出される評価値に応じて、領域に優先度を定める。
【0070】
例えば、優先度設定部145は、画角中心から領域の重心までの距離に応じて、領域毎に評価値を定める。ここで、評点算出部145は、画角中心の近くに分布する領域ほど、その領域に高い評価値を定める。また、例えば、優先度設定部145は、領域の慣性モーメントに応じて、その領域に評価値を定める。優先度設定部145は、慣性モーメントが小さい(重心に集中している)領域には、高い評価値を定める。また、例えば、優先度設定部145は、領域の面積(画素数)に応じて、領域に評価値を定める。評点算出部145は、予め定められた面積に近い領域ほど、その領域に高い評価値を定める。
【0071】
優先度設定部145は、領域毎に定めた優先度を、領域を示す情報として記憶部160に記憶させる。
【0072】
次に、領域抽出装置の処理の手順を説明する。
図6は、領域に合焦させるまでの処理の手順を表すフローチャートである。特徴量算出部141は、撮像された画像(スルー画像、又はスルー画像列)を、バッファメモリ部130を介して読み込む(ステップS1)。特徴量算出部141は、読み込んだ画像に対して、基本的な画像処理(例えば、デモザイク、ノイズ低減、ホワイトバランス調整、画素欠補正)を実行する(ステップS2)。
【0073】
領域抽出部144は、撮像された画像がリサイズされた画像を、バッファメモリ部130を介して画像特徴量(例えば、YCrCb)毎に読み込む(ステップS3)。判定部142は、読み込んだ画像に所定閾値以上の色成分量が在るか(無彩色画像でないか)否かを判定する。領域抽出部144は、読み込んだ画像が無彩色画像である場合、輝度の分解能を調節する(ステップS4)。
【0074】
領域抽出部144は、読み込んだ画像に所定閾値以上の色成分量が無い(無彩色画像である)場合、輝度に基づいて2値画像を生成する。また、領域抽出部144は、読み込んだ画像に所定閾値以上の色成分量が在る(無彩色画像でない)場合、領域抽出部144は、輝度及び色成分量に基づいて2値画像を生成する(ステップS5)。また、領域抽出部144は、2値画像から領域を抽出し(領域画像)、抽出した領域にラベルを割り当てる(ラベリング)(ステップS6)。
【0075】
領域抽出部144は、ノイズと推定される領域が画像にある場合、それらの領域を画像から除去する。また、領域抽出部144は、背景と推定される領域が画像にある場合、その領域を画像から除去する(ステップS7)。優先度設定部145は、領域抽出部144により抽出された領域に、優先度を定める(ステップS8)。
【0076】
領域抽出部144は、優先度設定部145が優先度を定めた領域を、AF評価領域に合うよう矩形に整形する(ステップS9)。また、領域抽出部144は、画像に予め定められた位置に、AF評価領域を定める(ステップS10)。
【0077】
CPU190は、AF評価領域のコントラスト値に基づいて、コントラストスキャンを実行する(ステップS11)。また、CPU190は、コントラストスキャンの結果に基づいて、至近に在る被写体が撮像されている領域を優先し、その領域にAFレンズ112により合焦させる(合焦駆動)(ステップS12)。
【0078】
図7は、無彩色画像に含まれる領域に合焦させるまでの処理の手順を表すフローチャート(前半)である。また、図8は、無彩色画像に含まれる領域に合焦させるまでの処理の手順を表すフローチャート(後半)である。
【0079】
CPU190は、露出調整(AE)処理、ホワイトバランス調整(AWB)処理に用いられる変数を、予め定められた基準値に設定する(ステップSa1)。撮像部110は、スルー画像を連続的に撮影(露光)し、撮影したスルー画像を、バッファメモリ部130及び表示部150に出力する(ステップSa2)。
【0080】
特徴量算出部141は、読み込んだ画像に、基本的な画像処理(例えば、デモザイク、ノイズ低減、ホワイトバランス調整、画素欠補正)を施す(ステップSa3)。さらに、特徴量算出部141は、基本的な画像処理を施した画像に、YCrCb(YUV)変換を施す(ステップSa4)。
【0081】
判定部142は、撮像モード及び画像再生モードのうち、ホワイトバランス調整が撮像モードにて実行されたか否かを判定する(ステップSa5)。ホワイトバランス調整が撮像モードにて実行されていない場合(ステップSa5−No)、判定部142は、撮像された画像に所定閾値以上の色成分量が在るか(無彩色画像でないか)否かを判定する。すなわち、判定部142は、撮像された画像の無彩色の度合いが閾値以下であるか否かを判定する(ステップSa6)。
【0082】
撮像された画像に所定閾値以上の色成分量が在る(無彩色画像でない)場合(ステップSa6−No)、判定部142は、撮像された画像がホワイトバランス調整により無彩色画像となっているか否かを判定する。さらに、判定部142は、撮像された画像が元から(ホワイトバランス調整によらず)無彩色画像であるか否かを判定する(ステップSa7)。
【0083】
撮像された画像がホワイトバランス調整により無彩色画像となっている、又は、撮像された画像が元から無彩色画像である場合(ステップSa7−Yes)、判定部142は、撮像された画像が逆光画像であるか否かを判定する(ステップSa8)。
【0084】
撮像された画像が逆光画像でない場合(ステップSa8−No)、領域抽出部144は、輝度の分解能を調節する。ここで、領域抽出部144は、雪景色などの無彩色画像から多くの輝度領域が領域画像に抽出されるよう、輝度の分解能を調節する(ステップSa9)。
【0085】
領域抽出部144は、2値画像に含まれている領域の探索結果を表す領域画像に、輝度領域(図4を参照)を抽出する。また、領域抽出部144は、色成分量の分解能を調節した場合には、2値画像に含まれている領域の探索結果を表す領域画像に、色系領域(図5を参照)を抽出する。優先度設定部145は、領域抽出部144により抽出された輝度領域に、優先度を定める(ステップSa10)。領域抽出部144は、優先度設定部145が優先度を定めた領域を、AF評価領域に合うよう矩形に整形する(ステップSa11)。
【0086】
CPU190は、AF評価領域のコントラスト値に基づいて、コントラストスキャンを実行する(ステップSa12)。また、CPU190は、コントラストスキャンの結果に基づいて、至近に在る被写体が撮像されている領域を優先し、その領域にAFレンズ112により合焦させる(合焦駆動)(ステップSa13)。
【0087】
一方、ステップSa5において、ホワイトバランス調整が撮像モードにて実行されている場合(ステップSa5−Yes)、判定部142は、無彩色の度合い(例えば、色成分量)を記憶部160に記憶させる(ステップSa14)。また、ステップSa6において、撮像された画像に所定閾値以上の色成分量がない(無彩色画像である)場合(ステップSa6−No)、判定部142は、無彩色の度合いを記憶部160に記憶させる(ステップSa15)。
【0088】
また、ステップSa7において、撮像された画像がホワイトバランス調整により無彩色画像となっていない、且つ、撮像された画像が元から無彩色画像でない場合(ステップSa7−No)、判定部142は、撮像された画像の色成分量が所定閾値以下であるか否かを判定する(ステップSa16)。また、領域抽出部144は、色成分量の分解能と、輝度の分解能とを調節する(ステップSa17)。そして、判定部142及び領域抽出部144は、ステップSa10に処理を進める。
【0089】
また、ステップSa8において、撮像された画像が逆光画像である場合(ステップSa8−Yes)、領域抽出部144は、画像に予め定められた位置にAF評価領域を定める(ステップSa18)。
【0090】
以上のように、領域抽出装置140は、入力された画像に含まれる第1の画像特徴量(例えば、色成分量)及び第2の画像特徴量(例えば、輝度)を算出する特徴量算出部141と、前記第1の画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する判定部142と、前記第1の画像特徴量が閾値未満である場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域(例えば、高輝度領域300)を2値画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が閾値以上である場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域(例えば、赤色系領域410)を2値画像から抽出する領域抽出部144と、を備える。
この構成により、領域抽出部144は、前記第1の画像特徴量が閾値未満である場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を画像から抽出する。これにより、領域抽出装置は、入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【0091】
また、判定部142は、前記第1の画像特徴量である色成分量が前記閾値未満であるか否かを判定し、領域抽出部144は、前記色成分量が前記閾値未満である場合、前記第2の画像特徴量である輝度に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記色成分量が前記閾値以上である場合、前記色成分量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する。
この構成により、領域抽出部144は、前記色成分量が閾値未満である場合、輝度に基づいて定まる領域を画像から抽出する。これにより、領域抽出装置は、入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【0092】
また、領域抽出部144は、前記第1の画像特徴量(例えば、色成分量)が前記閾値未満である場合、前記第1の画像特徴量及び前記第2の画像特徴量(例えば、輝度)を算出するための分解能を調節(例えば、高く)する(図3〜図5を参照)。
この構成により、領域抽出部144は、前記第1の画像特徴量及び前記第2の画像特徴量を算出するための分解能を調節する。これにより、領域抽出装置は、入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【0093】
また、領域抽出装置140は、前記第1の画像特徴量(例えば、色成分量)が予め定められた量以上前記画像に含まれているか否かを示す操作信号を受信する受信部143を備え、領域抽出部144は、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合(例えば、ホワイトバランス調整されたことにより彩色画像が無彩色画像に調整された場合)、前記第2の画像特徴量(例えば、輝度)に基づいて定まる領域(例えば、高輝度領域300)を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていることを前記操作信号が示している場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域(例えば、赤色系領域410)を前記画像から抽出する。
この構成により、領域抽出部144は、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する。これにより、領域抽出装置は、入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【0094】
また、判定部142は、前記画像が逆光状態で撮像された画像であるか否かを判定し、領域抽出部144は、前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出する。
この構成により、領域抽出部144は、前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出する。これにより、領域抽出装置は、入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【0095】
また、領域抽出装置140は、入力された画像に含まれる第1の画像特徴量(例えば、色成分量)及び第2の画像特徴量(例えば、輝度)を算出する特徴量算出部141と、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれているか否かを示す操作信号を受信する受信部143と、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合(例えば、ホワイトバランス調整されたことにより彩色画像が無彩色画像に調整された場合)、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域(例えば、高輝度領域300)を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていることを前記操作信号が示している場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域(例えば、赤色系領域410)を前記画像から抽出する領域抽出部144と、を備える。
この構成により、領域抽出部144は、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する。これにより、領域抽出装置は、撮像された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【0096】
また、領域抽出装置140は、入力された画像に含まれる画像特徴量(例えば、色成分量)を算出する特徴量算出部141と、前記画像が逆光状態で撮像された画像であるか否かを判定する判定部142と、前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、AF評価領域に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記画像が逆光状態で撮像された画像でない場合、前記特徴量算出部により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部144と、を備える。
この構成により、領域抽出部144は、前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、AF評価領域に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記画像が逆光状態で撮像された画像でない場合、前記特徴量算出部により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する。これにより、領域抽出装置は、撮像された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【0097】
また、領域抽出装置140は、入力された画像に含まれる画像特徴量(例えば、色成分量)を算出する特徴量算出部141と、前記画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する判定部142と、前記画像特徴量が閾値未満である場合、AF評価領域に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記画像特徴量が閾値以上である場合、特徴量算出部141により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部144と、を備える。
この構成により、領域抽出部144は、前記画像特徴量が閾値未満である場合、AF評価領域に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記画像特徴量が閾値以上である場合、特徴量算出部141により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する。これにより、領域抽出装置は、入力された画像から主要被写体の領域を適切に抽出することができる。
【0098】
また、特徴量算出部141は、前記画像特徴量である色成分量を算出する。
これにより、領域抽出装置は、入力された画像から主要被写体の領域を、色成分量に基づいて適切に抽出することができる。
【0099】
また、撮像装置100は、領域抽出装置140と、領域抽出装置140が抽出した領域に合焦させるようAFレンズ112により焦点を調節するCPU190と、前記領域を含む画像を撮像する撮像部110と、を備える。
この構成により、領域抽出装置140は、撮像された画像から主要被写体の領域を適切に抽出する。これにより、撮像装置100は、主要被写体の領域を撮像することができる。
【0100】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0101】
例えば、色成分は、色差信号(Cr、Cb)により表現されてもよいし、RGB信号により表現されてもよい。
【0102】
また、上記に説明した領域抽出装置、撮像装置を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0103】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0104】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0105】
100…撮像装置、110…撮像部、111…レンズ鏡筒、140…領域抽出装置、141…特徴量算出部、142…判定部、143…受信部、144…領域抽出部、145…優先度設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記第1の画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する判定部と、
前記第1の画像特徴量が閾値未満である場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が閾値以上である場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部と、
を備えることを特徴とする領域抽出装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記第1の画像特徴量である色成分量が前記閾値未満であるか否かを判定し、
前記領域抽出部は、前記色成分量が前記閾値未満である場合、前記第2の画像特徴量である輝度に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記色成分量が前記閾値以上である場合、前記色成分量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出することを特徴とする請求項1に記載の領域抽出装置。
【請求項3】
前記領域抽出部は、前記第1の画像特徴量が前記閾値未満である場合、前記第1の画像特徴量及び前記第2の画像特徴量を算出するための分解能を調節することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の領域抽出装置。
【請求項4】
前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれているか否かを示す操作信号を受信する受信部
を備え、
前記領域抽出部は、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていることを前記操作信号が示している場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の領域抽出装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記画像が逆光状態で撮像された画像であるか否かを判定し、
前記領域抽出部は、前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の領域抽出装置。
【請求項6】
入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれているか否かを示す操作信号を受信する受信部と、
前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていることを前記操作信号が示している場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部と、
を備えることを特徴とする領域抽出装置。
【請求項7】
入力された画像に含まれる画像特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記画像が逆光状態で撮像された画像であるか否かを判定する判定部と、
前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出し、前記画像が逆光状態で撮像された画像でない場合、前記特徴量算出部により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部と、
を備えることを特徴とする領域抽出装置。
【請求項8】
入力された画像に含まれる画像特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する判定部と、
前記画像特徴量が閾値未満である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出し、前記画像特徴量が閾値以上である場合、前記特徴量算出部により算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する領域抽出部と、
を備えることを特徴とする領域抽出装置。
【請求項9】
前記特徴量算出部は、前記画像特徴量である色成分量を算出することを特徴とする請求項8に記載の領域抽出装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の領域抽出装置と、
前記領域抽出装置が抽出した領域に合焦させるよう光学系により焦点を調節する焦点調節部と、
前記領域を含む画像を撮像する撮像部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
コンピュータに、
入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する手順と、
前記第1の画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する手順と、
前記第1の画像特徴量が閾値未満である場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、前記第1の画像特徴量が閾値以上である場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する手順と、
を実行させるための領域抽出プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
入力された画像に含まれる第1の画像特徴量及び第2の画像特徴量を算出する手順と、
前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれているか否かを示す操作信号を受信する手順と、
前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていないことを前記操作信号が示している場合、前記第2の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出し、一方、前記第1の画像特徴量が予め定められた量以上前記画像に含まれていることを前記操作信号が示している場合、前記第1の画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する手順と、
を実行させるための領域抽出プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
入力された画像に含まれる画像特徴量を算出する手順と、
前記画像が逆光状態で撮像された画像であるか否かを判定する手順と、
前記画像が逆光状態で撮像された画像である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出し、前記画像が逆光状態で撮像された画像でない場合、算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する手順と、
を実行させるための領域抽出プログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
入力された画像に含まれる画像特徴量を算出する手順と、
前記画像特徴量が閾値未満であるか否かを判定する手順と、
前記画像特徴量が閾値未満である場合、予め定められた領域を前記画像から抽出し、前記画像特徴量が閾値以上である場合、算出された画像特徴量に基づいて定まる領域を前記画像から抽出する手順と、
を実行させるための領域抽出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−41362(P2013−41362A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176709(P2011−176709)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】