説明

領域指定装置、通信システム、および領域指定方法

【課題】物理的な領域の指定を行う装置の製造コストや設置スペースを削減する。
【解決手段】移動可能なマーカにおいて、プリンタまたはPCなどの他端末から、無線通信により他端末の位置を取得する他端末位置取得部と、移動の過程で他端末との距離を測定する距離測定部と、少なくとも3つの他端末の位置及び他端末との距離に基づき、マーカの位置を算出する自端末位置算出部と、マーカの位置を、マーカの位置を境界とした物理的な領域を指定する他端末に送信する自端末位置送信部と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御等の対象となる物理的な領域を指定する領域指定装置、通信システム、および領域指定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術例が特許文献1に開示されている。この特許文献1では、領域指定装置の一例として複数のマーカ端末を設置することで、通信制御等の対象となる物理的な領域の指定を実現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、複数のマーカ端末を必要とするため、マーカ端末のコストが高くなるという問題や、マーカ端末を設置するためのスペースを確保しなければならないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、設置スペースを削減するとともに、製造コストを削減する領域指定装置、通信システム、および領域指定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、移動可能な領域指定装置において、無線通信装置から、無線通信により前記無線通信装置の位置を取得する位置取得部と、移動の過程で前記無線通信装置との距離を測定する距離測定部と、少なくとも3つの前記無線通信装置の位置及び前記無線通信装置との距離に基づき、前記領域指定装置の位置を算出する位置算出部と、前記領域指定装置の位置を、前記領域指定装置の位置を境界とした物理的な領域を指定する前記無線通信装置に送信する位置送信部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、移動可能な領域指定装置と、前記領域指定装置と通信可能な無線通信装置とにより構成された通信システムにおいて、前記領域指定装置は、無線通信装置から、無線通信により前記無線通信装置の位置を取得する位置取得部と、移動の過程で前記無線通信装置との距離を測定する距離測定部と、少なくとも3つの前記無線通信装置の位置及び前記無線通信装置との距離に基づき、前記領域指定装置の位置を算出する位置算出部と、前記領域指定装置の位置を前記無線通信装置に送信する位置送信部と、を備え、前記無線通信装置は、前記領域指定装置の位置を受信し、受信した前記領域指定装置の位置を境界とした物理的な領域を指定する領域指定部を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、移動可能な領域指定装置において実行される領域指定方法において、無線通信装置から、無線通信により前記無線通信装置の位置を取得する位置取得ステップと、移動の過程で前記無線通信装置との距離を測定する距離測定ステップと、少なくとも3つの前記無線通信装置の位置及び前記無線通信装置との距離に基づき、前記領域指定装置の位置を算出する位置算出ステップと、前記領域指定装置の位置を、前記領域指定装置の位置を境界とした物理的な領域を指定する前記無線通信装置に送信する位置送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物理的な領域を指定する装置において、当該装置の設置スペースを削減するとともに、当該装置の製造コストを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態1に係る通信システムを構成する、プリンタ、PC、マーカの各構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、WiMedia(登録商標)を用いるプロトコルスタックの一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、実施の形態1の通信システムの構成例を模式的に示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1に係る曲線の領域指定(マーカの移動軌跡)の例を示す外見図である。
【図5】図5は、実施の形態1に係るマーカで実現される一例の処理を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、実施の形態1に係るマーカの自端末位置算出部の処理を示すイメージ図である。
【図7】図7は、実施の形態1に係るPC及びプリンタで実現される一例の処理を示す機能ブロック図である。
【図8】図8は、実施の形態1に係るマーカの領域指定の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施の形態1に係るマーカの複数の領域指定の例を示す外見図である。
【図10】図10は、実施の形態1に係るマーカの領域指定の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施の形態1に係るマーカの四角形の領域指定の一例を示す外見図である。
【図12】図12は、実施の形態1に係るマーカの三角形の領域指定の一例を示す外見図である。
【図13】図13は、実施の形態2に係るマーカの2点間を対角線とする四角形の領域指定を説明する図である。
【図14】図14は、実施の形態3に係る曲線の領域指定において高さを考慮した場合の例を示す外見図である。
【図15】図15は、実施の形態3に係るマーカの領域指定の動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施の形態3に係るマーカの四角形の領域指定において高さを考慮した場合の例を示す外見図である。
【図17】図17は、実施の形態3に係るマーカの領域指定の動作の他の一例を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施の形態3に係るマーカの2点間を対角線とする四角形の領域指定において高さを考慮した場合の例を示す外見図である。
【図19】図19は、実施の形態3に係るマーカの領域指定の動作の他の一例を示すフローチャートである。
【図20】図20は、実施の形態3に係るマーカの領域指定の動作の他の一例を示すフローチャートである。
【図21】図21は、実施の形態4に係るマーカが表示部を備えた場合の例を示す外見図である。
【図22】図22は、実施の形態4に係る指定領域と各端末の位置関係を示す表示画面の一例を示す図である。
【図23】図23は、実施の形態4に係る指定領域と各端末の位置関係を示す表示画面の一例を示す図である。
【図24】図24は、実施の形態4に係る指定領域の修正動作の一例を示すフローチャートである。
【図25】図25は、実施の形態5に係る指定領域と各端末の位置関係を示す表示画面の一例を示す図である。
【図26】図26は、実施の形態6に係る端末と人との属性関係を模式的に示す図である。
【図27】図27は、実施の形態7に係る指定領域と各端末の位置関係を示す表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる領域指定装置、通信システム、および領域指定方法の最良な実施の形態(以下、実施形態という)を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
本実施形態の通信システムは、複数の無線通信装置と、1つの領域指定装置とを有する。本実施形態では、無線通信装置の一例として、PC(Personal Computer)及びプリンタ(PRN)を例に説明するが、PC及びプリンタに限定するものではない。例えば無線通信装置は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripherals)や複写機、ファクシミリ装置等であってもよい。
【0012】
また、本実施形態では、物理的な所定の領域を指定する領域指定装置の一例として、他の端末(他の装置)と通信可能な端末であって、かつ移動可能な端末であるマーカを例に説明するが、マーカに限定するものではない。例えば、汎用の携帯電話やPCなどでもよく、持ち運びが容易な携帯通信端末(移動体通信端末)であればよい。
【0013】
図1は、本実施形態の通信システムにおけるプリンタ、PC、マーカの構成例をそれぞれ示す図である。各構成例について以下に説明する。本実施形態の通信システムでは、マーカを移動させながら、プリンタやPCなどの位置およびプリンタやPCなどとの距離によってマーカの位置(マーカ位置)を算出し、算出したマーカ位置によって囲まれる領域を指定するものである。そして、このように指定された領域(指定領域)を、例えば通信が許可された領域とすると、指定領域内におけるPCなどが通信可能な端末を把握することができる。
【0014】
本実施形態のプリンタは、図1に示すように、プリンタ制御部11、プリンタ表示部14、プリンタ操作部15、無線通信部16、記憶部12、プリンタ部13を主に有する構成である。
【0015】
プリンタ表示部14は、操作者に対する表示を行う。プリンタ操作部15は、操作者からの操作を受け付ける。無線通信部16は、通信相手との距離を高精度に測定することができるWiMedia(登録商標)を物理層に使用する通信方式により無線通信を行う。記憶部12は、プリンタの制御に必要な各種情報を格納する。プリンタ部13は、紙等への印刷を行う。プリンタ制御部11は、プリンタ表示部14、プリンタ操作部15、無線通信部16、記憶部12及びプリンタ部13を制御する。
【0016】
本実施形態のPCは、図1に示すように、PC制御部21、無線通信部26、操作部25、表示部24、記憶部22を主に有する構成である。
【0017】
無線通信部26は、通信相手との距離を高精度に測定することができるWiMedia(登録商標)を物理層に使用する通信方式により無線通信を行う。操作部25は、操作者からの操作を受け付ける。表示部24は、操作者に対する表示を行う。記憶部22は、PCの制御に必要な各種情報を格納する。PC制御部21は、無線通信部26、操作部25、表示部24及び記憶部22を制御する。
【0018】
本実施形態のマーカは、図1に示すように、マーカ制御部31、無線通信部36、操作部35、記憶部32を主に有する構成である。
【0019】
無線通信部31は、通信相手との距離を高精度に測定することができるWiMedia(登録商標)を物理層に使用する通信方式により無線通信を行う。操作部35は、操作者からの操作を受け付ける。記憶部32は、マーカの制御に必要な各種情報を格納するものである。マーカ制御部31は、無線通信部36、操作部35及び記憶部32を制御する。
【0020】
なお、WiMedia(登録商標)を用いるプロトコルスタックは、例えば図2に示すようになる。図2は、WiMedia(登録商標)を用いるプロトコルスタックの一例を示すブロック図である。距離を測るための仕組みは、WiMedia層に含まれる。距離の測定には、WiMedia層よりも上位のプロトコルが必須でない。つまり、マーカは図2の点線で囲ったWiMedia層の部分の機能だけを持つようにしても距離の測定を行うことができる。
【0021】
マーカは図2の点線で囲ったWiMedia層の部分の機能だけを持つようにすることにより、低消費電力化し、電池駆動を可能とする。電池駆動を可能としたことで、マーカはAC電源の無いところでも利用できる。また、マーカは図2の点線で囲ったWiMedia層の部分の機能だけを持つようにすることにより、機能を限定することができるのでコストを抑えることができる。
【0022】
なお、WiMedia(登録商標)の規格は、ECMA−International(European association for standardizing information and communication systems)が定める欧州標準規格ECMA−368等に記されている。例えば、通信相手との距離の測定はECMA−368の「14.Ranging and location awareness」に記載されている方法を用いることができる。WiMedia(登録商標)を物理層に使用する通信方式としては、ワイヤレスUSB(登録商標)、ワイヤレスIEEE1394、次世代Bluetooth(登録商標)、Winet等がある。なお、WiMedia(登録商標)を物理層に使用する、これらの通信方式は短パルス波を用いる為、従来の通信方式よりも精度の良い距離測定が可能である。
【0023】
図3(a)は、本実施形態の通信システムの構成例を模式的に示す図である。本実施形態の通信システムは、部屋50において複数のPC1a、1b、1c及びプリンタ(PRN)2a、2bがあるときに、部屋50内の所定領域をマーカの移動によって限定するものである。なお、以下の説明において、PC1a〜1cのいずれかを指す場合は単にPC1という。また、プリンタ2a,2bのいずれかを指す場合は、単にプリンタ2という。
【0024】
操作者は、マーカを所持した状態で、指定したい領域の境界を移動する。これにより、マーカの移動軌跡は、例えば図4に示すように曲線状になる。部屋50における領域指定の例を図3(b)に示す。図3(b)において、点線の曲線はマーカの移動軌跡であり、その曲線で囲まれた範囲が、操作者により指定された領域である。図3(b)では、開始点から領域の指定が開始され、再び開始点に戻って領域の指定が終了された例となっている。
【0025】
図5は、マーカ上で実現される一例の処理を示す機能ブロック図である。図5に示す処理ブロック図は図1に示す構成のマーカ上で実現される。図5のマーカは、他端末位置取得部61、距離測定部62、自端末位置算出部63、テーブル部64、自端末位置送信部65として機能する。
【0026】
他端末位置取得部61は、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bと無線通信を行い、それら各端末(PC1a〜1c及びプリンタ2a,2b)に予め設定されている位置(座標を示す位置情報)を取得する。なお、マーカにとって、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bは「他端末」となる。
【0027】
距離測定部62は、通信相手との距離を高精度に測定することができるWiMedia(登録商標)を用いたプロトコルにより、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bまでの距離を測定する。また、距離測定部62は、WiMedia(登録商標)を用いたプロトコルにより、ある地点からある地点までの自端末(マーカ)の移動距離を測定する。
【0028】
自端末位置算出部63は、他端末位置取得部61で取得された少なくとも3つの各他端末の位置と、距離測定部で測定された各他端末までの距離とを用いた連立方程式を解いて、自端末の位置(座標)を算出する。具体的には、自端末位置算出部63は、他端末位置取得部61で取得された他端末Aの位置(x1,y1)、他端末Bの位置(x2,y2)、および他端末Cの位置(x3,y3)と、距離測定部62により測定された自端末と他端末Aとの距離L1、自端末と他端末Bとの距離L2、および自端末と他端末Cとの距離L3とを、以下の(1)〜(3)の式に代入し、その代入された(1)〜(3)の方程式を解法することにより、自端末位置(X,Y)を算出することができる。
【0029】
L1=((X−x1)2+(Y−y1)21/2・・・(1)
L2=((X−x2)2+(Y−y2)21/2・・・(2)
L3=((X−x3)2+(Y−y3)21/2・・・(3)
ここで、
自端末の位置:(X,Y)
他端末Aの位置:(x1,y1)
他端末Bの位置:(x2,y2)
他端末Cの位置:(x3,y3)
自端末と他端末Aとの距離:L1
自端末と他端末Bとの距離:L2
自端末と他端末Cとの距離:L3
である。
【0030】
図6は、自端末位置算出部63の処理を表したイメージ図である。図6は、他端末位置取得部61で取得された各他端末位置が3つであり、それら他端末位置が、(0,2)、(14,0)、(11,12)である例を示している。また、図6は、距離測定部62で測定された、自端末位置(X,Y)から上記各他端末位置A(0,2)、B(14,0)、C(11,12)までの距離がそれぞれ10、10、5である例を示している。
【0031】
このとき、自端末位置算出部63は、各端末の位置、および各端末間の距離を上記式(1)〜(3)に代入して、以下の式(4)〜(6)からなる方程式を解くことにより、自端末位置(X,Y)を得る。
10=((X−0)2+(Y−2)21/2・・・(4)
10=((X−14)2+(Y−0)21/2・・・(5)
5=((X−11)2+(Y−12)21/2・・・(6)
【0032】
このように、自端末位置算出部63が自端末位置を算出するためには、3つ以上の他端末位置と、それら他端末までの距離とが必要となる。
【0033】
テーブル部64は、他端末位置取得部61で取得された各他端末位置や、自端末位置算出部63で算出された自端末位置を、位置情報として保持する記録媒体である。
【0034】
自端末位置送信部65は、自端末位置算出部63で算出された、又は、テーブル部64に保持された自端末位置を各他端末へ送信する。
【0035】
図7は、PC1上で実現される一例の処理を示す機能ブロック図である。図7に示す処理ブロック図は、図1に示すPC上で実現される。図7のPCは、自端末位置送信部81、自端末位置保持部82、領域指定部83として機能する。
【0036】
自端末位置保持部82は、予め設定される自端末の位置(座標)を保持する。本実施形態では、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bには、予め自端末の位置(座標)が設定されているものとする。通常、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bの設置位置が、自端末位置となる。
【0037】
自端末位置送信部81は、マーカと無線通信を行い、予め設定されている自端末位置を送信する。
【0038】
領域指定部83は、マーカから複数のマーカ位置を受信し、受信した当該複数のマーカ位置を境界として、マーカ位置で囲まれた範囲を指定領域として指定する。具体的には、例えば、領域指定部83は、複数のマーカ位置と指定領域を識別する識別情報とを対応付けて指定領域として指定する。この指定領域は、例えば、端末間の通信が許可された領域を示す端末間通信許可領域、端末間の通信が禁止された領域を示す端末間通信禁止領域などとして設定され、不図示のテーブル部に記憶される。そして、PC1が他の端末と通信する際、指定領域を端末間通信許可領域とした場合には、PC1において指定領域内の通信可能な端末を把握することができ、指定領域を端末間通信禁止領域とした場合には、PC1において指定領域内の端末に通信が禁止されていることが把握できる。また、端末間で情報の共有を許可する情報供給許可領域、端末間で情報の共有を禁止する情報共有禁止領域、外部との通信を許可する通信許可領域、外部との通信を禁止する通信禁止領域などとして設定され、不図示のテーブル部に記憶してもよい。
【0039】
なお、プリンタ2上で実現される処理ブロック図は、プリンタ特有の処理ブロックを除いて図7に示した処理ブロック図と同様であるため、説明を省略する。
【0040】
図8は、本実施形態のマーカの処理(本発明の一実施形態である領域指定方法)を表した一例のフローチャートである。以下の説明ではPC1及びプリンタ2を総称して他端末といい、マーカを自端末という。また、以下の説明では、図3(b)に示す領域指定を例とする。
【0041】
まず、操作者は、マーカを所持して図3(b)に示す開始点に立つ。そして、操作者は、マーカの操作部35を操作して、領域指定の開始をマーカに指示する。なお、領域指定の開始及び終了を指示する操作としては、例えば、操作部35の一例である開始スイッチ及び終了スイッチの押下が挙げられる。あるいは、操作部35の一例であるスイッチを1つにして、1回目の押下で開始、2回目の押下で終了としてもよいし、スイッチを押下している間だけ領域指定を行い、スイッチの押下を止めると領域指定を終了するようにしてもよい。
【0042】
操作者により領域指定の開始が指示されると(ステップS1:Yes)、距離測定部62は、図3(b)の開始点から所定距離移動したかどうかを判定する(ステップS2)。所定距離は、予め設定された値とする。ここでは、図3(b)において、マーカを所持した操作者が開始点から矢印の示す方向へ点線に沿って移動し、r地点に到達したとする。開始点からr地点までの距離が予め設定された所定距離であるとすると、距離測定部62は、操作者がr地点に至ったときに所定距離移動したものと判定する(ステップS2:Yes)。
【0043】
このとき、他端末位置取得部61は、3つ以上の他端末の位置をそれぞれ取得し(ステップS3)、距離測定部62は、自端末(マーカ)から各他端末までの距離をそれぞれ測定する(ステップS4)。例えば、他端末位置取得部61は、PC1a、1b、PRN2bからそれぞれ他端末位置を取得し、距離測定部62は、r地点からPC1a、1b、PRN2bまでの距離をそれぞれ測定する。なお、取得された各他端末位置は、テーブル部64に保存される。
【0044】
自端末位置算出部63は、取得された3以上の他端末位置と、測定された各距離とを上記連立方程式で解き、自端末の位置(r地点の位置)を算出し、算出した自端末位置(r地点の位置)をテーブル部64に保存する(ステップS5)。なお、マーカは、上記ステップS1で領域指定の開始が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(開始点の位置)を算出し、保存しているものとする。
【0045】
領域指定の終了が指示されない場合(ステップS6:No)、距離測定部62は、再び、r地点から所定距離を移動したかを判定する(ステップS2)。所定距離を移動したs地点でステップS3以降の処理が上記同様に行われる。このようにして、t地点、u地点、v地点、w地点でも、ステップS3以降の処理が上記同様に行われる。
【0046】
w地点の後、操作者が開始点に戻ってきて、領域指定の終了が指示されると(ステップS6:Yes)、自端末位置送信部65は、各他端末に対して、テーブル部64に保存された自端末位置及び他端末位置を送信する(ステップS7)。なお、マーカは、上記ステップS6で領域指定の終了が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(終了点の位置)を算出し、保存するものとする。また、ステップS7で送信される自端末位置(マーカ位置)は、開始点、r地点、s地点、t地点、u地点、v地点、w地点、終了点(開始点と同じ)の各座標である。また、ステップS7で送信される他端末位置は、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bの各座標である。
【0047】
各他端末(PC1及びプリンタ2)は、マーカから通知された複数のマーカ位置及び他端末位置を、図7に図示しないテーブル部に保持させる。
【0048】
このようにして、各他端末は、複数のマーカ位置を共有し、複数のマーカ位置で囲まれた範囲を指定領域として認識する。上述したように、指定領域は、例えば、端末間通信許可領域/端末間通信禁止領域、情報共有許可領域/情報共有禁止領域、外部との通信許可領域/外部との通信禁止領域などが設定され、使用される。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、マーカを移動させ、その移動軌跡(複数のマーカ位置)で囲まれた領域を指定領域とすることができるので、1つのマーカで領域指定を実現できる。よって、マーカにかかるコストや、マーカを設置するスペースを削減することが可能となる。
【0050】
なお、上記本実施形態のステップS7(図8参照)では、マーカが他端末全部に対してマーカ位置及び他端末位置を送信するようにしたが、他端末のうち少なくとも1つに対して送信を行い、その後は、マーカから通知を受けた他端末が、通知を受けていない他端末に対して送信するようにしてもよい。
【0051】
上記本実施形態では、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bが全て、自端末位置を予め設定されるものとしたが、少なくとも3つの端末に予め設定されていればよい。
【0052】
上記本実施形態では、マーカが、予め自端末位置を保持している他端末と通信を行うことで他端末位置を取得するようにしたが、マーカ(他端末位置取得部61)の他端末位置の取得方法はこれに限定されない。一例として、領域指定を開始する前に、3つ以上の他端末位置をマーカ自身に入力して設定しておくようにしてもよい。この場合、移動の過程においてマーカは常に、予め設定された他端末との距離を測定する。また、別の一例として、他端末位置を一括して収集・管理するサーバ装置(図示せず)を備えるようにし、マーカは、このサーバ装置と通信を行うことで他端末位置を取得するようにしてもよい。
【0053】
上記本実施形態では、マーカは、マーカ位置情報及び他端末位置を各他端末へ送信するようにし、各他端末がマーカ位置情報及び他端末位置を基に指定領域を認識するようにしたが、マーカ自身における不図示の領域指定部が指定領域を指定するようにしてもよい。さらに、指定領域を指定したマーカが、各端末の座標が指定領域の内外にあるか否かを判定することで、各他端末が指定領域内外のいずれにあるかを判定し(領域内外判定部)、その判定結果を示す情報を、該当する他端末へ送信するようにしてもよい(判定結果送信部)。
【0054】
上記本実施形態において、領域指定が複数行われるようにしてもよい。このようにすることで、複数の領域毎に、制御等の設定を異なるようにすることができる。例えば、図9は、領域指定を2度行った場合の2つの領域を示している。図9では、2つの領域のうち、左側の領域を通信許可領域、右側の領域を通信禁止領域として設定すると、網点で示した領域が許可領域となる例を示している。このように、複数の領域を組み合わせることで、より複雑な範囲(領域)を指定することができる。
【0055】
上記本実施形態ではマーカの移動の軌跡で囲まれた範囲を指定領域としたが、所定の地点を頂点として指定し、指定された頂点で囲まれた多角形内を指定領域としてもよい。この例について図10のフローチャートを参照して以下に説明する。図10は、本実施形態のマーカの処理を表した一例のフローチャートである。図10のフローチャートは基本的には図8と同様であるが、図8の自端末位置(マーカ位置)を所定距離毎に自動的に算出していた場合と比べて、操作者からの頂点指定操作があったときだけ自端末位置(マーカ位置)を算出する点が異なる。また、以下の説明では、図8と同様に、PC1及びプリンタ2を総称して他端末といい、マーカを自端末という。
【0056】
操作者により領域指定の開始が指示されると(ステップS11:Yes)、他端末位置取得部61は、所定の地点を頂点として指定する頂点指定操作を受け付けたかどうかを判定する(ステップS12)。操作者は、マーカを所持して移動する過程で、指定したい領域の頂点に到達する毎に、頂点指定操作を行う。
【0057】
他端末位置取得部61は、頂点指定操作を受け付けたと判定すると(ステップS12:Yes)、3つ以上の他端末の位置をそれぞれ取得する(ステップS13)。また、距離測定部62は、自端末(マーカ)から各他端末までの距離をそれぞれ測定する(ステップS14)。取得された各他端末位置は、テーブル部64に保存される。
【0058】
自端末位置算出部63は、取得された3以上の他端末位置と、測定された各距離とを上記連立方程式で解き、自端末の位置(頂点の位置)を算出し、算出した自端末位置(頂点の位置)をテーブル部64に保存する(ステップS15)。なお、マーカは、上記ステップS11で領域指定の開始が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(開始点の位置)を算出し、保存しているものとする。
【0059】
領域指定の終了が指示されない場合(ステップS16:No)、他端末位置取得部61は、再び、頂点指定操作を受け付けたかを判定する(ステップS12)。再び頂点指定操作を受け付けた地点において、ステップS13以降の処理が上記同様に行われる。
【0060】
領域指定の終了が指示されると(ステップS16:Yes)、自端末位置送信部65は、各他端末に対して、テーブル部64に保存された自端末位置及び他端末位置を送信する(ステップS17)。なお、マーカは、上記ステップS16で領域指定の終了が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(終了点の位置)を算出し、保存するものとする。また、ステップS17で送信される自端末位置(マーカ位置)は、開始点、各頂点、終了点の各座標である。また、ステップS17で送信される他端末位置は、例えば図3(b)に示すPC1a〜1c及びプリンタ2a,2bの各座標である。
【0061】
各他端末(PC1及びプリンタ2)は、マーカから通知された複数のマーカ位置及び他端末位置を、図7に図示しないテーブル部に保持させる。
【0062】
このようにして、各他端末は、複数のマーカ位置を共有し、複数のマーカ位置を直線で結び、結んだ直線で囲まれた多角形の範囲を指定領域として認識する。多角形の指定領域の例を図11及び図12に示す。図11は、四角形の指定領域の一例を示す外見図である。図12は、三角形の指定領域の一例を示す外見図である。この指定領域は、例えば、端末間通信許可領域/端末間通信禁止領域、情報共有許可領域/情報共有禁止領域、外部との通信許可領域/外部との通信禁止領域などが設定され、使用される。
【0063】
なお、上記例において、領域指定の終了条件に関しては、指定領域を何角形にするかを予め設定しておくようにし、その設定に基づいた規定の回数分、頂点指定操作が行われたことをトリガとして領域指定を終了するようにしてもよい。例えば、予め三角形の領域指定が設定された場合は、3回頂点指定操作が行われたら領域指定を終了とし、予め四角形の領域指定が設定された場合は、4回頂点指定操作が行われたら領域指定を終了とするようにする。
【0064】
(実施の形態2)
上記実施形態1では領域そのものを指定した。これに対して、本実施形態2では、領域指定を簡単にするために、マーカを所持して移動する操作者が、図13に示すように、四角形の対角位置にある頂点を指定する操作を行い、2点を指定するようにする。すなわち、本実施形態では、マーカをある地点からある地点まで移動させ、それら2点間を結ぶ直線を対角線とした四角形を指定領域とする。
【0065】
なお、指定された2点間の直線を対角線とする四角形というだけでは、図13(a)の実線、点線で示すように、この2点を対角線とする四角形の指定領域は一意に決まらない。このため、2点の位置を(X1,Y1)、(X2,Y2)とするとき、指定していない残り2点の位置を座標軸に合わせる、具体的には、図13(b)に示すように、残り2点の位置を(X1,Y2)、(X2,Y1)とすることで、四角形の指定領域は一意に決まる。
【0066】
なお、本実施形態において、指定する2点の座標は、例えば建物や方角に合わせることでよい。よって、操作者は、2点を指定するときに迷うことも無く、領域指定を容易に行うことができる。
【0067】
(実施の形態3)
上記実施形態1、2のように単純に平面上で領域を指定すると、床、床下、天井裏等に隠された端末(PC、プリンタ等)も領域内に含まれてしまう。また、悪意は無くても、別フロアにある端末(PC、プリンタ等)が領域内に含まれてしまう。そこで、本実施形態3では、上記実施形態1、2と同様にして平面の領域を指定し、そのときの高さ方向の最大値/最小値を、高さ方向の上限値/下限値とすることで、上記不具合を解消する。
【0068】
本実施形態では、マーカにおける自端末位置算出部63が、自端末位置として、マーカの平面上の位置座標と、マーカの3次元上の高さを算出し、図14に示すように、算出した自端末位置全ての高さの中の最大値及び最小値を上限値と下限値にする。そして、マーカがマーカ位置であるマーカの平面上の位置座標と、上限値および下限値とを他端末に送信し、他端末は、マーカの平面上の位置座標と、上限値および下限値とにより3次元の指定領域を指定する。
【0069】
図15は、本実施形態のマーカの処理を表した一例のフローチャートである。図15のフローチャートは基本的には図8と同様であるが、図8の自端末位置(マーカ位置)を平面上で算出していた場合と比べて、さらに高さの上限値および下限値に基づいて領域を指定した点が異なる。また、以下の説明では、図8と同様に、PC1及びプリンタ2を総称して他端末といい、マーカを自端末という。
【0070】
操作者による領域指定の開始から、各他端末の位置までの距離の測定までの処理(ステップS21〜24)は、実施形態1における処理と同様であるため説明を省略する(図8におけるステップS1〜4参照)。
【0071】
自端末位置算出部63は、取得された3以上の他端末位置と、測定された各距離とを上記連立方程式で解き、自端末の位置座標および自端末の高さの上限値および下限値を含む自端末の位置(r地点の位置)を算出し、算出した自端末位置(r地点の位置)をテーブル部64に保存する(ステップS25)。なお、マーカは、上記ステップS21で領域指定の開始が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(開始点の位置)を算出し、保存しているものとする。
【0072】
次に、自端末位置算出部63は、算出した位置の自端末の高さの上限値、下限値が更新されたか否かを判定する(ステップS26)。そして、更新されていた場合(ステップS26:Yes)、自端末位置算出部63は、当該上限値、下限値を更新してテーブル部64に保存する(ステップS27)。一方、更新されていない場合(ステップS26:No)、ステップS28へ進む。
【0073】
そして、領域指定の終了が指示されたか否かを判断し(ステップS28)、領域指定の終了が指示されない場合(ステップS28:No)、距離測定部62は、再び、r地点から所定距離を移動したかを判定する(ステップS22)。所定距離を移動したs地点でステップS23以降の処理が上記同様に行われる。このようにして、t地点、u地点、v地点、w地点でも、ステップS23以降の処理が上記同様に行われる。
【0074】
w地点の後、操作者が開始点に戻ってきて、領域指定の終了が指示されると(ステップS28:Yes)、自端末位置送信部65は、各他端末に対して、テーブル部64に保存された自端末位置及び他端末位置を送信する(ステップS29)。なお、マーカは、上記ステップS28で領域指定の終了が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(終了点の位置)を算出し、保存するものとする。また、ステップS29で送信される自端末位置(マーカ位置)は、開始点、r地点、s地点、t地点、u地点、v地点、w地点、終了点(開始点と同じ)の各座標である。また、ステップS29で送信される他端末位置は、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bの各座標である。
【0075】
そして、各他端末(PC1及びプリンタ2)は、マーカ(自端末)から通知された複数のマーカ位置及び他端末位置を、図7に図示しないテーブル部に保持させて、開始から終了までの自端末の軌跡で囲まれる領域を共有する(ステップS30)。
【0076】
また、本実施形態では、マーカにおける自端末位置算出部63が、自端末位置として、マーカの平面上の頂点の位置座標と、マーカの3次元上の高さを算出し、図16に示すように、算出した自端末位置(頂点の位置)の高さの中の最大値及び最小値を上限値と下限値にする。そして、マーカがマーカ位置であるマーカの平面上の頂点の位置座標と、上限値および下限値とを他端末に送信し、他端末は、マーカの平面上の頂点の位置座標と、上限値および下限値とにより3次元の指定領域を指定する。
【0077】
図17は、本実施形態のマーカの処理を表した一例のフローチャートである。図17のフローチャートは基本的には図10と同様であるが、図10の自端末位置(マーカ位置)を平面上で算出していた場合と比べて、さらに高さの上限下限に基づいて、領域を指定した点が異なる。また、以下の説明では、図8と同様に、PC1及びプリンタ2を総称して他端末といい、マーカを自端末という。
【0078】
操作者による領域指定の開始から、各他端末の位置までの距離の測定までの処理(ステップS41〜44)は、実施形態1における処理と同様であるため説明を省略する(図10におけるステップS11〜14参照)。
【0079】
自端末位置算出部63は、取得された3以上の他端末位置と、測定された各距離とを上記連立方程式で解き、自端末の頂点の位置座標および自端末の高さの上限値および下限値を含む自端末の位置(r地点の位置)を算出し、算出した自端末位置(r地点の位置)をテーブル部64に保存する(ステップS45)。なお、マーカは、上記ステップS41で領域指定の開始が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(開始点の位置)を算出し、保存しているものとする。
【0080】
次に、自端末位置算出部63は、算出した位置の自端末の高さの上限値、下限値が更新されたか否かを判定する(ステップS46)。そして、更新されていた場合(ステップS46:Yes)、自端末位置算出部63は、当該上限値、下限値を更新してテーブル部64に保存する(ステップS47)。一方、更新されていない場合(ステップS46:No)、ステップS48へ進む。
【0081】
そして、領域指定の終了が指示されたか否かを判断し(ステップS48)、領域指定の終了が指示されない場合(ステップS48:No)、距離測定部62は、再び、頂点指定操作を受け付けたかを判定する(ステップS42)。再び頂点指定操作を受け付けた地点において、ステップS43以降の処理が上記同様に行われる。
【0082】
領域指定の終了が指示されると(ステップS48:Yes)、自端末位置送信部65は、各他端末に対して、テーブル部64に保存された自端末位置及び他端末位置を送信する(ステップS49)。なお、マーカは、上記ステップS48で領域指定の終了が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(終了点の位置)を算出し、保存するものとする。また、ステップS49で送信される自端末位置(マーカ位置)は、開始点、各頂点、終了点の各座標である。また、ステップS49で送信される他端末位置は、例えば図3(b)に示すPC1a〜1c及びプリンタ2a,2bの各座標である。
【0083】
そして、各他端末(PC1及びプリンタ2)は、マーカ(自端末)から通知された複数のマーカ位置及び他端末位置を、図7に図示しないテーブル部に保持させて、開始から終了までの自端末の頂点で囲まれる領域を共有する(ステップS50)。
【0084】
また、本実施形態では、図18に示すように、上記実施形態2と同様にして、立方体の対角位置にある頂点を指定することで領域を指定するようにする。図19は、本実施形態のマーカの処理を表した一例のフローチャートである。図19のフローチャートは図10の自端末位置(マーカ位置)を平面上で算出していた場合と比べて、さらに高さに基づいて領域を指定した点が異なる。また、以下の説明では、図8と同様に、PC1及びプリンタ2を総称して他端末といい、マーカを自端末という。
【0085】
操作者による領域指定の開始から、各他端末の位置までの距離の測定までの処理(ステップS61〜64)は、実施形態1における処理と同様であるため説明を省略する(図10におけるステップS11〜14参照)。
【0086】
自端末位置算出部63は、取得された3以上の他端末位置と、測定された各距離とを上記連立方程式で解き、自端末の頂点の位置座標および自端末の高さを含む自端末の位置を算出し、算出した自端末位置をテーブル部64に保存する(ステップS65)。
【0087】
そして、領域指定の終了が指示されたか否かを判断し(ステップS66)、領域指定の終了が指示されない場合(ステップS66:No)、距離測定部62は、再び、頂点指定操作を受け付けたかを判定する(ステップS62)。再び頂点指定操作を受け付けた地点において、ステップS63以降の処理が上記同様に行われる。
【0088】
領域指定の終了が指示されると(ステップS66:Yes)、自端末位置送信部65は、各他端末に対して、テーブル部64に保存された自端末位置及び他端末位置を送信する(ステップS67)。ここで、ステップS67で送信される自端末位置(マーカ位置)は、2回(頂点2点)の位置座標および高さである。また、ステップS67で送信される他端末位置は、例えば図3(b)に示すPC1a〜1c及びプリンタ2a,2bの各座標である。
【0089】
そして、各他端末(PC1及びプリンタ2)は、マーカ(自端末)から通知された2回のマーカ位置及び他端末位置を、図7に図示しないテーブル部に保持させて、2回の自端末の位置座標を対角線とする立方体領域を共有する(ステップS68)。
【0090】
または、上記実施形態1、2と同様にしてまず平面の領域を指定し、次に上限/下限を指定するボタン(スイッチ)で明示的に高さ方向の上限/下限を指定するようにしてもよい。図20は、本実施形態のマーカの処理を表した一例のフローチャートである。また、以下の説明では、図8と同様に、PC1及びプリンタ2を総称して他端末といい、マーカを自端末という。
【0091】
操作者により領域指定の開始が指示されると(ステップS71:Yes)、距離測定部62は、不図示の上限下限設定ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS72)。上限下限設定ボタンが押下されていない場合(ステップS72:No)、ステップS77の処理へ進む。
【0092】
一方、上限下限設定ボタンが押下された場合(ステップS72:Yes)、他端末位置取得部61は、3つ以上の他端末の位置をそれぞれ取得し(ステップS73)、距離測定部62は、自端末(マーカ)から各他端末までの距離をそれぞれ測定する(ステップS74)。取得された各他端末位置は、テーブル部64に保存される。
【0093】
自端末位置算出部63は、取得された3以上の他端末位置と、測定された各距離とを上記連立方程式で解き、自端末の位置座標および自端末の高さの上限値および下限値を含む自端末の位置(r地点の位置)を算出し、算出した自端末位置(r地点の位置)をテーブル部64に保存する(ステップS75)。なお、マーカは、上記ステップS71で領域指定の開始が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(開始点の位置)を算出し、保存しているものとする。そして、自端末位置算出部63は、算出した位置の自装置の高さの上限値、下限値を更新してテーブル部64に保存する(ステップS76)。
【0094】
そして、距離測定部62は、図3(b)の開始点から所定距離移動したかどうかを判定する(ステップS77)。所定距離は、予め設定された値とし、図8と同様に、開始点からr地点までの距離が予め設定された所定距離であるとすると、距離測定部62は、操作者がr地点に至ったときに所定距離移動したものと判定する(ステップS77:Yes)。
【0095】
このとき、他端末位置取得部61は、3つ以上の他端末の位置をそれぞれ取得し(ステップS78)、距離測定部62は、自端末(マーカ)から各他端末までの距離をそれぞれ測定する(ステップS79)。取得された各他端末位置は、テーブル部64に保存される。
【0096】
自端末位置算出部63は、取得された3以上の他端末位置と、測定された各距離とを上記連立方程式で解き、自端末の位置(r地点の位置)を算出し、算出した自端末位置(r地点の位置)をテーブル部64に保存する(ステップS80)。
【0097】
領域指定の終了が指示されない場合(ステップS81:No)、距離測定部62は、再び、不図示の上限下限設定ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS72)。そして、ステップS73以降の処理が上記同様に行われる。このようにして、s地点、t地点、u地点、v地点、w地点でも、ステップS73以降の処理が上記同様に行われる。
【0098】
w地点の後、操作者が開始点に戻ってきて、領域指定の終了が指示されると(ステップS81:Yes)、自端末位置送信部65は、各他端末に対して、テーブル部64に保存された自端末位置及び他端末位置を送信する(ステップS82)。なお、マーカは、上記ステップS81で領域指定の終了が指示されたときにも、上記同様にして、自端末の位置(終了点の位置)を算出し、保存するものとする。また、ステップS82で送信される自端末位置(マーカ位置)は、開始点、r地点、s地点、t地点、u地点、v地点、w地点、終了点(開始点と同じ)の各座標である。また、ステップS82で送信される他端末位置は、PC1a〜1c及びプリンタ2a,2bの各座標である。
【0099】
そして、各他端末(PC1及びプリンタ2)は、マーカ(自端末)から通知された複数のマーカ位置及び他端末位置を、図7に図示しないテーブル部に保持させて、開始から終了までの自端末の軌跡で囲まれる領域を共有する(ステップS83)。
【0100】
また、本実施形態は、算出した自端末位置(マーカ位置)の高さの平均値の上下何cmというように指定を行ってもよい。
【0101】
なお、上述した高さ方向の上限/下限の指定は、各他端末はもちろん、自端末位置算出部63が自端末位置の算出のときに行うようにしてもよい。例えば、自端末位置算出部63は、平面上の自端末位置を(X,Y)として算出した後、予め設定されている最大値Z及び最小値zを加え、高さを鑑みた3次元の自端末位置を算出する。
【0102】
本実施形態3では、平面上の座標に加えて高さ情報(最大値/最小値)も用いた3次元の領域指定となるため、床、床下、天井裏の端末等に隠された端末や別フロアの端末を指定領域外にすることができる。
【0103】
(実施の形態4)
上記特許文献1のように複数のマーカを置いたまま使う場合であれば、現実空間で、各マーカと各端末との位置関係を確認できるが、上記実施形態1〜3のように領域指定後にマーカが無くなる場合は、指定領域と各端末との位置関係が分かりにくくなる。そこで、本実施形態4では、このような不具合を解消する。
【0104】
実施形態1の図1の構成例ではマーカには表示部が無いが、本実施形態4では、マーカに表示部を追加した構成となっている。そして、本実施形態では、上記実施形態1〜3で説明したように領域指定を行った後に、この表示部に指定領域と各端末との位置関係を表示するようにする。
【0105】
図21は、マーカに表示部を備えた例を示す図である。図21に示すように、マーカの側面には操作部3(図1の操作部35に相当)が設けられ、マーカの上面には表示部4が設けられている。表示部4は、一般的に公知のディスプレイ装置で構成される。図21に示すように、表示部4には、指定領域が線等で表示する領域表示1と、指定領域付近に配置された各端末の位置関係を記号や図形等で表示する端末表示2とが表示される。
【0106】
図22は、PCなどの端末において、指定領域と指定領域付近に配置された各端末の位置関係が地図のように表示された画面を示す図である。図22の表示画面では、PC1,PC3,PRN1が指定領域内であることを示している。ここで、例として、MFP3を追加したい場合を考える。
【0107】
操作者は、PCの表示画面(図22)とマーカの表示部(図21)を見ながら、マーカを移動させたり、あるいは、表示画面上で指定領域の頂点をドラッグするなどの領域修正操作を行ったりする。これにより、PCでは指定領域の修正指示を操作者から受け付け、不図示の修正部は、当該修正指示に従って指定領域を修正する。指定領域の修正後のPCの表示画面例を図23に示す。図23に示すように、MFP3が指定領域内に入るように指定領域が拡大されて表示される。
【0108】
図24は、本実施形態の指定領域の修正処理を表した一例のフローチャートである。PC制御部21は、表示部24の地図上に、各端末の位置情報と指定領域を表示する(ステップS91)。PC制御部21は、操作部25により指定領域の頂点を選択されたか否かを、選択された座標により判定する(ステップS92)。指定領域の頂点が選択されていない場合(ステップS92:No)、選択されるまで処理を繰り返す。
【0109】
一方、指定領域の頂点が選択された場合(ステップS92:Yes)、選択された指定領域の頂点がドラッグされたか否かを判定する(ステップS93)。ドラッグされなかった場合(ステップS93:No)、ステップS92に戻って処理を繰り返す。一方、ドラッグされた場合(ステップS93:Yes)、PC制御部21は、指定領域の頂点座標を変更し(ステップS94)、表示部24の地図上に、各端末の位置情報と変更された指定領域を表示する(ステップS95)。
【0110】
そして、PC制御部21は、領域指定の終了が指示されたか否かを判断し(ステップS96)、領域指定の終了が指示されない場合(ステップS96:No)、再度、ステップS92に戻って処理を繰り返す。一方、領域指定の終了が指示された場合(ステップS96:Yes)、処理を終了する。
【0111】
本実施形態4では、指定領域と各端末の位置関係を明確に表示することで操作者が把握できる。なお、上記説明では、図22及び図23の表示画面をPCに表示するようにしたが、マーカの表示部4に表示するようにしてもよい。また、指定領域の修正操作は、マーカで受け付けることも可能であり、操作者は、図21の表示部4で位置関係を視認しながら、操作部3や図示しない操作部等により指定領域の修正操作を行う。これにより、マーカでは指定領域の修正指示を操作者から受け付け、不図示の修正部は、当該修正指示に従って指定領域を修正する。例えば、表示部4をタッチパネル等で構成すれば、操作者が上記指定領域の修正操作を行いやすくなる。
【0112】
(実施の形態5)
上記実施形態4では指定領域を修正できるようにしたが、本実施形態5では、端末の位置を移動して修正することが可能なものである。例えば、図22の表示画面において、操作者によるMFP3をドラッグするなどの端末修正操作を受け付けた場合、MFP3を指定領域内に移動させる。これにより、PC又はマーカでは端末の位置の修正が行われる(修正部)。端末の位置の修正後のPC(又はマーカ)の表示画面例を図25に示す。図25は、指定領域と各端末の位置関係を示す表示画面の一例を示す図である。そして、操作者がその表示画面を視認しながらMFP3を表示された場所に移動させる。なお、本実施形態5は、上記実施形態4と組み合わせ、指定領域及び端末の位置の両方を修正できるように構成してもよい。
【0113】
(実施の形態6)
上記特許文献1では、図22、図23及び図25のように表示画面に各端末を表示する場合、各端末の種別や名称程度しか表示しなかった。そのような表示だけでは、どれが誰の端末なのかがわかりにくい。そこで、本実施形態6では、図26に示すように複数の人がそれぞれ個別にノートPC(人に属する端末)を持っている場合、各ノートPCの位置を持ち主の位置と判断し、その表示をPCの表示画面(図22)またはマーカの表示部(図21)に行うようにする。この場合、各端末の登録を行うときに、所属や名前等の属性情報も予め登録しておく。そして、図22、図23及び図25のような画面表示を行うときに、図27に示すように、各端末に所属や名前(属性情報)を対応付けて表示するようにする。
【0114】
なお、マーカの表示部4で属性情報を表示する場合は、マーカが属性情報を取得する必要があるが、例えば、マーカが各端末と通信を行うときに各端末に登録されている属性情報を取得するようにしてもよいし、あるいは、操作者が手動で表示したい属性情報をマーカに入力することで取得するようにしてもよい。取得された属性情報は、該当する他端末位置と対応付けられて、テーブル部64に保存される。
【0115】
本実施形態6では、人に属する端末の位置をその人のいる位置と判断しているので、誰が何処にいるかを明示的に表示することができる。
【0116】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0117】
例えば、上述した各実施形態における動作(各フローチャートに示す動作)は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0118】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0119】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0120】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0121】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0122】
また、上記実施形態で説明したシステムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各装置の機能を混在させたりするように構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、物理的な領域を指定する必要のあるシステム、装置(機器)、方法、プログラム等に適用できる。
【符号の説明】
【0124】
1 領域表示
2 端末表示
3 操作部
4 表示部
11 プリンタ制御部
12 記憶部
13 プリンタ部
14 プリンタ表示部
15 プリンタ操作部
16 無線通信部
21 PC制御部
22 記憶部
24 表示部
25 操作部
26 無線通信部
31 マーカ制御部
32 記憶部
35 操作部
36 無線通信部
50 部屋
61 他端末位置取得部
62 距離測定部
63 自端末位置算出部
64 テーブル部
65 自端末位置送信部
81 自端末位置送信部
82 自端末位置保持部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0125】
【特許文献1】特開2008−199422号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な領域指定装置において、
無線通信装置から、無線通信により前記無線通信装置の位置を取得する位置取得部と、
移動の過程で前記無線通信装置との距離を測定する距離測定部と、
少なくとも3つの前記無線通信装置の位置及び前記無線通信装置との距離に基づき、前記領域指定装置の位置を算出する位置算出部と、
前記領域指定装置の位置を、前記領域指定装置の位置を境界とした物理的な領域を指定する前記無線通信装置に送信する位置送信部と、
を備えることを特徴とする領域指定装置。
【請求項2】
前記位置算出部は、2つの前記領域指定装置の位置を算出し、
前記位置送信部は、前記2つの領域指定装置の位置を前記無線通信装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の領域指定装置。
【請求項3】
前記位置算出部は、前記領域指定装置の平面上の位置座標と、前記領域指定装置の3次元上の高さの上限値および下限値とを含む前記領域指定装置の位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の領域指定装置。
【請求項4】
前記領域および前記領域付近に配置された前記無線通信装置の位置関係を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の領域指定装置。
【請求項5】
前記表示部に表示された前記領域の大きさおよび前記無線通信装置の位置の少なくとも一方の修正指示を操作者から受け付け、前記修正指示に従って前記領域を修正する修正部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の領域指定装置。
【請求項6】
前記表示部は、予め登録された前記無線通信装置の属性情報を、前記無線通信装置の表示に対応付けて表示することを特徴とする請求項4に記載の領域指定装置。
【請求項7】
前記領域指定装置の位置を境界とした物理的な領域を指定する領域指定部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の領域指定装置。
【請求項8】
前記無線通信装置の位置に基づいて、前記無線通信装置が指定された前記領域内外のいずれにあるかを判定する領域内外判定部と、
前記領域内外判定部による判定結果を、前記無線通信装置に送信する判定結果送信部と、をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の領域指定装置。
【請求項9】
移動可能な領域指定装置と、前記領域指定装置と通信可能な無線通信装置とにより構成された通信システムにおいて、
前記領域指定装置は、
無線通信装置から、無線通信により前記無線通信装置の位置を取得する位置取得部と、
移動の過程で前記無線通信装置との距離を測定する距離測定部と、
少なくとも3つの前記無線通信装置の位置及び前記無線通信装置との距離に基づき、前記領域指定装置の位置を算出する位置算出部と、
前記領域指定装置の位置を前記無線通信装置に送信する位置送信部と、を備え、
前記無線通信装置は、
前記領域指定装置の位置を受信し、受信した前記領域指定装置の位置を境界とした物理的な領域を指定する領域指定部を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
前記位置算出部は、2つの前記領域指定装置の位置を算出し、
前記位置送信部は、前記2つの領域指定装置の位置を前記無線通信装置に送信し、
前記領域指定部は、2つの前記領域指定装置の位置を受信し、受信した2つの前記領域指定装置の位置を結んだ直線を対角線とする多角形として前記領域を指定することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記位置算出部は、前記領域指定装置の平面上の位置座標と、前記領域指定装置の3次元上の高さの上限値および下限値とを含む前記領域指定装置の位置を算出し、
前記領域指定部は、前記領域指定装置の位置を受信し、受信した前記位置に含まれる前記位置座標と前記上限値および前記下限値とにより、3次元の前記領域を指定することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項12】
前記無線通信装置は、
前記領域および前記領域付近に配置された前記無線通信装置の位置関係を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項13】
前記無線通信装置は、
前記表示部に表示された前記領域の大きさおよび前記無線通信装置の位置の少なくとも一方の修正指示を操作者から受け付け、前記修正指示に従って前記領域を修正する修正部をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記表示部は、予め登録された前記無線通信装置の属性情報を、前記無線通信装置の表示に対応付けて表示することを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項15】
前記無線通信装置は、
指定した前記領域を、通信が許可された領域を示す通信許可領域、または通信が禁止された領域を示す通信禁止領域として記憶する記憶部をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項16】
移動可能な領域指定装置において実行される領域指定方法において、
無線通信装置から、無線通信により前記無線通信装置の位置を取得する位置取得ステップと、
移動の過程で前記無線通信装置との距離を測定する距離測定ステップと、
少なくとも3つの前記無線通信装置の位置及び前記無線通信装置との距離に基づき、前記領域指定装置の位置を算出する位置算出ステップと、
前記領域指定装置の位置を、前記領域指定装置の位置を境界とした物理的な領域を指定する前記無線通信装置に送信する位置送信ステップと、
を含むことを特徴とする領域指定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−124453(P2010−124453A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189267(P2009−189267)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】