説明

頭痛の治療のためのトポイラメート組成物

約10〜約50mgのトポイラメートと組み合わされたパルテノライド、マグネシウム及びリボフラビンの内の一種以上を含有する組成物は、頭痛、特に片頭痛の治療に有効であり、従前のより高い投与量のトポイラメート組成物の利用者によって経験される副作用を減少又は除去する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2005年4月19日に出願された米国仮出願第60/673,099号及び2005年4月21日に出願された米国仮出願第60/674,107号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
薬物トポイラメート(topoiramate)、即ち、スルファメート置換単糖であって、2,3;4,5−ジ−O−イソプロピリデン−β−D−フルクトピラノース スルファメート又は2,3;4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン−β−D−フルクトピラノース スルファメートとして化学的に命名され、図1中に示されている構造式を有するものは、米国食品医薬品局によって片頭痛の予防的治療について承認されている。この権利を裏付ける、およそ900人の片頭痛患者の多施設、無作為、二重盲、プラセボ対照の、並行群臨床試験は、更なる400人に対するオープンラベル研究と共に、1日あたり100mg以上のトポイラメートが、プラセボに対して統計学的に有意な予防効果を有したことを示している。しかしながら、50mg/日以下のトポイラメートにおいては、プラセボに対して片頭痛発生の減少において統計学的な有為性は存在しなかった(実質的な減少なし)。これら研究は、1日あたり100mg以上のトポイラメートを投与された患者が、数ある症状の中で、認識関連機能不全(例えば、錯乱、精神運動緩徐化、集中/注意の困難、記憶喪失、昏迷、言語の不明瞭性及び単語発見困難)、鬱病及び気分問題、傾眠、疲労、パラセシアス(parathesias)、呼吸亢進、食欲不振、アレルギー反応、胸痛、心不整脈、肝臓機能不全、急性近視、向上された眼圧、発汗過少症及び高体温を包含する、深刻で容認できない副作用を経験したことも示した。さらに、1%を超える患者が、片頭痛及び他の頭痛並びに許容できない他の副作用の増加を報告しており、より広い商業的な使用においては、更なる副作用も指摘された。1日投与量を低下させることによってこれら副作用は許容できるレベルに最小化又は減少されうるが、それら研究は、1日あたり50mgのトポイラメートが、プラセボに対して、片頭痛予防についての統計学的に有意な効力を示さなかったことも示した。多くの患者が、100mgの投与量を提供されてこれらの深刻な副作用の見込みを提供される場合には、これら副作用のため、トポイラメートを摂取することを拒否するか、又はその使用を中止するだろう。
【0003】
Ehrenberg等の米国特許第5,998,380号及び第6,503,884号は、片頭痛を治療するための、トポイラメートが一つの例であるスルファメート類の使用を開示している。その中の具体的な実施例は、実質的な改善(片頭痛症状の減少)を得るための第一の例における600〜800mg/日及び第二の例における200〜400mg/日の投与量のトポイラメートについて報告しているが、その投与量は、50mg〜1000mg/日として提案され、これは、FDAの以前のデータによると効果的でない投与量を包含する。
【0004】
米国特許第6,319,903号は、群発性頭痛を治療するためのトポイラメートの使用を記載している。提案されている投与量は15mg〜1000mg/日、好ましくは25mg/日より多量であるが、実施例は、結局は有効ではあるものの、全ての投与量(50、100又は125mg/1回)は迅速な緩和をもたらすのに不十分であったこと、及び50〜125mgの範囲で毎日投与しても、群発性頭痛を制御するのに1〜3週間かかったことを示している。
【0005】
米国特許第6,559,293号及び第6,699,840号は、トポイラメートの塩、好ましくはトポイラメートナトリウムの、神経障害性疼痛、片頭痛及び群発性頭痛を包含する数多くの生理学的状態を治療するための使用を開示している。10〜1500mgの投与量が提案されているが、その投与量と治療の効果の関係に関しては何らデータが提供されていない。
【0006】
出願人に対して発行され、参照により本明細書中に組み込まれる米国特許第6,500,450号及び第6,068,999号は、a)パルテノライド(parthenolide)、特に天然のパルテノライドを含むfeverefew又はナツシロギク(feverfew)から抽出されたパルテノライド、b)リボフラビン、及びc)酸塩の形態のマグネシウム、マグネシウム酸化物、複合体又はキレートのような数多くの異なるマグネシウム含有化学組成物により提供されるマグネシウムを含有する組成物の使用を開示し、特許請求している。これら組成物は、片頭痛の治療及び予防において有意な効力を示しているが、それらは必ずしも全てのタイプの片頭痛にてついて、又は他のタイプの頭痛について効果的ではない。
【発明の開示】
【0007】
要旨
頭痛、特に片頭痛を治療するための、トポイラメートを含有する組成物であって、効果的であり、従前のトポイラメート組成物の使用者によって経験される副作用を減少又は除去する組成物が開示される。その組成物は、パルテノライド、マグネシウム及びリボフラビンの内の1種以上と組み合わされた約10〜約50mgのトポイラメートの組合せの1日投与量を含む。その組成物は、単独で摂取されるトポイラメート又はパルテノライド、マグネシウム及びリボフラビンよりも効果的な予防を提供し、より多くのタイプの頭痛の治療をもたらし、そして以前推奨されていたトポイラメートの投与量の減少を可能とする一方で、有効な臨床結果を維持し、全て、より多くの投与量のトポイラメートを用いて経験される許容できない副作用を伴わないか又は有意に減少された副作用しか伴わない。
【0008】
詳しい説明
本出願人は、a)パルテノライド、b)リボフラビン、及びc)酸塩の形態のマグネシウム、マグネシウム酸化物、複合体又はキレートのような数多くの異なるマグネシウム含有化学組成物により提供されるマグネシウムの内の1種以上を含む組成物と組合せた、10〜75mg/日、好ましくは50mg以下のトポイラメートが、患者に、片頭痛並びに他の形態の頭痛の同じか又はよりよい程度の予防を提供する一方で、トポイラメートからの知られている副作用を有意に減少することを見出した。本明細書において用いられるように、パルテノライドとの用語には、feverefew若しくは他の天然のパルテノライド源から抽出されたパルテノライド、又はナツシロギク若しくは天然のパルテノライドを包含する他の天然物の使用、及び合成パルテノライド類、化学的に修飾されたパルテノライド若しくはパルテノライド誘導体が含まれるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、片頭痛が生じる場合には、その治療の際にもより有益である。好ましい組成物は、トポイラメートを米国特許第6,500,450号及び第6,068,999号中に示されている成分及び成分の組合せと共に含む組合せを含む。10〜50mgのトポイラメートが本明細書中に示されているパルテノライド、マグネシウム及びリボフラビンの内の1種以上と共に送達される場合には、第‘999号特許及び第‘450号特許中に示されているパルテノライド、マグネシウム及びリボフラビンの投与量を減少させ、そしてなお片頭痛又は他の頭痛の同等又は優れた治療を達成し、そして片頭痛患者によって普通に経験される全身性症状(悪心、光に対する感受性、前兆、視朦又は乱視、体における痺れ感、拍動感覚など)の減少を達成することも可能となり得る。
【0009】
本明細書において示されている組成物は、当該活性成分についての高められた耐用性のために、慢性片頭痛患者および頭痛患者を治療する医師及び患者自身の両方が、効果的に慢性片頭痛症状の頻度を減少させ、副作用を減少させることを可能とし、そしてこの治療の継続的な使用を可能とする。
【0010】
単一又は複数回投与で24時間にわたって提供され得る1日の投与のための好ましい組成物は、10〜50mgのトポイラメートを次の内の1種以上と共に含む:
任意の供給源からの10〜1000mgのマグネシウム;10〜1000mgのリボフラビン;及び約0.1〜約30mgのパルテノライドを含有する、粉末の全植物、チンキ、抽出物(extract)の形態又は他の形態の10〜1000mgの植物ナツシロギク。
【0011】
24時間の期間における好ましい総投与量は、10〜50mgのトポイラメート、並びに200〜400mgのリボフラビン、300〜600mgのマグネシウム、及び少なくとも0.2mgのパルテノライドの内の1種以上であり、好ましくは、その24時間の間に渡って間隔を置いた2〜3の等しい投与量で投与される。マグネシウムは好ましくはマグネシウムの酸塩、複合体又はキレートとして投与され、酸化マグネシウムも含まれる。
【0012】
追加の利点も、10〜500mgのCoQ−10、200μg〜20mgの任意の供給源の葉酸又は葉酸代謝物若しくは誘導体、10〜500mgのビタミンB−6又はその誘導体若しくは代謝物、100μg〜5mgのシアノボバラミン(cyanobobalamin)、ヒドロキソコバラミン(hydroxcobalamin)、メチルコバラミン、アデノシルコバラミンを包含するがこれらに限定されないビタミンB−12、10mg〜10gのl−カルニチン、アセチルカルニチンを包含する種々の供給源からのカルニチン、250mg〜10gのタウリン、NMDAアゴニスト、例えば10mg〜3mgのアセチルシステイン又は5mg〜1000mgのDL−2−アミノホスホノ吉草酸(APV)、100mg〜3gのカルノシン、50mg〜4gのオメガ3必須脂肪酸、0.25mg〜15mgのメラトニン、10mg〜1000mgの5−HTP、5mg〜1000mgの5−HT、0.5〜10gmのEPA又はDHA、500mg〜10grのGABA、100mg〜3grのショウガ、特にナイアシンアミド又はニコチン酸としての100mg〜2.5grのナイアシン、100mg〜3grのN−アセチルシステイン、50μg〜5mgのセレン、100mg〜3grのカリウム、及び100mg〜5グラムのカルノシンの内の1種以上を追加することによって得られうる。
【0013】
これら組成物は、片頭痛を治療又は予防するための使用に限定されない。それらは、片頭痛として特徴付けられない慢性の日常的な頭痛、群発性頭痛及び緊張性頭痛を包含する広範囲の頭痛を治療するために用いられ得るが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、トポイラメートの構造式を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭痛を治療するための、頭痛の発生を減少させるための、又は頭痛の重症度を低下させるための組成物であって、パルテノライド、マグネシウム及びリボフラビンの内の一種以上と組み合わせられた約10〜約50mgのスルファメートである組合せの1日投与量を含む組成物。
【請求項2】
当該スルファメートがトポイラメート又はその塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記パルテノライド、マグネシウム及びリボフラビンの内の1種以上が、約10〜1000mgのマグネシウム、約10〜約1000mgのリボフラビン、及び約0.1〜約30mgのパルテノライドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記パルテノライドが、a)粉末形態のナツシロギク、ナツシロギクのチンキ若しくは抽出物又はパルテノライドの他の天然供給源により、又はb)合成パルテノライド、化学修飾パルテノライド又はパルテノライド誘導体によって提供されている、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
約10〜約1000mgのナツシロギク粉末が提供されている、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
さらに、CoQ−10、葉酸又は葉酸代謝物若しくは誘導体、ビタミンB−6又はその誘導体若しくは代謝物、ビタミンB−12、カルニチン、タウリン、NMDAアンタゴニスト、DL−2−アミノホスホノ吉草酸、カルノシン、オメガ3必須脂肪酸、メラトニン、5−HTP、5−HT、EPA又はDHA、GAMA、ショウガ、ナイアシン、N−アセチルシステイン、セレン、カリウム、又はカルノシンの内の1種以上を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
さらに、10〜500mgのCoQ−10、200μg〜20mgの葉酸又は葉酸代謝物若しくは誘導体、10〜500mgのビタミンB−6又はその誘導体若しくは代謝物、100μg〜5mgのビタミンB−12、10mg〜10gのカルニチン、250mg〜10gのタウリン、100mg〜3gのカルノシン、50mg〜4gのオメガ3必須脂肪酸、0.25mg〜15mgのメラトニン、10mg〜1000mgの5−HTP、5mg〜1000mgの5−HT、0.5〜10gmのEPA又はDHA、500mg〜10gのGABA、100mg〜3gのショウガ、100mg〜2.5gのナイアシン、100mg〜3gのN−アセチルシステイン、50μg〜5mgのセレン、100mg〜3gのカリウム、及び100mg〜5gのカルノシンの内の1種以上を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ビタミンB12がシアノボバラミン(cyanobobalamin)、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミンの形態であり、前記カルニチンがl−カルニチン又はアセチルカルニチンの形態であり、前記NMDAアンタゴニストが10mg〜3gのアセチルシステイン又は5mg〜1000mgのDL−2−アミノホスホノ吉草酸であり、前記ナイアシンがナイアシンアミド又はニコチン酸の形態である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
頭痛を治療するための、頭痛の発生を減少させるための、又は頭痛の重症度を低下させるための組成物であって、10〜約1000mgのマグネシウム、約10〜約1000mgのリボフラビン、及び約0.1〜約30mgのパルテノライドの内の一種以上と組み合わされた約10〜約50mgのトポイラメートである組合せの1日投与量を含む組成物。
【請求項10】
約300〜約600mgのマグネシウム、約200〜約400mgのリボフラビン及び約0.2mgを超えるパルテノライドを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
トポイラメートとマグネシウム、リボフラビン及びパルテノライドの内の一種以上との組合せの有効1日投与量を含み、経口投与のために調製された、頭痛を治療するための組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2008−536940(P2008−536940A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507857(P2008−507857)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/014846
【国際公開番号】WO2006/113853
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(507348687)
【Fターム(参考)】