説明

頭部外傷誘導性の記憶障害および脳障害におけるブリオスタチン、ブリオログ、および他の関連物質の治療効果

本願発明は、プロテインキナーゼアクチベータ、または神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)もしくは頭部外傷の治療のための他の神経栄養性因子のブースターの使用を提供する。具体的には、本願発明は、頭部外傷に罹患した患者を特定する工程とプロテインキナーゼC(PKC)アクチベータまたは4−メチルカテコール酢酸(MCBA)および薬学的に許容される担体を含む、頭部外傷の少なくとも一症状を治療するのに効果的な量の医薬組成物を前記患者に投与する工程とを含む頭部外傷の治療方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者:Ofer Zohar and Daniel L. Alkon
本出願は、2007年2月9日出願の米国仮出願番号 60/900,339と2007年5月24日出願の米国仮出願番号60/924,662の優先権を主張し、これらの全体は引用することによりここに組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本願発明は、プロテインキナーゼC(PKC)を活性化する化合物または神経成長細胞(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)若しくは他の神経栄養因子を増強する化合物による頭部外傷の治療に関する。
【背景技術】
【0003】
A. 頭部外傷
頭部障害は、頭部に対する外傷であり、脳の障害を含んでいても、含んでいなくてもよい(脳障害についても参照されたい)。頭部障害の発生率(新患の数)は一年につき、100,000あたり300であり(人口の0.3%)、北米では100,00あたり25、英国では100,000あたり9の死亡数である。頭部外傷は、幼児期の入院の一般的な原因である。
【0004】
頭部障害は脳に対する障害及び、頭の他の部分、例えば頭皮や頭蓋骨などに対する障害の両者を含む。頭部障害は閉鎖性又は開放性であってもよい。閉鎖性の(非ミサイルの(non-missile))頭部障害は、頭蓋骨が傷ついていない障害である。貫通性の頭部障害は、物体が頭蓋骨を貫通し硬膜を破る際に生じる。脳障害は、広い範囲で生じる広範性又は狭く特定の領域に位置する限局性であってもよい。頭部障害は頭蓋骨折を生じさせてもよく、これは脳に対する障害に関連していても、又は関連していなくてもよい。何人かの患者は、頭蓋線状骨折又は頭蓋陥没骨折を有していてもよい。もし頭蓋内出血又は脳内の出血が起これば、頭蓋骨内の血腫は脳に圧力をかけ得る。頭蓋内血腫の種類は、硬膜下血腫、くも膜下血腫、硬膜外血腫、及び実質内血腫を含む。頭蓋切開手術は、血液を流出させることにより圧力を減少させるためにこれらの症例に用いられる。頭部外傷は、震盪性のイベントによって引き起こされる。
【0005】
脳障害は衝撃の部位にある可能性があるが、対側衝撃の影響のため、頭蓋骨の反対側にある可能性もある(頭部への衝撃は頭蓋骨内で脳を移動させる可能性があり、頭部衝撃の反対の頭蓋骨の内側に脳を衝突させる。)もし、当該衝撃が頭部を移動させるなら、障害が悪化するかもしれず、これは脳が頭蓋骨内で跳ね飛ぶ(さらなる衝突を引き起こす)か、脳が相対的に静止しているが(慣性のために)、動いている頭蓋骨に当たるかもしれないからである。
【0006】
B. プロテインキナーゼC
PKCは、非受容体セリン-スレオニンプロテインキナーゼ最大の遺伝子ファミリーの一つとしてとして特定された。80年代初期におけるNishizukaとその共同研究者によるPKCの発見(Kikkawa et al. (1982) J. Biol. Chem. 257: 13341)、およびホルボールエステルのための主要な受容体としてのその特定(Ashendel et al. (1983) Cancer Res., 43: 4333)以来、多数の生理的シグナル伝達のメカニズムはこの酵素によるとされてきた。PKCへの強烈な関心は、カルシウム、およびジアシルグリセロール(およびそのホルボールエステル模倣剤)、即ち、その形成が成長および分化因子の作用によりリン脂質のターンオーバーと連結するエフェクター、によりインビトロで活性化される独特の能力に由来する。
【0007】
PKCの活性化は学習および記憶を改善することが示された(米国特許番号 PCT/US02/13784; PCT/US03/07102; 60/287,721; 60/362,081; 10/172,005; 10/476,459; それぞれ、その全体は引用することによりここに組み込まれる)。しかしながら、本開示より前には、PKC介在性の学習および記憶の改善は、頭部外傷後の記憶欠損および脳障害の治療のためのメカニズムとして認識されていなかった。さらに、ここに開示されるPKCアクチベータ、具体的には、学習および記憶を改善する化合物は、頭部外傷後の脳機能復元活性を持つとは認識されていなかった。
【0008】
歴史的に、頭部外傷の治療は、少数の利用可能な治療選択肢に限られていた。多くの種類の見込みのある神経保護剤が臨床試験で試験されたが、特に頭部外傷後に使用される際の効果のなさ、または関連する毒性のため、臨床的使用が承認されたものはない。この発明の開示において提示される化合物は、ヒトにおいて耐容性が良好であると既に証明された投与量(ブリオスタチン-1投与量)で、頭部外傷の1時間後に、動物モデルにおいて治療が開始された場合に効果的であった。プロテインキナーゼC (PKC)を標的とする化合物、例えばブリオスタチン-1、直接的なPKCアクチベータおよびメチルカテコールアセト酢酸など、メチルカテコールの誘導体、および神経成長因子(NGF)、脳由来の神経栄養性因子(BDNF)、または他の神経栄養性因子のエンハンサー、これはおそらくPKCの標的のうちの1つであるが、これらは頭部外傷により誘導された脳障害および記憶障害に対する治療価値を持つことがわかった。頭部外傷治療の治療薬としてのこれらの物質の発展はこの発明によって提供される。
【発明の概要】
【0009】
本願発明は、頭部外傷に罹患した患者を特定する工程と、プロテインキナーゼC(PKC)アクチベータまたは4-メチルカテコール酢酸(MCBA)および、薬学的に許容される担体を含む、頭部外傷の少なくとも一症状を治療するのに効果的な量の医薬組成物を前記患者に投与する工程とを含む頭部外傷の治療方法を提供する。
【0010】
ある実施形態において、当該PKCアクチベータはFGF-18、大環状ラクトン、ベゾラクタム、ピロリジノンまたはこれらの組み合わせである。好ましい実施形態において、当該大環状ラクトンは、ブリオスタチンまたはネリスタチンである。もう一つの実施形態において、当該ネリスタチンはネリスタチン-1である。もう一つの実施形態において、当該ブリオスタチンはブリオスタチン-1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18である。さらに好ましくは、当該ブリオスタチンはブリオスタチン-1である。
【0011】
もう一つの好ましい実施形態において、医薬組成物は4-メチルカテコール酢酸(MCBA)、他のメチルカテコール誘導体または脳由来の神経栄養因子を含む。MCBAおよび他のメチルカテコール誘導体は、神経成長因子(NGF)、脳由来の神経栄養因子(BDNF)または他の神経栄養因子を活性化または上方調節する。NGFは、入れ代わりにNGFを上方調節、活性化または増強するPKCの活性を活性化、上方調節、または増強する。
【0012】
ある実施形態において、本願発明の医薬組成物の投与は前記頭部外傷から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14日以内に開始される。もう一つの実施形態において、前記投与は前記頭部外傷から1〜2日、1〜3日、1〜4日、1〜5日または1〜7日の間に開始される。もう一つの実施形態において、本願発明の医薬組成物の投与は前記頭部外傷から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24 時間以内に開始される。さらにもう一つの実施形態において、本願発明の医薬組成物の投与は前記頭部外傷の1〜3時間、1〜5時間、1〜10時間、1〜24時間、3〜5時間、3〜10時間、3〜24時間、5〜10時間、5〜24時間または10〜24時間後に開始される。さらにもう一つの実施形態において、本願発明の医薬組成物の投与は前記頭部外傷後、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24時間後に開始される。さらにもう一つの実施形態において、本願発明の医薬組成物の投与は、前記頭部外傷後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21日後に開始される。
【0013】
ある実施形態において、本願発明の医薬組成物の投与を含む治療は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12週間の期間継続する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、微細外傷性脳障害(TBI)(30g) 後、腹腔内に30ug/kgブリオスタチンを投与したマウスの逃避潜伏期(escape latency)を示す。
【0015】
【図2】図2は、微細外傷性脳障害(TBI)(30g) 後、腹腔内に20ug/kgブリオスタチンを投与したマウスの逃避潜伏期を示す。
【0016】
【図3】図3は、微細TBI(30g) 後、腹腔内に20ug/kgブリオスタチンを投与したマウスにおける記憶保持を示す。
【発明の詳細な説明】
【0017】
A. 定義
ここで使用される場合、組成物の「投与」は、経口、皮下、腹腔内および筋肉内を含むいずれの投与経路も含む。
【0018】
ここで使用される場合、「有効な量」は頭部外傷と関連する一または一以上の症状を減少させるのに十分な量である。
【0019】
ここで使用される場合、「プロテインキナーゼCアクチベータ」または「PKCアクチベータ」は、プロテインキナーゼCに結合することによってプロテインキナーゼCに触媒される反応の速度を増加する物質を意味する。
【0020】
ここで使用される場合、「患者」の用語は哺乳類を意味する。
【0021】
ここで使用される場合、「薬学的に許容される担体」の用語は活性成分が組み合わされてもよく、その組み合わせの後で、患者に活性成分を投与するために使うことが可能な化学的な組成物を意味する。ここで使われるように、「生理学的に許容される」エステルまたは塩の用語は、医薬組成物の他のいかなる成分とも適合性のある活性成分のエステルまたは塩の形態を意味し、これは組成物が投与される患者に対して非毒性である。
【0022】
ここで使用される場合、「薬剤的に許容される担体」はまた、以下の一または一以上を含むが、これらに限定されない:賦形剤、界面活性剤、分散剤、不活性希釈剤、造粒および崩壊剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、着香剤、着色剤、防腐剤、ゼラチンなどの生理的に分解可能な組成物、水性媒体および溶媒、油性媒体および溶媒、懸濁化剤、分散または湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、緩衝剤、塩、増粘剤、充填剤、乳化剤、酸化防止剤、抗生物質、抗真菌薬、安定剤、ならびに薬学的に許容されるポリマー性または疎水性の材料。本願発明の医薬組成物に含まれてもよい他の「追加の成分」は当該分野において知られ、例えば引用することによりここに組み込まれるGenaro, ed., 1985, Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa.,に記載される。
【0023】
ここに記載される医薬組成物の製剤は、薬学分野において既知の、または今後発展するどのような方法によって調製されてもよい。一般に、そのような調製方法は、活性成分を担体または一もしくは一以上の他の副成分(accessory ingredient) と合わせる工程、およびもし必要なら次に製品を所望の単回または複回投与単位に成形または包装する工程を含む。
【0024】
ここにおいて提供される医薬組成物の記載は、原則、ヒトに対する倫理的投与に適した医薬組成物に向けられるが、このような組成物は一般的にあらゆる種類の動物への投与に適していることが当業者により理解されるだろう。様々な動物への投与に適した組成物にするための、ヒトへの投与に適した医薬組成物の修飾はよく理解されており、通常の熟練した獣医薬理学者は、たとえあるとしても、単なる通常の実験によってそのような修飾を設計および実施することができる。本願の医薬組成物の投与を検討される患者は、ヒトおよび他の霊長類、ならびに他の哺乳類を含むが、これらに限定されない。
【0025】
新しい治療薬の開発へ向けた進歩および数種類の動物モデルの利用可能性にも関わらず、なおスクリーニングのための改良動物モデルの差し迫った必要性がある。
【0026】
B. 学習及び記憶の動物モデル
記憶及び学習障害の領域は、記憶及び学習過程の異なる特徴を論証することができる動物モデルにおいて豊富である。(必要であれば、例えば、Hollister, L.E., 1990, Pharmacopsychiat., 23, (Suppl II) 33-36を参照されたい)。記憶喪失や障害性の学習の利用可能な動物モデルは、離散的事象を記憶する動物の能力を測定することを伴う。これらの試験はモリス水迷路(Morris Water Maze)及び受動回避手順を含む。モリス水迷路において、動物は4つのクアドラント(quadrant) に分割されたタンク内において水泳させられ、そのうちの1つだけが水面下に安全なプラットフォームを有する。当該プラットフォームは取り除かれ、当該動物は間違ったクアドラントに対して正しいクアドラントを探すのにどのくらい時間がかかるかを試験される。受動回避手順において、当該動物は穏やかな電気衝撃が与えられる特有の環境を記憶し、2度目の時にはそれを回避する。受動回避手順の変形は、齧歯類が明るく開いた環境よりも暗く囲まれた環境を選択することを利用する。さらなる議論はCrawley, J. N., 1981, Pharmacol. Biochem. Behav., 15, 695-699; Costall, B. et al, 1987, Neuropharmacol., 26, 195-200; Costall, B. et al., 1989, Pharmacol. Biochem. Behav., 32, 777-785; Barnes, J.M. et al., 1989, Br. J. Pharmacol., 98 (Suppl) 693P; Barnes, J.M. et al., 1990, Pharmacol. Biochem. Behav., 35, 955-962において見つけることができる。
【0027】
C. プロテインキナーゼC (PKC)
PKC 遺伝子ファミリーは現在、11遺伝子から成り、以下の4つのサブグループに分けられている:1) 典型的なPKCα, β1, β2(β1およびβ2は同じ遺伝子の選択的にスプライスされた形態である)およびγ、2) 新規なPKCδ, ε, ηおよびθ、3) 異型のPKCζ, λ, ηおよびi、ならびに4) PKCμ。PKCμは新規なPKCアイソフォームに類似するが、推定上の膜貫通ドメインを有することにより異なる(Blohe et al. (1994) Cancer Metast Rev. 13: 411; Ilug et al. (1993) Biochem J. 291: 329; Kikkawa et al. (1989) Ann. Rev. Biochem. 58: 31によって再検討された)。α, β1, β2およびγアイソフォームはC2+、リン脂質およびジアシルグリセロール依存であり、PKCの典型的なアイソフォームを代表し、一方、他のアイソフォームはリン脂質およびジアシルグリセロールによって活性化されるが、Ca2+には依存しない。すべてのアイソフォームは5つの可変(V1-V5)領域を包含し、α, βおよびγアイソフォームは高度に保存された4つの(C1-C4)構造ドメインを含む。PKCα, βおよびγ以外のすべてのアイソフォームはC2ドメインを欠き、当該λ ηおよびアイソフォームもまたジアシルグリセロールが結合するC1における2つのシステインリッチ亜鉛フィンガードメインの9個を欠く。C1ドメインはまた、すべてのアイソフォーム間で高度に保存された偽基質の配列を含み、これは当該酵素の不活性コンフォメーションを作り出すために、基質結合部位をブロックすることによって自己調節機能を果たす(House et al. (1987) Science 238, 1726)。
【0028】
これらの構造的特徴のために、様々なPKCアイソフォームは、生理学的刺激に反応する情報伝達(Nishizuka (1989) Cancer 10: 1892)、並びに悪性形質転換および分化(Glazer (1994) Protein Kinase C, J.F. Kuo, ed., Oxford U. Press at pages 171-198)において高度に特殊化した役割を持つと考えられる。既知PKCモジュレータの議論については、PCT/US97/08141, 米国特許番号 5,652,232; 6,080,784; 5,891,906; 5,962,498; 5,955,501; 5,891,870および5,962, 504(それぞれその全体は引用することによりここに組み込まれる)を参照されたい。
【0029】
個々のPKCアイソザイムが、生物学的プロセスにおいて、異なった、または時として反対の役割を果たしているという証拠が増加しており、薬学的開発のための二つの方向を提供する。一つは、PKCの特異的な(好ましくは、アイソザイム特異的な)インヒビターの設計である。このアプローチは、触媒ドメインがPKCのアイソタイプ特異性に主に関与するドメインではないという事実によって複雑になっている。他のアプローチは、アイソザイム選択的、調節部位特異的なアクチベータを発展させることである。これらは、反対の生物学的効果により他の情報伝達経路の効果を覆す方法を提供してもよい。代わりに、急性の活性化の後、PKCの下方調節を誘導することによりPKCアクチベータは長期の拮抗作用を生じてもよい。ブリオスタチンは現在、抗がん剤として臨床試験中である。ブリオスタチンは、PKCの調節ドメインに結合すること、および当該酵素を活性化することが知られている。ブリオスタチンは、アイソザイム選択的なPKCアクチベータの例である(例えば、WO 97/43268を参照されたい;この全体は引用することによりここに組み込まれる)。既知PKCモジュレータの議論については、PCT/US97/08141、米国特許番号5,652,232; 6,043,270; 6,080,784; 5,891,906; 5,962,498; 5,955,501; 5,891,870および5,962,504(それぞれその全体は引用することによりここに組み込まれる)を参照されたい。
【0030】
PKCアクチベータのいくつかの部類は特定されている。しかしながら、ホルボールエステルは、その癌促進活性のため最終的な薬剤開発のための適切な化合物ではない(Ibarreta et al. (1999) Neuro Report 10 (5&6): 1035-40)。PKCを活性化するために作用する大環状ラクトン(すなわち、ブリオスタチン類やネリスタチン類)は特に興味深い。ブリオスタチン類化合物の中でも、ブリオスタチン-1はPKCを活性化することが示され、癌促進活性を欠いていることが証明された。ブリオスタチン-1の投与量反応曲線が二相性であるため、ブリオスタチン-1もまたPKCアクチベータとしてとりわけ有用である。さらに、ブリオスタチン-1は、PKCα、PKCδおよびPKCεを含むPKCアイソザイムの分化調節を説明する。ブリオスタチン-1は、動物ならびにヒトにおける毒性および安全性試験を受け、抗がん剤として積極的に調査される。試験におけるブリオスタチン-1の使用により、ヒトにおける主要な副作用は筋肉痛であることが明らかにされた。有効投与量の一例は、腹腔内注射による一週間あたり20または30μg/m2である。
【0031】
PKCアクチベータのいくつかの部類は特定されている。しかしながら、ホルボールエステルは、その癌促進活性のため最終的な薬剤開発のための適切な化合物ではない(Ibarreta et al. (1999) Neuro Report 10 (5&6): 1035-40)。PKCを活性化するために作用する大環状ラクトン(すなわち、ブリオスタチン類やネリスタチン類)は特に興味深い。ブリオスタチン類化合物の中でも、ブリオスタチン-1はPKCを活性化することが示され、癌促進活性を欠いていることが証明された。ブリオスタチン-1の投与量反応曲線が二相性であるため、ブリオスタチン-1もまたPKCアクチベータとしてとりわけ有用である。さらに、ブリオスタチン-1は、PKCα、PKCδおよびPKCεを含むPKCアイソザイムの分化調節を説明する。ブリオスタチン-1は、動物ならびにヒトにおける毒性および安全性試験を受け、抗がん剤として積極的に調査される。試験におけるブリオスタチン-1の使用により、ヒトにおける主要な副作用は筋肉痛であることが明らかにされた。有効投与量の一例は、腹腔内注射による一週間あたり20または30μg/m2である。
【0032】
大環状ラクトン、および特にブリオスタチン-1は米国特許番号4,560,774(その全体は引用することによりここに組み込まれる)に記載されている。大環状ラクトンおよびその誘導体は、他にも米国特許番号 6,187,568、米国特許番号6,043,270、米国特許番号5,393,897、米国特許番号5,072,004、米国特許番号5,196,447、米国特許番号4,833,257、米国特許番号4,611,066(その全体が引用することによりここに組み込まれる)に記載されている。上記の特許は様々な化合物、および抗炎症剤または抗癌剤としての使用を含む大環状ラクトンの様々な使用を記載する。(Szallasi et al. (1994) Journal of Biological Chemistry 269(3): 2118-24; Zhang et al. (1996) Caner Research 56: 802-808; Hennings et al. (1987) Carcinogenesis 8(9): 1343-1346; Varterasian et al. (2000) Clinical Cancer Research 6: 825-828; Mutter et al. (2000) Bioorganic & Medicinal Chemistry 8: 1841-1860) (それぞれ、その全体は引用することによりここに組み込まれる)。
【0033】
当業者に理解されるように、大環状ラクトン化合物とその誘導体、特にブリオスタチンの部類はコンビナトリアル合成技術に適し、それ故、化合物ライブラリーは、組成物の有効性および安全性を含み、これらに限定されない薬理学的パラメータを最適化するために作成され得る。加えて、これらのライブラリーは、好ましくはαセクレターゼおよび/またはPKCを調節するそれらのメンバーを決定するために試験され得る。
【0034】
天然物および発酵培養液のコンビナトリアルライブラリーハイスループットスクリーニング (combinatorial libraries high throughput screening) の結果、いくつかの新規な薬剤が発見された。現在、化学的多様性の産出およびスクリーニングは、リード化合物発見のための主要な技術として広範に利用されており、これは確かに薬の発見の領域での主要な基礎的進歩である。さらに、「リード」化合物の特定後でさえも、コンビナトリアル技術は所望の生物活性の最適化のための有益なツールを提供する。理解されるように、対象の反応は、すぐに薬学的、他の生物学的、若しくは医療関連の活性、または原料関連の品質のスクリーニングのための化合物コンビナトリアルライブラリーの創作に役立つ。本願発明の目的のためのコンビナトリアルライブラリーは化学的に関連する化合物の混合であり、これは所望の特性のため一緒にスクリーニングされてもよい;前記ライブラリーは溶液中にあってもよく、または固体担体に共有結合していてもよい。単一反応での多くの関連化合物の製造により、実施される必要のあるスクリーニング過程の数は大きく減少および単純化される。適切な生物学的特性のスクリーニングは従来の方法によってなされてもよい。したがって、本願発明は、またαセクレターゼおよび/またはPKCを効果的に調節するために結合する一または一以上の独創的な化合物の能力を決定する方法を提供する。
【0035】
以下に記載されるコンビナトリアルライブラリーを作成するため、様々な技術が当該分野で利用可能であるが、本願発明は前述の例や記載によって限定されることを意図しないことが理解されるだろう。(例えば、Blondelle et al. (1995) Trends Anal. Chem. 14: 83; 米国特許番号 5,359,115; 5,362,899; 米国 5,288,514: PCT 公報 WO 94/08051; Chen et al. (1994) JACCS 1 6:266 1: Kerr et al. (1993) JACCS I 1 5:252; PCT 公報 W092/10092, W093/09668; W091/07087およびW093/20242を参照されたい。それぞれ、引用することによりここに組み込まれる)。したがって、約16から1,000,000のオーダーまたはそれ以上のダイバーソマー (diversomer) を合成することができ、特定の活性または特性をスクリーニングすることができる。
【0036】
ブリオスタチンの類似体は、通常ブリオログと言われ、これは本願発明の方法における使用に適したPKCアクチベータのある特定の部類である。以下の表はいくつかのブリオログの構造的特徴をまとめたものであり、これはブリオログはPKCへの親和性が非常に多様であることを証明する(0.25 nMから10 μM)。構造的に、それらはすべて類似している。ブリオスタチン-1は2つのピラン環と1つの六員環状アセタールを有しているが、ほとんどのブリオログ中でブリオスタチン-1のピランのうちの一つは2番目の六員アセタール環に置換されている。例えば、強酸または強塩基の両方において、この修飾はブリオスタチン-1に比べてブリオログの安定性を低減させるが、生理的pHにおいてはほとんど重要性を持たない。ブリオログはまた、ブリオスタチン-1(988)と比較して、より低い分子量(約600から755の範囲に及ぶ)および、血液脳関門を横断する輸送を促進する特性を有する。
【表1】

【0037】
類似体1(Wender et al. (2004) Curr Drug Discov Technol. 1: 1; Wender et al. (1998) Proc Natl Acad Sci U S A 95: 6624; Wender et al. (2002) Am Chem Soc. 124: 13648 (それぞれの全体は引用することによりここに組み込まれる))は、PKCに対する最も高い親和性を有する。このブリオログはブリオスタチン-1よりも約100倍強力である。類似体1のみが、ブリオスタチンよりもPKCに対する高い親和性を示す。ブリオスタチン-1のA環を欠く類似体2は、PKCに対する高い親和性を維持する最も単純な類似体である。活性なブリオログに加え、26 位でアセチル化された類似体7dは事実上、PKCに対する親和性を持たない。
【化1】

【0038】
B環ブリオログも本願発明の方法における使用に適している。これら合成のブリオログは低ナノモル範囲で親和性を有する(Wender et al. (2006) Org Lett. 8: 5299 (その全体は引用することによりここに組み込まれる))。このB環ブリオログは完全に合成であるという利点を有し、天然の供給源からの精製を必要としない。
【化2】

【0039】
適当なブリオスタチン類似体の第三の部類はA環ブリオログである。これらのブリオログは、PKCに対して、ブリオスタチンIよりもわずかに低い親和性を有するが (ブリオログ 3, 4, 5はそれぞれ 6.5, 2.3, 1.9 nM )、より低い分子量を有する。
【0040】
多くのジアシルグリセロール (DAG) の誘導体はプロテインキナーゼCに結合し、活性化させる(Niedel et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 36; Mori et al. (1982) J. Biochem (Tokyo) 91: 427; Kaibuchi et al. (1983) J. Biol. Chem. 258: 6701)。しかしながら、DAGとDAGの誘導体は、薬剤として限られた価値しかない。ジアシルグリセロールによるPKC活性化は一過性のものであり、それはジアシルグリセロールがジアシルグリセロールキナーゼおよびリパーゼによって速やかに代謝されるためである (Bishop et al. (1986) J. Biol. Chem. 261: 6993; Chung et al. (1993) Am. J. Physiol. 265: C927; その全体は引用することによりここに組み込まれる)。脂肪酸置換が活性化強度を決定する。不飽和脂肪酸を有するジアシルグリセロールは最も活性である。立体異性配置もまた重要である。1,2-sn 配置を有する脂肪酸は活性であるが、一方、2,3-sn-ジアシルグリセロールと1,3-ジアシルグリセロールはPKCに結合しない。シス-不飽和脂肪酸はジアシルグリセロールと相乗的である。本願発明の一つの実施形態において、用語「PKCアクチベータ」は、DAGまたはDAGの誘導体、例えばホルボールエステルなどを明確に除外する。
【0041】
イソプレノイドは本願発明の方法における使用に適したPKCアクチベータである。例えば、ファルネシルチオトリアゾールは、Kd 2.5μM でPKCを活性化する合成のイソプレノイドである。ファルネシルチオトリアゾールは、例えば、ジオレオイルグリセロールと等しい効力を持つが (Gilbert et al. (1995) Biochemistry 34: 3916;その全体は引用することによりここに組み込まれる)、加水分解可能な脂肪酸エステルを持たない。ファルネシルチオトリアゾールおよび関連化合物は、安定で持続性のPKCアクチベータを代表する。その低い分子量(305.5)および荷電群の欠如のために、ファルネシルチオトリアゾールは容易に血液脳関門を横断するだろう。
【化3】

【0042】
オクチリンドラクタムV (Octylindolactam V) は、テレオシジンに関連する非ホルボール系のプロテインキナーゼCアクチベータである。オクチリンドラクタムV、特にその(-)-エナンチオマー、の利点は、より高い代謝安定性、高い効力(Fujiki et al. (1987) Adv. Cancer Res. 49: 223; Collins et al. (1982) Biochem. Biophys. Res. Commun. 104: 1159; それぞれその全体は引用することによりここに組み込まれる。)(EC50 = 29nM)、および血液脳関門を横断する輸送を促進する低い分子量である。
【化4】

【0043】
グニジマクリン (Gnidimacrin) は、濃度0.1-1 nMでマウス白血病および固形腫瘍に対して強力な抗癌活性を示すダフナン型ジテルペンである。それは、K562細胞において3 nM以下の濃度でPKCアクチベータとして作用し、G1/S相で、Cdc25Aの抑制とそれに続くサイクリン依存キナーゼ2(Cdk2)の阻害(5 ng/ mlで達成される100%阻害)により細胞周期の進行を調節する。グニジマクリンはブリオスタチンに類似する複素環天然産物であるが、それより幾分小さい(分子量774.9)。
【化5】

【0044】
イリパリダール (Iripallidial) は アイリス・パルリダ (Iris pallida)から単離された二環式トリテルペノイドである。イリパリダールは、マイクロモルからナノモル範囲にわたるGI50(成長を50%阻害するのに必要な濃度)でNCI60細胞株において抗増殖活性を示す。それは高い親和性(Ki = 75.6 nM)でPKCαと結合する。それは、RasGRP3依存性の様式でERK1/2のリン酸化を誘発する。分子量486.7。イリパリダールはブリオスタチンのわずか約半分の大きさであり、荷電群を欠いている。
【化6】

【0045】
インゲノール (Ingenol) [43]はホルボールに関連するジテルペノイドであるが、非常に低い毒性しか有さない。これはトウワタ植物 (milkweed plant) であるユーホルビア・ペプルス(Euphorbia peplus)に由来する。インゲノール3,20-ジベンゾエートは、例えば、[3H]ホルボールジブチレートと、PKCに対する結合において競合する(結合Ki = 240 nM)((Winkler et al. (1995) J.Org.Chem. 60: 1381; 引用することによりここに組み込まれる)。インゲノール-3-アンゲレートは、局所的に用いられる際、扁平上皮癌ならびに黒色腫に対する抗癌活性を有する(Ogbourne et al. (2007) Anticancer Drugs. 18: 357; 引用することによりここに組み込まれる)。
【化7】

【0046】
ナフタレンスルホンアミド、これはN-(n-ヘプチル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミド(SC-10)およびN-(6-フェニルヘキシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミドを含み、PKCアクチベータの別の部類の物質である。SC-10は、ホスファチジルセリンのメカニズムと類似のメカニズムを用いて、カルシウム依存性の様式でPKCを活性化する(Ito et al. (1986) Biochemistry 25: 4179; 引用することによりここに組み込まれる。)。ナフタレンスルホンアミドはブリオスタチンとは異なるメカニズムで作用し、ブリスオタチンまたはPKCアクチベータのもう一つの部類の物質と一緒に相乗効果を示すことが期待されるだろう。構造的には、ナフタレンスルホンアミドはカルモジュリン(CaM)アンタゴニストW-7と類似するが、CaMキナーゼに対する効果はないと報告されている。
【化8】

【0047】
リノレン酸誘導体DCP-LA (2-[(2-ペンチルシクロプロピル)メチル]シクロプロパンオクタン酸)は既知PKCのほとんど知られていないアイソフォーム特異的なアクチベータの一つである。DCP-LAは、100 nMで最大効果を示し、選択的にPKCεを活性化する(Kanno et al. (2006) J. Lipid Res. 47: 1146)。SC-10と同様に、DCP-LAは、ジアシルグリセロール結合部位の代わりに、PKCのホスファチジルセリン結合部位と相互作用する。
【0048】
PKCを直接活性化することへの代替的アプローチは、内因性アクチベータ、ジアシルグリセロールのレベルを増加することである。ジアシルグリセロールキナーゼインヒビター、例えば6-(2-(4-[(4-フルオロフェニル)フェニルメチレン]-1-ピペリジニル)エチル)-7-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン (R59022)および[3-[2-[4-(ビス-(4-フルオロフェニル)メチレン]ピペリジン-1-イル)エチル]-2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-4(1H)-キナゾリノン(R59949)などは、内因性のリガンド、ジアシルグリセロールのレベルを高め、それによりPKCの活性化を生ずる (Meinhardt et al. (2002) Anti-Cancer Drugs 13: 725)。
【0049】
成長因子アクチベータ、例えば4-メチルカテコール誘導体など、例えば、4-メチルカテコール酢酸 (MCBA)などは、成長因子、例えばNGFやBDNFなどの合成および/または活性化を刺激し、またPKC並びにシナプス形成および/または神経分岐の原因である収束的経路を活性化する。
【0050】
すべての書籍、論文、特許または他の刊行物および参考文献の全体は引用することによりここに組み込まれる。ここにおけるいずれの化合物に対する言及も、ラセミ体、並びに単一の鏡像異性体を含む。
【0051】
[例]
以下の実施例は本願発明をさらに説明するものであり、決してその範囲を限定するものとして解釈されてはならない。
【0052】
例1:脳外傷の動物モデル
微細外傷性脳障害(TBI)を30gマス (mass) を用いた震盪性のイベントによってマウスにおいて作製した。外傷後の1時間、マウスに腹腔内注射により1kgあたり20又は30μgのブリオスタチンを与えた。注射を合計5回の治療の間、週2回繰り返した。治療された動物でのブリオスタチン治療の学習及び記憶についての効果をモリス水迷路においてテストした。
【0053】
例2:モリス水迷路
モリス水迷路において、動物を4つのクアドラントに分割されたタンクの中で水泳させ、そのうち一つは安全なプラットフォームを水面下に有する。当該プラットフォームを取り除き、当該動物が間違ったクアドラントに対して正しいクアドラントを探すのにどのくらいの時間がかかったかを試験した。受動回避手順において、当該動物は穏やかな電気衝撃が伝わる特有の環境を記憶し、2度目の時にはそれを回避する。
【0054】
例3:ブリオスタチン(30 UG/KG) 及び微細TBIの治療
微細外傷性脳障害 (TBI) をマウスにおいて、30 gマスを用いた震盪性のイベントにより作製した。外傷後1時間、マウスに腹腔内注射により1 kgあたり30μgのブリオスタチンを与えた。注射を、合計5回の治療の間、1週間あたり2回繰り返した。微細TBI後ブリオスタチンにより治療されたマウスのモリス水迷路における逃避潜伏期(escape latency)を、微細TBIの動物、TBIまたはブリオスタチンを受けていないコントロール動物、及びブリオスタチンのみ受けた動物と比較した。結果を図1に示す。
【0055】
例4:ブリオスタチン(20 UG/KG) 及び微細TBIの治療
微細外傷性脳障害 (TBI) をマウスにおいて、30 gマスを用いた震盪性のイベントにより作製した。外傷後1時間、マウスに腹腔内注射により1 kgあたり20μgのブリオスタチンを与えた。注射を、合計5回の治療の間、1週間あたり2回繰り返した。微細TBI後ブリオスタチンにより治療されたマウスのモリス水迷路における逃避潜伏期を、微細TBIの動物、TBIまたはブリオスタチンを受けていないコントロール動物、及びブリオスタチンのみ受けた動物と比較した。結果を図2に示す。各治療群又はコントロール群の記憶保持を図3に表で示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部外傷を治療する方法であって、頭部外傷に罹患した患者を特定する工程と、プロテインキナーゼC(PKC)アクチベータ、4-メチルカテコール酢酸(MCBA)、または他のメチルカテコールの誘導体および薬学的に許容される担体を含む、頭部外傷の少なくとも一症状を治療するのに効果的な量の医薬組成物を前記患者に投与する工程とを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、当該PKCアクチベータがFGF-18、大環状ラクトン、ベンゾラクタム、ピロリジノン、またはその組み合わせである方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、当該大環状ラクトンがブリオスタチンまたはネリスタチンである方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、当該ブリオスタチンがブリオスタチン-1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18である方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、当該ブリオスタチンはブリオスタチン-1である方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法であって、当該ネリスタチンはネリスタチン-1である方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、当該医薬組成物は4-メチルカテコール酢酸を含む方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記投与は前記頭部外傷から1日以内に開始される方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記投与は前記頭部外傷から2日以内に開始される方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記投与は前記頭部外傷から3日以内に開始される方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記投与は前記頭部外傷から1日から2日の間に開始される方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記投与は前記頭部外傷から1日から3日の間に開始される方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、当該治療は1週間の期間継続する方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、当該治療は2週間の期間継続する方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、当該治療は3週間の期間継続する方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、当該治療は4週間の期間継続する方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、当該治療は6週間の期間継続する方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、前記治療は頭部外傷誘導性の脳障害を逆転させる方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、前記治療は頭部外傷誘導性の記憶障害を逆転させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−518091(P2010−518091A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549130(P2009−549130)
【出願日】平成20年2月11日(2008.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/001755
【国際公開番号】WO2008/100449
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(503310224)ブランシェット・ロックフェラー・ニューロサイエンスィズ・インスティテュート (25)
【Fターム(参考)】