説明

顆粒球コロニー刺激因子

本発明者らは、顆粒球コロニー刺激因子融合ポリペプチド、上述のポリペプチドをコードする核酸分子、および上述のタンパク質を使用する治療の方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)融合ポリペプチドおよび二量体、上述のポリペプチドをコードする核酸分子、ならびに上述のタンパク質/二量体を使用する治療の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイトカイン受容体は、3つの別個のグループに分類することができる。クラス1(ヘマトポエチンまたは成長ホルモンファミリーと呼ばれる)受容体は、それらの細胞外ドメインのアミノ末端部分における4つの保存システイン残基およびC末端部分における保存Trp−Ser−Xaa−Trp−Serモチーフの存在によって特徴づけられる。受容体は、2つのポリペプチド鎖から成る。クラスI受容体は、GM−CSFサブファミリー(IL−3、IL−5、GM−CSF、GCSFを含む)ならびにIL−6サブファミリー(IL−6、IL−11、およびIL−12を含む)に細分することができる。IL−6サブファミリーにおいて、1つまたは2つの異なるサイトカインサブユニットと結合する、共通の伝達サブユニット(gp130)がある。IL−2サブファミリー(IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、およびIL−15を含む)と呼ばれる、さらなるサブファミリーがある。繰り返しCysモチーフはまた、リガンドが、α、β、およびγインターフェロンであるが、保存Trp−Ser−Xaa−Trp−Serモチーフを欠くクラス2(インターフェロン受容体ファミリー)においても存在する。
【0003】
GCSFは、顆粒球前駆細胞の増殖および分化を刺激する。GCSFは、mRNAの差次的スプライシングに起因する2つのポリペプチドをコードする単一遺伝子によってコードされる。ポリペプチドは、長さが177および180のアミノ酸であり、成熟ポリペプチドは19.6kDの分子量を有する。GCSFは、内皮およびマクロファージによって産生され、活性化された場合に、顆粒球へのそれらの成熟をもたらす、骨髄における顆粒球前駆細胞上で発現されるGCSF受容体(GCSFR)を通して作用する。これらは、その後、好中球前駆体および成熟好中球に分化することができる。組換えGSCFの主な治療的応用は、好中球の消失および結果的に好中球減少症の発症をもたらす、癌のための化学療法を受けている患者の治療におけるものである。好中球減少症は、免疫抑制をもたらし、患者を感染症および敗血症にさらす。さらに、組換えGCSFは、造血幹細胞移植における摘出および使用に先立ってインビボにおいて造血幹細胞の数を増加させるために使用される。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、薬物動態(PK)および活性が改善されたGCSF組換え形態の同定に関する。新しいGCSF分子は、生物学的活性を有し、二量体を形成し、安定性が改善されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1a】哺乳動物細胞株において発現されるGCSFをコードする核酸配列を示す図である。シグナル配列は、太字および小文字で示す。は、終止コドンを指す。ヌクレオチド長=522bp(シグナル配列を含まず)。
【図1b】アミノ酸配列長=174aa(シグナル配列を含まず)を示す図である。
【図2a】6×ヒスチジンタグを有する、大腸菌(pET21a(+))において発現されるGCSFをコードする核酸配列を示す図である。ATG開始コドンは、太字で示す。は、終止コドンを指す。太字イタリック体の文字は、Hist−タグによる5’末端の超過配列を指す。
【図2b】成熟アミノ酸配列長=182aa(メチオニン開始を含まず)を示す図である。
【図3a】GCSF−L6−GCSFrEC(1〜3)をコードする核酸配列は、G4S×6を介してGCSF細胞外受容体ドメイン1〜3(Ig、BN、およびBC)に連結されるGCSFを含有する。は、終止コドンを指す。シグナル配列は、太字および小文字で示す。
【図3b】アミノ酸配列長=511aa(シグナル配列を含まず)を示す図である。
【図4a】大腸菌において発現されるGCSF−L6−GCSFrEC(1〜3)をコードする核酸配列は、G4S×6を介してGCSF細胞外受容体ドメイン1〜3(Ig、BN、およびBC)に連結されるGCSFを含有する。は、終止コドンを指す。ATG開始コドンは、太字で示す。は、終止コドンを指す。太字イタリック体の文字は、Hist−タグによる5’末端の超過配列を指す。
【図4b】アミノ酸配列長=519aa(メチオニン開始を含まず)を示す図である。
【図5a】哺乳動物細胞株において発現されるGCSF−L8−GCSFrEC(1〜3)をコードする核酸配列は、G4S×8を介してGCSF細胞外受容体ドメイン1〜3(Ig、BN、およびBC)に連結されるGCSFを含有する。は、終止コドンを指す。シグナル配列は、太字および小文字で示す。
【図5b】アミノ酸配列長=521aa(シグナル配列を含まず)を示す図である。
【図6a】大腸菌において発現されるGCSF−L8−GCSFrEC(1〜3)をコードする核酸配列は、G4S×8を介してGCSF細胞外受容体ドメイン1〜3(Ig、BN、およびBC)に連結されるGCSFを含有する。は、終止コドンを指す。
【図6b】アミノ酸配列長=529aa(メチオニン開始を含まず)を示す図である。
【図7a】GCSF−L6−GCSFrEC(1〜2)をコードする核酸は、G4S×6を介してGCSF細胞外受容体ドメイン1〜2(IgおよびBN)に連結されるGCSFを含有する。は、終止コドンを指す。シグナル配列は、太字および小文字で示す。
【図7b】アミノ酸配列長=404aa(シグナル配列を含まず)を示す図である。
【図8a】GCSF−L6−GCSFrEC(2〜3)をコードする核酸は、G4S×6を介してGCSF細胞外受容体ドメイン2〜3(BNおよびBC)に連結されるGCSFを含有する。は、終止コドンを指す。シグナル配列は、太字および小文字で示す。
【図8b】アミノ酸配列長=416aa(シグナル配列を含まず)を示す図である。
【図9a】GCSFrEC(1〜3)−L6−GCSFをコードする核酸は、G4S×6を介してGCSFに連結されるGCSFrEC(ドメイン1〜3)を含有する。は、終止コドンを指す。シグナル配列は、太字および小文字で示す。
【図9b】アミノ酸配列長=511aa(シグナル配列を含まず)を示す図である。
【図10a】哺乳動物細胞株において発現されるGCSFrEC(2〜3)−L6−GCSFをコードする核酸は、G4S×6を介してGCSFに連結されるGCSFrEC(ドメイン2〜3)を含有する。は、終止コドンを指す。シグナル配列は、太字および小文字で示す。
【図10b】アミノ酸配列長=416aa(シグナル配列を含まず)を示す図である。
【図11a】哺乳動物細胞株において発現されるGCSFrECをコードする核酸配列は、GCSF受容体細胞外ドメイン1〜3を含有する。シグナル配列は、太字および小文字で示す。は、終止コドンを指す。
【図11b】アミノ酸配列長=307aa(シグナル配列を含まず)を示す図である。
【図12a】6×ヒスチジンタグを有する、pET21a(+)において発現される核酸配列GCSFrEC(細胞外ドメイン1〜3)を示す図である。(は、終止コドンを指し、太字の文字は、追加のXho1制限部位および6×Histタグを指す)。
【図12b】アミノ酸配列長=315aa(Metを含まず)を示す図である。
【図13】a)PCRは、適した制限部位(プライマーR1〜4内に含有される)が側面に位置する、興味のある遺伝子から成るDNAを生成するために使用した。b)PCR産物は、リンカー領域の両側に、適したベクターの中にライゲーションした。c)構築物は、その後、適切なリンカーを導入するために修飾した。リンカーは、いかなる不要な配列(つまり非天然制限部位)も含有しなかった。
【図14】a)オリゴヌクレオチドは、特有のオーバーラップを有する部分的に二本鎖の領域を形成するように設計し、アニールし、処理した場合、リガンドおよび受容体にアニールするであろう隣接領域を有するリンカーをコードするであろう。b)PCRは、LR融合遺伝子を産生するために「メガプライマー」ならびに末端プライマー(R1およびR2)を使用して行った。R1およびR2プライマーは、標的ベクターの中へのライゲーションに有用な隣接制限部位を導入するように設計した。
【図15】顆粒球コロニー刺激因子受容体の完全アミノ酸配列を示す図である。
【図16】GCSFキメラ構築物を発現するCHO flpIn安定細胞株のウェスタンブロット分析を示す図である。レーン1=4A1;レーン2=4D1;レーン3=偽培地;レーン4=4A1;レーン5=4D1;レーン6=偽培地;A=非還元条件;B=還元条件。4A1および4D1の両方は75および100kDaの間まで流れる。GCSFは、グリコシル化タンパク質について予想されるように37および45kDaの間まで流れる。
【図17】GCSF LR融合構築物の模式図を示す図である。
【図18】4A1および4D1構築物を発現するCHO Flp−In安定細胞株の免疫ブロット分析を示す図である。レーンM=マーカー(250、150、100、75、50、37、25、および20kDa);レーン1=4A1;レーン2=4D1;レーン3=偽培地;レーン4=4A1;レーン5=4D1;レーン6=偽培地。レーン1〜3=還元条件およびレーン4〜6=非還元条件。
【図19】GCSF、4B1、4C1、4C2、および4E1構築物を発現するCHO Flp−In安定細胞株の免疫ブロット分析を示す図である。レーンM=マーカー(250、150、100、75、50、37、25、20、および15kDa);−=DTTなし(非還元);+=DTTあり(還元)。
【図20】(A)4A1精製ステップのクーマシー染色ゲルを示す図である。レーンM=マーカー(250、150、100、75、50、37、25、20、および15kDa);レーン1=粗製培地10×濃縮物;レーン2=pH4.5沈殿ペレット;レーン3=pH4.5、沈殿上清、レーン4=pH5.5、SP非結合、レーン5=pH5.5、SP結合、レーン6〜8=pH8.0 Qカラムからの画分4〜6、レーン9=50%硫酸アンモニウム沈殿ペレット。(B)精製4A1の免疫ブロットを示す図である。レーンM=マーカー(上記)、レーン1=4A1(DTTあり;還元)、レーン2=4A1(DTTなし;非還元)。
【図21】GCSF、Neulasta、およびGCSF LR融合物4A1の活性を測定するインビトロバイオアッセイを示す図である。材料および方法
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の一態様によれば、顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの少なくとも1つのサイトカイン結合ドメインに直接または間接的に連結される顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドを含む、顆粒球コロニー刺激因子の活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸分子が提供される。
本発明の一態様によれば、顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの少なくとも1つのサイトカイン結合ドメインに直接または間接的に連結される顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドのアミノ酸配列またはその活性部分を含む融合ポリペプチドが提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上述の融合ポリペプチドは、顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの2つのサイトカイン相同性結合ドメインを含む。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、上述の融合ポリペプチドは、免疫グロブリン様ドメインをさらに含む。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、上述の融合ポリペプチドは、少なくとも1つのフィブロネクチンドメインIII、好ましくは2つまたは3つのフィブロネクチンIIIドメインを含む。
GCSFRは、複雑であり、その分子構造に寄与する一連のドメインを含む。GCSFRは、構造的におよび機能的に定義されるいくつかの領域に細分することができる。受容体は、長さが812のアミノ酸であり、それが、細胞外ドメイン、単一膜貫通ドメイン、および細胞質ドメインを含む限り、典型的なサイトカイン受容体である。細胞外ドメインは、成熟ポリペプチドにおけるアミノ末端から、免疫グロブリン様ドメイン(アミノ酸1〜97)、第1のサイトカイン相同性ドメイン(97〜201)および第2のサイトカインドメイン(202〜313)、ならびに3つのフィブロネクチンIIIドメインを含む分子構造を有する。機能的に、第1および第2のサイトカインドメインは、GCSFに結合する。
本発明の好ましい実施形態において、上述の融合ポリペプチドは、配列番号31で表されるアミノ酸残基97〜201を含む。
本発明の代替の好ましい実施形態において、上述の融合ポリペプチドは、配列番号31のアミノ酸残基202〜313を含む。
本発明の代替の好ましい実施形態において、上述の融合ポリペプチドは、配列番号31のアミノ酸残基97〜313を含む。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、上述の融合ポリペプチドは、配列番号31のアミノ酸残基1〜97を含む。
本発明の好ましい実施形態において、ポリペプチドは、サイトカイン結合ドメインに連結され、上述の顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドは、上述の融合ポリペプチドにおいて上述のサイトカイン結合ドメインのアミノ末端側に位置する。
本発明の代替の好ましい実施形態において、顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドは、サイトカイン結合ドメインに連結され、上述の顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドは、上述の融合ポリペプチドにおいて上述のサイトカイン結合ドメインのカルボキシル末端側に位置する。
本発明の好ましい実施形態において、顆粒球コロニー刺激因子は、ペプチドリンカー、好ましくは柔軟なペプチドリンカーによって、顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの結合ドメインに連結される。
本発明の好ましい実施形態において、上述のペプチド連結分子は、ペプチドGly Gly Gly Gly Serの少なくとも1コピーを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のペプチド連結分子は、ペプチドGly Gly Gly Gly Serの2、3、4、5、6、7、8、9または10コピーを含む。
好ましくは、上述のペプチド連結分子は、ペプチドGly Gly Gly Gly Serの6コピーから成る。
本発明の代替の実施形態において、上述のポリペプチドは、ペプチド連結分子を含まず、顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドおよび顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの結合ドメインの直接的な融合物である。
本発明の一態様によれば、
i)配列番号5で表される核酸配列、
ii)配列番号7で表される核酸配列、
iii)配列番号9で表される核酸配列、
iv)配列番号11で表される核酸配列、
v)配列番号13で表される核酸配列、
vi)配列番号15で表される核酸配列、
vii)配列番号17で表される核酸配列、
viii)配列番号19で表される核酸配列
から選択される核酸配列を含む核酸分子、または
配列番号5〜配列番号19とストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、顆粒球コロニー刺激因子受容体調節活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸分子が提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、アゴニスト活性を有するポリペプチドをコードする。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、アンタゴニスト活性を有するポリペプチドをコードする。
核酸分子のハイブリダイゼーションは、2つの相補的な核酸分子が、互いに、かなりの量の水素結合を起こす場合に起こる。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、核酸を取り囲む環境条件、ハイブリダイゼーション方法の性質、ならびに使用される核酸分子の組成および長さによって変動し得る。特定の程度のストリンジェンシーを達成するのに必要とされるハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、2001)およびTijssen、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes 第I部、第2章(Elsevier、New York、1993)において説明される。Tは、核酸分子の所与の鎖の50%が、その相補鎖にハイブリダイズする温度である。以下は、ハイブリダイゼーション条件の例示的なセットであり、限定的なものではない。
非常に高度なストリンジェンシー(少なくとも90%の同一性を共有する配列がハイブリダイズすることを可能にする)
ハイブリダイゼーション:16時間、65℃で5×SSC
2度洗浄:それぞれ15分間、室温(RT)で2×SSC
2度洗浄:それぞれ20分間、65℃で0.5×SSC
高度なストリンジェンシー(少なくとも80%の同一性を共有する配列がハイブリダイズすることを可能にする)
ハイブリダイゼーション:16〜20時間、65℃〜70℃で5×〜6×SSC
2度洗浄:それぞれ5〜20分間、RTで2×SSC
2度洗浄:それぞれ30分間、55℃〜70℃で1×SSC
低度なストリンジェンシー(少なくとも50%の同一性を共有する配列がハイブリダイズすることを可能にする)
ハイブリダイゼーション:16〜20時間、RT〜55℃で6×SSC
少なくとも2度洗浄:それぞれ20〜30分間、RT〜55℃で2×〜3×SSC。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、配列番号5で表される核酸配列を含むまたはそれから成る。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、配列番号7で表される核酸配列を含むまたはそれから成る。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、配列番号9で表される核酸配列を含むまたはそれから成る。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、配列番号11で表される核酸配列を含むまたはそれから成る。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、配列番号13で表される核酸配列を含むまたはそれから成る。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、配列番号15で表される核酸配列を含むまたはそれから成る。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、配列番号17で表される核酸配列を含むまたはそれから成る。
本発明の好ましい実施形態において、上述の核酸分子は、配列番号19で表される核酸配列を含むまたはそれから成る。
本発明の一態様によれば、本発明による核酸によってコードされるポリペプチドが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、25、26、27、28、29、または30から成る群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそれから成るポリペプチドが提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上述のポリペプチドは、アゴニスト活性を有する。
本発明の代替の好ましい実施形態において、上述のポリペプチドは、アンタゴニスト活性を有する。
本発明の一態様によれば、2つのポリペプチドから成るホモ二量体であって、上述のポリペプチドはそれぞれ、
i)顆粒球コロニー刺激因子またはその受容体結合ドメインを含む第1の部分と、ペプチド連結分子によってそれと任意選択で連結される
ii)顆粒球コロニー刺激因子受容体のサイトカイン相同性結合ドメインまたはその部分を含む第2の部分と
を含むホモ二量体が提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号6を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号8を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号10を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号12を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号14を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号16を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号18を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号20を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号25を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号26を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号27を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号28を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号29を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明の好ましい実施形態において、上述のホモ二量体は、配列番号30を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による核酸分子を含むベクターが提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上述のベクターは、本発明による核酸分子を発現するように適合された発現ベクターである。
本発明による(1つまたは複数の)核酸を含むベクターは、特に、ベクターが、安定した形質移入のための、ゲノムの中への組換えのために細胞の中に核酸を導入するために使用されることになっている場合、プロモーターまたは他の調節配列を含む必要はない。好ましくは、ベクターにおける核酸は、適切なプロモーターまたは宿主細胞における転写のための他の調節エレメントに作動可能に連結される。ベクターは、複数の宿主において機能する二機能性発現ベクターであってもよい。「プロモーター」によって、転写開始部位から上流の、転写に必要とされる調節領域をすべて含有するヌクレオチド配列が意味される。適したプロモーターは、真核細胞または原核細胞における発現のための構成的、組織特異的、誘発性、発生的、または他のプロモーターを含む。「作動可能に連結される」は、転写がプロモーターから開始されるように適切に位置し、配向する同じ核酸分子の一部としてつながれていることを意味する。プロモーターに作動可能に連結されるDNAは、プロモーターの「転写開始調節下に」ある。
好ましい実施形態において、プロモーターは、構成的、誘発性、または調節可能プロモーターである。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による核酸分子またはベクターを用いて形質移入または形質転換される細胞が提供される。
好ましくは、上述の細胞は、真核細胞である。その代わりに、上述の細胞は、原核細胞である。
本発明の好ましい実施形態において、上述の細胞は、真菌細胞(たとえばピキア種、サッカロミセス種、アカパンカビ種)、昆虫細胞(たとえばスポドプテラ種)、哺乳動物細胞(たとえばCOS細胞、CHO細胞)、植物細胞から成る群から選択される。
本発明の好ましい実施形態において、上述の細胞は、安定して形質移入または形質転換される。
本発明のさらなる態様によれば、賦形剤または担体を含む、本発明によるポリペプチドを含む医薬組成物が提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上述の医薬組成物は、さらなる治療薬と組み合わせられる。
投与される場合、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容できる調製物で投与される。そのような調製物は、薬学的に許容できる濃度の塩、緩衝剤、防腐剤、適合性の担体、および任意選択で他の治療薬を規定どおりに含有していてもよい。
本発明の医薬組成物は、注射を含む、任意の通常の経路によって投与することができる。投与および適用は、たとえば経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、腔内、関節内、皮下、局所(目)、皮膚(たとえば皮膚または粘膜へのクリーム状の脂質可溶性挿入物)、経皮、鼻腔内であってもよい。
本発明の医薬組成物は、有効量で投与される。「有効量」は、単独でまたはさらなる薬もしくは共力性の薬剤と共に所望の応答をもたらす医薬品/組成物の量である。これは、一時的に疾患の進行を単に遅らせることを伴ってもよいが、より好ましくは、それは、持続的に疾患の進行を食い止めることを伴う。これは、ルーチン的な方法によってモニターすることができるまたは診断方法に従ってモニターすることができる。
対象に投与される医薬組成物の用量は、異なるパラメーターに従って、特に、使用される投与のモードおよび対象の状態(つまり年齢、性別)に従って選ぶことができる。投与される場合、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容できる量および薬学的に許容できる組成物で適用される。医薬で使用される場合、塩は、薬学的に許容できるはずであるが、薬学的に許容できない塩は、その薬学的に許容できる塩を調製するために好都合に使用されてもよく、本発明の範囲から除外されない。そのような薬理学的におよび薬学的に許容できる塩は、以下の酸から調製されるものを含むが、これらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、およびその他同種のもの。さらに、薬学的に許容できる塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩などのようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類塩として調製することができる。
医薬組成物は、所望される場合、薬学的に許容できる担体と組み合わせられてもよい。本明細書において使用されるような用語「薬学的に許容できる担体」は、ヒトへの投与に適した1つまたは複数の適合性の固体または液体の増量剤、希釈剤、またはカプセル化する物質を意味する。用語「担体」は、適用を容易にするために有効成分が組み合わせられる天然または合成の有機または無機成分を示す。医薬組成物の構成成分はまた、所望の医薬品効力を実質的に損なうであろう相互作用がない方法で本発明の分子とおよび互いに混合することもできる。
医薬組成物は、塩中の酢酸、塩中のクエン酸、塩中のホウ酸、および塩中のリン酸を含む適した緩衝剤を含有していてもよい。
医薬組成物はまた、任意選択で、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベン、およびチメロサールなどのような適した防腐剤を含有していてもよい。
医薬組成物は、単位剤形で好都合に与えられてもよく、薬学の技術分野においてよく知られている方法のいずれかによって調製されてもよい。方法はすべて、活性作用物質を、1つまたは複数の補助成分を構成する担体と結合させるステップを含む。一般に、組成物は、活性化合物を、液体の担体、微粉化した固体の担体、またはその両方と均一におよび完全に結合させることならびにその後、必要であれば、産物を成形することによって調製される。
経口投与に適した組成物は、カプセル、錠剤、ロゼンジなどのように、別々の単位として与えられてもよく、それぞれが、所定の量の活性化合物を含有する。他の組成物は、シロップ剤、エリキシル剤、または乳剤などのような、水性の液体または非水系の液体中の懸濁剤を含む。
非経口投与に適した組成物は、好ましくは、レシピエントの血液と等張である滅菌した水性または非水系の調製物を好都合に含む。この調製物は、適した分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、知られている方法に従って製剤されてもよい。滅菌注射調製物はまた、たとえば1,3−ブタンジオール中の液剤のように、無毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶剤中の滅菌注射液剤または懸濁剤であってもよい。用いられてもよい許容できる溶剤の中には、水、リンガー溶液、および等張食塩水がある。さらに、滅菌した不揮発性油は、溶剤または懸濁化剤として慣習的に用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激の不揮発性油が用いられてもよい。さらに、オレイン酸などのような脂肪酸は、注射剤の調製物において使用されてもよい。経口、皮下、静脈内、筋肉内などの投与に適した担体製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、PAにおいて見つけることができる。
本発明のさらなる態様によれば、顆粒球コロニー刺激因子アゴニストの投与が有効であろう状態に罹患しているヒト対象を治療するための方法であって、本発明による少なくとも1つのポリペプチドの有効量を投与するステップを含む方法が提供される。
本発明の好ましい方法において、上述のポリペプチドは、静脈内に投与される。
本発明の代替の好ましい方法において、上述のポリペプチドは、皮下に投与される。
本発明のさらなる好ましい方法において、上述のポリペプチドは、2日間隔で投与され、好ましくは、上述のポリペプチドは、1週、2週、または1カ月間隔で投与される。
本発明の好ましい方法において、上述の状態は、好中球減少症である。
本発明のさらなる態様によれば、ヒト対象における造血前駆細胞の増殖および/または分化を刺激するための方法であって、本発明による少なくとも1つのポリペプチドの有効量を投与するステップを含む方法が提供される。
本発明の好ましい方法において、上述の方法は、インビトロの方法である。
本発明の代替の好ましい方法において、上述の方法は、インビボの方法である。
本発明の好ましい方法において、造血前駆細胞の刺激に続いて、上述のヒト対象から骨髄が摘出され、造血前駆細胞移植に使用される。
好ましくは、上述の摘出された骨髄は、骨髄移植を必要とするヒト対象に投与される。
本発明の一態様によれば、好中球減少症の治療のための医薬の製造のための、本発明によるポリペプチドの使用が提供される。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、上述のポリペプチドは、2日間隔で投与され、好ましくは、上述のポリペプチドは、1週、2週、または1カ月間隔で投与される。
本発明のさらなる態様によれば、ヒト対象における造血前駆細胞の増殖および/または分化の刺激のための医薬の製造における、本発明によるポリペプチドの有効量の使用が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、本発明によるポリペプチドまたは二量体に結合するモノクローナル抗体が提供される。
好ましくは、上述のモノクローナル抗体は、ポリペプチドまたは二量体に結合するが、顆粒球コロニー刺激因子または顆粒球コロニー刺激因子受容体にそれぞれ特異的に結合しない抗体である。
モノクローナル抗体は、本発明のポリペプチドまたは本発明のポリペプチドを含む二量体のいずれかによって提示される立体構造抗原(conformational antigen)に結合する。
本発明のさらなる態様において、本発明によるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を調製するための方法であって、
i)本発明による少なくとも1つのポリペプチドを含む免疫原を用いて免疫応答性哺乳動物を免疫するステップ、ii)免疫された免疫応答性哺乳動物のリンパ球を骨髄腫細胞と融合して、ハイブリドーマ細胞を形成するステップ、
iii)ステップ(ii)のハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体を、(i)のポリペプチドに対する結合活性についてスクリーニングするステップ、
iv)ハイブリドーマ細胞を培養して、上述のモノクローナル抗体を量産および/または分泌するステップ、ならびに
v)培養上清からモノクローナル抗体を回収するステップを含む方法が提供される。
好ましくは、上述の免疫応答性哺乳動物は、マウスである。その代わりに、上述の免疫応答性哺乳動物は、ラットである。
ハイブリドーマ細胞を使用するモノクローナル抗体の産生は、当技術分野においてよく知られている。モノクローナル抗体を産生するために使用される方法は、Nature 256、495〜497ページ(1975)におけるKohlerおよびMilsteinならびにDonillardおよびHoffman、Compendium of Immunology V.II、Schwartz編、1981における「Basic Facts about Hybridomas」によって開示され、これらは、参照によって組み込まれる。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による方法によって得られるまたは入手可能なハイブリドーマ細胞株が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、生体試料において、本発明によるポリペプチドを検出するための診断試験であって、
i)試験対象となる単離試料を提供するステップ、
ii)上述の試料を、本発明によるポリペプチドまたは二量体に結合するリガンドと接触させるステップ、および
iii)上述の試料において上述のリガンドの結合を検出するステップを含む診断試験が提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上述のリガンドは、抗体、好ましくはモノクローナル抗体である。
本明細書の説明および請求項の全体にわたって、その用語「〜を含む(comprise)」および「〜を含有する(contain)」および用語の変化形、たとえば「〜を含む(comprising)」および「〜を含む(comprises)」は、「〜を含むが、これらに限定されない」を意味し、他の部分、添加剤、構成成分、整数、またはステップを除外することを意図しない(および除外しない)。
本明細書の説明および請求項の全体にわたって、文脈上、他の意味に解すべき場合を除き、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、明細書は、文脈上、他の意味に解すべき場合を除き、複数および単数を企図するものとして理解されたい。
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例に関連して記載される特色、整数、特徴、化合物、化学的部分、または化学基は、矛盾しない限り、本明細書において記載される他の態様、実施形態、または実施例に適用可能であることが理解されたい。
本発明の実施形態は、ここで、ほんの一例として、以下の図に関連して記載することとする。
インビトロ試験
GCSF融合ポリペプチドの活性を試験するためのインビトロの方法は、当技術分野において知られている。たとえば、GCSFのコロニー形成能力を試験するために動物から血液、骨、および脾臓細胞を摘出することが知られている(Liuら Blood、2000年3月15日;95(10)、3025〜3031ページを参照されたい)。さらに、GCSFRを発現する細胞、たとえばM−NFS−60細胞およびH−チミジンによって測定されるように、増殖するように刺激される細胞の使用が知られている。
インビボ試験
様々な動物モデルは、GCSFの活性を試験するために入手可能である。たとえば、Haradaら(Nature.Medicine11:305〜311ページ、2005)は、投与した組換えGCSFの、心臓機能に対する効果をモニターするために、GCSFの効果を試験した心筋梗塞のマウスモデルを記載する。
免疫試験
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体への顆粒球コロニー刺激因子の結合を測定するイムノアッセイは、当技術分野において知られている。市販で入手可能な顆粒球コロニー刺激因子抗体は、試料における顆粒球コロニー刺激因子を検出するためにおよびまた競合的阻害研究における使用のためにも入手可能である。たとえばhttp://www.scbt.com/index.html、Santa Cruz Biotechnology Inc.を参照されたい。
融合タンパク質の組換え産生
融合タンパク質の構成成分は、リガンドまたは受容体にアニールし、標的ベクターの中にクローニングするための適した制限部位を導入するように設計したプライマーを使用して、PCRによって生成した(図13a)。PCRのための鋳型は、標的遺伝子を含み、IMAGEクローン、cDNAライブラリー、または特注合成遺伝子から得た。適切な隣接制限部位を有するリガンドおよび受容体の遺伝子を合成したら、これらは、その後、標的ベクターにおけるリンカー領域の両側にライゲーションした(図13b)。構築物は、その後、リンカー領域の両側の2つの特有の制限部位の間への特注合成長のDNAの挿入によって、ssDNA修飾技術によるリンカー領域の変更によって、適した制限部位の間へのプライマーデュプレックス/マルチプレックスの挿入によって、またはPCR修飾によって、隣接制限部位を有していない適切なリンカーを含有するように修飾した(図13c)。
その代わりに、最適なリガンドまたは受容体のドメインにアニールするように設計した隣接配列を有するリンカーを、オリゴヌクレオチドデュプレックスを作製することによって、最初に合成し、これを、二本鎖のDNAを生成するように処理した(図14a)。その後、「メガプライマー」としてのリンカー配列、「メガプライマー」がアニールするリガンドおよび受容体の反対側の末端に対して設計したプライマーを使用し、鋳型としてのリガンドおよび受容体を用いてPCRを行った。末端プライマーは、最適な発現ベクターへのライゲーションに適した制限部位を用いて設計した(図14b)。
融合タンパク質の発現および精製
発現は、適した系(たとえば哺乳動物CHO細胞および大腸菌)において実行し、これは、LR融合遺伝子を生成したベクターに依存した。発現は、その後、1つまたは複数のSDS−PAGE、未変性PAGE、ウェスタンブロッティング、ELISAを含むことができる多種多様の方法を使用して分析した。
適したレベルの発現が達成されたら、LR融合物は、精製および後の分析のための十分なタンパク質を産生するためにより大規模で発現させた。
精製は、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、硫酸アンモニウム沈殿、ゲル濾過、サイズ排除、および/またはアフィニティークロマトグラフィーなどのような1つまたは複数のクロマトグラフィー手順の適した組合せを使用して実行した(ニッケル/コバルト樹脂、抗体固定化樹脂、および/またはリガンド/受容体固定化樹脂を使用)。
精製タンパク質は、1つまたは複数のブラッドフォードアッセイ、SDS−PAGE、未変性PAGE、ウェスタンブロッティング、ELISAを含むことができる、多種多様の方法を使用して分析した。
LR融合物の特徴づけ
変性PAGE、未変性PAGEゲル、およびウェスタンブロッティングは、融合ポリペプチドを分析するために使用し、ウェスタンブロッティングは、LR融合物に対して非立体構造感受性の抗体を用いて行った。未変性溶液状態の分子量情報は、SuperoseG200分析カラムを使用するサイズ排除クロマトグラフィーおよび分析超遠心法などのような技術から得ることができる。
統計
2つのグループは、それらの分散が正常に分布した場合、スチューデント検定を用いてまたは正常に分布しなかった場合、スチューデント−サタースウェイト検定(Student−Satterthwaite’s test)によって比較した。分布は、F検定を用いて試験した。一元配置ANOVAは、3つ以上のグループの平均値を比較するために使用し、有意水準がp<0.05であった場合、個々の比較はダネット検定を用いて行った。統計的検定はすべて、5%の有意水準で両側とし、欠測値に対するインピュテーションは行わなかった。
キメラクローンの構築
GCSF細胞外受容体ドメイン1〜3は、Image Consortiumから得たクローンから直接PCRし、哺乳動物発現ベクターpSecTag−linkの中にクローニングした。4A1(図3a;図3b)および4D1(図9a;図9b)の遺伝子の両方は、遺伝子合成を使用して構築し、哺乳動物発現ベクターpSecTag−linkの中にクローニングして、pGCSFsecTag−4A1および4A5を形成した。
GCSFおよびキメラクローンの哺乳動物安定発現
哺乳動物発現系は、改良InvitrogenベクターpSecTag−V5/FRT−Histを使用して確立した。この系は、高度な発現のための、宿主ゲノム内の特異的な部位への安定したクローンの迅速な生成を可能にする。これは、分泌または細胞質発現タンパク質で使用することができる。Flp−In宿主細胞株(flp−In CHO)は、転写活性ゲノム座に位置する単一のFlpリコンビナーゼ標的(FRT)部位を有する。安定細胞株は、Flp−In細胞株の中へのベクター(FRT標的部位を含有)およびpOG44(flpリコンビナーゼを一時的に発現するプラスミド)の同時形質移入によって生成する。選択はハイグロマイシンBを用いる。DNAの統合が指示されるので、クローン選択の必要はない。Flp−In細胞株の培養:基本的な細胞培養技術を使用するメーカーの指示に従う。
Fugene−6を使用するCHO Flp−In細胞の安定した形質移入
形質移入の前日、CHO Flp−In細胞を、10%(v/v)ウシ胎仔血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、および4mM L−グルタミンを含有する10mlのHamsF12培地の全容量で100mmペトリ皿当たり6×10E5で接種した。翌日、1.5mlポリプロピレンチューブに570μlの無血清培地(抗生物質を含有せず)を追加した。その後、30μlのfugene−6を追加し、緩やかな回転によって混合した。プラスミドの別個の混合物は、興味のある2μgプラスミドを18μg pOG44(プラスミドは、宿主ゲノムの中へのプラスミドの適切な統合に必要なリコンビナーゼ酵素を含有する)と組み合わせるそれぞれの形質移入のために準備した。コントロールプレートにはプラスミドを加えなかった。これは、緩やかな回転によってfugene−6と混合し、15分間、室温に置き、その後、F12培地+10%FC中にCHO Flp−In細胞を含有するそれぞれのペトリ皿の表面に液滴をかけた。プレートは、十分な混合を確実にするために穏やかに回転させ、37℃/5%CO2で24時間置いた。翌日、培地は、600ug/mlのハイグロマイシンBを含有する選択培地と交換した。細胞は、60%以下の培養密度にルーチン的に保った。コントロールプレート細胞(非形質移入細胞)が死滅する(つまり非ハイグロマイシン抵抗性)まで、細胞は、600ug/mlハイグロマイシンBの存在下に置いておいて、成長させた。
SDS−PAGE分析およびウェスタンブロッティング
安定形質移入CHO Flp−In細胞株を約3〜4日間、75cm2フラスコにおいて成長させ、この時点で試料を分析のために採取した。試料を、25mM DTTの存在下および非存在下において等容量のLaemmliローディングバッファーと混合し、5分間、沸騰させた。試料を、4〜20%(w/v)ビスアクリルアミドゲル上で分離し、PVDF膜に転写した(図16)。PBS−0.05%(v/v)Tween20中の5%(w/v)牛乳タンパク質中でブロックした後に、試料検出は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)抱合二次抗体と共に特異的抗GCSF抗体を使用して実行した。視覚化は、HRP検出キットを使用する、写真用フィルム上での化学発光によるものとした。
LR融合物の構築
4A1および4D1は、遺伝子合成し(Genecust、France)、哺乳動物発現ベクターpSegTagに挿入した。4B1および4E1は、それぞれ、4A1および4D1の遺伝子を切断するためにPCRを使用することによって生成した。4A2、4C1、および4C2は、リンカー領域のプライマーデュプレックスを合成し、GCSFおよびGCSFRの配列の方へこれを伸長させるためにPCRを使用することによって生成した。4A2は、完全長遺伝子の方へ(G4S)リンカー配列を伸長させるPCRが失敗したため合成されなかった。4C2は、4C1の合成の副産物として生成した。GCSF−LR融合物タンパク質のための構築物の概略図を図17に示す。
LR融合物の発現
哺乳動物発現系は、改良InvitrogenベクターpSecTag−V5/FRT−Histを使用して確立した。このベクターは、宿主細胞株への標的遺伝子の統合を指示するためにInvitrogenのFlp−In系において使用し、高度な発現のための、宿主ゲノム内の特異的な部位への安定したクローンの迅速な生成を可能にする。
Flp−In細胞株の培養:基本的な細胞培養技術を使用するメーカーの指示に従う。
安定細胞株は、形質移入試薬としてFugene−6を使用して、6ウェルプレートにおいて生成した。CHO Flp−In細胞は、発現ベクターおよび細胞染色体の「ホット−スポット」へのLR融合物遺伝子の組換えを引き起こす酵素であるflpリコンビナーゼを発現するプラスミドであるpOG44を用いて同時形質移入した。ハイグロマイシンBは、陽性組換え体を有する細胞を選択するために使用した。
安定細胞株が確立されたら、それらを、50〜70%の培養密度で75cm培養プレート上で成長させ、培地を無血清培地に交換した。培養物を、さらに2〜4日間、インキュベートし、その後、培地試料を採取した。これらを、13%SDS−PAGEゲル上で流し、免疫ブロッティングのためにPVDF膜に転写した。PBS+0.05%(v/v)Tween20中の5%(w/v)牛乳タンパク質中でブロックした後に、試料検出は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)抱合二次抗体と共に特異的抗GCSF抗体を使用して実行した。視覚化は、HRP検出キットを使用する、写真用フィルム上での化学発光によるものとした。LR融合物の発現を示す免疫ブロットを図18および19に示す。
LR融合物の精製
GCSF−LRのための精製手法を下記に詳述し、図20に示す。
a)プロテアーゼ阻害剤を、4A1を発現する細胞からの10×濃縮培地に追加した。
b)10×濃縮培地を、50mM TRIS、1mM EDTA、pH8.0に対して、2〜4時間、透析した。
c)(2)からのタンパク質および透析チューブを、10mM TRIS、1mM EDTA、pH8.0の溶液に16時間(一晩)移した。
d)0.1M酢酸バッファー、pH4.5の0.25容量を追加した。pHは、pH指標ストリップを使用して確認し、0.1M 酢酸バッファー、pH4.5を、pHが4.5に達するまで、0.1mlの一定分量でさらに追加した。
e)その後、これを、定期的に混合して、2時間、氷上でインキュベートした。
f)遠心分離を、沈殿物を除去するために行い、上清を新しいチューブに移した。
g)0.5M/0.1M NaOHを、pHが5.5に変化するまで0.1mlの一定分量で上清に追加し、pH指標ストリップを使用して、pHを分析した。
h)その後、溶液を、25mM酢酸バッファー、pH5.5を用いてあらかじめ平衡化した5ml SP FFカラム上に装填した。非結合タンパク質を収集した。
i)非結合画分を、25mM TRIS、1mM EDTA、pH8.0に対して16時間(一晩)透析した。
j)透析した試料を、25mM TRIS、pH8.0を用いてあらかじめ平衡化した5ml Q FFカラム上に装填した。
k)カラムを、20カラム容量の25mM TRIS、pH8.0を用いて洗浄した。
l)その後、タンパク質を、20カラム容量を超える0〜1M NaCl勾配を使用してカラムから溶出し、1カラム容量画分を収集した。[4A1は、5mlのカラム上で画分4〜7に溶出される]。
m)>70%純粋な4A1を含有する画分を、プールし、氷上でインキュベートした。
n)等容量の氷冷飽和硫酸アンモニウム溶液を追加して、50%硫酸アンモニウム飽和度とした。2〜3時間、氷上でインキュベート。
o)その後、タンパク質試料を、遠心分離して、沈殿タンパク質をペレットにした。
p)ペレットをPBS中に再懸濁し、PBSに対して透析した。
q)その後、タンパク質試料を分析した。
インビトロバイオアッセイ
細胞調製物
AML−193細胞(ATCC、バッチ番号3475266)を、液体窒素貯蔵庫から取り出し、2分間、37℃ウォーターバスの中に置いた。その後、バイアルの内容物を、9mlの培養培地を含有する15mlチューブに移した。(イスコフ改変ダルベッコ培地中、5%FBS、4mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、5ng/ml GM−CSF、5μg/mlインスリン、5μg/mlトランスフェリン)。細胞を123xgで5分間、遠心分離し、細胞ペレットを培養培地中に再懸濁し、細胞密度を2.3×10細胞/mlに調節した。
細胞培養
細胞を、3×10〜2×10細胞/mlの密度で、培養培地中で、COインキュベーター(5%CO、37℃)において培養した。細胞密度が2.5×10細胞/mlを超過しないことを確実にしながら、継代接種を1週間に2度行った。細胞生存率をトリパンブルー排除法によって評価した。アッセイに先立って、細胞を、約125xgで5分間、回転させることによってPBSを用いて3回洗浄した。その後、ペレットをアッセイ培地において元に戻し(イスコフ改変ダルベッコ培地中、5%FBS、4mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、5μg/mlインスリン、5μg/mlトランスフェリン)、細胞密度を5×10細胞/mlに調節した。
標準/試料調製物
4A1のGCSFタンパク質溶液の適切な希釈溶液を生物活性試験のためにPBS(1%BSA)中で作製した。GCSF(国際基準、NIBSC、バッチ番号88/502)を、リン酸緩衝生理食塩水および水(共に滅菌)の50%溶液において元に戻し、10ng/ml(10000lU/ml)の濃度にし、40μl一定分量に分け、−80℃で保存した。毎日のアッセイで、1本のバイアルを冷凍庫から取り出し、使用濃度を調製した。
GCSF−LR(4A1)のインビトロ生物活性を図21に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの少なくとも1つのサイトカイン結合ドメインに直接または間接的に連結される顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドを含む、顆粒球コロニー刺激因子の活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸分子。
【請求項2】
顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの少なくとも1つのサイトカイン結合ドメインに直接または間接的に連結される顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドのアミノ酸配列またはその活性部分を含む融合ポリペプチド。
【請求項3】
顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの2つのサイトカイン結合ドメインを含む、請求項2に記載の融合ポリペプチド。
【請求項4】
免疫グロブリン様ドメインをさらに含む、請求項2または3に記載の融合ポリペプチド。
【請求項5】
少なくとも1つのフィブロネクチンIIIドメインを含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項6】
配列番号31で表されるアミノ酸残基97から201を含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項7】
配列番号31のアミノ酸残基202から313を含む、請求項2から6のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項8】
配列番号31のアミノ酸残基97から313を含む、請求項2から7のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項9】
配列番号31のアミノ酸残基1から97を含む、請求項2から8のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項10】
顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドは、サイトカイン結合ドメインに連結され、前記顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドは、前記融合ポリペプチドにおいて前記サイトカイン結合ドメインのアミノ末端側に位置する、請求項2から9のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項11】
顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドは、サイトカイン結合ドメインに連結され、前記顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドは、前記融合ポリペプチドにおいて前記サイトカイン結合ドメインのカルボキシル末端側に位置する、請求項2から9のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項12】
顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドは、ペプチドリンカーによって、顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの結合ドメインに連結される、請求項2から11のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項13】
前記ペプチド連結分子は、ペプチドGly Gly Gly Gly Serの少なくとも1コピーを含む、請求項12に記載の融合ポリペプチド。
【請求項14】
前記ペプチド連結分子は、ペプチドGly Gly Gly Gly Serの2、3、4、5、6、7、8、9または10コピーを含む、請求項13に記載の融合ポリペプチド。
【請求項15】
前記ペプチド連結分子は、ペプチドGly Gly Gly Gly Serの6コピーから成る、請求項14に記載の融合ポリペプチド。
【請求項16】
ペプチド連結分子を含まず、顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドおよび顆粒球コロニー刺激因子受容体ポリペプチドの結合ドメインの直接的な融合物である、請求項2から11のいずれか一項に記載の融合ポリペプチド。
【請求項17】
i)配列番号5で表される核酸配列、
ii)配列番号7で表される核酸配列、
iii)配列番号9で表される核酸配列、
iv)配列番号11で表される核酸配列、
v)配列番号13で表される核酸配列、
vi)配列番号15で表される核酸配列、
vii)配列番号17で表される核酸配列、
viii)配列番号19で表される核酸配列
から選択される核酸配列を含む核酸分子、または
配列番号5〜配列番号19とストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、顆粒球コロニー刺激因子受容体調節活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸分子。
【請求項18】
アゴニスト活性を有するポリペプチドをコードする、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項19】
アンタゴニスト活性を有するポリペプチドをコードする、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項20】
配列番号5で表される核酸配列を含む、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項21】
配列番号7で表される核酸配列を含む、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項22】
配列番号9で表される核酸配列を含む、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項23】
配列番号11で表される核酸配列を含む、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項24】
配列番号13で表される核酸配列を含む、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項25】
配列番号15で表される核酸配列を含む、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項26】
配列番号17で表される核酸配列を含む、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項27】
配列番号19で表される核酸配列を含む、請求項17に記載の核酸分子。
【請求項28】
請求項17から27のいずれか一項に記載の核酸によってコードされるポリペプチド。
【請求項29】
配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、25、26、27、28、29、または30から成る群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【請求項30】
アゴニスト活性を有する、請求項29に記載のポリペプチド。
【請求項31】
アンタゴニスト活性を有する、請求項29に記載のポリペプチド。
【請求項32】
2つのポリペプチドから成るホモ二量体であって、前記ポリペプチドはそれぞれ、
i)顆粒球コロニー刺激因子またはその受容体結合ドメインを含む第1の部分と、ペプチド連結分子によってそれと任意選択で連結される
ii)顆粒球コロニー刺激因子受容体のサイトカイン相同性結合ドメインまたはその部分を含む第2の部分と
を含むホモ二量体。
【請求項33】
前記ホモ二量体は、配列番号6を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項34】
前記ホモ二量体は、配列番号8を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項35】
前記ホモ二量体は、配列番号10を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項36】
前記ホモ二量体は、配列番号12を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項37】
前記ホモ二量体は、配列番号14を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項38】
前記ホモ二量体は、配列番号16を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項39】
前記ホモ二量体は、配列番号18を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項40】
前記ホモ二量体は、配列番号20を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項41】
前記ホモ二量体は、配列番号25を含むまたはそれから成る2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項42】
前記ホモ二量体は、配列番号26を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項43】
前記ホモ二量体は、配列番号27を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項44】
前記ホモ二量体は、配列番号28を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項45】
前記ホモ二量体は、配列番号29を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項46】
前記ホモ二量体は、配列番号30を含む2つのポリペプチドを含む、請求項32に記載のホモ二量体。
【請求項47】
請求項1または17から27のいずれか一項に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項48】
請求項1もしくは17から27のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項47に記載のベクターを用いて形質移入または形質転換される細胞。
【請求項49】
真核細胞である、請求項48に記載の単離細胞。
【請求項50】
原核細胞である、請求項48に記載の細胞。
【請求項51】
賦形剤または担体を含む、請求項2から16または28から31のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む医薬組成物。
【請求項52】
さらなる治療薬と組み合わせられる、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
顆粒球コロニー刺激因子ポリペプチドの投与が有効であろう状態に罹患しているヒト対象を治療するための方法であって、請求項2から16または28から31のいずれか一項に記載の少なくとも1つのポリペプチドの有効量を投与するステップを含む方法。
【請求項54】
前記ポリペプチドは、静脈内に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ポリペプチドは、皮下に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記ポリペプチドは、2日間隔で投与される、請求項53から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記ポリペプチドは、1週間隔で投与される、請求項53から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記ポリペプチドは、2週間隔で投与される、請求項53から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記ポリペプチドは、1カ月間隔で投与される、請求項53から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記状態は、好中球減少症である、請求項53から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
ヒト対象における造血前駆細胞の増殖および/または分化を刺激するための方法であって、請求項2から16または28から31のいずれか一項に記載の少なくとも1つのポリペプチドの有効量を投与するステップを含む方法。
【請求項62】
インビボの方法である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
インビトロの方法である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
造血前駆細胞の刺激に続いて、前記ヒト対象から骨髄が摘出され、造血前駆細胞移植に使用される、請求項61または62に記載の方法。
【請求項65】
前記摘出された骨髄は、骨髄移植を必要とするヒト対象に投与される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
好中球減少症の治療のための医薬の製造のための、請求項2から16または28から31のいずれか一項に記載のポリペプチドの使用。
【請求項67】
ヒト対象における造血前駆細胞の増殖および/または分化の刺激のための医薬の製造における、請求項2から16または28から31のいずれか一項に記載のポリペプチドの有効量の使用。
【請求項68】
請求項2から16または28から46のいずれか一項に記載のポリペプチドまたは二量体に結合するモノクローナル抗体。
【請求項69】
ポリペプチドまたは二量体に結合するが、顆粒球コロニー刺激因子または顆粒球コロニー刺激因子受容体にそれぞれ特異的に結合しない抗体である、請求項68に記載のモノクローナル抗体。
【請求項70】
本発明によるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を調製するための方法であって、
i)本発明による少なくとも1つのポリペプチドまたはその断片を含む免疫原を用いて免疫応答性哺乳動物を免疫するステップ、
ii)免疫された免疫応答性哺乳動物のリンパ球を骨髄腫細胞と融合して、ハイブリドーマ細胞を形成するステップ、
iii)ステップ(ii)のハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体を、(i)のポリペプチドに対する結合活性についてスクリーニングするステップ、
iv)ハイブリドーマ細胞を培養して、前記モノクローナル抗体を量産および/または分泌するステップ、ならびに
v)培養上清からモノクローナル抗体を回収するステップを含む方法。
【請求項71】
請求項70に記載の方法によって得られるまたは入手可能なハイブリドーマ細胞株。
【請求項72】
生体試料において、本発明によるポリペプチドを検出するための診断試験であって、
i)試験対象となる単離試料を提供するステップ、
ii)前記試料を、請求項2から16または28から46のいずれか一項に記載のポリペプチドまたは二量体に結合するリガンドと接触させるステップ、および
iii)前記試料において前記リガンドの結合を検出するステップを含む診断試験。
【請求項73】
前記リガンドは、抗体である、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記抗体は、モノクローナル抗体である、請求項73に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13】
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【図14a)】
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【図14b)】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【公表番号】特表2010−535487(P2010−535487A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519511(P2010−519511)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002594
【国際公開番号】WO2009/019441
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(502452978)アステリオン・リミテッド (13)
【Fターム(参考)】