説明

風力タービン

【課題】風力タービンの構成部品の過負荷状態を防止する。
【解決手段】発電ユニットと、複数のブレードを有するロータとを有する、発電用の風力タービンにおいて、風力タービンの電力出力を制御するために、前記ブレードはブレードピッチ調節手段と該ブレードピッチ調節手段を制御するピッチ制御ユニットとによってピッチングさせることができ、前記ブレードのピッチ挙動からブレード負荷を求める負荷計測手段が設けられているようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電ユニットと、複数のブレードを備えたロータと、ブレードピッチ調節手段を制御するピッチ制御ユニットとを有する発電用の風力タービンであって、風力タービンの出力電力を制御するためにブレードがブレードピッチ調節手段によってピッチング可能であるものに関する。
【背景技術】
【0002】
風力タービンは苛酷な気候環境に曝される。風力タービンは、風速が高く、乱流性の突風のある劣悪な風条件の場所に設置されることが多い。このようなケースでは、風力タービンの構成部品の過負荷を防ぐために、風力タービンの動作を少なくとも一時的に停止または中断しなければならない。特に、液圧式に制御されるピッチシステムは、すぐに変化する気候環境下での高ピッチ挙動に起因する高油温および/または低液圧に影響される。しかし、風力タービンの動作を中断してしまうと乏しい電力しか生産できないので、風力タービンの動作の中断はこの問題を解決するにはコストの高いアプローチである。
【0003】
特許文献1は、測定した負荷または風速を用いて風力タービン内の負荷を制限することにより長い時間をかけて最小ピッチ角を増大させる方法に関している。負荷暴走が弱まれば、最小ピッチ角は既定値に落ち着くことが可能になる。この方法によれば、タービンは、より高い風速で動作することによって、および/または疲労寿命を更に損なうことなくより大きなロータを使用することによって、より多くのエネルギーを捕らえることができる。しかしこの方法では、例えば荒れた気候条件下では高ピッチ挙動のせいで液圧式ピッチシステムと風力タービンの構成部品の過負荷を検知することができない。
【0004】
特許文献2には、ブレードの負荷変動に影響を与える所定のパラメータとアジマス角とピッチ角指令値とが相互に関連付けて記憶されたメモリユニットを含んだ、ブレードピッチ角制御装置が開示されている。各ブレードのアジマス角はアジマス角検知ユニットによって検知される。上記所定のパラメータはパラメータ検知ユニットによって検知される。各ブレードのピッチ角指令値は指令値受信ユニットによってメモリユニットから受信される。ここで、ピッチ角指令値は、アジマス角検知ユニットによって検知された各ブレードのアジマス角とパラメータ検知ユニットによって検知された所定のパラメータとに基づいて選択されたものである。さらに、各ブレードのピッチ角をピッチ角指令値と共通ピッチ角指令値とに基づいて個別に制御するために、ピッチ角制御された指令値を生成するピッチ角制御指令値生成ユニットが設けられている。しかし、苛酷な気候条件下の高ピッチ挙動に起因する風力タービンの構成部品の過負荷を防ぐ手段は設けられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第2007/0057517号明細書
【特許文献2】米国特許第7452185B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、構成部品の過負荷状態を防止できる風力タービンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、本発明に従い、発電ユニットと、複数のブレードを有するロータとを有する、発電用の風力タービンであって、風力タービンの電力出力を制御するために、前記ブレードをブレードピッチ調節手段と該ブレードピッチ調節手段を制御するピッチ制御ユニットとによってピッチングさせることができ、前記ブレードのピッチ挙動からブレード負荷を求める負荷計測手段が設けられていることを特徴とする風力タービンによって解決される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の1つの実施例に従った風力タービンを概略的に示す。
【図2】負荷計測手段を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明はブレード負荷の代わりとしてピッチ挙動を使用するというアイディアから発している。ここでピッチ挙動は、ブレードピッチ調節手段を制御する、つまりブレードのピッチを制御するピッチ制御ユニットから供給された情報を処理および分析することのできる負荷計測手段を用いて計算および/または測定されるようにしてよい。したがって、ピッチ挙動と現在のブレード負荷の相関は、負荷計測手段の使用により間接的または直接的に確立される。負荷計測手段は少なくとも1つの処理および/または計算ユニットを含んでいてよい。
【0010】
本明細書においては一般に、高ピッチ挙動はブレード負荷が大きいことを表し、低ピッチ挙動はブレード負荷が比較的小さいことを表す。言い換えれば、例えば風の乱流、突風または突然に変化する風速および/または風向のせいで、ブレードピッチ調節手段がブレードピッチ角をすぐに変える、つまり調整する場合、負荷計測手段はブレードに大きな負荷がかかっていると推論する。なおここで、ブレードピッチ調節手段はピッチ制御ユニットによって制御されている。
【0011】
負荷計測手段は、必要ならばピッチ挙動とブレード負荷との間の関係を確立する情報を含んだ既知のピッチ関連パラメータを使用してよい。上で述べたピッチ挙動とブレード負荷との間の関係は、シミュレーションからのデータおよび/または以前のピッチ挙動の経験値もしくはブレード負荷の測定値の形式であってもよいし、これらによって支援されるものであってもよい。
【0012】
一般に、負荷という用語はブレードが受けるすべての種類の負荷を指し、静的負荷と動的負荷を包摂している。ピッチ挙動はブレードごとに別個に得てもよい。したがって、負荷も各ブレードにつき別個に求めてよい。もちろん、総合的に見ることも、つまり全ブレード負荷を集積的に求めることも可能である。
【0013】
負荷計測手段がピッチ基準信号および/またはピッチ基準信号の標準偏差および/または平均ピッチ速度および/または時間当たりのピッチ運動の総量からピッチ挙動を求めるようにすると好ましい。このようにして、ブレード負荷を求めるために、ブレード負荷に影響されるまたはされうる、風力タービンの動作に関連するすべてのパラメータが考慮される。その際、ピッチ基準信号、ピッチ基準信号の標準偏差、平均ピッチ速度および時間当たりのピッチ運動の総量は、個別に、またはグループ毎に、または集積的に考慮するようにしてよい。例えば、ピッチ角ひいてはピッチ基準信号は、ピッチ制御ユニットがブレードピットを調節するブレードピッチ調節手段に絶えず制御信号を送信することにより風力タービンの電力生産を絶えず最適化しようとしている間にも、風条件が悪ければ、つまり乱流や突風では、大幅に変化しうる。このためピッチ基準信号の標準偏差は大きくなる。これは大きな動的ブレード負荷の存在を示している。
【0014】
負荷計測手段は有利にはロータ速度計測装置からの入力ロータ速度信号および/またはロータ基準速度信号装置からのロータ基準速度信号を受け取って処理する。したがって負荷計測手段は、ブレード負荷の計測に伴って、本発明の風力タービンの一部であるロータ速度信号装置から供給されたロータ速度に関するパラメータを直接操作することができる。同じことは、ピッチ挙動に基づいてブレード負荷を計測するために付加的または代替的に用いられるロータ基準速度信号についても当てはまる。ロータ速度信号もロータ速度基準信号も風条件に大きく影響される。そのため、これらは負荷計測手段によるピッチ挙動に関係しうる。
【0015】
本発明の別の実施形態では、負荷計測手段はブレード負荷を求めるために少なくとも1つの外部パラメータおよび/または少なくとも1つの内部パラメータを考慮する。こうすることで、負荷計測手段がピッチ挙動とブレード負荷を求めるための基礎とする可能な入力値またはパラメータの数が増えるので、ブレード負荷のより正確な計測が可能になる。外部パラメータおよび/または内部パラメータはブレード負荷の計測中に可能な補正手段であると考えてよい。
【0016】
考えられる外部パラメータは風速および/または周囲温度および/または周囲圧力および/または空気密度である。
【0017】
それゆえ、負荷計測手段は、直接的または間接的にピッチ挙動とブレード負荷に影響する上記パラメータのうちの少なくとも1つを測定する少なくとも1つのセンサまたは少なくとも1つのセンサアレイを含んでいる。もちろん、さらに別の有用なパラメータを考慮してもよい。これに関しては、天気予報などに関するデータの取り込みが挙げられる。
【0018】
考えられる内部パラメータはブレードピッチ調節手段の油圧油の温度および/または圧力および/または風力タービンの発電電力である。このように、ブレードピッチ調節手段のすべての動作パラメータは少なくとも間接的にピッチ挙動を表す。それゆえ、ブレード負荷を求めるために、好ましくはブレードピッチ調節手段の油圧油の温度および/または圧力が考慮される。例えばブレードピッチ調節手段が油以外の作動液を使用したり、または油圧式ではなく、作動液の代わりに作動ガスを含んだガス圧式の手段である場合には、相応に他の作動媒体が考慮される。また、風力タービンの発電電力によってブレード負荷を表すことも可能である。というのも、発電電力の突然の跳ね上がりは突風の発生を示すものであり、突風は一般に大きなブレード負荷であるからである。
【0019】
本発明の別の有利な実施形態では、負荷計測手段は電力基準制御信号を生成し、発電ユニットへ出力する。なお、発電は電力基準制御信号および/またはピッチ制御ユニットへのピッチ基準制御信号に基づいて行われ、ブレードのピッチングはピッチ基準制御信号に基づいて行われる。負荷計測手段は例えば発電機の電力曲線の基準点を変えることによって風力タービンの電力生産を増大または減少させる。電力曲線は風力タービンの種類ごとに与えられており、一般に風力タービンまたは発電機の電力生産を風速の関数として定義づけするものである。通常、電力曲線は発電ユニットの、すなわち発電機の、最大動作電力である定格電力と、定格電力が達成される風速とを含んでいる。負荷計測手段は計算および/または測定されたピッチ挙動に依存してブレードのピッチ角を変えることができるので、同じことはピッチ基準信号にも言える。このように、負荷計測手段は、ブレードまたは風力タービンの他の構成部品の過負荷を防ぐという前提で、風力タービンの動作中に基本的機能を制御してよい。
【0020】
例として、風条件が悪いときには、負荷計測手段は発電ユニットの電力曲線の基準点が低下するように発電ユニットに電力基準制御信号を与える。その結果、発電電力量だけが減少するので、風力タービンの動作を中断する必要はない。さらに、ブレードにかかる力がピッチ基準制御信号によって低減されるように、ブレードのピッチ角を変化させてもよい。
【0021】
有利には、負荷計測手段から求められたピッチ挙動データを格納するメモリユニットが設けられる。そうすることで、負荷計測手段の入力データ、出力データまたは暫定的に処理されただけのデータを風力タービンの長期制御において使用することができる。その際、特に大きな負荷がかかる構成部品、そのうちのいくつかを挙げれば、ブレード、ギアまたはタワーなどの構成部品が長期の使用において耐用寿命に関して過負荷とならないように、ピッチ挙動を風力タービンの制御に用いてよい。
【0022】
本発明はまた上記のような風力タービンを動作させる方法にも関している。この方法は ブレードのピッチ挙動を求めるステップと、負荷計測手段を用いてピッチ挙動からブレードのブレード負荷を求めるステップと、ブレード負荷に依存して発電ユニットおよび/またはロータ速度を制御するステップを含んでいる。風力タービンは、すなわち、その発電ユニットおよび/またはロータ速度は、ブレード負荷に関連して実質的に制御される。最初のステップでは、現在生じているブレード負荷の物差しであるブレードのピッチ挙動が求められる。したがって、負荷計測手段がピッチ挙動からブレード負荷を求める。最後に、発電ユニットおよび/またはロータ速度がブレード負荷に依存して制御される。その際、ブレード負荷が大きければ、互いに直接的に影響を及ぼし合う発電とロータ速度とが双方とも低減される。逆に、つまりブレード負荷が比較的小さい、または通常の大きさである場合には、風力タービンの発電とロータの回転数の制限は行われない。
【0023】
負荷計測手段がピッチ基準信号および/またはピッチ基準信号の標準偏差および/または平均ピッチ速度および/または時間当たりのピッチ運動の総量からピッチ挙動を求めるようにすると好ましい。上で述べたように、これらのパラメータはピッチ挙動とブレード負荷を求める際に有用であり、またブレード負荷に従って風力タービンの動作一般を求めるのにも有用である。
【0024】
好ましくは、負荷計測手段は、ロータ速度計測装置からの入力ロータ速度信号および/またはロータ基準速度信号装置からのロータ基準速度信号を受け取って処理する。ロータ速度の制御に関しては、ロータの回転に関するすべてのパラメータ、すなわち、主にロータ速度計測装置から供給される、現在のロータ速度に関する情報を含んだロータ速度信号と、ロータ基準速度信号装置から供給される、瞬間速度値と定格速度値との間のあり得る勾配を表すロータ基準信号とが考慮される。その結果、風力タービンの動作がより正確に制御される。
【0025】
さらに、負荷計測手段はブレード負荷を求めるために少なくとも1つの外部パラメータおよび/または少なくとも1つの内部パラメータを考慮することが好ましい。これらの更なるパラメータは補正または調整の手段として使用され、更なる情報値を負荷計測手段に提供する。
【0026】
外部パラメータは例えば、風速および/または周囲温度および/または周囲圧力および/または空気密度である。内部パラメータは例えば、ブレードピッチ調節手段の油圧油の温度および/または圧力および/または風力タービンによって発電された電力である。油以外の作動液を使用するブレードピッチ調節手段を含んだ風力タービンの場合には、すべての内部パラメータは相応の作動液に関係する。同様に、ブレードピッチ調節手段がガス圧式の装置ならば、すべての内部パラメータは相応の作動ガスに関係する。例えば、突風の環境では、大量の発電電力量とともに、必要ならば、高い油温および/または相応する低い油圧が生じる。これは風力タービンが過負荷であるか、過負荷に近いことを表している。その結果、発電機の電力曲線の基準点が低下する、および/またはロータ速度が制限される。つまり、風力タービンの動作が一時的に電力生産に関する可能な最大値を下回り、構成部品の負荷が低減される。それでも、風力タービンの動作を止める必要はない。
【0027】
別の実施形態では、負荷計測手段は電力基準制御信号を生成し、発電ユニットへ出力する。なお、発電は電力基準制御信号および/またはピッチ制御ユニットへのピッチ基準制御信号に基づいて行われ、ブレードのピッチングはピッチ基準制御信号に基づいて行われる。したがって、風力タービンの動作の、すなわち発電ユニットの動作の主要素と、ブレードの回転速度に強く影響するブレードピッチは、負荷計測手段によって制御可能である。
【0028】
負荷計測手段が1つまたは複数の構成部品の過負荷の危険性を検知した場合には、発電ユニットおよび/またはピッチ制御ユニットの動作に関する信号が生成および出力され、これらの信号に基づいて、過負荷の危険が回避または低下されるように構成部品の動作が調整される。
さらに、負荷計測手段によって求められたピッチ挙動データをメモリユニットに格納することが望ましい。このようにして、風力タービンの動作中に発生した風力タービンとその任意の構成部品の、好ましくはすべての負荷状態は記憶しておくことができ、例えばメンテナンスおよび/または修理などのサービスの際に評価される。
【実施例】
【0029】
以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0030】
図1には、本発明の1つの実施形態に従った風力タービン1の概略図が示されている。風力タービン1は、特にギアボックスを含んでいないために構成部品数の少ない直接駆動風力タービンである。直接駆動風力タービンでは、複数のピッチング可能なブレード3が取り付けられた風力ロータハブ2と発電機4の形態の発電ユニットとが直接機械的に結合されているため、ブレード3と発電機4内のロータとが風によって一体的に駆動される。
【0031】
風力タービン1はタワー6に回転可能に配置されたナセル5を含んでいる。ナセル5には基本的に発電に関係する風力タービン1のすべての構成部品が収納されている。さらに、ブレード3のピッチングを別個にまたは集積的に行う液圧式ブレードピッチ調節手段7が設けられている。ブレード3のピッチは、ブレード3が風に対して大きな表面積をさらす小さなピッチ角、つまりエネルギーの高いピッチ角0°と、ブレード3が風に対して小さな表面積しかさらさない大きなピッチ角、つまりエネルギーの低いピッチ角90°の間で変化しうる。ブレード3のピッチは矢印8で示されている。つまり、ブレード3は基本的に長手軸回りに傾斜している。ブレードピッチ調節手段7を制御するピッチ制御ユニット9と、ブレード3のピッチ挙動から、つまり実質的にピッチ基準信号からブレード3の負荷を求める負荷計測手段10も、ナセル5の中に配置されている。
【0032】
負荷計測手段10を概略的に示した図2によって、本発明の原理をさらに説明する。上で述べたように、負荷計測手段10は風力タービン1のピッチ挙動を計算および/または測定するように形成されている。ピッチ挙動はブレード負荷の代用と考えられる。言い換えれば、ブレード負荷はピッチ挙動から導き出せる。ブレード負荷は風力タービン1の動作を考えると重要なパラメータである。なぜならば、風力タービン1の動作を停止または中断しなくても、過負荷を防ぐことができるようにしたいからである。このようにして、風力タービン4の発電機4はつねに電力を生産し、発電電力量だけがブレード負荷に応じて異なる。これにより、ブレード負荷が大きい場合には少ない電力が生産され、ブレード負荷が通常または小さい場合には多くの電力が生産される。したがって、発電機4および/またはロータ速度はブレード負荷に依存して制御される。
【0033】
ピッチ挙動、つまり例えばブレードのピッチ角がどのくらい頻繁に、どのくらいの速さで変化するかを計算するための主要パラメータは、ピッチ基準信号である。ピッチ挙動は計算ユニット11において計算され、続いてピッチ挙動データが負荷計測手段10に送られる。また、ピッチ挙動を求めるために、ピッチ基準信号の標準偏差、平均ピッチ速度および時間当たりのピッチ運動の総量のような値をさらに考慮してもよい。
【0034】
さらに、負荷計測手段10はロータ速度計測装置12からの入力ロータ速度信号および/またはロータ基準速度信号装置13からのロータ基準速度信号を受け取って処理する。
【0035】
ピッチ挙動を補正するための入力値として、風速、周囲温度および/または周囲圧力のような、環境量に関する外部パラメータをさらに考慮してもよい。同じことは、例えばブレードピッチ調節手段7で使用される油圧油の温度および/または圧力のような内部パラメータについても当てはまる。これらのパラメータは、ピッチ挙動を、したがってまたブレード負荷を求める際の補正手段として作用する。
【0036】
これらの入力信号に基づいて、負荷計測手段10は電力基準制御信号を生成し、発電機4である発電ユニットへ出力する。これは電力基準制御信号に基づいて発電を行わせるためである。さらに、負荷計測手段10はピッチ基準制御信号を生成し、ピッチ制御ユニット9へ出力する。これはブレード3のピッチングをピッチ基準制御信号に基づいて行わせるためである。このようにして、風力タービン1のロータ速度と電力生産は、電力基準制御信号とピッチ基準制御信号を変化させることによって変えられる。
【0037】
メモリユニット14は、ピッチ基準信号を含むピッチ挙動データと、負荷計測手段10によって求められた、または負荷計測手段10へ入力される他の関連するピッチ挙動データを記憶するために設けられている。図に示されているように、記憶されたデータは計算ユニット11においてピッチ挙動を計算する際に使用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 風力タービン
2 ロータハブ
3 ブレード
4 発電機
5 ナセル
6 タワー
7 ブレードピッチ調節手段
9 ピッチ制御ユニット
10 負荷計測手段
11 計算ユニット
12 ロータ速度計測装置
13 ロータ基準速度信号装置
14 メモリユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電ユニットと、複数のブレード(3)を有するロータとを有する、発電用の風力タービン(1)において、風力タービン(1)の電力出力を制御するために、前記ブレード(3)はブレードピッチ調節手段(7)と該ブレードピッチ調節手段(7)を制御するピッチ制御ユニット(9)とによってピッチングさせることができ、前記ブレード(3)のピッチ挙動からブレード負荷を求める負荷計測手段(10)が設けられていることを特徴とする風力タービン(1)。
【請求項2】
前記負荷計測手段(10)は、ピッチ基準信号および/またはピッチ基準信号の標準偏差および/または平均ピッチ速度および/または時間当たりのピッチ運動の総量からピッチ挙動を求めるように形成されている、請求項1記載の風力タービン。
【請求項3】
前記負荷計測手段(10)は、ロータ速度計測装置(12)からの入力ロータ速度信号および/またはロータ基準速度信号装置(13)からのロータ基準速度信号を受け取って処理するように形成されている、請求項1または2記載の風力タービン。
【請求項4】
前記負荷計測手段(10)はブレード負荷を求めるために少なくとも1つの外部パラメータおよび/または少なくとも1つの内部パラメータを考慮するように形成されている、請求項1から3のいずれか1項記載の風力タービン。
【請求項5】
前記外部パラメータは風速および/または周囲温度および/または周囲圧力および/または空気密度であり、前記内部パラメータは前記ブレードピッチ調節手段(7)の油圧油の温度および/または圧力および/または前記風力タービン(1)の発電電力である、請求項4記載の風力タービン。
【請求項6】
前記負荷計測手段(10)は電力基準制御信号を生成し、前記発電ユニットへ出力し、発電は前記電力基準制御信号および/または前記ピッチ制御ユニット(9)へのピッチ基準制御信号に依存して行われ、前記ブレード(3)のピッチングは前記ピッチ基準制御信号に依存して行われる、請求項1から5のいずれか1項記載の風力タービン。
【請求項7】
前記負荷計測手段(10)によって求められたピッチ挙動データを記憶するためにメモリユニット(14)が設けられている、請求項1から6のいずれか1項記載の風力タービン。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載の風力タービンを動作させる方法において、
前記ブレードのピッチ挙動を求め、
前記負荷計測手段を用いて前記ピッチ挙動からブレード負荷を求め、
前記発電ユニットおよび/または前記ロータ速度を前記ブレード負荷に依存して制御するようにしたことを特徴とする、風力タービンを動作させる方法。
【請求項9】
前記ピッチ挙動を、前記ピッチ基準信号および/または前記ピッチ基準信号の標準偏差および/または前記平均ピッチ速度および/または時間当たりのピッチ運動の総量から求める、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記負荷計測手段は、ロータ速度計測装置からの入力ロータ速度信号および/またはロータ基準速度信号装置からのロータ基準速度信号を受け取って処理する、請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記負荷計測手段はブレード負荷を求めるために少なくとも1つの外部パラメータおよび/または少なくとも1つの内部パラメータを考慮する、請求項8から10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記外部パラメータは風速および/または周囲温度および/または周囲圧力および/または空気密度および/または前記風力タービンの発電電力であり、前記内部パラメータは前記ブレードピッチ調節手段の油圧油の温度および/または圧力である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記負荷計測手段は電力基準制御信号を生成して、発電ユニットへ出力し、発電は電力基準制御信号および/またはピッチ制御ユニットへのピッチ基準制御信号に依存して行われ、前記ブレードのピッチングはピッチ基準制御信号に依存して行われる、請求項8から12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記負荷計測手段によって求められたピッチ挙動データをメモリユニットに記憶する、請求項8から13のいずれか1項記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−236913(P2011−236913A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107388(P2011−107388)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】