説明

風呂給湯装置

【課題】潜熱回収用給湯熱交換器で発生するドレンを浴槽に導いて排出しても、浴槽湯水に混入されるホルムアルデヒド濃度が少ない風呂給湯装置とする。
【解決手段】 給湯バーナ1の燃焼ガス中の顕熱を吸収するメインの給湯熱交換器4と、燃焼ガスの排気潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器6とを設け、潜熱回収用給湯熱交換器6で発生するドレンを回収してドレンタンク13に貯留し、ドレンの量が予め定められた排水基準量以上となったときに、ドレンを浴槽30側に導く。給湯バーナ1を、空気比が1.2〜1.3の全一次セラミックバーナCBにより形成して燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生を抑制し、ドレンに含まれるホルムアルデヒドを低減する。また、ドレン排出制御の情報に応じ、適宜、ドレンの量よりも多い湯水を、給湯通路47から浴槽30に注湯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱回収用給湯熱交換器を備えた風呂給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7には、風呂給湯装置の一例が模式図により示されており、従来、この図に示すような風呂給湯装置が様々に提案されている(例えば、特許文献1、参照。)。
【0003】
同図において、器具ケース40内には燃焼室50(50a,50b)が設けられ、燃焼室50a内には給湯バーナ1(1a,1b,1c)が、燃焼室50b内には浴槽30内の湯水の追い焚き用の追い焚きバーナ7(7a,7b)がそれぞれ配置されている。
【0004】
これらの給湯バーナ1および追い焚きバーナ7には、それぞれのバーナ1,7に燃料を供給するガス管42が接続されており、このガス管42にはバーナ1,7への燃料供給・停止を制御するための開閉弁51と、給湯バーナ1への供給燃料量を弁開度でもって制御することができる比例弁(図示せず)とが介設されている。
【0005】
給湯バーナ1と追い焚きバーナ7の下方側には、それぞれのバーナ1,7の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン5,10が設けられており、燃焼ファン5,10の回転によって、吸気口(図示せず)を介して外部より吸気する空気を給湯バーナ1、追い焚きバーナ7に送り、この空気と、ガス管42を通って供給されるガスとによってバーナ燃焼を行う。このバーナ燃焼により生じる燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)を低減できるように、前記バーナ1,7には、ブンゼンバーナを使用せずに、燃料ガスに対する空気比が低い(例えば空気比0.6〜0.8程度の)濃バーナと、燃料ガスに対する空気比が高い(例えば空気比1.8〜2.3程度の)淡バーナとが交互に配設された、いわゆる、濃淡バーナが適用されている。バーナ燃焼により生じた燃焼ガスは、燃焼室50を通って排気口(図示せず)から排気される。
【0006】
前記給湯バーナ1の上側には、給湯バーナ1の燃焼ガス中の顕熱を回収するメインの給湯熱交換器(一次給湯熱交換器)4と、このメインの給湯熱交換器4よりも前記燃焼ガスの流れの下流側に設けられて、燃焼ガスの顕熱および潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器(二次給湯熱交換器)6とが設けられている。また、追い焚きバーナ7の上側には、浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器12が設けられおり、この追い焚き熱交換器12は浴槽30に接続される追い焚き循環路31に設けられている。
【0007】
メインの給湯熱交換器4と潜熱回収用給湯熱交換器6と追い焚き熱交換器12は、それぞれ、水を通す管路と、該管路の外周面に互いに間隔を介して立設配置された板状のフィン3とを有して形成されている。なお、潜熱回収用給湯熱交換器6を備えた風呂給湯装置において、潜熱回収用給湯熱交換器6の管路の外周側にはフィンを設けていない構成のものも用いられている。
【0008】
前記潜熱回収用給湯熱交換器6の入側(入水口側)には、給水源から水を導くための給水通路46が接続されており、潜熱回収用給湯熱交換器6の出側にメインの給湯熱交換器4の入側が接続されている。また、メインの給湯熱交換器4の出側(出湯口側)には給湯通路47が接続されており、図7に示す風呂給湯装置は、潜熱回収用給湯熱交換器6を通る水を潜熱回収の熱で予備加熱し、その予備加熱した水をメインの給湯熱交換器4の入水口に供給し、該メインの給湯熱交換器4で加熱した湯を送水して給湯通路47から一つ以上の給湯先に給湯する機能を有している。
【0009】
なお、前記給水通路46には、給水通路46から供給されて、潜熱回収用給湯熱交換器6側へ流れ込む水の流量を検出する流量センサ43と、潜熱回収用給湯熱交換器6へ流れ込む水の入水温度を検出する入水サーミスタ(図示せず)とが設けられており、また、給湯通路47には流れ出る湯の温度を検出することができる出湯サーミスタ(図示せず)が設けられている。また、給湯通路47には、注湯接続路26を介して追い焚き循環路31が接続されており、注湯接続路26には注湯電磁弁27と、浴槽30への湯張り水量を検出するための流量検出手段15とが設けられている。
【0010】
前記追い焚き循環路31は、追い焚き熱交換器12と、該追い焚き熱交換器12の入口側に設けられた戻り管28と、追い焚き熱交換器12の出口側に設けられた往管29とを有しており、この往管29と前記戻り管28とが、浴槽30の側壁に接続されている。戻り管28には、浴槽30の水位を検出する水位センサ8と、浴槽湯水を循環させる循環ポンプ9と、戻り管28を水が流れたことを検出したときにオンとなる流水スイッチ11と、浴槽湯水の温度を検出する風呂温度センサ(図示せず)がそれぞれ設けられている。なお、風呂給湯装置と浴槽30間の追い焚き循環路31(風呂給湯装置と浴槽30間の往管29や戻り管28)は、近年、架橋ポリエチレン管等により形成することが多くなった。
【0011】
前記潜熱回収用給湯熱交換器6の下側には、該潜熱回収用給湯熱交換器6で発生するドレンを回収するドレン回収手段48と、該ドレン回収手段48により回収したドレンを貯留するドレン貯留手段としてのドレンタンク13とが設けられ、ドレン回収手段48とドレンタンク13とはドレン管49を介して接続されている。
【0012】
潜熱回収用給湯熱交換器6を備えた風呂給湯装置においては、給水通路46から潜熱回収用給湯熱交換器6内の水管を通る水は、給湯バーナ1の燃焼による燃焼ガスが潜熱回収用給湯熱交換器6を通るときに、燃焼ガス中の水蒸気が保有している潜熱を奪って(潜熱を回収して)温度を高め、さらにメインの給湯熱交換器4を通るときに、給湯バーナ1の燃焼火力でもって加熱されて設定温度の湯が作り出されるので、給湯バーナ1によって効率の良い加熱ができる。
【0013】
つまり、潜熱回収用給湯熱交換器6を設けることにより、例えば風呂給湯装置においては、高位発熱量(総発熱量)ベースで熱効率が約90%以上に達し、潜熱回収用給湯熱交換器6が設けられていない通常の風呂給湯装置に比べ、高い熱効率が達成される。そのため、潜熱回収用給湯熱交換器付きの風呂給湯装置は、省エネ化(省エネルギー化)を実現できる風呂給湯装置として注目されている。
【0014】
なお、前記ドレンは、燃焼ガス中の窒素酸化物、硫黄酸化物(SOx)等を含むため、pH2〜4の強酸性である。そこで、図7に示す風呂給湯装置は、このドレンを温水と混合して酸性泉として利用できるようにしている。つまり、この例では、ドレンタンク13により貯留したドレンを追い焚き循環路31側に導くドレン導出路16を設け、該ドレン導出路16を介して導かれるドレンを、追い焚き循環路31を介して浴槽30に導き、浴槽湯水と混合して酸性泉とする構成を設けている。
【0015】
ドレン導出路16には、ドレン導出弁17と、該ドレン導出弁17の下流側に設けられた逆止弁20とが介設されており、ドレン導出弁17を開き、浴槽30に湯が張られた状態で前記循環ポンプ9を駆動させることで、浴槽30から戻り管28を通って往管29側に送り出され、再び浴槽30に循環される湯にドレンを混ぜて浴槽30内の湯水が酸性泉となるように構成されている。
【0016】
前記風呂給湯装置において、給湯バーナ1および追い焚きバーナ7の燃焼制御と、燃焼ファン5,10の回転制御は、前記各センサの検出信号に基づき、図示されていない制御装置によって、予め与えられたシーケンスプログラムにしたがって行われており、前記の如く、ガス管42から供給されるガスと燃焼ファン5,10により送られる空気とによって給湯バーナ1、追い焚きバーナ7の燃焼がそれぞれ行われ、台所等への給湯や浴槽の湯張り、浴槽湯水の追い焚き等の動作が適宜行われる。
【0017】
以下に、風呂給湯装置の動作の一例を簡単に説明する。給湯動作は、例えば台所や洗面所等の給湯栓(図示せず)を開くことにより開始されるものであり、制御装置は流量センサ43により給水通路46を通水する最低作動流量以上の流量を検出すると、給湯バーナ1を燃焼し、給湯熱交換器4,6(メインの給湯熱交換器4および潜熱回収用給湯熱交換器6)を通る水が設定温度の湯になるように加熱し、その湯を給湯通路47を通して給湯先へ供給する。そして、給湯栓の閉止によって流量センサ43が通水の停止を検出したときに、制御装置は給湯バーナ1へのガス供給を遮断し、給湯バーナ1の燃焼を停止する。
【0018】
自動湯張り機能の動作は、前記制御装置に設けられている自動湯張り手段によって行われるものである。この動作は、給湯風呂装置の制御装置に接続されているリモコン装置の自動スイッチをオンすることにより開始するものであり、自動湯張り手段は、自動スイッチのオン信号を受けて注湯電磁弁27を開く。また、前記給湯機能の動作と同様に、給湯熱交換器4,6を通る水を給湯バーナ1の燃焼加熱により湯として、給湯通路47から注湯接続路26に通し、追い焚き循環路31を通して浴槽30へ落とし込む。つまり、この例においては、注湯接続路26と追い焚き循環路31とが、給湯熱交換器4,6を通る水を給湯バーナ1の燃焼加熱により湯として浴槽30に注湯する注湯路として機能する。
【0019】
自動湯張り動作は、例えば、前記流量検出手段15により検出される湯張り水量と、水位センサ8によって検出される浴槽水位と、予め与えられる湯張り用データとに基づいて浴槽30への湯張りを行い、水位センサ8によって検出される検出水位が前記設定水位に達したことを確認して注湯電磁弁27を閉じ、湯張り動作を終了させる。また、この湯張りの動作においては、制御装置は予め設定された湯張りの設定温度となるように給湯熱交換器4,6の給湯湯温を制御する。
【0020】
なお、通常は、前記自動湯張り動作に引き続き、追い焚き動作による保温動作が行なわれ、保水機能を有しているものについては、保水機能の動作が行われる。保温動作は、所定の時間間隔で、循環ポンプ9を短時間起動し、浴槽30の湯を追い焚き循環路31を通して循環し、このときに検出される浴槽30の湯温が風呂の設定温度よりも許容範囲を外れて低下したときには、循環ポンプ9を駆動して浴槽30の湯水を追い焚き循環路31を通して循環しながら、追い焚きバーナ7の燃焼により追い焚き熱交換器12で加熱する(追い焚き動作を行う)ものである。浴槽30の湯温が風呂の設定温度に達したときに、循環ポンプ9と追い焚きバーナ7の燃焼を停止する。
【0021】
【特許文献1】特許公報第3153361号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ところで、本発明者が前記ドレンについて検討したところ、ドレンには、前記燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生に起因して、ホルムアルデヒドが含まれていることが分かった。
【0023】
したがって、前記のように、ドレンを浴槽湯水に入れて利用すると、ドレン中に含まれるホルムアルデヒドも浴槽湯水に混入することになるため、利用者が誤って浴槽湯水を飲んでしまうことや、皮膚への影響を考慮して、ドレン中に含まれるホルムアルデヒドの量を小さくする必要があると考えられる。つまり、たとえドレンが混入した浴槽湯水を利用者が飲んでしまっても問題がないようにするために、浴槽湯水中のホルムアルデヒドの濃度を、飲料水において許容されるホルムアルデヒド濃度(0.08ppm)以下に小さくする必要があると考えられる。
【0024】
しかしながら、給湯バーナ1として濃淡バーナを適用した場合、ドレン中に含まれるホルムアルデヒドの濃度が1.9〜2.9ppm(g/リットル)程度あることが分かり、飲料水に許容されるホルムアルデヒド濃度の23倍を越す、遙かに高い濃度のホルムアルデヒドがドレン中に含まれることが分かった。このような高濃度のホルムアルデヒドを浴槽湯水中に排出した場合、浴槽湯水を利用者が飲んでしまうと、健康上、問題があり、また、前記のようなホルムアルデヒド濃度が高い浴槽湯水に利用者が入ることによって、皮膚への安全性の面でも問題があると考えられる。
【0025】
なお、前記のように、濃淡バーナにおいて、ドレン中に含まれるホルムアルデヒドの濃度が1.9ppmとなるのは、バーナを連続燃焼させた場合の値であり、ドレン中のホルムアルデヒドの濃度が2.9ppmとなるのは、バーナを断続的にオン・オフ燃焼させた場合の値である。また、バーナの点火時には、ドレン中のホルムアルデヒドの濃度が高くなることも、本発明者の検討により、分かった。
【0026】
本発明は、前記本発明者の考えに基づき、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、潜熱回収用給湯熱交換器を備えていることにより発生するドレンを浴槽内に排出して、その浴槽湯水を利用者が飲んだとしても安全性が高く、また、皮膚への安全性も高い、高効率な風呂給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、給湯バーナと、該給湯バーナの燃焼ガス中の顕熱を吸収するメインの給湯熱交換器と、該メインの給湯熱交換器よりも前記燃焼ガスの流れの下流側に配置されて排気潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器と、該潜熱回収用給湯熱交換器とメインの給湯熱交換器とを通って加熱された湯を給湯先に導く給湯通路とを有し、前記潜熱回収用給湯熱交換器で発生するドレンを回収するドレン回収手段と、該ドレン回収手段により回収したドレンを貯留するドレン貯留手段と、該ドレン貯留手段に貯留したドレンを浴槽側に導くドレン導出路と、前記ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上となったときに前記ドレンを前記ドレン導出路を介して浴槽に排出するドレン排出制御手段とを有し、前記給湯バーナを空気比が1.2〜1.3の全一次セラミックバーナにより形成して前記燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生を抑制し、前記ドレンに含まれるホルムアルデヒドを低減する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0028】
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成に加え、前記給湯通路には、該給湯通路を通る湯水を浴槽に注湯する注湯路が接続されており、ドレン排出制御手段からドレン排出制御の情報を受けて、該ドレン排出制御手段による浴槽へのドレンの排出前と排出後と排出中の少なくとも一つのタイミングで、前記ドレンの量よりも多い予め定められた設定量の湯水を前記注湯路を介して浴槽に導くドレン希釈用注湯手段を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0029】
さらに、第3の発明は、前記第1または第2の発明の構成に加え、前記給湯通路には、該給湯通路を通る湯水をドレン貯留手段に導く給湯水ドレン側導入路が接続されており、ドレン排出制御手段によるドレンの浴槽への排出後に、該ドレンの量よりも多い予め定められた設定量の湯水を前記給湯水ドレン側導入路を介してドレン貯留手段に導いて該ドレン貯留手段とドレン導出路とを通して浴槽に送水する送水手段を有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0030】
さらに、第4の発明は、前記第3の発明の構成に加え、前記送水手段は、給湯通路からドレン貯留手段に導く湯水の温度を予め定められた温度以上の殺菌用設定温度に加熱して前記ドレン貯留手段に導くことを特徴とする。
【0031】
さらに、第5の発明は、前記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記給湯通路には、該給湯通路を通る湯水を浴槽に注湯する注湯路が接続されており、ドレン排出制御手段はドレン貯留手段に貯留したドレンを前記注湯路の少なくとも一部と前記ドレン導出路とを介して浴槽に導く構成をもって課題を解決する手段としている。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、潜熱回収用給湯熱交換器を有し、メインの給湯熱交換器による加熱に加え、潜熱回収用給湯熱交換器を通る水を潜熱回収の熱で加熱する構成を備えた風呂給湯装置であるので、高効率の風呂給湯装置とすることができる。
【0033】
また、本発明によれば、潜熱回収用給湯熱交換器で発生するドレンを、ドレン導出路を介して浴槽に排出するが、給湯バーナを、空気比が1.2〜1.3の全一次セラミックバーナにより形成して燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生を抑制し、前記ドレンに含まれるホルムアルデヒドを低減するために、ドレンが混入した浴槽湯水を利用者が飲んだとしても、また、入浴して浴槽湯水が利用者の皮膚に触れても、前記燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生量が多い濃淡バーナを給湯バーナとして適用した場合に比べて、安全性を高めることができる。
【0034】
なお、本発明者は、バーナの点火時や、バーナを断続的にオン・オフ燃焼させた場合に、ドレン中のホルムアルデヒドの濃度が高くなる原因は、バーナの火炎温度が低いことに因るのではないかと考え、潜熱回収用給湯熱交換器を加熱するバーナの種類を変えて、潜熱回収用給湯熱交換器で発生するドレン中に含まれるホルムアルデヒドの濃度(つまり、バーナを燃焼させたときの燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生量に起因するホルムアルデヒドの濃度)を比較検討したところ、空気比が1.2〜1.3の全一次セラミックバーナにより給湯バーナを形成すると、濃淡バーナを連続燃焼させた場合に比べ、ドレン中に含まれるホルムアルデヒドの濃度を、約8分の1(0.25ppm)に低減できることが確認できた。
【0035】
この検討に基づいて、本発明は前記セラミックバーナを給湯バーナとして用いているので、燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生を、濃淡バーナに比べて格段に抑制することができ、ドレン中のホルムアルデヒド濃度を格段に低減できる。
【0036】
また、ドレン排出制御手段からドレン排出制御の情報を受けて、該ドレン排出制御手段による浴槽へのドレンの排出前と排出後と排出中の少なくとも一つのタイミングで、前記ドレンの量よりも多い予め定められた設定量の湯水を、給湯通路から、浴槽への注湯路を介して浴槽に導くドレン希釈用注湯手段を設けたり、ドレン排出制御手段によるドレンの浴槽への排出後に、該ドレンの量よりも多い予め定められた設定量の湯水を、給湯通路から給湯水ドレン側導入路を介してドレン貯留手段に導き、該ドレン貯留手段とドレン導出路とを通して浴槽に送水する送水手段を設けたりすることにより、浴槽内に導く(送水する)湯水によって、浴槽湯水内のドレン濃度を薄め、ホルムアルデヒドの濃度を低減できる。
【0037】
したがって、ドレン希釈用注湯手段や送水手段を備えることにより、浴槽湯水中のホルムアルデヒドの濃度をより低減でき、例えば、ドレンの排出量の2倍を越える量の湯水を浴槽に導出すれば(つまり、ホルムアルデヒドの濃度を約3分の1以下に希釈すれば)、浴槽湯水中のホルムアルデヒドの濃度を、飲料水において許容されるホルムアルデヒド濃度以下に確実に小さくすることができる。
【0038】
さらに、送水手段を備えている構成の本発明において、給湯通路からドレン貯留手段に導く湯水の温度を予め定められた温度以上の殺菌用設定温度に加熱して前記ドレン貯留手段に導くものにおいては、ドレン貯留手段や、ドレン導出路を、前記殺菌用設定温度の湯で殺菌洗浄することができるため、風呂給湯装置を、より衛生上好ましい状態に保つことができる。
【0039】
さらに、本発明において、潜熱回収用給湯熱交換器とメインの給湯熱交換器とを順に通って加熱された湯を浴槽に注湯する注湯路にドレン導出路が接続されており、ドレン排出制御手段はドレン貯留手段に貯留したドレンを前記ドレン導出路と前記注湯路とを介して浴槽に導く構成のものにおいては、浴槽への注湯用として用いられる注湯路にドレン導出路を接続することにより、専用のドレン導出路を設ける場合のように、このドレン導出路を風呂給湯装置と浴槽の間に介設する配管工事を必要とせず、また、ドレン導出路を直接的に浴槽に接続する場合に比べ、ドレン導出路の長さを短くできる。さらに、例えば、ドレンを中和せずに、ドレン導出路と注湯路とを介して浴槽に導くことにより、酸性のドレンにより、注湯路を殺菌できる効果も奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
【0041】
図2には、本発明に係る風呂給湯装置の第1実施形態例の構成が模式的に示されている。本実施形態例の風呂給湯装置は、図7に示した従来例と同様に、台所等への給湯や浴槽への湯張り(湯張りのための給湯)と、浴槽内の湯水の追い焚き機能とを備えた風呂給湯装置であるが、本実施形態例は、前記給湯バーナ1を、空気比が1.2〜1.3の全一次セラミックバーナCBにより形成しており、この構成により、前記燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生を抑制し、前記ドレンに含まれるホルムアルデヒドを低減することを特徴とする。
【0042】
また、本実施形態例でも、図7に示した従来例と同様に、ドレンタンク13により貯留したドレンを追い焚き循環路31側に導くドレン導出路16を設け、該ドレン導出路16を介して導かれるドレンを、追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出する構成を設けており、さらに、本実施形態例では、図1に示す特徴的な制御構成を有している。
【0043】
つまり、本実施形態例は、図1に示すように、制御装置23に、ドレン液量検出手段2、ドレン排出制御手段38、ドレン希釈用注湯手段39、燃焼制御部41を設けている。
【0044】
ドレン液量検出手段2は、ドレンタンク13内のドレン量を検出するものであり、ドレン液量検出手段2は、ドレンタンク13の下端側と上端側に設けられたドレン液量検出電極2a,2b(図2、参照)に接続されている。
【0045】
ドレンタンク13の容量は、例えば3.5リットルであり、ドレンタンク13内に貯留されたドレン量が、予め定められたドレン貯留下限値(例えばドレンタンク13の容量の5%)を越えるとドレン液量検出電極2aがドレンを検知し、予め定められたドレン貯留上限値(例えばドレンタンク13の容量の90%)に達するとドレン液量検出電極2bがドレンを検知するように構成されている。
【0046】
ドレン液量検出手段2は、前記ドレン液量検出電極2a,2bによってドレンタンク13内のドレン水の量を検出し、例えば、検出した値が予め定められたドレン排水基準量に達したとき、例えばドレン液量検出電極2bがドレンを検知したときには、この検出信号をドレン排出制御手段38に加える。
【0047】
ドレン排出制御手段38は、ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上となったときに、つまり、ドレン液量検出手段2から、ドレン液量がドレン排水基準量に達したことの検出信号が加えられたときに、前記ドレンを前記ドレン導出路16を介して浴槽30に排出する。
【0048】
なお、本実施形態例において、ドレン排出制御手段38は、ドレンタンク13に貯留したドレンを、ドレン導出路16と、前記注湯路の一部である追い焚き循環路31とを介して、浴槽30に導く構成と成している。本実施形態例では、図2に示すように、前記循環ポンプ9の吸込側24には、追い焚き循環路31に浴槽30からの湯水を導入する戻り管28と、前記ドレンタンク13から追い焚き循環路31にドレンを導く前記ドレン導出路16とが、三方弁21の切り替えにより切り替え自在に接続されており、ドレン排出制御手段38は、以下のように、三方弁21の切り替え制御等を行い、ドレンの導出を行う。
【0049】
つまり、ドレン排出制御手段38は、ドレン排出実行を行わない時には、電磁弁により形成されたドレン導出弁17を閉状態とし、さらに、三方弁21を操作することにより、ドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを非接続状態とする。このようにすると、循環ポンプ9の駆動によって、従来例における追い焚き動作と同様に、追い焚き動作が可能となる。
【0050】
また、ドレン排出制御手段38は、前記ドレン排出時には、ドレン導出弁17を開き、さらに、三方弁21を操作することにより、ドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを接続状態とし、この状態で、循環ポンプ9のポンプ駆動によって、前記ドレン導出路16を通して前記ドレンを追い焚き循環路31側に導き、このドレンを、浴槽30に排出する。
【0051】
本実施形態例は、このようにして、ドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側との接続切り替えと循環ポンプ9の駆動とによって、ドレンを的確に、追い焚き循環路を介して浴槽30に排出でき、的確なドレン排水を実行できる。
【0052】
ドレン排出制御手段38は、ドレン排出実行によって、前記ドレン検出液量が前記ドレン貯留下限値以下になったとき、または、このときから予め設定された時間が経過したときにドレン排出を停止する。なお、ドレンタンク13内のドレンが全て排出される前に循環ポンプ9を停止させ、水封が維持されるように(循環ポンプ9内に空気が混入しないように)する。そして、ドレン排出完了信号を、ドレン希釈用注湯手段39に加える。
【0053】
ドレン希釈用注湯手段39は、ドレン排出制御手段38からドレン排出制御の情報を受けて、予め定められた設定量(ドレンの量よりも多い量であり、例えばドレンの量の2倍強)の湯水を前記注湯路(注湯接続路26と追い焚き循環路31)を介して浴槽30に導くものである。本実施形態例では、ドレン希釈用注湯手段39は、ドレン排出制御手段38から加えられるドレン排出完了信号を受けて、予め定められた設定水量(例えば、ドレンタンク13から排出されるドレンの量である3.15リットルの2倍強の約7リットル)の水を前記追い焚き循環路31を通して浴槽30に送水する。
【0054】
なお、このとき、ドレン希釈用注湯手段39は、給湯通路46から給水される水を、給湯熱交換器4,6を通して湯として追い焚き循環路31を介して浴槽30に送水してもよいし、給湯熱交換器4,6を通さずに水のまま、追い焚き循環路31を介して浴槽30に送水してもよい。いずれの場合も、注湯電磁弁27を開いて、給水通路46からの水を、注湯接続路26から追い焚き循環路31側に導き、循環ポンプ9を介し、戻り管28と往管29から浴槽30に送水する。
【0055】
前記送水を水により行う場合は、電磁比例弁53を調整し、給水源から給水される水をそのまま(給水バイパス路52を介して)注湯接続路26と追い焚き循環路31を介し、浴槽30へと送水する。また、送水を湯により行う場合は、ドレン希釈用注湯手段39は、燃焼制御部41に指令を与え、給水通路46からの水を給湯熱交換器4,6によって加熱して湯とし、同様に注湯接続路26から追い焚き循環路31を介して浴槽30に送水する。このように、湯を追い焚き循環路31を介して浴槽30に送水すれば、追い焚き循環路31を通るドレンを、送水の湯によって洗浄する効果も良好に発揮できる。
【0056】
本実施形態例は以上のように構成されており、給湯バーナ1を、空気比が1.2〜1.3の全一次セラミックバーナCBにより形成して燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生を抑制することにより、前記ドレンに含まれるホルムアルデヒドを低減することができ、さらに、ドレン希釈用注湯手段39が、ドレン排出制御手段38からのドレン排出制御の情報を受けて、ドレンの排出後にドレンの量の約2倍強の湯水を、給湯通路47と追い焚き循環路31とを介して浴槽30に導くので、ホルムアルデヒドの濃度を、飲料水の基準である値(0.08ppm)以下に低減できる。
【0057】
次に、本発明に係る風呂給湯装置の第2実施形態例について説明する。なお、第2実施形態例をはじめとし、以下の実施形態例の説明において、前記第1実施形態例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は、省略または簡略化する。
【0058】
第2実施形態例は、図4に示すシステム構成と、図3に示すドレン排出制御構成を有しており、これらの図に示すように、第2実施形態例が第1実施形態例と異なる特徴的なことは、給湯通路47に、該給湯通路47を通る湯水をドレンタンク13に導く給湯水ドレン側導入路45が接続されていることと、第1実施形態例に設けたドレン希釈用注湯手段39を省略し、その代わりに、送水手段36を設けたことである。
【0059】
前記給湯水ドレン側導入路45には、常時閉の電磁弁35が介設されており、送水手段36は、ドレン排出制御手段38によるドレンの浴槽30への排出後に、ドレン排出制御手段38から加えられるドレン排出完了信号を受けて、電磁弁35を開け、ドレンの量よりも多い予め定められた設定水量(例えば、約7リットル)の湯水を、前記給湯水ドレン側導入路45を介してドレンタンク13に導き、前記湯水をドレンタンク13とドレン導出路16とを通して浴槽30に送水する。
【0060】
なお、送水手段36による送水は、前記第1実施形態例におけるドレン希釈用注湯手段39と同様に、給湯通路46から給水される水を、給湯熱交換器4,6を通して湯として行ってもよいし、給湯熱交換器4,6を通さずに水のまま、行ってもよいが、第2実施形態例においては、燃焼制御部41に指令を加えて給湯バーナ1を燃焼させ、予め定められた温度(例えば60℃)以上の殺菌用設定温度に加熱してドレンタンク13に導くようにしている。
【0061】
このようにすることで、ドレンタンク13や、ドレン導出路16を、殺菌洗浄することができるため、風呂給湯装置を、より衛生上好ましい状態に保つことができる。
【0062】
なお、本発明は前記実施形態例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、前記各実施形態例では、潜熱回収用熱交換器6はフィン3を有している構成としたが、潜熱回収用熱交換器6を、フィン3を有していない構成としてもよい。
【0063】
また、図5に示すように、追い焚き循環路31の戻り管28と往管29とを、追い焚き熱交換器12を通さずに連通する風呂用バイパス通路22を、循環ポンプ9の吐出側25に連通する箇所に設け、追い焚き循環路31に導かれたドレンを、追い焚き熱交換器12を通さずに風呂用バイパス通路22と戻り管28と往管29を通して浴槽30に排出する構成としてもよい。
【0064】
この構成においては、例えば図5に示すように、風呂用バイパス通路22にはバイパス電磁弁18を介設し、流水検出センサ11と追い焚き熱交換器12との間の管路には電磁弁19を設け、ドレン排出制御手段38によって、以下に示すような制御を行う。
【0065】
つまり、ドレン排出制御手段38は、ドレン排出を行わない時には、ドレン導出弁17を閉状態としてドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを非接続状態とする。また、このとき、電磁弁18は閉状態とし、電磁弁19は開状態とし、三方弁21を調整して戻り管28とバイパス通路22とを非接続状態とする。このようにすると、循環ポンプ9の駆動によって、追い焚き動作が可能となる。
【0066】
また、ドレン排出制御手段38は、ドレン排出実行動作時には、ドレン導出弁17を開き、ドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを接続状態とし、電磁弁19を閉じ、バイパス電磁弁18を開状態とし、三方弁21を調整して戻り管28とバイパス通路22とを接続状態とする。この状態で、循環ポンプ9のポンプ駆動によって、前記ドレン導出路16を通して前記ドレンを追い焚き循環路31側に導く。
【0067】
なお、バイパス電磁弁18と電磁弁19とを設ける代わりに、図5のAに示す位置に、三方電磁弁を設けて、前記戻り管28とバイパス通路22との接続と非接続とを切り替えるようにしてもよい。また、循環ポンプ9を駆動開始してから、ドレン導出弁17を開いてドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを接続状態としてもよい。
【0068】
風呂給湯装置を、図5に示すような構成にすると、ドレン排出実行動作時に、追い焚き循環路31側に導かれるドレンを追い焚き熱交換器12を通さずに風呂用バイパス通路22を通して往管29と戻り管28に導入して浴槽30に排出するので、ドレン中和手段14を省略して酸性度が高いドレンを中和せずに排出しても、追い焚き熱交換器12を通さずにドレンを排出することによって、一般に銅を含む金属により形成された追い焚き熱交換器12の腐食等を防げる。
【0069】
また、前記各実施形態例では、ドレン液量検出電極2a,2bをドレン液量検出手段2に接続して、ドレンの液量を検出するようにしたが、ドレン液量検出手段2によるドレン液量の検出構成は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【0070】
さらに、前記各実施形態例では、ドレンを中和せずに、浴槽30に排出する構成としたが、例えば、ドレンタンク13の上部側に、ドレンタンク13とは別個にドレン中和手段を設けたり、ドレンタンク13内にドレン中和手段を設けたりして、ドレンを中和してから浴槽30に排出するようにしてもよい。
【0071】
さらに、前記第1実施形態例では、ドレン排出制御手段38による浴槽30へのドレンの排出後に、ドレン希釈用注湯手段39が設定量の湯水を注湯するようにしたが、ドレン希釈用注湯手段39は、ドレン排出制御手段38からドレン排出制御の情報を受けて、ドレンの排出前と排出後と排出中の少なくとも一つのタイミングで、設定量の湯水の注湯を行うようにしてもよい。なお、ドレンの排出前と排出後と排出中のうち、複数のタイミングで注湯を行う場合には、前記設定量を各タイミングに分けて注湯すればよい。
【0072】
さらに、前記第2実施形態例では、送水手段36により、設定量の湯水の注湯を行うようにしたが、前記第1実施形態例に設けたドレン希釈用注湯手段39も設けて、ドレン希釈用注湯手段39による設定量の湯水の注湯と、前記送水手段36による設定量の湯水の注湯とを合わせて行うようにしてもよい。
【0073】
さらに、本発明は、ドレン希釈用注湯手段39や送水手段36を省略して、風呂給湯装置を構成することもできる。この場合でも、給湯バーナ1を空気比が1.2〜1.3のセラミックバーナCBにより形成することにより、ドレン中のホルムアルデヒドの濃度を低減できるので、浴槽内の湯水中のホルムアルデヒドの濃度を小さくできる。
【0074】
さらに、前記各実施形態例では、追い焚き循環路31にドレン導出路16を接続し、ドレン排出制御手段38は、ドレンタンク13に貯留したドレンをドレン導出路16と追い焚き循環路31とを介して浴槽30に導くようにしたが、ドレンの浴槽30への排出経路は、必ずしも追い焚き循環路31を通すとは限らず、適宜設定されるものである。
【0075】
例えば、図6(a)、(b)には、それぞれ、追い焚き循環路31を有していない給湯装置の例が示されており、このような場合は、例えば、図6(a)に示すように、ドレン導出路16を浴槽30に直接接続して、ドレンを浴槽30に排出してもよい。また、図6(b)は、追い焚き循環路の代わりに、注湯路として、湯張り通路32を設けている。この例では、湯張り通路32と給湯通路47との分岐部に切り替え弁33を設け、湯張り時には、切り替え弁33を湯張り通路32側に切り替えて湯張りを行うようにしており、この湯張り通路32にドレン導出路16を接続し、ドレン排出時には、ドレン導出路16と湯張り通路32とを介してドレンを浴槽30に排出する。
【0076】
さらに、前記各実施形態例では、給湯バーナ1は、3つの給湯バーナ1a,1b,1cを有し、追い焚きバーナ7は、2つのバーナ7a,7bを有していたが、これらのバーナ1,7の詳細な構成や、配管構成の詳細は、必ずしも、図2に示した構成とは限らず、適宜設定されるものであり、給湯バーナ1を空気比が1.2〜1.3のセラミックバーナCBにより形成すればよい。
【0077】
さらに、本発明の風呂給湯装置は、給湯と風呂の追い焚き以外の、例えば暖房機能も有する装置としてもよい。この場合、給湯バーナ1と追い焚きバーナ7の他に暖房用のバーナを設ける構成としてもよいし、前記各実施形態例に設けた追い焚きバーナを設けずに、暖房機能を発揮するための暖房用バーナを設け、追い焚き熱交換器12は、暖房用バーナにより加熱された湯と追い焚き循環路31を通る水との熱交換を行うタイプの熱交換器としてもよい。
【0078】
さらに、前記各実施形態例では、給水通路46を潜熱回収用給湯熱交換器6の入側に接続したが、その逆に、給水通路46をメインの給湯熱交換器4の入側に接続し、給湯通路47を潜熱回収用給湯熱交換器6の出側に接続し、メインの給湯熱交換器4を通った湯を潜熱回収用給湯熱交換器6に通して加熱して出湯するようにしてもよい。
【0079】
さらに、前記各実施形態例では、ガス燃焼式の風呂給湯装置としたが、風呂給湯装置は石油燃焼式の風呂給湯装置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る風呂給湯装置の第1実施形態例におけるドレン排出関連制御構成を示すブロック図である。
【図2】前記第1実施形態例のシステム構成を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明に係る風呂給湯装置の第2実施形態例におけるドレン排出関連制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る風呂給湯装置の第2実施形態例のシステム構成を模式的に示す説明図である。
【図5】その他の実施形態例のシステム構成を模式的に示す説明図である。
【図6】さらにその他の実施形態例のシステム構成を模式的に示す説明図である。
【図7】従来の、潜熱回収用給湯熱交換器を備えた風呂給湯装置の一例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0081】
1 給湯バーナ
2 ドレン液量検出手段
4 メインの給湯熱交換器
5,10 燃焼ファン
6 潜熱回収用給湯熱交換器
7 追い焚きバーナ
12 追い焚き熱交換器
13 ドレンタンク
16 ドレン導出路
17 ドレン導出弁
18 バイパス電磁弁
22 バイパス通路
23 制御装置
30 浴槽
31 追い焚き循環路
35 電磁弁
36 送水手段
38 ドレン排出制御手段
39 ドレン希釈用注湯手段
45 給湯水ドレン側導入路
46 給水通路
47 給湯通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯バーナと、該給湯バーナの燃焼ガス中の顕熱を吸収するメインの給湯熱交換器と、該メインの給湯熱交換器よりも前記燃焼ガスの流れの下流側に配置されて排気潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器と、該潜熱回収用給湯熱交換器とメインの給湯熱交換器とを通って加熱された湯を給湯先に導く給湯通路とを有し、前記潜熱回収用給湯熱交換器で発生するドレンを回収するドレン回収手段と、該ドレン回収手段により回収したドレンを貯留するドレン貯留手段と、該ドレン貯留手段に貯留したドレンを浴槽側に導くドレン導出路と、前記ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上となったときに前記ドレンを前記ドレン導出路を介して浴槽に排出するドレン排出制御手段とを有し、前記給湯バーナを空気比が1.2〜1.3の全一次セラミックバーナにより形成して前記燃焼ガス中のホルムアルデヒドの発生を抑制し、前記ドレンに含まれるホルムアルデヒドを低減することを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項2】
給湯通路には、該給湯通路を通る湯水を浴槽に注湯する注湯路が接続されており、ドレン排出制御手段からドレン排出制御の情報を受けて、該ドレン排出制御手段による浴槽へのドレンの排出前と排出後と排出中の少なくとも一つのタイミングで、前記ドレンの量よりも多い予め定められた設定量の湯水を前記注湯路を介して浴槽に導くドレン希釈用注湯手段を有することを特徴とする請求項1記載の風呂給湯装置。
【請求項3】
給湯通路には、該給湯通路を通る湯水をドレン貯留手段に導く給湯水ドレン側導入路が接続されており、ドレン排出制御手段によるドレンの浴槽への排出後に、該ドレンの量よりも多い予め定められた設定量の湯水を前記給湯水ドレン側導入路を介してドレン貯留手段に導いて該ドレン貯留手段とドレン導出路とを通して浴槽に送水する送水手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の風呂給湯装置。
【請求項4】
送水手段は、給湯通路からドレン貯留手段に導く湯水の温度を予め定められた温度以上の殺菌用設定温度に加熱して前記ドレン貯留手段に導くことを特徴とする請求項3記載の風呂給湯装置。
【請求項5】
給湯通路には、該給湯通路を通る湯水を浴槽に注湯する注湯路が接続されており、ドレン排出制御手段はドレン貯留手段に貯留したドレンを前記注湯路の少なくとも一部と前記ドレン導出路とを介して浴槽に導くことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の風呂給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−228961(P2009−228961A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74022(P2008−74022)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】