説明

飛行物体のための低コストで高強度の電子モジュール

飛行物体に搭載して利用するために電子モジュールが提供される。一実施形態では、電子モジュールは、その中に空洞を有するハウジングと、空洞中に配置された第一のプリント回路基板(PCB)と、第一のPCBの上で空洞中に配置された第二のPCBと、サポート的相互接続構造を含む。サポート的相互接続構造は、実質的に環状の絶縁体と複数のビアを含む。実質的に環状の絶縁体は、第二のPCBをサポートして第二のPCBを第一のPCBから軸方向に離すように、第一のPCBと第二のPCBの間のハウジングの内側円周状部分の周りに伸びる。複数のビアは、実質的に環状の絶縁体を通して形成され、第一のPCBを第二のPCBに電気的に結合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]本出願は、2009年5月21日に出願された、米国非仮特許出願番号12/470,311の優先権を主張する。
本発明は、全体的に電子モジュールに関し、より特定には、飛行兵器のような飛行物体に搭載して配備されるための低コストで高強度の電子モジュールの実施形態に関する。
【背景技術】
【0002】
益々小さなサイズの飛行兵器は、精密誘導およびその他の機能性を提供するために電子モジュールが装備されている。飛行兵器に搭載されて配備された時、特に誘導弾丸のようなより小さな飛行兵器に搭載されて配備された時には、電子モジュールは比較的コンパクトで軽量であることが望ましい。また、例えば弾丸発射または弾丸スピンから結果として起こる外力に曝された時でさえ、電子モジュールが信頼性をもって動作することが望ましい。例えば、銃発砲された弾丸内に配備された電子モジュールは、発砲中と飛行中に、20,000gフォースまでを経験し得て、毎秒150回転に近づくかまたはそれを超える回転レートでスピンし得る。兵器配備された電子モジュールは一般に、変動する直径の連続した円筒状および円錐状セクションを含み得る兵器砲弾の独自の幾何学的形状を収容するように、スタック構成に配置された複数のプリント回路基板(PCB)(ここでは「PCBスタック」と呼ばれる)を含む。PCBを兵器の縦軸に沿って間隔を空けるのと、PCBスタック中のPCBのための構造的サポートを提供するのに、トレイ、スライド、ケージ等の多数のサポート構造が典型的には利用される。電気的相互接続は、典型的には、小型化されたコネクターまたはフレックスケーブルのような特製のコネクターを利用して、隣接するPCB間に形成される。
【0003】
比較的強健でコンパクトではあるが、上述したタイプのPCBスタックは或る面では制限されている。従来のPCBスタック中の隣接するPCBを離すのに利用されるサポート構造は、飛行兵器の全体的な重量とコストを増加し、兵器砲弾内の利用可能なスペースを削減する。更なる不利点として、PCBスタック中の隣接するPCBを相互接続するのに利用される特製のコネクターもまた、入手するのに比較的コストがかかる。より重要なことに、そのような特製のコネクターの設置は一般的に自動化された製造プロセスになじまず、従って少量または大量の作製中に相当な手作業コストを招く。もっと更なる不利点として、特製のコネクターは、弾丸またはその他の飛行兵器に搭載して配備されるために小型化されているPCBの利用可能な表面エリアの、望ましくない程大きな部分を占有する傾向がある。
【0004】
従って、比較的コンパクトで、強健で、信頼性があり、完全に自動化された製造プロセスになじむ、飛行兵器(例えば、弾丸)またはその他の飛行物体(例えば、衛星)に搭載して配備されるために好適な電子モジュールを提供することが望ましい。本発明のその他の望ましい特徴および特性は、同伴する図面とこの背景との関係で取られた時、以下の詳細な記載と添付の請求項から明らかとなるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飛行物体に搭載して利用するために電子モジュールが提供される。一実施形態では、電子モジュールは、その中に空洞を有するハウジングと、空洞中に配置された第一のプリント回路基板(PCB)と、第一のPCBの上で空洞中に配置された第二のPCBと、サポート的相互接続構造を含む。サポート的相互接続構造は、実質的に環状の絶縁体と複数のビアを含む。実質的に環状の絶縁体は、第二のPCBをサポートして第二のPCBを第一のPCBから軸方向に離すように、第一のPCBと第二のPCBの間のハウジングの内側円周状部分の周りに伸びる。複数のビアは、実質的に環状の絶縁体を通して形成され、第一のPCBを第二のPCBに電気的に結合している。
【0006】
本発明の少なくとも1つの例が、以下の図面との関係でこれ以降に記載され、そこでは同様の番号は同様の要素を表記する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、例示的飛行物体、即ち砲弾のノーズに螺旋留め可能に載置されるように適応された精密誘導キットの正面図である。
【図2】図2は、第一の例示的実施形態に従った、図1に示された精密誘導キット内に配備された電子モジュールの斜視図である。
【図3】図3は、第一の例示的実施形態に従った、図1に示された精密誘導キット内に配備された電子モジュールの分解図である。
【図4】図4は、図1に同定されたライン4−4に沿って取られた、図1に示された精密誘導キットと図2および3に示された電子モジュールの断面図である。
【図5】図5は、第二の例示的実施形態に従った、実質的に環状の絶縁体と、絶縁体の外側周縁表面を通して形成された複数の軸方向のビアを含んだサポート的相互接続構造の側面図である。
【図6】図6は、第二の例示的実施形態に従った、実質的に環状の絶縁体と、絶縁体の外側周縁表面を通して形成された複数の軸方向のビアを含んだサポート的相互接続構造の断面図である。
【図7】図7は、第三の例示的実施形態に従った、実質的に環状の絶縁体と、絶縁体の内側周縁表面を通して形成された複数の軸方向のビアを含んだサポート的相互接続構造の側面図である。
【図8】図8は、第三の例示的実施形態に従った、実質的に環状の絶縁体と、絶縁体の内側周縁表面を通して形成された複数の軸方向のビアを含んだサポート的相互接続構造の断面図である。
【図9】図9は、第四の例示的実施形態に従った、プリント回路基板と、中央ポストと複数の放射状スポークを有するサポート的相互接続構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な記載は、単に例示的な性質のものであって、発明または発明の応用と使用を限定することは意図されていない。しかも、先行する背景または以下の詳細な記載中に提示されたいかなる理論によっても制限されることは意図されていない。上方、下方、上、下のような用語がここに現れるが、それらの用語は便利さのためだけに利用され、例えば、電子モジュールを搬送している飛行物体(例えば、飛行兵器)が上向きに向いている時のコンポーネンツの相対的位置を表記するが、そのようなコンポーネンツは、飛行および格納中のように飛行物体が再位置付けされている時には、その他の相対的な空間的位置にあるであろうことは明確であるはずである。
【0009】
図1は、例示的精密誘導キット(“PGK”)10の正面図である。PGK10は、螺旋切りされた後尾部分14と、円筒状のハウジングセクション16と、円錐状のハウジングセクションまたはノーズ18を有する本体12を含む。スピンドル20(幻影で示された)が円筒形のハウジングセクション16内部に固定的に配置され、カラー22がスピンドル20の周りに回転可能に配置される。カラー22は、PGK10の縦軸(破線24で図1に表されている)の周りで本体12に対して回転するように適応されている。PGK10は更に、カラー22に載置されそれと共に回転する一対の先尾翼26を含む。先尾翼26は、通常は非配備位置にあり、PGK10の発砲の後に(図1に示された)配備位置に解放される。PGK10の動作中には、誘導の精密さを増加させるために先尾翼26の位置が慣性空間で全体的に固定される(一般に「ロール制御固定先尾翼配置」と呼ばれる)ように、カラー22と先尾翼26が本体12のそれとは反対の回転方向に回転する。螺旋切りされた後尾部分14は、従来の信管の代りにPGK10が砲弾またはその他の弾丸(図示せず)のノーズに螺旋留め可能に載置されることを許容する。信管機能を提供するのに加えて、PGK10はまた、搭載されたグローバルポジショニングシステム(GPS)ユニットから受け取った信号に従って、先尾翼26の位置を操作することによって飛行中の精密誘導機能を提供する。
【0010】
信管、精密誘導およびその他の機能性を提供するために、PGK10は更に、スタック構成に配置された複数のプリント回路基板(PCB)を含んだ電子モジュールを装備している。フレックスケーブルまたはその他の特製のコネクターを利用して隣接したPCBが電気的に接続される従来のPCBスタックとは対照的に、電子モジュールの実施形態は更に、隣接するPCBを、電気的に結合しPGK10の縦軸に沿って軸方向に離す、1つ以上のサポート的相互接続構造を含む。ここに記載されるサポート的相互接続構造はまた、PCBスタック中のPCBのロバストな構造的サポートを提供し、よって従来の兵器配備された電子モジュールで典型的に利用されたトレイ、スライド、ケージおよびその他のそのような構造的システムの必要を排除している。
【0011】
図2は、第一の例示的実施形態に従った、本体12(幻影で描かれた)の円筒状のハウジングセクション16および円錐状のハウジングセクション18内に設けられた空洞内に載置された電子モジュール28の斜視図であり、図3は、電子モジュール28の分解図である。描かれた例では、電子モジュール28は、4つのプリント回路基板30、32、34および36を含む。回路基板30、32、34および36は各々、全体的に円形のプラットフォーム形状を有し、多数の表面載置された電子デバイス38で占拠されている。電子モジュール28は更に、PCB30、32、34および36で軸方向に散在させられた3つのサポート的相互接続構造40、42および44を含む。より特定には、サポート的相互接続構造40がPCB30の下方表面とPCB32の上方表面の間に配置され、サポート的相互接続構造42がPCB32の下方表面とPCB34の上方表面の間に配置され、サポート的相互接続構造44がPCB34の下方表面とPCB36の上方表面の間に配置される。好ましい実施形態のグループでは、以下でより詳しく記載するように、サポート的相互接続構造40、42および44は、PCB30、32、34および36と直接接合する。
【0012】
図3に同定されるように、サポート的相互接続構造40、42および44は各々、実質的に環状の絶縁体46と複数のビア48を含む。各実質的に環状の絶縁体46は、それを通した中央開口部50(図3)を含み、それは電子モジュール28が組み立てられた(図2に示された)時に電子デバイス38を収容する。つまり、サポート的相互接続構造40、42および44の絶縁体46を通して設けられた中央開口部50は、それぞれPCB32、34および36上にある電子デバイス38を収容する。使用可能なスペースを最大化するために、各サポート的相互接続構造44の軸方向の高さは、好ましくはサポート的相互接続構造44の下のPCBを占拠している電子デバイス38の高さよりも僅かに大きい。例えば、図3を参照すると、サポート的相互接続構造42の軸方向の高さ、特定にはサポート的相互接続構造42の絶縁体46の軸方向の高さは、サポート的相互接続構造40および44の軸方向の高さよりも大きいことを見ることができる。この増加された軸方向の高さの結果として、サポート的相互接続構造42は、PCB32および36上に載置された電子デバイス38が持つよりも大きな軸方向の高さを有する、PCB34の上方表面上に載置された電子デバイス38を収容することが可能である。実質的に環状の絶縁体46は各々、Bakelite(登録商標)のような、様々な合成樹脂、セラミックスおよびプラスチックを含んだ種々の絶縁材料から形成(例えば、鋳造)されても良い。
【0013】
図2に示されるように、実質的に環状の絶縁体46は、本体12内に同心円状に配置され、本体12内に設けられた空洞の内側円周の周りに伸びる。より特定には、サポート的相互接続構造42および44の実質的に環状の絶縁体46は、円柱状のハウジングセクション16の内側円周状部分の周りに伸び、サポート的相互接続構造40の実質的に環状の絶縁体46は、円錐状のハウジングセクション18の内側円周状部分の周りに伸びる。サポート的相互接続構造42および44の実質的に環状の絶縁体46は各々、円柱状のハウジングセクション16内に設けられた空洞と適合する全体的に円柱状の形状を有する。比較すると、サポート的相互接続構造40の実質的に環状の絶縁体46は、円錐状のハウジングセクション18内に設けられた空洞と適合する全体的に円錐状の形状を有する。別の言い方をすると、サポート的相互接続構造40は、PCB32の外側直径と実質的に等しいより大きな外側直径を有する構造40の下方部分から、PCB30の外側直径と実質的に等しいより小さな外側直径を有する構造40の上方部分へ、放射状に内向きに先細りになっている。この例にも拘わらず、電子モジュールの代替的実施形態内に含まれる実質的に環状の絶縁体およびプリント回路基板は、その中に電子モジュールが配備される特定の空洞の独自のジオメトリーまたは形状と適合するように、多角形のジオメトリーを含んだ様々なその他のジオメトリーを取り得る。
【0014】
図1−3に描かれた例示的実施形態では、サポート的相互接続構造40の実質的に環状の絶縁体46は、(i)PCB30の下方表面の外側周縁部分および(ii)PCB32の上方表面の外側周縁部分、の周りに接触して伸びる。同様に、サポート的相互接続構造42の実質的に環状の絶縁体46は、(i)PCB32の下方表面の外側周縁部分および(ii)PCB34の上方表面の外側周縁部分、の周りに接触して伸びる。最後に、サポート的相互接続構造44の実質的に環状の絶縁体46は、(i)PCB34の下方表面の外側周縁部分および(ii)PCB36の上方表面の外側周縁部分、の周りに接触して伸びる。この構成の結果として、実質的に環状の絶縁体46は、弾丸の発射およびスピンにより相当な機械的ストレス要因を経験し得るPCB30、32および34にロバストな構造的サポートを提供する。サポート的相互接続構造40、42および44、特に構造40、42および44の実質的に環状の絶縁体46はまた、本体12の縦軸(破線24で図1に表されている)に沿って取られた時に、PCB30、32、34および36に間隔を空ける役目を果たす。サポート的相互接続構造40、42および44は、よって従来の兵器配備された電子モジュール中でPCBをサポートして離すために一般に利用された複雑で、嵩張り、コストのかかる構造的サポートシステム(例えば、トレイ、スライド、ケージ等)の必要を排除する。発射および飛行中にPCB30、32および34の内側部分が過度に凹むようになること(その発生は「オイル缶状になる」と一般に呼ばれる)の可能性を更に低減するために、各実質的に環状の絶縁体46の内部は、樹脂プラスチックまたはエポキシのような非導電性材料を利用して注型封入されても良い。
【0015】
ビア48は、電子モジュール28中の隣接するPCBを電気的に結合するように実質的に環状の絶縁体46を通して軸方向に伸びる。特に、サポート的相互接続構造40のビア48は、PCB30をPCB32に電気的に結合するように対応する実質的に環状の絶縁体46の上方表面からその下方表面まで伸び、サポート的相互接続構造42のビア48は、PCB32をPCB34に電気的に結合するように対応する実質的に環状の絶縁体46の上方表面からその下方表面まで伸び、サポート的相互接続構造44のビア48は、PCB34をPCB36に電気的に結合するように対応する実質的に環状の絶縁体46の上方表面からその下方表面まで伸びる。ビア48は、好ましくは各実質的に環状の絶縁体46の縦軸の周りに円周状に間隔を空けられているかまたは放射状に分散されている。ビア48とPCB30、32、34および36上に設けられた対応するコンタクトの間の電気的接続は、好ましくは、導電性フックアンドループ型のインターフェース、加圧溶接技術、またはフローソルダリング技術のような、自動化になじむ電気的インターフェースまたは接合技術を利用して形成される。
【0016】
有利なことに、そして特製のフレックスケーブルまたは小型化されたコネクターを利用して隣接するプリントワイヤリング基板が電気的に接続される従来の兵器配備された電子モジュールとは対照的に、ここに開示された電子モジュールの実施形態は、完全に自動化された製造プロセスになじむ。製造の自動化を容易にするために、サポート的相互接続構造とプリント回路基板は、好ましくは、クロッキングまたは回転向き付け特徴を備えている。例えば、図2および3に描かれた例示的実施形態を参照すると、予め決められた角度位置において、PCB30、32、34および36とサポート的相互接続構造40、42および44の外側円周状部分を通して3つの切欠きが形成されても良い。電子モジュール28が組み立てられた(図2)時に、切欠きは、3つの縦方向のキー溝52を規定するように、電子モジュール28の縦軸に沿って揃う。図1のライン4−4に沿って取られたPGK10と電子モジュール28の断面図である図4に示されるように、各縦方向のキー溝52は、PGK10が組み立てられた時に本体12から放射状に内向きに突き出している対応する縦方向のキー54を受け取る。このようにして、縦方向のキー溝52とキー54は協同して、PCB30、32、34および36とサポート的相互接続構造40、42および44がそれらの適切な回転位置にあることを確かなものとし(「クロッキング」)、よってピックアンドプレースロボットまたは同様のマシーンによる自動化された位置付けを容易にする。縦方向のキー溝52とキー54はまた、電子モジュール28の追加の構造的サポートを提供しても良い。
【0017】
前述したものはよって、プリント回路基板のスタックで軸方向に散在させられた複数のサポート的相互接続構造を含んだ電子モジュールの例示的実施形態を提供している。各サポート的相互接続構造は、実質的に環状の絶縁体と、PCBスタック中の隣接するPCBを電気的に結合するように絶縁体を通して軸方向に伸びる複数のビア、を含んでいた。上述した例では、ビアは、実質的に環状の絶縁体の中間の環状部分を通して設けられており、絶縁体の外側円周状側壁と内側円周状側壁のどちらを通しても露出されていなかったが、これは常にそうではなくても良い。図5および6はそれぞれ、第二の例示的実施形態に従った、サポート的相互接続構造60の側面図と断面図である。前にもそうであったように、サポート的相互接続構造60は、それを通して軸方向に伸びている複数のビア64を有する実質的に環状の絶縁体62を含む。但し、この特定の例では、ビア64は絶縁体62の外側環状部分を通して形成され、そこから放射状に外向きに伸びる。よって、図5および6に全体的に示されるように、軸方向のビア64は、絶縁体62の外側円周状側壁66を通して露出されている。更なる例として、図7および8はそれぞれ、第三の例示的実施形態に従った、サポート的相互接続構造70の側面図と断面図である。サポート的相互接続構造70は、それを通して形成された複数の軸方向のビア74を有する実質的に環状の絶縁体72を含む。この場合、軸方向のビア74は実質的に環状の絶縁体72の内側環状部分を通して形成され、絶縁体72を通して設けられた中央開口部76中に放射状に伸びる。軸方向のビア74はよって、絶縁体72の内側円周状側壁78を通して露出されている。
【0018】
電子モジュールの更なる実施形態では、サポート的相互接続構造は、相互接続構造の上にあるプリント回路基板に追加のサポートを提供するように、絶縁体から放射状に内向きに伸びる1つ以上の構造的特徴を含んでいても良い。そのような構造的特徴は、ウェブ状の格子、相互接続構造の下にあるPCBのコンポーネントスカイラインを収容するようにその中に凹みを有する固体ディスク、1つ以上の放射状スポーク、1つ以上の軸方向のポスト等、を含んでいても良い。この点を更に強調するために、図9は、第四の例示的実施形態に従った、プリント回路基板(PCB)80と、サポート的相互接続構造82の斜視図である。多くの面で、サポート的相互接続構造82は、図1−4との関係で上述された電子モジュール28のサポート的相互接続構造と同様である。例えば、サポート的相互接続構造82は、実質的に環状の絶縁体84と、PCB80をサポート的相互接続構造82の上にある第二のプリント回路基板(図示せず)に電気的に結合するように絶縁体84を通して軸方向に伸びる複数のビア86、を含む。前にもそうであったように、PCB80の上方表面を占拠している多数の電子デバイス90を収容するように、実質的に環状の絶縁体84を通して中央開口部88が設けられている。但し、上述した電子モジュール(図1−4)のサポート的相互接続構造とは対照的に、サポート的相互接続構造82は更に、複数の放射状スポーク92と中央軸方向ポスト94を含む。放射状スポーク92は、中央軸方向ポスト94と出会うように、実質的に環状の絶縁体84から中央開口部88中に放射状に内向きに伸びる。中央軸方向ポスト94は、PCB80の上方表面に接触するようにスポーク92から下向きに伸びる。このようにして、中央軸方向ポスト94と放射状スポーク92は協同して、サポート的相互接続構造82の上にある、描かれていないプリント回路基板に追加の構造的サポートを提供する。例えば、中央軸方向ポスト94と、より少ない程度で放射状スポーク92は、弾丸発射および飛行中に上方のプリント回路基板(図示せず)の内側部分が過度に凹むようになることを防止することを更に助ける。加えて、図9で96において示されるように、隣接するPCBの間に追加のコンタクトポイントを提供するように、中央軸方向ポスト94を通して1つ以上のビアが設けられても良い。
【0019】
よって、比較的コンパクトで、強健で、信頼性があり、完全に自動化された製造プロセスになじむ、好適な電子モジュールの少なくとも1つの例示的実施形態が提供された。前述したものは、砲弾またはその他の弾丸に螺旋留め可能に載置されるように適応された特定のタイプのコンポーネント(即ち、精密誘導キット)の文脈で例示的電子モジュールを記載したが、電子モジュールの実施形態は、その他のタイプの飛行兵器(例えば、ミサイルおよび無人飛行機)、飛行サブ兵器、飛行兵器に載置されるように適応されたモジュラーコンポーネント(例えば、信管キット)、衛星、陸上または水上用ロボット車両、および或る種の航空機を含んだ、幅広い種類の飛行物体内での配備のためにも有用であることが強調される。但し、電子モジュールの実施形態は、コンパクトであり、相当な機械的ストレス要因に耐えることが可能であり、従って砲弾やその他の弾丸のような、より小さなサイズの飛行兵器に搭載して利用するために特に良く適していることを注記しておく。
【0020】
少なくとも1つの例示的実施形態が前述した詳細な記載中に提示されたが、膨大な数の変形が存在することが理解されるべきである。また、例示的実施形態または複数の例示的実施形態は単なる例であって、いかなるやり方でも発明の範囲、適用可能性または構成を限定することは意図されていないことも理解されるべきである。むしろ、前述した詳細な記載は、発明の例示的実施形態を実装するための便利なロードマップを当業者に提供する。添付の請求項に述べられた通りの発明の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態中に記載された要素の機能および配置に様々な変更がなされても良いことが理解されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行物体に搭載して利用するための電子モジュールであって、
その中に空洞を有するハウジングと、
空洞中に配置された第一のプリント回路基板(PCB)と、
第一のPCBの上で空洞中に配置された第二のPCBと、
サポート的相互接続構造であって、
第二のPCBをサポートして第二のPCBを第一のPCBから軸方向に離すように、第一のPCBと第二のPCBの間のハウジングの内側円周状部分の周りに伸びている実質的に環状の絶縁体と、
実質的に環状の絶縁体を通して形成され、第一のPCBを第二のPCBに電気的に結合している複数のビアと、を含むサポート的相互接続構造と、
を含む電子モジュール。
【請求項2】
実質的に環状の絶縁体は、第一のPCBの上方表面の外側周縁部の周りに接触して伸びる、請求項1による電子モジュール。
【請求項3】
実質的に環状の絶縁体は、第二のPCBの下方表面の外側周縁部の周りに接触して伸びる、請求項2による電子モジュール。
【請求項4】
サポート的相互接続構造は、第一のPCBおよび第二のPCBと直接接合する、請求項3による電子モジュール。
【請求項5】
複数のビアは、実質的に環状の絶縁体の縦軸の周りに放射状に間隔を空けられている、請求項1による電子モジュール。
【請求項6】
第一のPCBと第二のPCBの各々は、空洞と全体的に適合する実質的に円形の形状を有する、請求項1による電子モジュール。
【請求項7】
サポート的相互接続構造は、空洞と全体的に適合する実質的に円筒状の形状を有する、請求項6による電子モジュール。
【請求項8】
第二のPCBの外側直径が第一のPCBの外側直径よりも小さく、サポート的相互接続構造は、サポート的相互接続構造の下方部分からサポート的相互接続構造の上方部分へ放射状に内向きに先細りになっている、請求項6による電子モジュール。
【請求項9】
サポート的相互接続構造の下方部分は第一のPCBのものと実質的に等しい外側直径を有し、サポート的相互接続構造の上方部分は第二のPCBのものと実質的に等しい外側直径を有する、請求項8による電子モジュール。
【請求項10】
第一のPCBは複数の電子デバイスを更に含み、サポート的相互接続構造は、複数の電子デバイスを収容している実質的に環状の絶縁体を通した中央開口部を更に含む、請求項1による電子モジュール。
【請求項11】
サポート的相互接続構造は、実質的に環状の絶縁体から中央開口部中に放射状に突き出して第二のPCBをサポートしている放射状スポークを更に含む、請求項10による電子モジュール。
【請求項12】
実質的に環状の絶縁体は、それを通して複数のビアが露出される内側円周状側壁を含む、請求項1による電子モジュール。
【請求項13】
実質的に環状の絶縁体は、それを通して複数のビアが露出される外側円周状側壁を含む、請求項1による電子モジュール。
【請求項14】
回転向き付け特徴は、
ハウジングの内側表面から放射状に内向きに突き出している縦方向のキーと、
第一のPCB、第二のPCBおよびサポート的相互接続構造の少なくとも1つを通して形成された縦方向のキー溝であって、その中に縦方向のキーを受け取る縦方向のキー溝と、
を含む、請求項1による電子モジュール。
【請求項15】
縦方向のキー溝は、第一のPCB、第二のPCBおよび実質的に環状の絶縁体の各々を通して形成されている、請求項14による電子モジュール。
【請求項16】
飛行物体は飛行弾丸からなり、ハウジングの後尾部分は、ハウジングが飛行弾丸に螺旋留め可能に載置されることを許容するように螺旋切りされている、請求項1による電子モジュール。
【請求項17】
飛行物体に搭載して利用するための電子モジュールであって、
その中に空洞を有するハウジングと、
スタック構成で空洞中に配置された複数のプリント回路基板(PCB)と、
複数のPCBで軸方向に散在させられた複数のサポート的相互接続構造であって、複数のサポート的相互接続構造中の各サポート的相互接続構造は、
ハウジング内に配置され空洞と全体的に適合する実質的に環状の絶縁体であって、構造的サポートと軸方向間隔を提供するように複数のPCB中の隣接するPCBの間に伸びている実質的に環状の絶縁体と、
複数のPCB中の隣接するPCBを電気的に結合するように、実質的に環状の絶縁体を通して軸方向に伸びている複数のビアと、を含むサポート的相互接続構造と、
を含む電子モジュール。
【請求項18】
複数のサポート的相互接続構造は実質的に同軸状である、請求項17による電子モジュール。
【請求項19】
飛行物体に搭載して利用するための電子モジュールであって、
その中に全体的に円錐状の空洞を有する円錐状のハウジングセクションと、
円錐状の空洞内に配置された第一のプリント回路基板(PCB)と、
円錐状の空洞内に配置され、第一のPCBの上にある第二のPCBと、
第一のサポート的相互接続構造であって、
第二のPCBをサポートして第二のPCBを第一のPCBから軸方向に離すように、第一のPCBと第二のPCBの間の円錐状のハウジングセクションの内側円周状部分の周りに伸びている実質的に環状の絶縁体と、
実質的に環状の絶縁体を通して形成され、第一のPCBを第二のPCBに電気的に結合している複数のビアと、を含む第一のサポート的相互接続構造と、
を含み、第一のサポート的相互接続構造が円錐状の空洞と実質的に適合する全体的に円錐状の形状を有する、電子モジュール。
【請求項20】
円錐状のハウジングセクションに固定的に結合され、その中に全体的に円筒状の空洞を有する円筒状のハウジングセクションと、
第一のPCBの下で円筒状の空洞内に配置された第三のPCBと、
第二のサポート的相互接続構造であって、
第一のPCBをサポートして第一のPCBを第三のPCBから軸方向に離すように、第一のPCBと第三のPCBの間の円筒状のハウジングセクションの内側円周状部分の周りに伸びている実質的に環状の絶縁体と、
実質的に環状の絶縁体を通して形成され、第一のPCBを第三のPCBに電気的に結合している複数のビアと、を含む第二のサポート的相互接続構造と、
を更に含み、第二のサポート的相互接続構造が円筒状の空洞と実質的に適合する全体的に円筒状の形状を有する、請求項19による電子モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−527771(P2012−527771A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511888(P2012−511888)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/034383
【国際公開番号】WO2011/014287
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(507032166)レイセオン カンパニー (12)
【氏名又は名称原語表記】RAYTHEON COMPANY
【Fターム(参考)】