説明

食品加工方法とそれに用いられる容器および蓋体

【課題】 蒸煮中は、食材が収容された容器内へ蒸気供給しつつも、上の棚や上の容器から凝縮水が容器内の食材へ落下するのを防止する。真空冷却中は、食材が収容された容器からの真空引きを可能としつつも、ふきこぼれによる容器外への食材の飛散を防止する。
【解決手段】 一部または全部が透湿防水性素材24で形成された容器2に液物食材1を入れる工程、この容器2に入れられた食材1を、蒸煮機にて蒸煮または真空冷却機3にて真空冷却する工程を含む食品加工方法である。前記容器2は、上方にのみ開口した容器本体22と、その上部開口に着脱可能に設けられる蓋体23とからなり、容器本体22またはその蓋体23の一方または双方が透湿防水性素材24で形成された蓋付き容器2である。あるいは、前記容器は、一部または全部が透湿防水性素材24で形成された袋状容器26としてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品(食材を含む)の蒸煮調理、真空冷却、真空含浸、または保管や運搬時などにおいて、食品の飛散やこぼれ、食品への凝縮水や埃などの混入を防止するための容器または蓋体と、そのような容器や蓋体を用いた食品加工方法に関するものである。特に、食品の蒸煮方法、真空冷却方法、真空含浸方法、または蒸煮冷却方法と、それに用いられる容器および蓋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されるように、食材が入れられたメッシュ状のバスケットを蒸煮釜内に収容し、この蒸煮釜内へ蒸気を供給することで、食材を蒸し煮(蒸煮)して調理できる蒸煮機が知られている。また、下記特許文献2に開示されるように、加熱調理後の食品が収容された処理槽内を減圧して、食品中の水分を気化し、その気化熱で食品を冷却する真空冷却機が知られている。このような蒸煮機や真空冷却機においては、食材または食品は、通常、ホテルパンなどのように上方へのみ開口した有底容器に入れられて、前記処理槽内に収容される。
【特許文献1】特許第2781373号公報
【特許文献2】特開平9−296975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の蒸煮もしくは真空冷却、または蒸煮後に真空冷却を行う蒸煮冷却においては、ステンレスなどから形成される有底容器が使用され、容器は通気性を備えていなかった。また、容器は、上方への開口部を開いたまま使用されていた。このようなことから、それぞれの工程において、次に述べるような問題点があった。
【0004】
第一に、蒸煮工程においては、上の棚板や上の容器の外面などに生じた凝縮水が、容器内の食品に落下するおそれがあった。これを防止するために、容器の上部開口に蓋をして容器を密閉したのでは、蒸気による食品への直接的な加熱ができず、容器を介してのみ食品は加熱されることになり、食品の加熱が進み難いものであった。
【0005】
第二に、真空冷却工程においては、食品の突沸やふきこぼれで、食品が飛散するおそれがあり、衛生面や歩留りにおいて問題点あった。これを防止するために、容器の上部開口に蓋をして容器を密閉したのでは、容器を介した蒸気抜きや真空引きができない(容器内を減圧できない)ので、食品が冷え難いものであった。また、食品の飛散を防止するために、冷却速度を遅くして真空冷却を図ることも行われているが、冷却時間が長くなる問題点があった。ところで、減圧下において食品へ液体成分を含浸させようとする場合にも、前記液体成分が突沸などを起こすおそれがあり、前記真空冷却工程と同様の問題点があった。
【0006】
第三に、たとえば、蒸煮機から真空冷却機への運搬時や、真空冷却後の保管時において、容器の上部が開口されているのでは、埃や異物などが混入し、また運搬中には中身をこぼすおそれもあった。
【0007】
以上の三点に関し、衛生面や歩留りにおいて問題点があった。
【0008】
この発明が解決しようとする課題は、蒸煮、真空冷却、真空含浸、または蒸煮冷却を、衛生的で歩留りよく行うと共に、加熱時間または冷却時間の短縮を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、食品を入れる容器として、一部または全部が透湿防水性素材で形成された容器を用いることを特徴とする食品加工方法である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行う食品加工方法において、食品を入れる容器として、一部または全部が透湿防水性素材で形成された容器を用いることを特徴とする食品加工方法である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、一部または全部が透湿防水性素材で形成された前記容器に食品を入れて、前記容器の内外の水密性を確保する工程、前記容器に入れられた食品を処理槽に入れ、この処理槽内へ蒸気供給して、前記容器に入れられた食品を加熱調理する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の食品加工方法である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、一部または全部が透湿防水性素材で形成された前記容器に食品を入れて、前記容器の内外の水密性を確保する工程、前記容器に入れられた食品を処理槽に入れ、この処理槽内の空気を外部へ吸引排出して、前記容器に入れられた食品を真空冷却または真空含浸する工程を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の食品加工方法である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、一部または全部が透湿防水性素材で形成された容器に温かい食品を入れる工程、前記容器に入れられた温かい食品を真空冷却機にて真空冷却する工程を含むことを特徴とする食品加工方法である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記容器が、容器本体またはその蓋体の一方または双方が透湿防水性素材で形成された蓋付き容器であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品加工方法である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記容器が袋状の容器であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品加工方法である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、食品を入れて蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器であって、容器の一部または全部が透湿防水性素材で形成されていることを特徴とする食品の蒸煮,真空冷却または真空含浸に用いられる容器である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、食品を入れて蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器であって、容器本体またはその蓋体の一方または双方は、その一部または全部が透湿防水性素材で形成された蓋付き容器であることを特徴とする食品の蒸煮,真空冷却または真空含浸に用いられる容器である。
【0018】
請求項10に記載の発明は、食品を入れて蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器であって、一部または全部が透湿防水性素材で形成された袋状の容器であることを特徴とする食品の蒸煮,真空冷却または真空含浸に用いられる容器である。
【0019】
請求項11に記載の発明は、食品を入れて真空冷却機にて真空冷却するのに用いられることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の容器である。
【0020】
請求項12に記載の発明は、食品を入れて蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器の蓋体であって、一部または全部が透湿防水性素材で形成されていることを特徴とする食品の蒸煮,真空冷却または真空含浸に用いられる容器の蓋体である。
【0021】
請求項13に記載の発明は、食品を入れて真空冷却機にて真空冷却するのに用いられることを特徴とする請求項12に記載の蓋体である。
【0022】
請求項14に記載の発明は、食品を蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器の蓋体であって、透湿防水性素材で形成され、食品が入れられる前記容器の上部開口を覆うよう設けられるシートと、前記容器の上端部との間に前記シートを挟み込んで設けられ、前記透湿防水性素材が露出する開口部を有する押え枠と、この押え枠を前記容器に着脱可能に固定する保持手段とを備えることを特徴とする請求項12に記載の蓋体である。
【0023】
さらに、請求項15に記載の発明は、前記容器には、液状物を含んだ食品が収容されて使用されることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の容器、または請求項12〜14のいずれか1項に記載の蓋体である。
【0024】
請求項1から請求項15までのいずれかに記載の各発明によれば、少なくとも一部が透湿防水性素材で形成された蓋付き容器や袋状容器などの各種容器を用いることで、容器内の食品の蒸煮や真空冷却または真空含浸を効率よく行うことができる。
【0025】
また、少なくとも一部に透湿防水性素材を用いた蓋付き容器や袋状容器またはシートなどを用いて、容器内の食品を密閉することで、次のような作用効果も奏する。具体的には、蒸煮中に、上の棚板や上の容器の外面などに生じた凝縮水が、容器内の食品に混入するおそれがない。また、真空冷却中または真空含浸中には、食品の突沸やふきこぼれによっても、食品が飛散するおそれがない。さらに、保管時には、埃や異物などの混入防止と、運搬中には、それに加えて、中身をこぼすおそれもない。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、蒸煮、真空冷却、真空含浸、または蒸煮冷却を、衛生的で歩留りよく行うと共に、加熱時間または冷却時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
本発明の食品加工方法は、容器に入れた食品(食材を含む)を、蒸煮機にて蒸煮(加熱調理)、真空冷却機にて真空冷却、真空含浸機にて真空含浸、または、蒸煮冷却機にて蒸煮後に真空冷却する方法である。さらに、そのような食品加工方法に用いられる容器および蓋体である。加熱または冷却などする食品は、特に問わないが、特に真空冷却や真空含浸の場合には、液物食品(液物食材を含む)が適する。具体的には、たとえばカレー、ラーメン、煮物などの液物食品の蒸煮と、その蒸煮後の真空冷却に好適である。ここで、食品加工方法は、食品処理方法と称することができる。
【0028】
前記容器は、一部または全部が透湿防水性素材で形成される。透湿防水性素材とは、気体(蒸気)は通すが液体(水)は通さない性質を有した素材をいう。このような透湿防水性素材には、非常に微小な小穴を多数有する素材、またはそのような微多孔質フィルムを生地に貼り合せた素材を用いることができる。あるいは、無孔質で水滴は通さないが水蒸気の移動を可能とした素材、または高密度織物に強力な撥水処理を施すなどしたコーティングタイプの素材を用いることもできる。このような透湿防水性素材として、好適にはゴアテックス(登録商標)が用いられるが、これに限定されるものではない。たとえば、目の異なる複数枚を重合して一枚状に形成した不織布を用いることもできる。
【0029】
前記容器の形状は、特に問わないが、典型的には、蓋付き容器または袋状容器とされる。本実施形態の蓋付き容器は、上方にのみ開口した箱形状の容器本体と、この容器本体の上部開口に着脱可能に設けられる蓋体とからなる。そして、前記容器本体またはその蓋体のいずれか一方または双方が、前記透湿防水性素材で形成される。蓋体のみを透湿防水性素材で形成する場合、容器本体は既存の各種のものを使用し、その上部開口をシート状または板状の蓋体で塞ぐようにしてもよい。たとえば、市販のホテルパンまたは調理鍋などを用い、その上部開口を透湿防水性シートで閉じる構成とできる。
【0030】
ここで、ホテルパンは、周知のとおり、略矩形状の有底箱状とされ、上端部には水平に外方へ僅かに延出してツバ部が一体形成されている。一般的に、ホテルパンは、ステンレス製であり、大きさが規格化されている。但し、場合により他の金属または合成樹脂などで形成した任意の形状および大きさのものを使用できる。たとえば、容器本体として、有底円筒状の調理鍋を用いることができる。
【0031】
また、蓋体を透湿防水性素材にて形成する場合、蓋体の全部を透湿防水性素材にて形成してもよいし、蓋体の一部のみを透湿防水性素材にて形成してもよい。一例として、前記蓋体は、前記容器本体への装着部となる外周部がプラスチックや金属などで形成され、中央部が透湿防水性素材にて形成される。また、全体が透湿防水性素材で形成された柔軟なシートを用い、この透湿防水性シートにて容器本体の上部開口を閉じてもよい。一方、袋状容器の場合も、典型的には袋全体が透湿防水性素材にて形成されるが、一部のみ透湿防水性素材で形成してもよい。
【0032】
透湿防水性シートを用いる場合についてさらに説明すると、容器本体には、食品が収容された後、上部開口に透湿防水性シートが張られた状態で設けられ、上部開口が完全に閉塞される。これにより、容器本体の内外の水密性が確保され、液体および固体は通過できないが、気体のみは通過可能となる。通常、容器本体の上部開口は、一枚の透湿防水性シートにより覆われる。それ故、透湿防水性シートは、容器本体の上部開口よりも大きく形成されており、典型的には前記ツバ部の外形程度か、それよりもやや大きく形成される。
【0033】
容器本体への透湿防水性シートの取付けは、押え枠を介して行うのが好ましい。本実施形態の押え枠は、容器本体の上部開口程度の大きさであり、その外周部が容器本体の上端部(ツバ部)との間に透湿防水性シートの外端部を挟み込んで設けられる。この際、押え枠の外周部に設けた装着部を、容器本体の上端部(ツバ部)に重ね合わせて、はめ込むのが好ましい。
【0034】
押え枠には、適宜の開口部が貫通して形成される。たとえば、ホテルパンからなる容器本体の場合、押え枠は、略矩形枠状の前記装着部を有し、その装着部の中央の略矩形状の穴が開口部とされる。押え枠には、前記開口部を横断して、適宜の仕切り片を設けてもよい。たとえば、開口部の中央部の一箇所、または略矩形状の開口部を三等分する二箇所に、それぞれ水平板状の仕切り片を設けることができる。いずれにしても、押え枠にて容器本体の上部開口を透湿防水性シートで閉塞した状態では、押え枠の開口部から透湿防水性素材が露出して配置される。
【0035】
容器本体への透湿防水性シートの保持を確実になすために、押え枠を容器本体に着脱可能に固定する保持手段を設けるのが望ましい。この保持手段としては、各種の構成が採用できるが、締結具としてのパチン錠が好ましい。このパチン錠は、周知のとおりの構成である。念のため説明すると、パチン錠は、本体部と係止部とからなる。そして、本体部は、ピンまわりに回動可能なフックとレバーとを備え、そのフックを係止部に引っ掛けた状態で、レバーをピンまわりに押し下げることで、係止部と係合することができる。一方、レバーをピンまわりに押し上げることで、係止部との係合を解除することができる。このようなパチン錠の本体部と係止部とを、容器本体と蓋体に分けて設ける。その際、押え枠にパチン錠の本体部を設ける場合、容器本体に設ける係止部として、容器本体のツバ部を利用することもできる。ところで、所望箇所で屈曲された金属製帯状材(ベルト)の両端部に、パチン錠の本体部と係止部とを設け、シートを介して押え枠が設けられた容器本体に巻き付けて、両端部を連結することで容器本体に透湿防水性シートおよび押え枠を保持してもよい。
【0036】
前記各構成の容器は、上述したように、液物食品の蒸煮や、温かい液物食品の真空冷却などに好適に使用される。すなわち、蓋付き容器の場合は、容器本体に液物食品が入れられた後、蓋体が被せられる。この際、蓋体は、容器本体に対し単に載せるだけでもよいし、容器本体の上部開口の外周部に装着してもよい。一方、袋状容器の場合は、その開口部から液物食品が入れられた後、封がなされて密閉される。いずれの場合も、前記容器は、防水性を備えているので、液物食品が入れられても、破れたりするおそれはない。また、通常、容器内外の水密性を確保して、透湿防水性素材の箇所から蒸気や空気のみが出入り可能に、容器内に食品が収容される。
【0037】
このようにして、内部に液物食品が入れられた容器は、公知の蒸煮機、真空冷却機、真空含浸機、または蒸煮冷却機の処理槽に収容されて、蒸煮、真空冷却、真空含浸、または蒸煮冷却される。すなわち、処理槽内へ蒸気を供給して、処理槽内の液物食品を蒸煮する。また、処理槽内を減圧することで、液物食品を真空冷却した後、処理槽内を復圧して真空冷却工程を終了する。あるいは、液体に浸漬した食品を処理槽内に収容し、処理槽内を減圧することで、食品への液体成分の含浸を図る。
【0038】
前記容器は少なくとも一部が透湿防水性素材にて形成されることで透湿性を備えている。従って、蒸煮中には、蒸気は容器内へ進入可能であるから、容器を密閉した場合と比較して液物食品の蒸煮は効果的になされる。また、真空冷却中や真空含浸中には、容器内の空気を容器外へ排出して容器内を減圧できると共に、液物食品から出る蒸気も容器外へ導出することができる。その一方、防水性は備えているので、蒸煮中には、上の棚や上の容器などからの凝縮水が液物食品内に落下することが防止される。また、真空冷却中や真空含浸中には、液物食品が沸騰を起こしても、容器外へふきこぼれたりして飛散するおそれはない。
【0039】
さらに、少なくとも一部に透湿防水性素材を用いて食品を密閉することで、真空冷却後などの食品の保管時に、食品内に埃や異物などが混入されるのが防止される。また、蒸煮機から真空冷却機への運搬時などには、食品への埃や異物などの混入が防止されるだけでなく、中身をこぼしてしまうおそれもない。
【0040】
このようにして、衛生的で歩留りよく、蒸煮、真空冷却、真空含浸、蒸煮冷却、保管、または運搬することができる。しかも、蒸煮から真空冷却、およびその後の保管まで、一旦容器に食品を収容すれば、その状態のまま取り扱うことができる。また、真空冷却の場合、冷却スピードを敢えて遅くする必要もないので、処理能力を向上させることができる。
【実施例1】
【0041】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の食品加工方法の実施例1の使用状態を示す概略構成図であり、一部を断面にして示している。図示例では、真空冷却方法に適用した例を示している。本実施例の食品の真空冷却方法は、カレー、ラーメン、煮物などの液物食材1を加熱調理後に真空冷却するのに好適に使用される。このような液物食材1の冷却は、温かい液物食材1を蓋付き容器2に入れる工程、この蓋付き容器2に入れられた温かい液物食材1を真空冷却機3にて真空冷却する工程を含んでなされる。
【0042】
図1に示すように、真空冷却機3は、開閉可能な扉4を有するボックス状の処理槽5を備える。処理槽5は、扉4が閉じられることで密閉可能とされ、処理槽5内は、被冷却物としての液物食材1の冷却空間6として機能する。
【0043】
本実施例の処理槽5には、液物食材1が入れられた蓋付き容器2が、ワゴン7を介して出し入れ可能とされる。本実施例のワゴン7は、底板8から立設された縦フレーム9,9に、複数の棚板10,10…が水平に保持されて構成される。また、底板8の下面四隅には、キャスター11,11…が設けられており、ワゴン7の移動が可能とされている。ところで、ワゴン7を介して蓋付き容器2を出し入れする代わりに、処理槽5内に設けた棚板(不図示)に、直接に蓋付き容器2を置くようにしてもよい。また、処理槽5内には、蓋付き容器2内の液物食材1の温度を計測する温度センサ(不図示)を設けてもよい。
【0044】
処理槽5には、減圧手段12と復圧手段13が接続されている。具体的には、図示例では処理槽5の上部中央に設けられた管路14を介して、減圧手段12と復圧手段13が処理槽5に接続される。本実施例では、減圧手段12の減圧ライン15と復圧手段13の復圧ライン16は、処理槽5側の末端部において共通の管路14とされる。
【0045】
減圧手段12は、真空ユニット17を備え、この真空ユニット17は減圧ライン15を介して処理槽5と接続される。真空ユニット17は、典型的には、真空ポンプ(不図示)を備えて構成される。減圧ライン15の中途には、真空ユニット17と冷却空間6との連通の有無を切り替える第一弁18が設けられている。減圧ライン15は、前記第一弁18より真空ユニット17側が、真空ユニット17にて常に所定の減圧下に維持されている。従って、処理槽5の扉4を閉じた状態で第一弁18を開けば、処理槽5内の密閉された冷却空間6を所定圧力下に減圧することができる。
【0046】
一方、前記復圧手段13は、減圧された前記冷却空間6内へ外気を導入して、真空状態を解除し復圧する手段である。具体的には、外気は、フィルター19を介して取り込まれ、復圧ライン16を介して冷却空間6内へ供給可能とされている。復圧ライン16の中途には、外気と冷却空間6との連通の有無を切り替える第二弁20が設けられている。従って、第二弁20を閉じて第一弁18を開いて、冷却空間6内を減圧手段12にて減圧した後、第一弁18を閉じて第二弁20を開ければ、冷却空間6内の真空状態を解除して大気圧下に戻すことができる。
【0047】
また、本実施例の復圧ライン16には、前記第二弁20より末端側(冷却空間6側)に、圧力センサ(不図示)が設けられている。従って、この圧力センサにより、冷却空間6内の圧力を検出することができる。
【0048】
さらに、本実施例の真空冷却機3には、減圧手段12や復圧手段13などを制御する制御器(制御手段)21が備えられている。本実施例では、真空ユニット17、前記温度センサ(不図示)、前記圧力センサ(不図示)、第一弁18、第二弁20は、制御器21に接続されており、その制御器21にて各種制御が可能とされる。具体的には、制御器21は、温度センサ(不図示)からの検出信号に基づいて、真空ユニット17による冷却空間6の減圧時間を調整(つまり第一弁18を開く時間を調整)したり、圧力センサ(不図示)からの検出信号に基づいて、第二弁20による冷却空間6の復圧完了を確認したりする。このように、制御器21は、所定のプログラムに従い、第一弁18や第二弁20の開閉を制御したり、真空ユニット17を制御したりする。
【0049】
このような構成の真空冷却機3にて冷却される液物食材1は、蓋付き容器2に入れられて前記ワゴン7を介して処理槽5内に収容される。本実施例の蓋付き容器2は、上方にのみ開口したボックス状の容器本体22と、この容器本体22の上部に着脱可能に蓋をする蓋体23とからなる。この際、蓋体23は、容器本体22の上部開口全体を覆うようになされる。
【0050】
このような蓋付き容器2は、一部または全部が透湿防水性素材24にて形成される。本実施例の蓋付き容器2は、容器本体22は、全体がプラスチックまたはステンレスなどで形成されており、蓋体23は、その一部または全体が透湿防水性素材24にて形成されている。具体的には、図示例の蓋体23は、中央部に大きな開口が形成されており、その外周部を構成する枠体25はプラスチックまたはステンレスなどにより形成されている。そして、前記枠体25の中央の開口部には、透湿防水性素材24で塞がれている。
【0051】
前記透湿防水性素材24としては、蒸気は通すが水は通さない性質を有する各種素材が使用される。本実施例では、透湿防水性素材24として、ゴアテックス(登録商標)が用いられる。
【0052】
液物食材1は、蓋付き容器2に入れられた後、ワゴン7を介して処理槽5内に収容され、真空冷却が図られる。具体的には、まず、第一弁18および第二弁20が閉められた状態で、処理槽5内へワゴン7を搬入した後、処理槽5の扉4を閉じて処理槽5内を密閉する。このような搬入工程後、真空冷却工程がなされる。この真空冷却工程では、第一弁18を所定時間だけ開くことで、冷却空間6内を減圧して、蓋付き容器2内の液物食材1の真空冷却が図られる。前記所定時間は、冷却空間6内へ搬入される液物食材1の温度により調整してもよい。この温度は、上述した温度センサ(不図示)により検出される。また、前記所定時間は、冷却空間6内に収容される蓋付き容器2や液物食材1の量に応じて調整してもよい。
【0053】
図2は、本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例1を示す図であり、前記蓋付き容器2による液物食材1の真空冷却状態を示す断面図である。この図に示すように、真空冷却時に液物食材1から生ずる蒸気は、蓋体23に設けた透湿防水性素材24から、容器外へ導出される。その一方、液物食材1が沸騰しても、液物食材1の容器外への飛散やふきこぼれは、蓋体23によって確実に防止される。従って、衛生的で歩留りよく真空冷却することができる。また、冷却スピードを敢えて遅くする必要もないので、処理能力を向上させることができる。
【0054】
真空冷却工程後には、第一弁18を閉じる一方、第二弁20を開いて、冷却空間6内を大気圧まで復圧する復圧工程が行われる。この復圧工程により冷却空間6内が大気圧まで戻されたか否かは、前記圧力センサ(不図示)により把握される。復圧工程終了後には、処理槽5の扉4を開いて、ワゴン7ひいては蓋付き容器2を取り出す搬出工程が行われる。
【0055】
本実施例1の蓋付き容器2は、食材1の真空冷却だけでなく、食材1の蒸煮またはその後さらに冷却を行う蒸煮冷却、あるいは食材1の真空含浸にも用いることができる。図19は、本実施例1の蓋付き容器2による液物食材1の蒸煮状態または蒸煮冷却状態を示す概略構成図であり、一部を断面にして示している。この図に示すように、蒸煮または蒸煮冷却の場合も、容器本体22に液物食材1を入れ、その上部開口を蓋体23で閉じて使用する。この蓋体23には、上述したように、透湿防水性素材24が使用されている。液物食材1が入れられた容器2は、図19に示す蒸煮機60または蒸煮冷却機70の処理槽へ入れられる。図19において、図1の真空冷却機3と同じ構成は、同じ符号を付している。蒸煮機60または蒸煮冷却機70は、密閉可能な処理槽5に、減圧手段12、復圧手段13、給蒸手段61、排出手段62、およびこれら各手段を制御する制御手段としての制御器21を備える。つまり、前記真空冷却機3に、さらに給蒸手段61および排出手段62を付加したものに相当する。蒸煮機60は、蒸煮冷却機70から真空冷却機能を除いた機能を有する食品機械である。前記真空冷却機3は、食材1を含浸させたい液体に浸漬した状態で容器2に収容し、所定時間、処理槽5を大気圧以下の低圧に保持することで真空含浸機能を付加することができる。
【0056】
減圧手段12は、前記真空冷却機3の場合と同様、処理槽5内の空気を外部へ吸引排出して、処理槽4内を減圧する手段である。この減圧手段12は、処理槽5に接続された減圧ライン15に、真空ポンプ、蒸気エゼクタまたは水エゼクタなどを設けて構成される。復圧手段13も、前記真空冷却機3の場合と同様、減圧下の処理槽内へ外気を導入して、処理槽5内を復圧する手段である。この復圧手段13は、処理槽5に接続された復圧ライン16に、第二弁20やフィルター19を設けて構成される。
【0057】
一方、給蒸手段61は、処理槽5内へ蒸気を供給する手段であり、ボイラ(不図示)を備えて構成される。この際、一般的な一次ボイラからの蒸気を熱源として、二次ボイラ(リボイラ)にて軟水または純水から蒸気を生成し、このクリーン蒸気を処理槽5内へ供給するのが好ましい。そして、排出手段62は、処理槽5内の蒸気やその凝縮水を外部へ排出する手段である。この排出手段62は、処理槽5に接続された開閉可能な排水ラインや排蒸ライン63などから構成される。
【0058】
このような蒸煮機60または蒸煮冷却機70による食材1の蒸煮のためには、まず減圧手段12により処理槽5内から空気排除を図った後、給蒸手段61により処理槽5内へ蒸気を供給すればよい。食材1は、容器2内に密閉されているが、透湿防水性素材24は蒸気を通すので、容器2内の食材1の加熱調理は円滑になされる。その一方、透湿防水性素材24は水を通さないので、上の棚や上の容器2からの蒸気の凝縮水が落下して、容器2内の食材1に混入するのが防止される。また、蒸煮前の空気排除工程においては、処理槽5内ひいては容器2内が減圧されることで、容器2内の液物食材1が沸騰を起こしても、容器本体22が蓋体23で閉じられているので、容器2外へ食材が飛散するおそれはない。
【0059】
蒸煮の終了後、所望により、真空冷却を図ってもよい。蒸煮機60の場合、真空冷却機能を有していないので、蒸煮機60から真空冷却機3へ食材を移せばよい。また、蒸煮冷却機70の場合、蒸煮後に、引き続いて真空冷却することができる。この場合も、蒸煮冷却機70にて粗熱取りをなした後、真空冷却機3へ移してさらに真空冷却することができる。蒸煮機60から真空冷却機3への食材の運搬時や、真空冷却後の食材の保管時においても、容器本体22の上部開口を蓋体23で閉じておくことで、食材1への埃や異物などの混入が防止される。また、運搬時において、食材1をこぼしてしまうおそれもない。しかも、一度蓋をすると、蒸煮、真空冷却、その後の保管の一連の作業を、蓋を開けることなく行うことができる。
【実施例2】
【0060】
図3は、前記容器2の変形例を示す図であり、真空冷却時の状態を示している。前記実施例1では蓋付き容器2としたが、本実施例2では袋状容器26とされている。この袋状容器26は、典型的にはその全体が透湿防水性素材24にて形成される。このような袋状容器26で液物食材1をパックした後、前記実施例と同様に真空冷却機3にて真空冷却、または蒸煮機60による蒸煮などがなされる。
【0061】
その際、図3に示すように、袋状容器26が置かれる前記ワゴン7などの棚板10には、適宜の凹溝27,27…を設けるのが好ましい。この凹溝27は、袋状容器26の下面に配置されると共に袋状容器26よりも外方へ延出している。これにより、袋状容器26の下面からの真空引きおよび蒸気抜き、または蒸気供給による加熱が可能となり、袋状容器26の全体から真空冷却または蒸煮を図ることができる。ところで、前記棚板10には、凹溝27などの凹部に代えて、適宜の凸部31(図4)を形成することで、袋状容器26を棚板10から浮かすようにしてもよい。
【0062】
このような凹部や凸部は、前記実施例1において、蓋付き容器2の容器本体22を透湿防水性素材24にて形成する場合にも適用可能である。その際、図2に示すように、棚板10ではなく、容器本体22自体の底面に脚部状の凸部28や、または凹部を設けてもよい。
【実施例3】
【0063】
ところで、蒸煮や真空冷却の対象物は、液物食材1に限らない。具体的には、図4に示すように、たとえばコンビニエンスストアなどで販売される弁当用米飯29の真空冷却にも適用可能である。この場合、弁当容器(不図示)より小さい米飯容器30に、炊飯された温かい米飯29を盛り付け、その米飯容器30に盛り付けられた温かい米飯29を真空冷却機3にて真空冷却し、真空冷却後の米飯を米飯容器30のまま前記弁当容器(不図示)に収容すればよい。この弁当容器には、適宜のおかずも盛り付けられる。そして、前記米飯容器30は、透湿防水性素材24にて形成すればよい。この実施例3では、米飯容器30の上部開口を覆う蓋を設けていないが、必要に応じて前記透湿防水性シート24からなる蓋体(不図示)を設けることができる。
【実施例4】
【0064】
図5から図8は、本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例4を示す図であり、図5は分解斜視図、図6は使用状態を示す斜視図、図7は図6におけるVII−VII断面図、図8は図6におけるVIII−VIII断面図である。
【0065】
本実施例4では、食材(食品を含む)1を蒸煮調理、真空冷却、または蒸煮冷却するに先立って、食材1が収容された容器本体22の上部開口が、シート状の透湿防水性素材24にて覆われる。ここでは、このシートを透湿防水性シートと呼ぶことにする。容器本体22の上部開口を透湿防水性シート24にて覆うことによる作用効果は、液物食材の場合に特に有効である。そこで、本実施例でも、容器2に入れられる食材は、液物食材1であるとして説明する。但し、それ以外の食材や食品に対しても同様に適用可能である。
【0066】
本実施例の容器本体22は、ホテルパンである。すなわち、容器本体22は、上方へのみ開口した略矩形の有底箱状とされる。容器本体22の上端部には、ツバ部32が形成される。このツバ部32は、容器本体22の上端部から径方向外側へ水平に延出して形成され、その外端部には、下方へ僅かに延出して立下り部33が備えられる。立下り部33を有するツバ部32は、容器本体22の上端部において周方向に沿って連続して形成されており、その外形は平面視において略矩形状とされる。容器本体22は、合成樹脂製などでもよいが本実施例ではステンレスなどの金属製であり、プレス成形にてツバ部32などと共に一体成形されて製造される。このような容器本体22として、市販のホテルパン、特にユーザが既に所有しているホテルパンを用いることができる。
【0067】
容器本体22には、液物食材1が入れられた後、上部開口が透湿防水性シート24にて閉じられる。透湿防水性シート24は、透湿防水性素材にて形成される。透湿防水性素材としては、蒸気は通すが水は通さない性質を有する各種素材が使用される。本実施例では、目の異なる複数枚を重合して一枚状に形成した不織布が用いられるが、その他の素材も使用可能なことは言うまでもない。
【0068】
本実施例の透湿防水性シート24は、その全体が前記不織布から形成される。すなわち、本実施例の透湿防水性シート24は、所望の大きさに形成された不織布であり、柔軟な可撓性を有する。透湿防水性シート24の大きさおよび形状は、適宜に設定されるが、本実施例では、容器本体22のツバ部32の外形より若干大きい略矩形状に形成される。
【0069】
透湿防水性シート24は、容器本体22の上部開口を密閉するよう配置された状態で、押え枠34にて容器本体22に保持される。本実施例の押え枠34は、ステンレスなどで形成され、略矩形状とされる。押え枠34の外周部は、容器本体22のツバ部32に重ね合わされて、はめ込まれる装着部35とされる。具体的には、略矩形状の押え枠34は、外周部が下向き略コ字形状断面に形成されている。すなわち、装着部35は、略水平に配置される水平片36と、水平片36の外周側において下方へ僅かに延出する外垂下片37と、水平片36の内周側において下方へ僅かに延出する内垂下片38とから構成される。
【0070】
押え枠34は、上述したように、外周部に形成した装着部35が、容器本体22の上端部にはめ込まれて保持される。その際、容器本体22のツバ部32に装着部35の水平片36が重ね合わされる。そして、ツバ部32の立下り部33に装着部35の外垂下片37が重ね合わされ、および/または、ツバ部32の内周部に装着部35の内垂下片38が配置される。このようにして、押え枠34は、容器本体22の上端部に、はめ込まれて位置決めされる。このはめ込みの状態は、きついはめ込み、または緩いはめ込みとすることができる。
【0071】
押え枠34には、略矩形枠状の装着部35の内側に、適宜の開口部39が形成される。本実施例では、略矩形枠状の装着部35には、その内側領域を左右にほぼ三等分する二箇所に、それぞれ水平板状の仕切り片40,40が前後方向に架け渡されて設けられる。これにより、各仕切り片40の左右にそれぞれ、略矩形状の開口部39,39が配置される。
【0072】
押え枠34の各仕切り片40の前後方向両端部には、それぞれ押え枠34を容器本体22に着脱自在に固定する保持手段としてのパチン錠41,41が設けられる。本実施例では、仕切り片40の上面に、パチン錠41の支持材(符号省略)が固定され、この支持材に設けた第一ピン42まわりにレバー43が回動可能に設けられる。そして、このレバー43の中途部には、第二ピン44まわりに回動可能にフック45が設けられる。第一ピン42および第二ピン44は、左右方向へ沿って配置される。各フック45は、その先端部を前後方向外側へ向くよう配置可能とされ、先端部46は略U字形状に屈曲されている。一方、各レバー43は、フック45の先端部とは逆方向に、前後方向内側へ延出するよう配置可能とされる。
【0073】
液物食材1が収容された容器本体22の上部開口を透湿防水性シート24で閉じるには、次のようにする。すなわち、容器本体22の上部開口を覆うように、透湿防水性シート24を配置した状態で、容器本体22の上端部に押え枠34を装着する。これにより、透湿防水性シート24の外端部は、周方向全域に亘って、容器本体22のツバ部32と押え枠34の装着部35との間に挟み込まれて保持される。その状態で、パチン錠41のフック45をツバ部32の立下り部33に引っ掛けた後、レバー43を押し下げればよい。これにより、容器本体22に押え枠34が固定され、ひいては、容器本体22に透湿防水性シート24が保持される。押え枠34には、比較的大きな開口部39が形成されているので、その開口部39から透湿防水性シート24が露出する。
【0074】
以上のようにして、上部開口が透湿防水性シート24にて閉じられた容器本体22内の液物食材1は、たとえば蒸煮機60にて蒸煮調理、真空冷却機3にて真空冷却、または蒸煮冷却機70にて蒸煮後に真空冷却される。蒸煮機60または蒸煮冷却機70としては、たとえば特開2005−65797号公報に示されるものを使用でき、真空冷却機3としては、たとえば特開2004−170060号公報に示されるものを使用できる。但し、前記実施例1と同様に、蒸煮機60、真空冷却機3、または蒸煮冷却機70の構成は、これらに限らず従来公知の各種装置を使用できる。
【0075】
煮物などの加熱調理には、液物食材1を入れた容器本体22を蒸煮機60の処理槽5に入れて、処理槽5内へ蒸気を供給すればよい。液物食材1が入れられた容器本体22の上部開口は、透湿防水性シート24で閉じられているが、この透湿防水性シート24は通気性を有する。従って、透湿防水性シート24を介して、蒸気による食材1の加熱調理は迅速になされる。しかも、透湿防水性シート24は、防水性を有するので、上の棚や上の容器の外面などに生じた凝縮水が、食材1内に落下して混入することが防止される。
【0076】
温かい液物食材1を真空冷却するには、液物食材1を入れた容器本体22を真空冷却機3の処理槽に入れて、処理槽5の空気を外部へ真空引きして、処理槽5内を減圧すればよい。液物食材1が入れられた容器本体22の上部開口は、透湿防水性シート24で閉じられているが、この透湿防水性シート24は通気性を有する。従って、透湿防水性シート24を介して、容器本体22内の減圧が可能であると共に、食材1からの蒸気は容器本体22外へ導出可能である。従って、食材1の真空冷却は迅速になされる。しかも、処理槽5内の減圧により液物食材1が沸騰を起こしても、透湿防水性シート24にて容器本体22の上部開口が覆われているので、容器本体22外へ食材1がふきこぼれたり、飛散したりするおそれはない。そして、透湿防水性シート24は、押え枠34により容器本体22に保持されているので、真空冷却中に食材1から発生する蒸気によっても、透湿防水性シート24が容器から外れるのが防止される。
【0077】
ところで、蒸煮機60による蒸煮に際しては、まず処理槽5内の空気が外部へ吸引排出されるが、この際、処理槽5内が減圧されることで、液物食材1が沸騰を起こすおそれがある。しかしながら、この場合でも、液物食材1を入れた容器本体22の上部開口は透湿防水性シート24で閉じられているので、食材1の吹きこぼれや飛散が防止される。
【0078】
一つの処理槽5内で蒸煮とその後の真空冷却をなすには、液物食材1を入れた容器本体22を蒸煮冷却機70の処理槽5に入れて、前記蒸煮機60による蒸煮と同様の処理を行った後、前記真空冷却機3による真空冷却と同様の処理を行えばよい。ここで、蒸煮冷却機70によらず、蒸煮と真空冷却とを行うには前記のように、まず蒸煮機3にて加熱調理を行った後、容器本体22を真空冷却機3へ移して、真空冷却機3にて真空冷却を行う。蒸煮機60から真空冷却機3への移動を容易に行うために、液物食材1が入れられた容器2は、ワゴンに載せたまま処理槽5へ出し入れし、また蒸煮機60から真空冷却機3へ移動するのがよい。
【0079】
さらに、液物食材1が入れられた容器本体22を透湿防水性シート24にて覆っておけば、保管時や運搬時にもメリットがある。すなわち、保管時には、埃や異物などの混入が防止される。また、運搬時には、埃や異物などの混入が防止されるだけでなく、仮に容器本体22の高さぎりぎりまで液物食材1を入れていても、中身をこぼしてしまうおそれはない。さらに、たとえば、上述した蒸煮機60による蒸煮と、その後の真空冷却機3による真空冷却、およびその間の移動や、真空冷却後の保管などの一連の作業を、透湿防水性シートで容器本体22に一度蓋をすると、その蓋を開けることなく行うことができる。
【0080】
以上のようにして、液物食材1が入れられた容器本体22の上部開口を透湿防水性シート24にて閉じて作業することで、蒸煮冷却、真空冷却、保管、または運搬などを、衛生的で歩留りよく行うことができる。そして、作業後には、パチン錠41のレバー43を第一ピン42まわりに上方へ押し上げることで、ツバ部32へのフック45の係合を解除して、容器本体22から押え枠34および透湿防水性シート24を取り外すことができる。本実施例の透湿防水性シート24は、使い捨てであるから、後処理も容易である。
【実施例5】
【0081】
図9および図10は、本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例5を示す図であり、図9は押え枠34を容器本体22に固定する保持手段47の斜視図、図10は押え枠34の容器本体22への取付状態を示す斜視図である。本実施例5の食品加工方法とそれに用いられる容器および蓋体は、前記実施例4とほぼ同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【0082】
前記実施例4では、容器本体22に押え枠34を着脱可能に固定するための保持手段としてのパチン錠41は、押え枠34自体に設けられていた。しかしながら、本実施例5では、押え枠34自体には、パチン錠41は設けられない。すなわち、本実施例5の押え枠34は、前記実施例4における押え枠34から四つのパチン錠41を取り除いた構成とされる。その代わりに、本実施例5では、透湿防水性シート24を介して、容器本体22の上部開口に保持された押え枠34を確実に容器本体22に固定するために、保持手段47として図9に示される帯状材48が使用される。
【0083】
本実施例の帯状材48は、ステンレスなどの金属材が屈曲形成されて構成される。すなわち、細長い金属製の帯状材48は、透湿防水性シート24を介して押え枠34が設けられた容器本体22に沿って巻き付け可能に屈曲形成されている。具体的には、上方へ開口した略コ字形状に屈曲形成されると共に、その開放両端片49,50同士が互いに近接する方向へさらに屈曲形成されている。そして、その一端片(図9において手前側の端片)49には、下向きコ字形状材からなる台座51が固定される。この際、台座51の長手方向中央部の上面に、帯状材48の一端片49が重ね合わされて固定される。
【0084】
そして、この固定部には、前記実施例4と同様の構成のパチン錠41が固定される。但し、本実施例5では、パチン錠41のフック45は、略コ字形状に形成されており、その両端部がレバー43の第二ピン44に保持される。このパチン錠41は、フック45の先端部が後方(図9において奥側)へ向くよう配置可能とされ、レバー43は前方へ延出するよう配置可能とされる。さらに、帯状材48の他端片50の先端部上面には、略U字形状の係止部52が設けられる。
【0085】
本実施例5の場合、透湿防水性シート24を介して容器本体22の上部開口に押え枠34を保持した状態で、容器本体22に沿って帯状材48を巻き付けるよう配置し、帯状材48の両端部を係合すればよい。すなわち、前記係止部52にフック45を引っ掛けた状態で、パチン錠41のレバー43を押し下げればよい。これにより、帯状材48が容器本体22を締め付けるように、押え枠34付きの容器本体22に帯状材48が保持される。帯状材48の容器本体22への取付位置は、図10に示すように、押え枠34の仕切り片40と対応した位置とされ、台座51の下部が押え枠34の仕切り片40に載せられる。これにより、帯状材48の開放両端片49,50が、押え枠34(水平片36)の上面と略同一平面に、水平に配置される。押え枠34には、二つの仕切り片40が備えられているので、本実施例では帯状材48(保持手段47)は二つ使用される。
【実施例6】
【0086】
図11および図12は、本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例6を示す図であり、図11は押え枠34を容器本体22に固定する保持手段47の斜視図、図12は押え枠34の容器本体22への取付状態を示す斜視図である。本実施例6の食品加工方法とそれに用いられる容器および蓋体は、前記実施例5とほぼ同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【0087】
容器本体22に押え枠34を着脱可能に固定するための保持手段47は、前記実施例5では、パチン錠41を備える金属製帯状材48から構成されたが、本実施例6では、図11に示されるクリップ53にて構成される。本実施例6のクリップ53は、略矩形状の金属板が、断面略三角形状に屈曲形成され、その両端部54,54はそれぞれ略U字形状に外側へ折り返されている。これにより、その両端部54,54同士は、互いに近接または当接するよう配置される。そして、透湿防水性シート24を介して容器本体22に押え枠34を装着した状態で、前記クリップ53にて、ツバ部32と装着部35とが挟み込まれる。図12では、容器本体22の仕切り片40と対応した四箇所にクリップ53が設けられるが、クリップ53の取付箇所や取付個数は、適宜に変更可能である。
【実施例7】
【0088】
図13および図14は、本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例7を示す図であり、図13は使用状態を示す斜視図、図14はその上部の縦断面図である。本実施例7の食品加工方法とそれに用いられる容器および蓋体は、前記実施例4とほぼ同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【0089】
前記実施例4では、容器本体22は平面視略矩形状とされており、それに伴って押え枠34も略矩形状としたが、本実施例7では、容器本体22は、平面視略円形状とされており、それに伴って押え枠34も略円形状とされる。すなわち、本実施例7の容器本体22は、上方へのみ開口した有底円筒状の金属製鍋とされる。図示例では、容器本体22の上端部は、略半円形状に、径方向外側へ屈曲されてツバ部32が形成されているが、ツバ部32のない容器本体22でもよい。そして、押え枠34は、その円筒状容器本体22の上端部に装着可能に、円環状の装着部35を備え、その内穴を十字に架け渡して仕切り片40が設けられる。これにより、押え枠34には、周方向等間隔に、四つの略扇形の開口部39が形成される。
【0090】
前記実施例4では、パチン錠41は、押え枠34に設けられたが、本実施例7では、パチン錠41は、容器本体22の上端部の外周面に設けられる。パチン錠41の取付位置や取付個数は、特に問わないが、本実施例では周方向等間隔に六つのパチン錠41を設けた。各パチン錠41は、フック45の先端側が上方へ向くよう配置可能とされ、容器本体22の内方へ向けて略U字形状に屈曲されている。一方、各パチン錠41のレバー43は、フック45とは逆方向に、下方へ延出するよう配置可能とされる。
【0091】
本実施例7の場合も、容器本体22の上部開口に、透湿防水性シート24を介して、押え枠34が装着される。透湿防水性シート24は、略矩形状でもよいし、略円形状でもよい。いずれにしても、容器本体22の上部開口を塞ぐように透湿防水性シート24を配置した状態で、容器本体22の上端部と押え枠34の装着部35との間に透湿防水性シート24を挟み込んで、パチン錠41で容器本体22に押え枠34を固定する。この固定は、パチン錠41のフック45を、押え枠34の外周の装着部35、ひいては容器本体22の上端部に引っ掛けた状態で、レバー43を押し下げればよい。なお所望により、押え枠34の中心部には、仕切り片40から上方へ突出して把手(不図示)を設けてもよい。
【実施例8】
【0092】
図15から図18は、本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例8を示す図であり、図15は分解斜視図、図16は使用状態を示す斜視図、図17は図16におけるXVII−XVII断面図、図18は図16におけるXVIII−XVIII断面図である。本実施例8の食品加工方法とそれに用いられる容器および蓋体は、前記実施例4とほぼ同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【0093】
本実施例8では、押え枠34に設ける仕切り片40の形成位置が、前記実施例4と異なる。すなわち、前記実施例4では、押え枠34の略矩形枠状の装着部35には、二箇所に仕切り片40を設けたが、本実施例8の押え枠34には、その左右方向中央部にのみ、一つの仕切り片40を設けている。そして、その仕切り片40には、把手55が設けられる。具体的には、仕切り片40の中央部には、略半球状の凹部56が形成され、この凹部56の上部開口において前後に架け渡すように把手55が設けられる。但し、把手55の有無および形成位置や構成は、適宜に変更可能である。そして、仕切り片40の前後両端部に、前記実施例4と同様に、パチン錠41が設けられている。その他の構成および使用方法は、前記実施例4と同一である。
【0094】
本発明の食品加工方法とそれに用いられる容器および蓋体は、前記各実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。特に、少なくとも一部に透湿防水性素材を用いた容器が使用されていれば、容器の構成は適宜に変更可能である。また、真空冷却機、蒸煮機、蒸煮冷却機の各構成や、その処理槽内の圧力や温度およびそれらの変化をどのように行うかも適宜に設定される。
【0095】
さらに、前記実施例4以下では、容器本体22への押え枠34の固定は、パチン錠41を用いたが、このパチン錠41の構成は、前記実施例の構成に限らず従来公知の他の構成を採用できる。また、パチン錠41に限らず、他の締結手段によって、容器本体22に押え枠34を着脱可能に固定してもよい。さらに、押え枠34自体の自重や、磁力(磁石)などによって、容器本体22に押え枠34を固定してもよい。
【0096】
前記実施例1〜4においては、食材1を液物食材として説明したが、液物食材以外の食材にも適用可能である。また、容器2は、棚板10,10,…に載置して、真空冷却などの各種処理を行うように構成しているが、容器2のツバ部32を支持するようにワゴン7の縦フレームまたは処理槽5の内壁面に支持片(不図示)にて吊り下げるように支持して各種処理を行うように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の食品加工方法の実施例1を示す概略構成図であり、一部を断面にして示している。
【図2】本発明の実施例1の蓋付き容器による液物食材の真空冷却状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2の袋状容器による液物食材の真空冷却状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例3の米飯容器による弁当用米飯の真空冷却状態を示す断面図である。
【図5】本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例4を示す分解斜視図である。
【図6】実施例4の使用状態を示す斜視図である。
【図7】図6におけるVII−VII断面図である。
【図8】図6におけるVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例5を示す図であり、押え枠を容器に固定する保持手段の斜視図である。
【図10】図9の保持手段にて、透湿防水性シートを介して押え枠を容器に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例6を示す図であり、押え枠を容器に固定する保持手段の斜視図である。
【図12】図11の保持手段にて、透湿防水性シートを介して押え枠を容器に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例7を示す図であり、使用状態を示す斜視図である。
【図14】図13の上部の縦断面図である。
【図15】本発明の食品加工方法に用いられる容器の実施例8を示す分解斜視図である。
【図16】実施例9の使用状態を示す斜視図である。
【図17】図16におけるXVII−XVII断面図である。
【図18】図16におけるXVIII−XVIII断面図である。
【図19】本発明の実施例1の蓋付き容器による液物食材の蒸煮または蒸煮冷却状態を示す概略構成図であり、一部を断面にして示している。
【符号の説明】
【0098】
1 食品(液物食材)
2 容器(蓋付き容器)
3 真空冷却機
5 処理槽
6 冷却空間
12 減圧手段
13 復圧手段
22 容器本体
23 蓋体
24 透湿防水性素材(透湿防水性シートなど)
26 容器(袋状容器)
29 米飯
30 米飯容器
34 押え枠
39 開口部
41 パチン錠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を入れる容器として、一部または全部が透湿防水性素材で形成された容器を用いる
ことを特徴とする食品加工方法。
【請求項2】
蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行う食品加工方法において、
食品を入れる容器として、一部または全部が透湿防水性素材で形成された容器を用いる
ことを特徴とする食品加工方法。
【請求項3】
一部または全部が透湿防水性素材で形成された前記容器に食品を入れて、前記容器の内外の水密性を確保する工程、
前記容器に入れられた食品を処理槽に入れ、この処理槽内へ蒸気供給して、前記容器に入れられた食品を加熱調理する工程
を含むことを特徴とする請求項2に記載の食品加工方法。
【請求項4】
一部または全部が透湿防水性素材で形成された前記容器に食品を入れて、前記容器の内外の水密性を確保する工程、
前記容器に入れられた食品を処理槽に入れ、この処理槽内の空気を外部へ吸引排出して、前記容器に入れられた食品を真空冷却または真空含浸する工程
を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の食品加工方法。
【請求項5】
一部または全部が透湿防水性素材で形成された容器に温かい食品を入れる工程、
前記容器に入れられた温かい食品を真空冷却機にて真空冷却する工程
を含むことを特徴とする食品加工方法。
【請求項6】
前記容器が、容器本体またはその蓋体の一方または双方が透湿防水性素材で形成された蓋付き容器である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品加工方法。
【請求項7】
前記容器が袋状の容器である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品加工方法。
【請求項8】
食品を入れて蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器であって、
容器の一部または全部が透湿防水性素材で形成されている
ことを特徴とする食品の蒸煮,真空冷却または真空含浸に用いられる容器。
【請求項9】
食品を入れて蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器であって、
容器本体またはその蓋体の一方または双方は、その一部または全部が透湿防水性素材で形成された蓋付き容器である
ことを特徴とする食品の蒸煮,真空冷却または真空含浸に用いられる容器。
【請求項10】
食品を入れて蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器であって、
一部または全部が透湿防水性素材で形成された袋状の容器である
ことを特徴とする食品の蒸煮,真空冷却または真空含浸に用いられる容器。
【請求項11】
食品を入れて真空冷却機にて真空冷却するのに用いられる
ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
食品を入れて蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器の蓋体であって、
一部または全部が透湿防水性素材で形成されている
ことを特徴とする食品の蒸煮,真空冷却または真空含浸に用いられる容器の蓋体。
【請求項13】
食品を入れて真空冷却機にて真空冷却するのに用いられる
ことを特徴とする請求項12に記載の蓋体。
【請求項14】
食品を蒸煮,真空冷却および真空含浸のうち少なくとも一つの処理を行うのに用いられる容器の蓋体であって、
透湿防水性素材で形成され、食品が入れられる前記容器の上部開口を覆うよう設けられるシートと、
前記容器の上端部との間に前記シートを挟み込んで設けられ、前記透湿防水性素材が露出する開口部を有する押え枠と、
この押え枠を前記容器に着脱可能に固定する保持手段と
を備えることを特徴とする請求項12に記載の蓋体。
【請求項15】
前記容器には、液状物を含んだ食品が収容されて使用される
ことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の容器、または請求項12〜14のいずれか1項に記載の蓋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−187280(P2006−187280A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344153(P2005−344153)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】