説明

食品生地の延展方法及び装置

【課題】大略三角形状のクロワッサン生地における底辺部側を左右方向へ大きく延展する方法及び装置を提供する。
【解決手段】大略三角形状の食品生地の延展方法であって、前記食品生地1の底辺中央部に形成されたスリットSを広げる工程と、広げられたスリットSの両側方の底辺部側を両側外方向へ延展する工程と、前記食品生地1の頂部側部分を頂部側へ延展する工程と、を備えている。装置は、大略三角形状の前記食品生地1の底辺中央部に形成されたスリットSの両側方位置を保持して互いに離反する方向へ移動自在の一対の生地保持部材5L,5Rを備えたスリット広げ装置5と、前記スリット広げ装置5によって広げられたスリットSの両側方の底辺部側を押圧して互いに両側外方向へ移動自在の一対の延展ローラ103L,103Rを備えた第1の延展装置7と、上記第1の延展装置7によって延展された部分から三角形状の頂部側部分を頂部側へ延展する第2の延展装置9とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば巻き上げ前のクロワッサン生地のように、予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展するための延展方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばクロワッサンを製造する場合、搬送手段としてのベルトコンベアによって長手方向に搬送される帯状の生地を、切断装置によって二等辺三角形に切断し、この三角形状に切断された生地の底辺側が下流側となるように生地の方向性を一定にする。そして、巻き上げ装置によって三角形状の前記生地を底辺側から三角形状の頂部側へ巻き上げることによって直線状のクロワッサンに形成している。
【0003】
上述のごとき従来の方法においては、三角形状に切断されたクロワッサン生地の底辺、高さの寸法は、帯状の生地の幅寸法によって制限されることとなり、より長く、かつ中央部の巻き径に比較して両側の巻き径が急激に小径の形態のクロワッサン(いわゆるスパニッシュクロワッサン)を得ることはできないものであった。そこで、三角形状に切断されたクロワッサン生地における底辺の中央部にスリットを形成し、このスリットを広げることによってクロワッサン生地の底辺の寸法をより長くすることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】オランダ特許第1021016号明細書公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の構成は、三角形状に切断されたクロワッサン生地の底辺中央部にスリットを形成した後、上記スリットに近接した両側方において針をクロワッサン生地に刺し、上記針を互いに離反するように移動することによって単に前記スリットを広げる構成である。したがって、三角形状に切断されたクロワッサン生地の底辺の寸法をより長く形成することができるものの、さらにスリットを大きく広げて底辺の長さをさらに長くしようとすると、前記スリット部分や針を刺した部分においてクロワッサン生地に損傷を生じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展する延展方法であって、三角形状の前記食品生地の底辺中央部に形成されたスリットを広げる工程と、広げられたスリットの両側方の底辺部側を両側外方向へ延展する工程と、前記食品生地の延展された底辺部付近から頂部側部分の延展残余の部分を頂部側へ延展する工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
また、予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展する延展方法であって、上記食品生地の底辺中央部付近から右側部分を右外方向へ延展する工程と、前記食品生地の底辺中央部付近から左側部分を左外方向へ延展する工程と、大略三角形状の前記食品生地の延展残余の部分を頂部側へ延展する工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
また、予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展するための延展装置であって、三角形状の前記食品生地の底辺中央部に形成されたスリットの両側方位置を保持して互いに離反する方向へ移動自在の一対の生地保持部材を備えたスリット広げ装置と、前記スリット広げ装置によって広げられたスリットの両側方の底辺部側を押圧して互いに両側外方向へ移動自在の一対の延展ローラを備えた第1の延展装置とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
また、予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展するための延展装置であって、三角形状の前記食品生地の底辺中央部に形成されたスリットの両側方位置を保持して互いに離反する方向へ移動自在の一対の生地保持部材を備えたスリット広げ装置と、前記スリット広げ装置によって広げられたスリットの両側方の底辺部側を押圧して互いに両側外方向へ移動自在の一対の延展ローラを備えた第1の延展装置と、上記第1の延展装置によって延展された部分から三角形状の前記食品生地の頂部側部分の延展残余の部分を頂部側へ延展する第2の延展装置とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
また、予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展するための延展装置であって、前記食品生地の底辺中央部付近から右側部分を右外方向へ延展する延展ローラと上記底辺中央部付近から左側部分を左外方向へ延展する延展ローラとを個別に又は共通に備えた第1の延展装置を備え、前記食品生地の延展残余の部分を頂部側へ延展する第2の延展装置を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記食品生地の延展装置において、前記第1の延展装置に、三角形状の食品生地の頂部側を押さえるための押え部材を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
また、前記食品生地の延展装置において、前記第1の延展装置は、前記食品生地の搬送方向に2列備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予め大略三角形状に形成された食品生地の底辺中央付近から右側部分と左側部分との両側部分を両側方向へ均等的に延展することができ、三角形状の底辺の長さを、従来に比較してより長く形成することができるものである。また、延展残余の部分を頂部側へ延展することにより、三角形状の食品生地を頂部側へより長く、大きく延展することができ、前述したごとき従来の問題を解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】クロワッサン生地を巻き上げるシステムの全体的構成を、概略的、概念的かつ模式的に示した平面説明図である。
【図2】クロワッサン生地を巻き上げるシステムの全体的構成を、概略的、概念的かつ模式的に示した側断面説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る第1の延展装置の平断面説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る第1の延展装置の正断面説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る第1の延展装置の左側面説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る第1の延展装置の右側面説明図である。
【図7】第2の実施形態に係る延展方法を概念的、概略的、かつ模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明するに、先ず理解を容易にするために、予め大略三角形状に切断されたクロワッサン生地(食品生地)を巻き上げるためのシステムの全体的構成について概念的、概略的に説明する。
【0016】
クロワッサンを製造するに当たっては、比較的幅の広いシート状の生地をコンベアベルトによって下流側へ搬送する途中において、カッターによって複数列の帯状の生地に切断される。そして、帯状の生地の幅寸法が三角形の高さ寸法になるように、前記帯状の生地に方向性が逆方向の二等辺三角形の生地の切断を交互に行うと共に、三角形の生地の底辺中央部にスリットが形成される。この三角形の生地は、コンベアベルトによる搬送方向に対して90°回転した状態にあるので、反転装置によって90°回転されて、三角形の底辺が下流側となるように食品生地の方向性が一定方向に指向される(図1参照)。
【0017】
なお、図1においては、大略三角形状の食品生地の1例として、巻き上げ前の三角形状のクロワッサン生地1がコンベアベルト3によって1列のみ搬送される場合について例示してある。
【0018】
しかし、実際的には、例えば4列のごとく複数列でもってクロワッサン生地(食品生地)1の搬送を行うものであるが、理解を容易にするために1列にて例示してある。三角形状に切断された前記クロワッサン生地1の底辺中央部にはスリットSが形成してあり、このスリットSの左右両側を左右両側方向(搬送方向に対して直交する方向;図1において上下方向、X軸方向)へ引っ張ることにより、前記スリットSを左右方向に広げることができるものである。
【0019】
前記クロワッサン生地1のスリットSを僅かに広げるために、前記コンベアベルト3の上側には、スリット広げ装置5が配置してある。このスリット広げ装置5は、コンベアベルト3によって搬送されるクロワッサン生地1におけるスリットSを左右方向に僅かに広げる機能を奏するものである。このスリット広げ装置5は、左右一対の生地保持部材の1例としての針保持部材5L,5Rと、この針保持部材5L,5Rよりも上流側(図1において左側)において食品生地1を保持する生地保持部材の1例としての中央の針保持部材5Sとを備えている。
【0020】
前記一対の針保持部材5L,5Rは互に左右方向に接近離反可能であると共に、前記中央の針保持部材5Sと一体的に昇降可能に備えられている。
【0021】
したがって、前記一対の針保持部材5L,5R及び針保持部材5Sを下降して食品生地1を保持した状態において、左右の針保持部材5L,5Rを左右方向へ離反することにより、食品生地1の前記スリットSを左右方向に広げることができるものである。
【0022】
なお、前記スリット広げ装置5の構成としては、前記特許文献1においてクロワッサン生地のスリットを広げる構成を採用することも可能である。
【0023】
前記スリット広げ装置5の下流側には、当該スリット広げ装置5によって広げられたスリットSの左右両側部分1L,1Rを左右方向の両側外方向へ長く延展する第1の延展装置7(なお、延展装置7は、図1には模式的に図示してある)が備えられている。この第1の延展装置7は、前記スリットSの左右両側部分1L,1Rを左右両側外方向へ延展する作用をなすものであるから、側方向延展装置と称することもできる。
【0024】
前記第1の延展装置(側方向延展装置)7の下流位置には、前記第1の延展装置7によって左右両側外方向へ延展された部分から三角形状のクロワッサン生地1の頂部側部分(まだ延展されていない延展残余の部分)を頂部側へ長く延展するための第2の延展装置9が備えられている。この第2の延展装置9は、三角形状のクロワッサン生地1の頂部側部分(延展残余の部分)を延展するものであるから、頂部側延展装置と称することができる。
【0025】
そして、第2の延展装置(頂部側延展装置)9の下流位置には、大きく延展された後の三角形状のクロワッサン生地1を底辺側から頂部側へ巻き上げるための巻き上げ装置11が備えられている。この巻き上げ装置11は、前記特許文献1に記載の構成や、例えば特開平7−255353号公報に記載されているように公知の構成でよいものであるから、前記巻き上げ装置11の構成、作用についての詳細な説明は省略する。
【0026】
さて、前記第1の延展装置7の構成について説明するに、図3、図4に概念的、概略的に示すように、第1の延展装置(側方向延展装置)7は、前記コンベアベルト3の幅方向の両側方に左右の架台フレーム13L,13Rを備えている。上記架台フレーム13L,13Rは、前記コンベアベルト3を備えたベースフレーム15(詳細は図示省略)上に装着してある。上記架台フレーム13L,13Rは、前後方向(Y軸方向)に長い水平なベースプレート17L,17Rを備えていると共に前記ベースプレート17L,17Rの内側に立設されて互いに対向した垂直な支持プレート19L,19Rを一体的に備えており、かつ上記ベースプレート17L,17Rと支持プレート19L,19Rはリブプレート21L,21Rによって互いに直交状態を保持するように補強してある。
【0027】
前記左右の架台フレーム13L,13Rにおける前記支持プレート19L,19Rには前記コンベアベルト3の走行方向、すなわち前記クロワッサン生地1の搬送方向(図3においては上下方向、図4においては紙面に垂直な方向)に平行なガイド部材23L,23Rが水平に備えられており、この左右のガイド部材23L,23Rには、スライダ25L,25Rを介して左右のスライドプレート27L,27Rが往復動自在に支持されている。
【0028】
前記左右のガイド部材23L,23Rに沿って前記スライドプレート27L,27Rを前記クロワッサン生地1の搬送方向(前後方向、Y方向)へ往復動するために、左右の支持プレート19L,19Rにおける上部の一側(下流側)には、支持プレート19Lに装着した駆動モータ29(図3参照)によって回転される水平な駆動軸31の左右両端側が回転自在に支承されている。そして、この駆動軸31の両端側には左右の駆動プーリ33L,33Rが一体的に取付けてある。
【0029】
前記左右の支持プレート19L,19Rにおける上部の他側(上流側)には従動軸35の左右両端側が支持プレート19L,19Rに対して、搬送方向に移動調節可能に支承されており、この従動軸35の両端側には左右の従動プーリ37L,37Rが回転自在に取付けてある。なお、図3においては、理解を容易にするために、従動軸35の部分のみを、位置をずらして表示してある。そして、左右の駆動プーリ33L,33Rと従動プーリ37L,37Rにはタイミングベルトなどのごとき左右のエンドレス部材39L,39Rが掛回してあり、この左右のエンドレス部材39L,39Rと左右のスライドプレート27L,27Rは連結部材41L,41R(図5,6参照)を介して一体的に連結してある。
【0030】
したがって、前記駆動モータ29を正逆回転すると、左右のエンドレス部材39L,39Rが同期して正逆回転することとなり、左右のスライドプレート27L,27Rは同期して前後方向(Y方向)に移動するものである。
【0031】
前記左右のスライドプレート27L,27Rには上下方向のガイド部材43L,43R(図4参照)がそれぞれ備えられており、この左右のガイド部材43L,43Rには、スライダ45L,45Rを介して左右の昇降フレーム47L,47Rが上下動自在に備えられている。上記左右の昇降フレーム47L,47Rを上下動するために、左右の支持プレート19L,19Rの前後両側(図5、図6においての左右両側)には上下方向のガイド部材49L,49Rがそれぞれ備えられており、上記ガイド部材49L,49Rには前後方向(Y方向)に長い左右の昇降ビーム51L,51Rの両端側が上下動自在に支承されている。
【0032】
そして、左右の昇降ビーム51L,51Rのそれぞれに形成した前後方向のガイド孔53L,53R内に、前記左右の昇降フレーム47L,47Rの上部に備えたガイドピン又はガイドローラなどのごとき被ガイド部材55L,55R(図6参照)が前後方向へ移動自在に係合してある。したがって、左右の昇降フレーム47L,47Rは、左右のスライドプレート27L,27Rと一体的に前後動自在であると共に、左右の昇降ビーム51L,51Rと一体的に上下動自在である。
【0033】
前記左右のガイド部材49L,49Rに沿って前記昇降ビーム51L,51Rを上下動するために、前記左右の支持プレート19L,19Rには、例えばモータ又は流体圧シリンダ等のごとき往復作動装置(図示省略)によって往復回動される回動軸57の左右両端側が回動自在に支持されている。そして、この回動軸57の左右両端側には、前記左右の昇降ビーム51L,51Rの前端部に備えた上下方向のラック59L,59Rと噛合したピニオン61L,61Rが一体的に取付けてある。
【0034】
さらに、前記左右の昇降ビーム51L,51Rの後端部にもそれぞれ上下方向のラック63L,63Rが取付けてあり、この左右のラック63L,63Rには、左右の支持プレート19L,19Rに回転自在に備えられたピ二オン65L,65Rがそれぞれ噛合してある。前記前後のピ二オン61L,61R:65L,65Rを同期して互いに反対方向へ回動するために、前記ピ二オン65L,65Rと噛合した中間ピ二オン67L,67Rが左右の支持プレート19L,19Rに中間軸69を介して回動自在に支持されている。そして、この中間軸69に一体的に備えたレバー71L,71Rと同長のレバー73L,73Rが前記回動軸57の両端側に備えられており、両レバー71L,71R:73L,73Rにはそれぞれ前後方向に長い左右の連結杆75L,75Rの前後両端部が枢軸を介して枢支連結してある。
【0035】
したがって、回動軸57の回動はレバー73L,73R、連結杆75L,75R、レバー71L,71R、中間軸69を介して中間ピ二オン67L,67Rへ伝達され、かつこの中間ピ二オン67L,67Rを介してピ二オン65L,65Rへ伝達される。よって、回動軸57に備えたピ二オン61L,61Rとピ二オン65L,65Rは同期して反対方向に回動することとなり、前後のラック59L,59R:63L,63Rを介して左右の昇降ビーム51L,51Rは同期して上下動されることになる。
【0036】
前記左右の昇降フレーム47L,47Rには、図4に示すように、前記左右のスライドプレート27L,27Rに備えた前記ガイド部材43L,43Rに沿って上下動する前記スライダ45L,45Rを備えた垂直な昇降プレート76L,76Rと、この昇降プレート76L,76Rの上部から左右方向(X方向)へ水平に突出した水平な支持ブラケット77L,77Rが備えられている。この左右の支持ブラケット77L,77Rの前後両側の下面には、図6に示すように、それぞれ一対をなす前後のスライダ79A,79A:79B,79Bがそれぞれ備えられている。
【0037】
そして、各スライダ79A,79A:79B,79Bには、左右の支持プレート19L,19Rに上下方向及び前後方向に大きく形成した大穴81L,81Rを左右方向に貫通したローラ支持ビーム83A,83B:85A,85B(図3参照)の左右両端部がガイド部材87A,87Bを介して左右方向(X方向)へ移動自在に支持されている。なお、後側(上流側)において対をなすローラ支持ビーム85A,85Bは、前記昇降フレーム47L,47Rにおける前記昇降プレート76L,76Rに形成した窓76Wを左右方向(X方向)に貫通してある。
【0038】
前記前後のローラ支持ビーム83A,83B:85A,85Bにおいて、前記コンベアベルト3の搬送方向に見て下流側(前側)において対をなすローラ支持ビーム83A,83Bと上流側(後側)において対をなすローラ支持ビーム85A,85Bにおいて、それら内で下流側に位置するローラ支持ビーム83A,85Aは一体的に連結してあり、また上流側に位置するローラ支持ビーム83B,85Bも一体的に連結してある。
【0039】
より詳細には、前記前側のローラ支持ビーム83A,85Aの右端側の下面は前後方向に長い連結部材89Rの前後両端部に一体的に連結してあり、後側のローラ支持ビーム83B,85Bの左端側の下面は前後方向に長い連結部材89Lの前後両端部に一体的に連結してある。そして、前記ローラ支持ビーム83A,85A:83B,85Bを左右方向へ移動するために、前記左右の連結部材89L,89Rの下面にはそれぞれカムフォロア91L,91Rが備えられており、このカムフォロア91L,91Rは、前記左右の架台フレーム13L,13Rにおけるベースプレート17L,17Rの上面に備えたカムプレート93L,93Rに備えたカム溝95L,95Rに移動自在かつ上下動自在に係合してある。
【0040】
前記左右のカムプレート93L,93Rの前記カム溝95L,95Rは、図3に示すように左右対称形に形成してある。すなわち、前記カム溝95L,95Rは、前記コンベアベルト3の搬送方向に見て搬送方向に平行な上流側カム溝97L,97Rと下流側カム溝99L,99Rを備えている。さらに、カム溝95L,95Rは、前記上流側カム溝97L,97Rと下流側カム溝99L,99Rとを連結した傾斜カム溝101L,101Rを備えている。左右の前記上流側カム溝97L,97Rの間隔寸法よりも下流側カム溝99L,99Rの間隔寸法の方が大きく設けてある。したがって、左右の傾斜カム溝101L,101Rの間隔寸法は、上流側の間隔寸法よりも下流側の間隔寸法が次第に大きくなるように構成してある。
【0041】
したがって、前記左右のスライドプレート27L,27Rが上流側から次第に下流側へ移動するとき、左右の昇降フレーム47L,47Rも一体的に同方向に移動し、この左右の昇降フレーム47L,47Rに左右方向へのみ移動自在に支持されたローラ支持ビーム83A,83B:85A,85Bも一体的に下流側へ移動される。上述のように昇降フレーム47L,47Rと一体的にローラ支持ビーム83A,83B:85A,85Bが下流側へ移動されるとき、ローラ支持ビーム83B,85B:83A,85Aと一体的な左右の連結部材89L,89Rも一体的に下流側へ移動する。
【0042】
よって、左右の連結部材89L,89Rに備えた左右のカムフオロア91L,91Rが左右のカムプレート93L,93Rに備えたカム溝95L,95Rに沿って移動することとなり、ローラ支持ビーム83A,85Aは、図3において次第に右方向へ移動し、ローラ支持ビーム83B,85Bは次第に左方向へ移動することになる。既に理解されるように、前記ローラ支持ビーム83A,85A:83B,85Bは、前記左右のスライドプレート27L,27Rが前後動することにより、互いに左右方向の反対方向へ同期的に移動するものである。
【0043】
前記ローラ支持ビーム83A,85Aの下部には、前記クロワッサン生地1におけるスリットSの右側方の底辺部側に相当する右側部分1Rを右側外方向へ延展するための適数の右側の延展ローラ103Rがブラケット105を介して一体的に備えられている。また前記ローラ支持ビーム83B,85Bの下部には、前記クロワッサン生地1におけるスリットSの左側の底辺部側に相当する左側部分1Lを左側外方向へ延展するための適数の左側の延展ローラ103Lがブラケット105を介して一体的に備えられている。
【0044】
前記ローラ支持ビーム83A,83Bに備えた前記左右の延展ローラ103L,103R及びローラ支持ビーム85A,85Bに備えた左右の延展ローラ103L,103Rは、前記コンベアベルト3の搬送方向(前後方向)に見て同一位置において左右方向に対向してある。なお、左右の延展ローラ103L,103Rは、左右方向に最接近した位置においては、前記クロワッサン生地1において広げられたスリットSの角部SC(図3参照)をも押圧することができるものである。
【0045】
換言すれば、前記スリット広げ装置5は、クロワッサン生地1に形成したスリットSを、当該スリットSの前記角部SCが前記延展ローラ103L,103Rによって押圧され得る程度の間隔に広げればよいものである。したがって、スリット広げ装置5は、クロワッサン生地1に形成したスリットSを、前記角部SCが左右の延展ローラ103L,103Rによって押圧される程度に広げればよいものであるから、スリット広げ装置5によってスリットSを広げるときに、クロワッサン生地1に損傷を与えるようなことはないものである。
【0046】
前記側方向延展装置7に備えた左右の延展ローラ103L,103Rによってクロワッサン生地1におけるスリットSの両側部分1L,1Rを両側外方向へ延展するときに、前記クロワッサン生地1における頂部側を押える押え部材107(図1参照)が備えられている。すなわち、左右の前記昇降フレーム47L,47Rにおける昇降プレート76L,76Rには、前記後側の一対のローラ支持ビーム85A,85Bよりも上流側(後側)において前記支持プレート19L,19Rの前記大穴81L,81Rを貫通した連結ビーム109(図3参照)の左右両端部がそれぞれ連結してある。そして、この連結ビーム109の前記延展ローラ103L,103Rの対応した位置には、クロワッサン生地1を押えるローラなどのごとき前記押え部材107(図1,2参照)が備えられている。なお、図1,2には模式的に図示してある。
【0047】
また、前側の一対のローラ支持ビーム83A,83Bよりも上流側(後側)には左右方向に長い連結ビーム111が配置してあり、この連結ビーム111の前記延展ローラ103L,103Rに対応した位置に前記押え部材107と同様の押え部材が備えられている。なお、上記連結ビーム111の左右両端部は、左右の前記支持プレート19L,19Rの前記大穴81L,81R及び左右の前記スライドプレート27L,27Rに形成した窓27Wを上下動可能に貫通して左右の前記昇降フレーム47L,47Rの昇降プレート76L,76Rにそれぞれ連結してある。
【0048】
したがって、前記延展ローラ103L,103Rによってクロワッサン生地1における左右両側部分1L,1Rを延展すべく左右の昇降フレーム47L,47Rを下降すると、前後の連結ビーム111,109も同時に下降され、この連結ビーム111,109に備えた押え部材107でもってクロワッサン生地1を押えることになる。よって、前記延展ローラ103L,103Rを左右方向へ移動してクロワッサン生地1の左右両側部分1L,1Rを左右方向へ延展するとき、クロワッサン生地1は、前記押え部材107によって定位置に保持されているものである。
【0049】
前記側方向延展装置(第1の延展装置)7によってクロワッサン生地1における左右両側部分1L,1Rを左右両側方向に延展した後に、当該クロワッサン生地1における延展残余の部分、すなわち三角形のクロワッサン生地1における頂部側部分1Tを三角形の頂部側へ延展する前記頂部側延展装置(第2の延展装置)9は、図1,2に概念的、概略的であって模式的に示すように、前記コンベアベルト3と下流の搬送コンベアベルト113との間に配置してある。
【0050】
前記頂部側延展装置9は、前記コンベアベルト3と搬送コンベアベルト113との間においてクロワッサン生地1を下側から支持する下ローラ115を回転自在に備えていると共に、当該下ローラ115に対して上下に位置調節自在かつモータ(図示省略)によって回転される上ローラ117を備えている。さらに、前記上ローラ117の上流側には、前記コンベアベルト3によって搬送されて来たクロワッサン生地1を前記コンベアベルト3に押圧する押圧ローラ119が回転自在に備えられている。この押圧ローラ119は、前記上ローラ117と一体的に上下動可能に備えられている。
【0051】
前記押圧ローラ119の周速は、前記コンベアベルト3の搬送速度とほぼ同一の速度に調節自在に設定されている。そして、前記下ローラ115の周速及び搬送コンベア113の搬送速度は、前記コンベアベルト3の搬送速度よりも速い速度に調節自在に設定されている。
【0052】
前記頂部側延展装置9は、前記食品生地(クロワッサン生地)1の頂部側部分1Tを頂部側へより長く延展するものであって、前記側方向延展装置7から食品生地1が移送(搬送)されてくる際には、前記押圧ローラ119及び上ローラ117は上昇した状態にあり、待機状態にある。そして、前記食品生地1の左右外側方向へ延展された両側部分1L,1Rが前記下ローラ115上に達すると、前記押圧ローラ119及び上ローラ117が所望の高さ位置まで下降されて、食品生地1を押圧することになる。
【0053】
したがって、食品生地1における頂部側部分1Tが前記押圧ローラ119によってコンベアベルト3へ押圧されると共に、上下のローラ117,115に挟圧され、かつ搬送コンベア3によって引っ張られる態様となって、前記頂部側部分1Tは頂部側へ長く延展されるものである。
【0054】
以上のごとき構成において、予め大略三角形状に切断され、かつ底辺中央部にスリットSを形成したクロワッサン生地1が底辺側が下流側となるように指向して、コンベアベルト3によって下流側へ搬送すると、スリット広げ装置5の上流側に備えた近接スイッチなどの検出センサS1(図2参照)によってクロワッサン生地1が検出される。そして、検出センサS1によって検出してから所定時間経過して、クロワッサン生地1がスリット広げ装置5の下方位置に位置すると、制御装置(図示省略)の制御の下に、当該スリット広げ装置5に備えた左右一対の生地保持部材としての針保持部材5L,5Rが下降すると共に中央の針保持部材5Sが下降してクロワッサン生地1に針を刺す。その後、左右の針保持部材5L,5Rが左右方向へ移動することにより、前記クロワッサン生地1におけるスリットSが左右方向に広げられるものである。この際、中央の針保持部材5Sが前記クロワッサン生地(食品生地)1のほぼ中央部を保持しているので、食品生地1は左右方向に振られるようなことがなく、定位置に保持されているものである。
【0055】
なお、前記スリット広げ装置5によってクロワッサン生地1におけるスリットSを左右方向に広げるときには、スリット広げ装置5をコンベアベルト3と同期して移動することが望ましいものである。上記スリット広げ装置5の構成としては、前記特許文献1に記載の構成と同様の構成であってもよいが、前述した側方向延展装置7に準じた構成とすることも可能である。すなわち、前記側方向延展装置7におけるローラ支持ビーム83A,83Bに相当する支持ビームを備え、前記延展ローラ103L,103Rに代えて針保持部材5L,5Rを上記支持ビームに備えた構成とすることも可能である。
【0056】
前述のごとく、スリット広げ装置5によってスリットSを左右方向に広げられたクロワッサン生地1は、所定時間経過後には側方向延展装置7に対応した位置に達する。そして、側方向延展装置7に対応した位置にクロワッサン生地1が達すると、すなわちスリットSが広げられて所定時間経過すると、駆動モータ29が回転されて、左右のスライドプレート27L,27Rが下流側へ移動され、当該スライドプレート27L,27Rの下流方向への移動とコンベアベルト3による食品生地1の移送速度(搬送速度)が同期して等速になると、回動軸57が回転されて、前述したように左右の昇降フレーム47L,47Rが下降され、当該昇降フレーム47L,47Rに支持された前後のローラ支持ビーム83A,83B:85A,85Bが下降されると共に前後の連結ビーム109,111が下降される。
【0057】
前述のごとく前後のローラ支持ビーム83A,83B:85A,85Bが下降されると、各ローラ支持ビーム83A,83B:85A,85Bに備えた左右の延展ローラ103L,103Rがクロワッサン生地1における広げられたスリットS内に位置するようにクロワッサン生地1をコンベアベルト3に押圧する。また前後の連結ビーム109,111が下降されることにより、各連結ビーム109,111に備えた押え部材107でもって三角形状のクロワッサン生地1の頂部側をコンベアベルト3に押圧する。
【0058】
前述のように、左右の延展ローラ103L,103Rによってクロワッサン生地1を押圧した状態において、左右のスライドプレート27L,27Rが次第に下流側(前側)へ移動されると、前記ローラ支持ビーム83A,85Aの右端部を連結した連結部材89Rに備えたカムフォロア91R及び前記ローラ支持ビーム83B,85Bの左端部を連結した連結部材89Lに備えたカムフォロア91Lは、左右のカムプレート93R,93Lに備えたカム溝95R,95Lに沿って次第に下流側へ移動する。したがって、ローラ支持ビーム83A,85Aに備えた右側の延展ローラ103Rは次第に右方向へ移動し、かつローラ支持ビーム83B,85Bに備えた左側の延展ローラ103Lは次第に左方向へ移動する。
【0059】
したがって、クロワッサン生地1におけるスリットSの左側の部分1L及び右側の部分1Rはそれぞれ左右方向に延展されることになる。この際、クロワッサン生地1は、押え部材107によってコンベアベルト3へ押圧されているので、左右方向へ移動するようなことがなく常に安定状態に保持されているものである。
【0060】
なお、前述のごとく、クロワッサン生地(食品生地)1の左右両側部分1L,1Rを左右両側外方向へ延展する際、前記回転軸57を回転するモータの回転を制御して、前記昇降フレーム47L,47Rの下降位置を制御することにより、前記左右の両側部分1L,1Rの延展厚さを調節することができる。
【0061】
換言すれば、前記昇降フレーム47L,47Rの下降位置を調節することにより、食品生地1の左右両側部分の厚さを調節することができると共に、左右両側部分1L,1Rの左右方向への広がり具合、すなわち延展された後の左右方向への長さを調節することが可能である。
【0062】
そして、前記スライドプレート27L,27Rに備えたドグが下流側のオーバラン検出用のリミットスイッチ(センサ)LS1(図6参照)に近接すると、当該リミットスイッチLS1が作動される前に、制御装置の制御の下にスライドプレート27L,27Rの下流側への移動が停止されると共に、前記昇降フレーム47L,47Rが上昇されて、元の上流側のオーバラン検出用のリミットスイッチ(センサ)LS2がドグによって作動される直前の位置へ復帰されるものである。
【0063】
なお、前記スライドプレート27L,27Rの前後方向の位置は、前方向への移動開始位置を基準位置として、前記駆動モータ29又は前記駆動軸31の回転を、ロータリーエンコーダなどのごとき検出手段により検出することにより、容易に検知できるものである。
【0064】
前記側方向延展装置7によって左右両側方向に延展された後のクロワッサン生地1がコンベアベルト3によって頂部側延展装置9へ移動されるとき、頂部側延展装置9に備えた検出センサS2によってクロワッサン生地1が検出される。
【0065】
そして、検出センサS2がクロワッサン生地1を検出してから所定時間経過すると、上昇位置に待機していた押圧ローラ119及び上ローラ117が予め設定されている所望高さ位置に下降され、前記クロワッサン生地1の頂部側部分1Tを押圧することになる。すなわち、食品生地1の延長残余の部分である頂部側部分1Tは、押圧ローラ119によってコンベアベルト3に押圧された状態を保持しつつ上下のローラ117,115によって挟圧され、かつ搬送コンベア113によって引っ張られる態様となって頂部側へ延展されることになる。
【0066】
この際、上下のローラ117,115の間隙を調節することにより延展厚さが調節できると共に頂部側への延展後の長さを調節することができるものである。
【0067】
前述のごとく第1,第2の延展装置7,9によって延展された後のクロワッサン生地1は、巻き上げ装置11へ搬入され、この巻き上げ装置11において、図1に示すように、中央部1Aの径よりも左右両側部1Bの径が極端に小さく、かつ前記中央部1Aの左右方向の長さ寸法よりも左右両端部1Bの左右方向への長さ寸法が長い直線状のクロワッサン1Cが得られるものである。
【0068】
ところで、前記説明においては、前後のローラ支持ビーム83A,83B:85A,85Bに備えた左右の延展ローラ103L,103Rによって左右方向への延展を行う旨説明した。すなわち、前後方向に2列の延展ローラ103L,103Rを備えた場合について説明したが、図1,2に模式的に示したように、延展ローラ103L,103Rは前後方向に1列であってもよいものである。
【0069】
なお、コンベアベルト3の搬送速度と前記延展ローラ103L,103R等の搬送方向への移動速度との同期化を図る上においては、前記延展ローラ103L,103Rを前後方向に複数列備え、前後方向に複列のクロワッサン生地1を同時に左右方向へ延展する構成とすることが望ましいものである。すなわち、前後方向に複数列のクロワッサン生地1を同時に延展する構成の場合には、左右のスライドプレート27L,27Rの前後方向への移動距離を長くすることができ、前記コンベアベルト3の搬送速度とスライドプレート27L,27Rとの同方向への移動速度との同期化が容易なものである。
【0070】
なお、前記構成において、第2の延展装置9を省略して、クロワッサン生地1におけるスリットSの左右両側部分1L,1Rのみを左右方向に延展する構成とすることも可能である。
【0071】
ところで、本発明は前述したごとき実施形態に限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他の態様でもって実施可能である。
【0072】
すなわち、前記実施形態においては、検出センサS1,S2によって食品生地1を検出する旨説明した。しかし、コンベアベルト3の回転をロータリーエンコーダ等により検出し、当該コンベアベルト3上の基準位置に載置された食品生地1の移動位置を、前記ロータリーエンコーダのパルスをカウンターによって計数し、この計数値から演算によって求めることも可能である。この場合、前記検出センサS1,S2を省略することができるものである。
【0073】
また、前記説明においては、食品生地としてクロワッサン生地の場合について例示したが、クロワッサン生地に限ることなく、その他の食品生地にも適用し得るものである。
【0074】
なお、三角形状の食品生地とは、大略三角形状を呈すればよいものであり、例えば、三角形の頂部側を切断して台形状に形成した場合であっても大略三角形状に属するものである。換言すれば、食品生地の巻き上げを開始する底辺側の幅寸法よりも頂部側の幅寸法が小さな形状の食品生地は大略三角形状を呈することになるものである。
【0075】
また、前記実施形態の説明においては、三角形状の食品生地1の底辺中央部にスリットSを形成し、かつ左右の延展ローラ103L,103Rによって食品生地1の左右両側部分を左右両外方向へ延展する場合について例示した。しかし、食品生地1の底辺側の左右両側部を1個の延展ローラによって左右方向へ延展することも可能である。
【0076】
すなわち、図7に模式的に示すように、大略三角形状の食品生地1を押え部材107によって押えた状態において、図7(a)に示すように、延展ローラ103Aを上記食品生地1の中央部よりも左側又は右側の一側寄りに位置させて、図7(b)に示すように、延展ローラ103Aを他側寄りへ移動することにより、食品生地1の底辺の右側部分を右外方句へ延展する。次に、図7(c),(d)に示すように、前記延展ローラ103Aを中央部付近から左方向へ移動することによって食品生地の左側部分を左外方向へ延展することも可能である。その後、食品生地1の延展残余の部分を頂部側延展装置9によって頂部側へ延展するものである。
【0077】
この場合、3方向への延展作用に時間差があるので、食品生地1の中央部付近への引っ張り応力の集中を回避することができ、大きく縮小することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 クロワッサン生地(食品生地)
1L,1R 左右両側部分
1T 頂部側部分
3 コンベアベルト
5 スリット広げ装置
7 第1の延展装置(側方向延展装置)
9 第2の延展装置(頂部側延展装置)
11 巻き上げ装置
17L,17R ベースプレート
19L,19R 支持プレート
27L,27R スライドプレート
31 駆動軸
33L,33R 駆動プーリ
35 従動軸
37L,37R 従動プーリ
39L,39R エンドレス部材
41L,41R,89L,89R 連結部材
47L,47R 昇降フレーム
51L,51R 昇降ビーム
53L,53R ガイド孔
59L,59R,63L,63R ラック
61L,61R,65L,65R ピニオン
71L,71R,73L,73R レバー
75L,75R 連結杆
76L,76R 昇降プレート
76W 窓
81L,81R 大穴
83A,83B,85A,85B ローラ支持ビーム
91L,91R カムフォロア
93L,93R カムプレート
95L,95R カム溝
103L,103R 延展ローラ
107 押え部材
109,111 連結ビーム
115 下ローラ
117 上ローラ
119 押えローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展する延展方法であって、三角形状の前記食品生地の底辺中央部に形成されたスリットを広げる工程と、広げられたスリットの両側方の底辺部側を両側外方向へ延展する工程と、前記食品生地の延展された底辺部付近から頂部側部分の延展残余の部分を頂部側へ延展する工程と、を備えていることを特徴とする食品生地の延展方法。
【請求項2】
予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展する延展方法であって、上記食品生地の底辺中央部付近から右側部分を右外方向へ延展する工程と、前記食品生地の底辺中央部付近から左側部分を左外方向へ延展する工程と、大略三角形状の前記食品生地の延展残余の部分を頂部側へ延展する工程と、を備えていることを特徴とする食品生地の延展方法。
【請求項3】
予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展するための延展装置であって、三角形状の前記食品生地の底辺中央部に形成されたスリットの両側方位置を保持して互いに離反する方向へ移動自在の一対の生地保持部材を備えたスリット広げ装置と、前記スリット広げ装置によって広げられたスリットの両側方の底辺部側を押圧して互いに両側外方向へ移動自在の一対の延展ローラを備えた第1の延展装置とを備えていることを特徴とする食品生地の延展装置。
【請求項4】
予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展するための延展装置であって、三角形状の前記食品生地の底辺中央部に形成されたスリットの両側方位置を保持して互いに離反する方向へ移動自在の一対の生地保持部材を備えたスリット広げ装置と、前記スリット広げ装置によって広げられたスリットの両側方の底辺部側を押圧して互いに両側外方向へ移動自在の一対の延展ローラを備えた第1の延展装置と、上記第1の延展装置によって延展された部分から三角形状の前記食品生地の頂部側部分の延展残余の部分を頂部側へ延展する第2の延展装置とを備えていることを特徴とする食品生地の延展装置。
【請求項5】
予め大略三角形状に形成された食品生地をより大きな三角形状に延展するための延展装置であって、前記食品生地の底辺中央部付近から右側部分を右外方向へ延展する延展ローラと上記底辺中央部付近から左側部分を左外方向へ延展する延展ローラとを個別に又は共通に備えた第1の延展装置を備え、前記食品生地の延展残余の部分を頂部側へ延展する第2の延展装置を備えていることを特徴とする食品生地の延展装置。
【請求項6】
請求項3、4又は5に記載の食品生地の延展装置において、前記第1の延展装置に、三角形状の食品生地の頂部側を押さえるための押え部材を備えていることを特徴とする食品生地の延展装置。
【請求項7】
請求項3、4、5又は6に記載の食品生地の延展装置において、前記第1の延展装置は、前記食品生地の搬送方向に2列備えていることを特徴とする食品生地の延展装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−172228(P2010−172228A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16377(P2009−16377)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】