説明

食肉のしもふり状態の数値化方法、食肉のしもふり状態の数値化装置、及びプログラム

【課題】牛肉、豚肉、馬肉等の食肉のしもふり状態を容易に数値化でき、食肉のしもふり状態を客観的な基準により具体的な数値で、評価することができる食肉のしもふり状態の数値化方法、装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】
食肉のしもふり状態の数値化方法は食肉断面の2値画像を原画像として取得し(S20)、原画像に対して端点を保持するようにして5回縮退処理して縮退処理画像を得た後(S30)、該縮退処理画像を5回膨張処理して膨張処理画像を得る(S40)。次に原画像と膨張処理画像との差分画像を得る(S50)。その後、差分画像に基づき単位面積当たりの所定の大きさのコザシ数を得る(S60)。コザシ数、脂肪面積割合、及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出して数値化する(S70)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食肉のしもふり状態の数値化方法、食肉のしもふり状態の数値化装置、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、食肉の肉質を判別する方法としては、種々の提案がなされている。社団法人日本食肉格付協会では食肉格付における脂肪交雑等級(いわゆる霜降りの度合い)の判定において、格付員が牛脂肪交雑基準(BMS)と呼ばれる基準サンプルとの目視比較により判定している。この判定は、目視比較によっているため、複数の格付員間、又は全国に複数設置されている格付市場間において、判定結果に振れやばらつきが生じる虞れがある。また、脂肪交雑は胸最長筋についてのみしか判定されていないが、実際には複数の筋肉部位をみて売買されている。
【0003】
特許文献1では食肉断面の画像を小領域に分割し、濃度ヒストグラムによる判別2値化法によって各小領域の閾値を求め、これを各小領域の中心点の閾値とし、この閾値に基づいて距離に反比例した線形加重和によりすべての点の閾値を決定し、その閾値に基づいて2値化して、食肉の断面全体の2値画像を得る。そして、2値画像から形状が複雑な脂肪交雑粒子及び面積の狭い脂肪交雑粒子に注目した「形状特徴値」を抽出し、これらの情報を用いて食肉の肉質を判別するようにしている。具体的には、特許文献1では、0.01cm2〜1.0cm2の脂肪粒子の面積と、脂肪粒子の形状の複雑さから肉質としてBMSナンバーを推定するようにしている。
【0004】
特許文献2では、牛枝肉切開面の胸最長筋の透過反射率を測定し、特定の波長の吸光度の2次微分値を求め、重回帰式によって「脂肪量含量」を得ることによって食肉の品質を判定するようにしている。
【0005】
特許文献3では、検査対象の食肉に励起光として紫外線を照射し、その照射部分から発生する光のうち蛍光を受光して該蛍光による画像を作成し、その蛍光画像に基づいて脂肪交雑等級を判定するようにしている。
【0006】
非特許文献1では、牛肉の断面画像に対して複数回細線化が行われ、残った画像から線幅が1画素である細線が除去された後、残った画素数がカウントされることによりあらい脂肪交雑粒子を反映する数値を得るようにしている。そして、この数値に基づいて、「あらさ指数」を算出することが行われている。又、非特許文献2では、画像解析によって、カットされた牛肉に関して、「水分、粗タンパク質や粗脂肪重量」の推定を行うことが開示されている。
【特許文献1】特開2000−09792号公報
【特許文献2】特許3060059号
【特許文献3】特開2005−233636号公報
【非特許文献1】「画像解析による牛胸最長筋内脂肪交雑粒子のあらさに関する評価法の検討」、口田圭吾、鈴木三義、三好俊三、日本畜産学会報、73(1):9−17、2002
【非特許文献2】「画像解析によるカット牛肉の水分、粗タンパク質および粗脂肪重量の高精度な推定」、東北農研研報、米丸淳一、上田靖子、川手督也、渡邊彰、篠田満、100:67−73、2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、食肉に対する消費者ニーズは多様化しており、食肉の品質、特にしもふり状態についてより具体的に表示することが求められている。そして、食肉のおいしさの要因の一つとして、客観的にしもふり状態を数値化する方法が要望されている。
【0008】
しかしながら、社団法人日本食肉格付協会の食肉格付けにおける脂肪交雑等級の判定は、肉質等級として脂肪交雑の量と脂肪の質についての評価であり、食肉のしもふり状態(筋肉中の脂肪粒子の分布状態)の評価ではない。又、特許文献1〜3、及び非特許文献1、2についても、しもふり状態を評価するためのものではない。
【0009】
本発明の目的は、牛肉をはじめとして、豚肉、馬肉等の食肉の食味に多大な影響を及ぼすとされるしもふり状態を容易に数値化でき、食肉のしもふり状態を客観的な基準により具体的な数値で、評価することができる食肉のしもふり状態の数値化方法、装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、食肉断面の2値画像を原画像として得る段階と、前記原画像に対して、端点を保持するようにして複数回縮退処理して縮退処理画像を得る段階と、該縮退処理画像を、前記縮退処理した回数と同回数で、膨張処理して膨張処理画像を得る段階と、前記食肉断面の原画像と該膨張処理画像との差分画像を得る段階と、前記差分画像に基づいて、単位面積当たりの所定の大きさのコザシの数(以下、コザシ数という)を得る段階を含む食肉のしもふり状態の数値化方法を要旨とするものである。
【0011】
ここで、2値画像とは、ある点(画素)の濃度値が閾値よりも高ければその点は「1」(本発明の場合は、脂肪)とし、閾値以下であれぱ「0」(本発明の場合は赤肉)として0又は1のいずれかに2値化された画像である。又、画像処理において、縮退処理(収縮処理ともいう)とは、図形を区画している境界画素を背景図形の画素の濃度と同一濃度にすることをいうが、本発明では、端点を保持した状態で、その図形の連結性を損なわない点を背景図形の画素の濃度と同一濃度にしてこの処理を行う。すなわち、縮退処理が行われる場合は、脂肪部分の図形で画素幅が「1」になった部分は縮退処理は行われず、該図形における画素の連結性を失わないようにする。
【0012】
従って、本発明においての縮退処理では、端点となる画素は背景図形(すなわち、赤肉部分の図形)の画素の濃度とはならないため、縮退処理後の図形(すなわち、脂肪部分の図形)の画像の長さは変わらないことになる。又、本発明では、1回の縮退処理により図形の境界画素のうち、端点を除いた図形の各境界画素が、背景図形の画素濃度に変換されている(図9及び図10参照)。図9は縮退処理を行う前の画像(21×3画素の細長い図形)を表し、図10は端点を保持して1回分の縮退処理を行った画像(21×1画素の細長い図形)を示している。同様に、600画素の領域を持つ30×20画素の粒子を1回縮退処理すると、端点を保持した場合、図示はしないが30×18画素となる。この場合、540画素が最終的な画素数となる。
【0013】
なお、図形に長手方向(すなわち、長さ方向)と短手方向(すなわち、幅方向)がある場合、端点はその長さ方向の点をいうが、図形において長さ方向と短手方向が判然としない場合、例えば、円形の場合、任意の径方向に位置する点を端点とする。
【0014】
膨張処理は、図形の境界画素の周囲の画素(4近傍又は8近傍に図形の画素が存在する画素)を該図形の画素と同一濃度に変換する処理であり、端点を保持しないでこの処理が行われる。膨張処理回数を縮退処理回数と同回数とする理由は、後に、差分画像を取得する際に、脂肪の輪郭が残らないようにするためである。
【0015】
図11は、図10から1回分の膨張処理が行われた後の画像を示している。差分画像は、前記食肉断面の原画像から前記膨張処理画像の差を取ることにより得られる。なお、膨張処理画像の図形は、図形の端点が保持されずに膨張処理されているため、原画像の図形の長さよりも長くされているが、原画像から前記膨張処理画像の差を取っても、膨張処理画像において、原画像よりも図形が長くなっている部位は、原画像の画素濃度、すなわち、背景図形の画素濃度となる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1において、コザシ数、脂肪面積割合、及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出して数値化することを特徴とする。
【0017】
ここで、コザシ指数は、下記の式(1)で与えられる。
コザシ指数(f(x))=A*コザシ数+B*脂肪面積割合+C*全体の粒子のあらさ+D …(1)
ここで、「脂肪面積割合」は、2値化直後の脂肪領域の画素数を食肉全体の画素数で割り100を乗じたものである。
【0018】
「全体の粒子のあらさ」は、食肉全体の脂肪交雑のあらさを表している。「全体の粒子のあらさ」の求め方は、脂肪領域の図形の端点を保持して縮退処理を15回行い、画素幅が「1」の細線を除去した後の画素数を2値化直後の脂肪領域の画素数で割り、100を乗じたものである。
【0019】
なお、A,B,C,及びDは回帰係数である。コザシ指数は、式(1)からも明らかなように、コザシ数、脂肪面積割合、及び全体の粒子のあらさが反映された指数であって、総合的な細かさを示している。
【0020】
請求項3の発明は、撮像された食肉断面画像を2値化して2値画像を原画像として得る2値画像取得手段と、前記原画像を、端点を保持するようにして複数回縮退処理して縮退処理画像を得る縮退処理手段と、該縮退処理画像を、前記縮退処理した回数と同回数で、膨張処理して膨張処理画像を得る膨張処理手段と、前記原画像と該膨張処理画像との差分画像を得る差分画像取得手段と、前記差分画像に基づいて、単位面積当たりの所定の大きさのコザシの数(以下、コザシ数という)を算出するコザシ数算出手段とを備えた食肉のしもふり状態の数値化装置を要旨とするものである。
【0021】
請求項4の発明は、請求項3において、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを記憶する記憶手段と、前記コザシ数、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出するコザシ指数算出手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項5の発明は、コンピュータを、撮像された食肉断面画像を2値化して2値画像を原画像として得る2値画像取得手段と、前記原画像を、端点を保持するようにして複数回縮退処理して縮退処理画像を得る縮退処理手段と、該縮退処理画像を、前記縮退処理した回数と同回数で、膨張処理して膨張処理画像を得る膨張処理手段と、前記原画像と該膨張処理画像との差分画像を得る差分画像取得手段と、前記差分画像に基づいて、単位面積当たりの所定の大きさのコザシの数(以下、コザシ数という)を算出するコザシ数算出手段として機能させるためのプログラムを要旨とするものである。
【0023】
請求項6の発明は、請求項5において、コンピュータを、さらに、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを記憶する記憶手段と、前記コザシ数、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出するコザシ指数算出手段として機能させるためのプログラムを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0024】
請求項1及び請求項2の発明によれば、牛肉をはじめとして、豚肉、馬肉等の食肉の食味に多大な影響を及ぼすとされるしもふり状態を容易に数値化でき、食肉のしもふり状態を客観的な基準により具体的な数値、すなわち、コザシ数やコザシ指数で評価することができる。この結果、新しい改良形質として旧来の育種手法に取り込むことが可能である。又、食肉の種類を問わず、食肉全般のしもふり状態についての数値化が可能となる。さらに、食肉に対する消費者ニーズは多様化しており、食味に多大な影響を及ぼすとされるしもふり状態を数値化することによりその数値を流通現場において、広く利用されることが期待できる。
【0025】
請求項3及び請求項4の発明によれば、前述のコザシ数やコザシ指数を容易に得ることができる食肉のしもふり状態の数値化装置を提供することができる。
又、請求項5及び請求項6の発明によれば、前述のコザシ数やコザシ指数を容易に得ることができる食肉のしもふり状態の数値化することができるプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜8を参照して説明する。
まず、食肉(たとえば、牛肉の断面)を撮像手段にて撮像する。撮像手段としては、CCDカメラや、デジタルカメラ等を挙げることができ、最終的にデジタル化できるものであれば限定されない。例えば、アナログカメラで撮像した後、フィルムをスキャナーで読みとってデジタル画像としてコンピュータに取り込んでもよい。
【0027】
図1は食肉のしもふり状態の数値化装置としてのコンピュータ10の概略図を示している。同図に示すようにコンピュータ10は、そのCPU11(中央処理装置)、ROM12、及びRAM13がバス14を介して接続されている。ROM12には、食肉のしもふり状態の数値化プログラムや、各種制御プログラムが格納されている。RAM13はCPU11の作業用メモリである。又、コンピュータ10は、ハードディスク等からなる記憶装置15、入力手段としてキーボード16、表示手段としての表示装置17、及びコンパクトフラッシュ(登録商標)、SDカード(登録商標)等のメモリの読み出し書き込み可能なカードリーダ18が接続されている。本実施形態では、CPU11は、2値画像取得手段、縮退処理手段、膨張処理手段、差分画像取得手段、カウント手段、及びコザシ指数算出手段に相当する。又、ROM12は記憶手段に相当する。
【0028】
本実施形態では、デジタルカメラで撮像した食肉断面画像を、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDカード(登録商標)等のメモリをカードリーダ18でコンピュータ10に取り込みし、記憶装置15に一旦記憶する。
【0029】
そして、食肉のしもふり状態の数値化プログラムをキーボード16の入力により起動する。図2は、食肉のしもふり状態の数値化プログラムである。
CPU11は、S10において、記憶装置15に格納された食肉断面画像(図3参照)を読込み、S20において、該食肉断面画像を2値化して2値画像を得る。本実施形態での食肉断面画像は、黒毛和種肥育牛のロース芯の断面画像である。この2値画像を以下、原画像という(図4参照)。続くS30では、CPU11は原画像のうち、脂肪部分に相当する図形の端点を保持して縮退処理を複数回行い、縮退処理画像を取得する(図5参照)。なお、本実施形態では、縮退処理の回数は5回である。次にS40において、CPU11は前記縮退処理画像に対して、画素幅が「1」画素である細線を除去し、残った画像に対して縮退処理した回数と同回数の膨張処理を行い膨張処理画像を取得する(図6参照)。
【0030】
次に、S50において、CPU11は原画像と前記膨張処理画像の差分を取り、差分画像を取得する(図7参照)。なお、膨張処理画像の脂肪部分に相当する図形は、図形の端点が保持されずに膨張処理されているため、原画像の図形の長さよりも長くされている。この長くされている部分を以下、付加部分という。そして、原画像から膨張処理画像の差を取って得られた差分画像においては、前記付加部分は原画像の背景図形(すなわち、赤肉部分に相当する部位)の画素濃度となる。この差分を取ることによって種々の大きさの細かい脂肪交雑粒子の画像を得ることができる。
【0031】
続いて、S60において、CPU11は得られた差分画像を使用して、前記脂肪交雑粒子の中から図8に示すように0.01cm2(=1mm×1mm)〜0.5cm2(≒7mm×7mm)サイズのものを表示するようにフィルタ処理する。このときに表示されている脂肪交雑粒子を、以下、コザシという。そして、CPU11は、このようにフィルタ処理されて抽出されたコザシの数をカウントし、そのカウントして得られた値を画像解析対象の食肉の断面積で割ることにより、単位面積当たりのコザシ数を算出する。このようにコザシ数は、差分画像の中における単位面積当たりの所定の大きさのコザシ数である。次に、S70において、CPU11は下記の重回帰式にてコザシ指数を算出する。
【0032】
コザシ指数(f(x))=A*コザシ数+B*脂肪面積割合+C*全体の粒子のあらさ+D …(1)
なお、A,B,C,及びDは回帰係数であり、重回帰分析により予め求めたものである。又、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさは、予めROM12に格納されているものとし、コザシ指数の算出時にCPU11により読み出される。上記のようにして、コザシ数と、コザシ指数を得ることができる。
【0033】
上記実施形態の特徴を下記に説明する。
(1) 本実施形態の食肉のしもふり状態の数値化方法は、食肉断面の2値画像を原画像として取得し(S20)、前記原画像に対して、端点を保持するようにして5回縮退処理して縮退処理画像を得た後(S30)、該縮退処理画像を、5回膨張処理して膨張処理画像を得た(S40)。そして、前記原画像と膨張処理画像との差分画像を得るようにした(S50)。そして、その後、該差分画像に基づいて、単位面積当たりの所定の大きさのコザシ数を得るようにした(S60)。この結果、食肉のしもふり状態を容易に数値化でき、食肉のしもふり状態を客観的な基準によりコザシ数を容易に得ることができる。そして、コザシ数で食肉を評価することができるため、新しい改良形質として旧来の育種手法に取り込むことが可能となる。又、食肉の種類を問わず、まぐろ等の魚肉を含む食肉全般のしもふり状態についての数値化が可能である。又、食肉に対する消費者ニーズは多様化しており、食味に多大な影響を及ぼすとされるしもふり状態を数値化することによりその数値を流通現場において、広く利用されることが期待できる。
【0034】
(2) 又、本実施形態の食肉のしもふり状態の数値化方法は、前記コザシ数、脂肪面積割合、及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出して数値化するようにした(S70)。この結果、総合的なしもふり状態を表すコザシ指数を容易に得ることができる。このコザシ指数が得られることにより、食肉のしもふり状態を客観的な基準により具体的な数値となるので、主観的な場合よりもばらつきなく、総合的なしもふり状態を示すことができる。この結果、コザシ数と同様に新しい改良形質として旧来の育種手法に取り込むことが可能となる。又、食肉の種類を問わず、食肉全般のしもふり状態についての数値化が可能である。又、食肉に対する消費者ニーズは多様化しており、食味に多大な影響を及ぼすとされるしもふり状態を数値化することによりその数値を流通現場において、広く利用されることが期待できる。
【0035】
(3) 本実施形態のコンピュータ10は、CPU11が、2値画像取得手段として撮像された食肉断面画像を2値化して2値画像を原画像として得るようにし、縮退処理手段として前記原画像を、端点を保持するようにして5回縮退処理して縮退処理画像を得るようにしている。又、CPU11は、膨張処理手段として前記縮退処理画像を、5回で膨張処理して膨張処理画像を得るようにし、差分画像取得手段として前原画像と該膨張処理画像との差分画像を得るようにした。そして、CPU11はコザシ数算出手段として前記差分画像に基づいて単位面積当たりの所定の大きさのコザシ数を算出するようにした。この結果、コザシ数を容易に得ることができる食肉のしもふり状態の数値化装置を提供することができる。
【0036】
(4) 又、本実施形態のコンピュータ10はROM12に脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを記憶させるようにし、CPU11はコザシ指数算出手段として前記コザシ数、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出するようにした。この結果、コザシ指数を容易に得ることができる食肉のしもふり状態の数値化装置を提供することができる。
【0037】
(5) 又、本実施形態の食肉のしもふり状態の数値化プログラムは、コンピュータ10を、撮像された食肉断面画像を2値化して2値画像を原画像として得る2値画像取得手段とし、又、前記原画像を、端点を保持するようにして5回縮退処理して縮退処理画像を得る縮退処理手段とするようにしている。さらに、前記プログラムは、コンピュータ10を、該縮退処理画像を5回膨張処理して膨張処理画像を得る膨張処理手段とし、前記原画像と該膨張処理画像との差分画像を得る差分画像取得手段とするようにした。そして、前記プログラムは、コンピュータ10をコザシ数算出手段として、前記差分画像に基づいて単位面積当たりの所定の大きさのコザシ数を算出するコザシ数算出手段として機能させるようにした。この結果、前記コザシ数を容易に得ることができる食肉のしもふり状態の数値化することができるプログラムを提供することができる。
【0038】
(6) 又、本実施形態の食肉のしもふり状態の数値化プログラムは、コンピュータ10のROM12を、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを記憶する記憶手段とし、CPU11をコザシ指数算出手段として前記コザシ数、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出するようにした。この結果、コザシ指数を容易に得ることができる食肉のしもふり状態の数値化することができるプログラムを提供することができる。
【実施例】
【0039】
次に、実施例について説明する。本実施例では、黒毛和種肥育牛(45頭)についてコンピュータ10を使用してカウントしたコザシ数及びコザシ指数の評価を行った。なお、縮退処理、膨張処理(回数は除く)、差分画像を得る処理、コザシ数のカウント処理、及びコザシ指数の算出処理の順序は、前記実施形態で説明した通りに、コンピュータ10の処理で行った。
【0040】
(1.使用装置類)
45頭の黒毛和種肥育牛のロース芯の食肉断面画像として、それぞれ枝肉横断画面画像を、1300万画素数(≒4536×3024ピクセル)のデジタルカメラにより得、それを前記コンピュータ10によりコザシ数のカウントと、コザシ指数の算出を行った。
【0041】
(1−1.脂肪交雑粒子の細かさを評価するための指標)
人間による脂肪交雑粒子の細かさを評価するための指標は、肉質評価に携わる研究員7人に細かさの評価を依頼した。
【0042】
(2.研究員7人による評価方法)
ある地域に出荷された45頭の枝肉横断画面画像について、研究員が脂肪交雑粒子の細かさを目視で1〜45までの順位を決定する。細かい脂肪交雑粒子が多いほど、評価を高くし、最多のものを1位とし、細かい脂肪交雑粒子が少ないものほど評価を低くし、最少のものを45位とした。そして、各研究員が評価対象の牛肉に付した順位の平均値をその評価対象の牛肉の順位(平均順位)とした(表1参照)。
【0043】
【表1】

(3.コンピュータ10によるコザシ数、順位の算出)
45頭の枝肉横断画面画像を使用して、コンピュータ10によりそれぞれ縮退処理回数を5回、10回、15回をそれぞれ行った。ここで、15回縮退処理を行った場合は、その後の膨張処理を行うには、十分な画像が得られなかった。又、縮退処理を10回行った後、10回膨張処理を行った場合は評価するために十分な画像が得られなかった。
【0044】
以下には、脂肪交雑粒子サイズを第1〜第5グループに分けて、下記の処理を行うとともに、各評価対象の牛肉について、2値画像と下記膨張処理後の膨張処理画像との差分画像から、下記の脂肪交雑粒子サイズをカウントして単位面積(=1cm2)当たりのコザシ数を、「脂肪交雑粒子の細かさ」として算出した。そして、この算出した「脂肪交雑粒子の細かさ」に45頭中の順位を、数値の大きいものから順にコンピュータ10に付した。
【0045】
1)第1グループ:5回縮退処理→5回膨張処理で、脂肪交雑粒子サイズは、0.005〜0.5cm2のグループ
2)第2グループ:10回縮退処理→10回膨張処理で、脂肪交雑粒子サイズは、0.005〜0.5cm2のグループ
3)第3グループ:5回縮退処理→5回膨張処理で、脂肪交雑粒子サイズは、0.01〜0.1cm2のグループ
4)第4グループ:10回縮退処理→10回膨張処理で、脂肪交雑粒子サイズは、0.01〜0.1cm2のグループ
5)第5グループ:5回縮退処理→5回膨張処理で、脂肪交雑粒子サイズは、0.01〜0.5cm2のグループ
(各グループの相関係数)
研究員が付した各グループの各評価対象の牛肉の順位(平均順位)と、コンピュータ10が算出した各グループの各評価対象の牛肉の順位との相関係数を算出すると、下記の結果であった。
【0046】
第1グループ:−0.49529
第2グループ:−0.12743
第3グループ:−0.49715
第4グループ:−0.01430
第5グループ:−0.50808
この結果、第5グループで行った、5回縮退処理→5回膨張処理で、脂肪交雑粒子サイズは、0.01〜0.5cm2で、脂肪交雑粒子の細かさを評価する場合が、研究員による評価と最も相関が高いことが分かった。表1には、第5グループでの、実際のコンピュータ10によって付けられた牛肉の順位と研究員による付けられた牛肉の順位(平均順位)が示されている。
【0047】
(コザシ指数の算出)
又、コンピュータ10によって、前記コザシ数、脂肪面積割合、全体の粒子のあらさに基づいて、前記式(1)を使用して、各グループの各評価対象の牛肉に対してコザシ指数を算出する。
【0048】
コザシ指数(f(x))=A*コザシ数+B*脂肪面積割合+C*全体の粒子のあらさ+D …(1)
なお、脂肪面積割合は、2値化直後の脂肪交雑粒子の画素数をロース芯全体の画素数で割り100を乗じることによりCPU11により予め算出しておくものとする。又、全体の粒子のあらさは、CPU11により脂肪交雑粒子を端点を保持して縮退処理する処理を15回行い、その後、CPU11により画素幅が「1」の細線を除去した後の画素数を2値化直後の脂肪交雑粒子の画素数で割り、100を乗じることにより算出しておくものとする。
【0049】
本実施例では、式(1)中、A=−7.14936、B=−0.89906、C=0.99981、D=83.55901である。
このようにして、各グループのコザシ指数を評価対象の牛肉に対して算出することにより各評価対象にコザシ指数を付与することができる。又、このコザシ指数を使用することによりその牛肉の食味に多大な影響を及ぼすとされるしもふり状態が数値化ができ、このコザシ指数によりその牛肉のしもふり状態を客観的に評価することができる。
【0050】
表1では、牛肉の番号1〜45において、コザシ指数をコンピュータにより算出した結果が示されている。そして、このコザシ指数の大きさの順位と研究員によって付けられた牛肉の順位との相関係数は0.82946であるとともに、寄与率R2が0.68801であり、統計的に5%水準で有意であり、かつ、使用できるものであることが分かる。
【0051】
また、数値化された「しもふり状態」は育種改良形質として扱うことが可能であり、DNAマーカーとの連鎖解析、遺伝子座の特定ならびにアニマルモデルBLUP法を用いた育種価算出等に活用することができる。その結果、和牛の特徴を強く保有する種畜の造成が期待できる。
【0052】
(縮退処理及び膨張処理回数について)
次に、縮退処理及び膨張処理回数について説明する。前述した実施例では、5回縮退処理→5回膨張処理の場合が、好適なコザシ数のカウントとコザシ指数の算出ができることを説明したが、ここで、5回以外の回数の適用の可能性について説明する。
【0053】
表2及び表3は、縮退処理及び膨張処理の回数(以下、説明の便宜上、単に処理回数という)が1〜10回と、種々の大きさの脂肪交雑粒子サイズとの組合せを検証した結果がそれぞれ表されている。
【0054】
試験条件は、実施例と同様の使用装置を使い、同じく45頭の黒毛和種肥育牛のロース芯の食肉断面画像を使用した。なお、処理回数が10回以上も試みたが、統計的及び肉眼的に画像を見た場合に不適当であったため表からは除外されている。これは、膨張処理回数が多くなると、脂肪交雑粒子の密度が高い場合(すなわち、粒子が多い場合)には、隣接した他の粒子に包含されてしまうため、コザシ数としてカウントされなくなってしまうためである。又、脂肪交雑粒子の密度が低い場合(すなわち、粒子が少ない場合)においては、膨張処理された脂肪交雑粒子が、大きくなりすぎて、やはりコザシ数としてカウントできなくなるためである。
【0055】
脂肪交雑粒子サイズは、0.001〜0.5、0.005〜0.5、0.01〜0.5、0.05〜0.5、0.1〜0.5、0.001〜0.1、0.005〜0.1、0.01〜0.1及び0.05から0.1の大きさの範囲である。脂肪交雑粒子サイズの単位はいずれもcm2である。ここで、0.005cm2は50画素分に相当し、肉眼的にノイズではないと判断できる最小単位である。0.005cm2未満では解析結果が非常に不安定であるため、0.005cm2以上が適当であることが分かった。又、0.5cm2の大きさの粒子は、5000画素(=0.5cm2(≒7mm×7mm))分に相当し、非常に大きな粒子であって、食肉の断面積において存在する数は数個程度である。又、0.5cm2を越える粒子はほとんど存在が認められなかった。
【0056】
表2ではP値(有意確率)が0.001以下のものが○で示され、P値(有意確率)が0.001を越えるものが「×」で示されている。
表3は、表2で示された同じ組合せにおいて、特に、共通の食肉断面に対して、前記実施例と同様に研究員が主観的に付した順位と、コンピュータで付した順位の相関係数が0.5以上となったものに対してその相関係数を入れた表である。
【0057】
又、検証の結果、表2に示すように脂肪交雑粒子サイズが0.01〜0.5cm2の場合、処理回数が5回〜8回で、統計的に0.1%水準で有意であり、このときの相関係数は−0.5近傍であることが分かった。従って、脂肪交雑粒子サイズが0.01〜0.5cm2の場合、前記実施例では処理回数が5回で行ったが、6〜7回で行っても、十分にコザシ数と、コザシ指数が得られることが分かる。
【0058】
脂肪交雑粒子サイズが0.01〜0.5cm2以外の脂肪交雑粒子サイズの場合においても、0.1%水準で、あって、かつ、相関係数が0.5以上であったものを表3に示すようにいくつかあることが分かる。すなわち、0.001〜0.5cm2では3〜5回の処理回数が、0.05〜0.5cm2では5〜9回の処理回数が、0.1〜0.5cm2では7〜9回の処理回数が、0.001〜0.1cm2では3〜5回の処理回数が、0.5〜0.1cm2では5〜8回の処理回数が適用可能である。上記に挙げた0.01〜0.5cm2以外の脂肪交雑粒子サイズは、本発明でいう所定の大きさのコザシであるということができ、これらのコザシにおいても本発明の適用が可能である。
【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

なお、本発明の実施形態及び実施例は前記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、下記のようにしてもよい。
【0061】
○ 前記実施例では、研究員が主観的に評価した牛肉の順位(1〜45位)に応じて、平均順位とコザシ指数との相関係数を算出して、その相関係数が統計的に5%水準で有意であり、かつ、使用できるものであることが分かる。従って、この実施例の場合、コザシ指数は数値が小さいほど、評価が高いものを意味する。しかし、順位ではなく、評価が高いものほどポイントを多くするようにした場合、例えば前記実施例の場合、最も評価の高いものを45ポイントつけ、最も評価低い場合を1ポイントとするようにした場合は、コザシ指数は数値が大きいほど評価が高いものとなる。このようにコザシ指数は、評価の方法に応じて、大小関係が逆転するとに留意されたい。いずれにしても、コザシ指数を客観的な評価の道具として使用することができる。
【0062】
○ 食肉に対する多様化する消費者ニーズに応える方法の一つとして、旧来の「肉質等級の5段階」に新たに「しもふり状態」を加えることで、食肉に関するより具体的な情報の消費者への提供が期待できる。
【0063】
○ 前記実施形態では、ROM12に脂肪面積割合、全体の粒子のあらさを格納するようにしたが、CPU11により算出された際、RAM13に格納するようにしてもよい。この場合、RAM13が、記憶手段となる。なお、記憶手段としては、CPU11に接続される記憶装置15としてもよい。
【0064】
○ なお、前記実施形態では、牛肉を評価対象としているが、他の食肉に対しても同様にしもふり状態の数値化ができることは勿論のことである。
例えば、前記実施例では、牛肉のロース芯について行ったが、牛肉のバラ、牛肉の内モモ、牛肉の友三角、牛肉の肩バラ、豚肉の豚トロ及び馬肉について、前記実施例と同一の装置及び方法(縮退処理・膨張処理の回数5回、粒子サイズ0.01〜0.5cm2)で行った結果は下記の表4の通りであった。
【0065】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】一実施形態における食肉のしもふり状態の数値化装置としてのコンピュータの概略図。
【図2】食肉のしもふり状態の数値化プログラムのフローチャート。
【図3】食肉断面画像を示す図。
【図4】図3を2値化した2値画像図。
【図5】5回縮退処理画像図。
【図6】5回膨張処理画像図。
【図7】図4の2値画像と図6の5回膨張処理画像の差分画像図。
【図8】0.01cm2(=1mm×1mm)〜0.5cm2(≒7mm×7mm)サイズのコザシ数が表示された差分画像図。
【図9】縮退処理を行う前の画像(21×3画素の細長い図形)を示す説明図。
【図10】端点を保持して1回分の縮退処理を行った画像(21×1画素の細長い図形)の説明図。
【図11】図10の状態から膨張処理を行った画像の説明図。
【符号の説明】
【0067】
10…コンピュータ
11…CPU(2値画像取得手段、縮退処理手段、膨張処理手段、差分画像取得手段、カウント手段、及びコザシ指数算出手段)、
12…ROM(記憶手段)
13…RAM
14…バス
15…記憶装置
16…キーボード
17…表示装置 18…カードリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉断面の2値画像を原画像として得る段階と、
前記原画像に対して、端点を保持するようにして複数回縮退処理して縮退処理画像を得る段階と、
該縮退処理画像を、前記縮退処理した回数と同回数で、膨張処理して膨張処理画像を得る段階と、
前記食肉断面の原画像と該膨張処理画像との差分画像を得る段階と、
前記差分画像に基づいて、単位面積当たりの所定の大きさのコザシの数(以下、コザシ数という)を得る段階を含む食肉のしもふり状態の数値化方法。
【請求項2】
前記コザシ数、脂肪面積割合、及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出して数値化することを特徴とする請求項1に記載の食肉のしもふり状態の数値化方法。
【請求項3】
撮像された食肉断面画像を2値化して2値画像を原画像として得る2値画像取得手段と、
前記原画像を、端点を保持するようにして複数回縮退処理して縮退処理画像を得る縮退処理手段と、
該縮退処理画像を、前記縮退処理した回数と同回数で、膨張処理して膨張処理画像を得る膨張処理手段と、
前原画像と該膨張処理画像との差分画像を得る差分画像取得手段と、
前記差分画像に基づいて、単位面積当たりの所定の大きさのコザシの数(以下、コザシ数という)を算出するコザシ数算出手段とを備えた食肉のしもふり状態の数値化装置。
【請求項4】
脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを記憶する記憶手段と、
前記コザシ数、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出するコザシ指数算出手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の食肉のしもふり状態の数値化装置。
【請求項5】
コンピュータを、
撮像された食肉断面画像を2値化して2値画像を原画像として得る2値画像取得手段と、
前記原画像を、端点を保持するようにして複数回縮退処理して縮退処理画像を得る縮退処理手段と、
該縮退処理画像を、前記縮退処理した回数と同回数で、膨張処理して膨張処理画像を得る膨張処理手段と、
前記原画像と該膨張処理画像との差分画像を得る差分画像取得手段と、
前記差分画像に基づいて、単位面積当たりの所定の大きさのコザシの数(以下、コザシ数という)を算出するコザシ数算出手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、さらに、
脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを記憶する記憶手段と、
前記コザシ数、脂肪面積割合及び全体の粒子のあらさを重回帰式に代入し、総合的なしもふり状態をコザシ指数として算出するコザシ指数算出手段として機能させるための請求項5に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−39610(P2008−39610A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−214844(P2006−214844)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年3月20日 社団法人 日本畜産学会発行の「日本畜産学会 第106回大会 講演要旨」に発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、農林水産省、先端技術を活用した農林水産研究高度化事業委託事業、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(391016842)岐阜県 (70)
【Fターム(参考)】