説明

飲み物調製機械用の加熱装置

飲み物調製機械用の加熱装置は、熱湯を形成するための第1の連続フローヒーター(4)と蒸気を発生させるための第2の連続フローヒーター(5)へ水を供給するための、少なくとも1つの水ポンプ(3)を有している。その場合に、第1の連続フローヒーター(4)は、必要な場合に、蒸気発生へ切り替え可能であり、かつ第2の連続フローヒーター(5)に付加接続可能である。同様に、第2の連続フローヒーター(5)は、必要な場合には、熱湯生成へ切り替え可能であり、かつ第1の連続フローヒーター(4)に付加接続可能である。制御装置(16)も、設けられており、その制御装置は、操作ユニット(17)における入力と加熱装置の先行する作動状態に従って、連続フローヒーター(4、5)の切替えと付加接続を制御するように設計されている。従来の器機に比較して、設けられている加熱装置の形態は、必要な場合に、比較的短時間に大量の熱湯または蒸気も調達することを、可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1に記載の飲み物調製機械用の加熱装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、水タンク、熱湯を形成するための第1の連続フローヒーターと蒸気を発生させるための第2の連続フローヒーターへ水を供給する、少なくとも1つの水ポンプを有する、飲み物調製機械用の加熱装置に関する。
【背景技術】
【0003】
熱湯と蒸気を調製するために独立した連続フローヒーターを使用することは、品質の変らない飲み物を効率的に形成することを可能にするので、今日一般的な、多くの飲み物調製機械において見られる。すなわち、特に個々の熱湯調製コンポーネントまたは蒸気調製コンポーネントの熱的慣性に基づいて、唯一の連続フローヒーターないし加熱部材のみによって熱湯も蒸気も形成することは、通常、難しいことが明らかにされている。しかし、それにもかかわらず、必要な場合には短時間で大量の熱湯または蒸気を調製することもできる、非工業用目的のための、構造的に簡単で確実に作動する飲み物調製機械を提供できるようにする、という需要がある。
【0004】
2つの加熱部材を有する飲み物調製機械の例は、特許文献1である。これは、2つの連続フローヒーターを備えた加熱ブロックとポンプを有するコーヒーマシンを示している。その場合に、第1の連続フローヒーターは、コーヒーを注出するための煮沸ヘッドと接続されており、第2の連続フローヒーターは、ミルクを加熱し、あるいは泡立たせるための蒸気ノズルと接続されている。この装置においては、それぞれ水で満たされる連続フローヒーターのみが、アクティブである。他方の連続フローヒーターは、熱いが、インアクティブに留まる。従ってここでは、(通常のように)それぞれの機能(熱湯生成または蒸気形成)への連続フローヒーターの固定的な対応づけが存在する。
【0005】
特許文献2は、同様に、ここでは3台の連続フローヒーターと1つのポンプを有するコーヒーマシンを示しており、その場合にここでも連続フローヒーターには明確な機能、すなわちコーヒー、熱湯または蒸気を形成するための機能が、割り当てられている。
【0006】
そして、特許文献3は、液体を加熱するためにコーヒーマシンまたはエスプレッソマシンと組み合わせて水蒸気を発生するための装置を示している。この装置は、ポンプ、第1のヒーターおよびコーヒー煮沸ヘッドを有しており、その場合に煮沸ヘッドの前段に2ルート弁が挿入されており、それが、第1のヒーターによって加熱された水を選択的に煮沸ヘッドまたは第2のヒーターへ案内することを許す。第2のヒーターは、すでに加熱されている水に、蒸気へ移行させるために、必要な蒸発熱を供給するために、用いられる。従ってここでも、2つのヒーターには明確な機能(熱湯または蒸気の形成用)が割り当てられているが、蒸気を形成する場合に、ここでは第1のヒーターが常に関与しているので、依存性が存在する。
【特許文献1】独国特許4204746C2
【特許文献2】独国特許公開3912788−A1
【特許文献3】独国特許公開3521989−A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、すでにある加熱装置(たとえば連続フローヒーター)をできる限り効率的かつ多様に利用することができる、飲み物調製機械用の加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、特許請求項1の特徴によって、解決される。
【0009】
この解決は、原則的に自立して作動する2つの連続フローヒーターが、然るべく形成された制御装置および構成部材の特殊な配置に関連して、各々が自立してそれ自体のためにも、両者が互いに同じ製品(熱湯または蒸気)のためにも、作動することができる、ということから出発している。
【0010】
特に、第1の連続フローヒーターが熱湯を形成するため、そして第2の連続フローヒーターが蒸気を発生させるために設けられていることから、出発している。その場合に、第1の連続フローヒーターは、必要な場合に、蒸気発生へ切り替え可能かつ第2の連続フローヒーターに付加接続可能であって、かつ/または第2の連続フローヒーターが、必要な場合に、熱湯生成に切り替え可能かつ第1の連続フローヒーターに付加接続可能である。
【0011】
従って、発熱素子の並列回路によって、必要な場合に、熱湯出力か、あるいは蒸気出力を増大させることができる。従って、本発明に基づく解決は、構造的に同様な組立て形式を有する(すなわち2つの連続フローヒーターを有する)飲み物調製機械に、この拡張された機能性を搭載できることも、可能にする。
【0012】
すでに説明したように、使用される個々の熱湯または蒸気調製コンポーネントの熱的慣性が重要な役割を果たすので、第1および/または第2の連続フローヒーターが、同時または時間遅延して、それぞれ他方の連続フローヒーターに付加接続可能であることが、重要である。時間遅延された付加接続は、たとえば、熱湯を有する飲み物ポーションを調製した後に、蒸気を有する大きい飲み物ポーションの調製が要求される場合、あるいは蒸気を有する大きい飲み物ポーションの調製後に、熱湯を有する大きい飲み物ポーションの調製が要求される場合に、必要になることがある。前者の場合には、支援のために使用される発熱素子が、所定の加熱時間を必要とし、後者の場合には、支援に使用された発熱素子が、所定の冷却時間を必要とする。なお、この種の状況を技術的に支配するためには、適切な制御装置も設けられなければならない。制御装置は、熱湯または蒸気を発生させるために連続フローヒーターの切替えを制御するため、および連続フローヒーターの付加接続を制御するために、使用される。付加接続を制御することは、第1の連続フローヒーターを第2の連続フローヒーターに付加接続することであり、あるいは第2の連続フローヒーターを第1の連続フローヒーターに付加接続することであり、両者は、操作ユニットにおける入力および飲み物調製機械ないし加熱装置の先行する作動状態に依存している。さらに、加熱装置の構成部材の本発明に基づく配置によって、技術的な支配性が改良される。
【0013】
従って、−2つの発熱素子が上述した切替え可能性を有している限りにおいて−操作ユニットにおける入力によって、原理的に「蒸気供給 ノーマル」、「蒸気供給 増大(パワースチーム)」、「水供給 ノーマル」および「水供給 増大(パワーホットウォーター)」が選択可能となる。「増大された」供給可能性は、本発明に基づく加熱装置が、増大された熱湯出力か、あるいは増大された蒸気出力をもたらすことができることを、表している。しかしそれにもかかわらず、ノーマルな供給可能性の他には、「増大された熱湯供給」のみ、あるいは「増大された蒸気供給」のみが選択可能な、飲み物調製機械の簡略化された変形例に、注目することもできる。
【0014】
加熱装置の構成部材の特殊な配置に関して、以下のものを設けることができる:
第2の蒸気流出パイプを設けると、効果的である。飲み物調製機械のための蒸気流出パイプは、通常、所定のパイプ直径を有しており、それは、もっと大きく選択することも、もっと小さく選択することもできない。それが小さすぎる場合には、蒸気流出圧力が大きくなりすぎる。しかし、それが大きすぎる場合には、蒸気品質が悪くなる。従って、増大された蒸気発生出力の場合には、他の蒸気流出パイプを設けると、より効果的である。
【0015】
好ましくは、加熱装置内の構成部材の原則的な配置は、第1の蒸気流出パイプが、第1の磁気弁を介して(通常の場合においては、蒸気を発生させるために設けられている)第2の連続フローヒーターと接続されており、第2の蒸気流出パイプは、第2の磁気弁を介して(通常場合においては、熱湯を発生させるために設けられている)第1の連続フローヒーターと接続されているように、なされる。
【0016】
さらに、熱湯流出パイプを、第3の磁気弁と絞り弁を介して第2の連続フローヒーターと、そして切替え弁と逆止め弁を介して第1の連続フローヒーターと接続すると、効果的である。絞り弁によって、第2の連続フローヒーター(通常の場合において、蒸気を発生させるために使用される)内の圧力が、増大された熱湯需要の要請の場合に、熱湯が危険な程度においてカップ内へ噴出する原因とならないことが、達成される。逆止め弁によっては、第1の連続フローヒーターの加熱の際に、切替え弁(コーヒー排出から熱湯排出へ切り替えるために設けられている)が開放している限りにおいて、熱湯流出パイプから突然水が滴らないことが、達成される。
【0017】
切替え弁(コーヒー排出から熱湯排出への切替え)は、好ましくは手動または電気的に制御可能である。というのは、普及しているコーヒー調製機械におけるそれに応じた選択は、通常、手動または操作ユニットを介して行うことができるからである。
【0018】
以下、図面を用いて、本発明に基づく加熱装置の例を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、飲み物調製機械のための本発明に基づく加熱装置の構成部材の原理的な配置を示している。水タンク1から、流量測定装置2を介して、ダイアフラム式レギュレータを備えた水ポンプ3へ水が流れる。水ポンプ3は、第1の連続フローヒーター4と第2の連続フローヒーター5へ供給を行う。第1の連続フローヒーター4は、通常の場合においては、熱湯供給用か、あるいはコーヒー供給用の、熱湯を生成するために用いられる。第2の連続フローヒーター5は、通常の場合においては、蒸気供給のための蒸気を発生させるために、用いられる。しかし、連続フローヒーター3、4(一般には、サーモブロック、発熱ブロック、発熱素子などとも称される)は、両方とも、熱湯または蒸気を発生させるために用いられ、それに応じて設計されている。
【0020】
第1の連続フローヒーター4の出口は、逆止め弁6を介して切替え弁7と接続されている。切替え弁7は、作動モードを熱湯排出からコーヒー排出(およびその逆)へ切り替えるために用いられる。切替え弁7は、手動または電気的に操作することができる。切替え弁7の出口は、一方では、コーヒー調製装置8と、他方では、熱湯流出パイプ9と接続されている。熱湯供給の場合においては、熱湯排出は常に、熱湯流出パイプ9を介して行われる。それに対してコーヒー調製は、それ自体本発明の主要対象ではないので、その機能は当業者に原則的に知られていることを前提として、ここではこれ以上説明しない。
【0021】
第2の連続フローヒーター5の出口は、第1の磁気弁10を介して第1の蒸気流出パイプ11と接続されている。通常の供給場合には、蒸気排出は、常に蒸気流出パイプ11を介して行われる。
【0022】
本発明の主旨において機能性を拡張するために、さらに、第1の連続フローヒーター4の出口が、第2の磁気弁12を介して第2の蒸気流出パイプ13と接続されている。さらに、第2の連続フローヒーター5の出口が、絞り弁14と第3の磁気弁15を介して、同様に熱湯流出パイプ9と接続されている。増大された蒸気出力または増大された熱湯出力が必要な場合には、第2、第3の磁気弁12、15を介して、それに応じた量の所望の排出を提供することができる。明らかなように、増大された蒸気出力のために、第2の蒸気流出パイプ13が設けられており、それによって蒸気品質と安全性が保証されている。それに対して、増大された熱湯出力の場合においては、すでに存在する熱湯流出パイプ9をそのまま使用することができる。というのは、ここでは付加的な問題は生じないからである。
【0023】
本発明に基づく加熱装置ないし本発明に基づく加熱装置を有する飲み物調製機械のすべてのプロセスの制御は、制御装置16と操作ユニット17を介して行われる。その場合に制御装置16は、当業者に知られているように、たとえばマイクロプロセッサによって実現することができる。操作ユニットは、同様に当業者に知られているように、操作部材、作動部材および表示部材を有しており、それらが飲み物調製機械のユーザーに、その操作を可能かつ容易にする。もちろん、制御装置は、さらに、流量測定装置2、水ポンプ3、第1の連続フローヒーター4、第2の連続フローヒーター5、切替え弁7および磁気弁10、12、15のような、制御すべき部材への接続も有している。これらの接続は、制御接続と監視接続を含むことができ、後者は、たとえば温度を監視するためである。
【0024】
すでに説明したように、本発明に基づく加熱装置は、原理的に、以下の4つの作動可能性ないしモードを可能にする:
1.「蒸気供給 ノーマル」、
2.「蒸気供給 増大(パワースチーム)」、
3.「水供給 ノーマル」、および
4.「水供給 増大(パワーホットウォーター)」
【0025】
図2から5には、これら4つの作動モードが、メインフローパスを強調表示しながら、図示されている:
【0026】
1.「蒸気供給 ノーマル」(図2を参照)
−まず、操作ユニット17によって、蒸気供給の作動が行われる。
−制御装置16の電子回路が、磁気弁12、15を閉鎖に保ち、第1の磁気弁10を開放し、ダイアフラム式レギュレータを有する水ポンプ3を能動化する。
−水が、水タンク1から流量測定装置2を通り、さらにダイアフラム式レギュレータを有する水タンク3を通って流れる。第2の連続フローヒーター5内で、水が蒸気に加熱されて、蒸気が第1の磁気弁10を介して第1の蒸気流出パイプ11へ達する。
−時間に達した後に、水ポンプ3が制御装置16の電子回路によって遮断にされて、制御装置16の電子回路が第1の磁気弁10を再び閉鎖する。
【0027】
2.「蒸気供給 増大(パワースチーム)」(図3を参照)
−まず、操作ユニット17によって、蒸気供給(パワースチーム)の作動が行われる。
−制御装置16の電子回路が、磁気弁12、15を閉鎖に保ち、第1の磁気弁10を開放し、ダイアフラム式レギュレータを有する水ポンプ3を能動化する。
−水が、水タンク1から流量測定装置2を通り、さらにダイアフラム式レギュレータを有する水タンク3を通って流れる。第2の連続フローヒーター5内で水が蒸気に加熱されて、蒸気が第1の磁気弁10を介して第1の蒸気流出パイプ11へ達する。
−同時に、第1の連続フローヒーター4が、蒸気温度に加熱される。温度が達成された場合に、制御装置16の電子回路が、第2の磁気弁12を開放する。それによって付加的に発生された蒸気が、第2の蒸気流出パイプ13を介して加熱すべき液体内へ達する。
−時間に達した後に、水ポンプ3が、制御装置16の電子回路によって遮断され、制御装置16の電子回路が磁気弁10、12を再び閉鎖する。
−所定の期間の間にそれ以上蒸気が必要とされない場合には、第1の連続フローヒーター4が再び熱湯生成のためのスタンバイ温度へ移行する。
【0028】
注:
最適な蒸気品質と水品質が保証されるようにするために、流出パイプの横断面がそれに見合うことが、必要である。すなわち、蒸気発生(パワースチーム)のためには、2つの流出パイプを有することが、必要である。従って、この場合においては、蒸気の排出が2つの蒸気流出パイプ11と13を介して行われる。
【0029】
3.「水供給 ノーマル」(図4を参照)
−まず、操作ユニット17によって、あるいは直接(手動で)切替え弁7によって、水供給の作動が行われる。
−制御装置16の電子回路が、磁気弁10、12、15を閉鎖に保ち、切替え弁7(手動で開放されない場合)を開放し、ダイアフラム式レギュレータを有する水ポンプ3を能動化する。
−水が、水タンク1から流量測定装置2を通り、さらにダイアフラム式レギュレータを備えた水ポンプ3を通って流れる。第1の連続フローヒーター4内で、水が加熱されて、逆止め弁6を介して切替え弁7へ達する。その後、熱湯が、熱湯流出パイプ9を介してカップなどへ達する。
−流量測定装置2が、制御装置16の電子回路に、通過する水量を報告する。水量に達した場合に、制御装置16の電子回路によって、水ポンプ3が遮断される。
−制御装置16の電子回路が、切替え弁7を閉鎖し、あるいはユーザーに、それを手動で閉鎖しなければならないことを、表示する。
【0030】
注:
水ポンプ3におけるダイアフラム式レギュレータは、システム沈静化のために用いられて、水ポンプの衝撃を吸収する。逆止め弁6は、切替え弁7が開放されている限りにおいて、第1の連続フローヒーター4の加熱の際に、熱湯流出パイプ9から湯が突然滴ることがないようにするために、必要とされる。
【0031】
4.「水供給 増大(パワーホットウォーター)」(図5を参照)
−まず、操作ユニット17によって、水供給(パワーホットウォーター)の作動が行われる。
−制御装置16の電子回路が、磁気弁10、12を閉鎖に保ち、切替え弁7と第3の磁気弁15を開放して、ダイアフラム式レギュレータを有する水ポンプ3を能動化する。
−水が、水タンク1から流量制御装置2を通り、さらにダイアフラム式レギュレータを有する水ポンプ3を通って流れる。第1の連続フローヒーター4内で水が加熱されて、逆止め弁6を介して切替え弁7へ達する。その後、熱湯が、熱湯流出パイプ9を介してカップなどへ達する。
−同時に、水が、第2の連続フローヒーター5を通り、絞り弁14と第3の磁気弁15を通り、同様に熱湯流出パイプ9を通って流れる。
−流量測定装置2が、制御装置16の電子回路に、通過する流量を報告する。水量に達した場合に、水ポンプ3が制御装置16の電子回路によって遮断される。
−制御装置16の電子回路が、第3の磁気弁15と切替え弁7を閉鎖し、あるいは後者が手動で閉鎖されなければならないことを、表示する。
【0032】
注:
絞り弁14は、圧力を減少させ、それによって第2の連続フローヒーター5は、それに先だって蒸気温度になっている限りにおいて、熱湯をカップ内へ噴出させない。
さらに、それが所定の適用のために望まれ、あるいは有意義である限りにおいて、蒸気添加を有する熱湯を形成する、可能性も生じる。この目的のために、第2の連続フローヒーター5を、そのために必要な、第1の連続フローヒーター4に比較して高い出力で作動するだけで済む。相変わらず、他の連続フローヒーターを付加接続することによって、増大された排出出力を有する流体排出が得られる。
【0033】
そして、図6はさらに、2つの水ポンプを有する加熱装置の構成部材の原理的な配置を示している。製品品質を改良するために、各連続フローヒーターにそれぞれ必要な水量を管理して供給することが、必要であり、あるいは望ましい場合があり、その場合にここでは、それが、第1の連続フローヒーター4の場合には水ポンプ18であり、第2の連続フローヒーター5の場合には水ポンプ3である。
【0034】
この場合においても、水量の管理は、制御装置16を介して行われる。4つの作動モード「蒸気供給 ノーマル」、「蒸気供給 増大」、「水供給 ノーマル」および「水供給 増大」における機能方法は、原則的に、図2−5に示し、かつ付属の説明で述べたのと同一である。
【0035】
さらに、当業者にとっては、示されている機能図式が機能原理を説明するためだけに用いられ、従って一般に知られた技術的詳細が、必ずしもすべて詳細に示され、かつ説明されていないことは、周知のことと思われる。すなわち、図6は付加的に、さらに過圧弁19を示しており、その過圧弁は、安全目的のために通常さらに、連続フローヒーター5の領域に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】加熱装置の構成部材の原理的な配置を示している。
【図2】作動モード「蒸気供給 ノーマル」を図式的に示している。
【図3】作動モード「蒸気供給 増大」を図式的に示している。
【図4】作動モード「水供給 ノーマル」を図式的に示している。
【図5】作動モード「水供給 増大」を図式的に示している。
【図6】2つの水ポンプを有する加熱装置の構成部材の原理的な配置を示している。
【符号の説明】
【0037】
1 水タンク
2 流量測定装置(フローメータ)
3 水ポンプ
4 第1の連続フローヒーター
5 第2の連続フローヒーター
6 逆止め弁
7 切替え弁
8 コーヒー調製装置
9 熱湯流出パイプ
10 第1の磁気弁
11 第1の蒸気流出パイプ
12 第2の磁気弁
13 第2の蒸気流出パイプ
14 絞り弁
15 第3の磁気弁
16 制御装置
17 操作ユニット
18 第2の水ポンプ
19 過圧弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱湯を形成するための第1の連続フローヒーター(4)と蒸気を発生させるための第2の連続フローヒーター(5)に、水を供給するための、少なくとも1つの水ポンプ(3)を有する、飲み物調製機械のための加熱装置において、
第1の連続フローヒーター(4)は、必要な場合には、蒸気発生へ切り替え可能で、かつ、第2の連続フローヒーター(5)に付加接続可能であり、かつ/または、
第2の連続フローヒーター(5)が、必要な場合には、熱湯生成へ切り替え可能で、かつ、第1の連続フローヒーター(4)に付加接続可能である、
ことを特徴とする飲み物調製機械のための加熱装置。
【請求項2】
第1、および/または、第2の連続フローヒーター(4、5)が、同時または時間遅延されてそれぞれ他の連続フローヒーター(5、4)に付加接続可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
制御装置(16)が設けられており、前記制御装置が、操作ユニット(17)における入力および加熱装置の先行する作動状態に従って、熱湯または蒸気を発生させるための連続フローヒーター(4、5)の切替えを制御し、かつ、
第1の連続フローヒーター(4)を第2の連続フローヒーター(5)に、あるいは、第2の連続フローヒーター(5)を第1の連続フローヒーター(4)に、付加接続することを制御するように、設計されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
【請求項4】
操作ユニット(17)における入力によって、「蒸気供給 ノーマル」、「蒸気供給 増大」、「水供給 ノーマル」および「水供給 増大」の作動が選択可能である、ことを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
2つの蒸気流出パイプ(11、13)が設けられている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項6】
第1の蒸気流出パイプ(11)が、第1の磁気弁(10)を介して第2の連続フローヒーター(5)と接続されている、ことを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
【請求項7】
第2の蒸気流出パイプ(13)が、第2の磁気弁(12)を介して第1の連続フローヒーター(4)と接続されている、ことを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
【請求項8】
熱湯流出パイプ(9)が、第3の磁気弁(15)と絞り弁(14)を介して第2の連続フローヒーター(5)と接続され、かつ、切替え弁(7)と逆止め弁(6)を介して第1の連続フローヒーター(4)と接続されている、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項9】
切替え弁(7)が、手動または電気的に制御可能である、ことを特徴とする請求項8に記載の加熱装置。
【請求項10】
少なくとも1つの水ポンプ(3)が、加熱装置のすべての作動モードにおいて、水タンク(1)から水を給送する、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項11】
各連続フローヒーター(4、5)に、それぞれ水ポンプ(18、3)が対応づけられている、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項12】
第1の連続フローヒーター(4)が第2の連続フローヒーター(5)に、あるいは、第2の連続フローヒーター(5)が第1の連続フローヒーター(4)に、1台のみの連続フローヒーターに比較して、より大量の熱湯、または、より大量の蒸気を、あるいは、蒸気添加を有する熱湯量を排出可能であるように、付加接続可能である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−537260(P2009−537260A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511317(P2009−511317)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000257
【国際公開番号】WO2007/134476
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(508346952)ユラ エレクトロアパラーテ アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】