説明

飲料または食品

【課題】現代をとりまくストレス社会において、それらを軽減する飲料または食品を提供する。
【解決手段】紫色食用色素とストレス解消成分を必須成分とする事を特徴とする紫色の飲料または食品であって、紫色食用色素がマメ科チョウマメの花弁より抽出されたアントシアニン系色素を含むことを特徴とする上記飲料または食品。さらに、ストレス解消成分が、テアニン及び/又はγアミノ酪酸であることを特徴とする上記飲料または食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫色食用色素と、ストレス解消成分を必須成分とする事を特徴とする紫色の飲料または食品に関する。この飲料または食品は、そのものの色彩と有効成分の両面からヒトのストレスを軽減するのに有効である。
【背景技術】
【0002】
今日の社会では、複雑化した組織や人間関係の中で、多種多様の情報やコンピュータをはじめとする高度な機器に取り囲まれて働く現代人は、ストレスの多い生活を強いられていると言える。ストレス刺激を受ける機会があまりにも多いばかりか、またそれを避ける暇もないため、ストレスによって本格的な病気を発病してしまうことも稀ではない。生活習慣病や精神・神経系の病気の増加にはこれらのストレスが関係していると言われている。
【0003】
ストレス解消には様々な方法が提案されているが、コストがかかるものや時間がかかるものが多く、実際には手が付けられない物が多い。
【0004】
よって、手軽なストレス解消手段へのニーズは絶えない。
【特許文献1】なし。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、紫色食用色素と、ストレス解消成分を必須成分とする事を特徴とする紫色の飲料または食品に関する。この飲料または食品は、そのものの色彩と有効成分の両面からヒトのストレスを軽減するのに有効である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、紫色食用色素とストレス解消成分を必須成分とする事を特徴とする紫色の飲料または食品に関する。
また、本発明は、紫色食用色素がマメ科チョウマメの花弁より抽出されたアントシアニン系色素を含むことを特徴とする上記飲料または食品に関する。
さらに本発明は、ストレス解消成分が、テアニン及び/又はγアミノ酪酸であることを特徴とする上記飲料または食品に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明が提供する飲料および食品は、その色彩と有効成分によりヒトのストレスを解消し、安らぎを与えるという顕著な効果を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、紫色食用色素と、ストレス解消成分を必須成分とする事を特徴とする紫色の飲料または食品である。
【0009】
飲料の種類は特に限定されない。例えば、果汁、果汁入り飲料、ネクター等の果実飲料、コーヒー飲料、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの茶系飲料、乳飲料、発酵乳、乳酸菌飲料等の乳性飲料、サイダー、ラムネ、レモンライム、フルーツソーダ、コーラ飲料、ジンジャーエール、ルートビアー、サルパリラ、ガラナ飲料、クリームソーダ等の炭酸飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、低アルコール飲料等を挙げることができる。これらの中から、着色以前の色が透明であるもの、希薄であるもの、或は乳白色であるような飲料が好ましい。例えば、果汁、果汁入り飲料、ネクター等の果実飲料、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの茶系飲料、乳飲料、発酵乳、乳酸菌飲料等の乳性飲料、サイダー、ラムネ、レモンライム、フルーツソーダ、サルパリラ、ガラナ飲料、クリームソーダ等の炭酸飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、低アルコール飲料等などが挙げられる。
【0010】
食品の種類は特に限定されないが、着色以前の状態で透明性があるような食品が好ましい。例えば、寒天、牛乳寒天、ゼリーなどが挙げられる。
【0011】
紫色食用色素の種類は特に制限されず、1種類の紫色色素でも2種類以上の紫色色素を混合したものでも良いし、青色色素と赤色色素を混合したものでも構わない。青色色素と赤色色素を混合する場合、1種類以上の紫色色素で色目を整えても構わない。また、人体への安全性を考慮して、天然色素のみで構成されることが好ましい。
【0012】
紫色色素の例としては、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素、チョウマメ色素などの、天然由来アントシアニン系色素が挙げられる。
【0013】
青色色素の例としては、青1(ブリリアンブルー)、青2(インジゴカルミン)、他の青1(アルミニウムレーキ)、他の青2(アルミニウムレーキ)、青色1号(インジゴカルミン)、青色2号(インジゴカルミン)、食用青色1号(ブリリアンブルー)、食用青色2号(インジゴカルミン)の他、天然の青色食用色素として、ポルフィリン系であるスピルリナ青色素、イリドイド系であるクチナシ青色素等が挙げられる。これらの内1種類を単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
【0014】
赤色色素の例としては、アマランス(赤色2号) 、エリスロシン(赤色3号)、アルラレッドAC(赤色40号) 、ニューコクシン(赤色102号)、フロキシン(赤色104号) 、ローズベンガル(赤色105号) 、アシッドレッド(赤色106号)の他、天然の赤色色素として、ベニコウジ色素、クチナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、トマト色素、コチニール色素、ラック色素などが挙げられる。これらの内1種類を単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
【0015】
本発明に用いる紫色食用色素としては、色目の鮮やかさの点から、マメ科に属するチョウマメの花弁から抽出されたアントシアニンを含むものがより好ましく、マメ科に属するチョウマメの花弁から抽出されたアントシアニンを色素の全重量の50%以上(固形分比)を含むものが更により好ましい。
【0016】
ストレス解消成分は特に制限されないが、テアニン及び/またはγアミノ酪酸が好ましい。
本発明においては、必要に応じて、呈味剤、香料、軟化剤、食用界面活性剤等を添加することが出来る。
【0017】
呈味剤の例としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、パラチノース、還元パラチノース、水飴、還元水飴、グルコース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、ラムノース、ソルビトール、マンニトール、マルトース、ラクトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、パラチノース、アステルパーム(アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル)、アセスルファムK、ステビオサイド、グリチルリチン又はその塩類、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、酢酸、乳酸、グルコン酸、炭酸ガス等の各種有機酸、アスコルビン酸、ナリンジン、テオブロミン、トリゴネン、イソフムロン、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、トリコロミン酸ナトリウム、イボテン酸、リンゴ酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、各種有機酸塩類、乳清ミネラル類、例えば、タンニン、クロロゲン酸、カプサイシン、サンショオール、ピペリン、ジンゲロール、ショーガオール、などが挙げられ、これらは単独で用いても複数を混合で用いても構わない。
【0018】
香料の例としては、ペパーミント油、スペアミント油、和種ハッカ油、オレンジ油、レモン油、グレープフルーツ油、ライム油、セージ油、ローズマリー油、シナモン油、ピメント油、ペパー油、ナツメグ油、フェンネル油、ディル油、クミン油、カモミール油、バジル油、クローブ油、タイム油、カシア油、コリアンダー油、アニス油、ウィンターグリーン油、ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、アブソリュート類、l−メントール、l−カルボン、サリチル酸メチル、シネオール、メンチルアセテート、リモネン、シトラール、アネトール、シンナムアルデヒド、チモール、オイゲノール、ワニリン、脂肪族エステル、ストロベリーコンパウンド、テュッティーフルーツコンパウンド、ヨーグルトコンパウンド、アップルコンパウンド、パイナップルコンパウンド、などが挙げられ、これらは単独で用いても複数を混合で用いても構わない。
【0019】
軟化剤の例としては、グリセリン、キシリット、ソルビトール液、アラビアガム液、ゼラチン液などが挙げられ。これらは単独で用いても複数を混合で用いても構わない。
【0020】
食用界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル(PGエステル)、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチン、キラヤサポニンなどが、単独、或は混合して用いられる。好ましくはグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
(実施例)
以下に本発明を詳細に説明する。なお、特に断りが無い限り、「部」は重量部を表す。
<実施例1>
精製水100部に東洋インキ製造株式会社製蝶豆花エキス(BP40L。以下、単に「蝶豆花エキス」と記載)を0.04部、テアニンを0.06部、ライム果汁を0.3部加えて攪拌し、紫色の飲料とした。
<実施例2>
精製水100部にキリヤ化学株式会社製クチナシ青色素(キリヤスブルーEL。以下、単に「クチナシ青色素」と記載)を0.015部、同社製クチナシ赤色素(キリヤスレッドGR−NL。以下、単に「クチナシ赤色素」と記載)を0.015部、γアミノ酪酸を0.08部を加えて攪拌し、紫色の飲料とした。
<実施例3>
精製水100部に蝶豆花エキスを0.02部、γアミノ酪酸を0.004部、テアニンを0.004部、ビタミンB群(ビタミンB1:50g、ビタミンB2:50g、ビタミンB6:50g、ビタミンB12:50g、ナイアシン:50g、パントテン酸:50g、ビオチン:150g、葉酸:400gを混合したもの。以下に記述のビタミンB群も同様。)を0.0002部、ビタミンCを0.0018g、乳酸カルシウムを0.01部、塩化マグネシウムを0.01部、グレープフルーツ香料を0.1部、果糖ブトウ糖液糖を3部、クエン酸を0.1部加え、紫色のニアウォーター系飲料とした。
<実施例4>
精製水100部に蝶豆花エキスを0.03部、γアミノ酪酸を0.03部、テアニンを0.03部、ビタミンB群を0.002部、ビタミンCを0.018部、乳酸カルシウムを0.01部、塩化マグネシウムを0.01部、ラベンダー香料を0.1部、果糖ブトウ糖液糖を2部、還元水飴を1部、クエン酸を0.1部、アスパルテームを0.001部加えて紫色の機能性飲料とした。
<実施例5>
精製水100部にキリヤ化学株式会社製スピルリナ青色素(キリヤスブルーAN)を0.03部、同社製紅麹色素(モナスコレッドAL)を0.03部、γアミノ酪酸を0.03部、テアニンを0.03部、ビタミンB群を0.002部、ビタミンCを0.018部、乳酸カルシウムを0.01部、塩化マグネシウムを0.01部、ローズ香料を0.1部、果糖ブトウ糖液糖を2部、還元水飴を1部、アスパルテームを0.001部を加え、紫色の機能性飲料とした。
<実施例6>
精製水30部に蝶豆花エキスを0.02部、γアミノ酪酸を0.04部、テアニンを0.04部、ビタミンB群を0.002部、ビタミンCを0.018部、ブトウ香料を0.1部、果糖ブトウ糖液糖を4部、還元水飴を1部、アスパルテームを0.001部加えて冷却後、炭酸水70部を加えて、炭酸飲料とした。
<実施例7>
グラニュー糖50部、還元水飴25部、テアニン0.05部、クエン酸1部、精製水5部を混合して煮詰めた(水に1滴落とした際、すぐに固まる程度まで煮詰めた)。これに、蝶豆花エキス精製水で16.7倍に希釈した溶液を1部加え、素早く攪拌した。均一に着色された後、型に流し込んで冷却し、紫色のハードキャンディーを得た。
<実施例8>
精製水150部を80℃まで加温した後、ゼラチン3部をよく混合した。これにスピルリナ青色素を0.1部とクチナシ赤色素0.05部を加えてよく混合し、型に流し込み、冷却して紫色のゼリーを得た。
<実施例9>
精製水150部にクエン酸1部と寒天1.5部を加え、沸騰するまで加温した後、2分間煮詰めた。これに、蝶豆花エキスを0.06部加えて攪拌、均一にし、型に流し込んで固めて紫色の寒天を得た。
【0022】
<比較例1>
精製水100部にクチナシ赤色素を0.04部、γアミノ酪酸を0.08部を加えて攪拌し、赤色の飲料とした。
<比較例2>
精製水100部にクロロフィルを0.05部、γアミノ酪酸を0.03部、テアニンを0.03部、ビタミンB群を0.002部、ビタミンCを0.018部、乳酸カルシウムを0.01部、塩化マグネシウムを0.01部、ラベンダー香料を0.1部、果糖ブトウ糖液糖を2部、還元水飴を1部、クエン酸を0.1部、アスパルテームを0.001部加えて緑色の機能性飲料とした。
<比較例3>
精製水150部にクエン酸1部と寒天1.5部を加え、沸騰するまで加温した後、2分間煮詰めた。これに、キリヤ化学株式会社製ウコン色素(ウイナーエローコンク)を0.03部加えて攪拌、均一にし、型に流し込んで固めて黄色の寒天を得た。
【0023】
(試験例)
実施例2、4、9および比較例1〜3を、下記官能試験に供した。
20歳〜50歳までの男性60人、女性60人のボランティアに協力してもらい、年齢構成、性別を均等に6群(A〜F群)に分けた。A群には実施例2の飲料を、B群には比較例1の飲料を、C群には実施例4の飲料を、D群には比較例2の飲料を、それぞれ1日2回、1回50ml摂取してもらった。E群には実施例9の寒天を、F群には比較例3の寒天を1日2回、1回50gを摂取してもらった。1ヵ月後に、表1に示す項目について摂取前後での変化についてアンケートを行った。アンケートの回答は、「大きく改善した」、「やや改善した」、「変化なし」、「やや悪化した」、「大きく悪化した」の5つの項目に印をつけてもらい、「大きく改善した」を5点、「やや改善した」を4点、「変化なし」を3点、「やや悪化した」を2点、「大きく悪化した」を1点として各群の合計点数を表1に示した。
【0024】
【表1】

【0025】
(実施例および比較例の結果)
実施例2、4、9はそれぞれ、比較例1〜3に対してリラックス効果が大きかった。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫色食用色素とストレス解消成分を必須成分とする事を特徴とする紫色の飲料または食品。
【請求項2】
紫色食用色素がマメ科チョウマメの花弁より抽出されたアントシアニン系色素を含むことを特徴とする請求項1記載の飲料または食品。
【請求項3】
ストレス解消成分が、テアニン及び/又はγアミノ酪酸であることを特徴とする請求項1〜2記載の飲料または食品。



【公開番号】特開2009−178068(P2009−178068A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18433(P2008−18433)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】