説明

飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物

【課題】飲料ディスペンサ、特にコーヒーマシンの洗浄に使用した場合に、優れた性能を発揮する飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレット、飲料ディスペンサ洗浄方法を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)酸素系漂白剤、(B)キレート剤および(C)有機酸を含有することを特徴とする飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレット、飲料ディスペンサ洗浄方法に関する。特に、コーヒーマシン用の洗浄剤組成物、飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレット、飲料ディスペンサ洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料を提供する飲料ディスペンサは、コーヒーショップ、ファストフード、ファミリーレストラン、飲食店等に広く普及している。特に、コーヒーを提供するコーヒーマシンの普及は近年著しく、中でもスペシャルコーヒー(エスプレッソ、カプチーノ、カフェラテ等)を提供するフルオートもしくはセミオートのコーヒーマシン(セミオートエスプレッソマシン、フルオートエスプレッソマシン等)が広く使用されるようになっている。(特許文献1〜3)
【0003】
これらコーヒーマシン用の洗浄にはコーヒー汚れに対し効果のある洗浄剤が求められている。特に、セミオートエスプレッソマシン、フルオートエスプレッソマシンは、その洗浄も、一連のプログラム制御による洗浄工程により行なわれている。そのため、短時間で確実にマシン内部のコーヒー等の汚れを除去できる洗浄剤が求められている。しかしながら従来の洗浄剤では、コーヒー等の汚れの除去が充分に満足いくものではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平6−22856号公報
【特許文献2】特開2000−157231号公報
【特許文献3】特開2004−91050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、飲料ディスペンサ、特にコーヒーマシンの洗浄に使用した場合に、優れた性能を発揮する飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレット、飲料ディスペンサ洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
以下の(A)〜(C)成分、
(A)酸素系漂白剤、
(B)キレート剤、
(C)有機酸、を含有することを特徴とする飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物である。
【0007】
また本発明は、さらに、
(D)滑沢剤
(E)結合剤および/または崩壊剤を含有することを特徴とする飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物である。
【0008】
また本発明は、(A)成分が、過炭酸ナトリウムである前記飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物である。
また本発明は、(B)成分が、ニトリロ三酢酸ナトリウムである前記飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物である。
また本発明は、(C)成分が、クエン酸および/またはコハク酸である前記飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物である。
【0009】
また本発明は、前記飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物をタブレット(錠剤)形状に成形したことを特徴とする、飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットである。
また本発明は、飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物がコーヒーマシン用である前記飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物である。
また本発明は、飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットが、コーヒーマシン用である前記飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットである。
また本発明は、前記飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、もしくは飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットを用いて、飲料ディスペンサを洗浄することを特徴とする飲料ディスペンサの洗浄方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果は、洗浄性能、特にコーヒー汚れに対する洗浄性能に優れた飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレット、飲料ディスペンサの洗浄方法を提供したことにある。さらに本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットは、保管時や輸送時に欠けや崩壊がなく、洗浄時には速やかに溶解し、洗浄力を発揮するという効果も発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物は、必須の成分として上記(A)〜(C)の成分を含有する。
まず(A)成分について説明する。
本発明の(A)成分は酸素系漂白剤である。酸素系漂白剤としては特に限定されるものではないが、アルカリ性のものが好ましく、例えば過炭酸塩(過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム等)、過硼酸塩(過硼酸ナトリウム、過硼酸カリウム等)等があげられ、特に過炭酸ナトリウムが好ましい。これら酸素形漂白剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
(A)成分の酸素系漂白剤の好ましい含有量は、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物中、5〜95重量%であり、洗浄性能ならびにタブレット(錠剤)の成形性の点から、20〜90重量%がより好ましく、40〜85重量%が最も好ましい。40重量%より少ないと洗浄性能の点で好ましくなく、85重量%を超えるとタブレット(錠剤)の成形性の点で好ましくない。
【0013】
次に本発明の(B)成分について説明する。
本発明の(B)成分はキレート剤である。キレート剤としては特に限定されないが、好ましくは塩であるキレート剤がよく、公知のキレート剤でもよい。例えばアミノカルボン酸塩系、ヒドロキシカルボン酸塩系及びリン酸塩系のものから選択される1又は2以上のキレート剤を好ましいものとして例示することができる。
【0014】
これらキレート剤の具体的な例をあげると、アミノカルボン酸塩系としては、ジエチレントリアミン五酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸の塩、トリエチレンテトラアミン六酢酸の塩、ジカルボキシメチルグルタミン酸の塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸の塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩、1,3−プロパンジアミン四酢酸の塩、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸の塩等、あるいはこれらの塩の1種または2種以上を使用することができる。
【0015】
ヒドロキシカルボン酸塩系のものとしては、グルコン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩等の塩の1種または2種以上を使用することができる。
【0016】
リン酸塩系のものとしては、トリポリリン酸塩等の縮合リン酸塩、ヒドリキシエチリデンジホスホン酸の塩、ニトリロトリスメチレンホスホン酸の塩、ホスホノブタントリカルボン酸の塩等あるいはこれらの塩の1種または2種以上を使用することができる。
【0017】
また、アミノカルボン酸塩系、ヒドロキシカルボン酸塩系、リン酸塩系のキレート剤を1種または2種以上を使用することもできる。
【0018】
特に好ましいキレート剤としては、ニトリロ三酢酸塩が挙げられる。
これらの塩としてはアルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム、カリウムの塩がより好ましく、最も好ましいのはナトリウムの塩である。
【0019】
(B)成分のキレート剤の好ましい含有量は、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物中、0.5〜40重量%であり、洗浄性能並びに錠剤の成形性の点から、1〜20重量%がより好ましく、1〜15重量%が最も好ましい。1重量%より少ないとキレート性能(洗浄性能)の点で好ましくなく、15重量%を超えると錠剤の成形性の点で好ましくない。
【0020】
次に本発明の(C)成分について説明する。
本発明の(C)成分は有機酸である。この有機酸は、洗浄時に、(A)成分の酸素系漂白剤と反応し、酸素(過炭酸塩の場合は酸素と二酸化炭素)を発生させる発泡剤として働く。また、この有機酸は、飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物の溶解性にも寄与する(下記表1の比較例1参照)。有機酸の例としては、カルボン酸、好ましくはヒドロキシカルボン酸が挙げられ、例えば、グルコン酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、シュウ酸、アスコルビン酸、マロン酸、アジピン酸等が挙げられ、クエン酸、コハク酸等が好ましい。有機酸は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
(C)成分の有機酸の好ましい含有量は、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物中、1〜30重量%であり、洗浄時の発泡性能ならびにタブレット(錠剤)保管時の製品の安定性(有効酸素の安定性)の点から、2〜20重量%がより好ましく、3〜15重量%が最も好ましい。3重量%より少ないと洗浄時の発泡性能の点で好ましくなく、20重量%を超えると錠剤保管時の製品の安定性(有効酸素の安定性)の点で好ましくない。
【0022】
本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物は、さらに(D)および(E)成分を含有することが好ましい。特に、タブレット(錠剤)型の形状にする場合に好ましい。
【0023】
まず本発明の好ましい配合成分である(D)成分について説明する。
本発明の(D)成分は滑沢剤である。滑沢剤は、錠剤化等する場合などに、型等に付着しないようにする働きがある。滑沢剤の例としては、ステアリン酸(ステアリン酸は上記(C)成分には含めない)、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、パルミトステアリン酸グリセリン、フマル酸ステアリルナトリウム、キャノラール油、硬化ヒマシ油等の硬化植物油、鉱物油、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ポリエチレングリコール、流動シリコン、ポリビニルアルコール、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。滑沢剤は、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
(D)成分を配合する場合の好ましい配合量は、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物中、0.5〜20重量%であり、錠剤硬度(溶解性能)及び洗浄剤組成物の成形性の点から、1〜15重量%がより好ましく、2〜10重量%が最も好ましい。2重量%より少ないと洗浄剤組成物の成形性の点で好ましくなく、10重量%を超えると錠剤硬度(溶解性能)点で好ましくない。
【0025】
次に本発明の好ましい配合成分である(E)成分について説明する。
本発明の(E)成分は結合剤および/または崩壊剤である。結合剤は、組成物中の成分をひとつにまとめるために働くものであり、水溶性ないし水崩壊性の錠剤の形成に有用であることが知られている結合剤であればどのようなものでも使用することができる。例えば、デンプン、デンプンのエーテル誘導体、糖類、セルロース、カルボキシメチルセルロース(ナトリウム)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン等を挙げることができ、これらのなかでは特にデンプンが好ましい。結合剤は、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
この結合剤を配合する場合の好ましい配合量は、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物中、0.5〜20重量%であり、錠剤形状の維持並びに輸送時の破損などの点から、1〜15重量%がより好ましく、2〜10重量%が最も好ましい。2重量%より少ないと錠剤形状の維持(輸送時の破損など)の点で好ましくなく、10重量%を超えると崩壊性(溶解性)や製造時(打錠時)にキネやウスに損傷を与える点で好ましくない。
【0027】
崩壊剤は、洗浄時に、洗浄剤組成物を速やかに溶解させるために働くものである。例えばタブレット(錠剤)形態の洗浄剤組成物の使用時に、吸水し膨張して錠剤の崩壊を推進することにより、錠剤の溶解を速やかに行なうものであれば好ましく用いることができる。
【0028】
本発明で用いる崩壊剤は、吸水により膨張する高分子であればよく、例えば、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、(低置換)ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられ、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウムが好ましい。崩壊剤は、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
崩壊剤の好ましい配合量は、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物中、0.5〜30重量%であり、崩壊性(溶解性)の点から、1〜20重量%がより好ましく、2〜15重量%が最も好ましい。2重量%より少ないと崩壊性(溶解性)の点で好ましくなく、15重量%超えると錠剤の成形性の点で好ましくない。
【0030】
本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物は、上記配合成分以外に、さらに任意の成分として、アルカリ剤、ノニオン界面活性剤、酵素等が挙げられる。
アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、これらアルカリ剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
ノニオン界面活性剤の例としては、一般的に知られているものが使用できる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミスチリン酸ジエタノールアミド、ミスチリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルグルコシド類、アミンオキサイド類等があげられ、これらノニオン界面活性剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
酵素の例としては、セルラーゼ、プロテアーゼ、アルカリプロテアーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ、イソプルラナーゼリパーゼ等の、従来公知の各種洗剤や洗浄剤に使用されているものが挙げられ、これら酵素は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
上記以外の、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物に配合できる任意の成分の例としては、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸スルホン酸共重合体等の水溶性高分子、硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸カリウム等の無機塩、色素、香料、水等が挙げられる。
【0034】
本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットは、上記の本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物を、タブレット(錠剤)形状に成形したものである。タブレット(錠剤)型にすることにより、使用時に計量等の手間をかけることなく、粉末の飛散などにより、手や衣服に洗浄剤が付着することもなく、容易に洗浄剤を使用することができる。タブレット(錠剤)型にすることにより、特にセミオートもしくはフルオート型のコーヒーマシンのような、洗浄工程を一連のプログラミング制御により行なう飲料ディスペンサ用(特にコーヒーマシン)の洗浄に好ましい。
【0035】
タブレット(錠剤)の大きさは特に限定されないが、1回の洗浄時に、飲料ディスペンサ(特にコーヒーマシン)に、1錠投入すれば、洗浄できる大きさが簡便に使用できるため好ましい。
また、タブレット(錠剤)の重量は、0.5〜5gが好ましく、1〜3gがより好ましい。
【0036】
タブレット(錠剤)の製造方法は、従来公知のタブレット(錠剤)を製造する方法を行なえばよいが、例えば、打錠機を使用し、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物の紛体を、圧縮し打錠成形すればよい。具体的には、直径16mmの臼に飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物の粉体2.5g充填し、面圧1.5t/cmで打錠成型することが好ましい。
【0037】
タブレット(錠剤)は、保管時や輸送時には、欠けや崩壊などがないことが好ましく、使用時には、速やかに水に溶解することが好ましい。タブレット(錠剤)の溶解性は、1〜3gの錠剤(タブレット)で、50〜80℃の水で100〜500mlの水に速やかに溶解することが好ましい。
【0038】
本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、あるいは本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットは、コーヒー、紅茶、日本茶、ウーロン茶、各種お茶、清涼飲料水、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、各種ジュース、スポーツドリンク、スタミナドリンク、健康飲料、乳酸菌飲料、牛乳、ビール、日本酒、ワイン、洋酒、各種アルコール飲料、ミネラルウォーター等の各種飲料の、サーバー、ディスペンサ等の洗浄に使用される。なかでもコーヒー汚れの洗浄に優れているため、コーヒーマシンやコーヒーサーバーの洗浄に使用されるのが好ましく、特にコーヒーマシンの内部(コーヒーライン)の洗浄に優れている。
【0039】
コーヒーマシンの例としては、コーヒーブルーワー、ドリップマシン、セミオートコーヒーマシン、セミオートエスプレッソマシン、フルオートコーヒーマシン、フルオートエスプレッソマシンなどが挙げられ、特に、スペシャルコーヒー(エスプレッソ、カプチーノ)を供給するコーヒーマシン、フルオートもしくはセミオートのコーヒーマシンの洗浄に使用するのが好ましい。
【0040】
本発明の飲料ディスペンサの洗浄方法は、上記本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、あるいは本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットを用いて、飲料ディスペンサを洗浄するものである。飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、あるいは本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットとして上記本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、あるいは本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットを使用する以外は、公知の飲料ディスペンサと同様にして洗浄を行えばよい。
【実施例】
【0041】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお実施例中の部及び%は特に記載が無い限り重量基準である。
【0042】
実施例1〜8、比較例1〜3
表1に記載した配合の、本発明の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物を用いて、下記の条件で試験を行い、下記の評価基準で洗浄性、タブレット(錠剤)の溶解性について評価した。結果を表1に示す。同様に表1に記載した配合の比較例で試験を行なった。
【0043】
また、タブレット(錠剤)化は、下記の方法で行なった。
<タブレット(錠剤)化試験>
評価方法:
直径16mmの臼に飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物の粉体2.5g充填し、面圧1.5t/cmで打錠し、成型性を評価した。
評価基準:
◎ 錠剤化良好
○ 錠剤化可能
△ 錠剤に一部に欠けが見られた。
× 錠剤化不可
【0044】
<洗浄試験>
評価方法:
まず、家庭用コーヒーメーカーにてコーヒーを抽出し、80℃に調整したコーヒー液中にステンレスパネルを浸漬してコーヒーを付着させ、風乾してテストパネルとした。
次に300mlビーカー中に水道水を用いて各組成物の1%希釈溶液を80℃にて200ml調整し、テストパネルを5分間浸漬した。浸漬後、流水で濯いだ後、上記テストパネルを目視で観察し、以下の基準で評価した。
評価基準:
◎ 汚れが完全に除去された。
○ 汚れがほとんど除去された。
△ 汚れの除去が不十分であった。
× 汚れがほとんど除去されなかった。
【0045】
<錠剤の溶解試験>
評価方法:
500mlのビーカーに水温60℃に調製した水道水300mlを注ぎ、次いで錠剤を投入する。錠剤を投入して、溶け残りの小片が浮上するまでの時間を計測し溶解時間とした。
評価基準:
◎ 3分以内に溶解した。
○ 5分以内に溶解した。
△ 10分以内に溶解した。
× 溶解するのに10分以上要した。
【0046】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)〜(C)成分、
(A)酸素系漂白剤、
(B)キレート剤、
(C)有機酸
を含有することを特徴とする飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物。
【請求項2】
さらに、
(D)滑沢剤
(E)結合剤および/または崩壊剤
を含有することを特徴とする請求項1記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物。
【請求項3】
(A)成分が、過炭酸ナトリウムである請求項1または2に記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物。
【請求項4】
(B)成分が、ニトリロ三酢酸ナトリウムである請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物。
【請求項5】
(C)成分が、クエン酸および/またはコハク酸である請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物をタブレット(錠剤)形状に成形したことを特徴とする、飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレット。
【請求項7】
飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物が、コーヒーマシン用である請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物。
【請求項8】
飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットが、コーヒーマシン用である請求項6に記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレット。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤組成物、もしくは請求項6に記載の飲料ディスペンサ用洗浄剤タブレットを用いて、飲料ディスペンサを洗浄することを特徴とする飲料ディスペンサの洗浄方法。

【公開番号】特開2006−342256(P2006−342256A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169649(P2005−169649)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【出願人】(593085808)ADEKAクリーンエイド株式会社 (25)
【Fターム(参考)】