飲料容器
【課題】 注出口を、口部及び鼻部に対応して、飲料水を舌で味わうだけでなく鼻で嗅ぐことができるようにした飲料容器を提供する。
【解決手段】 蓋体の傾斜した蓋本体の最下位置に、蓋体の周壁の内側下部から蓋体の中心を超える箇所に、口部と鼻部とが入る広範囲な注出口を設け、その注出口に開閉する蓋片を屈曲しない一体構造にして、その一端を自在継手で上下方向、周方向に回動自在に取り付け、他端を前記周壁に係止したことを特徴とする飲料容器。
【解決手段】 蓋体の傾斜した蓋本体の最下位置に、蓋体の周壁の内側下部から蓋体の中心を超える箇所に、口部と鼻部とが入る広範囲な注出口を設け、その注出口に開閉する蓋片を屈曲しない一体構造にして、その一端を自在継手で上下方向、周方向に回動自在に取り付け、他端を前記周壁に係止したことを特徴とする飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器、特に飲料容器の蓋の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料容器として、フタ材14を備えたコップ本体12としての密封容器16と、この密封容器16上に配置されたキャップ18とを備え、該キャップ18が前記フタ材を破り、飲料を飲むようにしたものがある(特許文献1)。
【0003】
また、別に内側11と外側容器12の複合式容器であって、その内側容器11の円弧状凹部17を外側容器12と嵌合し、蓋体20のつまみ26を引っ張って、切断誘導部25のところで蓋片28を開封して注出口30から飲料を飲むように構成したものもある(特許文献2)。
【0004】
さらに、内外2層容器2,3からなる容器体1には、その上部に、上部周壁5を設けた頂壁10にその軸孔12の回動軸21でフック22を有する蓋板20を回動自在にして蓋をすると共に、蓋板20に設けた栓蓋23のヒンジ24を上下方向に回動させて、前記頂壁10に設けた空気置換孔13と飲み口部11を開閉して飲料水を飲むようにした飲料容器が開示されている(特許文献3)。
【0005】
上記特許文献1は、コップ本体12にフタ材14を設けて密封容器16としているので、殺菌洗浄処理され、飲む直前まで、飲料をこぼしたりすることなく、衛生上好ましい状態にして飲料を飲むことができるというものである。また、特許文献2では、内側11と外側容器12の間に空間を形成して、生ビールや清涼飲料等の冷たい飲料を長時間にわたって維持できるようにしたものである。
しかし、これら特許文献1と2は、飲料水の殺菌をしてその増殖をなくしたり、温度の急上昇を抑えるものであり、飲料容器の蓋体そのものを改良したものではない。
【0006】
一方、特許文献3は、蓋板20を改良したものであり、その飲み口部11と空気置換孔13を同様に閉塞し、蓋板20を周壁5から同時に離脱させて上方へ回動させると共に、周方向に回動させて空気置換部13から空気を導入することで、容易に飲料を飲み口部から飲み込むことができるようにしたものである。
【0007】
しかしながら、この特許文献3では、飲み口部11が飲料水を飲む、特に、空気置換部13が容器体内を負圧になるのを防止して外気を導入するためのものであり、したがって飲料水、特にコーヒーや紅茶などでは舌で味わうだけのもので、鼻から匂いを嗅ぐことに対して構造上の考慮がされていない。
また、特許文献3の蓋板20は、薄肉のヒンジ24により蓋板20を上下及び回動させるために、その部分での耐久性が悪いという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−187082号公報
【特許文献2】特開2006−151500号公報
【特許文献3】特開2009−161201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記欠点を解消するものであり、コーヒーや紅茶の本来の喫飲が、舌で味わうだけでなく、香りを吸うことにより、五感のうち舌と鼻を使った満足感が与えられる飲料容器を提供せんとする。また、通常は飲料を密封しておき、蓋体の度重なる開閉操作に対する耐久性を向上した飲料容器を改良したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決したものであり、その要旨は飲料を入れる下部が有底で上部開口の容器本体と、該容器本体の上部開口を開閉する周壁を形成した蓋体とからなり、該蓋体にある注出口の大きさを飲料する者の口部と鼻部とに対応するために、前記周壁の内側下部から前記蓋体の中心を超える箇所に渡って形成すると共に、該注出口には開閉する蓋片を屈曲しない一体構造にしたもので、上下方向及び周方向に回動自在にして前記蓋体に設けたことを特徴とする飲料容器飲料にある。
ここで、前記容器本体は、ステンレス製等であって耐蝕性、耐薬品性を有する薄肉の内側金属製板と、透明で耐衝撃性を有するAS樹脂からなる外側樹脂板とからなる。また、蓋体に固定して上下及び周方向に回動可能にした蓋片は、加工性が良く、耐衝撃性に優れたABS樹脂を用いる。
【0011】
前記蓋体に設けた蓋片を回動自在にするのに、玉継手を用い、しかもその玉継手となるソケット及び又はソケット周囲の蓋体を擂鉢状に切り欠くことにより、前記蓋片の玉継手からの開放角を大きくして、飲料を舌と鼻でより十分喫することができるようにしている。
【0012】
前記注出口が蓋体を略扇状に切り欠いたもので、その注出口を密封するために、開閉する蓋片の下側周縁には、前記略扇状の注出口内側に合致して突出した栓枠を設けている。
【0013】
また、蓋片の上部には、強度を増すための、補強リブが蓋片と一体に設けられている。
【0014】
さらに、前記蓋体は、前記注出口を最下位置にしている傾斜板であって、前記蓋片を直線状の一体機構にし、蓋体に自在継手で上下及び回動可能に結合したものである。
【0015】
さらにまた、前記容器本体は、内側にステンレス鋼などの薄肉厚の内側金属製板として内部の冷温又は高温飲料の熱伝導を良好にし、その外側には中空の空隙を介在して、厚肉で断熱性を有するAS樹脂などからなる外側樹脂製板を配置する二重構造からなり、これら内外の金属製板と樹脂製板蓋体とを支承板を介して結合する。
【0016】
そして、前記外側樹脂製板と内側金属板に対する、前記蓋体との結合が、その下部を支承板と外側樹脂製板の雄螺子と雌螺子を螺着すると共に、上部には前記内側金属板の上部を前記支承板に係止し、かつ内側金属製板の上部突出部を蓋体の雄螺子に螺着する。
【0017】
そしてまた、前記薄肉厚の内側金属製板の有底コーナー部には、ゴム製の衝撃防護材を巻装して同箇所を保護している。
【0018】
さらに、前記外側樹脂の底部には、滑り止めを有する底蓋を設置して、飲料容器の下部を保護する。
【発明の効果】
【0019】
本発明である飲料容器は、蓋体にある飲料の注出口を飲料する者の口部と鼻部とが対応する大きさにするために、蓋体にある注出口を蓋体の最下部に設けた周壁の内側下部から蓋体の中心軸を超える箇所に渡る大きさにしたので、飲料を飲む際に、上記口部と鼻部が注出口に対応して位置しているので舌での味わいの他に、調香の要領でコーヒーや紅茶等の香りを嗅ぐことができる。
また、その注出口は、屈曲しない一体構造の蓋片で開閉でき、その蓋片を上下方向と周方向に回動可能にして前記したように口だけではなく鼻をも注出口に対応して位置させることを容易にした。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例の一つである飲料容器の縦断面図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】図2の蓋片を上方に開いた説明図である。
【図4】図1の分解図である。
【図5】上記図1乃至図4の飲料容器とは別の実施例としての縦断面図である。
【図6】図5の斜視図である。
【図7】図5、図6にある玉継手付きの蓋片の斜視図である。
【図8】図7の蓋片を開閉するために、蓋体に設けた注出口の周囲に固定したシール材の斜視図である。
【図9】図5、図6の平面図である。
【図10】図9の縦断面図である。
【図11】図5の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は飲料容器の注出口を口部と鼻部と対応するために、蓋体の周壁内側下部から中心軸を超える箇所に渡って注出口を形成し、その注出口を開閉する蓋片を前記注出口に対応する大きさにすると同時に、口部、特に鼻部の邪魔にならないように蓋片の一体構造を上下方向及び周方向に回動自在にした。また、本発明では前記蓋片の前記注出口との開放角度を大きくし、その蓋片の強度を補強するようにした。
【実施例】
【0022】
実施例1
図1乃至図4において、飲料容器100は容器本体101と、その上部開口を開閉する周壁102を形成した蓋体103とからなる。
【0023】
ABS樹脂製の蓋体103には、周壁102内側の最下位置に水の飲み口としての注出口104を開口した傾斜板としての蓋本体105が存在し、その注出口104の大きさは、周壁102の内側下部から蓋体103の中心を超える大きさで、より具体的には蓋体103の中心を超えた位置を扇の要めとして前記周壁102の内側下部に渡る扇状の開口が、人の口部だけでなく鼻部にまで対応する大きさとしている。
また、蓋体103には、前記扇状の開口中心側の一端に自在継手の一種である上下半球を接合又は接着したボール106’と、そのボールを下半分以上埋設したソケット106”を結合した玉継手106を有し、他端の扇状の弧側には前記注出口104の外周にある周壁102を掴むフック107を備えた屈曲しない一体構造のABS樹脂製の蓋片108を設けており、その蓋片108は前記玉継手106を中心に、蓋本体105に対して、上下方向と周方向に回動自在とし、前記注出口104に開閉できるようにしている。
そして、蓋片108の前記玉継手106とフック107間の下部に、前記した注出口104である扇状の開口周辺を閉塞する栓枠109を一体に形成している。
【0024】
蓋体103の下部にある裾部外側には、雌ネジ112が設けられ、これには、有底で上部開口を有する金属製内筒である1m/m厚のステンレス筒111の上部突出部113が螺着している。
また、前記ステンレス筒111の上端部は、ABS樹脂からなる筒状の支承板114を上から被覆するように係止している。
【0025】
前記支承板114の下部内側には雄ネジ114−1を設けて、有底で上部開口を有する5m/m厚のAS樹脂製の外筒115に設けた雌ネジ115−1に、前記ステンレス筒111との間に約5m/mの空隙110を置いて、それぞれをシール材114−2を介して螺着している。
【0026】
そして、ステンレス内筒111の底部のコーナーには、ゴム製の衝撃防護材116を装置して、内筒111の出し入れの際の衝撃による損傷を防止している。
また、AS樹脂製の外筒115の底部には、ポリエチレン製の底蓋117が、シール材115−3を介して、それぞれの凹部115−2と凸部117−1で嵌合している。また、その底蓋117の下面に凹所を設けて、布製の滑り止め117−2を設けている。
【0027】
実施例2
図5乃至図11における、容器本体101−1と、その上部開口を開閉する同壁102−1を形成した蓋体103−1からなる飲料容器100−1は、基本的に上記実施例1と同じである。
この実施例2が、実施例1と異なる箇所は、(1)蓋体103−1の蓋片108−1が蓋本体105−1に対して、開放角をより大きく開くようにしたこと、(2)その蓋片108−1の表面に扇状の厚肉にした補強リブ119を形成したこと、及び(3)外筒115−1の肉厚を小さくしたことにある。
【0028】
そこで、本実施例が実施例1とは、蓋本体105−1の傾斜板の最高部から3分の1の所に、ソケット106”−1を埋設するように固定しておき、該ソケット106”−1には蓋片108−1の一方に上下半球を接合又は接着したボール106’−1を嵌着して玉継手106−1とすることで、前記蓋片108−1を上下してフック107−1を周壁102−1と注出口104−1とから着脱可能にし、持ち上げた蓋片108−1を回動自在にしている点で共通する。
異なる点は、ソケットのボール106’−1の周辺とそれに隣接する蓋本体105−1を切り欠いて、擂鉢状に形成することにより、蓋片108−1を略130度開くことができるようにしたことにある。このことにより、注出口104−1を開いて中の飲料水を飲む際に、より十分に口部と鼻部を注出口104−1上に置くことができるようにした。また、前記蓋片108−1の先部は、窪みの中心にある前記玉継手106−1のボール106’−1に沿うように前記擂鉢状の中に落ち込んでいる。
また、蓋片108−1の表面には、扇形方の外枠のやや内側に凸状の補強リブ119が設けられている。
その他、蓋片108−1の裏側に栓枠109−1を設けていること、蓋体103の下部にある裾部外側の雌ネジ112−1とステンレス筒111−1の突出部113−1との螺着、支承板114−1と外筒115−1とのシール材114−3を介して螺着していること、ステンレス筒111−1の底部コーナ部にゴム製の防護材116−1を設けたこと、外筒115−1の底部に布製の滑り止め117−3を設けた底蓋117−1をシール材121を介して前記外筒115−1の底部に嵌合している点については、実施例1と同じである。
なお、実施例2の外筒115−1の肉厚は、実施例1のそれよりも薄くしているという違いがあるが、これは本飲料容器を日常生活で持ち歩くという点で、強度上問題とならない範囲で軽くしている。
【産業上の利用可能性】
【0029】
冷却された、あるいは熱くした飲料水の容器、特にその蓋部に利用する。
【符号の説明】
【0030】
100,100−1 飲料容器
101,101−1 容器本体
102,102−1 周壁
103,103−1 蓋体
104,104−1 注出口
105,105−1 蓋本体
106,106−1 自在継手(玉継手)
107,107−1 フック
108,108−1 蓋片
109,109−1 栓枠
110,110−1 空隙
111,111−1 金属製内筒
114,114−1 支承板
116,116−1 衝撃防護材
117,117−1 底蓋
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器、特に飲料容器の蓋の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料容器として、フタ材14を備えたコップ本体12としての密封容器16と、この密封容器16上に配置されたキャップ18とを備え、該キャップ18が前記フタ材を破り、飲料を飲むようにしたものがある(特許文献1)。
【0003】
また、別に内側11と外側容器12の複合式容器であって、その内側容器11の円弧状凹部17を外側容器12と嵌合し、蓋体20のつまみ26を引っ張って、切断誘導部25のところで蓋片28を開封して注出口30から飲料を飲むように構成したものもある(特許文献2)。
【0004】
さらに、内外2層容器2,3からなる容器体1には、その上部に、上部周壁5を設けた頂壁10にその軸孔12の回動軸21でフック22を有する蓋板20を回動自在にして蓋をすると共に、蓋板20に設けた栓蓋23のヒンジ24を上下方向に回動させて、前記頂壁10に設けた空気置換孔13と飲み口部11を開閉して飲料水を飲むようにした飲料容器が開示されている(特許文献3)。
【0005】
上記特許文献1は、コップ本体12にフタ材14を設けて密封容器16としているので、殺菌洗浄処理され、飲む直前まで、飲料をこぼしたりすることなく、衛生上好ましい状態にして飲料を飲むことができるというものである。また、特許文献2では、内側11と外側容器12の間に空間を形成して、生ビールや清涼飲料等の冷たい飲料を長時間にわたって維持できるようにしたものである。
しかし、これら特許文献1と2は、飲料水の殺菌をしてその増殖をなくしたり、温度の急上昇を抑えるものであり、飲料容器の蓋体そのものを改良したものではない。
【0006】
一方、特許文献3は、蓋板20を改良したものであり、その飲み口部11と空気置換孔13を同様に閉塞し、蓋板20を周壁5から同時に離脱させて上方へ回動させると共に、周方向に回動させて空気置換部13から空気を導入することで、容易に飲料を飲み口部から飲み込むことができるようにしたものである。
【0007】
しかしながら、この特許文献3では、飲み口部11が飲料水を飲む、特に、空気置換部13が容器体内を負圧になるのを防止して外気を導入するためのものであり、したがって飲料水、特にコーヒーや紅茶などでは舌で味わうだけのもので、鼻から匂いを嗅ぐことに対して構造上の考慮がされていない。
また、特許文献3の蓋板20は、薄肉のヒンジ24により蓋板20を上下及び回動させるために、その部分での耐久性が悪いという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−187082号公報
【特許文献2】特開2006−151500号公報
【特許文献3】特開2009−161201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記欠点を解消するものであり、コーヒーや紅茶の本来の喫飲が、舌で味わうだけでなく、香りを吸うことにより、五感のうち舌と鼻を使った満足感が与えられる飲料容器を提供せんとする。また、通常は飲料を密封しておき、蓋体の度重なる開閉操作に対する耐久性を向上した飲料容器を改良したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決したものであり、その要旨は飲料を入れる下部が有底で上部開口の容器本体と、該容器本体の上部開口を開閉する周壁を形成した蓋体とからなり、該蓋体にある注出口の大きさを飲料する者の口部と鼻部とに対応するために、前記周壁の内側下部から前記蓋体の中心を超える箇所に渡って形成すると共に、該注出口には開閉する蓋片を屈曲しない一体構造にしたもので、上下方向及び周方向に回動自在にして前記蓋体に設けたことを特徴とする飲料容器飲料にある。
ここで、前記容器本体は、ステンレス製等であって耐蝕性、耐薬品性を有する薄肉の内側金属製板と、透明で耐衝撃性を有するAS樹脂からなる外側樹脂板とからなる。また、蓋体に固定して上下及び周方向に回動可能にした蓋片は、加工性が良く、耐衝撃性に優れたABS樹脂を用いる。
【0011】
前記蓋体に設けた蓋片を回動自在にするのに、玉継手を用い、しかもその玉継手となるソケット及び又はソケット周囲の蓋体を擂鉢状に切り欠くことにより、前記蓋片の玉継手からの開放角を大きくして、飲料を舌と鼻でより十分喫することができるようにしている。
【0012】
前記注出口が蓋体を略扇状に切り欠いたもので、その注出口を密封するために、開閉する蓋片の下側周縁には、前記略扇状の注出口内側に合致して突出した栓枠を設けている。
【0013】
また、蓋片の上部には、強度を増すための、補強リブが蓋片と一体に設けられている。
【0014】
さらに、前記蓋体は、前記注出口を最下位置にしている傾斜板であって、前記蓋片を直線状の一体機構にし、蓋体に自在継手で上下及び回動可能に結合したものである。
【0015】
さらにまた、前記容器本体は、内側にステンレス鋼などの薄肉厚の内側金属製板として内部の冷温又は高温飲料の熱伝導を良好にし、その外側には中空の空隙を介在して、厚肉で断熱性を有するAS樹脂などからなる外側樹脂製板を配置する二重構造からなり、これら内外の金属製板と樹脂製板蓋体とを支承板を介して結合する。
【0016】
そして、前記外側樹脂製板と内側金属板に対する、前記蓋体との結合が、その下部を支承板と外側樹脂製板の雄螺子と雌螺子を螺着すると共に、上部には前記内側金属板の上部を前記支承板に係止し、かつ内側金属製板の上部突出部を蓋体の雄螺子に螺着する。
【0017】
そしてまた、前記薄肉厚の内側金属製板の有底コーナー部には、ゴム製の衝撃防護材を巻装して同箇所を保護している。
【0018】
さらに、前記外側樹脂の底部には、滑り止めを有する底蓋を設置して、飲料容器の下部を保護する。
【発明の効果】
【0019】
本発明である飲料容器は、蓋体にある飲料の注出口を飲料する者の口部と鼻部とが対応する大きさにするために、蓋体にある注出口を蓋体の最下部に設けた周壁の内側下部から蓋体の中心軸を超える箇所に渡る大きさにしたので、飲料を飲む際に、上記口部と鼻部が注出口に対応して位置しているので舌での味わいの他に、調香の要領でコーヒーや紅茶等の香りを嗅ぐことができる。
また、その注出口は、屈曲しない一体構造の蓋片で開閉でき、その蓋片を上下方向と周方向に回動可能にして前記したように口だけではなく鼻をも注出口に対応して位置させることを容易にした。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例の一つである飲料容器の縦断面図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】図2の蓋片を上方に開いた説明図である。
【図4】図1の分解図である。
【図5】上記図1乃至図4の飲料容器とは別の実施例としての縦断面図である。
【図6】図5の斜視図である。
【図7】図5、図6にある玉継手付きの蓋片の斜視図である。
【図8】図7の蓋片を開閉するために、蓋体に設けた注出口の周囲に固定したシール材の斜視図である。
【図9】図5、図6の平面図である。
【図10】図9の縦断面図である。
【図11】図5の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は飲料容器の注出口を口部と鼻部と対応するために、蓋体の周壁内側下部から中心軸を超える箇所に渡って注出口を形成し、その注出口を開閉する蓋片を前記注出口に対応する大きさにすると同時に、口部、特に鼻部の邪魔にならないように蓋片の一体構造を上下方向及び周方向に回動自在にした。また、本発明では前記蓋片の前記注出口との開放角度を大きくし、その蓋片の強度を補強するようにした。
【実施例】
【0022】
実施例1
図1乃至図4において、飲料容器100は容器本体101と、その上部開口を開閉する周壁102を形成した蓋体103とからなる。
【0023】
ABS樹脂製の蓋体103には、周壁102内側の最下位置に水の飲み口としての注出口104を開口した傾斜板としての蓋本体105が存在し、その注出口104の大きさは、周壁102の内側下部から蓋体103の中心を超える大きさで、より具体的には蓋体103の中心を超えた位置を扇の要めとして前記周壁102の内側下部に渡る扇状の開口が、人の口部だけでなく鼻部にまで対応する大きさとしている。
また、蓋体103には、前記扇状の開口中心側の一端に自在継手の一種である上下半球を接合又は接着したボール106’と、そのボールを下半分以上埋設したソケット106”を結合した玉継手106を有し、他端の扇状の弧側には前記注出口104の外周にある周壁102を掴むフック107を備えた屈曲しない一体構造のABS樹脂製の蓋片108を設けており、その蓋片108は前記玉継手106を中心に、蓋本体105に対して、上下方向と周方向に回動自在とし、前記注出口104に開閉できるようにしている。
そして、蓋片108の前記玉継手106とフック107間の下部に、前記した注出口104である扇状の開口周辺を閉塞する栓枠109を一体に形成している。
【0024】
蓋体103の下部にある裾部外側には、雌ネジ112が設けられ、これには、有底で上部開口を有する金属製内筒である1m/m厚のステンレス筒111の上部突出部113が螺着している。
また、前記ステンレス筒111の上端部は、ABS樹脂からなる筒状の支承板114を上から被覆するように係止している。
【0025】
前記支承板114の下部内側には雄ネジ114−1を設けて、有底で上部開口を有する5m/m厚のAS樹脂製の外筒115に設けた雌ネジ115−1に、前記ステンレス筒111との間に約5m/mの空隙110を置いて、それぞれをシール材114−2を介して螺着している。
【0026】
そして、ステンレス内筒111の底部のコーナーには、ゴム製の衝撃防護材116を装置して、内筒111の出し入れの際の衝撃による損傷を防止している。
また、AS樹脂製の外筒115の底部には、ポリエチレン製の底蓋117が、シール材115−3を介して、それぞれの凹部115−2と凸部117−1で嵌合している。また、その底蓋117の下面に凹所を設けて、布製の滑り止め117−2を設けている。
【0027】
実施例2
図5乃至図11における、容器本体101−1と、その上部開口を開閉する同壁102−1を形成した蓋体103−1からなる飲料容器100−1は、基本的に上記実施例1と同じである。
この実施例2が、実施例1と異なる箇所は、(1)蓋体103−1の蓋片108−1が蓋本体105−1に対して、開放角をより大きく開くようにしたこと、(2)その蓋片108−1の表面に扇状の厚肉にした補強リブ119を形成したこと、及び(3)外筒115−1の肉厚を小さくしたことにある。
【0028】
そこで、本実施例が実施例1とは、蓋本体105−1の傾斜板の最高部から3分の1の所に、ソケット106”−1を埋設するように固定しておき、該ソケット106”−1には蓋片108−1の一方に上下半球を接合又は接着したボール106’−1を嵌着して玉継手106−1とすることで、前記蓋片108−1を上下してフック107−1を周壁102−1と注出口104−1とから着脱可能にし、持ち上げた蓋片108−1を回動自在にしている点で共通する。
異なる点は、ソケットのボール106’−1の周辺とそれに隣接する蓋本体105−1を切り欠いて、擂鉢状に形成することにより、蓋片108−1を略130度開くことができるようにしたことにある。このことにより、注出口104−1を開いて中の飲料水を飲む際に、より十分に口部と鼻部を注出口104−1上に置くことができるようにした。また、前記蓋片108−1の先部は、窪みの中心にある前記玉継手106−1のボール106’−1に沿うように前記擂鉢状の中に落ち込んでいる。
また、蓋片108−1の表面には、扇形方の外枠のやや内側に凸状の補強リブ119が設けられている。
その他、蓋片108−1の裏側に栓枠109−1を設けていること、蓋体103の下部にある裾部外側の雌ネジ112−1とステンレス筒111−1の突出部113−1との螺着、支承板114−1と外筒115−1とのシール材114−3を介して螺着していること、ステンレス筒111−1の底部コーナ部にゴム製の防護材116−1を設けたこと、外筒115−1の底部に布製の滑り止め117−3を設けた底蓋117−1をシール材121を介して前記外筒115−1の底部に嵌合している点については、実施例1と同じである。
なお、実施例2の外筒115−1の肉厚は、実施例1のそれよりも薄くしているという違いがあるが、これは本飲料容器を日常生活で持ち歩くという点で、強度上問題とならない範囲で軽くしている。
【産業上の利用可能性】
【0029】
冷却された、あるいは熱くした飲料水の容器、特にその蓋部に利用する。
【符号の説明】
【0030】
100,100−1 飲料容器
101,101−1 容器本体
102,102−1 周壁
103,103−1 蓋体
104,104−1 注出口
105,105−1 蓋本体
106,106−1 自在継手(玉継手)
107,107−1 フック
108,108−1 蓋片
109,109−1 栓枠
110,110−1 空隙
111,111−1 金属製内筒
114,114−1 支承板
116,116−1 衝撃防護材
117,117−1 底蓋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を入れる下部が有底で上部開口の容器本体と、該容器本体の上部開口を開閉する周壁を形成した蓋体とからなり、該蓋体にある注出口の大きさを飲料する者の口部と鼻部とに対応するために、前記周壁の内側下部から前記蓋体の中心を超える箇所に渡って形成すると共に、該注出口には開閉する蓋片を屈曲しない一体構造にしたもので、上下方向及び周方向に回動自在にして前記蓋体に設けたことを特徴とする飲料容器。
【請求項2】
回動自在に蓋体に設けた蓋片が、玉継手であり、その玉継手となるボールの周囲にあるソケット又は/及び蓋体を擂鉢状に切り欠くことで、前記蓋片の開放角を大きくした請求項1に記載の飲料容器。
【請求項3】
前記注出口と、それに開閉する蓋片の下部に設けた栓枠が、略扇状の密封部とした請求項1又は2に記載の飲料容器。
【請求項4】
前記蓋片上部には、その表面に補強リブを一体形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の飲料容器。
【請求項5】
前記蓋体が、注出口を最下位置にあるようにした傾斜板である請求項1乃至4のいずれかに記載の飲料容器。
【請求項6】
前記容器本体が、薄肉厚の金属製の有底内筒と、前記内筒より厚肉の合成樹脂製の有底外筒との間に空隙を配置したものからなり、これら内筒と外筒と前記蓋体との結合を、内筒状の支承板を介在して結合したものである、請求項1乃至5のいずれかに記載の飲料容器。
【請求項7】
前記支承板を介した合成樹脂製の有底外筒及び金属製の有底内筒に対する前記蓋体との結合が、前記支承板と有底外筒のそれぞれの下部を螺着すると共に、前記有底内筒を支承板に係止し、かつその金属製内筒の上部突出部に前記蓋体の下部を螺着したものである請求項6に記載の飲料容器。
【請求項8】
前記金属製内筒の有底コーナー部に、衝撃防護材を装着した請求項6又は7に記載の飲料容器。
【請求項9】
前記合成樹脂製外筒の底部に、滑り止めを有する底蓋を設置した請求項6乃至8のいずれかに記載の飲料容器。
【請求項1】
飲料を入れる下部が有底で上部開口の容器本体と、該容器本体の上部開口を開閉する周壁を形成した蓋体とからなり、該蓋体にある注出口の大きさを飲料する者の口部と鼻部とに対応するために、前記周壁の内側下部から前記蓋体の中心を超える箇所に渡って形成すると共に、該注出口には開閉する蓋片を屈曲しない一体構造にしたもので、上下方向及び周方向に回動自在にして前記蓋体に設けたことを特徴とする飲料容器。
【請求項2】
回動自在に蓋体に設けた蓋片が、玉継手であり、その玉継手となるボールの周囲にあるソケット又は/及び蓋体を擂鉢状に切り欠くことで、前記蓋片の開放角を大きくした請求項1に記載の飲料容器。
【請求項3】
前記注出口と、それに開閉する蓋片の下部に設けた栓枠が、略扇状の密封部とした請求項1又は2に記載の飲料容器。
【請求項4】
前記蓋片上部には、その表面に補強リブを一体形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の飲料容器。
【請求項5】
前記蓋体が、注出口を最下位置にあるようにした傾斜板である請求項1乃至4のいずれかに記載の飲料容器。
【請求項6】
前記容器本体が、薄肉厚の金属製の有底内筒と、前記内筒より厚肉の合成樹脂製の有底外筒との間に空隙を配置したものからなり、これら内筒と外筒と前記蓋体との結合を、内筒状の支承板を介在して結合したものである、請求項1乃至5のいずれかに記載の飲料容器。
【請求項7】
前記支承板を介した合成樹脂製の有底外筒及び金属製の有底内筒に対する前記蓋体との結合が、前記支承板と有底外筒のそれぞれの下部を螺着すると共に、前記有底内筒を支承板に係止し、かつその金属製内筒の上部突出部に前記蓋体の下部を螺着したものである請求項6に記載の飲料容器。
【請求項8】
前記金属製内筒の有底コーナー部に、衝撃防護材を装着した請求項6又は7に記載の飲料容器。
【請求項9】
前記合成樹脂製外筒の底部に、滑り止めを有する底蓋を設置した請求項6乃至8のいずれかに記載の飲料容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−73790(P2011−73790A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25402(P2010−25402)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(505337076)カメイ・プロアクト株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(505337076)カメイ・プロアクト株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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