駆動伝達装置及びそれを用いた画像形成装置
【課題】ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能な駆動伝達装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100には、感光体ドラム1a〜1dを駆動するための駆動入力用ギア31と、現像ユニット3a〜3dに配置された現像ローラ22及び磁気ローラ23を駆動するための現像ローラ用ギア32、磁気ローラ用ギア33と、が設けられている。これらギアは所定の配置角度αで配置されており、現像ローラ用ギア32の周方向の位相は、配置角度αに対して、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合点と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との噛合点との成す角度が略同じになるように設定されている。
【解決手段】画像形成装置100には、感光体ドラム1a〜1dを駆動するための駆動入力用ギア31と、現像ユニット3a〜3dに配置された現像ローラ22及び磁気ローラ23を駆動するための現像ローラ用ギア32、磁気ローラ用ギア33と、が設けられている。これらギアは所定の配置角度αで配置されており、現像ローラ用ギア32の周方向の位相は、配置角度αに対して、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合点と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との噛合点との成す角度が略同じになるように設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動を伝達するためのギアが連結された駆動伝達装置及びそれを利用した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては、種々の回転部材が使用されている。かかる回転部材を回転させるためには、駆動モータ(図示せず)等の駆動源から各回転部材へ駆動を伝達する必要がある。そのため、高速回転する駆動モータと連結するギアから、減速比を大きくするために多段のギアを配設し、各回転部材に至るまでに回転速度を減速している。
【0003】
このような駆動伝達装置では、例えば3個以上のギアを噛み合わせて駆動を伝達する場合、ギアの噛み合いに不具合が生じると、振動が生じたり画像濃度変動等の画像ムラが発生する場合があった。
【0004】
そこで、ギアの噛み合いの不具合を解消するための方法が提案されている。例えば、特許文献1には、従動側の大ギアと駆動側の小ギアを同心で有する2段形状の樹脂成型2段ギアを、従動側大ギアの噛み合いピッチ誤差の疎側或いは密側が噛み合っているときに、駆動側小ギアの噛み合いピッチ誤差の密側或いは疎側が噛み合うよう形成することにより、従動側大ギア側から生じる回転ムラと駆動側小ギア側から生じる回転ムラを相殺し、金型の精度や成形時の管理精度を必要以上に高くしなくても低コストで回転ムラを低減し、回転ドラムの回転ムラを低減する方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、感光体ドラムの軸に同軸的に固定された駆動ギアの歯数をZ、感光体ドラムの書込位置から転写位置までの感光体の角度をθとするとき、Z・θ/360°が整数となるようにZ及びθを選択することにより、書き込み時の速度変動と書き込まれた像の転写時の速度変動とを同位相とし、感光体ドラムの駆動系の歯車等の歯型、精度を従来のまま、ジッタのない転写画像を得ることができ、特にカラー画像形成においてジッタに起因する色調ムラを解消する方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、1枚の歯車(ギア)に噛み合う2枚の動軸の歯車を周方向にずらせるばねを設けた無背隙歯車において、2枚の同軸の歯車の周方向の移動量を限定する手段を設けることにより、2枚の歯車のずれ量を規制し、歯車列の噛み合せを容易にする方法が開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、同一軸上に複数個の歯車が配設された連動歯車における複数個の歯車をそれぞれ別体で形成し、互いに隣接する歯車が所定の回転角度毎に伝動連結可能な連結手段を備えることにより、連動歯車を構成する各歯車によって各々位相合わせを可能とし、歯車駆動列全体の位相合わせを可能とする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−329215号公報
【特許文献2】特開昭62−264067号公報
【特許文献3】特開平2−57757号公報
【特許文献4】特開2000−35090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1には、駆動側と従動側とで噛み合わせの疎・密を合わせることが開示されているに過ぎず、複数個のギアの位置関係に応じて噛み合わせを調整する方法は開示されていない。また、特許文献2は、歯車同士の噛み合わせに関するものではなく、しかも1つの感光体ドラムにおける書込位置と転写位置との関係を示すに過ぎない。
【0010】
また、特許文献3は、無背隙歯車の噛み合わせを容易にするためのものであり、複数個のギアの噛み合わせに関するものではない。さらに、特許文献4は、2段ギアのギア同士の位相を係合凸部と嵌合凹部とを連結することによって調整しているため、精度良く位相を合わせることは困難である。
【0011】
このように、例えば複数個のギアのうち任意の3個のギアについて考えた場合、3個のギアの位置関係に応じて、中央に配置されたギアが一方のギアとで動力(駆動)を受け渡す瞬間と、他方のギアとで動力を受け渡す瞬間と、が同時になるようギアの噛み合わせが設計されることはなかった。特に、ギアの歯数が少なければ少ないほど歯のピッチ間隔が広い状態でギアが噛み合うため、振動が顕著に起こり易くなる。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能な駆動伝達装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置されており、前記第2のギアは、一体回転する2つのギアから構成され、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第2のギアの周方向の位相を調整することを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の駆動伝達装置において、前記第2のギアは、前記第1のギアと連結される第1のギア部と、前記第3のギアと連結される第2のギア部と、から成る2段ギアであり、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第1のギア部との噛合点と、前記第2のギア部と前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成の駆動伝達装置において、前記第1、第2及び第3のギアは、はすばギアから成り、スラスト方向における前記第1のギアと前記第1のギア部との噛合位置と、前記第2のギア部と前記第3のギアとの噛合位置とに基づいて、前記第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することを特徴としている。
【0016】
また本発明は、駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置され、且つはすばの1段ギアから成り、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように、スラスト方向における前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合位置と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合位置との間隔を調整することを特徴としている。
【0017】
また本発明は、上記構成の駆動伝達装置において、前記第1、第2及び第3のギアは、静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像にトナーを供給するトナー担持体及び該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材を有する現像装置と、を備えた画像形成部に配置され、且つ、前記第1のギアは、前記像担持体を駆動するためのギア、前記第2のギアは、前記トナー担持体を駆動するためのギア、前記第3のギアは、前記トナー供給部材を駆動するためのギアであることを特徴としている。
【0018】
また本発明は、上記構成の駆動伝達装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の構成によれば、第1、第2及び第3のギアを、所定の位置関係に配置し、第2のギアを、一体回転する2つのギアから構成し、第1のギアと第2のギアとを結ぶ中心線と、第2のギアと第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、第1のギアと第2のギアとの噛合点と、第2のギアと第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように第2のギアの周方向の位相を調整することにより、上記位置関係が固定され第1、第2及び第3のギアの配置を変動できないような場合であっても、その位置関係に応じて第2のギアを形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能になる。
【0020】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の駆動伝達装置において、第2のギアを、第1のギアと連結される第1のギア部と、第3のギアと連結される第2のギア部と、から成る2段ギアとし、第1のギアと第2のギアとを結ぶ中心線と、第2のギアと第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、第1のギアと第1のギア部との噛合点と、第2のギア部と第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することにより、第2のギアの位相をより詳細に設定することができるため、第1、第2及び第3のギアの噛み合わせをより詳細に調整することができ、効果的となる。
【0021】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の駆動伝達装置において、第1、第2及び第3のギアは、はすばギアから成り、スラスト方向における第1のギアと第1のギア部との噛合位置と、第2のギア部と第3のギアとの噛合位置とに基づいて、第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することにより、第1、第2及び第3のギアの噛み合わせをより詳細に調整すると共に、振動をより低減することもできるため、効果的となる。
【0022】
また、本発明の第4の構成によれば、第1、第2及び第3のギアを、所定の位置関係に配置されたはすばの1段ギアから構成し、第1のギアと第2のギアとを結ぶ中心線と、第2のギアと第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、第1のギアと第2のギアとの噛合点と、第2のギアと第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように、スラスト方向における第1のギアと第2のギアとの噛合位置と、第2のギアと第3のギアとの噛合位置との間隔を調整することにより、上記位置関係が固定され第1、第2及び第3のギアの配置を変動できないような場合であっても、その位置関係に応じて第2のギアを形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能になる。
【0023】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1〜第4のいずれかの構成の駆動伝達装置において、第1、第2及び第3のギアを画像形成部に配置し、且つ、第1のギアを、像担持体を駆動するためのギア、第2のギアを、トナー担持体を駆動するためのギア、第3のギアを、トナー供給部材を駆動するためのギアとすることにより、ギア間の振動を低減すると共に、画像濃度変動等の画像ムラをも抑制することができる。
【0024】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1〜第5のいずれかの構成の駆動伝達装置を備えた画像形成装置とすることにより、振動の低減や画像ムラの抑制された画像形成を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る駆動伝達装置が搭載されたタンデム型カラー画像形成装置の構成を示す概略図
【図2】本実施形態の駆動伝達装置の配置構成を示す斜視図
【図3】本実施形態の駆動伝達装置の配置構成を示す前面図
【図4】本発明の第1実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図3のC方向)から見た図
【図5】第1ギア部に対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの周方向の噛合位置とピッチ角度との関係を示す図
【図6】駆動入力用ギアと現像ローラ用ギアの噛合点及び現像ローラ用ギアと磁気ローラ用ギアとの噛合点との噛合関係を示す図
【図7】第2ギア部の位相を調整した状態を示す図
【図8】本発明の第2実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図4と同方向)から見た図
【図9】図8の第2ギア部と磁気ローラ用ギアとの噛合点のスラスト方向における配置関係を示す図
【図10】第2ギア部の位相を調整した状態を示す図
【図11】本発明の第3実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図8と同方向)から見た図
【図12】図11の現像ローラ用ギアと磁気ローラ用ギアとの噛合点のスラスト方向における噛合位置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る駆動伝達装置が搭載されたタンデム型カラー画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(ブラック、マゼンタ、シアン及びイエロー)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりブラック、マゼンタ、シアン及びイエローの画像を順次形成する。
【0027】
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、駆動手段(図示せず)により図1において反時計回り(矢印方向)に回転しながら各画像形成部に隣接して移動する搬送ベルト50によって搬送された用紙P上に順次転写され、さらに、定着部7において用紙P上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0028】
トナー像が転写される用紙Pは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラ12a及びレジストローラ対12bを介して各画像形成部Pa〜Pdへと搬送される。搬送ベルト50には誘電体樹脂製のシートが用いられ、そのフランジ部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、従動ローラ10の上流側には搬送ベルト50に付着したトナーを除去するためのクリーニングブレード19が配置されている。
【0029】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び上方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を個別に露光するLEDヘッド4a、4b、4c及び4dと、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像ユニット3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部5a、5b、5c及び5dが設けられている。
【0030】
ユーザにより画像形成開始が入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いでLEDヘッド4a〜4dによって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラ22(トナー担持体)を備え(図2参照)、それぞれブラック、マゼンタ、シアン及びイエローの各色のトナーが補給装置(図示せず)によって所定量充填されている。
【0031】
このトナーは、例えば正極性の磁性トナーであり、現像ユニット3a〜3dの現像ローラ22により感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、LEDヘッド4a〜4dからの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。なお、感光体ドラム1a〜1d及び現像ユニット3a〜3dの詳細については後述する。
【0032】
そして、搬送ベルト50に所定の転写電圧で電界が付与された後、転写ローラ6a〜6dにより感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像が搬送ベルト50に搬送された用紙P上に転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング部5a〜5dにより除去される。
【0033】
搬送ベルト50は、従動ローラ10及び駆動ローラ11に掛け渡されており、駆動モータ(図示せず)による駆動ローラ11の回転に伴い搬送ベルト50が反時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラ対12bから所定のタイミングで画像形成部Pa〜Pdへ搬送され、各画像形成部において搬送ベルト50とのニップ部において用紙P上に順次画像が転写され、フルカラー画像が形成される。トナー像が転写された用紙Pは定着部7へと搬送される。
【0034】
定着部7に搬送された用紙Pは、定着ローラ対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、排出ローラ15によって排出トレイ17に排出される。
【0035】
図2は、本実施形態の駆動伝達装置の配置構成を示す斜視図であり、図3は前面図である。なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色における感光体ドラム1a〜1d及び現像ユニット3a〜3dの構成は全く同様であるため、図2及び図3では、感光体ドラム1a及び現像ユニット3aについてのみ示し、以下、感光体ドラム1a及び現像ユニット3aに適用される駆動伝達装置30について説明する。
【0036】
図2及び図3に示すように、現像ユニット3aには、前述した現像ローラ22と、現像ローラ22に対し感光体ドラム1aと反対側に対向配置された磁気ローラ(トナー供給部材)23と、が設けられている。磁気ローラ23表面には、磁力によりトナーが付着するようになっている。
【0037】
また、図中時計回りに回転する感光体ドラム1aに対し、現像ローラ22は反時計回り、磁気ローラ23は時計回りに回転するようになっている。また、感光体ドラム1a及び現像ユニット3aは、装置本体の仕様に応じて所定の位置に配置されており、現像ユニット3aにおいて現像ローラ22及び磁気ローラ23も所定の位置に配置されている。
【0038】
磁気ローラ23、現像ローラ22及び感光体ドラム1aが回転し、磁気ローラ23及び現像ローラ22に図示しない電源からバイアスが印加されると、現像ユニット3a内において磁気ローラ23表面に付着したトナーは、磁気ローラ23及び現像ローラ22間の電位差により現像ローラ22表面に移動する。現像ローラ22表面のトナーは、現像ローラ22及び感光体ドラム1a間の電位差により、感光体ドラム1a表面に移動する。これにより、前述の通り感光体ドラム1a上にトナー像が形成される。
【0039】
そして、感光体ドラム1a、現像ローラ22及び磁気ローラ23は、駆動伝達装置30により駆動が伝えられるようになっている。駆動伝達装置30は、駆動入力用ギア(第1のギア)31、現像ローラ用ギア(第2のギア)32及び磁気ローラ用ギア(第3のギア)33を備えている。感光体ドラム1aは、図示しない駆動モータ等により駆動されるようになっており、駆動モータからの駆動が感光体ドラム1aの回転軸に設けられた駆動入力用ギア31を介して伝えられるようになっている。
【0040】
また、現像ローラ22の回転軸には現像ローラ用ギア32、磁気ローラ23の回転軸には磁気ローラ用ギア33が設けられており、現像ローラ用ギア32は駆動入力用ギア31と連結され、磁気ローラ用ギア33は現像ローラ用ギア32と連結されている。駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33は、例えば樹脂材料や金属材料等から形成される。
【0041】
駆動入力用ギア31が図中時計回りに回転すると、駆動入力用ギア31から駆動を伝達された現像ローラ用ギア32が反時計回りに回転し、現像ローラ用ギア32が反時計回りに回転すると、現像ローラ用ギア32から駆動を伝達された磁気ローラ用ギア33が時計回りに回転するようになっている。このように、駆動入力用ギア31が受けた駆動は、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33に伝わる。
【0042】
ここで、上記の通り、感光体ドラム1a、現像ローラ22及び磁気ローラ23の配置は予め設定されているため、その配置に応じて駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の配置も定まっている。かかる位置関係は、例えば図3に示すように、駆動入力用ギア31及び磁気ローラ用ギア32の軸中心を結んだ直線(中心線)と、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の軸中心を結んだ直線(中心線)と、が所定の配置角度α(例えば140°)となるように設定されている。
【0043】
従って、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の配置を変動させることができない。そこで、このように各ギアの位置関係を変動できない場合であっても、3つのギアの位置関係、すなわち駆動入力ギア31と現像ローラ用ギア32との中心線と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33とを結ぶ中心線との成す角度(配置角度)αに対して、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合点と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との噛合点との成す角度を略同じにするように、現像ローラ用ギア32の周方向の位相を設定することとした。以下、現像ローラ用ギア32の位相の設定方法について説明する。
【0044】
図4は、本発明の第1実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図3のC方向)から見た図であり、図5は、第1ギア部に対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの周方向の噛合位置とピッチ角度との関係を示す図であり、図6は、駆動入力用ギアと現像ローラ用ギアの噛合点及び現像ローラ用ギアと磁気ローラ用ギアとの噛合点との噛合関係を示す図であり、図7は、第2ギア部の位相を調整した状態を示す図である。図2及び図3と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0045】
駆動入力用ギア31は、歯数32枚、圧力角14.5°、平歯の1段ギアから構成され、磁気ローラ用ギア33は、歯数18枚、圧力角20°、平歯の1段ギアから構成され、現像ローラ用ギア32は、歯数16枚、平歯の2段ギアから構成されている。現像ローラ用ギア32のピッチ円の直径は、R(ここでは、13mm)に設定されている。
【0046】
現像ローラ用ギア32は、圧力角14.5°であって駆動入力用ギア31と連結される第1ギア部(第1のギア部)32aと、圧力角20°であって磁気ローラ用ギア33と連結される第2ギア部(第2のギア部)32bと、から形成されている。また、現像ローラ用ギア32は一体成形されているため、第1及び第2ギア部32a、32bは、それぞれ独立して回転することはできない。
【0047】
図4に示すように、まず、駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとが噛合点Aで噛み合ったとする。ここで、現像ローラ用ギア32の第1ギア部32aの位相と第2ギア部32bとの周方向の位相が同じ(すなわち第1ギア32aのみから成るのと同様)と仮定し、磁気ローラ用ギア33の右側端部と第2ギア部32bとの噛合点をB1とする。
【0048】
第1ギア部32a(若しくは第2ギア部32b)の歯数より、第1ギア部32a(第2ギア部32b)のピッチ角度p(ここでは360°/16=22.5°)を算出することができる。このとき、配置角度αをpで割ると、配置角度αに含まれるpの数量としてn(整数、ここでは6)、余りとして角度r(ここでは5°)が得られたとする。rは、現像ローラ用ギア32のピッチ円上の変位角度を表す。この場合、図5に示すように、αは、n及びpの積(n・p)と、αとn・pとの差分rと、の和(α=n・p+r、ここでは6×22.5°+5°)として表される。
【0049】
すなわち、噛合点B1は、現像ローラ用ギア32の回転方向(図5の白抜き矢印方向)下流側に、ピッチpのn倍よりもrだけ移動している。よって、配置角度αをpの整数倍とするためには、第1ギア部32aの周方向の位相を、現像ローラ用ギア32の回転方向(図5の白抜き矢印)の上流側にrだけ移動するよう、設定する必要がある(p・n−r)。
【0050】
また、図6に示すように、駆動入力用ギア31が現像ローラ用ギア32における一の歯の回転方向上流側を押すとき、他の歯の回転方向下流側が磁気ローラ用ギア33を押す関係にある。従って、回転方向下流側(若しくは上流側、ここでは下流側とする)に、ピッチpのn倍よりもp/2(ここでは22.5°/2=11.25°)だけ移動するよう、現像ローラ用ギア32の周方向の位相を設定する必要がある(p・n+p/2)。
【0051】
従って、第2ギア32bの周方向の位相を、噛合点B1からピッチ角度pの整数倍よりも回転方向下流側に、p/2とrの差分θ1(p/2−r)だけ移動するよう調整することにより、ピッチ角度pの整数倍とピッチ角度pの1/2との和(p・n+p/2)を、配置角度αに等しくすることができる。なお、θ1は、現像ローラ用ギア32のピッチ円上の変位角度を表す。
【0052】
よって、図7に示すように、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B1が、回転方向下流側にθ1だけ移動した噛合点B2へ移動するよう、第2ギア部32bの周方向の位相を設定することにより、駆動入力用ギア31と第1ギア部32bとの噛合点Aと、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B2との成す角度を、配置角度αと略同じにすることができる。
【0053】
これにより、噛合点Aで駆動入力用ギア31から現像ローラ用ギア32に駆動を伝える瞬間に噛合点B2で現像ローラ用ギア32から磁気ローラ用ギア33に駆動を伝えることができる。そして設定された位相に基づき現像用ローラ用ギア32を形成することができる。
【0054】
本実施形態により、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の配置角度αが固定され、その位置関係を変動できない場合であっても、配置角度αに応じて周方向の位相が調整された現像ローラ用ギア32を形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することができる。
【0055】
また、本実施形態では、現像ローラ用ギア32を、駆動入力用ギア31の受けた駆動が伝えられる第1ギア部32aと、磁気ローラ用ギア33に駆動を伝える第2ギア部32bと、から一体形成される2段ギアとし、配置角度αに対して駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとの噛合点Aと、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B2との成す角度とを略同じにした。これにより、現像ローラ用ギア32の位相をより詳細に設定することができるため、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の噛み合わせをより詳細に調整することができ、効果的となる。
【0056】
しかし、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の種類、形状や歯数等は、本実施形態に特に限定されず、配置角度αに対して、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合点と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との噛合点とが成す角度を同じにすることが可能であれば、その他のギアを用いることもできる。また、第1及び第2のギア部32a、32bは、ここでは一体形成したが、一体回転可能であれば、それぞれのギアを形成した後、組み合わせて形成することもできる。
【0057】
図8は、本発明の第2実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図4と同方向)から見た図であり、図9は、図8の第2ギア部と磁気ローラ用ギアとの噛合点のスラスト方向における配置関係を示す図であり、図10は、第2ギア部の位相を調整した状態を示す図である。図4及び図7と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0058】
本実施形態では、駆動入力用ギア31は、歯数32枚、圧力角14.5°、左ねじれのはすばギアから成る1段ギアから構成され、磁気ローラ用ギア33は、歯数18枚、圧力角20°、左ねじれのはすばギアから成る1段ギアから構成され、現像ローラ用ギア32は、歯数16枚、右ねじれのはすばギアからなる2段ギアから構成されている。
【0059】
現像ローラ用ギア32は、圧力角14.5°であって駆動入力用ギア31と連結される第1ギア部(第1のギア部)32aと、圧力角20°であって磁気ローラ用ギア33と連結される第2ギア部(第2のギア部)32bと、から形成されている。また、第1及び第2ギア部32a、32bのねじれ角度は、s(ここでは15°)に設定されている。
【0060】
また、第1ギア部32a及び第2ギア部32bの位相が歯筋方向に一致する(すなわち第1ギア部32aのみから成るのと同様)と仮定した場合における、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33と噛合点をB3とした。また、スラスト方向(図の左右方向)における噛合点Aと噛合点B3との間隔、すなわち、第1ギア部32aと噛み合う駆動入力用ギア31の左側端部と、第2ギア部32bと噛み合う磁気ローラ用ギア33の右側端部と、の距離は、x(ここでは、2mm)に設定されている。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
本実施形態では、図8及び図9に示すように、第1及び第2ギア部32a、32bの歯筋がスラスト方向(図の左右方向)に対して角度sだけ傾斜しているため、第1及び第2ギア部32a、32bに対する駆動入力用ローラ31及び磁気ローラ用ギア33のスラスト方向における噛合位置によって、これらの周方向における噛合位置が異なる。
【0062】
そこで、上記した第1実施形態に加え、スラスト方向における第1及び第2ギア部32a、32bに対する駆動入力用ギア31及び磁気ローラ用ギア33の噛合点A、B3の噛合位置に基づき、第1及び第2ギア部31a、32bの周方向の位相を設定することとした。なお、説明の便宜上、第1及び第2ギア部32a、32bの周面を平面化して考えることとする。
【0063】
まず、図8に示すように、駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとが噛合点Aで噛み合ったとする。このとき、第1ギア部32aと第2ギア部32bとの周方向の位相が同じとすると、上記第1実施形態と同様に、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B1からの変位角度はθ1となる(図5、図7参照)。従って、上記と同様、第2ギア部32bの周方向の位相を、回転方向(図9の白抜き矢印)下流側にθ1だけ移動するよう、設定する必要がある。
【0064】
しかし、図9に示すように、現像ローラ用ギア32は、スラスト方向に対して角度sだけ傾斜しているため、スラスト方向における噛合点Aと噛合点B3との間の噛合位置の差に応じて、第1ギア部32aに対する第2ギア部32bの周方向の噛合点B3が変位する。従って、かかる変位の分を考慮する必要がある。
【0065】
ここで、スラスト方向における噛合点Aと噛合点B3との距離はx(ここでは、2mm)であるため、図9に示すように、第1ギア部32aに対する第2ギア部32bの周方向の変位量yは、回転方向上流側に向かって、x・tan(s)(ここでは、2mm×tan15°)と算出される。
【0066】
よって、かかる変位量yを用いて、上記噛合点B1に対する噛合点B3の変位角度θ2を、y・360°/2πRとして算出することができる(ここでは、θ2=2mm×tan15°×360°/(2π×13mm))。なお、θ2は、現像ローラ用ギア32のピッチ円上の変位角度を表す。
【0067】
このようにして、噛合点B1に対する噛合点B3の変位角度θ2を、噛合点Aと噛合点B3との間のスラスト方向の変位量xと、ねじれ角度sと、から算出することができる。かかる算出結果を用いて、図9に示すように、第2ギア部32bの周方向の位相を、噛合点B1から噛合点B3へと回転方向上流側に変位角度θ2だけ移動させるよう、設定する必要がある。
【0068】
よって、前述した噛合点B1を噛合点B2とする変位角度θ1(回転方向下流側への変位角度)と、噛合点B1に対する噛合点B3の変位角度θ2(回転方向上流側への変位角度)と、の差分を算出することにより、第2ギア部32bの周方向の変位角度を、回転方向下流側にθ1―θ2として算出することができる。なお、第1及び第2ギア部32a、32bの歯筋がスラスト方向に対して角度−sだけ傾斜している場合にであっても同様にθ1−θ2を算出することができる。
【0069】
従って、図10に示すように、第2ギア部32bの周方向の位相を、噛合点Aからピッチ角度pの整数倍よりも回転方向下流側にθ1―θ2だけ移動させ、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア部33との噛合点をB4と設定することにより(n・p+θ1−θ2)、駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとの噛合点Aと、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B4との成す角度を、配置角度αに対して略同じにすることができる。
【0070】
そして、このように周方向の位相を設定した後、第1ギア部32a及び第2ギア部32bを一体成形することにより、現像ローラ用ギア32を形成することができる。なお、ここでは、駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとが噛合点Aで噛み合うこととして第2ギア部32bの変位角度θ1−θ2の算出を行ったが、これとは逆に、第2ギア部32bが磁気ローラ用ギア33と噛合点B3で噛み合うこととして第1ギア部31aの変位角度を上記と同様にして算出することも、勿論可能である。
【0071】
本実施形態では、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33を、はすばギアから構成し、スラスト方向における駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとの噛合位置と、磁気ローラ用ギア33と第2ギア部32bとの噛合位置、に基づき第1及び第2ギア部32a、32bの周方向の位相を設定したため、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の噛み合わせをより詳細に調整するのみならず、振動をより低減することもでき、より効果的となる。
【0072】
図11は、本発明の第3実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図8と同方向)から見た図であり、図12は、図11の現像ローラ用ギアと磁気ローラ用ギアとの噛合点のスラスト方向における噛合位置を示す図である。図9及び図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0073】
本実施形態では、駆動入力用ギア31は、歯数32枚、圧力角14.5°、右ねじれのはすばから成る1段ギアから構成され、磁気ローラ用ギア33は、歯数18枚、圧力角14.5°、右ねじれのはすばから成る1段ギアから構成されている。現像ローラ用ギア32は、歯数16枚、圧力角14.5°、左ねじれのはすばから成る1段ギアから構成され、現像ローラ用ギア32のピッチ円の直径は、R(ここでは、13mm)に設定されている。また、現像ローラ用ギア32のねじれ角度は、−s(ここでは−15°)に設定されている。
【0074】
また、図11に示すように、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合点をA、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との噛合点をB5とし、スラスト方向における噛合点Aと噛合点B5との間隔をx’とした。その他の構成は、第1及び第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、説明の便宜上、現像ローラ用ギア32の周面を平面化して考えることとする。
【0075】
図12に示すように、本実施形態では、上記第1実施形態で現像ローラ用ギア32を1段の平歯ギアと仮定した場合の噛合点B1(図5参照)と、噛合点B5との周方向の角度がθ1となるように、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合位置と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33の噛合位置との間隔を調整した。すなわち、上記噛合点B1と噛合点B5との周方向の変位量y’=x’・tan(−s)がθ1と等しくなるように、噛合点Aと噛合点B5との間隔x’を調整した。
【0076】
これにより、配置角度αに対して噛合点Aと噛合点B5とが成す角度を略同じにすることができる。従って、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の配置角度αが固定され、その位置関係を変動できない場合であっても、配置角度αに応じて現像ローラ用ギア32を形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することができる。
【0077】
また、上記第1、第2及び第3実施形態では、駆動伝達装置30を、画像形成部Pa〜Pdに配置され、感光体ドラム1a〜1dを駆動するための駆動入力用ギア31と、現像ローラ22及び磁気ローラ23を駆動するための現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33と、から構成したため、ギア間の振動を低減するのみならず、画像濃度変動等の画像ムラをも抑制することができる。特に、画像形成部Pa〜Pdに用いられる、振動や回転ムラが生じ易い歯数の少ないギアに駆動伝達装置30を適用したため、より効果的である。
【0078】
また、上記第1、第2及び第3実施形態では、駆動入力用ギア31が受けた駆動を現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33に伝えることとしたが、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との間で駆動が伝わる瞬間に現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との間で駆動が伝わることが可能であれば、現像ローラ用ギア32若しくは磁気ローラ用ギア33の一方が受けた駆動を他方のギア及び駆動入力用ギア31に伝える構成とすることもできる。
【0079】
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態では、感光体ドラム1a〜1d及び現像装置3a〜3dに適用する駆動伝達装置30について説明したが、本発明の駆動伝達装置30のギア構成は、特に限定されるものではなく、その他の3つ以上連結されているギアに対して適用することができる。なお、4つ以上のギアであれば、そのうち連続して連結された任意の3つのギアに対して本発明を適用することができる。
【0080】
また、上記各実施形態では、例えば、カラー印刷用の直接転写方式のタンデム型画像形成装置について示したが、他の画像形成装置に適用することもでき、特に限定されるものではない。例えば、中間転写方式のタンデム型画像形成装置や、カラー複写機、モノクロ印刷用のモノクロプリンタやモノクロ複写機等にも適用することが可能である。さらに、画像形成装置以外の精密機器、電子機器等の駆動伝達装置にも適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置されており、前記第2のギアは、一体回転する2つのギアから構成され、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第2のギアの周方向の位相を調整するものである。
【0082】
これにより、上記位置関係が固定され第1、第2及び第3のギアの配置を変動できないような場合であっても、その位置関係に応じて第2のギアを形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能になる。
【0083】
また、第2のギアを、第1のギアと連結される第1のギア部と、第3のギアと連結される第2のギア部と、から成る2段ギアとし、第1のギアと第2のギアとを結ぶ中心線と、第2のギアと第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、第1のギアと第1のギア部との噛合点と、第2のギア部と第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することにより、第2のギアの位相をより詳細に設定することができるため、第1、第2及び第3のギアの噛み合わせをより詳細に調整することができ、効果的となる。
【0084】
また、第1、第2及び第3のギアは、はすばギアから成り、スラスト方向における第1のギアと第1のギア部との噛合位置と、第2のギア部と第3のギアとの噛合位置とに基づいて、第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することにより、第1、第2及び第3のギアの噛み合わせをより詳細に調整すると共に、振動をより低減することもできるため、効果的となる。
【0085】
また、本発明は、駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置され、且つはすばの1段ギアから成り、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように、スラスト方向における前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合位置と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合位置との間隔を調整するものである。
【0086】
これにより、上記位置関係が固定され第1、第2及び第3のギアの配置を変動できないような場合であっても、その位置関係に応じて第2のギアを形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能になる。
【0087】
また、第1、第2及び第3のギアを画像形成部に配置し、且つ、第1のギアを、像担持体を駆動するためのギア、第2のギアを、トナー担持体を駆動するためのギア、第3のギアを、トナー供給部材を駆動するためのギアとすることにより、ギア間の振動を低減すると共に、画像濃度変動等の画像ムラをも抑制することができる。また、上記構成の駆動伝達装置を備えた画像形成装置とすることにより、振動の低減や画像ムラの抑制された画像形成を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム(像担持体)
3a〜3d 現像ユニット(現像装置)
22 現像ローラ(トナー担持体)
23 磁気ローラ(トナー供給部材)
31 駆動入力用ギア(第1のギア)
32 現像ローラ用ギア(第2のギア)
32a 第1ギア部(第1のギア部)
32b 第2ギア部(第2のギア部)
33 磁気ローラ用ギア(第3のギア)
100 画像形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動を伝達するためのギアが連結された駆動伝達装置及びそれを利用した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては、種々の回転部材が使用されている。かかる回転部材を回転させるためには、駆動モータ(図示せず)等の駆動源から各回転部材へ駆動を伝達する必要がある。そのため、高速回転する駆動モータと連結するギアから、減速比を大きくするために多段のギアを配設し、各回転部材に至るまでに回転速度を減速している。
【0003】
このような駆動伝達装置では、例えば3個以上のギアを噛み合わせて駆動を伝達する場合、ギアの噛み合いに不具合が生じると、振動が生じたり画像濃度変動等の画像ムラが発生する場合があった。
【0004】
そこで、ギアの噛み合いの不具合を解消するための方法が提案されている。例えば、特許文献1には、従動側の大ギアと駆動側の小ギアを同心で有する2段形状の樹脂成型2段ギアを、従動側大ギアの噛み合いピッチ誤差の疎側或いは密側が噛み合っているときに、駆動側小ギアの噛み合いピッチ誤差の密側或いは疎側が噛み合うよう形成することにより、従動側大ギア側から生じる回転ムラと駆動側小ギア側から生じる回転ムラを相殺し、金型の精度や成形時の管理精度を必要以上に高くしなくても低コストで回転ムラを低減し、回転ドラムの回転ムラを低減する方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、感光体ドラムの軸に同軸的に固定された駆動ギアの歯数をZ、感光体ドラムの書込位置から転写位置までの感光体の角度をθとするとき、Z・θ/360°が整数となるようにZ及びθを選択することにより、書き込み時の速度変動と書き込まれた像の転写時の速度変動とを同位相とし、感光体ドラムの駆動系の歯車等の歯型、精度を従来のまま、ジッタのない転写画像を得ることができ、特にカラー画像形成においてジッタに起因する色調ムラを解消する方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、1枚の歯車(ギア)に噛み合う2枚の動軸の歯車を周方向にずらせるばねを設けた無背隙歯車において、2枚の同軸の歯車の周方向の移動量を限定する手段を設けることにより、2枚の歯車のずれ量を規制し、歯車列の噛み合せを容易にする方法が開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、同一軸上に複数個の歯車が配設された連動歯車における複数個の歯車をそれぞれ別体で形成し、互いに隣接する歯車が所定の回転角度毎に伝動連結可能な連結手段を備えることにより、連動歯車を構成する各歯車によって各々位相合わせを可能とし、歯車駆動列全体の位相合わせを可能とする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−329215号公報
【特許文献2】特開昭62−264067号公報
【特許文献3】特開平2−57757号公報
【特許文献4】特開2000−35090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1には、駆動側と従動側とで噛み合わせの疎・密を合わせることが開示されているに過ぎず、複数個のギアの位置関係に応じて噛み合わせを調整する方法は開示されていない。また、特許文献2は、歯車同士の噛み合わせに関するものではなく、しかも1つの感光体ドラムにおける書込位置と転写位置との関係を示すに過ぎない。
【0010】
また、特許文献3は、無背隙歯車の噛み合わせを容易にするためのものであり、複数個のギアの噛み合わせに関するものではない。さらに、特許文献4は、2段ギアのギア同士の位相を係合凸部と嵌合凹部とを連結することによって調整しているため、精度良く位相を合わせることは困難である。
【0011】
このように、例えば複数個のギアのうち任意の3個のギアについて考えた場合、3個のギアの位置関係に応じて、中央に配置されたギアが一方のギアとで動力(駆動)を受け渡す瞬間と、他方のギアとで動力を受け渡す瞬間と、が同時になるようギアの噛み合わせが設計されることはなかった。特に、ギアの歯数が少なければ少ないほど歯のピッチ間隔が広い状態でギアが噛み合うため、振動が顕著に起こり易くなる。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能な駆動伝達装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置されており、前記第2のギアは、一体回転する2つのギアから構成され、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第2のギアの周方向の位相を調整することを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の駆動伝達装置において、前記第2のギアは、前記第1のギアと連結される第1のギア部と、前記第3のギアと連結される第2のギア部と、から成る2段ギアであり、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第1のギア部との噛合点と、前記第2のギア部と前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成の駆動伝達装置において、前記第1、第2及び第3のギアは、はすばギアから成り、スラスト方向における前記第1のギアと前記第1のギア部との噛合位置と、前記第2のギア部と前記第3のギアとの噛合位置とに基づいて、前記第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することを特徴としている。
【0016】
また本発明は、駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置され、且つはすばの1段ギアから成り、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように、スラスト方向における前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合位置と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合位置との間隔を調整することを特徴としている。
【0017】
また本発明は、上記構成の駆動伝達装置において、前記第1、第2及び第3のギアは、静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像にトナーを供給するトナー担持体及び該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材を有する現像装置と、を備えた画像形成部に配置され、且つ、前記第1のギアは、前記像担持体を駆動するためのギア、前記第2のギアは、前記トナー担持体を駆動するためのギア、前記第3のギアは、前記トナー供給部材を駆動するためのギアであることを特徴としている。
【0018】
また本発明は、上記構成の駆動伝達装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の構成によれば、第1、第2及び第3のギアを、所定の位置関係に配置し、第2のギアを、一体回転する2つのギアから構成し、第1のギアと第2のギアとを結ぶ中心線と、第2のギアと第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、第1のギアと第2のギアとの噛合点と、第2のギアと第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように第2のギアの周方向の位相を調整することにより、上記位置関係が固定され第1、第2及び第3のギアの配置を変動できないような場合であっても、その位置関係に応じて第2のギアを形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能になる。
【0020】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の駆動伝達装置において、第2のギアを、第1のギアと連結される第1のギア部と、第3のギアと連結される第2のギア部と、から成る2段ギアとし、第1のギアと第2のギアとを結ぶ中心線と、第2のギアと第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、第1のギアと第1のギア部との噛合点と、第2のギア部と第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することにより、第2のギアの位相をより詳細に設定することができるため、第1、第2及び第3のギアの噛み合わせをより詳細に調整することができ、効果的となる。
【0021】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の駆動伝達装置において、第1、第2及び第3のギアは、はすばギアから成り、スラスト方向における第1のギアと第1のギア部との噛合位置と、第2のギア部と第3のギアとの噛合位置とに基づいて、第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することにより、第1、第2及び第3のギアの噛み合わせをより詳細に調整すると共に、振動をより低減することもできるため、効果的となる。
【0022】
また、本発明の第4の構成によれば、第1、第2及び第3のギアを、所定の位置関係に配置されたはすばの1段ギアから構成し、第1のギアと第2のギアとを結ぶ中心線と、第2のギアと第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、第1のギアと第2のギアとの噛合点と、第2のギアと第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように、スラスト方向における第1のギアと第2のギアとの噛合位置と、第2のギアと第3のギアとの噛合位置との間隔を調整することにより、上記位置関係が固定され第1、第2及び第3のギアの配置を変動できないような場合であっても、その位置関係に応じて第2のギアを形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能になる。
【0023】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1〜第4のいずれかの構成の駆動伝達装置において、第1、第2及び第3のギアを画像形成部に配置し、且つ、第1のギアを、像担持体を駆動するためのギア、第2のギアを、トナー担持体を駆動するためのギア、第3のギアを、トナー供給部材を駆動するためのギアとすることにより、ギア間の振動を低減すると共に、画像濃度変動等の画像ムラをも抑制することができる。
【0024】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1〜第5のいずれかの構成の駆動伝達装置を備えた画像形成装置とすることにより、振動の低減や画像ムラの抑制された画像形成を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る駆動伝達装置が搭載されたタンデム型カラー画像形成装置の構成を示す概略図
【図2】本実施形態の駆動伝達装置の配置構成を示す斜視図
【図3】本実施形態の駆動伝達装置の配置構成を示す前面図
【図4】本発明の第1実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図3のC方向)から見た図
【図5】第1ギア部に対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの周方向の噛合位置とピッチ角度との関係を示す図
【図6】駆動入力用ギアと現像ローラ用ギアの噛合点及び現像ローラ用ギアと磁気ローラ用ギアとの噛合点との噛合関係を示す図
【図7】第2ギア部の位相を調整した状態を示す図
【図8】本発明の第2実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図4と同方向)から見た図
【図9】図8の第2ギア部と磁気ローラ用ギアとの噛合点のスラスト方向における配置関係を示す図
【図10】第2ギア部の位相を調整した状態を示す図
【図11】本発明の第3実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図8と同方向)から見た図
【図12】図11の現像ローラ用ギアと磁気ローラ用ギアとの噛合点のスラスト方向における噛合位置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る駆動伝達装置が搭載されたタンデム型カラー画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(ブラック、マゼンタ、シアン及びイエロー)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりブラック、マゼンタ、シアン及びイエローの画像を順次形成する。
【0027】
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、駆動手段(図示せず)により図1において反時計回り(矢印方向)に回転しながら各画像形成部に隣接して移動する搬送ベルト50によって搬送された用紙P上に順次転写され、さらに、定着部7において用紙P上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0028】
トナー像が転写される用紙Pは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラ12a及びレジストローラ対12bを介して各画像形成部Pa〜Pdへと搬送される。搬送ベルト50には誘電体樹脂製のシートが用いられ、そのフランジ部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、従動ローラ10の上流側には搬送ベルト50に付着したトナーを除去するためのクリーニングブレード19が配置されている。
【0029】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び上方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を個別に露光するLEDヘッド4a、4b、4c及び4dと、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像ユニット3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部5a、5b、5c及び5dが設けられている。
【0030】
ユーザにより画像形成開始が入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いでLEDヘッド4a〜4dによって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラ22(トナー担持体)を備え(図2参照)、それぞれブラック、マゼンタ、シアン及びイエローの各色のトナーが補給装置(図示せず)によって所定量充填されている。
【0031】
このトナーは、例えば正極性の磁性トナーであり、現像ユニット3a〜3dの現像ローラ22により感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、LEDヘッド4a〜4dからの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。なお、感光体ドラム1a〜1d及び現像ユニット3a〜3dの詳細については後述する。
【0032】
そして、搬送ベルト50に所定の転写電圧で電界が付与された後、転写ローラ6a〜6dにより感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像が搬送ベルト50に搬送された用紙P上に転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング部5a〜5dにより除去される。
【0033】
搬送ベルト50は、従動ローラ10及び駆動ローラ11に掛け渡されており、駆動モータ(図示せず)による駆動ローラ11の回転に伴い搬送ベルト50が反時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラ対12bから所定のタイミングで画像形成部Pa〜Pdへ搬送され、各画像形成部において搬送ベルト50とのニップ部において用紙P上に順次画像が転写され、フルカラー画像が形成される。トナー像が転写された用紙Pは定着部7へと搬送される。
【0034】
定着部7に搬送された用紙Pは、定着ローラ対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、排出ローラ15によって排出トレイ17に排出される。
【0035】
図2は、本実施形態の駆動伝達装置の配置構成を示す斜視図であり、図3は前面図である。なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色における感光体ドラム1a〜1d及び現像ユニット3a〜3dの構成は全く同様であるため、図2及び図3では、感光体ドラム1a及び現像ユニット3aについてのみ示し、以下、感光体ドラム1a及び現像ユニット3aに適用される駆動伝達装置30について説明する。
【0036】
図2及び図3に示すように、現像ユニット3aには、前述した現像ローラ22と、現像ローラ22に対し感光体ドラム1aと反対側に対向配置された磁気ローラ(トナー供給部材)23と、が設けられている。磁気ローラ23表面には、磁力によりトナーが付着するようになっている。
【0037】
また、図中時計回りに回転する感光体ドラム1aに対し、現像ローラ22は反時計回り、磁気ローラ23は時計回りに回転するようになっている。また、感光体ドラム1a及び現像ユニット3aは、装置本体の仕様に応じて所定の位置に配置されており、現像ユニット3aにおいて現像ローラ22及び磁気ローラ23も所定の位置に配置されている。
【0038】
磁気ローラ23、現像ローラ22及び感光体ドラム1aが回転し、磁気ローラ23及び現像ローラ22に図示しない電源からバイアスが印加されると、現像ユニット3a内において磁気ローラ23表面に付着したトナーは、磁気ローラ23及び現像ローラ22間の電位差により現像ローラ22表面に移動する。現像ローラ22表面のトナーは、現像ローラ22及び感光体ドラム1a間の電位差により、感光体ドラム1a表面に移動する。これにより、前述の通り感光体ドラム1a上にトナー像が形成される。
【0039】
そして、感光体ドラム1a、現像ローラ22及び磁気ローラ23は、駆動伝達装置30により駆動が伝えられるようになっている。駆動伝達装置30は、駆動入力用ギア(第1のギア)31、現像ローラ用ギア(第2のギア)32及び磁気ローラ用ギア(第3のギア)33を備えている。感光体ドラム1aは、図示しない駆動モータ等により駆動されるようになっており、駆動モータからの駆動が感光体ドラム1aの回転軸に設けられた駆動入力用ギア31を介して伝えられるようになっている。
【0040】
また、現像ローラ22の回転軸には現像ローラ用ギア32、磁気ローラ23の回転軸には磁気ローラ用ギア33が設けられており、現像ローラ用ギア32は駆動入力用ギア31と連結され、磁気ローラ用ギア33は現像ローラ用ギア32と連結されている。駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33は、例えば樹脂材料や金属材料等から形成される。
【0041】
駆動入力用ギア31が図中時計回りに回転すると、駆動入力用ギア31から駆動を伝達された現像ローラ用ギア32が反時計回りに回転し、現像ローラ用ギア32が反時計回りに回転すると、現像ローラ用ギア32から駆動を伝達された磁気ローラ用ギア33が時計回りに回転するようになっている。このように、駆動入力用ギア31が受けた駆動は、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33に伝わる。
【0042】
ここで、上記の通り、感光体ドラム1a、現像ローラ22及び磁気ローラ23の配置は予め設定されているため、その配置に応じて駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の配置も定まっている。かかる位置関係は、例えば図3に示すように、駆動入力用ギア31及び磁気ローラ用ギア32の軸中心を結んだ直線(中心線)と、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の軸中心を結んだ直線(中心線)と、が所定の配置角度α(例えば140°)となるように設定されている。
【0043】
従って、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の配置を変動させることができない。そこで、このように各ギアの位置関係を変動できない場合であっても、3つのギアの位置関係、すなわち駆動入力ギア31と現像ローラ用ギア32との中心線と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33とを結ぶ中心線との成す角度(配置角度)αに対して、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合点と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との噛合点との成す角度を略同じにするように、現像ローラ用ギア32の周方向の位相を設定することとした。以下、現像ローラ用ギア32の位相の設定方法について説明する。
【0044】
図4は、本発明の第1実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図3のC方向)から見た図であり、図5は、第1ギア部に対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの周方向の噛合位置とピッチ角度との関係を示す図であり、図6は、駆動入力用ギアと現像ローラ用ギアの噛合点及び現像ローラ用ギアと磁気ローラ用ギアとの噛合点との噛合関係を示す図であり、図7は、第2ギア部の位相を調整した状態を示す図である。図2及び図3と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0045】
駆動入力用ギア31は、歯数32枚、圧力角14.5°、平歯の1段ギアから構成され、磁気ローラ用ギア33は、歯数18枚、圧力角20°、平歯の1段ギアから構成され、現像ローラ用ギア32は、歯数16枚、平歯の2段ギアから構成されている。現像ローラ用ギア32のピッチ円の直径は、R(ここでは、13mm)に設定されている。
【0046】
現像ローラ用ギア32は、圧力角14.5°であって駆動入力用ギア31と連結される第1ギア部(第1のギア部)32aと、圧力角20°であって磁気ローラ用ギア33と連結される第2ギア部(第2のギア部)32bと、から形成されている。また、現像ローラ用ギア32は一体成形されているため、第1及び第2ギア部32a、32bは、それぞれ独立して回転することはできない。
【0047】
図4に示すように、まず、駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとが噛合点Aで噛み合ったとする。ここで、現像ローラ用ギア32の第1ギア部32aの位相と第2ギア部32bとの周方向の位相が同じ(すなわち第1ギア32aのみから成るのと同様)と仮定し、磁気ローラ用ギア33の右側端部と第2ギア部32bとの噛合点をB1とする。
【0048】
第1ギア部32a(若しくは第2ギア部32b)の歯数より、第1ギア部32a(第2ギア部32b)のピッチ角度p(ここでは360°/16=22.5°)を算出することができる。このとき、配置角度αをpで割ると、配置角度αに含まれるpの数量としてn(整数、ここでは6)、余りとして角度r(ここでは5°)が得られたとする。rは、現像ローラ用ギア32のピッチ円上の変位角度を表す。この場合、図5に示すように、αは、n及びpの積(n・p)と、αとn・pとの差分rと、の和(α=n・p+r、ここでは6×22.5°+5°)として表される。
【0049】
すなわち、噛合点B1は、現像ローラ用ギア32の回転方向(図5の白抜き矢印方向)下流側に、ピッチpのn倍よりもrだけ移動している。よって、配置角度αをpの整数倍とするためには、第1ギア部32aの周方向の位相を、現像ローラ用ギア32の回転方向(図5の白抜き矢印)の上流側にrだけ移動するよう、設定する必要がある(p・n−r)。
【0050】
また、図6に示すように、駆動入力用ギア31が現像ローラ用ギア32における一の歯の回転方向上流側を押すとき、他の歯の回転方向下流側が磁気ローラ用ギア33を押す関係にある。従って、回転方向下流側(若しくは上流側、ここでは下流側とする)に、ピッチpのn倍よりもp/2(ここでは22.5°/2=11.25°)だけ移動するよう、現像ローラ用ギア32の周方向の位相を設定する必要がある(p・n+p/2)。
【0051】
従って、第2ギア32bの周方向の位相を、噛合点B1からピッチ角度pの整数倍よりも回転方向下流側に、p/2とrの差分θ1(p/2−r)だけ移動するよう調整することにより、ピッチ角度pの整数倍とピッチ角度pの1/2との和(p・n+p/2)を、配置角度αに等しくすることができる。なお、θ1は、現像ローラ用ギア32のピッチ円上の変位角度を表す。
【0052】
よって、図7に示すように、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B1が、回転方向下流側にθ1だけ移動した噛合点B2へ移動するよう、第2ギア部32bの周方向の位相を設定することにより、駆動入力用ギア31と第1ギア部32bとの噛合点Aと、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B2との成す角度を、配置角度αと略同じにすることができる。
【0053】
これにより、噛合点Aで駆動入力用ギア31から現像ローラ用ギア32に駆動を伝える瞬間に噛合点B2で現像ローラ用ギア32から磁気ローラ用ギア33に駆動を伝えることができる。そして設定された位相に基づき現像用ローラ用ギア32を形成することができる。
【0054】
本実施形態により、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の配置角度αが固定され、その位置関係を変動できない場合であっても、配置角度αに応じて周方向の位相が調整された現像ローラ用ギア32を形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することができる。
【0055】
また、本実施形態では、現像ローラ用ギア32を、駆動入力用ギア31の受けた駆動が伝えられる第1ギア部32aと、磁気ローラ用ギア33に駆動を伝える第2ギア部32bと、から一体形成される2段ギアとし、配置角度αに対して駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとの噛合点Aと、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B2との成す角度とを略同じにした。これにより、現像ローラ用ギア32の位相をより詳細に設定することができるため、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の噛み合わせをより詳細に調整することができ、効果的となる。
【0056】
しかし、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の種類、形状や歯数等は、本実施形態に特に限定されず、配置角度αに対して、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合点と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との噛合点とが成す角度を同じにすることが可能であれば、その他のギアを用いることもできる。また、第1及び第2のギア部32a、32bは、ここでは一体形成したが、一体回転可能であれば、それぞれのギアを形成した後、組み合わせて形成することもできる。
【0057】
図8は、本発明の第2実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図4と同方向)から見た図であり、図9は、図8の第2ギア部と磁気ローラ用ギアとの噛合点のスラスト方向における配置関係を示す図であり、図10は、第2ギア部の位相を調整した状態を示す図である。図4及び図7と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0058】
本実施形態では、駆動入力用ギア31は、歯数32枚、圧力角14.5°、左ねじれのはすばギアから成る1段ギアから構成され、磁気ローラ用ギア33は、歯数18枚、圧力角20°、左ねじれのはすばギアから成る1段ギアから構成され、現像ローラ用ギア32は、歯数16枚、右ねじれのはすばギアからなる2段ギアから構成されている。
【0059】
現像ローラ用ギア32は、圧力角14.5°であって駆動入力用ギア31と連結される第1ギア部(第1のギア部)32aと、圧力角20°であって磁気ローラ用ギア33と連結される第2ギア部(第2のギア部)32bと、から形成されている。また、第1及び第2ギア部32a、32bのねじれ角度は、s(ここでは15°)に設定されている。
【0060】
また、第1ギア部32a及び第2ギア部32bの位相が歯筋方向に一致する(すなわち第1ギア部32aのみから成るのと同様)と仮定した場合における、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33と噛合点をB3とした。また、スラスト方向(図の左右方向)における噛合点Aと噛合点B3との間隔、すなわち、第1ギア部32aと噛み合う駆動入力用ギア31の左側端部と、第2ギア部32bと噛み合う磁気ローラ用ギア33の右側端部と、の距離は、x(ここでは、2mm)に設定されている。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
本実施形態では、図8及び図9に示すように、第1及び第2ギア部32a、32bの歯筋がスラスト方向(図の左右方向)に対して角度sだけ傾斜しているため、第1及び第2ギア部32a、32bに対する駆動入力用ローラ31及び磁気ローラ用ギア33のスラスト方向における噛合位置によって、これらの周方向における噛合位置が異なる。
【0062】
そこで、上記した第1実施形態に加え、スラスト方向における第1及び第2ギア部32a、32bに対する駆動入力用ギア31及び磁気ローラ用ギア33の噛合点A、B3の噛合位置に基づき、第1及び第2ギア部31a、32bの周方向の位相を設定することとした。なお、説明の便宜上、第1及び第2ギア部32a、32bの周面を平面化して考えることとする。
【0063】
まず、図8に示すように、駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとが噛合点Aで噛み合ったとする。このとき、第1ギア部32aと第2ギア部32bとの周方向の位相が同じとすると、上記第1実施形態と同様に、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B1からの変位角度はθ1となる(図5、図7参照)。従って、上記と同様、第2ギア部32bの周方向の位相を、回転方向(図9の白抜き矢印)下流側にθ1だけ移動するよう、設定する必要がある。
【0064】
しかし、図9に示すように、現像ローラ用ギア32は、スラスト方向に対して角度sだけ傾斜しているため、スラスト方向における噛合点Aと噛合点B3との間の噛合位置の差に応じて、第1ギア部32aに対する第2ギア部32bの周方向の噛合点B3が変位する。従って、かかる変位の分を考慮する必要がある。
【0065】
ここで、スラスト方向における噛合点Aと噛合点B3との距離はx(ここでは、2mm)であるため、図9に示すように、第1ギア部32aに対する第2ギア部32bの周方向の変位量yは、回転方向上流側に向かって、x・tan(s)(ここでは、2mm×tan15°)と算出される。
【0066】
よって、かかる変位量yを用いて、上記噛合点B1に対する噛合点B3の変位角度θ2を、y・360°/2πRとして算出することができる(ここでは、θ2=2mm×tan15°×360°/(2π×13mm))。なお、θ2は、現像ローラ用ギア32のピッチ円上の変位角度を表す。
【0067】
このようにして、噛合点B1に対する噛合点B3の変位角度θ2を、噛合点Aと噛合点B3との間のスラスト方向の変位量xと、ねじれ角度sと、から算出することができる。かかる算出結果を用いて、図9に示すように、第2ギア部32bの周方向の位相を、噛合点B1から噛合点B3へと回転方向上流側に変位角度θ2だけ移動させるよう、設定する必要がある。
【0068】
よって、前述した噛合点B1を噛合点B2とする変位角度θ1(回転方向下流側への変位角度)と、噛合点B1に対する噛合点B3の変位角度θ2(回転方向上流側への変位角度)と、の差分を算出することにより、第2ギア部32bの周方向の変位角度を、回転方向下流側にθ1―θ2として算出することができる。なお、第1及び第2ギア部32a、32bの歯筋がスラスト方向に対して角度−sだけ傾斜している場合にであっても同様にθ1−θ2を算出することができる。
【0069】
従って、図10に示すように、第2ギア部32bの周方向の位相を、噛合点Aからピッチ角度pの整数倍よりも回転方向下流側にθ1―θ2だけ移動させ、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア部33との噛合点をB4と設定することにより(n・p+θ1−θ2)、駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとの噛合点Aと、第2ギア部32bと磁気ローラ用ギア33との噛合点B4との成す角度を、配置角度αに対して略同じにすることができる。
【0070】
そして、このように周方向の位相を設定した後、第1ギア部32a及び第2ギア部32bを一体成形することにより、現像ローラ用ギア32を形成することができる。なお、ここでは、駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとが噛合点Aで噛み合うこととして第2ギア部32bの変位角度θ1−θ2の算出を行ったが、これとは逆に、第2ギア部32bが磁気ローラ用ギア33と噛合点B3で噛み合うこととして第1ギア部31aの変位角度を上記と同様にして算出することも、勿論可能である。
【0071】
本実施形態では、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33を、はすばギアから構成し、スラスト方向における駆動入力用ギア31と第1ギア部32aとの噛合位置と、磁気ローラ用ギア33と第2ギア部32bとの噛合位置、に基づき第1及び第2ギア部32a、32bの周方向の位相を設定したため、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の噛み合わせをより詳細に調整するのみならず、振動をより低減することもでき、より効果的となる。
【0072】
図11は、本発明の第3実施形態に係る駆動伝達装置における現像ローラ用ギアに対する駆動入力用ギア及び磁気ローラ用ギアの噛合状態を示す左上方(図8と同方向)から見た図であり、図12は、図11の現像ローラ用ギアと磁気ローラ用ギアとの噛合点のスラスト方向における噛合位置を示す図である。図9及び図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0073】
本実施形態では、駆動入力用ギア31は、歯数32枚、圧力角14.5°、右ねじれのはすばから成る1段ギアから構成され、磁気ローラ用ギア33は、歯数18枚、圧力角14.5°、右ねじれのはすばから成る1段ギアから構成されている。現像ローラ用ギア32は、歯数16枚、圧力角14.5°、左ねじれのはすばから成る1段ギアから構成され、現像ローラ用ギア32のピッチ円の直径は、R(ここでは、13mm)に設定されている。また、現像ローラ用ギア32のねじれ角度は、−s(ここでは−15°)に設定されている。
【0074】
また、図11に示すように、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合点をA、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との噛合点をB5とし、スラスト方向における噛合点Aと噛合点B5との間隔をx’とした。その他の構成は、第1及び第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、説明の便宜上、現像ローラ用ギア32の周面を平面化して考えることとする。
【0075】
図12に示すように、本実施形態では、上記第1実施形態で現像ローラ用ギア32を1段の平歯ギアと仮定した場合の噛合点B1(図5参照)と、噛合点B5との周方向の角度がθ1となるように、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との噛合位置と、現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33の噛合位置との間隔を調整した。すなわち、上記噛合点B1と噛合点B5との周方向の変位量y’=x’・tan(−s)がθ1と等しくなるように、噛合点Aと噛合点B5との間隔x’を調整した。
【0076】
これにより、配置角度αに対して噛合点Aと噛合点B5とが成す角度を略同じにすることができる。従って、駆動入力用ギア31、現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33の配置角度αが固定され、その位置関係を変動できない場合であっても、配置角度αに応じて現像ローラ用ギア32を形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することができる。
【0077】
また、上記第1、第2及び第3実施形態では、駆動伝達装置30を、画像形成部Pa〜Pdに配置され、感光体ドラム1a〜1dを駆動するための駆動入力用ギア31と、現像ローラ22及び磁気ローラ23を駆動するための現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33と、から構成したため、ギア間の振動を低減するのみならず、画像濃度変動等の画像ムラをも抑制することができる。特に、画像形成部Pa〜Pdに用いられる、振動や回転ムラが生じ易い歯数の少ないギアに駆動伝達装置30を適用したため、より効果的である。
【0078】
また、上記第1、第2及び第3実施形態では、駆動入力用ギア31が受けた駆動を現像ローラ用ギア32及び磁気ローラ用ギア33に伝えることとしたが、駆動入力用ギア31と現像ローラ用ギア32との間で駆動が伝わる瞬間に現像ローラ用ギア32と磁気ローラ用ギア33との間で駆動が伝わることが可能であれば、現像ローラ用ギア32若しくは磁気ローラ用ギア33の一方が受けた駆動を他方のギア及び駆動入力用ギア31に伝える構成とすることもできる。
【0079】
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態では、感光体ドラム1a〜1d及び現像装置3a〜3dに適用する駆動伝達装置30について説明したが、本発明の駆動伝達装置30のギア構成は、特に限定されるものではなく、その他の3つ以上連結されているギアに対して適用することができる。なお、4つ以上のギアであれば、そのうち連続して連結された任意の3つのギアに対して本発明を適用することができる。
【0080】
また、上記各実施形態では、例えば、カラー印刷用の直接転写方式のタンデム型画像形成装置について示したが、他の画像形成装置に適用することもでき、特に限定されるものではない。例えば、中間転写方式のタンデム型画像形成装置や、カラー複写機、モノクロ印刷用のモノクロプリンタやモノクロ複写機等にも適用することが可能である。さらに、画像形成装置以外の精密機器、電子機器等の駆動伝達装置にも適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置されており、前記第2のギアは、一体回転する2つのギアから構成され、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第2のギアの周方向の位相を調整するものである。
【0082】
これにより、上記位置関係が固定され第1、第2及び第3のギアの配置を変動できないような場合であっても、その位置関係に応じて第2のギアを形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能になる。
【0083】
また、第2のギアを、第1のギアと連結される第1のギア部と、第3のギアと連結される第2のギア部と、から成る2段ギアとし、第1のギアと第2のギアとを結ぶ中心線と、第2のギアと第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、第1のギアと第1のギア部との噛合点と、第2のギア部と第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することにより、第2のギアの位相をより詳細に設定することができるため、第1、第2及び第3のギアの噛み合わせをより詳細に調整することができ、効果的となる。
【0084】
また、第1、第2及び第3のギアは、はすばギアから成り、スラスト方向における第1のギアと第1のギア部との噛合位置と、第2のギア部と第3のギアとの噛合位置とに基づいて、第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することにより、第1、第2及び第3のギアの噛み合わせをより詳細に調整すると共に、振動をより低減することもできるため、効果的となる。
【0085】
また、本発明は、駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置され、且つはすばの1段ギアから成り、前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように、スラスト方向における前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合位置と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合位置との間隔を調整するものである。
【0086】
これにより、上記位置関係が固定され第1、第2及び第3のギアの配置を変動できないような場合であっても、その位置関係に応じて第2のギアを形成することができるため、ギア間の噛み合わせの不具合を解消し、振動を低減することが可能になる。
【0087】
また、第1、第2及び第3のギアを画像形成部に配置し、且つ、第1のギアを、像担持体を駆動するためのギア、第2のギアを、トナー担持体を駆動するためのギア、第3のギアを、トナー供給部材を駆動するためのギアとすることにより、ギア間の振動を低減すると共に、画像濃度変動等の画像ムラをも抑制することができる。また、上記構成の駆動伝達装置を備えた画像形成装置とすることにより、振動の低減や画像ムラの抑制された画像形成を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム(像担持体)
3a〜3d 現像ユニット(現像装置)
22 現像ローラ(トナー担持体)
23 磁気ローラ(トナー供給部材)
31 駆動入力用ギア(第1のギア)
32 現像ローラ用ギア(第2のギア)
32a 第1ギア部(第1のギア部)
32b 第2ギア部(第2のギア部)
33 磁気ローラ用ギア(第3のギア)
100 画像形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、
前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置されており、
前記第2のギアは、一体回転する2つのギアから構成され、
前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第2のギアの周方向の位相を調整することを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項2】
前記第2のギアは、前記第1のギアと連結される第1のギア部と、前記第3のギアと連結される第2のギア部と、から成る2段ギアであり、
前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第1のギア部との噛合点と、前記第2のギア部と前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
【請求項3】
前記第1、第2及び第3のギアは、はすばギアから成り、
スラスト方向における前記第1のギアと前記第1のギア部との噛合位置と、前記第2のギア部と前記第3のギアとの噛合位置とに基づいて、前記第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することを特徴とする請求項2に記載の駆動伝達装置。
【請求項4】
駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、
前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置され、且つはすばの1段ギアから成り、
前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように、スラスト方向における前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合位置と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合位置との間隔を調整することを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項5】
前記第1、第2及び第3のギアは、
静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像にトナーを供給するトナー担持体及び該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材を有する現像装置と、を備えた画像形成部に配置され、且つ、
前記第1のギアは、前記像担持体を駆動するためのギア、
前記第2のギアは、前記トナー担持体を駆動するためのギア、
前記第3のギアは、前記トナー供給部材を駆動するためのギアであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の駆動伝達装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの駆動伝達装置を備えた画像形成装置。
【請求項1】
駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、
前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置されており、
前記第2のギアは、一体回転する2つのギアから構成され、
前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第2のギアの周方向の位相を調整することを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項2】
前記第2のギアは、前記第1のギアと連結される第1のギア部と、前記第3のギアと連結される第2のギア部と、から成る2段ギアであり、
前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第1のギア部との噛合点と、前記第2のギア部と前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように前記第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
【請求項3】
前記第1、第2及び第3のギアは、はすばギアから成り、
スラスト方向における前記第1のギアと前記第1のギア部との噛合位置と、前記第2のギア部と前記第3のギアとの噛合位置とに基づいて、前記第1及び第2のギア部の周方向の位相を調整することを特徴とする請求項2に記載の駆動伝達装置。
【請求項4】
駆動を伝達するためのものであり、第1のギアと、該第1のギアと連結される第2のギアと、該第2のギアと連結される第3のギアと、を少なくとも有する駆動伝達装置であって、
前記第1、第2及び第3のギアは、所定の位置関係に配置され、且つはすばの1段ギアから成り、
前記第1のギアと前記第2のギアとを結ぶ中心線と、前記第2のギアと前記第3のギアとを結ぶ中心線との成す角度に対して、前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合点と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合点との成す角度が略同じになるように、スラスト方向における前記第1のギアと前記第2のギアとの噛合位置と、前記第2のギアと前記第3のギアとの噛合位置との間隔を調整することを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項5】
前記第1、第2及び第3のギアは、
静電潜像が形成される像担持体と、該像担持体に形成された静電潜像にトナーを供給するトナー担持体及び該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材を有する現像装置と、を備えた画像形成部に配置され、且つ、
前記第1のギアは、前記像担持体を駆動するためのギア、
前記第2のギアは、前記トナー担持体を駆動するためのギア、
前記第3のギアは、前記トナー供給部材を駆動するためのギアであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の駆動伝達装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの駆動伝達装置を備えた画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−160233(P2010−160233A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1342(P2009−1342)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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