説明

駆動制御装置及びこれを用いる画像形成装置

【課題】出力側に負荷がかかった場合でも、コイルばねを確実に緩ませることが出来、変音、振動の発生を抑えることが可能な駆動制御装置及びこれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】ばねクラッチ入力ギア51から駆動力を伝達させない場合はばねクラッチ入力ギア51に対する締め付けが解除されるコイルばねと、コイルばねの他方の端部が固定され、コイルばねと共に回転可能に構成される制御環512と、を備えるばねクラッチ機構を有する駆動制御装置において、ばねクラッチ入力ギア51から駆動力を伝達させない状態に切り換える場合に、制御環512に作用して、コイルばねのばねクラッチ入力ギア51に対する締め付けをゆるめる方向に制御環512を回転させ、ばねクラッチ入力ギア51に対する締め付けを解除させた状態にする回転制御部材52を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動力の伝達を制御するばねクラッチ機構を有する駆動制御装置、及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動力の伝達のオン、オフを切り換える駆動制御装置、及びこれを備える画像形成装置が提案されている(特許文献1)。このような駆動制御装置では、駆動力の伝達を切り換える手段として、ばねクラッチ機構を採用するものが多く見られる。また、この駆動制御装置を、装置本体内部の各駆動部に用いたプリンタ、ファックス、複写機などの、電子写真方式による画像形成装置も一般的に知られている(特許文献2)。
【0003】
これらの画像形成装置では、シート材搬送機構、像担持体と中間転写体との接離機構、中間転写体と二次転写体との接離機構等の駆動力の伝達の切り換え等に、ばねクラッチ機構を有する駆動制御装置が用いられる。
【0004】
一般的に、ばねクラッチ機構を有する駆動制御装置は、入力側で回転駆動する回転部材と、回転駆動力が伝達される出力側の回転部材と、入力側、出力側の回転部材に巻回するコイルばねと、コイルばねの一端が固定される環状部材と、を有する。
【0005】
駆動力を出力側の回転部材へ伝達する場合は、回転駆動する入力側の回転部材とコイルばねとの摩擦によってコイルばねを入力部に対して締まらせて連れ回りさせることで、コイルばねの他端が固定される出力側の回転部材を回転駆動する。
【0006】
一方、駆動力を出力側の回転部材へ伝達しない場合は、外部手段(回転制御機構)によって環状部材の回転を停止し、環状部材、及び環状部材に一端が固定されるコイルばねの回転を停止させることで、出力側の回転部材の回転を停止する。この際、入力側の回転部材はコイルばねに対して空転するので、駆動力が出力側の環状部材へ伝達することはない。
【0007】
しかし、入力側の回転部材がコイルばねに対して空転する場合には、入力側の回転部材とコイルばねの間で大きな摩擦が生じ、これによって変音、振動が発生し、駆動制御装置の寿命が短くなるおそれがあった。
【0008】
この解決策として、従来例に係る駆動制御装置(特許文献2参照)においては、駆動力を出力側へ伝達しない場合は、コイルばねを入力側の回転部材に対して一旦緩めた上で、環状部材を再び回転停止する構成が提案されている。
【0009】
この構成によると、入力側の回転部材とコイルばねの間で生じる摩擦をいくらかは軽減させて入力側の回転部材を空転させることができるので、入力側の回転部材とコイルばねとの摩擦によって生じた変音、振動等を低減させることが可能になる。
【特許文献1】特開平06−317959号公報
【特許文献2】特開2005−155736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来例に係る駆動制御装置、およびこれを備える画像形成装置においては、以下に示す問題を生じる。
【0011】
上記従来例に係る駆動制御装置は、出力側の回転部材を回転させてコイルばねを入力側の回転部材に対して緩める構成である。例えば特許文献2においては、出力側のカムを回転させることによりコイルばねを緩める構成が記載されている。
【0012】
しかしこの構成によると、出力側に負荷がかかった場合など、何らかの原因で出力側の回転部材を回転させることが出来ない場合は、出力側の回転部材を回転させてコイルばねを緩ませることが困難になる。
【0013】
コイルばねを入力側の回転部材に対して緩ませることが出来ない場合は、コイルばねと入力側の回転部材との間で大きな摩擦が生じ、これによって変音、振動が発生し、駆動制御装置の寿命が短くなる恐れがある。
【0014】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、出力側に負荷がかかった場合でもコイルばねを確実に緩ませることが出来、変音、振動の発生を抑えることが可能な駆動制御装置及びこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために本発明にあっては、第1の回転部材と、第1の回転部材と同軸上に配置され、第1の回転部材から回転駆動力が伝達される第2の回転部材と、第1の回転部材に巻回し、一方の端部が第2の回転部材側に固定され、第1の回転部材から第2の回転部材に回転駆動力を伝達する場合は、第1の回転部材を締め付け、第1の回転部材から第2の回転部材に回転駆動力の伝達をさせない場合は、第1の回転部材に対する締め付けが解除されるコイルばねと、前記コイルばねの他方の端部が固定され、前記コイルばねと共に回転可能に構成される環状部材と、を備えるばねクラッチ機構を有する駆動制御装置において、第1の回転部材から第2の回転部材に回転駆動力を伝達させない状態に切り換える場合に、前記環状部材に作用して、前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを緩める方向に前記環状部材を回転させ、前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを解除させた状態にする回転制御機構を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、上記の駆動制御装置と、シート材に画像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、出力側に負荷がかかった場合でも、コイルばねを確実に緩ませることが出来るので、変音、振動の発生を抑えることが可能な駆動制御装置及びこれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、例示的に詳しく説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1〜図11を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る駆動制御装置、及びこれを備える画像形成装置について説明する。
【0020】
(画像形成装置全体構成の説明)
まず、図1を参照して、第1の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成について説明
する。図1は第1の実施の形態に係る駆動制御装置を備える画像形成装置の断面における概略構成図である。
【0021】
図1に示すように、画像形成装置1の下側には、画像が形成されるシート材200を収納するシート材収納トレイ2が備えられる。そして、シート材収納トレイ2は、その下面側を昇降手段20によって上方へ付勢され、シート材収納トレイ2に収納されるシート材のうち、最上位に位置するシート材が不図示のシート材ピックアップ手段に押圧される。
【0022】
シート材ピックアップ手段によってピックアップされたシート材200は、搬送ローラ22及びリタードローラ21によって形成されるニップへ搬送され、1枚ずつに分離された後、レジストローラ対25のニップへ搬送される。
【0023】
レジストローラ対25へ搬送されたシート材200は、レジストローラ対25で一時的に停止させられ、画像形成のタイミングに合わせて画像形成部へ搬送される。
【0024】
画像形成部には、4つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10K、が略水平方向に設けられている。また、これらのプロセスカートリッジは、図3に示すように像担持体100のスラスト方向へ着脱可能に構成される。プロセスカートリッジ10を着脱する際は、装置本体1の前面部分の板1aに設けられたV字溝1vに沿ってプロセスカートリッジ10を着脱する。
【0025】
そして、これらのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Kには、像担持体100Y、100M、100C、100K、が備えられる。さらに、これらの像担持体の周囲には、像担持体100Y、100M、100C、100Kの表面を一様に帯電させる帯電手段110Y、110M、110C、110K、が備えられる。
【0026】
シート材に画像を形成する際は、まず上記帯電手段によって帯電された各々の像担持体の表面に、潜像形成手段9によって静電潜像が形成される。
【0027】
そして、トナー収容容器11Y、11M、11C、11Kから供給されたトナーを、現像手段111Y、111M、111C、111Kによって帯電させ、像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させ、静電潜像をトナー像として可視化させる。
【0028】
この際、プロセスカートリッジ10内のトナー量が減少した場合は、図2に示すように入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)を駆動させ、出力側のカップリング510(第2の回転部材)を定量回転させる。そして、カップリング510と嵌合するカップリング113、スクリュー112を定量回転させる。
【0029】
スクリュー112が回転すると、トナー収容容器11内部に収容されるトナーが、トナー補給口114方向へ送り出され、トナー受け入れ口101からプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Kへトナーが補給される。
【0030】
このようにして像担持体100の表面上にトナー像が形成されると、各々の像担持体100と対向して設けられる一次転写ローラ30Y、30M、30C、30Kによって像担持体100の表面に形成されたトナー像が順次、中間転写ベルト3の表面へ転写される。
【0031】
これによって中間転写ベルト3の表面にはフルカラー画像が形成される。なお、中間転写ベルト3へトナー像を転写した後に像担持体の表面に残ったトナーは、不図示のクリーニング手段によって除去され、廃トナーとして装置本体内部に収容される。
【0032】
中間転写ベルト3の表面に形成されたフルカラー画像は、二次転写ローラ23において、シート材収納トレイ2から給送されたシート材200に転写される。
【0033】
そして、フルカラー画像が転写されたシート材200は、定着手段4へ搬送され、シート材200上に画像が定着される。さらにフルカラー画像が定着されたシート材200は、排出ローラ対40、24によって排出される。
【0034】
(トナー補給手段の駆動部の構成)
以下、図4,図6a,図6bを参照して、第1の実施の形態に係る駆動制御装置の構成について説明する。図4,図6a,図6bは、第1の実施の形態に係る駆動制御装置を、画像形成装置本体内部のトナー補給手段に用いた場合の概略構成図であり、図4は斜視図、図6aは正面図、図6bは背面図である。
【0035】
図4,図6a,図6bに示すトナー補給手段の駆動部は、不図示の駆動源によって駆動される駆動ギア55と、駆動ギア55と嵌合する駆動アイドラギア53を備える。さらに駆動アイドラギア53には、廃トナー搬送ギア56と、ばねクラッチ入力ギア51と、制御環制御ギア52aと、が嵌合する。すなわち、駆動アイドラギア53を介して、廃トナー搬送ギア56と、ばねクラッチ入力ギア51と、制御環制御ギア52aギアに駆動ギア55からの駆動力が伝達される構成である。
【0036】
例えば、廃トナー搬送ギア56には、駆動ギア55から駆動アイドラギア53を介して駆動力が伝達される。そして図4に示すように、廃トナー搬送ギア56の出力側には、廃トナー搬送カップリング562が備えられており、廃トナー搬送ギア56が駆動すると、廃トナー搬送カップリング562も駆動する。
【0037】
さらに、廃トナー搬送カップリング562には、不図示の廃トナー搬送手段が嵌合しており、廃トナーカップリング562が駆動すると、不図示の廃トナー搬送手段も駆動し、廃トナーの搬送を開始する。
【0038】
また、図4に示すように、廃トナー搬送ギア56には、フラグ563が設けられている。フラグ563は、不図示のフォトセンサを遮るように構成されており、ある一定期間以上フォトセンサの信号が変化しない場合は、駆動力が廃トナー搬送ギア56に伝達されていないと判断され、動作異常として装置本体を停止させることができる。
【0039】
一方、廃トナー搬送ギア56と同様に、ばねクラッチ入力ギア51、及び制御環制御ギア52aにも、駆動アイドラギア53を介して駆動力が伝達される。そして、図4に示すように、ばねクラッチ入力ギア51の出力側にはカップリング510が備えられており、上記で説明したように、カップリング510を駆動させることで、プロセスカートリッジ10内にトナーを補給することができる(図2参照)。
【0040】
しかしながら、カートリッジ10内にトナーを補給するのは、カートリッジ10内のトナーが減少し、トナー補給の要求を装置本体が受けた時のみでよい。すなわち、トナー補給の要求を受けた場合のみ、ばねクラッチ入力ギア51の駆動力をカップリング510に伝達し、それ以外の場合は、ばねクラッチ入力ギア51の駆動力をカップリング510に伝達しないように、駆動力の伝達を切り換える必要がある。
【0041】
そこで本発明の第1の実施の形態においては、トナー補給手段の駆動部に、駆動力の伝達、非伝達の切り換えを制御するばねクラッチ機構を有する駆動制御装置を設けた場合について説明する。しかしながら、この駆動制御装置をシート材搬送機構、像担持体と中間転写体との接離機構、中間転写体と二次転写体との接離機構等に用いてもよく、トナー補
給手段の駆動部のみに限定して用いられるものではない。
【0042】
(駆動力制御装置の構成)
図5に示すように、第1の実施の形態に係る駆動制御装置は、入力側で回転駆動するばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)と、ばねクラッチ入力ギア51の回転駆動力が伝達される出力側のカップリング510(第2の回転部材)が備えられる。
【0043】
また、ばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)には入力胴511a、カップリング510(第2の回転部材)には出力胴514aが形成され、コイルばね513が入力胴511aと出力胴514aに巻回して設けられる。
【0044】
また、コイルばね513の外周側には制御環512(環状部材)が同心的に設けられ、制御環512には制御環カム512a(引っ掛かり部)が形成される。そしてコイルばね513の一方の端部は制御環512に固定される。すなわち、制御環512を回転を止めるとコイルばね513の回転も止めることが可能であり、逆に制御環512を回転させることでコイルばね513も回転可能になる。なお、コイルばね513の他方の端部は出力側のカップリング510(第2の回転部材)に固定される。
【0045】
さらに図6a,図6bに示すように、制御環512(環状部材)の回転、回転停止、逆回転等、制御環512の回転を制御する手段として、制御環制御部材52(回転制御機構)が備えられる。
【0046】
制御環制御部材52(回転制御機構)は、制御環制御ギア52aと、制御環制御カム52b(カム部材)と、制御環制御カム52bの回転位置を決める、制御環制御カム位置決めカム52cと、を有する(図6a参照)。また、制御環制御ギア52aは、ギア歯の一部分が欠けた、欠け歯部分522aを有する(図6b参照)。
【0047】
さらに制御環制御カム52b(カム部材)は外周部に、当接面521m、521s、非当接面521fを有し、それぞれ制御環制御カム52bの回転中心からの径の大きさが異なる構成である。さらに、当接面521mと521sの境界には段差状の引っ掛け部が設けられ、引っ掛け部が引っ掛かり部512aに引っ掛かるように構成されている。また、制御環制御カム位置決めカム52cは、突起部522を有する。
【0048】
そして、制御環512(環状部材)を回転、回転停止、逆回転、させる場合は、制御環制御カム52b(カム部材)の当接面、非当接面、引っ掛け部を、制御環512の外周面に設けられた制御環カム512a(引っ掛かり部)に直接作用させることで行われる。
【0049】
(駆動力を伝達する場合)
上記のように構成される駆動制御装置の具体的な動作例として、ばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)の回転駆動力を、出力側のカップリング510(第2の回転部材)に伝達する場合の動作について説明する。
【0050】
まず、制御環512(環状部材)が制御環制御部52(回転制御機構)によって回転停止されている場合は、回転停止の状態を解除して制御環512が自在に回転できる状態にする。なお、制御環512の回転停止の状態を解除する方法については後で説明する。
【0051】
この状態で入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)が回転すると、コイルばね513は、入力胴511aが回転すると入力胴511aに対して締まる方向に巻かれているので、入力胴511aに対してコイルばね513が締まる。そして、入力胴511aとコイルばね513が連結されて連れ回りする。
【0052】
また、上記で説明したように、コイルばね513の一端は制御環512(環状部材)に固定されているので、コイルばね513の回転に伴い、制御環512も回転する。
【0053】
さらに、コイルばね513の他端は出力側のカップリング510(第2の回転部材)に固定され、コイルバネ513も出力胴514aに対して締まるので、出力側のカップリング510も回転する。
【0054】
このようにして、制御環512(環状部材)の回転停止の状態を解除することで入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)の回転駆動力が、出力側のカップリング510(第2の回転部材)に伝達される。
【0055】
(駆動力を伝達しない場合)
一方で、入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)の回転駆動力を、出力側のカップリング510(第2の回転部材)へ伝達しない場合は、制御環制御部材52(回転制御機構)によって制御環512(環状部材)の回転を停止させることで行われる。
【0056】
すなわち、制御環512(環状部材)を制御環制御部材52(回転制御機構)によって回転停止させると、コイルばね513の一端は制御環512に固定されているので、コイルばね513の回転が停止する。なお、制御環512を回転停止させる方法については後で説明する。
【0057】
また、コイルばね513は出力側のカップリング510(第2の回転部材)に固定されているので、コイルばね513が回転を停止することで、出力側のカップリング510も回転を停止する。
【0058】
よって、入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)が回転駆動している状態にあっても、制御環512(環状部材)が回転停止されて、出力側のカップリング510(第2の回転部材)も回転を停止する。その結果、入力側のばねクラッチ入力ギア51のみが空転し、出力側の回転駆動力がカップリング510に伝達されない。
【0059】
しかしながら、入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)が空転している間は、入力胴511aとコイルばね513の間で生じる摩擦によって、変音、振動が発生するといった問題を生じる。
【0060】
またその解決策として、出力側を回転させてコイルばね513を緩めようとしても、出力側に何らかの負荷がかかっている場合はコイルばね513を緩ませることが困難なので、入力胴511aがコイルばね513に締め付けられる状態で空転し続けることになる。
【0061】
よって、入力胴511aとコイルばね513との間で大きな摩擦が生じ、これによって変音、振動が大きくなり、駆動制御装置の寿命が短くなるおそれもある。
【0062】
第1の実施の形態では、制御環512(環状部材)に作用して制御環512の回転を制御する制御環制御部材52(回転制御機構)を設け、駆動力を伝達しない場合は制御環制御部材52によって制御環512を逆回転させてコイルばね513を緩める構成とした。
【0063】
これにより、出力側に負荷がかかった状態であっても、コイルばね513を入力胴511aに対して緩めることができるので、コイルばね513と入力胴511aの摩擦を減少させた状態で、入力側を空転させることが可能になる。
【0064】
(駆動制御装置の動作)
図6〜図11は上記のように構成される駆動力制御装置によって駆動力の伝達を切り換える際の概略構成図である。図6a,図6bは駆動力が出力部へ伝達される前のスタンバイ状態、図7a,図7bはトナー補給信号を受信した直後の状態、図8a,図8bは制御環512の回転停止の状態が解除され、入力部から出力部への駆動力の伝達が開始される状態を示す。
【0065】
また、図9は回転駆動力が伝達されている状態、図10は制御環512の回転が停止し、制御環512が逆回転する直前の状態、図11a,図11bは制御環512が回転停止させられ、回転駆動力の伝達が完全に解除された状態を示す。以下、各々の図面を参照しながら、第1の実施の形態に係る駆動制御装置の動作を説明する。
【0066】
(スタンバイ状態)
まず図6a,図6bを参照して、出力側のカップリング510(第2の回転部材)に駆動力が伝達される前のスタンバイ状態における駆動制御装置の動作を説明する。
【0067】
スタンバイ状態とは、入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)の回転駆動力が、出力側のカップリング510(第2の回転部材)へ伝達される前の静止状態をさす。
【0068】
この状態では、制御環512(環状部材)の制御環カム512a(引っ掛かり部)が制御環制御部材52(回転制御機構)の当接面521mと当接する状態にあるので、制御環512は回転しない。さらに制御環制御部材52は制御環制御ギア52a(欠け歯ギア)の欠け歯部分522aが駆動アイドラギア53と対向しているので、制御環制御部材52には駆動力が伝達せず、静止状態にある。
【0069】
すなわち外部からの作用を受けない限り、スタンバイ状態では、制御環制御部材52(回転制御機構)及び制御環51(環状部材)が静止状態であり続け、駆動力が出力側に伝達することはない。
【0070】
この状態では、まず外部の可動部材として配置されるソレノイド54(制止部材駆動装置)のフラッパ541(制止部材)が、制御環制御部材52(回転制御機構)の制御環制御カム位置決めカム52cの突起部522に引っかかる。
【0071】
さらにバネ523(回転力付与部材)から力をうけ、制御環制御部材52(回転制御機構)には、制御環制御部材52を図6a中の矢印A方向に回転させるトルクがはたらく。フラッパ541(制止部材)は突起部522から外れることなく、突起部522に常に当接する。
【0072】
さらに図6bに示すように、スタンバイ状態において制御環制御ギア52a(欠け歯ギア)は、駆動アイドラギア53に対して欠け歯部分522aで対向するので、制御環制御ギア52aに対しては、駆動アイドラギア53から駆動力が伝達されない。
【0073】
また、図6aに示すように、制御環512(環状部材)に設けられた制御環カム512a(引っ掛かり部)に対し、制御環制御カム52bの外周部に設けられた当接面521mが当接して制御環512を回転停止の状態にする。
【0074】
以上より、スタンバイ状態においては、制御環制御部材52(回転制御機構)の当接面521mが、制御環512(環状部材)の制御環制御カム512a(引っ掛かり部)と当接するので、入力側が駆動していても、出力側へ駆動力が伝達されることはない。
【0075】
(駆動力伝達状態)
以下、図7〜図9を参照して、制御環512(環状部材)の回転停止の状態が解除され、駆動力が出力側へ伝達されるプロセスについて説明する。
【0076】
図7a,図7bは、トナー補給信号を受信した直後における、駆動制御装置の状態を示す図である。なお、図7aは駆動制御装置の正面図、図7bは駆動制御装置の背面図である。
【0077】
画像形成装置本体の不図示の制御部がトナー補給信号を受信すると、外部の制止部材としてのソレノイド54(制止部材駆動装置)のフラッパ541は、図7aに示す位置(541b)へ移動する。フラッパ541が、図7aに示す位置に退避すると、バネ523(回転力付与部材)の弾性により、制御環制御部材52(回転制御機構)は図7a中の矢印B方向へ回動する。
【0078】
そして図7bに示すように、制御環制御部材52(回転制御機構)が回動すると制御環制御ギア52aも回動し、制御環制御ギア52aが駆動アイドラギア53と噛み合いを始める(図7bは噛み合いを始める直前の状態)。
【0079】
しかしながら、制御環制御部材52(回転制御機構)が回動を開始しても、図7aに示すように制御環512(環状部材)の制御環カム512a(引っ掛かり部)は引き続き当接面521mに当接され続け、制御環512は停止状態であり続ける。
【0080】
よって、まだこの状態では駆動力は出力側へ伝達されず、駆動制御装置は図8a,図8bに示す状態となる。なお、図8aは駆動制御装置の正面図、図8bは駆動制御装置の背面図である。
【0081】
上記で説明した図7の状態からさらに制御環制御部材52(回転制御機構)が回動すると、図8aに示すように、制御環カム512a(引っ掛かり部)と当接面521mは互いに離間し、この瞬間から制御環512の回転停止の状態が解除される。
【0082】
制御環512が回転し始めると、図8bに示すように、制御環制御ギア52aは駆動アイドラギア53と噛み合って駆動するので、制御環制御部材52(回転制御機構)は、図8a中の矢印C方向へ回動し続け、図9に示す状態となる。
【0083】
図9に示す状態においては、制御環制御カム52bは、非当接面521fと対向するため、制御環512(環状部材)は完全に回転自在の状態になり、入力側の駆動力は、出力側へ伝達可能になる。
【0084】
またこの際、外部の可動部材としてのソレノイド54(制止部材駆動装置)のフラッパ541(制止部材)は移動し、図9における541aの位置に戻る。
【0085】
以上より、駆動力伝達状態においては制御環512(環状部材)が回転停止の状態を解除されることで、入力側の駆動力を、出力側へ伝達することができる。
【0086】
(制御環が回転停止して入力側が空転する状態)
次に、図10を参照して、回転自在の状態の制御環512(環状部材)を停止させ、さらにその後に制御環512を直接逆回転させた上で再び停止させ、入力側が空転するに至るプロセスについて説明する。図10は駆動制御装置の正面図である。
【0087】
上記で説明したように、制御環512(環状部材)が回転自在の状態になり、出力側へ駆動力が伝達する状態においては、駆動アイドラギア53と制御環制御ギア52aは噛み合うので、制御環制御カム52bがさらに回動する。
【0088】
制御環制御カム52b(カム部材)がさらに回動すると、図10に示す状態になる。すなわち、制御環制御カム52bの外周部に設けられた当接面521sが、制御環カム512a(引っ掛かり部)に当接した瞬間から、制御環512(環状部材)が再び回転停止されることになる。そして制御環512が回転を停止すると、コイルばね513と共に出力側が制止されるので、入力側が空転する状態になる。
【0089】
一方で、図10に示す状態においては、制御環制御ギア52aは駆動アイドラギア53と噛み合い、駆動し続ける。よって、制御環制御部材52(回転制御機構)はさらに回動し続け、制御環カム512a(引っ掛かり部)には、当接面521sに代わり、当接面521mが当接する。
【0090】
この時、図10に示すように、当接面521sと当接面521mの境界には段差状の引っ掛け部が設けられており、制御環カム512a(引っ掛かり部)に当接面521mが当接する際に、段差状の引っ掛け部が制御環カム512aを押し戻す。
【0091】
よって制御環カム512a(引っ掛かり部)に当接面521mが作用する際に、制御環512(環状部材)は一時的に図10中の反時計回りの方向へ逆回転し、再び停止させられる。図11a、図11bは、制御環512が逆回転した後、当接面521mが制御環制御カム512と当接し、制御環512が再び回転停止の状態になった場合を示すものである。
【0092】
制御環512(環状部材)が逆回転すると、コイルばね513の一端は制御環512に固定されているので、コイルばね513が緩められる。そして、コイルばね513が緩められた状態で制御環512は再び回転停止の状態になるので、入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)の入力胴511aと、コイルばね513との間に生じる摩擦力が減少する。
【0093】
制御環512(環状部材)が逆回転し、再度停止させられると、図11a,図11bに示すように、外部の制止部材としてのソレノイド54(制止部材駆動装置)のフラッパ541が突起部522に再び引っかかり、駆動制御装置は元のスタンバイ状態に戻る。
【0094】
以上の構成によれば、制御環512(環状部材)を直接逆回転させてコイルばね513を入力胴511aに対して緩めることができるので、出力側に負荷があるなしに関わらず、コイルばね513を緩めることができる。
【0095】
よって、入力胴511aとコイルばね513に生じる摩擦を減少させ、摩擦による変音、損傷等が生じない駆動制御装置、及びこれを備える画像形成装置を提供することができる。
【0096】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る駆動制御装置、及びこれを備える画像形成装置について説明する。なお、画像形成装置の全体構成、トナー補給手段の構成、制御環512(環状部材)を逆回転させる動作に関しては、上記第1の実施の形態と何ら変わるものではないので説明は省略する。ここでは、第2の実施の形態の特徴である、制御環制御部材52(回転制御機構)の駆動方法についてのみ説明を行う。
【0097】
上記第1の実施の形態に係る駆動制御装置においては、制御環制御部材52(回転制御機構)の駆動に、外部の制止部材としてソレノイド54のフラッパ541を用いる構成であった。
【0098】
第2の実施の形態では、制御環制御部材52(回転制御機構)の駆動を、電磁クラッチを用いて行うことを特徴とする。
【0099】
装置本体がトナー補給信号を受信すると、電磁クラッチが通電され、駆動アイドラギア531の駆動力が電磁クラッチを介して制御環制御部材52(回転制御機構)に伝達され、制御環制御部52を回転させる。
【0100】
その後、制御環制御カム52bに設けられたフラグが、不図示のフォトセンサを通過した一定期間後、電磁クラッチの通電を解除し、制御環制御部材52(回転制御機構)への駆動伝達を解除する。制御環制御カム52bは、1周することにより、制御環512(環状部材)の回転、回転停止、逆回転等、を行う。
【0101】
(第3の実施の形態)
図12〜図16を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る駆動制御装置、及びこれを備える画像形成装置について説明する。
【0102】
第3の実施の形態における駆動制御装置は、制御環512(環状部材)の回転、回転停止、逆回転等、制御環512の回転を制御する制御環制御部材52(回転制御機構)が、移動部材61と、カム60(カム部材)と、から構成される。さらに移動部材61の外壁上には引っ掛け部61aが設けられることを特徴とする。
【0103】
また、画像形成装置の全体構成、トナー補給手段の構成は第1、第2の実施の形態と何ら異なるものではないので、説明を省略し、ここでは第3の実施の形態に係る駆動制御装置の構成、動作についてのみ説明を行う。
【0104】
(駆動制御装置の構成)
第3の実施の形態に係る駆動制御装置は、入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)と、出力側のカップリング510(第2の回転部材)と、コイルばね513と、駆動力の伝達、非伝達を切り換える制御環512(環状部材)と、を備える。さらに、制御環512を回転、回転停止、逆回転等、回転制御するための制御環制御部52(回転制御機構)を備える。
【0105】
図12〜図16に示すように、制御環制御部材52(回転制御機構)は、不図示の駆動伝達手段によって回転駆動されるカム60(カム部材)と、カム60を内側に有しカム60と内接する構成で、カム60の回転駆動と連動する移動部材61と、を備える。また、移動部材61の外壁面の一部には凸状の引っ掛け部61aが設けられる。
【0106】
(駆動制御装置の動作)
図12〜図16を参照して、上記のように構成される駆動制御部の動作を説明する。
【0107】
(スタンバイ状態)
まず図12を参照して、出力側のカップリング510(第2の回転部材)に駆動力を伝達する前のスタンバイ状態における、駆動制御装置の動作を説明する。図12は、出力側のカップリング510に駆動力が伝達される前のスタンバイ状態における、駆動制御装置の概略構成図である。
【0108】
スタンバイ状態とは、入力側のばねクラッチ入力ギア51(第1の回転部材)の駆動力が、出力側のカップリング510(第2の回転部材)へ伝達する前の状態をさす。この状態では、制御環512(環状部材)が回転停止の状態にある。
【0109】
スタンバイ状態においては、引っ掛け部61aが制御環カム512a(引っ掛かり部)に作用するので制御環512(環状部材)は回転停止の状態にされ、入力側の駆動力が出力部へ伝達されることはない。
【0110】
(駆動力伝達状態)
次に図13、図14を参照して、制御環512(環状部材)が回転停止の状態を解除され、駆動力が出力側へ伝達されるプロセスについて説明する。
【0111】
図13は、画像形成装置本体の不図示の制御部がトナー補給信号を受信した直後における、駆動制御装置の概略構成図である。
【0112】
画像形成装置本体の不図示の制御部がトナー補給信号を受信すると、不図示の駆動手段によってカム60(カム部材)が図中矢印D方向へ回動する。カム60が回動すると、カム60と内接してカム60と連動する移動部材61がカム60の回動パターンに合わせて移動部材61が制御環512(環状部材)から離間する移動する。
【0113】
すると移動部材61に設けられる引っ掛け部61aが制御環カム512a(引っ掛かり部)から離れるので、制御環512(環状部材)の回転停止の状態が解除される。制御環512が回転を開始すると、入力側に入力された駆動力が出力部へ伝達し始め、トナーの補給が開始される。
【0114】
図14は、制御環512(環状部材)の回転停止の状態が解除され、出力側へ駆動力が伝達されている状態の駆動制御装置の概略構成図である。
【0115】
この状態では、引っ掛け部61aが制御環カム512a(引っ掛かり部)から離間した位置にあるので、制御環512(環状部材)は外部から回転停止の状態にされることなく、回転駆動することができる。また、カム60(カム部材)の回動パターンに合わせて移動部材61が図中矢印F方向へ移動する。
【0116】
(制御環が回転停止され入力部が空転する状態)
次に、図15、図16を参照して、回転停止の状態を解除された制御環512(環状部材)を再び回転停止の状態にし、さらにその後に制御環512を逆回転させた上で再び回転停止し、入力側が空転するに至るプロセスについて説明する。
【0117】
図15は、制御環512(環状部材)が1回転し、制御環カム512a(引っ掛かり部)と引っ掛け部61aが引っかかって制御環512を回転停止の状態にした際の駆動制御装置の概略構成図である。
【0118】
この状態では、カム60の回動パターンに伴い、移動部材61が制御環512(環状部材)の方向へ近づき、引っ掛け部61aが制御環カム512a(引っ掛かり部)に作用して制御環512の回転を停止する。
【0119】
図16は、制御環512(環状部材)が制御環制御部材52(回転制御機構)の作用によって逆回転させられている状態の駆動制御装置の概略構成図である。
【0120】
引っ掛け部61aが制御環カム512a(引っ掛かり部)に作用し、制御環512(環
状部材)を回転停止の状態にした後、カム60(カム部材)がさらに回転することで、その回動パターンに伴って移動部材61が制御環512を押し戻す向きに移動する。
【0121】
そして図16に示すように、移動部材61が矢印H方向へ移動すると、引っ掛け部61aは制御環カム512a(引っ掛かり部)と引っ掛かりつつ、矢印H方向へ移動する。これにより、制御環512(環状部材)は押し戻され、逆回転することになる。
【0122】
制御環512(環状部材)逆回転させることで、コイルばね513を入力部の入力胴511aに対して緩めることができ、コイルばね513の摩擦を減少させることができるので、変音の発生等を防ぐことができる。
【0123】
また、制御環512(環状部材)を直接逆回転させるので、出力側に負荷がある場合であっても、コイルばね513を確実に緩めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図
【図2】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の拡大図
【図3】プロセスカートリッジの着脱を表す図
【図4】第1の実施の形態に係る駆動制御装置の斜視図
【図5】ばねクラッチ機構を表す図
【図6a】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の正面図
【図6b】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の背面図
【図7a】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の正面図
【図7b】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の背面図
【図8a】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の正面図
【図8b】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の背面図
【図9】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の正面図
【図10】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の正面図
【図11a】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の正面図
【図11b】第1の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の背面図
【図12】第2の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の構成図
【図13】第2の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の構成図
【図14】第2の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の構成図
【図15】第2の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の構成図
【図16】第2の実施の形態におけるトナー補給手段の駆動部の構成図
【符号の説明】
【0125】
1 画像形成装置
2 シート材収納トレイ
3 中間転写ベルト
4 定着手段
9 潜像形成手段
10 プロセスカートリッジ
11 トナー収容容器
21 リタードローラ
22 搬送ローラ
23 2次転写ローラ
24 排出ローラ対
25 レジストローラ対
30 1次転写ローラ
51 ばねクラッチ入力ギア(第1の回転部材)
52 制御環制御部材(回転制御機構)
52a 制御環制御ギア(ギア部材)
52b 制御環制御カム(カム部材)
52c 制御環制御カム位置決めカム
53 駆動アイドラギア
54 ソレノイド
55 駆動ギア
56 廃トナー搬送ギア
100 像担持体
101 トナー受け入れ口
110 帯電手段
111 現像手段
112 スクリュー
114 トナー補給口
512 制御環(環状部材)
512a 制御環カム(引っ掛かり部)
521 制御環制御カム
521m 当接面
521f 非当接面
521s 当接面
522 突起部
522a 欠け歯部分
562 廃トナー搬送カップリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回転部材と、
第1の回転部材と同軸上に配置され、第1の回転部材から回転駆動力が伝達される第2の回転部材と、
第1の回転部材に巻回し、一方の端部が第2の回転部材側に固定され、
第1の回転部材から第2の回転部材に回転駆動力を伝達する場合は、第1の回転部材を締め付け、
第1の回転部材から第2の回転部材に回転駆動力の伝達をさせない場合は、第1の回転部材に対する締め付けが解除されるコイルばねと、
前記コイルばねの他方の端部が固定され、前記コイルばねと共に回転可能に構成される環状部材と、
を備えるばねクラッチ機構を有する駆動制御装置において、
第1の回転部材から第2の回転部材に回転駆動力を伝達させない状態に切り換える場合に、
前記環状部材に作用して、前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを緩める方向に前記環状部材を回転させ、前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを解除させた状態にする回転制御機構を備えることを特徴とする駆動制御装置。
【請求項2】
前記回転制御機構は回転駆動するカム部材を有し、
該カム部材の外周には、
前記環状部材に形成される引っ掛かり部に当接して前記環状部材の回転を停止させる当接面と、
前記引っ掛かり部に引っ掛かり、前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを緩める方向に前記環状部材を回転させる引っ掛け部と、
前記引っ掛かり部に当接することなく、前記環状部材を回転可能な状態にする非当接面と、
が形成され、
前記カム部材の回転によって、前記環状部材の回転、回転停止、及び前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを緩める方向への回転を、繰り返す動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
【請求項3】
前記回転制御機構は、
回転駆動するカム部材と、
前記カム部材を内側に備え、前記カム部材の外周と内接して前記カム部材の回転と連動する移動部材と、
を有し、
該移動部材の外壁面には、前記環状部材に形成される引っ掛かり部に引っ掛かる引っ掛け部が形成され、
前記引っ掛け部を、前記引っ掛かり部に引っ掛けることで、前記環状部材の回転を停止させ、
前記引っ掛け部を、前記引っ掛かり部に引っ掛けた状態で、前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを緩める方向に前記環状部材を回転させることで、前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを緩め、
前記引っ掛け部を、前記引っ掛かり部から離間させることで、前記環状部材を回転可能な状態にする構成で、
前記カム部材が回転することで、前記環状部材の回転、回転停止、及び前記コイルばねの第1の回転部材に対する締め付けを緩める方向への回転を、繰り返す動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
【請求項4】
前記回転制御機構は、
前記カム部材と同軸上に設けられ、駆動源側のギア部材と噛み合って前記カム部材を回転駆動する欠け歯ギアと、
前記カム部材の回転を制止する制止部材と、
前記制止部材を駆動する制止部材駆動装置と、
前記欠け歯ギアの欠け歯部分が駆動源側のギア部材に対向して、前記欠け歯ギアに駆動力が伝達されない場合に、前記カム部材に回転力を付与して前記カム部材と駆動源側のギア部材を噛み合わせる為の回転力付与部材と、
を有し、
前記カム部材を回転駆動させない場合は、
前記欠け歯ギアの欠け歯部分を駆動源側のギア部材に対向させた状態で、前記制止部材によって前記カム部材を制止し、前記回転力付与部材から付与される回転力に抗して前記カム部材が駆動源側のギア部材と噛み合わない状態に保持し、
前記カム部材を回転駆動させる場合は、
前記制止部材を前記カム部材から離間させ、前記回転力付与部材によって前記カム部材を回転させることで、前記欠け歯ギアのギア歯部分を駆動源側のギア部材と噛み合わせることを特徴とする請求項2に記載の駆動制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に係る駆動制御装置と、
シート材に画像を形成する画像形成手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−242211(P2008−242211A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84366(P2007−84366)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】