説明

駐車場の区画表示方法及び駐車場

【課題】駐車場を区画する白線の上に所定の情報を表示するとともに、白線を傷めることを低減する。
【解決手段】隣り合う車両の駐車領域104を区画するために付された縦区画線100上に、所定の情報が表示されたストライプ部材10を貼着して、縦区画線100における中央の帯状領域上に、所定の情報を表示させる。これにより、ストライプ部材10の貼り替えが繰り返されても、縦区画線100に与える損傷が低減され、駐車場を区画する機能は維持される。さらに、縦区画線100の表示によって駐車場利用者に各種の情報を提供することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の区画表示方法及び駐車場に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場は、車両を整列させるために、複数の駐車領域に区画されている。駐車場の区画は、通常、塗料を用いて白線を引くことやロープを張ることなどによって行われる。
【0003】
また、従来のこの種の技術として、特許文献1に記載された技術がある。この特許文献1によれば、路面にテープを貼着することによって駐車場の区画を行い、さらに、このテープを、例えば道案内のような情報表示に利用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/016801号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1には、白線の代わりに情報表示機能を備えたテープを用いて、駐車場の区画を行っている。しかし、車両がテープ上を通過したり、駐車場利用者がテープを踏みつけることなどによってテープが剥離した場合には、駐車場に駐車領域を区画するものがなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決した駐車場の区画表示方法及び駐車場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0008】
(1) 隣り合う車両の駐車領域を区画するために付された二重線上に、所定の情報が表示された帯状部材を貼着して、前記二重線における中央の帯状領域上に、前記所定の情報を表示させることを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【0009】
(2) (1)において、前記帯状部材は、前記二重線における中央の帯状領域に対向し、前記所定の情報を表示する表示領域と、当該表示領域の周囲に設けられ、前記二重線の少なくとも一部を被覆する被覆領域を有し、前記被覆領域及び前記表示領域における駐車場との対向面は、前記被覆領域が前記二重線の一部に貼着するとともに、前記表示領域が前記帯状領域に貼着した状態を維持し、かつ特定の作業によって剥離可能な粘着性を有し、前記被覆領域における貼付強度が、前記表示領域における貼付強度よりも弱いことを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【0010】
(3) (2)において、前記被覆領域は、前記二重線と同一色又は類似色であることを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【0011】
(4) (2)において、前記被覆領域は、所定の情報を表示することを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【0012】
(5) 隣り合う車両の駐車領域を区画するために付された線上に、所定の情報が表示された帯状部材を貼着して、前記線上に前記所定の情報を表示させ、前記帯状部材における駐車場との対向面は、特定の作業によって剥離可能な粘着性を有し、前記対向面における縁部の貼付強度が中央部の貼付強度よりも弱いことを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【0013】
(6) (1)〜(5)において、前記駐車領域に隣接する壁面に、前記帯状部材を貼着することを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【0014】
(7) (1)〜(6)において、前記駐車領域に、前記駐車領域に駐車した車両の移動を規制する規制手段を備え、前記規制手段に、前記帯状部材を貼着することを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【0015】
(8) (1)〜(7)において、前記駐車領域の外側に、電気自動車の電池を充電する充電手段を備え、前記充電手段に、前記帯状部材を貼着することを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【0016】
(9) 隣り合う車両の駐車領域を区画するために付された二重線上に、所定の情報が表示された帯状部材を貼着して、前記二重線における中央の帯状領域上に、前記所定の情報を表示させたことを特徴とする駐車場。
【0017】
(1)、(9)によれば、二重線における中央の帯状領域に、帯状部材が貼着されるため、帯状部材の貼り替えが繰り返されても、二重線に与える損傷が低減され、駐車場を区画するという二重線の機能は維持される。さらに、帯状部材の表示によって駐車場利用者に各種の情報を提供することが可能になる。
【0018】
(2)によれば、被覆領域が二重線の一部あるいは全体領域を保護するようになる。また、帯状部材を剥離させる際に、被覆領域における貼付強度が、表示領域における貼付強度よりも弱いため、被覆領域が貼着されている二重線の一部あるいは全体領域の傷みを軽減することができる。これにより、帯状部材の貼り替えが繰り返されて、二重線に多少の損傷が起きたとしても、駐車場を区画するという二重線の機能は維持される。
【0019】
(3)によれば、帯状部材を剥離させる際に、被覆領域に対向する二重線の部位を損傷したとしても、その分、被覆領域の表示によって二重線の部位を補うことが可能になる。
【0020】
(4)によれば、被覆領域を情報表示に用いるため、より大きくわかりやすい表示を行うことが可能になる。
【0021】
(5)によれば、駐車場を区画する線上に、所定の情報が表示された帯状部材を貼着することによって、駐車場利用者に各種の情報を提供することが可能になる。また、帯状部材の縁部が中央部より貼着強度が弱いため、帯状部材の貼り替えが繰り返されて、駐車場を区画する線に多少の損傷が起きたとしても、駐車場を区画する線の外周部分は残るようになる。これにより、帯状部材を剥離して新たな帯状部材を貼着する際に、貼着位置を容易に把握することができる。
【0022】
(6)、(7)、(8)によれば、駐車領域に隣接する壁面、車両の移動を規制する規制手段、電気自動車の電池を充電する充電手段に帯状部材を貼着することによって、より多くの情報を表示することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、二重線における中央の帯状領域に、帯状部材が貼着されるため、帯状部材の貼り替えが繰り返されても、二重線に与える損傷が低減され、駐車場を区画するという二重線の機能は維持される。さらに、帯状部材の表示によって駐車場利用者に各種の情報を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態における駐車場の区画表示を示す説明図である。
【図2】ストライプ部材の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態の第1変形例を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の第2変形例を示す平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の第3変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態の第4変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態における駐車場の区画表示を示す説明図である。
【図8】駐車場を区画する縦区画線にストライプ部材を貼着する前、貼着後を示す説明図である。
【図9】駐車場を区画する縦区画線にストライプ部材を貼着する前、貼着後を示す説明図である。
【図10】駐車場におけるストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図11】駐車場におけるストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図12】駐車場に配備した充電器に対するストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図13】駐車場に配備した充電器に対するストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図14】駐車場に配備した充電器に対するストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図15】駐車場に配備した充電器に対するストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図16】駐車場に配備した充電器に対するストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図17】駐車場に配備した充電器に対するストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図18】駐車場に配備した充電器に対するストライプ部材の貼着例を示す説明図である。
【図19】本発明の他の実施形態における駐車場の区画表示を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態における駐車場の区画表示を示す説明図である。駐車場1には、縦方向(図中Y方向)に延び、横方向(図中X方向)に隣り合う車両の駐車領域を区画するための縦区画線100と、縦方向(図中Y方向)に隣り合う車両の駐車領域を区画するための横区画線120とが、例えば、白色塗料によって描かれている。縦区画線100は二重線であり、横区画線120は一本線である。また、縦区画線100上には、表面に広告が印刷されている、帯状部材に相当するストライプ部材10が貼着されている。
【0026】
第1実施形態によれば、縦区画線100と横区画線120とは垂直であり、一つの横区画線120に対して複数の縦区画線100が描かれている。駐車場利用者は、隣り合う2本の縦区画線100と横区画線120とによって囲まれた駐車領域104に駐車する。なお、以下の説明において、車両が駐車領域104に、図1に示すように駐車されている場合に、車両が向いて方向(図中Y1方向)を前方、反対方向(図中Y2方向)を後方と称することにする。
【0027】
図2はストライプ部材の構成を示す説明図であり、図2(a)はストライプ部材の平面図、図2(b)はストライプ部材の背面図である。
【0028】
ストライプ部材10は1層のステッカー状素材によって構成された長尺部材である。ストライプ部材10の表面は表示領域10a及び被覆領域10bの2つの領域を備えている。表示領域10aは、広告が印刷されている領域であり、ストライプ部材10の表面の中央部に配置されている。被覆領域10bは、広告が印刷されていない領域であり、ストライプ部材10の表面の外周部に配置されている。
【0029】
また、ストライプ部材10の裏面は、特殊粘着処理が施してなる粘着領域10cを備えている。粘着領域10cには、通常、剥離シート(図示しない)が貼着されている。ストライプ部材10を駐車場1(図1参照)に貼着する際に、剥離シート(図示しない)を剥離して、粘着領域10cを駐車場1に密着させる。これにより、ストライプ部材10が駐車場1に貼着される。
【0030】
縦区画線100は、図2(a)に示すように、互いに平行な二本の線100a、100bと、二本の線100a、100bの前方の端部を繋ぐ円弧状の線100cによって構成されたU字型の二重線である。二本の線100a、100bの後方の端部は横区画線120に繋がっている。このため、縦区画線100の中央部には、二本の線100a、100b、円弧状の線100c、及び横区画線120によって囲まれた帯状領域102が形成されている。この帯状領域102と同じ大きさ及び形状になるように表示領域10aの大きさが設定されている。
【0031】
また、ストライプ部材10の幅は、縦区画線100における中央の帯状領域102の幅Aよりも若干大きく設定されている。ストライプ部材10の長さは帯状領域102よりも若干大きく設定されている。さらに、ストライプ部材10の長手方向の一端部は円弧状に形成されている。
【0032】
このため、ストライプ部材10を帯状領域102上に貼着した場合、帯状領域102全体が表示領域10aによって覆われ、被覆領域10bが、線100a、100b、100cの内側の一部領域に重なり合う。
【0033】
粘着領域10cにおける表示領域10aの裏側の領域は、特定の作業によって縦区画線100から剥離可能な粘着性を有している。ここで、粘着領域10cの粘着性は、被覆領域10bの裏面における貼付強度が、表示領域10aの裏面における貼付強度よりも弱く設定されている。
【0034】
そして、駐車場1を区画している縦区画線100上にストライプ部材10を貼着することにより、図1に示すように、ストライプ部材10の表示領域10aに印刷された広告が駐車場1上に表示される。通常、駐車場1には、複数の縦区画線100が平行に配置されているため、駐車場の利用者には、複数の広告が同方向に並んだ状態で視認される。
【0035】
このように本実施形態によれば、縦区画線100の帯状領域102に、ストライプ部材10が貼着された場合に、被覆領域10bの部分のみが縦区画線100と重なるようになる。このため、ストライプ部材10の貼り替えが繰り返されても、表示領域10aの対向部位には白線が付されていないことから、表示領域10aの裏側の粘着力によって縦区画線100が損傷することが低減される。ここで、ストライプ部材10を剥離させた際に、縦区画線100の内側の一部が、表示領域10aの裏側の粘着力によって、一緒に剥離するおそれがある。しかし、被覆領域10bの裏側の粘着力は、表示領域10aの裏側の粘着力よりも弱いことにより、被覆領域10bの裏側の粘着力から縦区画線100に与えるダメージが小さくなる。このように、縦区画線100は、ストライプ部材10を剥離させた際の縦区画線100の損傷が低減できるようになり、駐車場1を区画するという縦区画線100の機能は維持される。
【0036】
さらに、表示領域10aに印刷された広告の表示によって駐車場利用者に各種の情報を提供することが可能になる。
【0037】
なお、被覆領域10bは、縦区画線100と類似色であることが望ましいが、同一色(例えば、白色)であることが特に望ましい。これにより、ストライプ部材10の貼り替えが繰り返されて、縦区画線100の内側の一部が剥離したとしても、その部分に被覆領域10bが配置されるために、駐車場1の利用者が縦区画線100を見たときに二重線の太さが変わっていない印象を受けるようになる。
【0038】
図3は、図1に示す第1実施形態の第1変形例を示す平面図である。図3に示す第1変形例は、図1に示す第1実施形態におけるストライプ部材10及び縦区画線100の前方の端部(以下、先端部と称する)が円弧状であることに対し、図3に示す第1変形例のストライプ部材10及び縦区画線100の先端部は直線状であり、ストライプ部材10、縦区画線100及び帯状領域102は、全体として矩形状に形成されている。なお、図3に示す第1変形例において、図1に示す第1実施形態の部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略している。
【0039】
このように、ストライプ部材10は、帯状領域102の形状に合うように適宜変形してもよい。
【0040】
図4は、図1に示す第1実施形態の第2変形例を示す平面図である。なお、図4に示す第2変形例において、図1に示す第1実施形態における部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略している。
【0041】
図1に示す第1実施形態におけるストライプ部材10は、縦区画線100よりも小さいことに対し、図4に示す第1変形例のストライプ部材10は、縦区画線100と略同一の大きさである。
【0042】
また、ストライプ部材10裏面の粘着領域において、帯状領域102に対向している領域の貼付強度よりも、それ以外の領域、すなわち縦区画線100に対向している領域の貼付強度の方が弱く設定されている。このため、ストライプ部材10を交換するために縦区画線100上から剥離した際に、縦区画線100に与える損傷を低減することができる。なお、第2変形例においては、縦区画線100を駐車場1に厚めに塗装して、縦区画線100の強度を高めておくことが望ましい。
【0043】
このように、第2変形例によれば、ストライプ部材10を大きくした分、表示領域10aを大きくすることができるため、より目立つように広告を駐車場1に表示することが可能になる。
【0044】
図5は、図1に示す第1実施形態の第3変形例を示す平面図である。なお、図5に示す第3変形例において、図1に示す第1実施形態の部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略している。
【0045】
図1に示す第1実施形態においては、縦方向に隣り合う車両の駐車領域104を横区画線120によって区画しているが、第3変形例によれば、図5に示すように、横区画線120の代わりに、一対のストッパ30を駐車領域104の後方側に固定している。ストッパ30は、車両のタイヤが当接することによって、それ以上、車両が後方に移動しないように、車両の移動を規制するものである。
【0046】
この場合、縦方向に隣り合う2つの駐車領域104に塗装した縦区画線100を、図5に示すように離しても良いし、2本の縦区画線100を組み合わせて両端部が円弧状の一本の縦区画線100としてもよい。さらに、2本の縦区画線100を組み合わせた場合には、2本分の縦区画線100に、両端部が円弧状の1本のストライプ部材10が貼着されてもよい。
【0047】
図6は、図1に示す第1実施形態の第4変形例を示す平面図である。なお、図6に示す第4変形例において、図5に示す第3変形例の部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略している。
【0048】
第4変形例は、図5に示す第3変形例におけるストライプ部材10を矩形にしたものである。この場合、図6に示すように帯状領域102の先端部がストライプ部材10に覆われなくなるが、表示領域10aによる広告機能、及び縦区画線100による駐車場を区画する機能は十分に維持される。
【0049】
[第2実施形態]
図7は本発明の第2実施形態における駐車場の区画表示を示す説明図である。駐車場1には、縦方向(図中Y方向)に延び、横方向(図中X方向)に隣り合う車両の駐車領域を区画するための縦区画線110と、縦方向(図中Y方向)に隣り合う車両の駐車領域を区画するための横区画線120とが、例えば、白色塗料によって描かれている。縦区画線110は一本線である。なお、図7に示す第2実施形態において、図1に示す第1実施形態の部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略している。
【0050】
第2実施形態によれば、縦区画線110と横区画線120とは垂直であり、一つの横区画線120に対して複数の縦区画線110が描かれている。駐車場利用者は、隣り合う2本の縦区画線110と横区画線120とによって囲まれた駐車領域104に車両を駐車する。また、縦区画線110上には、表面に広告が印刷されているストライプ部材10が貼着されている。
【0051】
図1に示す第1実施形態においては、二重線からなる縦区画線100にストライプ部材10を貼着しているが、図7に示す第2実施形態においては、縦区画線110にストライプ部材10を貼着している。第2実施形態のストライプ部材10は、一本線からなる縦区画線110と略同一の大きさであり、ストライプ部材10及び縦区画線110は矩形である。
【0052】
また、ストライプ部材10裏面の粘着領域において、粘着領域10cの中央部の領域における貼付強度よりも、それ以外の領域、すなわちストライプ部材10裏面の縁部の領域における貼付強度の方が弱く設定されている。このため、ストライプ部材10を縦区画線110上から剥離した際に、縦区画線110の中央部に損傷を与える可能性が残るが、縦区画線110の縁部に与える損傷を低減することができる。これにより、ストライプ部材10を剥がしたとしても、縦区画線110が視認可能な状態で残るため、新たなストライプ部材10を貼着する際に、貼着位置を容易に把握することができる。その結果、次のストライプ部材10の貼着を容易に行うことが可能になる。なお、第2実施形態においては、縦区画線110を駐車場に厚めに塗装して、縦区画線110の強度を高めておくことが望ましい。
【0053】
このように、第2実施形態によれば、縦区画線110に広告機能を持たせるととも、縦区画線110がストライプ部材10によって覆われているため、車両や利用者の通行から縦区画線110を保護することが可能になる。
【0054】
なお、第2実施形態によれば、縦区画線110の全体を覆うように、縦区画線110上にストライプ部材10を貼着しているが、図1(a)に示す縦区画線100の塗装部分、言い換えれば帯状領域102を除く部分に、ストライプ部材10を貼着してもよい。この貼着例について、図8、図9を参照しながら説明する。
【0055】
図8、図9は、駐車場を区画する縦区画線にストライプ部材を貼着する前、貼着後を示す説明図である。
【0056】
図8に示す縦区画線100は、図1(a)に示す縦区画線100と同一であり、この縦区画線100に、U字型のストライプ部材10が貼着されている。また、図9に示す縦区画線100は、図8に示す縦区画線100の先端部を分割したものであり、二つに分割された縦区画線100のそれぞれに、ストライプ部材10が貼着されている。
【0057】
これにより、縦区画線100上に広告を表示することが可能となる。しかも、縦区画線100がストライプ部材10によって覆われているため、車両や利用者の通行から縦区画線100を保護することが可能になる。
【0058】
[駐車場に関連する設備に対するストライプ部材の貼着例]
図10〜図18は、駐車場及び駐車場に関連する設備に対して、さらにストライプ部材を貼着して、広告表示の範囲を広げた例を示すものである。ここで、ストライプ部材10としては、広告表示にバリエーションを持たせるために、表面の広告の文字の方向や内容が異なっているもの、幅や長さが異なるものなど、複数種類用意するのが望ましい。
【0059】
図10に示す駐車場1は、図5に示す駐車場1における縦区画線100とストッパ30とによって区画された駐車領域104内、及びストッパ30にストライプ部材10を貼着したものである。
【0060】
なお、ストライプ部材10以外にも、表面に広告が印刷されたステッカー部材(図示しない)を用意して、適宜貼着してもよい。この場合、ステッカー部材(図示しない)はストライプ部材10と同じ材質でかつ同じインクで印刷したものであることが望ましい。
【0061】
図11に示す駐車場1の駐車領域104は、壁面50が隣接しており、二本の縦区画線100と壁面50とによって区画されている。駐車領域104内には、一対のストッパ30、及び規制手段に相当する可動ストッパ32が固定されている。
【0062】
可動ストッパ32は、ストッパ30よりも前方に配置されており、駐車領域104に駐車した車両の前輪のタイヤと後輪のタイヤとの間に位置付けられる。
【0063】
可動ストッパ32は、矩形の鉄板32aと、この鉄板を回動させるモータ(図示せず)と、このモータを制御する制御盤(図示せず)とを備えている。鉄板32aは、長手方向が縦区画線100に対して直角になるように配置されており、鉄板32aの一方の長辺側を、長手方向を軸として回動可能に固定されている。そして、モータが駆動することによって、鉄板32aの他方の長辺側が上下動する。
【0064】
駐車領域104に車両がない状態において、鉄板32aと路面とは面一に近い状態にある。駐車場利用者が車両を駐車した場合に、駐車場利用者が制御盤(図示せず)を操作して、鉄板32aの他方の長辺側を上げることによって、車両の移動が規制される。
【0065】
ストライプ部材10は、壁面50、ストッパ30、及び可動ストッパ32に貼着されている。このように、壁面50、ストッパ30、及び可動ストッパ32をストライプ部材10に貼着することによって、路面からだけでなく、壁面50、ストッパ30、及び可動ストッパ32によって広告を立てた状態で表示を行うことが可能になる。
【0066】
図12、図13は、図11に示す駐車場の壁面に設置した充電器60の周囲にストライプ部材10を貼着した例を示すものである。
【0067】
充電器60は、電気自動車の蓄電池を充電するためのものである。充電器60は、筐体62、ケーブル64、接続プラグ66及びホルダ68を備えている。筐体62は各種の部品を収納するものである。ケーブル64は、一端に充電器60の電源部(図示せず)を接続し、他端に接続プラグ66を設けたものである。接続プラグ66は、電気自動車に接続するものである。ホルダ68は、接続プラグ66を支持するものである。駐車場利用者が、充電器60を利用して電気自動車の蓄電池を充電する場合、接続プラグ66をホルダ68から外して、電気自動車に接続する。充電終了後、駐車場利用者は、接続プラグ66を電気自動車から外してホルダ68に取り付ける。
【0068】
ストライプ部材10は、充電器60の筐体におけるホルダ68の周囲、及び壁面50における充電器60の周囲に貼着されている。
【0069】
図12に示す充電器60と、図13に示す充電器60とは、充電器60の筐体の形状が異なっている。図12、図13に示すように、充電器60の筐体の形状に応じて、貼着するストライプ部材10の大きさや、貼着位置を適宜設定するとよい。
【0070】
図14〜図18は、駐車場1に設置した充電器60にストライプ部材10を貼着した例を示すものである。なお、図14〜図18に示す充電器60において、図12に示す充電器60の部材と同一の部材、あるいは同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略している。
【0071】
図14に示す充電器60はポール70の一端に固定されており、ポール70の他端は、駐車場1内の所定位置に固定されている。充電器60の筐体62は卵型の形状であり、図14(a)に示すように、筐体62の前面にホルダ68が配置されている。
【0072】
ストライプ部材10は、図14(a)、図14(b)及び図14(c)に示すように、充電器60の筐体62の前面、両側面及び背面に貼着されており、さらにポール70の周面に貼着されている。
【0073】
図15に示す充電器60は、図14に示す充電器60の筐体62の形状を直方体としたものである。図15に示す充電器60においても、図14に示す充電器60と同様に、ストライプ部材10が、充電器60の筐体62の前面、両側面及び背面に貼着されている。
【0074】
図16に示す充電器60は、縦長の略直方体形状をしたスタンド構造であり、ホルダ68を備えかつ筐体62の側方に突出しているユニット体72を備えている。
【0075】
ストライプ部材10は、図16に示すように、充電器60の筐体62及びユニット体72に貼着されている。
【0076】
図17に示す充電器60は、図16に示す充電器60の筐体62にホルダ68を組み込んだものである。ストライプ部材10は、図17に示すように、充電器60の筐体62に貼着されている。
【0077】
図18に示す充電器60は、縦長の円柱形状をしたスタンド構造である。筐体62は円筒体からなり、この筐体62の最上部にユニット体74が備えられている。ユニット体74は、ホルダ68を備えており、筐体62の最上部に任意の方向に回動自在に取り付けられている。ストライプ部材10は、図18に示すように、筐体62に貼着されている。
【0078】
図10〜図18に示すように、駐車領域を区画する縦区画線100や縦区画線110の他に、駐車場1及び駐車場1に関連する設備、例えば、ストッパ30、可動ストッパ32及び充電器60などに対して、さらにストライプ部材10を貼着することにより、広告表示の範囲を広げることが可能になる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限るものではない。例えば、上述した第1実施形態によれば、二重線からなる縦区画線100にストライプ部材10を貼着しているが、二重線であればそれに限るものではない。例えば、図19に示すように、横区画線120が平行に並列している場合には、隣り合う横区画線120の間に形成された帯状領域122にストライプ部材10を貼着してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 駐車場
10 ストライプ部材
10a 表示領域
10b 被覆領域
10c 粘着領域
30 ストッパ
32 可動ストッパ
50 壁面
60 充電器
62 筐体
64 ケーブル
66 接続プラグ
68 ホルダ
70 ポール
72、74 ユニット体
100、110 縦区画線
102、122 帯状領域
104 駐車領域
120 横区画線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合う車両の駐車領域を区画するために付された二重線上に、
所定の情報が表示された帯状部材を貼着して、
前記二重線における中央の帯状領域上に、前記所定の情報を表示させることを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【請求項2】
前記帯状部材は、前記二重線における中央の帯状領域に対向し、前記所定の情報を表示する表示領域と、当該表示領域の周囲に設けられ、前記二重線の少なくとも一部を被覆する被覆領域を有し、
前記被覆領域及び前記表示領域における駐車場との対向面は、前記被覆領域が前記二重線の一部に貼着するとともに、前記表示領域が前記帯状領域に貼着した状態を維持し、かつ特定の作業によって剥離可能な粘着性を有し、
前記被覆領域における貼付強度が、前記表示領域における貼付強度よりも弱いことを特徴とする請求項1記載の駐車場の区画表示方法。
【請求項3】
前記被覆領域は、前記二重線と同一色又は類似色であることを特徴とする請求項2記載の駐車場の区画表示方法。
【請求項4】
前記被覆領域は、所定の情報を表示することを特徴とする請求項2記載の駐車場の区画表示方法。
【請求項5】
隣り合う車両の駐車領域を区画するために付された線上に、所定の情報が表示された帯状部材を貼着して、前記線上に前記所定の情報を表示させ、
前記帯状部材における駐車場との対向面は、特定の作業によって剥離可能な粘着性を有し、前記対向面における縁部の貼付強度が中央部の貼付強度よりも弱いことを特徴とする駐車場の区画表示方法。
【請求項6】
前記駐車領域に隣接する壁面に、前記帯状部材を貼着することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の駐車場の区画表示方法。
【請求項7】
前記駐車領域に、前記駐車領域に駐車した車両の移動を規制する規制手段を備え、
前記規制手段に、前記帯状部材を貼着することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の駐車場の区画表示方法。
【請求項8】
前記駐車領域の外側に、電気自動車の電池を充電する充電手段を備え、
前記充電手段に、前記帯状部材を貼着することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の駐車場の区画表示方法。
【請求項9】
隣り合う車両の駐車領域を区画するために付された二重線上に、
所定の情報が表示された帯状部材を貼着して、
前記二重線における中央の帯状領域上に、前記所定の情報を表示させたことを特徴とする駐車場。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−53437(P2012−53437A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11813(P2011−11813)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(510214540)ブランドポイント広告株式会社 (1)
【Fターム(参考)】