説明

駐車場案内システム

【課題】入場車両に対して空き状態にある駐車スペースを的確に案内し、多数の駐車スペースを持つ自動車駐車場を効率的に稼働させることのできる駐車場案内システムを提供する。
【解決手段】多数の駐車スペースに個々に固設される車止ブロック1と、駐車場入口等に設けられた案内用ディスプレイ10を表示制御する管理装置11とからなり、車止ブロック1は太陽電池2とその起電力を蓄電する蓄電池3と該蓄電池により点灯する発光ダイオード4と該蓄電池により作動する無線装置6および車両検出センサ7を内蔵し、該無線装置は該車両検出センサによって検出された駐車車両有無の情報を無線発信し、前記管理装置11はその情報を受信する無線装置12を具備し、その受信情報に従い案内用ディスプレイ10に空き駐車スペースの位置を案内表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多数の駐車スペースを持つ自動車駐車場を効率的に稼働させる駐車場案内システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば大規模な商業施設のように複数の駐車場のエリヤがあり多数の駐車スペースを有している自動車駐車場では、混雑時に空きスペースを見つけるのは容易でないことが多い。このため駐車場の入口付近に車両を誘導する案内人を配置するとともに空きスペース情報をこの案内人に伝える人員を配置するなどして混雑時に対処していた。
また、従来から自走式立体駐車場等では駐車スペースの天井部に吊した超音波センサにより車両を検知し、その検知情報によって駐車場の入口に設けられたディスプレイに「満車」または「空あり」といったような案内表示をすることはなされていた。
また、下記特許文献1に記載された駐車場案内システムは、無線基地局にGPS受信機を設け、各駐車場の自動発券機と無線で接続され各駐車場の空および位置情報を常に管理し、無線端末からの駐車要求があると最寄り駐車場を通知できるものである。
【特許文献1】特開2001−101590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来のように案内人等の人員を要する大規模駐車場では、多大な人件費が掛かるという問題がある。
また、上記自走式立体駐車場のように駐車スペースの天井部に吊した超音波センサにより車両を検知することでは、駐車可能な車両の高さ制限をしなければならなかったり、該センサが二輪車等のバイクに反応し難い欠点があった。さらには、有線により情報を通信するものであったので既存の自走式立体駐車場に追加的に設けようとすると工事コストが非常に嵩むという問題があった。
また、特許文献1に示された駐車場案内システムは、車両がGPS受信機を具備してないと利用できない欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明は上記課題を解決しようとするもので、請求項1に記載の駐車場案内システムは、多数の駐車スペースに個々に固設される車止ブロックと、駐車場入口等に設けられた案内用ディスプレイを表示制御する管理装置とからなり、車止ブロックは太陽電池とその起電力を蓄電する蓄電池と該蓄電池により作動する無線装置および車両検出センサを内蔵し、該無線装置は該車両検出センサによって検出された駐車車両有無の情報を無線発信し、前記管理装置はその情報を受信する無線装置を具備し、その受信情報に従い案内用ディスプレイに空き駐車スペースの位置を案内表示することを特徴とする。
【0005】
また請求項2に記載の発明は、多数の駐車スペースに個々に固設される車止ブロックと、駐車場入口等に設けられた案内用ディスプレイを表示制御する管理装置とからなり、車止ブロックは太陽電池とその起電力を蓄電する蓄電池と該蓄電池により点灯する発光ダイオードと該蓄電池により作動する無線装置および車両検出センサを内蔵し、該無線装置は該車両検出センサによって検出された駐車車両有無の情報を無線発信し、前記管理装置はその情報を受信する無線装置を具備し、その受信情報に従い案内用ディスプレイに空き駐車スペースの位置を案内表示することを特徴とする。
【0006】
また請求項3に記載の発明は、上記駐車場案内システムにおいて、案内用ディスプレイは個々の駐車スペースの位置を表示するとともにその内の空き状態である駐車スペースを発光表示するものであることを特徴とする。
【0007】
また請求項4に記載の発明は、上記駐車場案内システムにおいて、管理装置から各車止ブロックに無線装置を介し各発光ダイオードの点灯を制御し得るようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の駐車場案内システムでは、GPS受信機等を装備してない入場車両に対しても空き状態にある駐車スペースを的確に案内し、多数の駐車スペースを持つ自動車駐車場を効率的に稼働させることができる。また、車止ブロックの配線工事が不要であるので設置が容易でコストを大幅に軽減できる。
請求項2に記載の駐車場案内システムでは、車止ブロックを発光させることにより注意を喚起し、歩行者が足を躓いて転倒するような事故を防ぐ。
請求項3に記載の駐車場案内システムでは、発光表示することにより空き状態である駐車スペースを分かり易く表示できる。
請求項4に記載の駐車場案内システムでは、必要な時に車止ブロックを点灯させることができるとともに、蓄電池電源を節電できる。
【実施例1】
【0009】
次に本発明の実施例を図面に従い説明する。図1は大規模駐車場における多数の駐車スペースに個々に固設される本発明に係る車止ブロックの斜視図で、該車止ブロック1の上面中央に太陽電池2が設けられる。また、該太陽電池の両側に内部に発光ダイオード4を設けることで発光部を形成している。図2は該車止ブロックの電気回路の概略を示したブロック図で、3は太陽電池2の起電力を充電するコンデンサ型蓄電池、5は該蓄電池の充放電および該蓄電池を電源とする前記発光ダイオード4の点灯を制御する制御回路である。また、6は該車止ブロック1に内蔵された送受信回路を備えている無線装置で、該無線装置についても該蓄電池を電源として作動するように制御回路5に接続されている。また、7は制御回路5に接続された車両検出センサで、該センサによってこの駐車スペースの駐車車両の有無が検出される。そして、該センサによって検出された情報をこの駐車スペースのコード番号とともに無線装置6を通して電波発信する。
【0010】
一方、図3は駐車場入口等に設けられる案内用ディスプレイ10と、該ディスプレイを表示制御する管理装置11を示す。該管理装置11は無線装置12を備えていて前記車止ブロック1の無線装置6より発信された電波を受信する。案内用ディスプレイ10には商業施設の敷地および屋上に設けられたエリヤA〜エリヤDの各駐車場に区画形成された駐車スペースが表示され、該ディスプレイに該各駐車スペース毎に点灯し発光する発光ダイオードが設けられていて、無線装置12が無線装置6より発信された電波を受信すると管理装置11はその駐車可能な駐車スペースのコードを読み取り、ディスプレイ10上で該当する番号の駐車スペースの発光ダイオードを点灯させ発光させる。このため、この施設に乗り入れた運転者は、車内からこのディスプレイ10の表示を見ることにより、空いている駐車スペースの位置をすぐに認知でき、混雑時でもスムースに駐車できるようになる。なお、ディスプレイ10は複数の駐車場入口がある場合に各入口毎に必要に応じて設けられ、該各ディスプレイ10上に現在位置を表示できるように該ディスプレイの設置位置10a〜10cを表示する。そして管理装置11に赤外線通信装置13を設け、該管理装置11から発信される制御情報が複数の該各ディスプレイに同時に送信されるようにしてもよい。また、管理装置11から有線、或いは構内FM波のような通信手段を介して構内ディスプレイ、或いは他の駐車場入口に設けられたディスプレイに駐車可能な駐車スペースの情報が送信されるようにしてもよい。
【0011】
なお、管理装置11は各車止ブロックから受信した駐車車両の有無の情報を表示するモニター用ディスプレイ14を備え、オペレータがそのモニター用ディスプレイを監視し手動操作により案内用ディスプレイ10に駐車可能な駐車スペースの発光ダイオードを点灯させることもできる。また、入場した車両に対し1台ごとに駐車スペースが案内されるようにしてもよい。
【0012】
また、車止ブロック1の上面に設けられた太陽電池2は昼間の起電力によりコンデンサ型蓄電池3を充電するので、屋外駐車場に電源コードを配線することなく簡単な工事で設置することができる。そして、該蓄電池3により無線装置6を作動させるとともに、太陽電池1の起電力が低下した夜間に発光ダイオード4が自動点灯することで、暗闇で車止ブロック1に躓いて転倒するような事故を未然に防止することができる。なお、自走式立体駐車場のような屋内駐車場にこのような車止ブロックを設ける場合は配線は比較的容易であるので、配線工事を要する商用電源により発光ダイオード4や無線装置6を作動させるようにしてもよい。
【0013】
また、管理装置11には無線装置12より各車止ブロック1の無線装置6に発光ダイオード4の点灯を制御する信号を送信する機能を具備せしめ、該発光ダイオード4を営業時間中は点灯させ、営業時間が終わった後は消灯することにより蓄電池3の消費電力を抑えることができる。
【0014】
なお、車両検出センサ7は、ループコイル等からなる金属探知センサ、或いは、赤外線センサ、或いは、駐車時に車止ブロック1に加わる振動,衝撃を検知するセンサ等を使用することができる。そしてこのように車止ブロック1に車両検出センサを設けることで、屋内駐車場における従来の天井部に設けられた車両検出器のように、車高によって影響されることなく、確実な検出が可能となる。また、バイクのような二輪車を検出することも可能となる。
【0015】
また、車止ブロック1に設けられた制御回路5および前記管理装置11は、夫々マイコン制御により作動するよう構成することができ、図4は制御回路5の作動の概略を示すフローチャート、図5は管理装置11の作動の概略を示すフローチャートである。このようにマイコン制御とすることにより、プログラムを変更するだけで車止ブロック1の設置数を容易に増減させたり、或いは案内用ディスプレイ10の設置数を容易に増減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る駐車場案内システムの車止ブロックの斜視図。
【図2】本発明に係る駐車場案内システムの車止ブロックの電気回路図の概略を示したブロック図。
【図3】本発明に係る駐車場案内システムの案内用ディスプレイと管理装置のブロック図。
【図4】本発明に係る駐車場案内システムの車止ブロックの作動を示すフローチャート。
【図5】本発明に係る駐車場案内システムの管理装置の作動を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0017】
1 車止ブロック
2 太陽電池
3 蓄電池
4 発光ダイオード
5 制御回路
6 無線装置
7 車両検出センサ
10 案内用ディスプレイ
11 管理装置
12 無線装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の駐車スペースに個々に固設される車止ブロックと、駐車場入口等に設けられた案内用ディスプレイを表示制御する管理装置とからなり、車止ブロックは太陽電池とその起電力を蓄電する蓄電池と該蓄電池により作動する無線装置および車両検出センサを内蔵し、該無線装置は該車両検出センサによって検出された駐車車両有無の情報を無線発信し、前記管理装置はその情報を受信する無線装置を具備し、その受信情報に従い案内用ディスプレイに空き駐車スペースの位置を案内表示することを特徴とした駐車場案内システム。
【請求項2】
多数の駐車スペースに個々に固設される車止ブロックと、駐車場入口等に設けられた案内用ディスプレイを表示制御する管理装置とからなり、車止ブロックは太陽電池とその起電力を蓄電する蓄電池と該蓄電池により点灯する発光ダイオードと該蓄電池により作動する無線装置および車両検出センサを内蔵し、該無線装置は該車両検出センサによって検出された駐車車両有無の情報を無線発信し、前記管理装置はその情報を受信する無線装置を具備し、その受信情報に従い案内用ディスプレイに空き駐車スペースの位置を案内表示することを特徴とした駐車場案内システム。
【請求項3】
案内用ディスプレイは、個々の駐車スペースの位置を表示するとともに、その内の空き状態である駐車スペースを発光表示するものである請求項1または2に記載の駐車場案内システム。
【請求項4】
管理装置から各車止ブロックに無線装置を介し各発光ダイオードの点灯を制御し得るようにした請求項2または3に記載の駐車場案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−235759(P2006−235759A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46242(P2005−46242)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(505005566)
【出願人】(593030554)
【出願人】(599168327)日新化成工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】