説明

駐車場管理システム

【課題】自動車・自動二輪車共用の駐車場において、自動二輪車が自動車駐車エリアに入ることや自動二輪車が場内を迷走して他の車両と接触する様な事故を防止する。
【解決手段】入場車路3には、閉状態で自動車の通過を禁止すると共に自動二輪車の通過を許可し、開状態では自動車と自動二輪車の通過を許可するゲート開閉機22を設け、入場車路3と自動車駐車エリア5との間には、閉状態で自動車と自動二輪車の通過を禁止し、開状態では自動車の通過を許可するゲート開閉機24を設け、入場車路3と二輪車駐車エリア7との間には、自動車の通過を禁止すると共に自動二輪車の通過を許可する入口ゲート32を設け、自動車入場時においてはゲート開閉機22、24の双方を同時に開状態にして自動車の自動車駐車エリア5への入場を許可し、自動二輪車入場時においてはゲート開閉機22、24の双方を閉状態にして自動二輪車を二輪車駐車エリア7に誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車駐車エリアおよび自動二輪車駐車エリアを有する駐車場において自動車および自動二輪車の駐車を管理する駐車場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
国土交通省は急増している二輪車の違法駐車を追放するため、二輪車専用駐車場の整備をオフィスビル、商業施設、鉄道会社などに義務付け、地方自治体の条例を通じて規制できる枠組みを作り、そのために改正駐車場法が平成18年11月30日施行された。これにより市街地などを歩きやすくして人が集まりやすい環境を整えることで、活力ある街づくりを進めることを狙っているとのことである。
【0003】
駐車場法は駐車場整備の必要性を示したうえで、地方自治体に対して、整備地区を指定し、計画的に整備することを認める法律であるが、以前は四輪の自動車だけが対象であり、50cc以下の原動機付き自転車と自転車は自転車法で同様の規制がかけられているが、自動二輪車は全くの規制外だったため、今回の駐車場法の対象には、50cc超400cc以下の普通自動二輪車と、400cc超の大型自動二輪車が加えられた。
【0004】
また、一部の地方自治体ではそれに先立って駐車場条例を制定若しくは改正し(例:横浜市では一定規模以上の商業施設やオフィスビルなどにオートバイ専用の駐車場設置を義務づける「市駐車場条例」を施行)、改正駐車場法への対応を先取りしている。
【0005】
また、近年、特許文献1に記載のような形式の二輪車駐車システムが徐々に普及してきており、前述の駐車場法の対応に役立っている。
【0006】
さらに、本出願人は特許文献2の技術を発明し、自動車と自動二輪車を併用して管理でき、さらに自転車の駐輪まで総合的に管理可能な多目的型駐車場管理システムを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−308235号公報
【特許文献2】特開2008−129909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載の二輪車駐車システムは繁華街のあまり広くない空き地などに一時的に設置されるケースが多い。ところが、前述の駐車場法への対応として、一定規模以上の商業施設やオフィスビルなどに設置するにあたっては、どのように二輪車用の駐車システムと自動車用の駐車システムとを共存させるかまでは考慮されていない。
【0009】
また、上記特許文献2に記載の多目的駐車場管理システムでは、自動車の駐車場のタイプとして、自動車を一台ずつ退出不可能にロックするフラップ式駐車場と、自動二輪車の駐車場のタイプとして、上記特許文献1に記載のような自動二輪車を個々に係留してロックするバイクロック式駐車場とを併用することを想定している。ところが、この多目的駐車場管理システムは、自動車の駐車場のタイプとしてゲート式駐車場を採用することは想定していない。ゲート式駐車場によれば、多数の駐車エリアへの進入と退出を規制するにあたって設備費用を低減でき、かつ、利用者にとっても多数の駐車場所の番号を記憶しなくてもよいという利便性がある。したがって、自動車の駐車台数が多い場合にはフラップ式駐車場を採用するよりもゲート式駐車場を採用する方が望ましい。一方、自動二輪車の駐車場に関してはそれほどの台数を確保するというわけではなく、駐車場法の対応によっての設置義務を果たす程度でも良いのが実情である。
【0010】
今日に至るまで、多数の自動車を収容できるゲート式駐車場と、数十台程度のバイクロック式駐車場とを併用する効率の良いシステムは前例がない。
【0011】
また、自動車の駐車場と自動二輪車の駐車場との併用を効率よく実現しようとする場合、次のような問題が生じる。
【0012】
すなわち、自動二輪車と自動車とを同じゲートで規制して、駐車券を取って入場させるシステムでは、自動二輪車の検知不良に対処することが困難である。また、このようなシステムでは、自動車と自動二輪車の車種判別装置が必要となるが、精度の良い判別装置は非常に高価である。また、自動二輪車が自動車の駐車エリアの駐車スペース(駐車マス)内に駐車されると、広いスペースを占領されてしまい、駐車台数効率が悪くなる。
【0013】
さらに、自動車駐車エリアとは別に自動二輪車駐車エリアを単に設けただけでは、自動二輪車が駐車場内の自動二輪車駐車エリアを探して逆走や迷走する場合がある。それゆえ、これを防止して、自動二輪車同士や自動車との接触事故を未然に防ぐための十分な措置を講ずる必要があるが、それは容易ではない。
【0014】
また、このような事故を防ぐために、ゲート式駐車場の外にバイクロック式駐車場を併設することも考えられる。しかしながら、例えば都市型ビルの地下駐車場などのように、地上1階の駐車場出入口から斜面アプローチを経て駐車エリア出入口のゲートが設置される駐車場においては、ゲート式駐車場の外にバイクロック式駐車場を設置すると、斜面アプローチに自動二輪車を駐車することになり、自動二輪車自身のスタンドを立てて駐車する係留式のバイクロックでは自動二輪車が転倒しやすく危険である。
【0015】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、自動車駐車エリアおよび自動二輪車駐車エリアを有する駐車場において自動車および自動二輪車の駐車を管理することができる駐車場管理システムであって、自動二輪車が誤って自動車駐車エリアに入ってしまうこと、あるいは自動二輪車が駐車場内を逆走または迷走して自動車や他の自動二輪車と接触する事故を防止できるようにした駐車場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第1の駐車場管理システムは、自動車を駐車する自動車駐車エリアと、自動二輪車を駐車する自動二輪車駐車エリアと、前記自動車駐車エリアおよび前記自動二輪車駐車エリアの双方に接続され、前記自動車駐車エリアに入場する自動車および前記自動二輪車駐車エリアに入場する自動二輪車の双方が通行する入場車路とを備えた駐車場における駐車場管理システムであって、前記入場車路の途中の位置で、閉状態では自動車の通過を禁止すると共に自動二輪車の通過を許可し、開状態では自動車および自動二輪車の双方の通過を許可する第1の通過規制手段と、前記入場車路と前記自動車駐車エリアとの間の位置で、閉状態では自動車および自動二輪車の双方の通過を禁止し、開状態では自動車の通過を許可する第2の通過規制手段と、前記入場車路と前記自動二輪車駐車エリアとの間の位置で、自動車の通過を禁止すると共に自動二輪車の通過を許可する第3の通過規制手段と、前記入場車路の途中であって、入場する自動車の進行方向において前記第1の通過規制手段の上流側に位置する発券位置に、前記入場車路を通行している自動車が到達したことを検知する第1の通過検知手段と、前記発券位置に到達した自動車に乗っている者に駐車券を発行する駐車券発行機と、前記入場車路を通行している自動車が開状態の前記第1の通過規制手段を通過することを検知する第2の通過検知手段と、前記入場車路を通行して前記自動車駐車エリアに入場する自動車が開状態の前記第2の通過規制手段を通過することを検知する第3の通過検知手段と、前記第1および第2の通過規制手段の開閉を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記駐車券発行機により前記駐車券を発行した後に前記第1の通過規制手段および前記第2の通過規制手段の双方を同時にまたは連続的に開状態にし、前記入場車路を通行している自動車が開状態の前記第1の通過規制手段を通過し切ったことが前記第2の通過検知手段により検知されたときに前記第1の通過規制手段を閉状態にし、前記入場車路を通行して前記自動車駐車エリアに入場する自動車が開状態の前記第2の通過規制手段を通過し切ったことが前記第3の通過検知手段により検知されたときに前記第2の通過規制手段を閉状態にし、前記第1の通過規制手段および前記第2の通過規制手段がいずれも閉状態であるときに、自動二輪車が前記入場車路を通行して前記自動二輪車駐車エリアに入場可能であることを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第2の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1の駐車場管理システムにおいて、前記第1の通過規制手段は、閉状態では自動車の通過が不可能になり自動二輪車の通過が可能になるように前記入場車路を部分的に遮断するゲートバーを有する第1のゲート開閉機であり、前記第2の通過規制手段は、閉状態では自動車および自動二輪車の双方の通過が不可能になるように前記入場車路と前記自動車駐車エリアとの間を遮断するゲートバーを有する第2のゲート開閉機であり、前記第3の通過規制手段は、前記入場車路と前記自動二輪車駐車エリアとの間に設けられ、自動車の通過が不可能であり自動二輪車の通過が可能であるような幅を有する入口を備えた仕切りであることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の第3の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1または第2の駐車場管理システムにおいて、自動車が前記第1の通過規制手段を通過し切る前に当該自動車が前記第2の通過規制手段を通過し始めるように前記第1の通過規制手段と前記第2の通過規制手段との間の距離が設定されていることを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の第4の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1ないし第3のいずれかの駐車場管理システムにおいて、自動車が前記第1の通過規制手段を通過し切ったことが前記第2の通過検知手段により検知される前に当該自動車が前記第2の通過規制手段を通過し始めたことが前記第3の通過検知手段により検知されるように前記第2の通過検知手段と前記第3の通過検知手段との間の距離が設定されていることを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の第5の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1ないし第4のいずれかの駐車場管理システムにおいて、前記入場車路の一部には自動二輪車が通行するための自動二輪車通行経路が形成され、前記自動二輪車通行経路には前記第1の通過検知手段および前記第2の通過検知手段がいずれも配置されていないことを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の第6の駐車場管理システムは、上述した本発明の第1ないし第5のいずれかの駐車場管理システムにおいて、前記自動二輪車駐車エリア内または前記自動二輪車駐車エリアの近傍には、自動二輪車用の駐車料金精算手段と自動車用の事前精算手段とを併せ持った駐車料金精算機が設けられていることを特徴とする。
【0022】
上記本発明の第1の駐車場管理システムによれば、駐車場を複数のエリア(区画)に分けて、それぞれ自動車と自動二輪車を共に管理する駐車場管理システムを容易に実現でき、自動二輪車が誤って自動車駐車エリアに入ってしまったり、自動二輪車が駐車場内を逆走して入場する自動車と接触するような事故を防止することができる。
【0023】
また、上記本発明の第2の駐車場管理システムによれば、本発明の駐車場管理システムを、既存のゲート開閉機のゲートバーの長さの設定・変更、自動二輪車駐車エリアの入口幅の設定等といった、既存機器や設備の配置の設定・変更だけで安価に実現できる。
【0024】
また、上記本発明の第3の駐車場管理システムによれば、第1の通過規制手段と第2の通過規制手段との間に自動車が存在したまま、これら双方の通過規制手段が閉状態となってしまい、自動車が身動きが取れなくなるようなことがない。
【0025】
また、上記本発明の第4の駐車場管理システムによれば、第2および第3の通過検知手段によって第1の通過規制手段と第2の通過規制手段との間に自動車が存在することを検知できるため、これら双方の通過規制手段が閉状態となってしまいって自動車が身動きが取れなくなるようなことがなく、また、車両検知機器を別途追加することなく安価に本発明の駐車場管理システムを実現することができる。
【0026】
また、上記本発明の第5の駐車場管理システムによれば、入場する自動二輪車により自動車用の通過検知手段が動作してしまい、自動二輪車の通過を自動車の通過と誤認識してしまうことを防止できる。
【0027】
また、上記本発明の第6の駐車場管理システムによれば、事前精算機と自動二輪車用精算機が一体化することにより、機器の設置コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0028】
上述した本発明によれば、自動車駐車エリアおよび自動二輪車駐車エリアを有する駐車場において、自動車は自動車駐車エリアに、そして自動二輪車は自動二輪車駐車エリアにそれぞれ確実に誘導することができ、これにより、自動二輪車が誤って自動車駐車エリアに入ってしまうこと、あるいは自動二輪車が駐車場内を逆走または迷走して自動車や他の自動二輪車と接触するような事故を防止することができる。さらに、このような効果を有する駐車場管理システムを簡単な構成により実現することができ、実施の容易化を図ることができる。また、例えば都市部ビル地下などに設置される、斜面アプローチを備えた大型の駐車場においても、自動車の駐車管理と自動二輪車の駐車管理との統合を安全かつ効率よく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける駐車券発行機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける自動二輪車の入場・出場動作を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける自動車の入場・出場動作を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける駐車券発行機の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態による駐車場管理システムにおいて自動車用の事前精算機能と自動二輪車用の料金精算機能とを併せ持った複合型精算機の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明において、車両(ここでは自動車および自動二輪車をいう。)の進行方向において後ろ側を上流側といい、前側を下流側という。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムの全体構成を示している。図1において、駐車場1は、例えばビルの地下に設置される無人管理の駐車場であり、自動車と自動二輪車との双方を駐車することができる駐車場である。駐車場1は、出入場アプローチ2、入場車路3、自動車駐車エリア5、自動二輪車駐車エリア7および出場車路9から大略構成されている。
【0031】
出入場アプローチ2は地上1階の駐車場出入口と駐車場1内とを接続する車路である。出入場アプローチ2は坂道(斜面)であり、2台の自動車が対向して通行できる程度の道幅を有している。出入場アプローチ2には、駐車場1に入場する車両が地上1階の駐車場出入口から駐車場1内に向けて通行する入場車線と、駐車場1内から地上1階の駐車場出入口に向けて通行する出場車線とが設けられている。
【0032】
入場車路3は出入場アプローチ2の入場車線と自動車駐車エリア5の入口および自動二輪車駐車エリア7の入口とを接続する車路である。入場車路3は、その上流側が出入場アプローチ2の入場車線に接続され、路面はほぼ水平であり、車路の側方に駐車券発行機21、第1の入口ゲート開閉機22等を設置することができると共に1台の自動車が通行できる程度の道幅を有している。また、入場車路3の下流側は自動車駐車エリア5の入口および自動二輪車駐車エリア7の入口の双方にそれぞれ接続されている。これにより、自動車駐車エリア5に入場する自動車および自動二輪車駐車エリア7に入場する自動二輪車の双方が入場車路3を通行する。また、入場車路3において、第1の入口ゲート開閉機22と第2の入口ゲート開閉機24との間が入口通過エリア4となっている。
【0033】
自動車駐車エリア5は、自動車を駐車するためのエリアである。自動車駐車エリア5の入口は入場車路3の下流側の側部に接続されている。自動車は入場車路3の途中で左折して自動車駐車エリア5に入る。このため、入場車路3(入口通過エリア4)の上に位置する駐車場1の天井には、自動車が左折して自動車駐車エリア5に入ることを案内するための看板が設けられ、入場車路3(入口通過エリア4)の路面には自動車を自動車駐車エリア5に誘導するための矢印が示されている。また、自動車駐車エリア5は、多数の自動車駐車スペース6に区分されている。具体的には、自動車駐車エリア5の路面に、白いペイントで自動車の駐車する場所を示す枠線で区切られた駐車マスが多数形成されている。
【0034】
自動二輪車駐車エリア7は、自動二輪車を駐車するためのエリアである。自動二輪車駐車エリア7の入口は入場車路3の下流側の先端部に接続されている。自動二輪車は入場車路3を直進して自動二輪車駐車エリア7に入る。このため、入場車路3(正確には後述する自動二輪車通行経路11)の上に位置する駐車場1の天井には、自動二輪車が直進して自動二輪車駐車エリア7に入ることを案内するための看板が設けられ、入場車路3(自動二輪車通行経路11)の路面には自動二輪車を自動二輪車駐車エリア7に誘導するための矢印が示されている。また、自動二輪車駐車エリア7には、多数の自動二輪車を駐車する自動二輪車駐車スペース8が白いペイントで区分けされている。
【0035】
出場車路9は自動車駐車エリア5の出口および自動二輪車駐車エリア7の出口と出入場アプローチ2の出場車線とを接続する車路である。自動車駐車エリア5から出場する自動車および自動二輪車駐車エリア7から出場する自動二輪車の双方が出場車路9を通行する。出場車路9は、路面がほぼ水平であり、車路の側方に出口料金精算機36、出口ゲート開閉機37等を設置することができると共に1台の自動車が通行できる程度の道幅を有している。
【0036】
このような構造の駐車場1に適用された本発明の第1の実施形態による駐車場管理システム20は駐車場1における車両、すなわち自動車および自動二輪車の駐車を管理するシステムである。駐車場管理システム20は、車両の入場を管理する構成要素として、駐車券発行機21、2台の入口ゲート開閉機22、24、3つの入口ループコイル26、27、28、および事前精算機30を備えている。
【0037】
駐車券発行機21は、入場車路3の車両進行方向右側に設置され、駐車場1に入場する自動車に乗っている者に駐車券を発行する装置である。駐車券発行機21は発券位置と対応する位置に配置されている。発券位置は、入場車路3内の上流側に位置し、入場する自動車に乗っている者に駐車券を受け渡すために自動車を一旦停止させる位置である。また、駐車券発行機21は、入口ループコイル26、27、28からの高周波信号に基づいて入口ゲート開閉機22、24のゲートバー23、25の開閉を制御する制御手段としても機能する。
【0038】
第1の入口ゲート開閉機22は、入場車路3の途中の位置(発券位置の下流側)で、入場する自動車の通過を規制する装置であり、第1の通過規制手段の具体例である。第1の入口ゲート開閉機22の本体は、入場車路3の車両進行方向右側において駐車券発行機21の下流側に設置されている。第1の入口ゲート開閉機22はゲートバー23を有している。ゲートバー23はその基端部を支点として回動し、ゲートバー23が路面とほぼ水平に倒れている状態が閉状態であり、ゲートバー23が路面に対してほぼ垂直に立ち上がっている状態が開状態である。
【0039】
ここで、入場車路3内において、第1の入口ゲート開閉機22が設置されている側と反対側の部分、すなわち、車両進行方向左側の部分には自動二輪車通行経路11が形成されている。自動二輪車通行経路11は、自動二輪車が通行可能であり、かつ自動車が通行不可能な幅を有しており、具体的には、市販の軽自動車の車幅よりも若干小さい程度の幅、より具体的には、安全に自動二輪車が通過できる程度の幅である1m以上かつ一人乗りの市販車両の車幅である1.3m以下の幅を有している。自動二輪車通行経路11の位置と対応する駐車場1の天井や路面には、例えば「自動二輪車はこちらを通過してください。」といった案内や矢印が、看板や路面上のペイントを用いて示されている。
【0040】
そして、第1の入口ゲート開閉機22は、閉状態において、ゲートバー23を路面とほぼ水平な位置に倒すことにより、入場車路3のうち自動二輪車通行経路11を除く部分を遮断する。ゲートバー23の長さは、このように閉状態において入場車路3を部分的に遮断するような長さに設定されている。これにより、第1の入口ゲート開閉機22の閉状態では、自動車の通過が不可能になるものの、自動二輪車の通過は可能となる。このように、第1の入口ゲート開閉機22は、閉状態では自動車の通過を禁止すると共に自動二輪車の通過を許可し、開状態では自動車および自動二輪車の双方の通過を許可する。
【0041】
第2の入口ゲート開閉機24は、入場車路3と自動車駐車エリア5との間の位置で、入場する自動車および自動二輪車の通過を規制する装置であり、第2の通過規制手段の具体例である。第2の入口ゲート開閉機24の本体は、入場車路3の自動車進行方向左側において第1の入口ゲート開閉機22の下流側に設置されている。第2の入口ゲート開閉機24はゲートバー25を有している。ゲートバー25はその基端部を支点として回動し、ゲートバー25が路面とほぼ水平に倒れている状態が閉状態であり、ゲートバー25が路面に対してほぼ垂直に立ち上がっている状態が開状態である。第2の入口ゲート開閉機24は、閉状態において、ゲートバー25を路面とほぼ水平な位置に倒すことにより、入場車路3(自動車駐車エリア5の入口)を全体的に遮断する。ゲートバー25の長さは、このように閉状態において入場車路3(自動車駐車エリア5の入口)を全体的に遮断するような長さに設定されている。これにより、第2の入口ゲート開閉機24の閉状態では、自動車および自動二輪車の双方の通過が不可能になる。このように、第2の入口ゲート開閉機24は、閉状態では自動車および自動車の双方の通過を禁止し、開状態では自動車の通過を許可する。
【0042】
ここで、第1の入口ゲート開閉機22と第2の入口ゲート開閉機24とは、次のような配置関係を有している。すなわち、自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切る前に当該自動車が第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置を通過し始めるように第1の入口ゲート開閉機22と第2の入口ゲート開閉機24との間の距離が設定されている。これにより、後に詳述するように、入場車路3の入口通過エリア4に入った自動車が閉状態の第1の入口ゲート開閉機22と閉状態の第2の入口ゲート開閉機24との間に閉じこめられてしまうことを防止することができる。
【0043】
第1の入口ループコイル26は、発券位置に配置され、入場車路3に埋設されたループコイルであり、第1の通過検知手段の具体例である。第1の入口ループコイル26は、入場車路3を通行している自動車が発券位置を通過すること、すなわち、入場車路3を通行している自動車の発券位置での通過状態を検知する。第1の入口ループコイル26により、駐車券発行機21は、入場車路3を通行している自動車が発券位置に到達したことを認識することができる。具体的には、第1の入口ループコイル26は、第1の入口ループコイル26上に自動車が存在するときと、第1の入口ループコイル26上に自動車が存在しないときとで相互に異なる高周波信号を出力する。駐車券発行機21の車両センサ58(図2参照)は、この高周波信号の状態に基づいて、第1の入口ループコイル26上に自動車が存在するときにはONの検知信号を駐車場発行機21のCPU51に出力し、第1の入口ループコイル26上に自動車が存在しないときにはOFFの検知信号を駐車場発行機21のCPU51に出力する。したがって、駐車券発行機21のCPU51は、第1の入口ループコイル26から出力される高周波信号の変化に伴い車両センサ58から出力される検知信号がOFFからONに変わったことを認識することにより、発券位置に自動車が到達したことを認識することができる。また、第1の入口ループコイル26は、入場車路3内において自動二輪車通行経路11を除く部分に配置されている。
【0044】
第2の入口ループコイル27は、第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置のすぐ下流側に配置され、入場車路3に埋設されたループコイルであり、第2の通過検知手段の具体例である。第2の入口ループコイル27は、入場車路3を通行している自動車が、開状態の第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過すること、すなわち、入場車路3を通行している自動車の、第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置での通過状態を検知する。第2の入口ループコイル27により、駐車券発行機21は、入場車路3を通行している自動車が、開状態の第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切ったことを認識することができる。具体的には、第2の入口ループコイル27は、第1の入口ループコイル26と同様に、第2の入口ループコイル27上に自動車が存在するかしないかに応じて異なる高周波信号を出力する。駐車券発行機21の車両センサ59(図2参照)は、この高周波信号の状態に基づいて、第2の入口ループコイル27上に自動車が存在するときにはONの検知信号を駐車場発行機21のCPU51に出力し、第2の入口ループコイル27上に自動車が存在しないときにはOFFの検知信号を駐車場発行機21のCPU51に出力する。したがって、駐車券発行機21のCPU51は、第2の入口ループコイル27から出力される高周波信号の変化に伴い車両センサ59から出力される検知信号がONからOFFに変わったことを認識することにより、ゲートバー23が配置された位置を自動車が通過し切ったことを認識することができる。また、第2の入口ループコイル27は、入場車路3において自動二輪車通行経路11を除く部分に配置されている。
【0045】
第3の入口ループコイル28は、第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置のすぐ下流側に配置され、自動車駐車エリア5の入口付近に埋設されたループコイルであり、第3の通過検知手段の具体例である。第3の入口ループコイル28は、入場車路3を通行して自動車駐車エリア5に入場する自動車が、開状態の第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置を通過すること、すなわち、入場車路3を通行して自動車駐車エリア5に入場する自動車の、第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置での通過状態を検知する。具体的には、第3の入口ループコイル28は、第1または第2の入口ループコイル26、27と同様に、第3の入口ループコイル28上に自動車が存在するかしないかに応じて異なる高周波信号を出力する。駐車券発行機21の車両センサ60(図2参照)は、この高周波信号の状態に基づいて、第3の入口ループコイル28上に自動車が存在するときにはONの検知信号を駐車場発行機21のCPU51に出力し、第3の入口ループコイル28上に自動車が存在しないときにはOFFの検知信号を駐車場発行機21のCPU51に出力する。したがって、駐車券発行機21のCPU51は、第3の入口ループコイル28から出力される高周波信号の変化に伴い車両センサ60から出力される検知信号がOFFからONに変わったことを認識することにより、ゲートバー25が配置された位置を自動車が通過し始めたことを認識することができ、また、第3の入口ループコイル28から出力される高周波信号の変化に伴い車両センサ60から出力される検知信号がONからOFFに変わったことを認識することにより、ゲートバー25が配置された位置を自動車が通過し切ったことを認識することができる。
【0046】
ここで、第2の入口ループコイル27と第3の入口ループコイル28とは、次のような配置関係を有している。すなわち、自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切ったことが第2の入口ループコイル27により検知される前に当該自動車が第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置を通過し始めたことが第3の入口ループコイル28により検知されるように第2の入口ループコイル27と第3の入口ループコイル28との間の距離が設定されている。これにより、後に詳述するように、入場車路3の入口通過エリア4に入った自動車が閉状態の第1の入口ゲート開閉機22と閉状態の第2の入口ゲート開閉機24との間に閉じこめられてしまうことを防止することができる。
【0047】
また、駐車券発行機21、入口ゲート開閉機22、24および入口ループコイル26、27、28は、入場車路3、自動車駐車エリア5の入口付近等に埋設された埋設配線29を介して相互に電気的に接続されている。また、事前精算機30は、自動車の料金精算を事前に行うための精算機であり、駐車場1内、例えば自動車駐車エリア5内に設置されている。
【0048】
さらに、駐車場管理システム20は、自動二輪車の駐車を管理する構成要素として、二輪車駐車エリア柵31、複数の二輪車ロック装置34、および二輪車用精算機35を備えている。
【0049】
二輪車駐車エリア柵31は自動二輪車駐車エリア7の全体を包囲する仕切りである。二輪車駐車エリア柵31は入口ゲート32および出口ゲート33を有し、入口ゲート32は入場車路3の下流側先端に接続された自動二輪車駐車エリア7の入口に対応する位置に配置され、出口ゲート33は出場車路9に接続された自動二輪車駐車エリア7の出口に対応する位置に配置されている。入口ゲート32は、入場車路3と自動二輪車駐車エリア7との間の位置で、自動車の通過を禁止すると共に自動二輪車の通過を許可する第3の通過規制手段に相当する。入口ゲート32は、自動二輪車通行経路11と同様に、自動二輪車が通過可能であり、かつ自動車が通過不可能な幅を有しており、具体的には、市販の軽自動車の車幅よりも若干小さい程度の幅、より具体的には、安全に自動二輪車が通過できる程度の幅である1m以上かつ一人乗りの市販車両の車幅である1.3m以下の幅を有している。自動二輪車駐車エリア7の入口は入口ゲート32により制限され、その幅は入口ゲート32の幅に等しい。また、出口ゲート33(自動二輪車駐車エリア7の出口)の幅は、入口ゲート32(自動二輪車駐車エリア7の入口)の幅と同じである。なお、自動二輪車駐車エリア7の入口には、自動車駐車エリア5の入口のように、ゲート開閉機は設けられていない。
【0050】
また、二輪車駐車エリア柵31は、自動二輪車駐車エリア7の外部から内部を、そして自動二輪車駐車エリア7の内部から外部を視認することができるような構造を有している。例えば、二輪車駐車エリア柵31は開口部の多い柵、または人の腰高程度の低い壁等により構成されている。これにより、自動二輪車駐車エリア7の外部にいる人(自動車の運転者や通行人)は、自動二輪車が自動二輪車駐車エリア7から出ようとしていることを容易に視認することができると共に、自動二輪車駐車エリア7から出ようとしている自動二輪車の運転者等は、自動二輪車駐車エリア7の出口付近に自動車が迫ってきていないかを容易に視認することができる。なお、自動二輪車駐車エリア7の出口付近には、自動車の進行を知らせる警報アラームや回転警報灯などを設置してもよい。
【0051】
二輪車ロック装置34は、自動二輪車をロックするための装置である。詳細な図示は省略しているが、二輪車ロック装置34は、自動二輪車駐車スペース8の複数の駐車マスに応じて複数設けられている。各二輪車ロック装置34は、可撓性を有する金属ワイヤーやチェーン等で構成され、自動二輪車のハンドルやホイールを係留する係留手段と、その係留手段を固定して料金支払いをもって解放させるロック手段とを備えており、例えば特許文献1で示されている構成を採用してもよい。
【0052】
二輪車用精算機35は、自動二輪車駐車エリア7の出口付近に設置された自動二輪車用の駐車料金精算機であり、複数の二輪車ロック装置34と電気的に接続されて、二輪車ロック装置34の番号入力手段と精算手段とを有し、番号入力と駐車料金の支払いを以って該当する二輪車ロック装置34のロック手段を解放するように構成されている。
【0053】
さらに、駐車場管理システム20は、車両の出場を管理する構成要素として、出口料金精算機36、出口ゲート開閉機37、および2つの出口ループコイル39、40を備えている。
【0054】
出口料金精算機36は、出場車路9の車両進行方向右側に設置された、自動車用の駐車料金精算機である。出口料金精算機36は精算位置に対応する位置に配置されている。精算位置は、出場する自動車に乗っている者が駐車料金の精算を行うために自動車を一旦停止させる位置である。また、出口料金精算機36は、出口ループコイル39、40からの高周波信号に基づいて出口ゲート開閉機37のゲートバー38の開閉を制御する手段としても機能する。
【0055】
出口ゲート開閉機37は、出場車路9において出口料金精算機36の下流側で、出場する自動車の通過を規制する装置である。出口ゲート開閉機37の本体は、出場車路9の車両進行方向右側において出口料金精算機36の下流側に設置されている。出口ゲート開閉機37は、第1の入口ゲート開閉機22と同様に回動することにより開閉動作するゲートバー38を有している。
【0056】
ここで、出場車路9において、出口ゲート開閉機37が設置されている側と反対側の部分、すなわち、車両進行方向左側の部分には自動二輪車通行経路12が形成されている。自動二輪車通行経路12は、自動二輪車が通行可能であり、かつ自動車が通行不可能な幅を有しており、具体的には、市販の軽自動車の車幅よりも若干小さい程度の幅、より具体的には、安全に自動二輪車が通過できる程度の幅である1m以上かつ一人乗りの市販車両の車幅である1.3m以下の幅を有している。自動二輪車通行経路12の位置と対応する駐車場1の天井や路面には、例えば「自動二輪車はこちらを通過してください。」といった案内や矢印が、看板や路面上のペイントを用いて示されている。
【0057】
そして、出口ゲート開閉機37は、閉状態において、ゲートバー38を路面とほぼ水平な位置に倒すことにより、出場車路9のうち自動二輪車通行経路12を除く部分を遮断する。ゲートバー38の長さは、このように閉状態において出場車路9を部分的に遮断するような長さに設定されている。これにより、出口ゲート開閉機37の閉状態では、自動車の通過が不可能であるものの、自動二輪車の通過は可能である。
【0058】
第1の出口ループコイル39は、精算位置に配置され、出場車路9に埋設されたループコイルである。第1の出口ループコイル39により、出口料金精算機36は、出場車路9を通行している自動車が精算位置に到達したことを認識する。出口料金精算機36が第1の出口ループコイル39により自動車が精算位置に到達したことを認識する仕組みは、駐車券発行機21が第1の入口ループコイル26により自動車が発券位置に到達したことを認識する仕組みと同様である。また、第1の出口ループコイル39は、出場車路9において自動二輪車通行経路12を除く部分に配置されている。
【0059】
第2の出口ループコイル40は、出口ゲート開閉機37のゲートバー38が配置された位置のすぐ下流側に配置され、出場車路9に埋設されたループコイルである。第2の出口ループコイル40により、出口料金精算機36は、出場車路9を通行している自動車が、開状態の出口ゲート開閉機37のゲートバー38が配置された位置を通過すること、すなわち、出場車路9を通行している自動車の、出口ゲート開閉機37のゲートバー38が配置された位置での通過状態を検知する。出口料金精算機36が第2の出口ループコイル40により自動車が出口ゲート開閉機37のゲートバー38が配置された位置を通過することを認識する仕組みは、駐車券発行機21が第2の入口ループコイル27により自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過することを認識する仕組みと同様である。また、第2の出口ループコイル40は、出場車路9において自動二輪車通行経路12を除く部分に配置されている。
【0060】
また、出口料金精算機36、出口ゲート開閉機37および出口ループコイル39、40は、出場車路9等に埋設された埋設配線41を介して相互に電気的に接続されている。
【0061】
さらに、駐車場管理システム20は、システム全体を管理する構成要素として、管理PC(パーソナルコンピュータ)42、サーバ43、およびデータベース44を備えている。駐車券発行機21、事前精算機30、二輪車用精算機35および出口料金精算機36等は、駐車場1内に配設されたLAN(Local Area Network)配線45を介して管理室46内に設けられた管理PC42に接続されている。そして、管理PC42は、管理室46内に設けられたサーバ43およびデータベース44に接続されている。
【0062】
図2は、駐車券発行機21の電気的構成を示している。図2に示すように、駐車券発行機21は、バス54を介して相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)51およびメモリ52を有し、CPU51およびメモリ52はバス54とインターフェース53を介して磁気カードリーダ/ライタ55、駐車券発行釦56、設定器57、3つの車両センサ58、59、60、2つのI/O信号端子(入出力端子)61、62、表示器63、スピーカ64、インターホン65、構内通信部66等を備えている。特に、本発明の第1の実施形態における駐車券発行機21は3つの車両センサ58、59、60を有する点が特徴的である(なお、通常の駐車券発行機が有する車両センサは2つである)。これら3つの車両センサ58、59、60は、3つの入口ループコイル26、27、28にそれぞれ接続されており、CPU51は、上述したように、これらの車両センサ58、59、60と協働し、入口ループコイル26、27、28から出力される高周波信号の変化から、発券位置、ゲートバー23が配置された位置、ゲートバー25が配置された位置での自動車の通過状態を認識する。また、本発明の第1の実施形態における駐車券発行機21には2つのI/O信号端子61、62が設けられ、これらを介して2つの入口ゲート開閉機22、24が接続されている点も特徴的である(なお、通常の駐車券発行機には1つのI/O信号端子を介して1つのゲート開閉機が接続されている)。このような特徴を有する本発明の第1の実施形態における駐車券発行機21は、3つの入口ループコイル26、27、28からの高周波信号の状態の変化を3つの車両センサ58、59、60を用いて検出し、これら検出結果に基づいて2つの入口ゲート開閉機22、24を制御する。具体的な制御動作については後述する。
【0063】
図3は、駐車場管理システム20における自動二輪車の入場・出場動作を示している。これより、駐車場管理システム20における自動二輪車の入場・出場動作を図3に従って説明する。まず、入場時において、自動二輪車は、地上1階の駐車場出入口から入り、出入場アプローチ2の入場車線を通行して入場車路3に接近する。このとき、駐車場1の天井に吊された看板や路面に示された、自動二輪車を入場車路3の自動二輪車通行経路11に誘導する旨の案内が自動二輪車の運転者の目に入る。運転者はこれらの案内に従って自動二輪車をコントロールする。これにより、自動二輪車は自動二輪車通行経路11を通行する。自動二輪車が自動二輪車通行経路11を通行している間は、第1の入口ゲート開閉機22は閉状態を維持する。これにより、自動二輪車が入口ループコイル26、27上を通過することを防止することができる。また、第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23の長さは、閉状態であっても自動二輪車通行経路11を遮断しないような長さに設定されているため、自動二輪車通行経路11を通行する自動二輪車がゲートバー23に衝突することはない。さらに、自動二輪車が自動二輪車通行経路11を通行している間は、第2の入口ゲート開閉機24も閉状態を維持する。これにより、自動二輪車が誤って自動車駐車エリア5に入ってしまうことを防止することができる。自動二輪車通行経路11を通過した自動二輪車は、駐車場1の天井に吊された看板や路面に示された案内に誘導され、二輪車駐車エリア柵31の入口ゲート32(自動二輪車駐車エリア7の入口)を通過して自動二輪車駐車エリア7内に入る。自動二輪車駐車エリア7内において、自動二輪車の運転手は、自動二輪車を自動二輪車駐車スペース8の空いている駐車マスに停め、自動二輪車を二輪車ロック装置34によりロックする。
【0064】
次に、出場時には、二輪車用精算機35により駐車料金の精算を完了すると、二輪車ロック装置34によるロックが解除される。自動二輪車は、二輪車駐車エリア柵31の出口ゲート33(自動二輪車駐車エリア7の出口)および出場車路9に進み、駐車場1の天井に吊された看板や路面に示された案内に誘導されて出場車路9の自動二輪車通行経路12を通行し、出入場アプローチ2の出場車線を通って地上1階の駐車場出入口から外に出る。自動二輪車が自動二輪車通行経路12を通行している間は、出口ゲート開閉機37は閉状態を維持する。これにより、自動二輪車が出口ループコイル39、40上を通過することを防止することができる。
【0065】
図4は、駐車場管理システム20における自動車の入場・出場動作を示している。図5は、駐車場管理システム20における駐車券発行機21の制御動作を示している。これより、駐車場管理システム20における自動車の入場・出場動作と駐車券発行機21の制御動作とを図4および図5に従って説明する。
【0066】
駐車券発行機21は、常時、第1の入口ループコイル26から出力される高周波信号の状態により車両センサ58から出力される検知信号がONとなるか否かの判断を繰り返し行うことで、第1の入口ループコイル26の高周波信号の状態を監視している(図5中のステップS1)。図4に示すように、地上1階の駐車場出入口から入って出入場アプローチ2の入場車線を通行した自動車が入場車線3の発券位置に到達したとき、第1の入口ループコイル26から出力される高周波信号が変化し、これに伴い車両センサ58から出力される検知信号がOFFからONになる。駐車券発行機21は、これを検出し、駐車券発行釦56を押下すべき案内として、表示器63の画面に例えば「駐車券発行釦を押して下さい」といったメッセージを表示すると共に、このメッセージをスピーカ64から音声出力する(図5中のステップS2)。続いて、駐車券発行機21は、駐車券発行釦56が押下されたか否かの判断を繰り返すことにより、駐車券発行釦56の押下の有無を監視し(ステップS3)、駐車券発行釦56が押下されたときには、駐車券を発行する(ステップS4)。続いて、駐車券発行機21は、駐車券が抜き取られたか否かの判断を繰り返すことにより、駐車券の抜き取りの有無を監視し(ステップS5)、駐車券が抜き取られたときには、第1の入口ゲート開閉機22および第2の入口ゲート開閉機24にI/O信号端子61、62を介して開制御信号をそれぞれ出力する。これにより、ゲートバー23が回動して、倒れて水平な状態から垂直に立ち上がった状態に変わり、第1の入口ゲート開閉機22が閉状態から開状態に切り替わる。これと同時に、ゲートバー25が回動して、倒れて水平な状態から垂直に立ち上がった状態に変わり、第2の入口ゲート開閉機24が閉状態から開状態に切り替わる(ステップS6)。
【0067】
第1の入口ゲート開閉機22が開状態となったことにより、発券位置に停止している自動車は、入場車路3を自動車駐車エリア5に向けて進むことが可能になる。このとき、駐車場1の天井に吊された看板や路面に示された、自動車を自動車駐車エリア5に誘導する旨の案内(左折すべき旨の案内)が自動車の運転者の目に入る。運転者はこれらの案内に従って自動車をコントロールする。これにより、自動車は、図4に示すように、発券位置を離れ、入場車路3の入口通過エリア4を通行して、自動車駐車エリア5の入口に向かって進む。また、このとき、自動二輪車駐車エリア7は二輪車駐車エリア柵31に包囲されており、しかも、二輪車駐車エリア柵31の入口ゲート32の幅は自動車が通行不可能な幅であるため、自動車が誤って自動二輪車駐車エリア7に入ってしまうことはない。
【0068】
自動車が発券位置を離れ、第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置されている位置を通過し始めたとき、第2の入口ループコイル27から出力される高周波信号が変化し、これに伴い車両センサ59から出力される検知信号がOFFからONに切り替わる。また、自動車が完全に発券位置を離れたとき、第1の入口ループコイル26から出力される高周波信号が変化し、これに伴い車両センサ58から出力される検知信号がONからOFFに切り替わる。続いて、自動車が入口通過エリア4内を左折しつつ進み、第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置されている位置を通過し始めたとき、第3の入口ループコイル28から出力される高周波信号が変化し、これに伴い車両センサ60から出力される検知信号がOFFからONに切り替わる。この時点では、第2の入口ループコイル27から出力される高周波信号に応じて車両センサ59から出力される検知信号はまだONの状態である。なぜなら、上述したように、自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切ったことが第2の入口ループコイル27により検知される前に当該自動車が第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置を通過し始めたことが第3の入口ループコイル28により検知されるように第2の入口ループコイル27と第3の入口ループコイル28との間の距離が設定されているからである。
【0069】
続いて、自動車が自動車駐車エリア5内に向けて入口通過エリア4内をさらに進み、第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切ったとき、第2の入口ループコイル27から出力される高周波信号が変化し、これに伴い車両センサ59から出力される検知信号がONからOFFに切り替わる。駐車券発行機21は、第2の入口ループコイル27から出力される高周波信号の状態により車両センサ59から出力される検知信号がONからOFFに切り替わったか否かの判断を繰り返し行うことで、第2の入口ループコイル27の高周波信号の状態を監視している(図5中のステップS7)。そして、第2の入口ループコイル27の高周波信号が変化して車両センサ59からの検知信号がONからOFFに切り替わったとき、駐車券発行機21は、第1の入口ゲート開閉機22にI/O信号端子61を介して閉制御信号を出力する。これにより、ゲートバー23が回動して、垂直に立ち上がった状態から水平に倒れた状態に変わり、第1の入口ゲート開閉機22が閉状態となる(ステップS8)。
【0070】
続いて、自動車が入口通過エリア4から離れ、自動車駐車エリア5に完全に入り、第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置を通過し切ったとき、第3のループコイル28から出力される高周波信号が変化し、これに伴い車両センサ60から出力される検知信号がONからOFFに切り替わる。駐車券発行機21は、第3の入口ループコイル28から出力される高周波信号の状態により車両センサ60から出力される検知信号がONからOFFに切り替わったか否かの判断を繰り返し行うことで、第3の入口ループコイル28の高周波信号の状態を監視している(図5中のステップS9)。そして、第3の入口ループコイル28の高周波信号が変化して車両センサ60からの検知信号がONからOFFに切り替わったとき、駐車券発行機21は、第2の入口ゲート開閉機24にI/O信号端子62を介して閉制御信号を出力する。これにより、ゲートバー25が回動して、垂直に立ち上がった状態から水平に倒れた状態に変わり、第2の入口ゲート開閉機24が閉状態となる(ステップS10)。
【0071】
なお、ステップS3で、駐車券発行釦56を押下する代わりに、利用者が定期券を駐車券発行機21の磁気カードリーダ/ライタ55に挿入すると、駐車券発行機21はこれを検出し(ステップS11)、挿入された定期券が有効か否かを判断し(ステップS12)、有効であれば、定期券を排出してから(ステップS13)、ステップS5ないしS10の処理を実行する。一方、挿入された定期券が無効である場合には、その旨を案内した後(ステップS14)、定期券を排出し(ステップS15)、ステップS2に戻る。
【0072】
自動車駐車エリア5内において、自動車の運転手は、図4に示すように、自動車を自動車駐車スペース6の空いている駐車マスに停める。一方、出場時には、自動車は図4に示すように出場車路9に進み、出口料金精算機36による駐車料金の精算が終了した後、出入場アプローチ2の出場車線を通って地上1階の駐車場出入口から外に出る。なお、事前精算機30により出場前に駐車料金の精算を済ませた場合には、出場時において出口料金精算機36による駐車料金の精算を省くことができる。
【0073】
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態による駐車場管理システム20によれば、自動車と自動二輪車の駐車場所が明確に区分され、自動二輪車が自動車駐車エリア5内に駐車されることにより自動車の駐車台数が減ってしまうことを防止することができる。また、自動二輪車の入場時において自動車駐車エリア5の入口は第2のゲート開閉機24のゲートバー25により全体的に遮断されているため、自動二輪車が自動車駐車エリア5に誤って入ることを防止でき、駐車場1内を迷走または逆送して、他の車両に衝突するといった事故をなくすことができる。また、閉状態においても自動二輪車通行経路11を遮断しないように第1の入口ゲート開閉機22のゲートバーの長さの設定することや、自動車の通過が不可能となるように二輪車駐車エリア柵31の入口ゲート32の幅を設定することといった簡単な構成により、上述した効果を奏する駐車場管理システム20を容易に実現することができる。
【0074】
さらに、第1の入口ゲート開閉機22と第2の入口ゲート開閉機24との間の距離、および第2の入口ループコイル27と第3の入口ループコイル28との間の距離を上述したような所定の距離に設定したことにより、入場する自動車が、入場車路3の入口通過エリア4内において、閉状態の第1の入口ゲート開閉機22と閉状態の第2の入口ゲート開閉機24との間に閉じ込められてしまうことを防止することができる。すなわち、仮に、第1の入口ループコイル27(第1の入口ゲート開閉機22)と第3の入口ループコイル28(第2の入口ゲート開閉機24)との距離が長いと、入場する自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切ったにもかかわらず、当該自動車が未だ第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置に到達しないことがあり得る。この場合、自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切ったことにより、第1の入口ゲート開閉機22が閉状態となり、その後、当該自動車が第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置に到達する前に、第2の入口ゲート開閉機24が閉状態に切り替わってしまい、この結果、当該自動車が閉状態の2つの入口ゲート開閉機22、24に挟まれて身動きがとれなくなってしまうことがある。このような事態は、例えば、当該自動車が第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置に到達する直前に、自動車駐車エリア5内の他の自動車が何らかの事情で第3の入口ループコイル28上を通過してしまったときに起こり得る。本発明の第1の実施形態による駐車場管理システム20によれば、入場する自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切る前に、当該自動車が第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置に到達し、その位置を通過し始めるので、このような不都合な事態が生じるのを防止することができる。
【0075】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態による駐車場管理システムにおける複合型精算機の電気的構成を示している。すなわち、図6に示す第2の実施形態における複合型精算機71は、自動車用の事前精算機能と自動二輪車用の料金精算機能とを併せ持った精算機である。具体的には、複合型精算機71は、自動車用の事前精算処理および自動二輪車用の出場時における精算処理のいずれにも必要な共通の構成要素として、CPU72、メモリ73、カードリーダ74、表示器75、テンキー76、精算キー等の操作キー77、インターホン78、領収証プリンタ79、コインセレクタ80、硬貨払い出し装置81、紙幣リーダ82、スピーカ83、係員呼出釦84、管理室内に設置された管理PCとLANを介して通信するための第1の構内通信部85、バス88等を備えている。さらに、複合型精算機71は、自動二輪車用のロック装置である複数の二輪車ロック装置93を制御するための構成要素として、第2の構内通信部86を備えている。第2の構内通信部86は、駐車場内に埋設された埋設配線を介して、中継装置90に設けられた通信中継部91に接続されている。また、中継装置90のロック装置制御部92は、埋設配線を介して、各二輪車ロック装置93のロック機構部94および二輪車検知部95に接続されている。複合型精算機71は、第2の構内通信部86および中継装置90を介して各二輪車ロック装置93と相互に通信を行い、各二輪車ロック装置93を制御し、駐車している自動二輪車のロックおよびロックの解除等を制御する。また、複合型精算機71には、精算の開始時に、利用者に対し、自動車駐車の事前精算と、自動二輪車の出場時における精算とのいずれかを選択させるための選択キー87が設けられている。このような構成を有する複合型精算機71は、例えば、駐車場内において、自動二輪車駐車エリアの近傍、または自動二輪車駐車エリア内であって自動車駐車エリアに近接した場所に設置されている。
【0076】
なお、上述した各実施形態では、自動車入場時において、第1の入口ゲート開閉機22が閉状態から開状態へ切り替わるタイミングと第2の入口ゲート開閉機24が閉状態から開状態へ切り替わるタイミングとが同時である場合を例にあげたが、これらのタイミングは同時である必要はなく、これらのタイミングに短い時間差(例えば数秒)を設け、入口ゲート開閉機22、24の切替を連続的に行ってもよい。
【0077】
また、上述した各実施形態では、自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切る前に当該自動車が第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置を通過し始めるように第1の入口ゲート開閉機22と第2の入口ゲート開閉機24との間の距離を設定すると共に、自動車が第1の入口ゲート開閉機22のゲートバー23が配置された位置を通過し切ったことが第2の入口ループコイル27により検知される前に当該自動車が第2の入口ゲート開閉機24のゲートバー25が配置された位置を通過し始めたことが第3の入口ループコイル28により検知されるように第2の入口ループコイル27と第3の入口ループコイル28との間の距離を設定している。これらの構成は、上述したように、入場車路3の入口通過エリア4に入った自動車が閉状態の第1の入口ゲート開閉機22と閉状態の第2の入口ゲート開閉機24との間に閉じこめられてしまうことを防止するためであるが、この目的を達成するために、自動車が第1の入口ゲート開閉機22と第2の入口ゲート開閉機24との間、すなわち入口通過エリア4内に存在することを検知する手段を別途設けてもよい。例えば、入口通過エリア4内のいずれかの場所、例えば第1の入口ゲート開閉機22(第2の入口ループコイル27)と第2の入口ゲート開閉機24(第3の入口ループコイル28)との中間位置に別のループコイルを埋設し、このループコイルを用いて第1の入口ゲート開閉機22と第2の入口ゲート開閉機24との間に自動車が存在することを検知し、自動車の存在が検知されている間は、第2の入口ゲート開閉機24の開状態を維持するように制御してもよい。このような構成を採用した場合には、第1の入口ゲート開閉機22(第2の入口ループコイル27)と第2の入口ゲート開閉機24(第3の入口ループコイル28)との間の距離を長くすることができ、入口ゲート開閉機22、24やループコイル27、28等の設置場所の自由度が増す。もっとも、このような検知手段を別途追加せずに、上述した各実施形態のように、第1の入口ゲート開閉機22と第2の入口ゲート開閉機24との間に自動車が存在することを、互いに距離が所定の距離に設定された第1の入口ゲート開閉機22(第2の入口ループコイル27)と第2の入口ゲート開閉機24(第3の入口ループコイル28)により検知する構成の方が、安価に実現することができる。
【0078】
また、上述した各実施形態では、自動車の存否や位置を検知する手段としてループコイル26、27、28、39、40を用いる場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。赤外線による物体の遮蔽の有無で車両の存否を検知する手段を採用してもよく、さらに、車路における物体の占有幅の違いから自動車と二輪車を識別する手法を併用し、万が一車両検知手段に二輪車が検知されても、二輪車として検知を無視するような手段をあわせることも可能である。
【0079】
また、上述した各実施形態では、通過規制手段として回動するゲートバーを有するゲート開閉機22、24、37を採用しているが、例えばチェーン式ゲートを用いたり、ゲートバーについても、水平から垂直に回動するだけでなく、低い天井への対応として折れ曲がりながら開動作するものでもよい。さらに、ゲートバー開閉機を車路の左右に設け、両方が開閉動作するものであってもよい。その場合、片方は自動二輪車を検知して開動作し、自動車を検知した場合には両方を開動作するように動作させてもよい。さらに、自動二輪車のみを通過可能とする手段については最も簡単に車幅の規制を用いたが、他に例えば車路の発券機と反対側に、推し釦を設けてゲートを開閉させるなど別の手段を採用することもできる。また、都市部駐車場では左側ハンドルの輸入自動車の利用も多く、入場車路や出場車路の左右に駐車券発行機や出口精算機を設置することが多く、本発明はそのような駐車場であっても同様に自動二輪車の通行のみを許可する状態の規制手段を設けることが可能である。
【0080】
また、上述した各実施形態による駐車場管理システムにおける、入口ゲート開閉機22、24および入口ループコイル27、28、入口ゲート32等で自動車を自動車駐車エリア5に誘導し、自動二輪車を自動二輪車駐車エリア7に誘導する構成は、自動車駐車エリア5から出場する自動車の誘導および自動二輪車駐車エリア7から出場する自動二輪車の誘導にも適用することが可能である。なお、図1、図3、図4に示した駐車場1の入口通過エリア4の出場車路9と接する一端側にも柵状の仕切りを示しているが、この箇所を自動車や自動二輪車が通行しないように規制する道路コーンのようなものを設置する様な構成でも構わない。
【0081】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、都市のビル地下等に設置される無人管理の駐車場であって、場内に自動車のゲート式駐車エリアとバイクロック式駐車エリアとがあり、自動車の駐車と自動二輪車の駐車との双方を管理する駐車場管理システム等に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 駐車場
3 入場車路
4 入口通過エリア
5 自動車駐車エリア
7 自動二輪車駐車エリア
11、12 自動二輪車通行経路
20 駐車場管理システム
21 駐車券発行機(制御手段)
22 第1の入口ゲート開閉機(第1の通過規制手段)
23 ゲートバー
24 第2の入口ゲート開閉機(第2の通過規制手段)
25 ゲートバー
26 第1の入口ループコイル(第1の通過検知手段)
27 第2の入口ループコイル(第2の通過検知手段)
28 第3の入口ループコイル(第3の通過検知手段)
31 二輪車駐車エリア柵(第3の通過規制手段)
32 入口ゲート
71 複合型精算機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車を駐車する自動車駐車エリアと、自動二輪車を駐車する自動二輪車駐車エリアと、前記自動車駐車エリアおよび前記自動二輪車駐車エリアの双方に接続され、前記自動車駐車エリアに入場する自動車および前記自動二輪車駐車エリアに入場する自動二輪車の双方が通行する入場車路とを備えた駐車場における駐車場管理システムであって、
前記入場車路の途中の位置で、閉状態では自動車の通過を禁止すると共に自動二輪車の通過を許可し、開状態では自動車および自動二輪車の双方の通過を許可する第1の通過規制手段と、
前記入場車路と前記自動車駐車エリアとの間の位置で、閉状態では自動車および自動二輪車の双方の通過を禁止し、開状態では自動車の通過を許可する第2の通過規制手段と、
前記入場車路と前記自動二輪車駐車エリアとの間の位置で、自動車の通過を禁止すると共に自動二輪車の通過を許可する第3の通過規制手段と、
前記入場車路の途中であって、入場する自動車の進行方向において前記第1の通過規制手段の上流側に位置する発券位置に、前記入場車路を通行している自動車が到達したことを検知する第1の通過検知手段と、
前記発券位置に到達した自動車に乗っている者に駐車券を発行する駐車券発行機と、
前記入場車路を通行している自動車が開状態の前記第1の通過規制手段を通過することを検知する第2の通過検知手段と、
前記入場車路を通行して前記自動車駐車エリアに入場する自動車が開状態の前記第2の通過規制手段を通過することを検知する第3の通過検知手段と、
前記第1および第2の通過規制手段の開閉を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記駐車券発行機により前記駐車券を発行した後に前記第1の通過規制手段および前記第2の通過規制手段の双方を同時にまたは連続的に開状態にし、前記入場車路を通行している自動車が開状態の前記第1の通過規制手段を通過し切ったことが前記第2の通過検知手段により検知されたときに前記第1の通過規制手段を閉状態にし、前記入場車路を通行して前記自動車駐車エリアに入場する自動車が開状態の前記第2の通過規制手段を通過し切ったことが前記第3の通過検知手段により検知されたときに前記第2の通過規制手段を閉状態にし、
前記第1の通過規制手段および前記第2の通過規制手段がいずれも閉状態であるときに、自動二輪車が前記入場車路を通行して前記自動二輪車駐車エリアに入場可能であることを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項2】
前記第1の通過規制手段は、閉状態では自動車の通過が不可能になり自動二輪車の通過が可能になるように前記入場車路を部分的に遮断するゲートバーを有する第1のゲート開閉機であり、
前記第2の通過規制手段は、閉状態では自動車および自動二輪車の双方の通過が不可能になるように前記入場車路と前記自動車駐車エリアとの間を遮断するゲートバーを有する第2のゲート開閉機であり、
前記第3の通過規制手段は、前記入場車路と前記自動二輪車駐車エリアとの間に設けられ、自動車の通過が不可能であり自動二輪車の通過が可能であるような幅を有する入口を備えた仕切りであることを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
自動車が前記第1の通過規制手段を通過し切る前に当該自動車が前記第2の通過規制手段を通過し始めるように前記第1の通過規制手段と前記第2の通過規制手段との間の距離が設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
自動車が前記第1の通過規制手段を通過し切ったことが前記第2の通過検知手段により検知される前に当該自動車が前記第2の通過規制手段を通過し始めたことが前記第3の通過検知手段により検知されるように前記第2の通過検知手段と前記第3の通過検知手段との間の距離が設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記入場車路の一部には自動二輪車が通行するための自動二輪車通行経路が形成され、前記自動二輪車通行経路には前記第1の通過検知手段および前記第2の通過検知手段がいずれも配置されていないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記自動二輪車駐車エリア内または前記自動二輪車駐車エリアの近傍には、自動二輪車用の駐車料金精算手段と自動車用の事前精算手段とを併せ持った駐車料金精算機が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の駐車場管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−96119(P2011−96119A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251181(P2009−251181)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】