説明

駐車支援システム、駐車施設装置、及び駐車支援装置

【課題】車両側のみならず、駐車施設側で得られた情報も利用して、精度の高い駐車操作が容易に行えるように運転者を支援することが可能な駐車支援情報を特定の車両や実際の駐車状況等に応じて提供することができる駐車支援システムを提供すること。 【解決手段】カメラ3a、3b、通信部5、及び制御部6を含んで構成された駐車施設装置8と、カメラ11、通信部5と無線通信可能な通信部13、カメラ3a、3bによる監視データ及びカメラ11による監視データの両者を含む情報に基づいて生成された駐車支援情報を出力可能な表示部14、及び制御部16を含んで構成された駐車支援装置20とを含んで構成され、通信部5と通信部13との間で通信を行い、駐車施設装置8に駐車支援対象車両の登録を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車支援システム、駐車施設装置、及び駐車支援装置に関し、より詳細には駐車施設側で得られる情報と車両側で得られる情報とを利用して駐車支援を行うことができる駐車支援システム、該システムを実現するための駐車施設装置、及び駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駐車場や車庫等への駐車を支援する駐車支援システムや車両誘導システムが開発されている。例えば、下記の特許文献1には、駐車目標領域に対して車両を誘導する車両誘導システムが開示されており、この車両誘導システムによれば、車両に搭載されたコントローラが、車両に搭載された前方監視カメラにより撮像された画像内のスタートライン(走行路上の所定位置に形成された基準マーカ)の位置に基づいて駐車目標領域に対する車両の相対位置を同定し、該同定された車両の相対位置に基づいて駐車目標領域までの理想経路を演算し、車両に搭載されたセンサ群により検出された車両走行状態に関するデータ(慣性データ、車速データ、回転角度データ、路面データ)に基づいて車両を前記理想経路に沿って走行させるためのナビゲート情報(ハンドル操舵角指示、前進・後退指示情報)を求め、このナビゲート情報を表示出力装置に出力する処理を行うことが記載されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の車両誘導システムでは、車両側で得られた情報だけで処理が行われているため、車両側で得ることが難しい情報、例えば、車両から見えにくい駐車スペース内の情報等は、車両を適切な位置に移動させない限り得ることができず、早い段階から駐車スペース内の情報等を加味した適切な駐車支援を行うことが難しいという課題があった。また、車両に搭載されたコントローラで上記処理が全て行われているので、コントローラでの処理量が増え、コントローラにかかる処理負担が大きくなるという課題があった。
【特許文献1】特開2001−277969号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0004】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、車両側のみならず、駐車施設側で得られた情報も利用して、精度の高い駐車操作が容易に行えるように運転者を支援することが可能な駐車支援情報を特定の車両や実際の駐車状況等に応じて提供することができる駐車支援システム、該システムを構成する駐車施設装置、及び駐車支援装置を提供することを目的としている。
【0005】
上記目的を達成するために本発明に係る駐車支援システム(1)は、駐車施設側に、駐車スペースを監視可能な第1の監視手段と、無線通信機能を有する第1の通信手段と、これら手段の制御やデータ処理機能を有する第1の制御手段とが装備され、車両側に、自車周辺を監視可能な第2の監視手段と、前記第1の通信手段と無線通信可能な第2の通信手段と、前記第1の監視手段による監視データ及び前記第2の監視手段による監視データの両者を含む情報に基づいて生成された駐車支援情報を出力可能な情報出力手段と、これら手段の制御やデータ処理機能を有する第2の制御手段とが装備され、前記駐車施設側に、前記第1の通信手段と前記第2の通信手段との間で通信を行い、駐車支援対象車両の登録を行う登録手段を備えていることを特徴としている。
【0006】
上記駐車支援システム(1)によれば、車両側の前記第2の監視手段(例えば、カメラなどの撮像手段)による監視データだけでなく、駐車施設側の前記第1の監視手段(例えば、カメラなどの撮像手段)による監視データが加味された駐車支援情報、すなわち異なる監視位置や方向から得られた複数の監視データに基づく駐車支援情報を提供することができ、精度の高い駐車操作が容易に行えるように運転者を支援することができるシステムを実現することができる。また、前記駐車施設側に駐車支援対象車両を登録しておくことにより、駐車支援する対象車両を管理することができ、登録された駐車支援対象車両に対して適切な駐車支援を行うことができるシステムとすることができる。
【0007】
また本発明に係る駐車施設装置(1)は、駐車スペースを監視可能な第1の監視手段と、車両側に設けられた第2の通信手段と無線通信可能な第1の通信手段と、前記第1の監視手段による監視データ及び車両側に設けられた第2の監視手段による監視データの両者を含む情報を用いた駐車支援を、登録された車両側で実現させるための制御やデータ処理を行う駐車施設制御手段と、前記第1の通信手段を介して車両側から登録要求を受け付けた場合、当該車両を駐車支援対象車両として登録する車両登録手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記駐車施設装置(1)によれば、前記第1の通信手段を介して車両側から登録要求を受け付けた場合、当該車両を駐車支援対象車両として登録することができ、該登録された駐車支援対象車両に対して、前記第1の監視手段による監視データ及び車両側に設けられた第2の監視手段による監視データの両者を含む情報に基づく駐車支援を実行させるための制御やデータ処理を行うことができ、前記駐車支援対象車両側では、精度の高い駐車操作が容易に実現可能な駐車支援を行うことが可能となる。
【0009】
また本発明に係る駐車施設装置(2)は、上記駐車施設装置(1)において、前記車両登録手段により登録された駐車支援対象車両の識別情報と車両側から取得した識別情報とを照合して、当該車両を駐車支援車両とするか否かを決定する駐車支援車両決定手段を備え、該駐車支援車両決定手段が、前記駐車スペースが既に埋まっている場合、又は先に決定された駐車支援車両により前記駐車スペースが埋まる場合には、当該車両を駐車支援車両としない決定を行うものであることを特徴としている。
【0010】
上記駐車施設装置(2)によれば、前記車両登録手段により登録された駐車支援対象車両の識別情報と車両側から取得した識別情報との照合結果により、当該車両を駐車支援車両とするか否かが決定されるので、駐車支援対象車両か否かを精度良く判定することができる。また、前記駐車スペースが既に埋まっている場合、又は先に決定された駐車支援車両により前記駐車スペースが埋まる場合には、当該車両を駐車支援車両としない決定がなされるので、前記駐車スペースに空きがない状況下で、駐車支援車両とする決定がなされることを防止することができ、無駄のない駐車支援を行うことができる。
【0011】
また本発明に係る駐車施設装置(3)は、上記駐車施設装置(1)又は(2)において、前記駐車支援車両として決定された車両が前記第1の監視手段により検出された場合に、前記駐車施設制御手段が、前記第1の監視手段による監視データ及び前記第2の監視手段による監視データの両者を含む駐車支援情報を生成する処理を開始するものであることを特徴としている。
【0012】
上記駐車施設装置(3)によれば、前記駐車支援車両として決定された車両が前記第1の監視手段により検出された場合に、前記駐車支援が開始されるので、車両側では、前記第1の監視手段よる監視範囲に前記車両が侵入してきたタイミング、すなわち駐車の初期段階から駐車支援を受けることができる。
【0013】
また本発明に係る駐車施設装置(4)は、上記駐車施設装置(1)において、前記車両登録手段により登録された駐車支援対象車両の識別情報と車両側から取得した識別情報とを照合して、当該車両を駐車支援車両とするか否かを決定する駐車支援車両決定手段と、前記駐車スペース内への車両の進入を規制する駐車規制手段と、前記駐車支援決定手段による駐車支援車両への決定可否結果に基づいて、前記駐車規制手段の動作を制御する駐車規制制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記駐車施設装置(4)によれば、前記駐車支援決定手段により前記車両に対して駐車支援車両にする決定がなされた場合に、例えば、前記駐車スペース内への車両の進入を規制する駐車規制手段(例えば、傾動式の進入規制板を作動させる装置など)による進入規制状態を解除して(例えば、前記進入規制板を倒して、進入可能状態として)、駐車支援車両に決定された車両の駐車スペース内への進入が可能となるように制御することができる。又は、前記駐車支援決定手段により前記車両に対して駐車支援車両としない決定がなされた場合に、例えば、前記駐車スペース内への車両の進入を規制する駐車規制手段(例えば、傾動式の進入規制板を駆動させる装置など)を作動させて進入規制状態として(例えば、前記進入規制板を立てて、進入不可状態として)、駐車支援車両に決定されていない車両の駐車スペース内への進入を阻止するように制御することができる。したがって、駐車支援車両に決定された車両のみ駐車スペース内への進入が許可され、駐車支援車両に決定されていない車両の駐車スペース内への進入を確実に阻止することができる。
【0015】
また本発明に係る駐車支援装置(1)は、自車周辺を監視可能な第2の監視手段と、駐車施設側に設けられた第1の通信手段と無線通信可能な第2の通信手段と、駐車施設側に設けられた第1の監視手段による監視データ及び前記第2の監視手段による監視データの両者を含む駐車支援情報を出力可能な情報出力手段と、前記第2の通信手段を介して駐車施設側に駐車支援対象車両への登録を要求する車両登録要求手段とを備えていることを特徴としている。
【0016】
上記駐車支援装置(1)によれば、前記車両登録要求手段により前記第2の通信手段を介して駐車施設側に駐車支援対象車両への登録を要求することができ、当該車両を駐車施設側に駐車支援対象車両として登録させることができ、駐車施設側に設けられた第1の監視手段による監視データ及び前記第2の監視手段による監視データの両者を含む情報に基づく駐車支援を受けることができる。
【0017】
また本発明に係る駐車支援装置(2)は、上記駐車支援装置(1)において、駐車施設側から取得した前記第1の監視手段による監視データを含む駐車施設側情報と、前記第2の監視手段による監視データを含む車両側情報とに基づいて、前記駐車支援情報を生成する駐車支援情報生成手段を備えていることを特徴としている。
【0018】
上記駐車支援装置(2)によれば、前記駐車施設側情報と前記車両側情報とに基づく前記駐車支援情報の生成処理が車両側で行われるので、生成された駐車支援情報のユーザへの通知を速やかに実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る駐車支援システム、駐車施設装置、及び駐車支援装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態に係る駐車支援システムの概略構成を示したブロック図である。
【0020】
図中1は、車庫等の駐車施設を示しており、駐車施設1には、駐車スペース2を撮影可能な駐車施設側カメラ3a、3b(第1の監視手段)と、アンテナ4を介して後述する車両側通信部13と無線通信可能な駐車施設側通信部5と、駐車施設側カメラ3a、3b、や駐車施設側通信部5の制御やデータ処理機能を有する駐車施設制御部6とを含んで構成された駐車施設装置8が装備されている。
【0021】
駐車施設側カメラ3aは、駐車スペース2と駐車施設1の入口付近の様子が撮影できる位置に配設されており、駐車施設側カメラ3bは、駐車スペース2に入ってきた車両の様子を上から撮影できる位置に配設されており、いずれも動画像が撮影可能な装置で構成されている。なお所定角度領域の撮影が可能な駐車施設側カメラの配設箇所や台数は、駐車スペース2のサイズ等に応じて適宜設定することができる。
【0022】
駐車施設制御部6は、駐車施設側カメラ3a、3bや駐車施設側通信部5の制御や駐車支援のためのデータ処理などを行うための各種プログラムが格納されたROM、ROMから読み出したプログラムに基づいた制御や演算処理を行うCPU、データを一時的に記憶するRAMを含むマイクロコンピュータ(いずれも図示せず)で構成されている。
【0023】
駐車施設制御部6に接続された記憶部7には、駐車施設1を含む周辺図(平面地図)とこれらの寸法(駐車スペース2のサイズや、駐車施設前の道路サイズ等)データとを含む駐車施設情報が記憶されており、また、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データ、駐車施設側通信部5を介して車両側から取得した車両側カメラ11による撮像データも記憶可能となっている。また、記憶部7には、駐車支援対象車両の登録情報(登録のために車両側から送信されてきた車両IDを含む)も記憶されるようになっており、半導体メモリやハードディスク等の書き換え可能な記憶手段で構成されている。なお、前記駐車施設情報は、地図データ提供サイトからダウンロードしたデ−タを利用したり、車両側にナビゲーション装置が搭載されている場合には、駐車施設側通信部5を介して車両側から取得したナビゲーション装置の地図データなどを利用することが可能となっている。
【0024】
また、図中10は、車両を示しており、車両10には、車両後部に配設された後方監視用の車両側カメラ11(第2の監視手段)と、アンテナ12を介して駐車施設側通信部5と無線通信可能な車両側通信部13と、駐車支援情報が出力される表示画面(図示せず)を備えた表示部14と、スピーカを含んで構成される音声出力部15と、車両側カメラ11、車両側通信部13、表示部14、及び音声出力部15の制御やデータ処理を行う駐車支援制御部16とを含んで構成された駐車支援装置20が装備されている。
【0025】
なお、車両後方の所定角度領域の撮影を行う後方監視用の車両側カメラ11の他に、側方監視用や前方監視用のカメラや、さらに物体の存在や距離の計測が可能なレーダ装置などを追加した構成としても良い。また、ドライバの操作によって駐車支援制御部16に対して各種の処理要求等を入力可能な入力部17が、駐車支援制御部16に接続されている。
【0026】
なお、表示部14については、車両10に搭載されているナビゲーション装置(図示せず)などの表示部と兼用しても良く、例えば、車両10にナビゲーション装置が搭載されている場合には、該ナビゲーション装置の表示部を表示部14として採用しても良く、その場合、前記ナビゲーション装置の表示部に設けられたスイッチ釦やタッチパネルを入力部17として採用することができる。
【0027】
駐車支援制御部16は、車両側カメラ11、車両側通信部13、表示部14、及び音声出力部15の制御や駐車支援のためのデータ処理などを行うための各種プログラムが格納されたROM、ROMから読み出したプログラムに基づいた制御や演算処理を行うCPU、データを一時的に記憶するRAMを含むマイクロコンピュータ(いずれも図示せず)で構成されている。
【0028】
駐車支援制御部16に接続された記憶部18には、車両10の寸法(全長、全幅、高さ等)データを含む車両情報が記憶されており、また、車両側カメラ11による撮像データ、車両側通信部13を介して駐車施設側から取得した駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データも記憶できるようになっており、半導体メモリやハードディスク等の書き換え可能な記憶手段で構成されている。なお、前記車両情報は、例えば、入力部17を介して表示部14に車両情報設定画面を読み出して入力する構成とすることができ、また、車両10にナビゲーション装置が搭載されている場合には、該ナビゲーション装置に登録された車両情報が利用できるように、該ナビゲーション装置のハードディスク等の記憶手段を記憶部18として兼用することもできる。
【0029】
上記のように構成された駐車支援システムでは、駐車施設側通信部5と車両側通信部13との間で通信を行い、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データ及び車両側カメラ11による撮像データを含む情報に基づいて駐車支援情報が生成されるように構成されている。
【0030】
駐車支援情報には、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データと車両側カメラ11による撮像データとの合成画像情報、駐車施設側カメラ3a、3b及び車両側カメラ11による撮像データと自車位置から駐車スペース2までの誘導経路を表す画像データとの合成画像情報、前記誘導経路に沿って車両10を移動させるためのステアリングの操舵に関する情報などが含まれ、かかる駐車支援情報を生成するための処理が、駐車施設制御部6や駐車支援制御部16で行われるように構成されている。
【0031】
次に実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置20(の駐車支援制御部16)と駐車施設装置8(の駐車施設制御部6)との間で行われる車両登録処理動作を図2に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、本処理動作は、駐車施設側通信部5の通信エリア内に、車両10が存在する場合(例えば、駐車スペース2に車両10を駐車した場合等)に実行される。
【0032】
まず、駐車支援制御部16では、駐車施設装置8に駐車支援対象車両の登録を要求するための登録要求操作が入力部17を通じて行われたか否かを判断し(ステップS1)、登録要求操作が行われていないと判断すれば処理を終える一方、登録要求操作が行われたと判断すれば、車両側通信部13と駐車施設側通信部5との通信状態を確立して、登録要求信号を駐車施設装置8に送信する(ステップS2)。
【0033】
駐車施設制御部6では、駐車支援装置20から送信された登録要求信号を受信したか否かを判断し(ステップS3)、登録要求信号を受信していないと判断すれば処理を終える一方、登録要求信号を受信したと判断すれば、登録処理準備を行い(ステップS4)、車両IDの返信要求信号を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する(ステップS5)。
【0034】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された車両ID返信要求信号を受信したか否かを判断し(ステップS6)、車両ID返信要求信号を受信したと判断すれば、記憶部18から読み出した車両ID(車両の識別情報)を車両側通信部13を介して駐車施設装置8に送信する(ステップS7)。
【0035】
駐車施設制御部6では、駐車支援装置20から送信された車両IDを受信したか否かを判断し(ステップS8)、車両IDを受信したと判断すれば、受信した車両IDを記憶部7内の駐車支援対象車両DB(データベース)に登録する処理を行い(ステップS9)、その後、登録完了通知信号を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する(ステップS10)。
【0036】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された登録完了通知信号を受信したか否かを判断し(ステップS11)、登録完了通知信号を受信したと判断すれば、表示部14等を通じて登録完了を通知する処理を行い(ステップS12)、その後、駐車支援装置20と駐車施設装置8との間で通信切断処理を行い(ステップS13、S14)、処理を終える。
【0037】
次に実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置20(の駐車支援制御部16)と駐車施設装置8(の駐車施設制御部6)との間で行われる駐車支援決定処理動作を図3−1〜図3−3に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、本処理動作は、駐車施設側通信部5の通信エリア内に、車両10が侵入してきた場合に実行される。
【0038】
まず、駐車施設装置8と駐車支援装置20との間で通信状態を確立する処理を行い(ステップS21、S22)、その後、駐車施設制御部6では、車両IDの返信要求信号を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する(ステップS23)。
【0039】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された車両ID返信要求信号を受信したか否かを判断し(ステップS24)、車両ID返信要求信号を受信していないと判断すれば処理を終える一方、車両ID返信要求信号を受信したと判断すれば、記憶部18から読み出した車両IDを車両側通信部13を介して駐車施設装置8に送信する(ステップS25)。
【0040】
駐車施設制御部6では、駐車支援装置20から送信された車両IDを受信したか否かを判断し(ステップS26)、車両IDを受信したと判断すれば、受信した車両IDと、記憶部7の駐車支援対象車両DBに登録されている車両IDとを照合し(ステップS27)、照合OKか否か、すなわち受信した車両IDと合致する車両IDが登録されているか否かを判断する(ステップS28)。
【0041】
ステップS28において、照合OKであると判断すれば、登録済の車両IDが複数あるか否か(すなわち、登録車両が他にもあるか否か)を判断し(ステップS29)、登録済の車両IDが複数ない、すなわち1台のみ登録されていると判断すれば、当該車両を駐車支援車両に決定し(ステップS30)、その後ステップS33に進む。
【0042】
一方ステップS29において、登録済の車両IDが複数あると判断すれば、駐車支援予定車両に設定される優先順位カウンタK(駐車支援順位が何番目まで付けられているのかを示すカウンタ)と、予め登録されている駐車スペース2の駐車可能台数とを比較して、駐車可能台数が優先順位カウンタKより大きいか否か(すなわち、当該車両が駐車可能か否か)を判断する(ステップS31)。
【0043】
図4は、駐車施設装置8において、車両が駐車可能か否かを判断する処理(ステップS31)を説明するための駐車スペース2周辺の平面図であり、駐車可能台数が2台の駐車場に駐車する場合について説明する。なお、図中の破線は、駐車施設装置8における通信部5の通信エリアの境界線を示しており、該境界線の内側であれば、車両10の駐車支援装置20との通信が可能となっている。
【0044】
図4(a)に示した状態では、駐車スペース2が2台分空いた状態で、駐車支援予定車両も存在しないので(すなわち、優先順位カウンタK=0の状態)、優先順位カウンタK=0<駐車可能台数2台と判断し、ステップS32に進む。
【0045】
また、図4(b)に示した状態では、駐車スペース2が1台分空いた状態で、駐車支援予定車両は存在しないので(すなわち、優先順位カウンタK=1の状態)、優先順位カウンタK=1<駐車可能台数2台と判断し、ステップS32に進む。
【0046】
また、図4(c)に示した状態では、駐車スペース2が1台分空いた状態で、駐車支援予定車両Maが1台存在するので(すなわち、優先順位カウンタK=2の状態)、優先順位カウンタK=2=駐車可能台数2台と判断し、図3−3に示したステップS61に進む。
【0047】
また、図4(d)に示した状態では、駐車スペース2の空きがない状態で、駐車支援予定車両は存在しないので(すなわち、優先順位カウンタK=2の状態)、優先順位カウンタK=2=駐車可能台数2台と判断し、図3−3に示したステップS61に進む。
【0048】
このようにステップS31において、駐車可能台数が優先順位カウンタKより大きい(すなわち、駐車可能)と判断すれば、優先順位カウンタKに1を加算して、当該車両を駐車支援車両に決定し(ステップS32)、その後駐車支援決定信号を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信し(ステップS33)、その後、図5に示した駐車支援開始処理へ進む。
【0049】
一方、駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された駐車支援決定信号を受信したか否かを判断し(ステップS34)、駐車支援決定信号を受信したと判断すれば、表示部14等を通じて駐車支援が決定したことを通知する処理を行い(ステップS35)、その後、図5に示した駐車支援開始処理へ進む。
【0050】
また上記ステップS28において、駐車施設制御部6が、照合NGであると判断すれば、図3−2に示したステップS41に進む。ステップS41では、車両IDが未登録であることを通知するための未登録通知信号を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する。
【0051】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された車両IDの未登録通知信号を受信したか否かを判断し(ステップS42)、車両IDの未登録通知信号を受信していないと判断すれば処理を終える一方、車両IDの未登録通知信号を受信したと判断すれば、表示部14や音声出力部15を通じてドライバに通知する処理を行い(ステップS43)、その後、入力部17を介して駐車支援を要求するための操作があったか否かを判断する(ステップS44)。
【0052】
ステップS44において、駐車支援要求操作がなかったと判断すれば処理を終える一方、駐車支援要求操作があったと判断すれば、駐車支援要求信号を車両側通信部13を介して駐車施設装置8に送信する(ステップS45)。
【0053】
駐車施設制御部6では、駐車支援装置20から送信された駐車支援要求信号を受信したか否かを判断し(ステップS46)、駐車支援要求信号を受信していないと判断すれば処理を終える一方、駐車支援要求信号を受信したと判断すれば、上記ステップS31における処理と同様にして、駐車支援予定車両に設定される優先順位カウンタKと、予め登録されている駐車スペースの駐車可能台数とを比較して、駐車可能台数が優先順位カウンタKより大きいか否か(すなわち、当該車両が駐車可能か否か)を判断する(ステップS47)。ステップS47において、駐車可能台数が優先順位カウンタKより大きい(すなわち、駐車可能)と判断すれば、車両IDの返信要求信号を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する(ステップS48)。
【0054】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された車両ID返信要求信号を受信したか否かを判断し(ステップS49)、車両ID返信要求信号を受信したと判断すれば、記憶部18から読み出した車両IDを車両側通信部13を介して駐車施設装置8に送信する(ステップS50)。
【0055】
駐車施設制御部6では、駐車支援装置20から送信された車両IDを受信したか否かを判断し(ステップS51)、車両IDを受信したと判断すれば、受信した車両IDを記憶部7に一時記憶し(ステップS52)、優先順位カウンタKに1を加算して、駐車支援車両に決定し(ステップS53)、駐車許可信号を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信し(ステップS54)、その後図5に示した駐車支援開始処理へ進む。
【0056】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された駐車許可信号を受信したか否かを判断し(ステップS55)、駐車許可信号を受信したと判断すれば、表示部14等を通じて駐車支援が決定したことを通知する処理を行い(ステップS56)、その後図5に示した駐車支援開始処理へ進む。
【0057】
また一方、ステップS47又はステップS31(図3−1参照)において、駐車施設制御部6で、駐車可能台数が優先順位カウンタKより大きくない(すなわち、駐車不可能(駐車空きスペースなし)と判断すれば、図3−3に示したステップS61に進み、駐車支援車両に決定せずに、駐車空きスペースがない、すなわち満車であることを通知する信号を、駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する。
【0058】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された満車通知信号を受信したか否かを判断し(ステップS62)、満車通知信号を受信したと判断すれば、表示部14や音声出力部15を通じてユーザに満車であることを通知する処理を行い(ステップS63)、その後、駐車支援装置20と駐車施設装置8との間で通信切断処理を行い(ステップS64、S65)、処理を終える。
【0059】
次に実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置20(の駐車支援制御部16)と駐車施設装置8(の駐車施設制御部6)との間で行われる駐車支援開始処理動作を図5(a)〜(c)に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、本処理動作は、駐車支援決定処理動作(ステップS33、S35、またはステップS54、S56)に続いて実行され、ここでは図5(a)〜(c)に示した3つの異なる処理形態について順に説明する。
【0060】
図5(a)に示した第1の形態では、まず、駐車施設制御部6において、駐車施設側カメラ3a、3bによって、駐車支援車両に決定された車両10が撮像されたか否かを判断する(ステップS71)。例えば、図6(a)に示したように駐車施設側カメラ3aによって車両10が撮像された(すなわち、車両10が、駐車施設側カメラ3aの撮像領域(図の斜線部)に入った)と判断すれば、駐車支援情報の生成処理を開始させるための駐車支援開始信号を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信し(ステップS72)、その後、駐車支援情報を生成するための処理を開始し(ステップS73)、図7−1〜図7−3に示した駐車支援処理へ進む。なお、図6(a)における破線は、車両10の駐車軌跡を示しており、この場合、駐車操作を始める初期段階で駐車支援情報を生成するための処理を開始することが可能となっている。
【0061】
一方、駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された駐車支援開始信号を受信したか否かを判断し(ステップS74)、駐車支援開始信号を受信したと判断すれば、その後、駐車支援情報を生成するための処理を開始し(ステップS75)、図7−1〜図7−3に示した駐車支援処理へ進む。
【0062】
また図5(b)に示した第2の形態では、まず、駐車支援制御部16において、車両側カメラ11によって駐車施設側に設けられた所定の目印(例えば、駐車スペース2内に書かれたマークや特定の構造物等のポイント)が撮影されたか否かを判断する(ステップS81)。例えば、図6(b)に示したように車両側カメラ11によって駐車施設側の所定の目印Aが撮影されたと判断すれば、駐車支援情報の生成処理を開始させるための駐車支援開始信号を車両側通信部13を介して駐車施設装置8に送信し(ステップS82)、その後、駐車支援情報を生成するための処理を開始し(ステップS83)、図7−1〜図7−3に示した駐車支援処理へ進む。なお、図6(b)における破線は、車両10の駐車軌跡を示しており、車両10を駐車スペース2へ向けて移動させる段階で駐車支援情報を生成するための処理を開始することが可能となっている。
【0063】
一方、駐車施設制御部6では、駐車支援装置20から送信された駐車支援開始信号を受信したか否かを判断し(ステップS84)、駐車支援開始信号を受信したと判断すれば、駐車支援情報を生成するための処理を開始し(ステップS85)、図7−1〜図7−3に示した駐車支援処理へ進む。
【0064】
また図5(c)に示した第3の形態では、まず、駐車支援制御部16において、入力部17に設けられた駐車支援開始スイッチの操作案内を行い(ステップS91)、駐車支援開始スイッチの入力操作があったか否かを判断し(ステップS92)、駐車支援開始スイッチの入力操作があったと判断すれば、駐車支援情報の生成処理を開始させるための駐車支援開始信号を車両側通信部13を介して駐車施設装置8に送信し(ステップS93)、その後、駐車支援情報を生成するための処理を開始し(ステップS94)、図7−1〜図7−3に示した駐車支援処理へ進む。
【0065】
一方、駐車施設制御部6では、駐車支援装置20から送信された駐車支援開始信号を受信したか否かを判断し(ステップS95)、駐車支援開始信号を受信したと判断すれば、駐車支援情報を生成するための処理を開始し(ステップS96)、図7−1〜図7−3に示した駐車支援処理へ進む。
【0066】
次に実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置20(の駐車支援制御部16)と駐車施設装置8(の駐車施設制御部6)との間で行われる駐車支援処理動作を図7−1〜図7−3に示したフロ−チャートに基づいて説明する。なお、本処理動作は駐車支援開始処理動作(ステップS73、A75、ステップS83、S85、又はステップS94、S96)に続いて実行され、ここでは図7−1〜図7−3に示した3つの異なる処理形態について順に説明する。
【0067】
図7−1に示した第1の形態では、駐車支援のための計算等の駐車支援情報の生成処理が、駐車支援装置20で行われるように構成されており、まず、駐車施設制御部6において、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データと駐車施設情報とを含む駐車施設側情報を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する処理を行う(ステップS101)。
【0068】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された駐車施設側情報を受信したか否かを判断し(ステップS102)、駐車施設側情報を受信したと判断すれば、受信した駐車施設側情報と、車両側カメラ11による撮像データやステアリング角度情報等の車両側の情報とに基づいて、駐車支援のための計算(誘導経路演算等)を行い(ステップS103)、算出された情報に基づいて駐車支援を実行する(ステップS104)。例えば、車両側カメラ11による撮像データと駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データとを合成(2画面に合成)し、さらに誘導経路を示す点線等の画像を重畳して表示部14に表示する。その後、車両側カメラ11による撮像データ等に基づいて、駐車が完了した(駐車目標位置に移動した)か否かを判断し(ステップS105)、駐車が完了していないと判断すれば、ステップS102からの処理を繰り返す一方、駐車が完了したと判断すれば、駐車支援装置20と駐車施設装置8との間で通信切断処理を行い(ステップS106、S107)、その後処理を終える。
【0069】
また、図7−2に示した第2の形態では、駐車支援のための計算等の駐車支援情報の生成処理が、駐車施設装置8で行われるように構成されており、まず、駐車支援制御部16において、車両側カメラ11による撮像データ、車両情報や車両状態(ステアリング操蛇角など)を示す情報を含む車両側情報を車両側通信部5を介して駐車施設装置8に送信する処理を行う(ステップS111)。
【0070】
駐車施設制御部6では、駐車支援装置20から送信された車両側情報を受信したか否かを判断し(ステップS112)、車両側情報を受信したと判断すれば、受信した車両側情報と、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データや駐車施設情報を含む駐車施設側の情報とに基づいて、駐車支援のための計算(誘導経路演算等)を行い(ステップS113)、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データや演算された誘導経路データを含む駐車支援情報を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する処理を行う(ステップS114)。
【0071】
駐車支援制御部16では、駐車施設装置8から送信された駐車支援情報を受信したか否かを判断し(ステップS115)、駐車支援情報を受信したと判断すれば、受信した駐車支援情報に基づいて駐車支援を実行する(ステップS116)。その後、駐車が完了したか否かを判断し(ステップS117)、駐車が完了していないと判断すればステップS111からの処理を繰り返す一方、駐車が完了したと判断すれば、駐車支援装置20と駐車施設装置8との間で通信切断処理を行い(ステップS118、S119)、その後処理を終える。
【0072】
また、図7−3に示した第3の形態では、駐車支援のための計算等の駐車支援情報の生成処理が、駐車施設装置8と駐車支援装置20とで分散して行われるように構成されており、まず、駐車施設制御部6において、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データと駐車施設情報とを含む駐車施設側情報に基づいて、駐車支援のための計算(誘導経路演算等)を行い(ステップS121)、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データ、算出された駐車支援のための情報(誘導経路情報等)を含む駐車施設側の駐車支援情報を駐車施設側通信部5を介して駐車支援装置20に送信する処理を行う(ステップS122)。
【0073】
一方、駐車支援制御部16では、車両側カメラ11による撮像データと車両情報や車両状態を示す情報とを含む車両側情報に基づいて、駐車支援のための計算(誘導経路演算等)を行い(ステップS123)、その後、駐車施設装置8から送信された駐車支援情報を受信したか否かを判断し(ステップS124)、該駐車支援情報を受信したと判断すれば、駐車施設装置8から取得した駐車支援情報と、車両側で求めた駐車支援情報とを踏まえた駐車支援情報を生成するための再計算を行い(ステップS125)、再計算された駐車支援情報に基づいた駐車支援を実行する(ステップS126)。その後、駐車が完了したか否かを判断し(ステップS127)、駐車が完了していないと判断すれば、ステップS122からの処理を繰り返す一方、駐車が完了したと判断すれば、駐車支援装置20と駐車施設装置8との間で通信切断処理を行い(ステップS128、S129)、その後処理を終える。
【0074】
上記実施の形態に係る駐車支援システムによれば、車両側カメラ11による撮像データだけでなく、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データが加味された駐車支援情報、すなわち異なる監視位置や方向から得られた複数の監視データに基づく駐車支援情報を車両側のユーザに提供することができ、精度の高い駐車操作が容易に行えるように運転者を支援することができるシステムを実現することができる。また、駐車施設装置8に駐車支援する車両を登録しておくことにより、駐車支援対象車両を管理することができ、登録された駐車支援対象車両に対して適切な駐車支援を行うことができるシステムとすることができる。
【0075】
また、駐車施設装置8によれば、駐車施設側通信部5を介して車両側から駐車支援車両の登録要求を受け付けた場合、当該車両を駐車支援対象車両として登録することができ、該登録された駐車支援対象車両に対して、駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データ及び車両側カメラ11による撮像データの両者を含む情報に基づく駐車支援を実行させるための制御やデータ処理を行うことができる。
【0076】
また、駐車施設装置8の記憶部7に記憶された駐車支援対象車両の識別情報と駐車支援装置20から取得した識別情報との照合結果により、駐車施設側通信部5の通信エリアに侵入してきた車両10を駐車支援車両とするか否かが決定されるので、駐車支援対象車両か否かを精度良く判定することができる。
【0077】
また、通信エリアに侵入してきた車両10を駐車支援車両とするか否かの決定に際して、駐車支援対象車両の登録台数と、駐車スペース2の駐車可能台数とが考慮されるので、駐車できない状況(駐車スペース2の空きがない状況等)で、駐車支援車両とする決定がなされることを防止でき、駐車状況に応じた無駄のない適切な駐車支援を行うことができる。
【0078】
また、駐車支援車両の決定順に駐車支援順位が付されるので、該駐車支援順位と駐車スペース2の駐車可能台数との関係から駐車スペース2の空き状況等を容易に把握することができ、車両10を駐車支援車両とするか否かの決定に際して役立てることができる。
【0079】
また、駐車スペース2が既に埋まっている場合、又は先に決定された駐車支援車両により駐車スペース2が埋まる場合には、車両を駐車支援車両としない決定を行うので、駐車スペース2に空きがない状況下で、駐車支援車両とする決定がなされることのないシステムとすることができる。
【0080】
また、駐車支援対象車両として登録されていない車両から駐車支援の要求を受け付けた場合、当該車両を駐車支援車両とするか否かが決定されるので、駐車支援対象車両として予め登録されていない車両であっても駐車支援車両とすることが可能となり、車両側の利便性を向上させることができる。
【0081】
また、駐車支援車両として決定された車両が駐車施設側カメラ3a又は3bにより検出された場合に、駐車支援が開始されるので、車両側では、駐車施設側カメラ3a又は3bによる監視範囲に車両10が侵入してきたタイミング、すなわち駐車の初期段階から駐車支援を受けることができる。
【0082】
また、駐車支援装置20によれば、車両側通信部13を介して駐車施設側に駐車支援対象車両への登録を要求することができ、当該車両を駐車施設側に駐車支援対象車両として登録させることができ、駐車施設側に設けられた駐車施設側カメラ3a、3bによる撮像データ及び車両側カメラ11による撮像データの両者を含む情報に基づく駐車支援を受けることができる。
【0083】
また、別の駐車支援処理動作では、駐車支援車両として決定された車両10の車両側カメラ11により駐車スペース2内の所定の目印(マーク等)が検出された場合に、駐車支援が開始されるので、車両側カメラ11により駐車スペース2内の所定の目印が検出されたタイミング、すなわち駐車スペース2に向けてこれから車両を移動させるタイミングで適切な駐車支援を受けることができる。
【0084】
なお、上記実施の形態では、駐車支援車両に決定されていない車両であっても、駐車スペースに空きがあれば、駐車支援情報の提供を受けない状態で駐車を行うことができるようになっているが、駐車支援車両に決定されていない車両の駐車を阻止するために、別の実施の形態に係る駐車施設装置では、図8に示したように駐車施設1の入口付近に、制御部6Aによって駆動制御される駐車規制装置9、すなわち、モータ等の駆動部9aを駆動させて進入規制板9bを傾動させて車両の進入を規制する装置が配設され、上述した駐車支援決定処理動作における駐車支援車両への決定可否結果に基づいて、駐車規制装置9の動作を制御する構成とすることもできる。
【0085】
例えば、駐車スペース2が空いている場合、進入規制板9bを立てた状態(破線で示した状態)に制御しておき、駐車施設制御部6Aにおいて、車両10に対して駐車支援車両とする決定がなされた場合(図3−1のステップS30、S32、又は図3−2のステップS53)に、進入規制板9bを倒して車両が進入できる状態に制御して、その後図5に示した駐車支援開始処理に進む構成とすることができる。
【0086】
あるいは、駐車支援車両に決定されていない車両が、進入しようとしたことを駐車施設側カメラ3a、3bで捕らえた場合に、駐車規制装置9の進入規制板9bを立てるように駆動させて、進入不可状態として、駐車支援車両に決定されていない車両の駐車スペース内への進入を阻止するように制御することができる。
【0087】
かかる構成により、駐車支援車両に決定された車両のみ駐車スペース2内への進入が許可され、駐車支援車両に決定されていない車両の駐車スペース2内への進入を確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態に係る駐車支援システムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われる駐車支援車両登録処理動作を示したフローチャートである。
【図3−1】実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われる駐車支援決定処理動作を示したフローチャートである。
【図3−2】実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われる駐車支援決定処理動作を示したフローチャートである。
【図3−3】実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われる駐車支援決定処理動作を示したフローチャートである。
【図4】(a)〜(d)は、駐車施設装置において、車両が駐車可能か否かを判断する処理を説明するための駐車スペース周辺の平面図である。
【図5】(a)〜(c)は、実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われる駐車支援開始処理動作を示したフローチャートである。
【図6】(a)、(b)は、実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われる駐車支援開始処理を説明するための駐車スペース周辺を示した平面図である。
【図7−1】実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われる駐車支援処理動作を示したフローチャートである。
【図7−2】実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われる別の駐車支援処理動作を示したフローチャートである。
【図7−3】実施の形態に係る駐車支援システムにおける駐車支援装置と駐車施設装置との間で行われるさらに別の駐車支援処理動作を示したフローチャートである。
【図8】別の実施の形態に係る駐車支援システムの概略構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0089】
1 駐車施設
2 駐車スペース
3a、3b 駐車施設側カメラ
5 駐車施設側通信部
6、6A 駐車施設側制御部
7 記憶部
8、8A 駐車施設装置
10 車両
11 車両側カメラ
13 車両側通信部
14 表示部
15 音声出力部
16 車両側制御部
17 入力部
18 記憶部
20 駐車支援装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車施設側に、駐車スペースを監視可能な第1の監視手段と、
無線通信機能を有する第1の通信手段と、
これら手段の制御やデータ処理機能を有する第1の制御手段とが装備され、
車両側に、自車周辺を監視可能な第2の監視手段と、
前記第1の通信手段と無線通信可能な第2の通信手段と、
前記第1の監視手段による監視データ及び前記第2の監視手段による監視データの両者を含む情報に基づいて生成された駐車支援情報を出力可能な情報出力手段と、
これら手段の制御やデータ処理機能を有する第2の制御手段とが装備され、
前記駐車施設側に、前記第1の通信手段と前記第2の通信手段との間で通信を行い、駐車支援対象車両の登録を行う登録手段を備えていることを特徴とする駐車支援システム。
【請求項2】
駐車スペースを監視可能な第1の監視手段と、
車両側に設けられた第2の通信手段と無線通信可能な第1の通信手段と、
前記第1の監視手段による監視データ及び車両側に設けられた第2の監視手段による監視データの両者を含む情報を用いた駐車支援を、登録された車両側で実現させるための制御やデータ処理を行う駐車施設制御手段と、
前記第1の通信手段を介して車両側から登録要求を受け付けた場合、当該車両を駐車支援対象車両として登録する車両登録手段とを備えていることを特徴とする駐車施設装置。
【請求項3】
前記車両登録手段により登録された駐車支援対象車両の識別情報と車両側から取得した識別情報とを照合して、当該車両を駐車支援車両とするか否かを決定する駐車支援車両決定手段を備え、
該駐車支援車両決定手段が、前記駐車スペースが既に埋まっている場合、又は先に決定された駐車支援車両により前記駐車スペースが埋まる場合には、当該車両を駐車支援車両としない決定を行うものであることを特徴とする請求項2記載の駐車施設装置。
【請求項4】
前記駐車支援車両として決定された車両が前記第1の監視手段により検出された場合に、前記駐車施設制御手段が、前記第1の監視手段による監視データ及び前記第2の監視手段による監視データの両者を含む駐車支援情報を生成する処理を開始するものであることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の駐車施設装置。
【請求項5】
前記車両登録手段により登録された駐車支援対象車両の識別情報と車両側から取得した識別情報とを照合して、当該車両を駐車支援車両とするか否かを決定する駐車支援車両決定手段と、
前記駐車スペース内への車両の進入を規制する駐車規制手段と、
前記駐車支援決定手段による駐車支援車両への決定可否結果に基づいて、前記駐車規制手段の動作を制御する駐車規制制御手段とを備えていることを特徴とする請求項2記載の駐車施設装置。
【請求項6】
自車周辺を監視可能な第2の監視手段と、
駐車施設側に設けられた第1の通信手段と無線通信可能な第2の通信手段と、
駐車施設側に設けられた第1の監視手段による監視データ及び前記第2の監視手段による監視データの両者を含む駐車支援情報を出力可能な情報出力手段と、
前記第2の通信手段を介して駐車施設側に駐車支援対象車両への登録を要求する車両登録要求手段とを備えていることを特徴とする駐車支援装置。
【請求項7】
駐車施設側から取得した前記第1の監視手段による監視データを含む駐車施設側情報と、前記第2の監視手段による監視データを含む車両側情報とに基づいて、前記駐車支援情報を生成する駐車支援情報生成手段を備えていることを特徴とする請求項6記載の駐車支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−161118(P2007−161118A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360777(P2005−360777)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】