駐輪機能付きバリケード
【課題】コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売店、又は市役所、図書館などの公共施設等の建築物に隣接され、自動車等の車両の急発進等による衝撃からそれらの建築物を保護しながらも、自転車の駐輪場としての機能も有するバリケードを提供する。
【解決手段】長孔16a,bが穿孔されている第一傾斜面11と、第一傾斜面11の上端部に延設又は着設され、長孔16a,bを貫通した自転車の車輪の一部と当接し得る裏面を有する第二傾斜面12とを含有し、立設される第一立設部1と、第二傾斜面12の地面に接する下端部に延設又は着設された第一接地部13と、第一立設部1より低い高さで立設され、第一傾斜面11と対向する第三傾斜面21と、第三傾斜面21の上端部に延設又は着設された第四傾斜面24とを含有し、立設される第二立設部2と、第四傾斜面22の地面に接する下端部に延設又は着設された第二接地部23とを有する。
【解決手段】長孔16a,bが穿孔されている第一傾斜面11と、第一傾斜面11の上端部に延設又は着設され、長孔16a,bを貫通した自転車の車輪の一部と当接し得る裏面を有する第二傾斜面12とを含有し、立設される第一立設部1と、第二傾斜面12の地面に接する下端部に延設又は着設された第一接地部13と、第一立設部1より低い高さで立設され、第一傾斜面11と対向する第三傾斜面21と、第三傾斜面21の上端部に延設又は着設された第四傾斜面24とを含有し、立設される第二立設部2と、第四傾斜面22の地面に接する下端部に延設又は着設された第二接地部23とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売店、又は市役所、図書館などの公共施設等の建築物に隣接され、自動車等の車両の急発進等による衝撃から建築物を保護する防御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両の運転免許を保有する高齢者や社会進出に伴って運転免許を保有する女性が増加している。警察庁による平成22年版の運転免許統計によると、平成22年度の運転免許保有者数は、総数で81,010,246であり、その内65歳以上の高齢者の割合は総数の15.7%と年々増加しており、また、女性の割合は総数の43.9%とやはり年々増加している。
【0003】
そのような社会的状況下において、例えばコンビニエンスストアに併設された駐車場に自動車を駐車していた運転者が、その自動車を発進させるときにコンビニエンスストアから遠ざかるように自動車を進ませる必要があるのに、誤って逆方向に自動車を進めてしまい、車両止めを乗り越えコンビニエンスストアに突っ込んでしまったという事故、コンビニエンスストアに併設された駐車場に自動車を駐車する際に、ブレーキを踏むべきところアクセルを踏んでしまい、コンビニエンスストアに突っ込んでしまったという事故、コンビニエンスストアに併設された駐車場に駐車していた自動車に他の自動車が勢いよく衝突し駐車していた自動車がコンビニエンスストアに突っ込んでしまったという事故、またスーパーマーケットなどの小売店などでも同様な事故が発生するなど、自動車が小売店に突っ込んでしまい被害が発生する事故がしばしば発生している。
【0004】
コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売店には、店舗外からの視認性や店舗内への採光性の観点から、駐車場に隣接する店舗外壁に大きなガラス板を設けている店舗も多い。そのような小売店で、前述のような事故が発生すると、小売店の破損の拡大もさることながら、店舗内のガラス板付近に偶然居合わせた従業員や客に大きな人的被害をもたらすこととなる。
【0005】
前述のような痛ましい事故がしばしば発生しているにも関わらず、そのような事故を防止する具体的な対策が施されていないのが実情であり、運転免許保有者総数、高齢者の運転免許保有者の割合及び女性の運転免許保有者の割合が年々上昇している近年の状況から、今後も同様な事故が発生し、死傷者が増えることが懸念されている。
【0006】
例えば、特許文献1では、中央部に風の通り道となる穿孔を有する平面を組み合わせて、その下部には八の字状に末広がりの形状の脚部を有し、道路工事・建設工事等の工事現場などで使用されるバリケードに関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−371525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の発明は、自動車等の車両の通行を妨げるものであるが、道路工事・建設工事等の工事現場などで使用されるバリケードであり、これをコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売店等に用いることはできる。しかしながら、そのように用いても単にそれら小売店等へ突入する自動車等の車両の通行を妨げることができるに過ぎず、自動車等の車両が暴走するなどの非常時には有用であるかもしれないが、平常時は一定の場所を占領する構造物であるため、そのバリケードを設置している間のほとんどは充分な機能を発揮することなく非常時のための保険として存在しているだけで、それ以上の付加価値を有するものではない。
【0009】
そこで、本発明では、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売店、又は市役所、図書館などの公共施設等の建築物に隣接され、自動車等の車両の急発進等による衝撃からそれらの建築物を保護しながらも、自転車の駐輪場としての機能も有するバリケードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、自転車の車輪の一部を挿入することができる長孔が穿孔されている第一傾斜面と、第一傾斜面の上端部に延設又は着設され、長孔を貫通した自転車の車輪の一部と当接し得る裏面を有する第二傾斜面とを含有し、立設される第一立設部と、第二傾斜面の地面に接する下端部に延設又は着設された第一接地部と、第一立設部より低い高さで立設され、第一傾斜面と対向する第三傾斜面と、第三傾斜面の上端部に延設又は着設された第四傾斜面とを含有し、立設される第二立設部と、第四傾斜面の地面に接する下端部に延設又は着設された第二接地部と、を有し、駐輪機能を有するバリケード。
である。
【0011】
そして、第二傾斜面が、第一傾斜面の上端部に平板又は曲面板を介して延設又は着設されていても良い。
【0012】
そして、第一傾斜面及び第二傾斜面の左右両端を平面状又は曲面状の側面部により着設していても良い。
【0013】
そして、第一接地部と第二接地部とにアンカー孔が設けられていても良い。
【0014】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に広告が付されていても良い。
【0015】
そして、広告が、直接印刷された広告、他の表示媒体に印刷された広告、又は電子計算機により制御された電子表示装置に表示される広告のいずれか一つであっても良い。
【0016】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に太陽電池パネルが付されていても良い。
【0017】
そして、第一傾斜面及び第四傾斜面に周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合が表示されていても良い。
【0018】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、第四傾斜面、又は側面部の少なくともいずれか一つの面に広告、太陽電池パネル、周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合のいずれか一つが付されていても良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第一傾斜面と第二傾斜面とを含有する第一立設部と、第一接地部と、第三傾斜面と第四傾斜面とを含有し、立設される第二立設部と、第二接地部とを有すれば、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売店、又は市役所、図書館などの公共施設等の建築物に隣接されたときに、自動車等の車両の急発進等による衝撃からそれらの建築物を保護しながらも、平常時は来客者の自転車を駐輪する装置としても利用することができる。
【0020】
そして、第二傾斜面が、第一傾斜面の上端部に平板又は曲面板を介して延設又は着設されていれば、第一傾斜面と第二傾斜面との距離を延ばすことができるため、車体が大きい車両であっても衝突時にその衝撃を大幅に低減することができる。
【0021】
そして、第一傾斜面及び第二傾斜面の左右両端を平面状又は曲面状の側面部により着設していれば、第一傾斜面及び第二傾斜面との間に挟まれた空洞の中に、人為的に投げ込まれた又は風で運ばれたゴミ又は落ち葉などの異物の侵入を防ぐことができる。
【0022】
そして、第一接地部と第二接地部とにアンカー孔が設けられていれば、そのアンカー孔にアンカーなどの固定具を貫通させて本発明のバリケードを地面と固定することができ、車体が大きい車両であってもその衝撃を食い止めることができ、またバリケード自体の盗難を防止することができる。
【0023】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に広告が付されていれば、非常時に自動車等の車両の衝突を食い止める斜面を、平常時は広告媒体として小売店等を利用する客又は小売店等の前を通行する客に対して商品やサービスを広告宣伝することができる。
【0024】
そして、広告が、直接印刷された広告であれば、バリケードの製作後の構造物よりもバリケードの製作前の板状又ロール状の材料に印刷することができるので広告を付することを容易に行うことができる。また、他の表示媒体に印刷された広告であれば、一定期間経過した広告を他の広告に変更するときに取り換え作業が容易である。また、さらに電子計算機により制御された電子表示装置に表示される広告であれば、夜間でも目につきやすいなどの宣伝広告効果がある。
【0025】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に太陽電池パネルが付されていれば、電動機付き自転車の充電を行うことができるため利用客の増加に役立つことができ、また小売店等に設置又は併設されている看板又は照明灯の電力を簡単に賄うことができる。
【0026】
そして、第一傾斜面及び第四傾斜面に周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合が表示されていれば、バリケードとしての物々しさを軽減し、自動車等の車両事故が起きていない平常時においてもバリケードが存在することの違和感を利用客や通行人に起させることを大いに軽減することができる。
【0027】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、第四傾斜面、又は側面部の少なくともいずれか一つの面に広告、太陽電池パネル、周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合のいずれか一つが付されていれば、バリケードをどの方向から見ても広告、太陽電池パネル、周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合のいずれか一つが付されていることとなり、どのような設置場所においても広告宣伝をすることができ、太陽光を受けることができ、バリケードが存在することの違和感を利用客や通行人に起させることを大いに軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施例の外観斜視図。
【図2】本発明の第一実施例の正面図。
【図3】本発明の第一実施例の平面図。
【図4】本発明の第一実施例の底面図。
【図5】本発明の第一実施例の背面図。
【図6】本発明の第一実施例の右側面図。
【図7】本発明の第一実施例に自転車を駐輪したときの使用状態図。
【図8】本発明の第二実施例の外観斜視図。
【図9】本発明の第三実施例の外観斜視図。
【図10】本発明の第四実施例の外観斜視図。
【図11】本発明の第五実施例の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係るバリケードに関する実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
図1〜図7において、実施例1の構造及び使用状態を示しており、実施例1は第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)とを含有する第一立設部(1)と、第一接地部(13)と、第三傾斜面(21)と第四傾斜面(22)とを含有する第二立設部(2)と、第二接地部(23)などで構成される。
【0031】
第一傾斜面(11)の上端部より水平に延設された接合面と、第二傾斜面(12)の上端部より水平に延設された接合面に、共に重なり合う円形状の穿孔を4個有し、そのそれぞれの孔にリベットを貫通しリベットの一端をかしめることにより第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)が着設されている。また、第一傾斜面(11)には、第一傾斜面(11)の下端部より水平に延設された第三接地部(14)と、第二傾斜面(12)には、第二傾斜面(12)の下端部より水平に延設された第一接地部(13)が設けられており、それぞれ第三接地部(14)及び第一接地部(13)には円形状のアンカー孔(15a、15b)が設けられている。また、第一傾斜面(11)には、自転車の車輪が入るように自転車の車輪幅よりも大きい幅で、上端部から下端部に長い長孔(16a、16b)が穿孔されており、自転車の前輪又は後輪を自由に出し入れすることができる。これらの構造により第一立設部(1)が構成されている。
【0032】
また、第一傾斜面(11)の上端部より水平に延設された接合面は穿孔に貫通したリベットにより着設されているが、接着剤又は溶接等の接合手段を用いて着設されても良い。そして、図1、図6、図7では、第一傾斜面(11)の傾斜角は約65度、第二傾斜面(12)の傾斜角は約90度で立設されているように示されているが、これらの角度に限定されるものでない。さらには、第一傾斜面(11)及び第二傾斜面(12)の上端部より水平に延設された接合面との間に他の平板又は曲面板を挟むように設けても良い。
【0033】
そして、第一傾斜面(11)の左端部から長孔(16a)までの距離と右端部から長孔(16b)までの距離との和は、長孔(16a)と長孔(16b)の間の距離とほぼ同じであり、本発明のバリケードを2個以上の複数個を直列に設置したとき、各長孔間の間隔は等しくなり、自転車を等間隔に駐輪できる。
【0034】
そして、図1〜図7において、第二傾斜面(12)は穿孔などを有していないが、第一傾斜面(11)のように長孔の形状の開口部や円形、楕円形、四角形若しくは三角形又はそれらの結合形状からなる開口部を有していても良い。
【0035】
そして、第一立設部(1)の高さ、すなわち地面より第一傾斜面(11)及び第二傾斜面(12)の上端部より水平に延設された接合面までの高さは、60〜100mmが好ましく、70〜90mmがより好ましい。その高さが60〜100mmの範囲にあれば、自動車等の車両の衝突による衝撃を十分に食い止めることができ、広告を付する際にも面積を広くとり広告宣伝効果として十分であり、太陽電池パネルを付する際にも面積の大きい太陽電池パネルを付することができず発電効率が良いためである。
【0036】
さらに、第一立設部(1)を構成する材質としては、ステンレス、鉄などの金属、アクリル、ガラス繊維強化プラスチックなどの高分子材料又は複合高分子材料などが好ましいが、自動車等の車両の衝突による衝撃を食い止めるためには金属がより好ましい。また、それらの厚みとしては、3〜7mmが好ましい。
【0037】
第三傾斜面(21)は、第一傾斜面(11)と対向するように傾斜しており、第三傾斜面(21)の上端より延設され折り曲げられて、第四傾斜面(22)が設けられている。また、第三傾斜面(21)には、第三傾斜面(21)の下端部より水平に延設された第四接地部(24)と、第四傾斜面(22)には、第四傾斜面(22)の下端部より水平に延設された第二接地部(23)が設けられており、それぞれ第四接地部(24)及び第二接地部(23)には円形状のアンカー孔(25a、25b)が設けられている。これらの構造により第二立設部(2)が構成されている。第二立設部(2)は、第一立設部(1)と第三接地部(14)のアンカー孔(15a)及び第四接地部(24)のアンカー孔(25a)とを貫通するアンカーなどの固定具が地面に固定されることにより着設される。
【0038】
そして、図1、図6、図7では、第三傾斜面(21)の傾斜角は約60度、第四傾斜面(22)の傾斜角も約60度で立設されているように示されているが、これらの角度に限定されるものでない。
【0039】
そして、そして、第二立設部(2)の高さ、すなわち地面より第三傾斜面(21)及び第四傾斜面(22)の上端部までの高さは、第一立設部(1)の高さより低い、35〜75mmが好ましく、45〜65mmが好ましい。その高さが35〜75mmの範囲あれば、図7に示すように自転車の車輪を支持することができ、長孔(16a、16b)及び第二傾斜面(12)により自転車の車輪をバリケードに固定することができる。また、第二立設部(2)を構成する材質としては、ステンレス、鉄などの金属、アクリル、ガラス繊維強化プラスチックなどの高分子材料又は複合高分子材料などが好ましい。また、それらの厚みとしては、3〜7mmが好ましい。
【0040】
なお、本実施例では、第一立設部(1)と第二立設部(2)とは別体として構成され、第三接地部(14)と第四接地部(24)が重ね合わせて固定されているが、第一立設部(1)と第二立設部(2)とを一体として構成されても良いし、また、第一立設部(1)と第二立設部(2)とを別体として構成されたとしても、第三接地部(14)と第四接地部(24)を重ね合わせずに、各々独立してアンカーなどの固定具にて地面に固定されても良い。
【0041】
(実施例2)
図8に示すように、実施例2のバリケードは、実施例1のバリケードに、第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)の左右両端を平面状の側面部(3)で着設し、第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)によって生じる空洞を右側面又は左側面からは見えないようにしている。図8では、左側面も右側面と同様に側面部(3)が第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)に着設されている。
【0042】
そして、実施例2では、第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)の左右両端を他の側面部(3)で着設しているが、側面部(3)に限られるものではなく、バリケード内側に湾曲している曲面板、バリケードの外側に湾曲した曲面板、又は凹凸を有する曲面板を使用しても良い。
【0043】
(実施例3)
図9に示すように、実施例3のバリケードは、実施例1のバリケードの第一傾斜面(11)に広告(4)が直接印刷されている。なお、第一傾斜面(11)、第二傾斜面(12)、又は第四傾斜面(21)の少なくともいずれか一つの傾斜面に広告が付されていれば良く、本実施例に限定されるものではない。例えば、第二傾斜面(12)に広告が付されていれば、駐車場に隣接する店舗外壁に大きなガラス板を設けている小売店等において、店の中からもその広告を視認することができ広告宣伝効果を発揮することができる。また、本発明のバリケードには自転車の駐輪しうる機能を有しているため、利用客は自転車に施錠するときに特に第一傾斜面(11)、又は第四傾斜面(21)を目にすることにより広告宣伝効果を発揮することができる。
【0044】
広告の内容としては、企業が商業上の目的で商品やサービス、事業の情報を積極的に宣伝することはもちろん、市役所などの行政機関が市民などに行政サービスを告知することも含むものである。
【0045】
広告の表示手段としては、本発明のバリケードに直接印刷する手段、樹脂シートや金属板など他の表示媒体に印刷したものを本発明のバリケードに着設させる手段、又はパソコンなどの電子計算機により制御された電光掲示装置、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイなどの電子表示装置に表示する手段が好ましい。
【0046】
また、実施例2に示した側面部(3)に、広告を付しても良い。このように側面部(3)にも広告を付すると、周囲の様々な角度から広告を視認することができ、より大きな広告宣伝効果が得られる。
【0047】
(実施例4)
図10に示すように、実施例4のバリケードは、実施例1のバリケードの第一傾斜面(11)に多結晶シリコン型太陽電池を有する太陽電池パネル(5)が付されている。なお、第一傾斜面(11)、第二傾斜面(12)、又は第四傾斜面(21)の少なくともいずれか一つの傾斜面に太陽電池パネル(5)が付されていれば良く、本実施例に限定されるものではない。太陽電池パネル(5)を構成する太陽電池としては、光起電力硬化を使用し光エネルギーを直接電力に変換する機器であれば良く、単結晶シリコン型太陽電池、多結晶シリコン型太陽電池、InGaAs等の化合物系太陽電池、又は有機化合物で構成される色素増感型太陽電池などを使用することができる。また、太陽電池パネル(5)で発電した電気を蓄えるための蓄電池を、第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)との間の空間などに設置することもできる。このような蓄電池を使用することにより、曇天時又は雨天時であっても電動機付き自転車の充電を行うことができ、また小売店等に設置又は併設されている看板又は照明灯の電力を簡単に賄うことができる。
【0048】
(実施例5)
図11に示すように、実施例5のバリケードは、実施例1のバリケードの第一傾斜面(11)及び第四傾斜面(22)に茶系統の色彩を施してレンガの模様(6)を有している。例えば、外壁にレンガ様のパネルが埋め込まれているコンビニエンスストアに隣接して設ける場合、バリケードはその外壁の一部として視認されやすく、コンビニエンストアと調和するため、バリケードの物々しさを軽減することができる。バリケードの物々しさを軽減するために、周囲の建築物又は景色の一部を描くことにより、周囲の建築物又は景色と調和すれば良いのであって、本実施例のように色彩の施されたレンガの模様に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1・・・第一立設部
11・・第一傾斜面
12・・第二傾斜面
13・・第一接地部
14・・第三接地部
15a、15b・・アンカー孔
16a、16b・・長孔
2・・・第二立設部
21・・第三傾斜面
22・・第四傾斜面
23・・第二接地部
24・・第四接地部
25a、25b・・アンカー孔
3・・・側面部
4・・・広告
5・・・太陽電池パネル
6・・・レンガの模様
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売店、又は市役所、図書館などの公共施設等の建築物に隣接され、自動車等の車両の急発進等による衝撃から建築物を保護する防御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両の運転免許を保有する高齢者や社会進出に伴って運転免許を保有する女性が増加している。警察庁による平成22年版の運転免許統計によると、平成22年度の運転免許保有者数は、総数で81,010,246であり、その内65歳以上の高齢者の割合は総数の15.7%と年々増加しており、また、女性の割合は総数の43.9%とやはり年々増加している。
【0003】
そのような社会的状況下において、例えばコンビニエンスストアに併設された駐車場に自動車を駐車していた運転者が、その自動車を発進させるときにコンビニエンスストアから遠ざかるように自動車を進ませる必要があるのに、誤って逆方向に自動車を進めてしまい、車両止めを乗り越えコンビニエンスストアに突っ込んでしまったという事故、コンビニエンスストアに併設された駐車場に自動車を駐車する際に、ブレーキを踏むべきところアクセルを踏んでしまい、コンビニエンスストアに突っ込んでしまったという事故、コンビニエンスストアに併設された駐車場に駐車していた自動車に他の自動車が勢いよく衝突し駐車していた自動車がコンビニエンスストアに突っ込んでしまったという事故、またスーパーマーケットなどの小売店などでも同様な事故が発生するなど、自動車が小売店に突っ込んでしまい被害が発生する事故がしばしば発生している。
【0004】
コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売店には、店舗外からの視認性や店舗内への採光性の観点から、駐車場に隣接する店舗外壁に大きなガラス板を設けている店舗も多い。そのような小売店で、前述のような事故が発生すると、小売店の破損の拡大もさることながら、店舗内のガラス板付近に偶然居合わせた従業員や客に大きな人的被害をもたらすこととなる。
【0005】
前述のような痛ましい事故がしばしば発生しているにも関わらず、そのような事故を防止する具体的な対策が施されていないのが実情であり、運転免許保有者総数、高齢者の運転免許保有者の割合及び女性の運転免許保有者の割合が年々上昇している近年の状況から、今後も同様な事故が発生し、死傷者が増えることが懸念されている。
【0006】
例えば、特許文献1では、中央部に風の通り道となる穿孔を有する平面を組み合わせて、その下部には八の字状に末広がりの形状の脚部を有し、道路工事・建設工事等の工事現場などで使用されるバリケードに関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−371525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の発明は、自動車等の車両の通行を妨げるものであるが、道路工事・建設工事等の工事現場などで使用されるバリケードであり、これをコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売店等に用いることはできる。しかしながら、そのように用いても単にそれら小売店等へ突入する自動車等の車両の通行を妨げることができるに過ぎず、自動車等の車両が暴走するなどの非常時には有用であるかもしれないが、平常時は一定の場所を占領する構造物であるため、そのバリケードを設置している間のほとんどは充分な機能を発揮することなく非常時のための保険として存在しているだけで、それ以上の付加価値を有するものではない。
【0009】
そこで、本発明では、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売店、又は市役所、図書館などの公共施設等の建築物に隣接され、自動車等の車両の急発進等による衝撃からそれらの建築物を保護しながらも、自転車の駐輪場としての機能も有するバリケードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、自転車の車輪の一部を挿入することができる長孔が穿孔されている第一傾斜面と、第一傾斜面の上端部に延設又は着設され、長孔を貫通した自転車の車輪の一部と当接し得る裏面を有する第二傾斜面とを含有し、立設される第一立設部と、第二傾斜面の地面に接する下端部に延設又は着設された第一接地部と、第一立設部より低い高さで立設され、第一傾斜面と対向する第三傾斜面と、第三傾斜面の上端部に延設又は着設された第四傾斜面とを含有し、立設される第二立設部と、第四傾斜面の地面に接する下端部に延設又は着設された第二接地部と、を有し、駐輪機能を有するバリケード。
である。
【0011】
そして、第二傾斜面が、第一傾斜面の上端部に平板又は曲面板を介して延設又は着設されていても良い。
【0012】
そして、第一傾斜面及び第二傾斜面の左右両端を平面状又は曲面状の側面部により着設していても良い。
【0013】
そして、第一接地部と第二接地部とにアンカー孔が設けられていても良い。
【0014】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に広告が付されていても良い。
【0015】
そして、広告が、直接印刷された広告、他の表示媒体に印刷された広告、又は電子計算機により制御された電子表示装置に表示される広告のいずれか一つであっても良い。
【0016】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に太陽電池パネルが付されていても良い。
【0017】
そして、第一傾斜面及び第四傾斜面に周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合が表示されていても良い。
【0018】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、第四傾斜面、又は側面部の少なくともいずれか一つの面に広告、太陽電池パネル、周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合のいずれか一つが付されていても良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第一傾斜面と第二傾斜面とを含有する第一立設部と、第一接地部と、第三傾斜面と第四傾斜面とを含有し、立設される第二立設部と、第二接地部とを有すれば、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売店、又は市役所、図書館などの公共施設等の建築物に隣接されたときに、自動車等の車両の急発進等による衝撃からそれらの建築物を保護しながらも、平常時は来客者の自転車を駐輪する装置としても利用することができる。
【0020】
そして、第二傾斜面が、第一傾斜面の上端部に平板又は曲面板を介して延設又は着設されていれば、第一傾斜面と第二傾斜面との距離を延ばすことができるため、車体が大きい車両であっても衝突時にその衝撃を大幅に低減することができる。
【0021】
そして、第一傾斜面及び第二傾斜面の左右両端を平面状又は曲面状の側面部により着設していれば、第一傾斜面及び第二傾斜面との間に挟まれた空洞の中に、人為的に投げ込まれた又は風で運ばれたゴミ又は落ち葉などの異物の侵入を防ぐことができる。
【0022】
そして、第一接地部と第二接地部とにアンカー孔が設けられていれば、そのアンカー孔にアンカーなどの固定具を貫通させて本発明のバリケードを地面と固定することができ、車体が大きい車両であってもその衝撃を食い止めることができ、またバリケード自体の盗難を防止することができる。
【0023】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に広告が付されていれば、非常時に自動車等の車両の衝突を食い止める斜面を、平常時は広告媒体として小売店等を利用する客又は小売店等の前を通行する客に対して商品やサービスを広告宣伝することができる。
【0024】
そして、広告が、直接印刷された広告であれば、バリケードの製作後の構造物よりもバリケードの製作前の板状又ロール状の材料に印刷することができるので広告を付することを容易に行うことができる。また、他の表示媒体に印刷された広告であれば、一定期間経過した広告を他の広告に変更するときに取り換え作業が容易である。また、さらに電子計算機により制御された電子表示装置に表示される広告であれば、夜間でも目につきやすいなどの宣伝広告効果がある。
【0025】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に太陽電池パネルが付されていれば、電動機付き自転車の充電を行うことができるため利用客の増加に役立つことができ、また小売店等に設置又は併設されている看板又は照明灯の電力を簡単に賄うことができる。
【0026】
そして、第一傾斜面及び第四傾斜面に周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合が表示されていれば、バリケードとしての物々しさを軽減し、自動車等の車両事故が起きていない平常時においてもバリケードが存在することの違和感を利用客や通行人に起させることを大いに軽減することができる。
【0027】
そして、第一傾斜面、第二傾斜面、第四傾斜面、又は側面部の少なくともいずれか一つの面に広告、太陽電池パネル、周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合のいずれか一つが付されていれば、バリケードをどの方向から見ても広告、太陽電池パネル、周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合のいずれか一つが付されていることとなり、どのような設置場所においても広告宣伝をすることができ、太陽光を受けることができ、バリケードが存在することの違和感を利用客や通行人に起させることを大いに軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施例の外観斜視図。
【図2】本発明の第一実施例の正面図。
【図3】本発明の第一実施例の平面図。
【図4】本発明の第一実施例の底面図。
【図5】本発明の第一実施例の背面図。
【図6】本発明の第一実施例の右側面図。
【図7】本発明の第一実施例に自転車を駐輪したときの使用状態図。
【図8】本発明の第二実施例の外観斜視図。
【図9】本発明の第三実施例の外観斜視図。
【図10】本発明の第四実施例の外観斜視図。
【図11】本発明の第五実施例の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係るバリケードに関する実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
図1〜図7において、実施例1の構造及び使用状態を示しており、実施例1は第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)とを含有する第一立設部(1)と、第一接地部(13)と、第三傾斜面(21)と第四傾斜面(22)とを含有する第二立設部(2)と、第二接地部(23)などで構成される。
【0031】
第一傾斜面(11)の上端部より水平に延設された接合面と、第二傾斜面(12)の上端部より水平に延設された接合面に、共に重なり合う円形状の穿孔を4個有し、そのそれぞれの孔にリベットを貫通しリベットの一端をかしめることにより第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)が着設されている。また、第一傾斜面(11)には、第一傾斜面(11)の下端部より水平に延設された第三接地部(14)と、第二傾斜面(12)には、第二傾斜面(12)の下端部より水平に延設された第一接地部(13)が設けられており、それぞれ第三接地部(14)及び第一接地部(13)には円形状のアンカー孔(15a、15b)が設けられている。また、第一傾斜面(11)には、自転車の車輪が入るように自転車の車輪幅よりも大きい幅で、上端部から下端部に長い長孔(16a、16b)が穿孔されており、自転車の前輪又は後輪を自由に出し入れすることができる。これらの構造により第一立設部(1)が構成されている。
【0032】
また、第一傾斜面(11)の上端部より水平に延設された接合面は穿孔に貫通したリベットにより着設されているが、接着剤又は溶接等の接合手段を用いて着設されても良い。そして、図1、図6、図7では、第一傾斜面(11)の傾斜角は約65度、第二傾斜面(12)の傾斜角は約90度で立設されているように示されているが、これらの角度に限定されるものでない。さらには、第一傾斜面(11)及び第二傾斜面(12)の上端部より水平に延設された接合面との間に他の平板又は曲面板を挟むように設けても良い。
【0033】
そして、第一傾斜面(11)の左端部から長孔(16a)までの距離と右端部から長孔(16b)までの距離との和は、長孔(16a)と長孔(16b)の間の距離とほぼ同じであり、本発明のバリケードを2個以上の複数個を直列に設置したとき、各長孔間の間隔は等しくなり、自転車を等間隔に駐輪できる。
【0034】
そして、図1〜図7において、第二傾斜面(12)は穿孔などを有していないが、第一傾斜面(11)のように長孔の形状の開口部や円形、楕円形、四角形若しくは三角形又はそれらの結合形状からなる開口部を有していても良い。
【0035】
そして、第一立設部(1)の高さ、すなわち地面より第一傾斜面(11)及び第二傾斜面(12)の上端部より水平に延設された接合面までの高さは、60〜100mmが好ましく、70〜90mmがより好ましい。その高さが60〜100mmの範囲にあれば、自動車等の車両の衝突による衝撃を十分に食い止めることができ、広告を付する際にも面積を広くとり広告宣伝効果として十分であり、太陽電池パネルを付する際にも面積の大きい太陽電池パネルを付することができず発電効率が良いためである。
【0036】
さらに、第一立設部(1)を構成する材質としては、ステンレス、鉄などの金属、アクリル、ガラス繊維強化プラスチックなどの高分子材料又は複合高分子材料などが好ましいが、自動車等の車両の衝突による衝撃を食い止めるためには金属がより好ましい。また、それらの厚みとしては、3〜7mmが好ましい。
【0037】
第三傾斜面(21)は、第一傾斜面(11)と対向するように傾斜しており、第三傾斜面(21)の上端より延設され折り曲げられて、第四傾斜面(22)が設けられている。また、第三傾斜面(21)には、第三傾斜面(21)の下端部より水平に延設された第四接地部(24)と、第四傾斜面(22)には、第四傾斜面(22)の下端部より水平に延設された第二接地部(23)が設けられており、それぞれ第四接地部(24)及び第二接地部(23)には円形状のアンカー孔(25a、25b)が設けられている。これらの構造により第二立設部(2)が構成されている。第二立設部(2)は、第一立設部(1)と第三接地部(14)のアンカー孔(15a)及び第四接地部(24)のアンカー孔(25a)とを貫通するアンカーなどの固定具が地面に固定されることにより着設される。
【0038】
そして、図1、図6、図7では、第三傾斜面(21)の傾斜角は約60度、第四傾斜面(22)の傾斜角も約60度で立設されているように示されているが、これらの角度に限定されるものでない。
【0039】
そして、そして、第二立設部(2)の高さ、すなわち地面より第三傾斜面(21)及び第四傾斜面(22)の上端部までの高さは、第一立設部(1)の高さより低い、35〜75mmが好ましく、45〜65mmが好ましい。その高さが35〜75mmの範囲あれば、図7に示すように自転車の車輪を支持することができ、長孔(16a、16b)及び第二傾斜面(12)により自転車の車輪をバリケードに固定することができる。また、第二立設部(2)を構成する材質としては、ステンレス、鉄などの金属、アクリル、ガラス繊維強化プラスチックなどの高分子材料又は複合高分子材料などが好ましい。また、それらの厚みとしては、3〜7mmが好ましい。
【0040】
なお、本実施例では、第一立設部(1)と第二立設部(2)とは別体として構成され、第三接地部(14)と第四接地部(24)が重ね合わせて固定されているが、第一立設部(1)と第二立設部(2)とを一体として構成されても良いし、また、第一立設部(1)と第二立設部(2)とを別体として構成されたとしても、第三接地部(14)と第四接地部(24)を重ね合わせずに、各々独立してアンカーなどの固定具にて地面に固定されても良い。
【0041】
(実施例2)
図8に示すように、実施例2のバリケードは、実施例1のバリケードに、第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)の左右両端を平面状の側面部(3)で着設し、第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)によって生じる空洞を右側面又は左側面からは見えないようにしている。図8では、左側面も右側面と同様に側面部(3)が第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)に着設されている。
【0042】
そして、実施例2では、第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)の左右両端を他の側面部(3)で着設しているが、側面部(3)に限られるものではなく、バリケード内側に湾曲している曲面板、バリケードの外側に湾曲した曲面板、又は凹凸を有する曲面板を使用しても良い。
【0043】
(実施例3)
図9に示すように、実施例3のバリケードは、実施例1のバリケードの第一傾斜面(11)に広告(4)が直接印刷されている。なお、第一傾斜面(11)、第二傾斜面(12)、又は第四傾斜面(21)の少なくともいずれか一つの傾斜面に広告が付されていれば良く、本実施例に限定されるものではない。例えば、第二傾斜面(12)に広告が付されていれば、駐車場に隣接する店舗外壁に大きなガラス板を設けている小売店等において、店の中からもその広告を視認することができ広告宣伝効果を発揮することができる。また、本発明のバリケードには自転車の駐輪しうる機能を有しているため、利用客は自転車に施錠するときに特に第一傾斜面(11)、又は第四傾斜面(21)を目にすることにより広告宣伝効果を発揮することができる。
【0044】
広告の内容としては、企業が商業上の目的で商品やサービス、事業の情報を積極的に宣伝することはもちろん、市役所などの行政機関が市民などに行政サービスを告知することも含むものである。
【0045】
広告の表示手段としては、本発明のバリケードに直接印刷する手段、樹脂シートや金属板など他の表示媒体に印刷したものを本発明のバリケードに着設させる手段、又はパソコンなどの電子計算機により制御された電光掲示装置、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイなどの電子表示装置に表示する手段が好ましい。
【0046】
また、実施例2に示した側面部(3)に、広告を付しても良い。このように側面部(3)にも広告を付すると、周囲の様々な角度から広告を視認することができ、より大きな広告宣伝効果が得られる。
【0047】
(実施例4)
図10に示すように、実施例4のバリケードは、実施例1のバリケードの第一傾斜面(11)に多結晶シリコン型太陽電池を有する太陽電池パネル(5)が付されている。なお、第一傾斜面(11)、第二傾斜面(12)、又は第四傾斜面(21)の少なくともいずれか一つの傾斜面に太陽電池パネル(5)が付されていれば良く、本実施例に限定されるものではない。太陽電池パネル(5)を構成する太陽電池としては、光起電力硬化を使用し光エネルギーを直接電力に変換する機器であれば良く、単結晶シリコン型太陽電池、多結晶シリコン型太陽電池、InGaAs等の化合物系太陽電池、又は有機化合物で構成される色素増感型太陽電池などを使用することができる。また、太陽電池パネル(5)で発電した電気を蓄えるための蓄電池を、第一傾斜面(11)と第二傾斜面(12)との間の空間などに設置することもできる。このような蓄電池を使用することにより、曇天時又は雨天時であっても電動機付き自転車の充電を行うことができ、また小売店等に設置又は併設されている看板又は照明灯の電力を簡単に賄うことができる。
【0048】
(実施例5)
図11に示すように、実施例5のバリケードは、実施例1のバリケードの第一傾斜面(11)及び第四傾斜面(22)に茶系統の色彩を施してレンガの模様(6)を有している。例えば、外壁にレンガ様のパネルが埋め込まれているコンビニエンスストアに隣接して設ける場合、バリケードはその外壁の一部として視認されやすく、コンビニエンストアと調和するため、バリケードの物々しさを軽減することができる。バリケードの物々しさを軽減するために、周囲の建築物又は景色の一部を描くことにより、周囲の建築物又は景色と調和すれば良いのであって、本実施例のように色彩の施されたレンガの模様に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1・・・第一立設部
11・・第一傾斜面
12・・第二傾斜面
13・・第一接地部
14・・第三接地部
15a、15b・・アンカー孔
16a、16b・・長孔
2・・・第二立設部
21・・第三傾斜面
22・・第四傾斜面
23・・第二接地部
24・・第四接地部
25a、25b・・アンカー孔
3・・・側面部
4・・・広告
5・・・太陽電池パネル
6・・・レンガの模様
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の車輪の一部を挿入することができる長孔が穿孔されている第一傾斜面と、
第一傾斜面の上端部に延設又は着設され、長孔を貫通した自転車の車輪の一部と当接し得る裏面を有する第二傾斜面とを含有し、立設される第一立設部と、
第二傾斜面の地面に接する下端部に延設又は着設された第一接地部と、
第一立設部より低い高さで立設され、第一傾斜面と対向する第三傾斜面と、第三傾斜面の上端部に延設又は着設された第四傾斜面とを含有し、立設される第二立設部と、
第四傾斜面の地面に接する下端部に延設又は着設された第二接地部と、
を有することを特徴とする駐輪機能を有するバリケード。
【請求項2】
第二傾斜面が、第一傾斜面の上端部に平板又は曲面板を介して延設又は着設されていることを特徴とする請求項1に記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項3】
第一傾斜面及び第二傾斜面の左右両端を平面状又は曲面状の側面部により着設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項4】
第一接地部と第二接地部とにアンカー孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項5】
第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に広告が付されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項6】
広告が、直接印刷された広告、他の表示媒体に印刷された広告、又は電子計算機により制御された電子表示装置に表示される広告のいずれか一つであることを特徴とする請求項5に記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項7】
第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に太陽電池パネルが付されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項8】
第一傾斜面及び第四傾斜面に周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合が表示されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項1】
自転車の車輪の一部を挿入することができる長孔が穿孔されている第一傾斜面と、
第一傾斜面の上端部に延設又は着設され、長孔を貫通した自転車の車輪の一部と当接し得る裏面を有する第二傾斜面とを含有し、立設される第一立設部と、
第二傾斜面の地面に接する下端部に延設又は着設された第一接地部と、
第一立設部より低い高さで立設され、第一傾斜面と対向する第三傾斜面と、第三傾斜面の上端部に延設又は着設された第四傾斜面とを含有し、立設される第二立設部と、
第四傾斜面の地面に接する下端部に延設又は着設された第二接地部と、
を有することを特徴とする駐輪機能を有するバリケード。
【請求項2】
第二傾斜面が、第一傾斜面の上端部に平板又は曲面板を介して延設又は着設されていることを特徴とする請求項1に記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項3】
第一傾斜面及び第二傾斜面の左右両端を平面状又は曲面状の側面部により着設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項4】
第一接地部と第二接地部とにアンカー孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項5】
第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に広告が付されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項6】
広告が、直接印刷された広告、他の表示媒体に印刷された広告、又は電子計算機により制御された電子表示装置に表示される広告のいずれか一つであることを特徴とする請求項5に記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項7】
第一傾斜面、第二傾斜面、又は第四傾斜面の少なくともいずれか一つの傾斜面に太陽電池パネルが付されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の駐輪機能を有するバリケード。
【請求項8】
第一傾斜面及び第四傾斜面に周囲の建築物又は景色と調和した色彩若しくは模様又はそれの結合が表示されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の駐輪機能を有するバリケード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−246652(P2012−246652A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117840(P2011−117840)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(511128310)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(511128310)
【Fターム(参考)】
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