説明

骨粗鬆症の治療または予防のための栄養組成物および治療または予防のための方法

栄養組成物ならびに骨粗鬆症の治療または予防におけるその組成物の使用が開示される。その組成物は、(A)本質的にフラボノイド類、ヒドロキシ桂皮酸類および少なくとも約20重量%が可溶性繊維である繊維成分を含む乾燥果実固体、ならびに(B)本質的に乾燥果実固体中の可溶性繊維に加えての可溶性難消化性オリゴ糖を含む。前記乾燥果実固体は、乾燥プラム、乾燥ブドウ、乾燥ナツメヤシまたは乾燥イチジクから選択されるものを特徴とすることもできる。乾燥果実固体(例:乾燥プラム固体)および可溶性難消化性オリゴ糖(例:フルクトオリゴ糖)の組み合わせが、単独で使用した場合のいずれの成分より、骨塩量に影響を与える点で驚くほど効果が高いことが認められていることから、飲料または固体栄養バーなどの栄養製品形態中でのそのような成分の濃度を低くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある種の乾燥果実固体と組み合わされた可溶性の難消化性オリゴ糖を含む栄養 組成物に関する。その組成物は、骨減少症の改善および骨量減少の予防などの骨粗鬆症の治療または予防において有用である。
【背景技術】
【0002】
数百万の人々が、低い骨塩量または骨塩量低下を特徴とし、有痛かつ場合によっては生命の危険がある骨折を生じる場合が多い状態または疾患である骨粗鬆症を患っている。
【0003】
骨粗鬆症は、原発性または続発性のいずれかに分類することができる。原発性骨粗鬆症は、閉経(自然、早期または手術)、加齢またはその両方に関連するものである。続発性骨粗鬆症は、ページェット病、慢性腎臓疾患、摂食障害から生じる無月経、移植、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症(parathyroidism)およびその他などの医学的状態に関連する。続発性骨粗鬆症は、各種癌化学療法、ゴナドトロピン放出ホルモン作働薬、避妊用のメドロキシプロゲステリン(medroxy progesterine)酢酸塩、副腎皮質ステロイド類、抗痙攣薬およびその他などのある種の医薬使用に関連するものでもあり得る。
【0004】
閉経後女性でのエストロゲン療法、カルシトニン投与、副甲状腺ホルモン、ビスホスフォネート類その他の適切な個人での類似の投薬または療法などの文献で公知であるか別の形で記載されている骨粗鬆症を治療または予防する多くの異なる方法がある。しかしながら、これらの多くの医薬の使用は、それ自体の固有のリスクおよび副作用プロファイルを伴う場合が多く、そのうちの最も顕著なものは恐らく、閉経後女性におけるエストロゲンの使用およびそのような使用に関連する最近明らかになった懸念である。
【0005】
骨粗鬆症の他の治療または予防方法には、各種栄養素その他の天然材料の使用に関する各種食物管理方法などがある。それらの食物方法のうちで最も顕著なものは、骨粗鬆症発症リスクのある個人での個々の欠乏症を改善または予防するためのカルシウムまたはビタミンDの使用である。最近の推奨量は、全ての成人が少なくとも1200mg/日のカルシウムおよび400〜800IU/日のビタミンDを摂取するというものである。
【0006】
骨粗鬆症の治療または予防のための他の食物方法には、米国特許第6638540号(タマネギ、パセリ、キャベツ、ルッコラまたはキバナスズシロからの植物抽出物の使用);米国特許第6391309号(イソフラボン類、リグナン類、サポニン類、サポゲニン類、カテキン類およびフェノール酸類などの植物化学物質の使用;それらの好ましい入手源には、大豆、小麦、オオバコ、米、カラス麦、ムラサキツメクサ、葛、アルファルファ、アマおよびカカオなどがある。);米国特許第6340703号(大豆イソフラボンホルモノネチンの使用);米国特許第5830887号(ゲニステイン、ダイズイン、ホルモノネチンおよびバイオチャニンA(大豆から得ることができる)などの天然植物エストロゲン類の使用);米国特許第6436446B1(骨密度低下のリスクを低下させる上でのカルシウム、有機酸およびイソフラボンおよびイヌリンまたはオリゴ糖の使用。大豆がイソフラボン類の可能な入手源として開示されており、オリゴ糖にはFOSおよびグルコオリゴ糖類などがある。);およびWO02/074308(骨粗鬆症を予防するための多価不飽和酸との併用でのダイズイン、グリシテインおよびゲニステインなどの大豆その他のイソフラボン類の使用)に記載のものなどの各種の栄養素その他の天然物質の使用などがある。
【0007】
骨粗鬆症を治療または予防するためのさらに別の食物方法が米国特許第5612074号に記載されており、そこでは食物繊維、非動物性タンパク質、単純糖質、複合糖質、糖類、酸化防止剤およびレシチンで栄養強化したミールバーが開示されており、それは多価不飽和リノール酸、超不飽和α−リノレン酸、アミノ酸類、マグネシウム、クロロポリII(chloropolyII)およびピリドキシンを与え、ナトリウムおよびカリウムを含むが、コレステロール、人工香味料や着色料を含まず、ごくわずかな量の飽和脂肪を含む。食物繊維に関しては各種入手源が開示されており、オートミール、コーンミール、小麦胚芽、大麦、ライ麦、サイリウム種皮、リンゴペクチン、スペルト小麦、カムート小麦粉および乾燥硫黄処理ナツメヤシ、イチジク、パパイヤ、レーズン、アンズ、パイナップル、バナナ、桑の実、サクランボ、プルーン、スルタナおよびパイナップルなどがある。非動物性タンパク質の入手源には、大豆、小麦胚芽、ゼラチン、酵母、アーモンド、皮付きゴマ、ヒマワリの種、亜麻仁、オートミールおよび乳清などがある。
【0008】
WO01/97633には、ビタミン類、ミネラル類、大豆タンパク質、可溶性繊維およびカルシウムを含む食物製品が開示されている。その製品は、少なくとも1種類の粒子成分、栄養粉末および結合剤を含む。粒子成分は、大豆タンパク質、繊維、カルシウム、脂質および他のタンパク質源などの主要栄養素を提供することができる。好適な粒子成分は、穀粒フレーク、大豆粉、大豆タンパク質、大豆タンパク質単離物、落花生粉、カラスムギふすま、グアーガム、オオバコ、フルクトオリゴ糖(イヌリンなど)および/またはふすままたはカルボキシメチルセルロースからなどの不溶性繊維を原料とすることができる。粒子成分は、ナッツもしくはナッツ片または乾燥果実片を含むことができる。好適な乾燥果実の例には、レーズン、プルーン、サクランボ、リンゴ、パイナップル、西瓜、カンタロープ・メロン、イチジク、バナナ、ナツメヤシ、スグリ、アンズ、乾燥クランベリーおよびそれらの混合物などがある。
【0009】
骨粗鬆症治療または予防のさらに他の方法は、フルクトオリゴ糖類(FOS)の食物使用に関するものであり、その例が米国特許第5900255号に記載されていて、そこではミネラル類およびFOSなどの可消化オリゴ糖を含む骨粗鬆症の予防および治療用材料が開示されている。
【0010】
他の食物方法には、骨塩量に影響を与える上でのプラム類またはプルーン類の使用などがある。例えば、ある研究によれば、卵巣切除したラットに直ちに、45日間にわたって各種レベルの(5%および25%)乾燥プラムを摂取させた。高用量の乾燥プラムを摂取したラットでの4本の腰椎の骨量密度(BMD)は、シャム手術群のBMDと同様であった(Arjmandi et al., ″Prune: Its Efficacy in Prevention of Ovarian Hormone Deficiency-Induced Bone Loss,″ J.B.M.R. 1999; 14: S515)。卵巣ホルモン欠乏ラットの別の研究において、飼料の5、15または25%の乾燥プラムも、用量依存的に既存の骨量減少を改善することができた。この研究では、対照群と比較して何らかの濃度の乾燥プラムを摂取したラットの方が骨の強さが高かったことも明らかになっている(Deyhim, F., et al., ″Prune Dose-Dependently Reverses Bone Loss in Ovarian Deficient Rats,″ J.Bone & Mineral Research 1999; 14: S394)。ムールバウアー(Muhlbauer)は、雄ラットへのプルーンなどの各種食品の効果を調べており、乾燥ウイキョウ、根用セロリー、オレンジ類、プルーン類、サヤインゲンおよびキノコ類ならびに赤ワインの凍結乾燥残留物をラットに摂取させることで骨吸収が阻害されることを認めている(Muhlbauer, Roman C, et al., ″Various Selected Vegetables, Fruits, Mushrooms and Red Wine Residue Inhibit Bone Resorption in Rats,″ J. Nutr. 2003; 133: 3592-3597)。
【0011】
別に試験では、乾燥プラム100gを3ヶ月間にわたって閉経後女性に摂取させている(Arjmandi, B.M., et al., ″Dried Plums Improve Indices of Bone Formation in Postmenopausal Women,″ J. Women′s Health & Gender Based Medicine 2002; 11: 61-68)。インシュリン様成長因子および骨特異的アルカリホスファターゼの血清レベルが有意に上昇した。これらのマーカーは、骨形成速度上昇に関連しているが、骨吸収の生物マーカーは影響されなかった。この試験の結果は、乾燥プラムが閉経後女性における骨に対して好ましい効果をもたらし得るが、それは恐らく閉経後女性で加速される骨再建速度を低下させることによるものではないことを示唆している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
乾燥プラムは骨形成のある種の指標を改善する上で有効であることが知られているが、多くの人が乾燥プラムを好まないか、別の理由で骨形成に影響を与えるのに十分な1日量、すなわち1日100gまたは乾燥プラム約10個を摂取したがらない。これらの人では、乾燥プラムを飲料またはスナックまたはミールバーなどの製品形態にすることが望ましいものと考えられる。しかしながら、そのような多量の乾燥プラムが必要であることから、骨形成に影響を与えるだけの乾燥プラム固体を含む飲料またはミールバーなどの簡便な製品形態とすることには問題があった。
【0013】
本明細書で定義する乾燥果実固体および可溶性難消化性オリゴ糖の組み合わせが、いずれかの成分を単独で使用した場合と比較して、骨粗鬆症の治療または予防を行う上で驚くほど効果が高いことが認められた。特に、フルクトオリゴ糖および乾燥プラムの組み合わせが、いずれかの成分を単独で用いた場合と比較して、エストロゲン欠乏症で卵巣切除した骨減少症誘発雌ラットでの骨塩量変化において何倍も有効であることが認められている。
【0014】
ある種の乾燥果実固体と可溶性難消化性オリゴ糖の間のこの発見された関係のため、低い濃度の乾燥プラムおよび他の果実固体を含む栄養製品を調合することが可能であるが、ただし、その乾燥果実固体は本明細書で定義する可溶性難消化性オリゴ糖と併用される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、栄養組成物ならびに骨粗鬆症の治療または予防へのその組成物の使用方法に関するものである。その栄養組成物は、(A)本質的にファルコノイド(falconoid)、ヒドロキシ桂皮酸類および約20重量%が可溶性繊維である繊維成分を含む乾燥果実固体および(B)前記乾燥果実繊維に加えての可溶性の難消化性オリゴ糖を含む。これらの乾燥果実固体は、乾燥プラム類、乾燥ブドウ、乾燥イチジク、乾燥ナツメヤシまたはそれらの組み合わせから選択されるものと特徴付けることもできる。
【0016】
本明細書で定義する乾燥果実固体および可溶性難消化性オリゴ糖の組み合わせが、いずれかの成分を単独で用いた場合と比較して、骨塩量を増加させる上で驚くほど高い効果を有することが認められている。従って、本発明の栄養組成物は、骨塩量に影響する能力を維持しながら、低い濃度の乾燥果実固体を用いて製剤することができ、ただし、その乾燥果実固体は本明細書に記載の可溶性難消化性オリゴ糖成分との併用で用いる。
【0017】
本発明は、2つの別個の動物試験に基づいたものであり、そのいずれも下記にて要約しているが、可溶性難消化性オリゴ糖(例:フルクトオリゴ糖類)および乾燥果実固体(例:乾燥プラム固体類)の組み合わせによって、調べた動物モデルで骨塩量に有意な改善が生じている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の栄養組成物、ならびにそれら組成物の相当する使用方法には、必須要素または限定として、本明細書で定義する可溶性難消化性オリゴ糖および乾燥果実固体が含まれる。本発明の組成物および方法におけるこれらおよび他の必須もしくは適宜の要素または限定について、下記で詳細に説明する。
【0019】
本明細書で使用される「骨粗鬆症」という用語は、別段の断りがない限り、個人における骨塩量の低下または減少を指し、世界保健機構(WHO)が定義する骨粗鬆症および骨減少症の両方を含むものである。WHOは、許容される骨塩量を、正常値の片側標準偏差の範囲内にあるか、−1より大きいTスコアに相当するものと定義している。WHOは、骨減少症を、正常値の1〜2.5標準偏差の範囲内の骨塩量または−1〜−2.5のTスコアに相当するものによって定義している。WHOは、骨粗鬆症を、骨減少症のより重度の高いものと特徴付けており、正常値から2.5未満の標準偏差の骨塩量または−2.5未満のTスコアに相当するものによってそれを定義している。
【0020】
「治療」および「治療および予防」という用語は本明細書において互換的に用いられ、別段の断りがない限り、骨粗鬆症を患うか他の形で骨粗鬆症発症のリスクのある個人に関する方法を指し、骨塩量増加、骨塩量低下の速度もしくは開始の遅延、現在の骨塩量の維持または他の形態で骨粗鬆症の影響を受ける個人での骨塩量減少もしくは不足の一部もしくは全ての改善などの個人での骨塩量または構造に影響を与える方法を意味する。
【0021】
本明細書で使用される「脂質」という用語は、別段の断りがない限り、脂質、油およびそれらの組み合わせを意味する。
【0022】
本明細書で使用される全てのパーセント、部および比は、別段の断りがない限り、組成物全体の重量基準である。列記された成分に関係する場合の全てのそのような重量は、活性レベルに基づくものであることから、別段の断りがない限り、市販の材料に含まれ得る溶媒や副生成物を含まない。
【0023】
本明細書で使用される数値範囲は、具体的に開示されているか否かを問わず、その範囲内に含まれるあらゆる数字および数字部分集合を含むものである。さらに、これらの数値範囲は、その範囲中のあらゆる数字または数字部分集合に関する請求項に支持を提供するものと解釈すべきである。例えば1〜10という開示は、2〜8、3〜7、5、6、1〜9、3.6〜4.6、3.5〜9.9などの範囲を支持するものと解釈すべきである。
【0024】
本発明の単数での特徴または限定に言及している場合、それは別段の断りがない限り、またはその言及がある文脈によって反対の内容が明瞭に示唆されちる場合を除き、相当する複数の特徴または限定を包含するものとし、その逆も成り立つ。
【0025】
本明細書で使用される方法または工程段階のいずれの組み合わせも、別段の断りがない限り、または言及されている組み合わせが行われる文脈によって逆の内容が明瞭に示唆されている場合を除き、いずれの順序で行うことも可能である。
【0026】
本発明の組成物および方法は、本明細書に記載の具体的な成分を実質的に含まないものであることができるが、ただし残りの組成物は本明細書で定義の必須の限定の全てを含むものである。この文脈において、「実質的に含まない」という用語は、その組成物が代表的には指定の成分の重量基準で約2%未満(約0.5%未満、約0.1%未満、そして0%も含む)を包含することを意味する。
【0027】
本発明の組成物および方法は、本明細書に記載の本発明の必須の構成要素および限定、ならびに栄養もしくは医薬用途で有用な本明細書その他に記載の別のもしくは適宜の成分、構成要素もしくは限定を含むか、それから成るか、または本質的にそれからなるものであることができる。
【0028】
製品形態
本発明の栄養組成物は、公知その他の好適な経口製品形態で製剤化および投与することができる。組み合わせまたはそれの変形形態を含めたいずれの固体、液体または粉末形態も、本明細書での使用に好適であるが、ただしそのような形態はやはり本明細書に記載の必須成分の個人への安全かつ有効な経口送達を可能とするものである。
【0029】
本発明の栄養組成物は、本明細書に記載され、経口投与において安全かつ有効である必須成分を含む製品形態を包含するものである。その栄養組成物は、本明細書に記載の必須成分のみを含むように製剤化することができるか、適宜の成分で調整を行って多くの他の製品形態を形成することができる。本発明の栄養組成物は好ましくは、食物製品形態として製剤し、それは脂肪、タンパク質および炭水化物を含み、好ましくはビタミン類、ミネラル類もしくはそれらの組み合わせをも含む製品形態で本発明の必須成分を含む実施形態と本明細書では定義されている。
【0030】
従って本発明の栄養組成物は、ほとんど全ての従来その他の公知の食品製品形態などの各種の異なる製品形態を包含し得るものであり、それの例をいくつか挙げると菓子製品、シリアル、食品調味料(例:スプレッド、粉末、ソース、ジャム、ゼリー、コーヒークリームまたは甘味料)、パスタ、ベーキング材料もしくは調理材料(例:粉、脂肪もしくはオイル、バターもしくはマーガリン、ブレッディング・ミックスもしくはベーキング・ミックス)、加塩もしくは調味スナック類(例:押し出し、ベークド、フライド)、飲料(例:コーヒー、ジュース、炭酸飲料、非炭酸飲料、茶、アイスクリーム系飲料)、スナック類または代用食バー類(例:スリムファスト(Slimfast;商標名)バー、エンシュア(Ensure;商標名)バー、ゾーン・パーフェクトバー(ZonePerfect;商標名)バー、グルセルナ(Glucerna;商標名)バー)、スムージー、朝食用シリアル、チーズ、ガム製品、加塩または無塩クリスプスナック(例:チップス、クラッカー、プレッツェル)、ディップ類、焼き菓子(例:クッキー、カルクス(calces)、パイ、ペストリー、パン、ベーグル、クルトン、ドレッシング、ドライミックス(例:マフィン、クッキー、ワッフル、パンケーキ、飲料についての混合物)、冷凍デザート(例:アイスクリーム、アイスキャンデー、ファッジ・バー、クラッシュ・アイス、フローズンヨーグルト)、パスタ、加工肉(例:コーンドッグ、ハンバーガー、ホットドッグ、ソーセージ、ペパローニ)、ピザ、プリン、フレーバーもしくは非フレーバーゼラチン、冷蔵生地(例:クッキー、パン、ブラウニー)、牛乳もしくは大豆系スムージー、ヨーグルトまたはヨーグルト系飲料、フローズンヨーグルト、豆乳、スープ、植物系バーガーおよびポップコーン系スナックなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本発明の栄養組成物は、カプセル、錠剤、丸薬、カプレット、ゲル、液体(例:懸濁液、溶液、乳濁液)、粉剤その他の粒剤などの製品形態で製剤化することもできる。これらの製品形態は好ましくは、適宜に他の活性成分、加工助剤その他の製剤賦形剤と組み合わせて本明細書に記載の必須成分のみを含む。
【0032】
本発明の栄養組成物は、食物製品形態として製剤化する場合、個人に対する唯一の栄養源または補助的栄養源を提供し得るものである。この文脈において、唯一の栄養源とは、1日に1回または複数回投与して、個人に対して全てまたは実質的に全ての1日または所期の投与期間中の脂肪、タンパク質、炭水化物、ミネラルおよびビタミン必要量を提供することが可能なものである。補助栄養源は本明細書では、個人に可能性として唯一の栄養源を提供しない食料源と定義される。
【0033】
本発明の栄養組成物は好ましくは、牛乳系の液体、大豆系の液体、低pH液体、再生用粉末、栄養軽食(例:1個の包装に入った複数の相対的に小さい食料製品製剤)または栄養バー(スナックまたは代替食)として製剤される。
【0034】
可溶性難消化性オリゴ糖
本発明の栄養組成物は、可溶性難消化性オリゴ糖を含むものでなければならない。そのような材料は、各種の栄養製品および製品用途において公知であり、それのいずれも本発明の組成物および方法での使用でも好適であるが、ただしそのような材料は経口投与に好適なものであって、組成物中の他の必須成分および選択成分と適合性のものである。
【0035】
本発明の可溶性難消化性オリゴ糖成分は、本質的に下記で記載の乾燥果実成分の一部である同様のオリゴ糖成分とは独立のものである。本発明の選択される乾燥果実成分および可溶性難消化性オリゴ糖成分の組み合わせから得られる相乗的結果は、製剤にそれぞれを独立に添加することで得られるものであることが認められている。すなわち、乾燥果実が類似のオリゴ糖材料を含む可能性があるが、そのような材料は本発明のオリゴ糖成分に加えて、そしてそれとは独立に提供されるものでなければならない。
【0036】
本発明の組成物および方法で使用される可溶性難消化性オリゴ糖は、化学および栄養の分野では可溶性繊維に分類される。この文脈では、「可溶性」という用語は、オリゴ糖成分および米国穀物化学者協会(the American Association of Cereal Chemists;AACC)方法32−07(その方法は、栄養および化学業界で公知である。)に従って所定のpHの緩衝溶液中に溶解させるそれの能力を指す。例えば、オリゴ糖またはオリゴ糖を含む繊維源は、それに含まれる総食物繊維の少なくとも60%がAACC方法32−07による測定で可溶性繊維である場合に、可溶性であると見なされる。
【0037】
本発明の組成物および方法で使用される可溶性難消化性オリゴ糖は、難消化性でもなければならず、それはオリゴ糖がヒトの上部消化管での内因性消化に対して耐性であることを意味する。難消化性オリゴ糖は、2〜20、好ましくは6〜18(8〜14を含む)の重合度もしくは約3600未満の分子量またはその両方を有するものである。
【0038】
本発明の栄養組成物は好ましくは、個人に対して1日当たり約1g〜約50g、好ましくは約3g〜約30g(約5g〜約20gおよび約8g〜約15gを含む)の可溶性難消化性オリゴ糖を提供する上で十分な量の可溶性難消化性オリゴ糖を含む。
【0039】
可溶性難消化性オリゴ糖は好ましくは、栄養組成物中の炭水化物重量基準で、約1%〜約50%、より代表的には約10%〜約40%(約20%〜約30%を含む)に相当するものである。
【0040】
固体栄養バーなどの本発明の栄養組成物の固体実施形態の場合、その固体実施形態は好ましくは、固体栄養組成物の重量基準で約1%〜約50%(約3%〜約30%、約5%〜約20%および8%〜約15%など)の範囲の量で可溶性難消化性オリゴ糖を含む。
【0041】
再生粉末由来の液体などの本発明の栄養組成物の液体実施形態の場合、その液体実施形態は好ましくは、液体栄養組成物の重量基準で好ましくは約1%〜約30%、より好ましくは約3%〜約25%(約5%〜約20%および7.5%〜約15%など)の量で可溶性難消化性オリゴ糖を含む。
【0042】
本明細書で使用される好適な難消化性オリゴ糖の例としては、フルクトオリゴ糖(FOS)、フルクトサン類、キシロオリゴ糖(XOS)、α−ガラクトオリゴ糖(GOS)、トランスフラクトシルオリゴ糖(TOS)、大豆オリゴ糖、乳糖、加水分解イヌリン、ポリデキストロースおよびそれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されるものではない。FOSがほとんどの用途で好ましい。しかしながら、ほとんどの低pH製剤(例:約6.2未満のpH)にはGOSが好ましい。
【0043】
可溶性難消化性オリゴ糖の好適な供給源は、栄養分野において公知であり、本発明の組成物および方法での使用に利用可能である。例えば、FOSはゴールデン・テクノロジーズ社(Golden Technologies Company, Golden, Colorado)から入手可能であり、XOSはサントリー(Suntory Limited, Osaka, Japan)から入手可能である。GOSはソラビア(Solabia, Pantin Cedex, France)から入手可能である。TOSはヤクルト本社(Yakult Honsha Co., Tokyo, Japan)から入手可能である。大豆オリゴ糖は、味の素USA(Ajinomoto U.S.A. Inc., Teaneck, N. J.)から配給されたカルピス社(Calpis Corporation)から入手可能である。加水分解イヌリンはローヌ・プーラン(Rhone-Poulenc, Inc, Cranbury, NJ)から入手可能であるが、ポリデキストロースはA.E.ステーリー(A. E. Staley, Decatur Ill)から入手可能である。
【0044】
乾燥果実固体
本発明の栄養組成物は、乾燥果実固体を含むものでなければならず、その乾燥果実固体は好ましくは、フラボノイド類、ヒドロキシ桂皮酸類および繊維成分(そのうちの少なくとも約20重量%が可溶性繊維である。)によって同定され、それらを含むものと定義される。
【0045】
本発明の組成物での使用に好適な乾燥果実固体は、好ましくは、フラボノイド類(例:ケルセチン、ルチン、ダイズイン、ゲニスチン、エピカテキン、7−メトキシクマリン)およびヒドロキシ桂皮酸類(例:p−クマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸)の組み合わせによって識別され、それらを含むものと定義され、その乾燥果実固体はさらに乾燥果実固体中の総食物繊維の重量基準で少なくとも約20%、好ましくは約30%〜約70%(約30%〜約50%など)の可溶性繊維含有率をも有する。乾燥果実固体の総食物繊維含有率は、好ましくは、少なくとも約4g/乾燥果実固体100g、より好ましくは総食物繊維約5g〜約15g(約5g〜約13gおよび約6g〜約11gなど)/乾燥果実固体100gである。
【0046】
本明細書で使用される「乾燥果実」という用語は、別段の断りがない限り、能動的または受動的乾燥プロセス(受動的または能動的な天日乾燥方法)を受けていることで、好ましくは相当する成熟した未乾燥果実から大半の水分を蒸発させることができた果実を指す。従って、本明細書で使用される「乾燥果実」という用語は、そのような乾燥プロセスをまだ受けていないあらゆる成熟果実や、当然のことながら裏ごしまたは加圧果実が十分な乾燥工程を受けていなければ、乾燥ではなく裏ごしや加圧を受けた果実を除くものである。本明細書で定義の乾燥果実のみが、本明細書に記載の可溶性難消化性オリゴ糖成分と併用した場合に所望の製品性能を提供するものと考えられる。
【0047】
本明細書で使用される「乾燥果実固体」という用語は、別段の断りがない限り、水分が少ない本発明の乾燥果実成分を指し、このように特徴付けられることで、本発明の各種栄養実施形態で使用される乾燥果実成分の存在および場合によってはその量を規定するものである。しかしながら、乾燥果実固体はほとんど常に、組成物の乾燥果実成分に本来あるか他の形態で添加された少なくとも幾らかの水分とともに本発明の栄養組成物に製剤されることは明らかである。例えば本明細書で用いられる乾燥プラム固体は、約5重量%未満の水分を含む乾燥プラム粉末または約25重量%の水分を含むプラムピューレの形態であることもできると考えられる。
【0048】
本発明の栄養組成物は好ましくは、1日当たり乾燥果実固体約1g〜約100g、好ましくは約20g〜約80g(約25g〜約70gおよび約30g〜約50gなど)を個人に提供する上で十分な乾燥果実固体を含むものであり、その乾燥果実固体の量は実際には単一または分割用量での組成物によって提供される水分の少ない乾燥果実固体の量を指す。総1日乾燥果実固体は、好ましくは2つの個別の製品形態、例えば1日当たり2本のミールバーまたはスナックバーに含まれる。
【0049】
本発明の栄養組成物の固体実施形態において、その固体実施形態は好ましくは、固体栄養組成物の重量基準で約1%〜約90%、好ましくは約15%〜約60%(約20%〜約40%および25%〜約35%)の範囲の量で乾燥果実固体を含む。
【0050】
再生粉末由来の液体を含めた本発明の栄養組成物の液体実施形態において、その液体実施形態は好ましくは、液体栄養組成物の重量基準で約1%〜約50%、好ましくは約3%〜約35%(約5%〜約30%および7.5%〜約25%など)の範囲で乾燥果実固体を含む。
【0051】
本発明の栄養組成物で使用される好ましい乾燥果実固体には、乾燥プラム、乾燥ナツメヤシ、乾燥ブドウ、乾燥イチジクおよびそれらの組み合わせなどがある。特に好ましいものは、ピクス・カルシカ(Picus carcica)、ワゼリ(Wazeri)、スルタニ(Sultani)またはクダタ(Kudata)種に属するイチジク;ビツス・ビニフェラ(Vitus vinifera)、トンプソン(Thompson)種に属するブドウ;プルヌス・ドメスチカ(Prunus domestica)、ダーゲン(d′Agen)、カリフォルニア(California)またはフレンチ(French)種に属するプラム;またはフェニックス・ダクチリフェラ(Phoenix dactylifera)、メジョール(Medjool)、デグレ・ノア(Deglet Noor)またはアレカセア(Arecaceae)種に属するナツメヤシである。乾燥プラムが最も好ましい。
【0052】
本発明の組成物での使用に好適な乾燥果実固体は別途、総乾燥果実1g当たりの没食子酸当量mg数によって測定される総フェノール含有量が少なくとも5mg、好ましくは少なくとも約9mg、より好ましくは約10mg〜約30mg(約11mg〜約25mgなど)である乾燥果実全体由来またはそれの他の形態での乾燥果実固体と定義することもできる。この文脈において、乾燥果実全体とは、プルーン(11〜13mg)、レーズン(9〜12mg)、イチジク(9〜10mg)、ナツメヤシ(5〜6mg)などの消費可能な製品形態での乾燥果実固体を指す。乾燥果実固体のこの別定義を用いると、そのような固体は粉末その他のかなり加工された原材料形態で使用した場合であっても組成物に製剤することができるが、ただしその原料が由来する乾燥果実全体は、本明細書に記載の必要な総フェノール含有量を有する。
【0053】
本発明の組成物で使用される乾燥果実固体は、好ましくは、そして最も代表的には、乾燥工程中にメイラード褐変反応を受けることから、乾燥果実固体は好ましくは、そのような反応中に生成する1以上の化合物を含むものであり、そのような化合物には5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF);2−フロイルメチル−アラニン;2−フロイルメチル−アルギニン;2−フロイルメチル−プロリン;2−フロイルメチル−γ−アミノ酪酸;ベンズアルデヒド;桂皮酸エチル;2−フランカルボキシアルデヒド;フロシン;およびプロトカテク酸などがある。本発明の組成および方法での使用に好適な乾燥果実固体は好ましくは、これらの具体的なメイラード褐変反応化合物のうちの少なくとも1種類、より好ましくは2〜5種類(3〜4種類など)を含む。乾燥工程中にこの種の反応を受ける乾燥果実固体は、骨の健康強化に関して本明細書に記載の性能的効果を提供する上でかなり有効であると考えられている。
【0054】
乾燥プラム固体は、本発明の組成物および方法で使用する上で好ましい。乾燥プラム固体またはそれの入手源の例としては、プルーン(乾燥プラム)、乾燥プラム粉末、プルーン/プラムジュース(乾燥プラム/プルーンジュースおよび乾燥プラム/プルーンジュースなど)、プラムまたはプルーンペースト、乾燥プラムペースト、全乾燥プラム固体、乾燥プラムビット、乾燥プラムバター、新鮮プラムピューレ、乾燥プラムピューレ、プルーン抽出物、プルーン/プラムジュース濃縮物ならびにそれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
乾燥プラム固体またはそのような固体源の市販の源は容易に入手可能であり、栄養および製剤の分野の実務者には公知である。例えば、乾燥プラム、乾燥プラム/プルーンジュース、乾燥プラム/プルーン濃縮物(プラムジューシー(Plum Juicy;商標名)300)、新鮮プラム濃縮物(プラムジューシー(商標名)600)、全乾燥プラム固体、乾燥プラムピューレ、プラムジューシー(商標名)/USDA乾燥プラムピューレ(プラムジューシー(商標名)100)、低水分乾燥プラムピューレ(プラムジューシー(商標名)400)、乾燥プラムバター(プラムジューシー(商標名)700)、新鮮プラムピューレ、角切り乾燥プラムピューレおよび乾燥プラムビットが、カリフォルニア・ドライ・プラム・ボード(California Dry Plum Board;以前はカリフォルニア・プルーン・ボード(California Prune Board)と称した), Pleasanton, CA)から入手可能である。乾燥プラム固体の各種形態および入手源が、サンスイート・グロワーズ(Sunsweet Growers, Inc., Pleasanton, CA)からも入手可能である。
【0056】
ブドウ、イチジクまたはナツメヤシ由来のものを含めた他の好適な乾燥果実固体入手源が、同様に栄養分野において公知であることから、本発明の組成物および方法での使用に利用可能である。
【0057】
乾燥果実固体および可溶性難消化性オリゴ糖の組み合わせ好ましくは、栄養組成物中の炭水化物少なくとも約20重量%、より好ましくは組成物中の炭水化物の重量基準で少なくとも約30%(約30%〜100%および約50%〜約95%および約60%〜約80%など)に相当するものである。組成物中での乾燥果実固体の可溶性難消化性オリゴ糖に対する重量比は、好ましくは約8:1〜約1:8、より好ましくは約5:1〜約1:5(約3:1〜約1:3および約2:1〜約1:2など)である。
本発明において使用される乾燥果実固体は代表的には、ほとんど炭水化物を含み、存在してもごく少量のタンパク質および脂肪を含む。
【0058】
主要栄養素
本発明の栄養組成物はさらに、本明細書に記載の必須成分に加えて、1以上の適宜の主要栄養素を含むことができる。その適宜の主要栄養素には、タンパク質、脂質、炭水化物およびそれらの組み合わせなどがある。その栄養組成物は好ましくは、3種類全ての主要栄養素を含む食物製品として製剤化される。
【0059】
本発明での使用に好適な主要栄養素には、経口栄養組成物での使用において公知であるか好適であるタンパク質、脂質もしくは炭水化物またはそれらの入手源などがあるが、ただし、適宜の主要栄養素は経口投与において安全かつ有効であり、他の点においては、組成物中の必須成分および他の選択成分と適合性である。
【0060】
栄養組成物中での適宜の脂質、炭水化物およびタンパク質の濃度または量は、特定の製品形態(例:バーその他の固体製剤、牛乳または大豆系液体その他の飲料、再生用粉末)および各種他の製剤および目標とする食事上のニーズに応じてかなり変動し得る。これらの適宜の主要栄養素は最も代表的には、下記表中に記載の具体的範囲内で製剤化される。
【0061】
【表1】

【0062】
A)炭水化物
栄養組成物での使用に好適な適宜の炭水化物は、単純、複合もしくは変形物またはそれらの組み合わせであることができ、それらはいずれも本明細書に記載の乾燥果実固体および可溶性難消化性オリゴ糖に加えて適宜のものである。好適な炭水化物の例としては、加水分解もしくは加工デンプンまたはコーンスターチ、マルトデキストリン、グルコースポリマー、ショ糖、コーンシロップ、コーンシロップ固体、コメ由来炭水化物、グルコース、果糖、乳糖、高果糖コーンシロップ、蜂蜜、糖アルコール(例:マルチトール、エリスリトール、ソルビトール)およびそれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
本発明での使用に好適な適宜の炭水化物には、本明細書に記載の可溶性難消化性オリゴ糖成分以外およびそれらに加えて可溶性食物繊維などもあり、それの例としてはアラビアガム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、グアーガム、柑橘ペクチン、低および高メトキシペクチン、カラスムギおよび大麦グルカン、カラギーナン、オオバコおよびそれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されるものではない。不溶性食物繊維も、本明細書における炭水化物源として好適であり、その例としてはカラスムギ外皮繊維、エンドウマメ外皮繊維、大豆外皮繊維、大豆子葉繊維、砂糖大根繊維、セルロース、トウモロコシふすまおよびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0064】
従って前記栄養組成物は好ましくは、乾燥果実固体および可溶性難消化性オリゴ糖に加えて、炭水化物成分をさらに含むことができ、その場合に乾燥果実固体は組成物中の総炭水化物の重量基準で約3%〜約50%(約5%〜約25%など)に相当し、可溶性難消化性オリゴ糖は組成物中の総炭水化物の重量基準で約1%〜約20%(約2%〜約5%など)に相当する。
【0065】
B)タンパク質
前記栄養組成物で使用する上で好適な適宜のタンパク質には、加水分解、部分加水分解もしくは非加水分解タンパク質またはタンパク質源などがあり、牛乳(例:カゼイン、乳清)、動物(例:肉、魚、卵白)、穀物(例:米、トウモロコシ)、野菜(例:大豆、エンドウマメ、ジャガイモ)またはそれらの組み合わせなどの公知その他の好適な入手源由来のものであることができる。本発明で使用されるタンパク質は、栄養生成物での使用に公知である遊離アミノ酸を含むか、またはそれに完全もしくは部分的に置き換わっていても良く、その例としてはトリプトファン、グルタミン、チロシン、L−メチオニン、システイン、タウリン、L−アルギニン、カルニチンおよびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0066】
本発明の栄養組成物は好ましくは、大豆タンパク質成分を含み、その入手源としては、大豆フレーク、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、加水分解大豆タンパク質、大豆粉、大豆タンパク質繊維または大豆由来の他のタンパク質もしくはタンパク質源などがあるが、これらに限定されるものではない。大豆タンパク質の市販されている源は栄養業界で公知であり、その一部の例としては商品名「大豆タンパク質単離物EXP−H0118」、「EXP−E−0101」および「スプロプラス(Supro Plus)675」でソラエ社(Solae Company)が配給している大豆タンパク質単離物などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
適宜の大豆タンパク質成分は、組成物中の総タンパク質カロリーの0〜100%、好ましくは約20%〜約100%、より好ましくは約50%〜100%(約75%〜約95%および約80%〜約91%など)に相当するものであることができる。
【0068】
C)脂質
栄養組成物での使用に好適な適宜の脂質には、ココナッツ油、ヤシ油、大豆油、トウモロコシ油、オリーブ油、紅花油、高オレイン酸紅花油、MCT油(中鎖トリグリセリド類)、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、パーム油およびパーム核油、パームオレイン、菜種油、魚油類、アマニ油(faxseed oil)、ルリヂサ油、綿実油、月見草油、クロフサスグリ種油、遺伝子組み換え油源、菌油(fungal oils)、魚油類(例:マグロ、イワシ)などがある。
【0069】
本発明の栄養組成物は、好ましくは亜麻仁成分を含むものであり、その例としては粉砕亜麻仁およびアマニ油などがあるが、それらに限定されるものではない。粉砕亜麻仁が好ましい。亜麻仁の例としては、レッド・フラックス種、ゴールデンフラックス種およびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。ゴールデンフラックス種が好ましい。亜麻仁の商業的入手源は栄養および製剤分野では公知であり、その一部の例として、亜麻仁ならびにフラックス・カウンシル・オブ・カナダ(Flax Council of Canada)、フラックス・コンソルチウム・オブ・カナダ(Flax Consortium of Canada)およびハインツマン・ファームズ(Heintzman Farms, North Dakota)(商標名ダコタ・フラックス・ゴールド(Dakota Flax Gold))から入手可能な亜麻製品などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
他の適宜成分
本発明の栄養組成物はさらに、製品の物理的、化学的、美容的または加工特性を変えたり、または対象となる人々において使用される場合に医薬または別の栄養成分として役立ち得る他の適宜成分を含むことができる。多くのそのような適宜成分が、栄養製品または医薬製剤での使用において公知であるかあるいは好適であり、本発明の組成物でも使用可能であるが、ただしそのような適宜成分は経口投与において安全かつ有効であり、組成物中の必須成分および他の選択成分と適合性である。
【0071】
そのような他の適宜成分の例としては、保存剤、酸化防止剤、緩衝剤、別の医薬活性成分、人工甘味料を含む甘味剤(例:サッカリン、アスパルテーム、アセサルフェームK、スクラロース)、着色剤、香味剤、香味促進剤、増粘剤および安定剤、乳化剤、潤滑剤などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
本発明の栄養組成物は好ましくは、1以上のミネラルを含み、その例としてはリン、ナトリウム、塩素、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、カルシウム、カリウム、クロム、モリブデン、セレンおよびそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。カルシウムが好ましい。
【0073】
さらに、栄養組成物は好ましくは、1以上のビタミンを含み、その例としてはカロテノイド類(例:β−カロテン、ゼアキサンチン、ルテイン、リコピン)、ビオチン、コリン、イノシトール、葉酸、パントテン酸、コリン、ビタミンA、チアミン(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、ナイアシン(ビタミンB)、ピリドキシン(ビタミンB)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKおよびそれらの各種塩、エステルその他の誘導体ならびにそれらの組み合わせなどがあるが、それらに限定されるものではない。
【0074】
本発明の栄養組成物は好ましくは、ビタミン類およびミネラル類の両方を含む。
【0075】
使用方法
本発明の方法は、本発明の栄養組成物に向けられている。これらの方法には、個人での骨粗鬆症の治療または予防のためのそのような組成物の経口投与などがある。その個人は好ましくは、毎日栄養組成物を摂取する。その提供物は好ましくは、単一で未分割の1日用量として投与されるが、ただし提供物を2以上の部分的もしくは分割提供物に分けて、その日に2回以上摂取するようにすることができる。本発明の方法には、連続の毎日投与ならびに定期的もしくは限定的投与などがあるが、ただし連続の毎日投与が好ましい。本発明の方法は好ましくは、毎日行い、その毎日投与は少なくとも6ヶ月間、好ましくは少なくとも約18〜24ヶ月間連続的に維持し、より好ましくは長期の連続的日用栄養補助食品として維持する。
【0076】
強調すべき点として、本明細書に記載の本発明の方法は、骨粗鬆症その他の骨関連の疾患もしくは状態にかかっていないか別の形で影響されていない個人での、経時的にそのような疾患もしくは状態を予防、軽減もしくは発症遅延させる上でのそのような方法の使用をも含むものである。そのような予防に関して、本発明の方法は好ましくは、本明細書に記載の組成物の連続的な毎日の投与を含む。そのような予防方法は好ましくは、時間経過に伴って骨粗鬆症を発症するリスクがある女性その他、特には年齢9〜18歳の女性に関するものである。
【0077】
本発明の方法は、骨粗鬆症の治療または予防に関するものであり、それはそれらの方法が骨粗鬆症を患うまたはそれを発症するリスクのある個人で用いられることを意味し、骨塩量の増加、骨塩量減少の速度低下もしくは発症遅延、現在の骨塩量の維持または骨粗鬆症で他の形で影響を受けている個人での骨塩量低下もしくは不足の一部もしくは全体の改善を含む、個人における骨塩量に影響を与える方法を意味する。
【0078】
本発明の方法は、いずれも骨粗鬆症の治療もしくは予防に関するものであるが、1)骨の強度を高める方法、2)骨量減少を低下または減弱させる方法、3)骨粗鬆症に関連する骨折のリスクを低下させる方法、および4)骨粗鬆症に関連する続発の骨折のリスクを低下させる方法を含み、それらの方法のいずれも本明細書に記載の方法での本発明の組成物の経口投与に関するものである。
【0079】
骨量減少の低下または減弱に関する本発明の方法は、本明細書において骨形成速度に対する骨吸収の相対的速度を低下させる方法(それは、骨形成速度の増加、骨吸収速度の低下またはそれらの両方によって得ることができる。);骨内の石化の速度もしくは範囲の増加方法;破骨細胞活性低下もしくは破骨細胞数減少方法;または骨芽細胞活性増加または骨芽細胞数増加の方法;あるいはそれらの組み合わせと定義される。
【0080】
本明細書で使用される「骨塩量」という用語は、別段の断りがない限り、健康な若い女性の「正常」値に関する骨減少症または骨粗鬆症の客観的測定としての栄養分野または医学分野でのその用語の従来の使用を指す。そのような測定は多くの場合、二重エネルギーX線吸光光度分析またはDEXAによって行われる。臀部からの骨塩量が、骨折のリスクを予測する上で最も正確であると考えられており、腰椎のものは治療をモニタリングする上で最良であると考えられる。世界保健機構(「WHO」)は、許容される骨塩量を、「正常」値の片側標準偏差内に入るか、Tスコアが−1より高いものと定義している。骨減少症が続くと、骨粗鬆症となり得る。WHOは、骨減少症を、1〜2.5標準偏差の範囲内の値または−1〜−2.5のTスコアと定義しており、骨粗鬆症を、「正常」値から2.5未満の標準偏差の骨塩量または−2.5以下のTスコアと定義している。米国骨粗鬆症財団は、−2.5以下のTスコアの場合に骨粗鬆症の治療を、何らかの危険因子が存在してTスコアが−1.5以下である場合に骨減少症の治療を推奨している。
【0081】
本明細書で使用される「骨減少症」という用語は、別段の断りがない限り、本明細書で定義の「骨粗鬆症」という用語で具体化される。本明細書で使用される「骨粗鬆症」という用語は、別段の断りがない限り、あらゆる規定もしくは未規定の原因もしくは状態による骨密度の低下もしくは減少を含むよう広く定義される。本発明の方法が関係する規定の原因または状態の中には、閉経(自然、早期または手術)、加齢またはその両方に関連する原発性骨粗鬆症、ならびにページェット病、慢性腎臓疾患、摂食障害から生じる無月経、移植、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症などの医学的状態または各種癌化学療法、ゴナドトロピン放出ホルモン作働薬、避妊用のメドロキシプロゲステリン酢酸塩、副腎皮質ステロイド類、抗痙攣薬およびその他などのある種の医薬使用に関連する続発性骨粗鬆症などがある。
【0082】
本発明の方法は、比較的若い個人、特には年齢10〜18歳の個人(年齢12〜18歳の比較的若い女性を含む)において、ピーク骨塩含有量および骨塩量を達成して長期間にわたって骨の健康上の効果を得る上で特に有用である。
【0083】
本発明の方法は、本明細書に記載の組成物に関するものであり、その場合にその個人は好ましくは、1日当たり少なくとも約1g、より好ましくは約1g〜約35g、さらに好ましくは約4g〜約30g(約7g〜約25gおよび約8g〜約15gなど)の可溶性難消化性オリゴ糖を摂取するものであり;その個人は好ましくは、1日当たり少なくとも約1g、より好ましくは約20g〜約80g、さらに好ましくは約25g〜約70g(約30g〜約50gなど)の乾燥果実固体をも摂取するものである。FOS、乾燥プラム固体またはそれらの組み合わせの使用に関する方法が好ましい。より好ましいものは、FOSおよび乾燥プラム固体の組み合わせである。
【0084】
本発明の方法は、大豆タンパク質をさらに含む本発明の好ましい実施形態の経口投与をさらに含むものであり、その場合に前記個人は好ましくは、いずれも1日当たり基準で少なくとも約1gの大豆タンパク質、好ましくは約1g〜約160g(約3g〜約100gおよび約6g〜約60gなど)の大豆タンパク質を摂取する。
【0085】
本発明の方法はさらに、亜麻仁をさらに含む本発明の好ましい実施形態の経口投与を含むものであり、その場合に前記個人は好ましくは、いずれの1日当たり基準で少なくとも約1gの亜麻仁、より好ましくは約1g〜約50g(約2g〜約40gおよび約5g〜約15gなど)の亜麻仁を摂取する。
【0086】
製造方法
本発明の栄養組成物は、選択された製品形態を製造するための公知その他の有効な製造技術によって製造することができる。多くのそのような技術は、栄養液体または栄養バーなどの所定の製品形態において公知であり、栄養業界もしくは製剤業界における当業者であれば、本明細書に記載の栄養製品に容易に適用することができる。
【0087】
本発明の非食物組成物も同様に、選択された製品形態を作る上での公知その他の有効な製造技術によって得ることができる。多くのそのような技術は、例えば製薬業界では公知であり、栄養業界もしくは製剤業界における当業者であれば、カプセル、錠剤、カプレット、丸薬、液体(例:懸濁液、乳濁液、ゲル、液剤)などの製品形態に適用することができ、これらの業界における当業者であれば、本明細書に記載の非食物製品に容易に適用可能である。本明細書に記載のように、非食物製品は、本明細書でも定義される食物製品ではない本発明の栄養組成物である。
【0088】
液体、牛乳または大豆系の栄養液体は例えば、最初に全ての製剤オイル、乳化剤、繊維および脂溶性ビタミン類を含むオイルおよび繊維混合物を形成することで製造することができる。別個に、炭水化物およびミネラルを一緒にそしてタンパク質を水中で混和することで追加のスラリー(代表的には、炭水化物および2種類のタンパク質スラリー)を調製する。次に、それらのスラリーを前記オイル混合物と混和する。得られた混合物を均質化し、加熱処理し、水溶性ビタミンで標準化し、香味を施し、液体を最終的に滅菌するか無菌的に充填するか、乾燥させて粉末を製造する。
【0089】
栄養バーなどの他の製品形態を、例えば公知であってバー製造業界で一般に記載されている低温押出法を用いて製造することができる。そのような組成物を製造するには、代表的には全ての粉末成分を乾式で混合し、それら成分は代表的にはタンパク質、ビタミンプレミックス、ある種の炭水化物などがある。脂溶性成分を粉末プレミックスと混合し、混和する。最後に、液体成分を混合して組成物として、プラスチック様の組成物または生地を形成する。次に、得られたプラスチック塊を、低温成形や押出によって、さらなる物理的もしくは化学的事象を起こすことなく成形することができ、その際にプラスチック塊を比較的低温でダイスに押し通して、所望の形状を与える。得られた押出物を適切な位置でカットして、所望の重量の製品を得る。所望に応じて、固体生成物をコーティングして、風味を良くし、流通用に包装する。
【0090】
本発明の固体栄養実施形態は、ベーキングや加熱押出で製造して、シリアル、クッキー、クラッカーなどの固体製品形態ならびに同様の他の製品形態を得ることもできる。栄養製造業界での当業者は、所望の最終製品を製造する上での多くの公知その他の利用可能な製造方法のいずれかを選択することができる。
【0091】
当然のことながら、本発明の組成物は、本発明の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、本明細書に具体的に記載されていない他の公知その他の好適な技術によって製造することができる。従ってこれらの実施形態は、あらゆる点において説明のためのものであって、限定するものではないと見なされ、あらゆる変更および均等物が本発明の記述の範囲内となる。下記の非限定的な実施例は、本発明の組成物および方法をさらに説明するものである。
【0092】
実験I
この実験の目的は、所定の動物モデルにおいて、骨減少症の進行を逆転させることに対する各種食物成分の効果を評価することにあった。本試験における動物は、シャム/対照群(SHAM)との比較でのエストロゲン欠乏の卵巣切除した骨減少症誘発雌ラット(OVX)を含むものであり、いずれの動物にも、異なる組み合わせの大豆タンパク質単離物、乾燥プラム粉末、FOSおよび亜麻仁を含む栄養組成物を経口投与した。
【0093】
この試験は、ランダム化予報的単純盲検陽性対照比較試験とした。動物(雌ラット)には、シャム手術を行うか、骨減少症を誘発する目的で卵巣摘出を行ってから、被験組成物を投与した。対照群(群1および2)にはカゼイン系の飼料を摂取させ、投与群(群3〜7)には、22%大豆タンパク質単離物、7.5%乾燥プラム粉末、5.0%フルクトオリゴ糖(FOS)または7.5%亜麻仁の組み合わせ(いずれも組成物の重量基準で摂取させた。)を摂取させた。被験組成物の投与は、卵巣の摘出手術から46日後に開始して、OVX動物モデルにエストロゲン欠乏骨減少症が存在するようにした。
【0094】
90日齢の体重210gの雌ハーラン(Harlan)スプレーグ−ドーリーラット48匹を、ハーラン・スプレーグ・ドーリー社(Harlan Sprague Dawley Inc., Indianapolis, IN)から購入した。施設に到着した時点で、ラットを個別に、12時間の明暗サイクルで25℃にて、環境制御された動物実験室にあるステンレスワイヤメッシュケージで飼育した。ラットには、脱イオン水および半精製飼料を自由に摂取させた。その動物は、実験動物のヒト治療に関する国立衛生研究所ガイドラインに従って取り扱った。動物は、試験に先立つ5日間にわたって、動物管理施行を担当する動物技術者が病気の徴候に関しての観察を行った。
【0095】
半精製飼料は、各動物群について調製した。等価性を確保するため、給餌プロトコールに先立って、飼料に関して、炭水化物、タンパク質、脂肪、カルシウムおよびリン含有量の分析を行った。飼料は、等窒素、等カロリーで、カルシウムおよびリン含有量において同等とし、それぞれに22%タンパク質、67%炭水化物および11%脂肪を含有させた。大豆タンパク質単離物を含む飼料には、イソフラボン2.3mg/大豆タンパク質1g(Protein Technologies International, St. Louis, MO)も含有させた。成分濃縮物には、7.5%乾燥プラム(California Prune Board, Pleasanton, CA)、5%フルクトオリゴ糖 (NutraFlora(登録商標)、FOS Golden Technologies, Inc)および7.5%粉砕亜麻仁を含有させた。飼料は5℃で保存した。第6〜第46日にわたって、飼料消費データを収集した。SHAM動物には自由に摂取させ、それの正確な飼料摂取量を3日ごとに測定した。各給餌の前に、残った飼料を秤量し、摂取された量を計算した。他の群のラットはシャム動物の平均摂取量に対して対応となるように摂取させ、脱イオン水は自由に摂取させた。OVX動物(群2〜7)は、卵巣ホルモン/エストロゲン欠乏とした。すなわち卵巣を手術で摘出した。
【0096】
【表2】

【0097】
治療の有効性を、骨塩量(全身、大腿骨、脊椎)、骨強度、骨塩含有量(全身、大腿骨、脊椎)、骨代謝の生化学的マーカーおよび骨組織形態計測値における試験経過全体での個々の変化を測定および比較することで、対照群(群1および2)と治療群(群3〜7)との間で評価した。
【0098】
【表3】

【0099】
骨塩量(BMD)
ANOVA(片側分散分析)で、OVXカゼイン(p=0.0003)と比較した大豆単独の場合を除いて、全試験群で全身BMDが有意に高く、有意な治療効果を検出した。SHAMおよびOVX−カゼイン群間で全身BMDに有意差があった(p<0.0001、SHAM>OVX)。SHAMと比較して治療大豆+プラム+FOSで、全身BMDに有意差はなかった。しかしながら、他の全ての治療は、SHAMより有意に低かった。ANOVAで、FOSなしの治療と比較してFOS含有治療での全身BMDを増加させる成分効果を検出した(p=0.0054)。テューキー検定でも、大豆+プラム+FOS併用治療群での全身BMDが、大豆単独を投与した群より有意に高いことが示された(p=0.0360)。
【0100】
ANOVAで、大豆単独投与の場合を除いて、OVX−カゼインと比較して全ての治療群において、大腿骨BMDが有意に高かった(p=0.0045)。SHAMとOVX−カゼインの間で大腿骨BMDに有意差があり(p<0.0001、SHAM>OVX)、有意な治療効果を検出した。大腿骨BMDは、SHAMと比較して全ての治療において有意に低かった(p<0.0001)。
【0101】
ANOVAによって、大豆および大豆+プラム治療の場合を除き、OVX−カゼインと比較して、全ての治療群において腰椎BMDが有意に高く(p=0.0048)、有意な治療効果を検出した。SHAMとOVX−カゼインの間で脊椎BMDに有意差があった(p<0.0001、SHAM>OVX)。ANOVAで、FOSを使用しない治療と比較して、FOSを使用した治療で腰椎BMDを増加させる成分効果を検出した(p=0.0046)。腰椎BMDは、SHAMと比較して全ての治療において有意に低かった(p<0.0001)。
【0102】
骨塩含有量(BMC)
ANOVAで、大豆単独の場合を除き、OVX−カゼインと比較して全ての治療群で全身BMCが有意に大きく(p=0.0003)、有意な治療効果が検出された。SHAM群とOVX−カゼイン群の間には全身BMCに有意差があった(p<0.0001、SHAM>OVX)。大豆+FOSまたは大豆+プラム+FOSを含む治療での全身BMCには、SFLAMと比較して有意差はなかった。しかしながら、SHAMと比較して、他の全ての治療においては全身BMCは有意に低かった(p=0.0002)。テューキー検定でも、大豆+プラム+FOSの組み合わせを投与した群における全身BMCが、大豆単独投与群の場合より有意に大きいことが示された(p=0.0359)。
【0103】
ANOVAで、OVX−カゼインと比較して全ての投与群で大腿骨BMCが有意に高く、有意な治療効果が検出された(p=0.0092)。SHAMとOVX−カゼインの間には大腿骨BMCに有意差があった(p<0.0001、SHAM>OVX)。大腿骨BMCは、SHAMと比較して全ての治療において有意に低かった(p<0.0001)。
【0104】
ANOVAで、OVX−カゼインと比較して大豆+プラム+FOS投与群において腰椎BMCが有意に高く、有意な治療効果が検出された(p=0.0027)。SHAMとOVX−カゼインの間には脊椎BMCに有意差があった(p=0.0001、SHAM>OVX)。ANOVAで、FOSを用いない投与と比較してFOSを用いる投与で腰椎BMCを増加させる上での成分の効果が検出された(p=0.0067)。腰椎BMCは、SHAMと比較して全ての治療において有意に低かった(p=0.0001)。
【0105】
考察
大豆単独では試験動物において骨減少症は改善しなかったが、プラム、FOSまたは亜麻仁との併用で大豆を投与した群では骨減少症が逆転した。予想通り、卵巣摘出によって全身、大腿骨および脊椎で骨減少症が誘発された。大豆投与単独では、OVX−カゼイン動物のレベルを超えて十分に骨塩量を回復することはできなかった。全身、大腿骨および腰椎の骨塩量は、OVX−カゼインと比較して大豆の組み合わせで統計的に有意に高かった。同様に、全身および脊椎の骨塩含有量は、カゼインと比較して大豆の組み合わせを投与した群で大きかった。
【0106】
治療間の比較で、全身BMC増加において大豆+プラム+FOSの方が大豆単独より有効であることが示された。大豆+FOSまたは大豆+プラム+FOSを投与した動物の全身BMCにおけるこれらの増加は、SHAMレベルと統計的に差がないレベルに達した。腰椎の灰分パーセントも、大豆+プラム+FOSによって有意に増加した。
【0107】
FOSは、全身および腰椎BMCおよび腰椎BMDを増加させる上で有意な効果を有していた。
【0108】
この試験の結果は、骨生理活性成分の特定の組み合わせが、それらのいずれかの成分を単独で用いた場合と比較して、骨量減少を逆転する上でより高い効果を有することを示していた。調べたある種の生理活性の組み合わせとは異なり、大豆タンパク質単離物組成物(唯一の骨生理活性成分として)およびカゼインタンパク質組成物のいずれも、閉経後骨粗鬆症の卵巣摘出ラットモデルにおいて確立された骨減少症を逆転することはできなかった。
【0109】
全ての大豆組み合わせで、卵巣摘出カゼイン対照以上に、全身、大腿骨および脊椎BMDを増加させることができた(脊椎の場合の大豆+プラムを除く)。大豆+プラム+FOSの組み合わせは、SHAM群で認められるものと有意差がないレベルまで全身BMDを増加させる上で特に有効であった。この組み合わせ、さらには大豆+FOSでも、SHAM群と有意差がないレベルまで全身BMCを増加させることができた。FOSを含まない投与と比較して、FOS投与ではよって、有意に高い脊椎BMD値およびBMC値が得られたことから、脊椎BMDおよびBMCおよび灰分重量パーセントはいずれも、主としてFOSの効果により、大豆+プラム+FOS投与群において有意に高かった。脊椎からの骨量減少に対するエストロゲン欠乏の効果(海綿様骨)が大腿骨からの骨量減少(皮質)より大きく、しかも早期に起こることから、ある薬剤が脊椎における骨量減少を改善する上で十分に強力なものとなり得るということは特に望ましいものである。
【0110】
大腿骨強度は、大豆+FOSおよび特には大豆+プラム+FOS+亜麻仁による治療によって増加した。これは、大豆組み合わせに応答した骨塩量増加には、質の良好な骨も伴っていることを示唆している。
【0111】
生化学的骨マーカーおよび骨形態計測パラメータにおける低下で反映されるように、エストロゲン欠乏で促進される骨代謝は、大豆+プラム+FOSおよび大豆+プラム+FOS+亜麻仁を含む治療で有意に低下した。骨代謝の減少は、多くの再吸収阻害薬の機序である。
【0112】
まとめ
本試験により、大豆、乾燥プラム、FOSおよび亜麻仁の組み合わせがエストロゲン欠乏症の結果、すなわち骨減少症または骨粗鬆症、骨強度低下、骨代謝加速、骨吸収加速を逆転することが明らかになった。好ましいものは、1)大豆タンパク質単離物+乾燥プラム粉末+FOS+亜麻仁および2)大豆タンパク質単離物+乾燥プラム+FOSの組み合わせであった。
【0113】
実験II
この第2の実験の目的は、卵巣ホルモン欠乏による骨量減少の改善に関する大豆タンパク質単離物+乾燥プラム粉末+FOS投与動物における実験Iの結果を再現することにあった。この試験は、ランダム化予報的単純盲検陽性対照比較試験とした。試験における動物には、エストロゲン欠乏の卵巣摘出骨減少症誘発雌ラット(OVX)が含まれ、比較としてシャム群(SHAM)を含めた。
【0114】
下記の表に示したように、シャム群を含む対照群にはカゼイン系飼料を摂取させ、カゼインまたは大豆、フルクトオリゴ糖、乾燥プラム粉末または緑茶カテキンを含む飼料を摂取させた。最初の実験として、被験組成物の投与を、卵巣の外科的摘出から46日後に開始して、OVX動物モデルでエストロゲン欠乏骨減少症が存在するようにした。
【0115】
試験は、ランダム化予報的単純盲検陽性対照比較試験とした。動物(雌ラット)には、シャム手術を施すか、骨減少症を誘発する目的で卵巣摘出術を行ってから、被験組成物投与を行った。対照群(群1および2)には、カゼイン系の飼料を摂取させ、投与群(群3〜7)には、22%大豆タンパク質単離物、7.5%乾燥プラム粉末、5.0%フルクトオリゴ糖(FOS)または7.5%亜麻仁の各種組み合わせ(いずれも組成物の重量基準で摂取させた。)を摂取させた。
【0116】
90日齢の体重210gの雌ハーラン(Harlan)スプレーグ−ドーリーラット80匹(n=10/群)を、ハーラン・スプレーグ・ドーリー社(Harlan Sprague Dawley Inc., Indianapolis, IN)から購入した。施設に到着した時点で、ラットを個別に、12時間の明暗サイクルで25℃にて、環境制御された動物実験室にあるステンレスワイヤメッシュケージで飼育した。ラットには、脱イオン水および半精製飼料を自由に摂取させた。その動物は、実験動物のヒト治療に関する国立衛生研究所ガイドラインに従って取り扱った。動物は、試験に先立つ5日間にわたって、動物管理施行を担当する動物技術者が病気の徴候に関しての観察を行った。
【0117】
半精製動物飼料については、下記の表に記載している。等価性を確保するため、給餌プロトコールに先立って、飼料に関して、炭水化物、タンパク質、脂肪、カルシウムおよびリン含有量の分析を行った。いずれの飼料も、等窒素、等カロリーで、カルシウムおよびリン含有量において同等とした。各飼料は、22%タンパク質、67%炭水化物および11%脂肪を含有していた。治療飼料用のタンパク質源は、総イソフラボン2.3mg/大豆タンパク質1g(Protein Technologies International, St. Louis, MO)を含む大豆タンパク質単離物またはカゼインを含有していた。治療用飼料には、7.5%乾燥プラム(Sunsweet Growers, Inc., Pleasanton, CA)、5%フルクトオリゴ糖(NutraFlora(登録商標)、FOS Golden Technologies, Inc)および0.2%緑茶カテキン(P. L. Thomas)を含有させた。飼料は5℃で保存した。第6〜第46日にわたって、飼料消費データを収集した。シャム動物には自由に摂取させ、それの正確な飼料摂取量を3日ごとに測定した。各給餌の前に、残った飼料を秤量し、摂取された量を計算した。他の群のラットはシャム動物の平均摂取量に対して対応となるように摂取させ、脱イオン水は自由に摂取させた。OVX動物(群2〜8)は、卵巣ホルモン/エストロゲン欠乏とした。すなわち卵巣を手術で摘出した。
【0118】
【表4】

【0119】
治療の有効性を、骨塩量、骨塩含有量(骨カルシウムおよびリン含有量)およびマイクロコンピュータ断層撮影における試験経過全体での個々の変化を測定および比較することで、対照群(群1および2)と治療群(群3〜7)との間で評価した。
【0120】
【表5】

【0121】
骨塩量(全身)
全身BMDに対する給餌の効果および卵巣摘出術(OVX)の効果についての試験は、試験登録(第1日)、基底線(第46日)、試験終了(第106日)、そしてさらには治療給餌期間中に変化を測定するため基底線調節した第106日(第46日)でのDEXA走査から得られた測定値を比較する4つの別個の解析からなるものであった。
【0122】
テューキーHSD検定を用いるANOVAにより、第1日では治療群間に全身BMDに差がないことが明らかになった。しかしながら、第46日までに、テューキーHSD検定を用いるANOVAによって卵巣摘出の有意な効果が検出され、期間中、全ての群に同じカゼイン飼料を摂取させたにも拘わらず、SHAM−カゼイン群全身BMDの方が、卵巣摘出ラットの全ての治療群より有意に高かった(p=0.05)。治療期間中(第46〜第106日)、GLM対照t検定で、SHAM−カゼイン群における第106日での全身BMDがOVX−カゼイン群での全身BMDより有意に高いことが示されたことから、全身BMDに対する卵巣摘出の効果が続いていた。しかしながら、第46日での全身BMDに関して調節を行った第106日での全身BMDのGLM対照t検定で、SHAM−カゼイン群とOVX−カゼイン群の間に差は検出されず、全身BMDにおける変化に対する卵巣摘出の有意な効果が、前治療(第1〜第46日)期間のみで起こっていたことが確実であることが示された。
【0123】
ダネット検定を用いるANOVAで、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群における第106日での全身BMDが、OVX−カゼイン、OVX−カゼイン+乾燥プラム、OVX−カゼイン+FOS+緑茶およびOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム+緑茶群の場合より有意に高いが、OVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム群とは差がないことが明らかになった。さらに、ダネット検定を用いるANOVAで、FOS+乾燥プラム組み合わせでの2種類の治療のみで第106日の全身BMDが、SHAM−カゼイン群と異なっていないことが明らかになり、それはFOS+乾燥プラム組み合わせを加えることで全身BMDが上昇することを示している。GLM対照t検定では、FOS+乾燥プラム組み合わせによる治療での全身BMDが、FOSおよび乾燥プラムのいずれもない治療より有意に高く、乾燥プラムのみでの治療における治療より有意に高いことが示され、それはその併用効果が乾燥プラム添加の効果より主としてFOS添加の効果によるものであることを示唆している。
【0124】
第106日での全身BMDのGLM対照t検定では、大豆およびカゼインタンパク質源間に差がないこと、ならびに乾燥プラム単独の方が緑茶単独より有意に高く、単独で加えた乾燥プラムが乾燥プラム+緑茶の組み合わせより有意に高かったことから、FOSとともに加えられるポリフェノール源として乾燥プラムの方が緑茶より優れていることが明らかになった。
【0125】
第46日での全身BMDについて調節した第106日での全身BMDのANOVAからの結果は、まさに第106日での全身BMDのANOVAと一致していた。
【0126】
骨塩量(大腿骨)
GLM対照t検定から、SHAM−カゼイン群での大腿骨BMDが、OVX−カゼイン群での大腿骨BMDより有意に高いことが明らかになった。ダネット検定を用いたANOVAから、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群での大腿骨BMDが、OVX−カゼインおよびOVX−カゼイン+FOS+緑茶群より有意に高く、OVX−カゼイン+乾燥プラム群よりわずかに高いが(0.05<p<0.10)、OVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム、OVX−カゼイン+FOSおよびOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム+緑茶群とは差がないことが明らかになった。さらに、ダネット検定を用いたANOVAから、SHAM−カゼイン群での大腿骨BMDが卵巣摘出ラット治療群のいずれよりも有意に高いことが明らかになった。GLM対照t検定で、FOS+乾燥プラムの組み合わせでの治療における大腿骨BMDがFOSおよび乾燥プラムのいずれもない治療と比較してわずかに高く;大豆およびカゼインタンパク質源間で大腿骨BMDに差がなく;乾燥プラム単独での大腿骨BMDが緑茶単独の場合より有意に高かったことから、FOSとともに加えられるポリフェノール源として、乾燥プラムの方が緑茶より優れていることが示された。大腿骨BMDについての傾向は、全身BMDおよび腰椎BMDにおける傾向と一致したが、それらの結果はそれほど強くなかった。
【0127】
骨塩量(L4腰椎)
GLM対照t検定から、SHAM−カゼイン群での腰椎BMDが、OVX−カゼイン群での腰椎BMDより有意に高いことが明らかになった。ダネット検定を用いたANOVAから、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群での腰椎BMDがOVX−カゼイン、OVX−カゼイン+乾燥プラム、OVX−カゼイン+FOS+緑茶、OVX−カゼイン+FOSおよびOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム+緑茶群より有意に高いが、OVX−カゼイン4−FOS+乾燥プラム群とは差がないことが明らかになった。さらに、ダネット検定を用いたANOVAから、SHAM−カゼイン群での腰椎BMDが、いずれの卵巣摘出ラット治療群よりも有意に高いことが明らかになった。GLM対照t検定で、FOS+乾燥プラムの組み合わせでの治療における腰椎BMDが、FOSおよび乾燥プラムのいずれも用いない治療より有意に高く、乾燥プラム単独での治療の場合よりわずかに高いことが示された。さらに、OVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム群における腰椎はOVX−カゼイン群より有意に高く、それはFOS+乾燥プラムの併用効果が個々の成分の効果より高いことを強く示唆している。GLM対照t検定では、大豆およびカゼインタンパク質源間で腰椎BMDに差がなく;乾燥プラム単独での腰椎BMDが緑茶単独よりわずかに高く、乾燥プラム単独が乾燥プラムを含まないものより有意に高く、乾燥プラム単独が乾燥プラム+緑茶の組み合わせより有意に高かったことから、FOSとともに加えるポリフェノール源として、乾燥プラムが緑茶より優れていることも明らかになった。腰椎BMDについてのそれらの傾向は全身BMDおよび大腿骨BMDについての傾向と一致していたが、それらの結果は全身BMDの場合ほど強くないが、大腿骨BMDより強かった。
【0128】
骨塩含有量(全身)
DEXA走査時点での面積について調節した全身BMCに対する給餌の効果および卵巣摘出術(OVX)の効果についての試験は、試験登録(第1日)、基底線(第46日)、試験終了(第106日)でのDEXA走査から得られた測定値を比較する3つの別個の解析からなるものであった。
【0129】
テューキーHSD検定を用いるANCOVAにより、第1日では治療群間に全身BMCに差がないことが明らかになった。しかしながら、第46日までに、テューキーHSD検定を用いるANCOVAによって卵巣摘出の有意な効果が検出され、期間中、全ての群に同じカゼイン飼料を摂取させたにも拘わらず、SHAM−カゼイン群全身BMCの方が、卵巣摘出ラットの全ての治療群より有意に高かった。治療期間中(第46〜第106日)、GLM対照t検定で、SHAM−カゼイン群における第106日での全身BMCがOVX−カゼイン群での全身BMCより有意に高いことが示されたことから、全身BMCに対する卵巣摘出の効果が続いていた。
【0130】
ダネット検定を用いるANOVAで、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群における第106日での全身BMCが、OVX−カゼイン、OVX−カゼイン+乾燥プラム、OVX−カゼイン+FOS、OVX−カゼイン+FOS+緑茶およびOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム+緑茶群の場合より有意に高いが、OVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム群とは差がないことが明らかになった。さらに、ダネット検定を用いるANCOVAで、FOS+乾燥プラム組み合わせでの2種類の治療のみで第106日の全身BMCが、SHAM−カゼイン群と異なっていないことが明らかになり、それはFOS+乾燥プラム組み合わせを加えることで全身BMCが上昇することを示唆している。GLM対照t検定では、FOS+乾燥プラム組み合わせによる治療での全身BMCが、FOSおよび乾燥プラムのいずれもない治療より有意に高いことが示された。
【0131】
第106日での全身BMCのGLM対照t検定では、大豆およびカゼインタンパク質源間に差がないこと、ならびに乾燥プラム単独の方が緑茶単独より有意に高く、単独で加えた乾燥プラムが乾燥プラム+緑茶の組み合わせより有意に高かったことから、FOSとともに加えられるポリフェノール源として乾燥プラムの方が緑茶より優れていることが明らかになった。
【0132】
骨塩含有量(L4腰椎)
GLM対照t検定から、SHAM−カゼイン群での腰椎BMCが、OVX−カゼイン群での腰椎BMCより有意に高いことが明らかになった。ダネット検定を用いたANCOVAから、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群での腰椎BMCがOVX−カゼイン、OVX−カゼイン+乾燥プラム、OVX−カゼイン+FOS+緑茶、OVX−カゼイン+FOSおよびOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム+緑茶群より有意に高いが、OVX−カゼイン4−FOS+乾燥プラム群とは差がないことが明らかになった。さらに、ダネット検定を用いたANCOVAから、SHAM−カゼイン群での腰椎BMCが、いずれの卵巣摘出ラット治療群よりも有意に高いことが明らかになった。GLM対照t検定で、FOS+乾燥プラムの組み合わせでの治療における腰椎BMCが、FOSおよび乾燥プラムのいずれも用いない治療より有意に高く、単独の成分より併用の効果の方が高いことが示唆されること;大豆およびカゼインタンパク質源間で腰椎BMCに差がないこと;乾燥プラム単独での腰椎BMCが緑茶単独よりわずかに高かったことから、FOSとともに加えるポリフェノール源として乾燥プラムが緑茶より優れていることが示された。腰椎BMCについての傾向は全身BMCおよび大腿骨BMCについての傾向とかなり一致しており、しかしながら結果は全身BMCほど強くなく、大腿骨BMCの場合よりは強い。
【0133】
総容積当たりの骨容積
GLM対照t検定により、SHAM−カゼイン群における総容積当たりの順位骨容積(BV/TV)が、OVX−カゼイン群での順位BV/TVより有意に高いことが明らかになった。ダネット検定を用いたANOVAから、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群での順位BV/TVがOVX−カゼイン、OVX−カゼイン+FOS+緑茶およびOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム+緑茶群より有意に高いが、OVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム、OVX−カゼイン+FOSおよびOVX−カゼイン+乾燥プラム群とは異ならないことが明らかになった。さらに、ダネット検定を用いたANOVAから、SHAM−カゼイン群での順位BV/TVがOVX−大豆+FOS+乾燥プラム群を除くいずれの卵巣摘出ラット治療群より有意に高いことが明らかになった。GLM対照t検定により、乾燥プラム単独およびFOS単独の両方における順位BV/TVが乾燥プラムがない場合やFOSがない場合よりわずかに高く、他方でFOS+乾燥プラムの組み合わせでの順位BV/TVの方がFOSも乾燥プラムもいずれも用いない治療の場合より有意に高いが、FOS単独や乾燥プラム単独とは差がなく、個々の成分の効果があるが、相加的併用効果はないことが示唆されること;大豆およびカゼインタンパク質源間に順位BV/TVに差がないこと;そして、乾燥プラム単独の方が緑茶単独より有意に高く、乾燥プラム単独の方が乾燥プラム+緑茶の組み合わせより有意に高いことから、順位BV/TVに関して、FOSとともに加えるポリフェノール源としては、乾燥プラムの方が緑茶より優れていることが示された。
【0134】
小柱数、小柱分離、小柱厚さ
GLM対照t検定から、SHAM−カゼイン群での順位小柱数および小柱分離が、OVX−カゼイン群での順位小柱数および小柱分離より有意に高いことが明らかになったが、ただしその差は順位小柱厚さの場合には認められなかった。ダネット検定を用いたANOVAにより、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群での順位小柱数および小柱分離がOVX−カゼイン、OVX−カゼイン+FOS+緑茶およびOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム+緑茶群の場合よりわずかに高いか有意に高いが、OVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム、OVX−カゼイン+FOSおよびOVX−カゼイン+乾燥プラム群とは異ならないことが明らかになった。やはり、順位小柱厚さについては差は認められなかった。さらに、ダネット検定を用いたANOVAにより、SHAM−カゼイン群での順位小柱数および小柱分離が、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群を除くいずれの卵巣摘出ラット治療群より有意に高いが、順位小柱厚さの場合は高くないことが明らかになった。順位小柱数および小柱分離の場合、GLM対照t検定によって、それらが、乾燥プラムがない場合と比較して乾燥プラム単独では有意に高く、FOSがない場合と比較してFOS単独ではわずかに高く、FOSも乾燥プラムもない場合と比較してFOS+乾燥プラムの組み合わせの場合に有意に高いが、FOS単独および乾燥プラム単独のいずれとも異ならないことが示され、それは各評価基準に関して、個々の成分の効果があるが、相加的併用効果がないことを示唆していた。順位小柱数および小柱分離についてのFOS+乾燥プラム併用効果に関する証拠を裏付ける点として、OVX−カゼイン+FOS+乾燥群の方が、両方の評価基準に関してOVX−カゼインよりわずかに高い。しかしながら、いずれのFOS、乾燥プラムまたはFOS+乾燥プラム併用の効果に関しても、順位小柱厚さでは差が認められなかった。さらに、順位小柱数および小柱分離についても、GLM対照t検定では、大豆およびカゼインタンパク質源間や乾燥プラムおよび緑茶ポリフェノール源間に差がないことが示された。しかしながら、乾燥プラム+緑茶の組み合わせが乾燥プラムも緑茶ない場合よりわずかに低く、乾燥プラム単独よりわずかに低く、緑茶単独よりわずかに低いことで裏付けられるように、順位小柱厚さ低下において乾燥プラム+緑茶の併用効果があった。
【0135】
結合組織密度および構造モデル指数(SMI)
GLM対照t検定により、SHAM−カゼイン群では、順位結合組織密度がOVX−カゼイン群での順位連結組織密度より高く、順位SMIがOVX−カゼイン群での順位SMIより低いことが明らかになった。ダネット検定を用いたANOVAにより、OVX−大豆+FOS+乾燥プラム群での順位連結組織密度がOVX−カゼイン、OVX−カゼイン+FOS+緑茶およびOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム+緑茶群より有意に高いが、OVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム、OVX−カゼイン+FOSおよびOVX−カゼイン+乾燥プラム群とは差がなく;順位SMIについては差が認められないことが明らかになった。さらに、ダネット検定を用いたANOVAにより、SHAM−カゼイン群での順位結合組織密度がOVX−大豆+FOS+乾燥プラム群を除くいずれの卵巣摘出ラット治療群より有意に高く、SHAM−カゼイン群での順位SMIがOVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム群を除くいずれの卵巣摘出群より有意に低いことが明らかになった。順位連結組織密度について、GLM対照t検定によって、それらが、乾燥プラムなしと比較しての乾燥プラム単独とFOSなしと比較してのFOS単独の両方でわずかに高く、FOSおよび乾燥プラムのいずれのない場合と比較してFOS+乾燥プラムの組み合わせで有意に高いが、FOS単独や乾燥プラム単独とは差がないことが示され、それは各評価基準に関して、個々の成分の効果があるが、相加的併用効果がないことを示唆していた。順位連結組織密度についてのFOS+乾燥プラム併用効果に関する証拠を裏付ける点として、OVX−カゼイン+FOS+乾燥プラム群の方が、OVX−カゼインよりわずかに高い。
【0136】
順位SMIの結果は、効果が乾燥プラムで高くFOSで低い以外は、FOS単独とFOSなしの間で差がなく、乾燥プラムなしと比較して乾燥プラム単独の効果の方が有意に低いという点で類似している。順位結合組織密度および順位SMIに関しては、GLM対照t検定によって、大豆およびカゼインタンパク質源間に差がないが、順位結合組織密度では、乾燥プラム単独の方が緑茶単独の場合よりわずかに良好なポリフェノール源であることも示された。GLM対照t検定では、緑茶と比較して順位SMI低下におけるポリフェノール源として乾燥プラムの方が有意に良好であることが示され、乾燥プラム単独の方が緑茶単独より有意に低く、乾燥プラム+緑茶の組み合わせよりも有意に低いという所見が得られている。
【0137】
考察
実験IIの主たる目的は、大豆、FOSおよび乾燥プラムの食物組み合わせの給餌によって骨減少症を改善することが可能であることを確認することにあった。骨減少症を卵巣摘出によって誘発し、卵巣摘出後46日間にわたって全身のDEXA測定を行うことで確認した。エストラジオールについての血清レベルによっても、卵巣摘出が奏効していることが確認された。海綿様骨および皮質骨に対する食物治療の効果を、骨塩量、骨塩含有量および骨形態計測指標によって評価した。確立された骨減少症の改善は、食物的手段によって達成するには、骨量減少を予防するよりはるかに困難なものである。
【0138】
実験IおよびIIの両方からの結果は、大豆、FOSおよび低用量乾燥プラムの組み合わせによって、エストロゲン欠乏による確立された骨減少症が改善されることを示した最初であるように思われる。テューキー検定を用いることで、これがSHAMと統計的に有意差がないレベルまでの全身および脊椎BMDおよび全身BMCにおける増加によって示された。
【0139】
脊椎の骨減少症を改善する上での相乗効果が、FOSおよび乾燥プラムを含む治療で認められた。脊椎BMDはFOS単独(p=0.017)または乾燥プラム単独(p=0.072)での給餌より、組み合わせの場合の方が大きかった。相乗作用は、FOS単独および乾燥プラム単独と比較した場合のFOS+乾燥プラムによる治療に対するOVX対照(基底線)からの骨塩量における変化、全身、大腿骨および脊椎からの骨密度値においても認められた。FOSおよび乾燥プラムの組み合わせは、骨変数を支持する上での正の効果も持っていた。腰椎灰分%は、乾燥プラムおよびFOSなしまたは乾燥プラム単独の場合と比較して、組み合わせの方が高かった。大腿骨骨マグネシウムは、FOS/乾燥プラム投与動物の方が高かった。骨吸収のマーカーであるデオキシピリジノリンは、OVX−カゼイン対照と比較して治療群において名目上低下した。それは緑茶カテキンによって有意に低下したが、この治療はBMD、BMCおよび微細構造的特性を回復はしなかった。
【0140】
IGF−Iは、骨形成および除脂肪体重同化に関連している。レベルはOVXによって上昇したが、FOS単独によっては有意に低下した。しかしながら、それは乾燥プラム単独やFOS/乾燥プラム併用によっては影響されなかった。これは、その併用が高い骨形成速度を維持することができることを示唆している。高いIGF−Iレベルが、OVX群間で認められた相対的に大きい体重および除脂肪体重の原因となっていた可能性もある。その結果は、治療期間中の除脂肪体重増がFOSおよび乾燥プラムなしの場合と比較してFOS/乾燥プラムではわずかに高かったことを示しており、それは、FOS以上に乾燥プラムが除脂肪体重増加に寄与することを示唆している。試験終了後の除脂肪体重は、FOSまたはFOS/緑茶治療群またはFOS/緑茶/乾燥プラム治療群で差はなかった。
【0141】
骨の安定性は、骨塩含有量ではなく小柱網の構造によって決まる。従って、近位脛骨の小柱網をX線マイクロコンピュータ断層撮影および骨組織形態計測によっても分析した。この大豆/FOS/乾燥プラムの食物組み合わせによって骨の性質も改善された。すなわち骨容積/総容積、小柱数および結合組織密度はSHAMと有意差がなかった。構造的観点から、多くの研究が、骨梁のかなりの損失が起こる前に治療を開始すべきであることを示している。従って、大豆+FOS+プラム治療が、腰椎などの小柱で豊富な他の骨の構造的特性に対して比較的大きい効果も有する可能性が考えられる。
【0142】
本試験の一つの目的は、タンパク質源が骨減少症の逆転に効果があったか否かを確認することにあった。以前から、大豆タンパク質含有製品には味覚上の問題がある。恐らく、その感覚上の問題は、骨健康製品中のタンパク源を大豆およびカゼインの混合物とすることができるのであれば抑制されるものと考えられる。GLMt検定による解析によって、全身、脊椎および大腿骨のBMDおよびBMC、ならびに骨組織形態計測の各種指標における上昇は、タンパク質源に依存するものではないことが明らかになった。しかしながら、カゼインではなくFOSおよび乾燥プラムとともに大豆が存在すると、値は名目上および一貫して相対的に高かった。
【0143】
本試験の別の目的は、骨減少症に対する他のポリフェノール化合物源の効果を調べることにあった。本発明者らは、緑茶カテキンが乾燥プラム粉末と比較して酸化防止剤能力において150倍強力であることから、緑茶カテキンを選択した。本発明者らの仮説は、緑茶カテキンが、シクロオキシゲナーゼ活性を低下させることで、骨吸収を低下させ、OVX−カゼイン対照およびOVX−乾燥プラムと比較して骨密度の改善を生じる可能性があると予想されるというものであった。シクロオキシゲナーゼ活性は、破骨細胞機能および破骨細胞発生の刺激剤として作用するPGE2を調節する。PGE2は、正常な骨再建において必要であるが、高レベルのPGE2は骨吸収を増加させる。既知の最も強力な骨吸収刺激剤には炎症性サイトカイン類(TNF−α、IL−1、IL−6)があり、エストロゲン欠乏および閉経後で上昇する。それらは直接、他の局所因子の刺激によって、早期破骨細胞前駆体細胞の増殖および分化から成熟破骨細胞の吸収能力および寿命までの、骨吸収速度を決定する破骨細胞発生における全ての単独段階を妨害する。緑茶カテキンでの治療を行った動物ではデオキシピリジノリン(骨吸収のマーカー)レベルは有意に低かったが、全身および脊椎BMDについての結果は、乾燥プラム単独の方が緑茶/FOS単独より有意に高く、乾燥プラム+緑茶の組み合わせより高かったことから、乾燥プラムが緑茶カテキンより優れていることを示していた。大腿骨BMD、大腿骨カルシウムおよびマグネシウムに対する効果および組織形態計測のいくつかの指標についての効果も、乾燥プラムが緑茶より優れていることを示していた。TNF−αおよびIL−1について本試験では測定したが、いずれのサイトカインでも食物による有意な効果はなかった。これは、卵巣摘出のために差が検出されなかったため、またはデータにおける変動が大きかったために、アッセイの感度が低かったためである可能性がある。別の説明として、正常な骨再建に必要なレベル以下の緑茶カテキンによってCOX−2が比較的大きく抑制されたためである可能性がある。FOS/乾燥プラムを用いたSHAMからは、骨密度レベルに有意差はなかったが、その組み合わせに緑茶を加えることで、骨密度が有意に低下して、OVX−対照と同様のレベルとなった。
【0144】
結論
1.いずれもカゼイン系飼料で、いずれの成分単独の場合と比較しても、乾燥果実固体(例:乾燥プラム固体)および可溶性難消化性オリゴ糖(例:FOS)の組み合わせにおいて、OVX基底線からの骨塩量(全身、大腿骨および脊椎)における相乗的増加が認められた(表−実験II−結果のまとめ参照)。
【0145】
2.乾燥プラムおよびFOSと大豆タンパク質の組み合わせが骨代謝を好ましく調節することで、骨減少ラットモデルにおいて骨塩量、骨塩含有量の増加および微細構造特性の改善が得られる。
【0146】
3.脊椎、大腿骨または全身BMDの増加に関して、大豆+FOS+プラムとカゼイン+FOS+プラムとの間に有意差はなかった。しかしながら、大豆+FOS+プラムの組み合わせが、全身BMD、全身BMCおよびマイクロ−CTのいくつかのパラメータを上昇させて、SHAM動物と統計的に差がないレベルとすることができたことから、大豆+FOS+プラムは骨質に対して最も顕著な効果を有していた。
【0147】
4.結果から、BMDを上昇させる能力において、乾燥プラムが緑茶より優れていることが明らかになった。茶カテキンは、骨吸収の特異的マーカーであるDpdの尿中排泄を抑制したが、調べた骨の骨密度および微細構造特性には影響しなかった。
【0148】
実施例
下記の実施例は、一部の好適な組成物製造方法を含めて、本発明の栄養組成物および方法の具体的な実施形態を説明するものである。それら実施例は専ら説明を目的とするものであって、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいて、それら実施例の多くの変形形態が可能であることから、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0149】
例示された各組成物は、骨粗鬆症の治療または予防を目的として女性その他の個人に投与される。その個人には毎日、例示製品の少なくとも一人分を摂取させることで、1〜35g/日の可溶性難消化性オリゴ糖、1〜50g/日の可溶性難消化性オリゴ糖および一部の実施形態では、さらなる1〜160g/日の大豆タンパク質および/またはさらなる1〜50g/日の亜麻仁を各人に提供する。その個人には、少なくとも6ヶ月間にわたり、毎日単回投与または分割投与で製品を摂取させ、骨粗鬆症の治療または予防において骨の健康上の効果を長期間得るために6ヶ月を超えて製品の服用を継続するよう追加指示があった。
【実施例1】
【0150】
栄養バー
本発明の栄養バー実施形態、ならびに本発明の方法に従って骨粗鬆症の治療または予防のために個人において組成物を用いる方法の例を示す。
【0151】
そのバーは、下記の成分から製造する。バーを製造するには、乾燥成分(スプロ(Supro)661、FOS、乾燥プラム、大豆クリスプ60%、リンゴ、DCPおよび粉砕亜麻仁)を秤量し、大きい混合ボウルに加える。十分に混和するまで、乾燥成分を1分間混合する。別のボウルで、果糖およびソルビトールを、液体成分(HFCS55、コーンシロップ42DE、ソルビトール70%、プラムピューレおよコメシロップ)に加える。液体成分を一緒に1〜2分間混和する。アップルフレーバー、シナモンヘーゼルナッツ(IFF)およびバニリンを液体成分に加え、約1分間混和する。混和した液体成分を、混合乾燥成分に加え、完全に混合されるまで混和する。形成された生地を混合ボウルから取り出し、混練することで、それが完全に混和するようにする。次に、生地を巻きすに乗せ、厚さ約1.3cm(約1/2インチ)に延ばす。生地を、それぞれ重量47gとなるように矩形片に切り、焼く。やかんまたは二重鍋を用いてコーティングを溶融させ、粘着性袋に加え、コーティング約2.5〜3.5g/バーを用いてバーの頂部に振りかける。バーを放冷し、ラッピングで覆う。
【0152】
1〜6個のバー、最も代表的には1〜2個のバーを、1日1回にて各個人に消費させて、本発明の方法によって、骨粗鬆症を治療または予防する。これら例示されるバーは補助栄養源であるが、残りのビタミン類、ミネラル類および主要栄養素とともに、単独の栄養源としても製剤化される。
【0153】
【表6】

【実施例2】
【0154】
低pHスムージー
低pHスムージーの形態での本発明の栄養実施形態を例示する。その組成物は、スムージー製品形態で栄養組成物を製造する従来の方法によって製造される。別段の断りがない限り、いずれの成分量もkg/バッチ1000kgとして挙げてある。
【0155】
【表7】

【実施例3】
【0156】
牛乳系飲料
下記の例は、本発明の牛乳系栄養液体の実施形態を説明するものである。各例示組成物における成分を、下記の表に記載してある。成分量はいずれも、別段の断りがない限り、kg/製品バッチ1000kgとして挙げてある。牛乳系飲料は、少なくとも3つの別個のスラリー(例:炭水化物−ミネラルスラリー、タンパク質/水スラリー、タンパク質/脂肪スラリー)を形成し、それを一緒に混合し、加熱処理し、規格化することで製造する。次に、得られた組成物に香味を付け、プラスチック瓶に無菌的に入れ、レトルト滅菌する。
【0157】
【表8】

【実施例4】
【0158】
大豆系飲料
下記の例は、本発明の大豆系栄養液体の実施形態を説明するものである。各例示組成物における成分を、下記の表に記載している。成分量はいずれも、別段の断りがない限り、kg/製品バッチ1000kgとして挙げてある。
【0159】
【表9】

【0160】
大豆系飲料は、炭水化物/ミネラル成分を155Fで加熱しながら混合することで製造される。タンパク質溶液成分を用いて140Fで加熱して別のタンパク質溶液を製造し、120Fで加熱して別の脂肪溶液を製造する。これら形成された3種類の溶液を混合槽中で合わせ、下記の加工段階を行う。
【0161】
・混合物を10〜15インチHgで脱気する。
【0162】
・陽圧ポンプを用い、プレートヒーターによって混合物をポンプ混合する。
【0163】
・混合物を加熱して160〜180Fとする。
【0164】
・混合物をUHT処理予加熱して208〜220Fとする。
【0165】
・混合物を加熱して295±2Fとし(水蒸気圧入)、5秒間保持する。
【0166】
・混合物を急速冷却して208〜220Fとする。
【0167】
・混合物をさらに冷却して160〜170Fとする。
【0168】
・混合物を3900〜4100/400〜600psiで均質化する。
【0169】
・混合物を165〜185Fに16秒間保持する。
【0170】
・混合物を冷却して34〜44Fとする。
【0171】
・冷却した混合物を規格化し、包装し、8オンス金属缶中でレトルト処理する。
【実施例5】
【0172】
他の製品形態
下記で例示するような本発明の多くの他の栄養組成物が、経口食物または同様の他の製品形態として製剤化され、個人に対して、そのような個人における骨粗鬆症の治療または予防を目的として投与される。これらの他の栄養組成物はいずれも、本明細書に記載のFOSその他の可溶性難消化性オリゴ糖を、やはり本明細書で定義の乾燥プラム固体その他の乾燥果実固体との併用で含む。そのような他の栄養生成物は、スナックとしてまたは食事とともに、毎日個人が、最も多くの場合1〜2回用いることで、1〜35g/日のFOSその他の可溶性難消化性オリゴ糖および1〜50g/日の乾燥プラム固体その他の乾燥果実固体を各個人に提供するかまたは提供するのを助ける。例示の各製品形態は、各所望の製品形態に特有の従来の方法または技術によって、栄養業界または製剤業界の当業者は容易に製造することができる。
【0173】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)フラボノイド類、ヒドロキシ桂皮酸および少なくとも約20重量%が可溶性繊維である繊維成分を含む乾燥果実固体、および
(B)前記乾燥果実固体からの繊維成分に加えての可溶性難消化性オリゴ糖
を含むことを特徴とする栄養組成物。
【請求項2】
前記乾燥果実固体が、乾燥プラム、乾燥ブドウ、乾燥イチジク、乾燥ナツメヤシおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の栄養組成物。
【請求項3】
前記乾燥果実固体が乾燥プラム固体を含む請求項1または2に記載の栄養組成物。
【請求項4】
前記乾燥果実固体および前記可溶性難消化性オリゴ糖が合計で、前記栄養組成物中の総炭水化物の約30重量%〜100重量%に相当し、前記乾燥果実固体の前記可溶性難消化性オリゴ糖に対する重量比が約8:1〜約1:8である請求項1〜3のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項5】
前記乾燥果実固体が前記乾燥果実固体中の総食物繊維の約30重量%〜約50重量%の可溶性繊維含有量を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項6】
前記乾燥果実固体が乾燥プラム固体を含み、前記可溶性難消化性オリゴ糖がフルクトオリゴ糖を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項7】
前記栄養組成物が約15重量%〜約60重量%の前記乾燥果実固体および約3重量%〜約30重量%の前記可溶性難消化性オリゴ糖を含む固体バーである請求項1〜6のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項8】
前記組成物が脂肪、タンパク質、炭水化物、ビタミンおよびミネラルを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項9】
前記組成物が大豆タンパク質をさらに含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項10】
個人における骨粗鬆症の治療または予防方法であって、それを必要とする個人に対して、請求項1〜9のいずれか1項に記載の栄養組成物を投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2008−508286(P2008−508286A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523697(P2007−523697)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/026342
【国際公開番号】WO2006/014878
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】