高い質量エネルギー性能を備えた広幅リボン形ビーム用イオン注入装置の構造
【課題】リボン形イオンビームによるイオン注入システムにおいて、低エネルギーで高ビーム電流のイオンビームを可能にする。
【解決手段】イオン源102から幅w1のリボン形イオンビームを引き出して質量分析磁石110に入れ、非分散平面(xz面)内で発散させ、分散平面(xy面)内で集束させる。所望のイオン種を質量分析スリット118で選別し、角度補正装置120に入れ、水平面(xz面)内で平行な幅w2のリボン形イオンビームに変換して、エンドステーション122内の加工物124にイオン注入する。イオンビームの幅の狭い部分がどこにも現れないようにしたので、空間電荷による広がりを抑制でき、輸送損失を少なくできる。
【解決手段】イオン源102から幅w1のリボン形イオンビームを引き出して質量分析磁石110に入れ、非分散平面(xz面)内で発散させ、分散平面(xy面)内で集束させる。所望のイオン種を質量分析スリット118で選別し、角度補正装置120に入れ、水平面(xz面)内で平行な幅w2のリボン形イオンビームに変換して、エンドステーション122内の加工物124にイオン注入する。イオンビームの幅の狭い部分がどこにも現れないようにしたので、空間電荷による広がりを抑制でき、輸送損失を少なくできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、リボン形イオンビーム注入システムに関し、より詳しくは、高い質量エネルギー性能を備えたリボン形イオンビームの注入システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造において、半導体に不純物をドーピングするためにイオン注入システムが使用される。このようなシステムでは、所望のドーパント元素がイオン源でイオン化され、次いで、イオンンビームとしてイオン源から引き出される。イオンビームは、通常、質量分析されて所望の電荷対質量比を有するイオンが選別され、次いで、半導体加工物にドーパント元素を注入するために、加工物の表面に向けて導かれる。ビーム中のイオンは、例えば加工物にトランジスタ素子を作製する場合には、加工物の表面を貫通して所望の導電率の領域を形成する。典型的なイオン注入装置には、イオンビームを発生するイオン源と、磁界を使用してイオンビームを質量分析するための質量分析装置を含むビームラインアセンブリーと、イオンビームが注入される半導体ウエハまたは加工物を収容するターゲットチャンバーとが含まれる。イオンビーム注入装置は、イオン源と注入ステーションとの間に延在するビーム形成/整形構造体を含むものであってもよい。ビーム形成/整形構造体は、イオンビームを維持するものであり、また、イオンビームが注入ステーションへと至る過程で通過する細長い内部空洞または通路の境界を形成する。
【0003】
静電界及び磁界によるイオンの軸方向及び横方向の加速度は、イオンの電荷に対する質量(例えば、電荷対質量比)の影響を受ける。これによって、不要な分子量を有するイオンをビームから離れた位置に偏向し、半導体化加工物または他のターゲットの所望の領域に到達するビームの純度を高めて、所望の材料以外の材料の注入を避けることができる。所望の電荷対質量比と不所望の電荷対質量比とを分離するプロセスは、上述したように、質量分析として知られている。質量分析装置は、通常、双極子磁界を形成する質量分析磁石を使用して、イオンビーム中の種々のイオンを磁界の作用により正確な通路に沿って偏向するものである。
【0004】
特定の応用に対して所望の注入を達成するために、注入されるイオンの線量及びエネルギーを変化させることができる。与えられた半導体材料に注入されるイオンの濃度は、イオン線量によって制御される。通常、高線量注入に対しては、高電流注入装置が使用され、低線量の応用に対しては、中電流注入装置が使用される。また、イオンエネルギーは、半導体デバイスの接合部深さを制御するために使用される。ビーム中のイオンのエネルギーレベルによって、半導体または他の基板材料へのイオンの注入の程度、または、注入されるイオンの深さが定まる。半導体デバイスの微細化の傾向が続くことによって、高ビーム電流を低エネルギーで供給する機構、すなわち、高ビーム電流によって必要な線量レベルを提供し、一方、低エネルギー電流によって浅い注入を可能にすることが求められている。
【0005】
先行技術における多くのシステムでは、イオン注入のためにペンシル形ビームが使用されており、イオン源によって比較的細いビームを形成し、このビームは、質量分析、次いで、ビーム調整及び走査を経た後、加工物に到達する。この場合、低エネルギーでは、同種電荷を帯びたイオンの相互斥力により、イオンビームの集束性を維持することが困難になる。この問題の1つの解決方法は、ペンシル形ビームではなく、リボン形イオンビームを使用することである。リボン形ビームの利点の1つは、ビームの断面積がペンシル形ビームよりも非常に大きいことである。例えば、典型的なペンシル形ビームの直径は約1〜5cmであり、一方、リボン形ビームは、高さを約1〜5cmとし、幅を約40cmとすることもできる。ビーム断面積が非常に大きいことによって、与えられたビーム電流における電流密度は非常に小さいものとなり、ビームのパービアンス(perveance)が低減する。しかしながら、リボン形ビームには、その使用に関連する多くの特有の問題が存在する。
【0006】
典型的なリボン形イオンビームシステムでは、多くの場合、システム内に狭いビームスポットが形成されることを回避し、イオンビームの空間電荷膨張を低く抑えることが難しい。従来の方法の一例として、図1及び図2に、ニコラス アール. ホワイト(Nicholas R. White)に付与され、「広幅ビームイオン注入のための方法及び装置」と題された米国特許第5,126,575号に開示される方法を示す。図1及び図2には、イオンビーム1が、垂直方向の焦点12において、質量分析磁石3中に位置する狭いビームスポットを有することが示されている(第4欄の第4〜18行も参照)。ビーム1の垂直方向の焦点12における「狭さ」によって、低エネルギービームにおいて空間電荷膨張を要因とするビーム品質の大きな損失が発生する結果、ビーム搬送が劣化する可能性がある。さらに、図3には、アンソニー ルノー(Anthony Renau)に付与され、「イオン注入装置のための高搬送、低エネルギーのビームライン構造」と題された米国特許第6,635,880号明細書に示された従来の方法の例が示されている。この方法では、イオンビーム12は、イオン源10の出口において狭いビームスポットを有している。
【0007】
したがって、リボン形イオンビーム注入システムにおいても、低エネルギーで高ビーム電流を供給するリボン形イオンビーム注入システムに対する要望が存在する。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,126,575号明細書
【特許文献2】米国特許第6,635,880号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下に、本発明の1つまたは複数の態様の基本的な理解のために、本発明の簡単な要約を呈示する。この要約は、本発明の全範囲に亘る概要ではない。また、この要約は、本発明の主要な又は決定的な概念を明示するものでも、本発明の範囲を定めるものでもなく、後述するより詳細な説明の導入として、本発明のいくつかの概念を簡単に呈示することを主要な目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様におけるリボン形イオンビームシステムは、第1ビーム経路に沿ってリボン形イオンビームを発生するように構成されたイオン源を含み、前記リボン形イオンビームは、高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な長さ寸法(h2)を有して質量分析磁石に入り、該質量分析磁石は、運動量の分散性平面(xy平面)を備え、前記リボン形イオンビームを受け入れて、前記リボン形イオンビームを第2ビーム経路に沿って伝播させる磁界を発生するように構成されており、前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームは、非分散性平面(xz平面)内で発散し、かつxy平面内で集束し、さらに、発散する前記リボン形イオンビームを受け入れて、前記質量分析磁石から出射した前記イオンビームから所望のイオン種を選別するための質量選別スリットと、前記質量選別スリットから出射した発散する前記リボン形イオンビームを受け入れて、第3ビーム経路に沿って水平面(xz平面)内では平行であり、かつ、xz平面内では発散する前記リボン形イオンビームに変換する角度補正装置と、を含んでおり、平行な前記リボン形イオンビームは、可変高さ(h2)と、長さ(幅)寸法(w2)とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の別の態様におけるリボン形イオンビームを生成するための方法は、イオン源を使用して第1ビーム経路に沿って導かれるリボン形イオンビームを発生する段階と、高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な長さ寸法(w1)を備えた前記リボン形イオンビームを、質量分析磁石に入口シム角で受け入れる段階と、前記リボン形イオンビームを、出口シム角で第2ビーム経路に沿って伝播させて、前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームをxz平面内で発散させ、かつxy平面内で集束させる段階と、前記質量分析磁石を出射した前記リボン形イオンビーム中の所望のイオンを、質量選別スリットを使用して選別する段階と、前記質量選別スリットから出射した前記リボン形イオンビームを、角度補正装置を使用して、高さ(h2)と長さ(幅)寸法(w2)を有し、第3軸に沿ってxz平面内では平行であり、かつ、xy平面内では発散する前記リボン形イオンビームに変換する段階と、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のさらに別の態様における加工物を制御可能に処置するためのリボン形イオンビーム注入システムは、(a)第1ビーム経路に沿って導かれるリボン形イオンビームを発生させるための発生手段と、(b)可変高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な一定の長さ寸法(w1)を備えた断面を有して質量分析磁石に入る前記リボン形イオンビームを質量分析するための質量分析手段と、(c)前記リボン形イオンビームを入口シム角で受け入れるための受け入れ手段と、(d)xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビームを出口シム角で第2ビーム経路に沿って伝播させるための伝播手段と、(e)質量選別スリットを使用して、xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビーム中の所望のイオン種を選別するための選別手段と、(f)角度補正装置を使用して、xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビームを、第3ビーム経路に沿って伝播し、xz平面内で平行な前記リボン形イオンビームに変換する変換手段と、を含むことを特徴とする。
【0013】
上述した目的及び関連する目的を達成するために、添付図面及びその説明には、本発明の特定の例示的な態様及び実施形態が詳細に記載されているが、これらは、本発明の原理を使用可能な様々な態様のごく一部を示すものである。本発明の他の態様、利点、及び新規な特徴は、以下に記載した本発明の詳細な説明を図面と共に考慮することによって、明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を説明するが、以下の説明を通じて、同様の要素には同一の参照符号を付して参照する。図及び以下の説明は、例示的なものであり、本発明を限定するものではない。したがって、例示されたシステム及び方法の変形例及び本明細書に例示された実施形態とは異なる実施形態は、本発明及び添付請求項の範囲に含まれるものである。
【0015】
図4A、図4B、図4C、図4Dに、本発明の1つまたは複数の態様を実施するために好適なリボン形イオンビームシステム100を示す。図4Aは、リボン形イオンビームシステム100を簡略化して模式的に示す側面図、図4Bは、簡略化された上面図である。図5、図6には、様々なイオンビーム平面が詳細に示されている。
【0016】
図4Aに示すシステム100は、リボン形イオンビーム104(例えば、図4C、図4D、図5、図6を参照)を発生するためのイオン源102を含む。イオン源102は、例えば、関連する電源(図示は省略する)を備えたプラズマ源(図示は省略する)を含む。プラズマ源は、例えば、プラズマ閉込チャンバーを含んでおり、このチャンバーからイオンビーム104が引き出されるものであってもよい。リボン形イオンビームを発生する他の方法とは異なり、本発明では、イオンビーム104を、イオン源102からxz平面(図4C)内において発散または集束するように引き出すことを要しない。イオン源104から出射するリボン形イオンビーム104は、高さ(h0)、及び典型的には約100mmの長さ(幅)寸法(w0)を備えた長方形の断面を有している。イオン源102の下流には、イオン源からのリボン形イオンビーム104を受け入れる質量分析磁石110が備えられている。リボン形イオンビーム104の初期幅(w0)は約100mmであり、約400mmである終期幅(w2)よりもかなり小さいものであるため、質量分析磁石110の間隙をそれ程大きくする必要はなく、これによって、質量分析磁石を、例えば80KeVのイオンを偏向するために十分な高い質量エネルギー積を有するように構成することができる。これは、現在、従来の注入装置が備える質量エネルギー積と同等な高い質量エネルギー積である。質量分析磁石110の質量エネルギー積が高いことによって、リボン形イオンビーム104の偏向半径を小さくすること(例えば、30cm)が可能になる。これによって、ビームの中性化が完全には満たされないことが知られており、したがってビームの空間電荷膨張が生じる可能性がある磁界中の経路が短くなるため、低エネルギービームの伝播が改善される。高い質量エネルギー積によって、大きな間隙を有する質量分析磁石で通常必要とされる大きな消費電力を低減することこともできる。双極子磁界の強さは、制御用電子装置により質量分析磁石110の界磁巻線を通じて流れる電流を調整することによって、制御される。
【0017】
質量分析磁石110から出射するリボン形イオンビーム104は、xy平面117内で垂直方向(y方向)107に僅かに集束し(例えば、図4C参照)、質量分析磁石110から長距離下流にきた箇所で交差部116を形成する。そこには、質量選別スリット118が配置されている。イオン源102から引き出された初期のイオンビーム104中の様々に異なる質量を有するイオンは、質量分析磁石110によってそれぞれ異なる態様で偏向され、質量選別スリット118の異なる垂直位置に到達する。質量分析磁石110の磁界を調整することによって、所望のイオンのみが質量選別スリット118を通過し、さらに角度補正装置120に進行するように設定される。リボン形イオンビーム104が垂直方向に僅かに集束することによって、角度補正装置120の通過時及び加工物124への衝突時に、ビーム高さを小さく維持することができる。上述したように、リボン形イオンビーム104をイオン源102から略平行に引き出すことは、空間電荷膨張を低く抑える点で非常に有利であるとことが分かった。この方法によって、狭いビームスポットがイオン注入システム100内のどこにも現れないようにすることができ、例えば、低エネルギービームのイオンを大量に引き出して注入することが可能となる。
【0018】
質量分析磁石110から出射するリボン形イオンビーム104を、水平面(xz平面)115内で強く発散させることもできる(図4B、図4C、図4D参照)。この場合でも、ビームは、質量分析のために、質量分析磁石110に対するシム角(例えば、入口シム角112及び出口シム角114)を選択することによって垂直方向107に僅かに集束し、質量選別スリット118において交差部(cross over)を形成する。それぞれのゼロではないシム角は、四重極子単レンズのように機能する。四重極子単レンズの基本的な特性は、ビーム104を一方向について集束させ、他の方向について発散させることである。あるいは、質量分析磁石110の直後に独立な四重極子単レンズを追加することによって、同様の集束特性を得るものであってもよい。これによって、質量分析磁石110を、より柔軟に設計することができる。シム角112、114は、出射ビーム104の水平方向の発散を微調整するために機械的に調整可能であってもよい。独立な四重極子レンズを使用する場合には、単にその磁界を変更することによって、水平方向のビーム発散の微調整を達成することができる。
【0019】
図4A及び図4Bに示す実施形態における質量分析磁石110は、リボン形イオンビーム104中の所望の質量及びエネルギーを有するイオンを、約30度(例えば、図4Aに示す角度δ)偏向する。質量分析磁石110は、例えば、xy平面117におけるイオンの偏向角度δが約30度から90度の範囲となるように設計することができる。リボン形イオンビーム104は、分解アパーチャ119の質量選別スリット118の略中央で、xy平面における交差部116を有する。
【0020】
角度補正装置120は、質量選別スリット118からの水平方向に発散するビーム104を、広幅の平行ビーム104に変換するように構成されている。角度補正装置120は、水平方向(x方向)における点/平行型集束レンズ(point to parallel focusing lens)として構成することができ、発散ビーム104がその焦点距離にわたって放射されているように見える仮想物点109(図4A)を有している。図4A及び図4Bに示す実施形態では、角度補正装置120は双極子磁石であり、間隙130中に図示された磁界128は垂直方向(y)方向を向き、ビーム104をxz平面内で偏向するものである。角度補正装置120は、図示したように双極子磁石として構成することも、その代わりに静電レンズを使用することもできる。角度補正装置は、双極子磁石、点/平行型集束レンズ(pレンズ)として構成された静電レンズ、及び、磁気的または静電的四重極子レンズのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
システム100は、さらに、減速モジュール(図示は省略する)を含むものであってもよい。減速モジュールは、リボン形イオンビーム104のエネルギーを変更するように制御可能かつ選択的に動作可能なものである。例えば、中程度のエネルギーにおいて、リボン形イオンビームのエネルギーを実質的に変更する必要がない場合、減速モジュールは、リボン形イオンビーム104を実質的に変更することなく通過させるものであってもよい。一方、低エネルギーの応用(例えば、半導体中に浅い接合部を形成すること)では、リボン形イオンビーム104のエネルギーを低減する必要がある可能性があり、このような状況において、減速モジュールは、ビーム104を減速することによって、ビーム104のエネルギーを所望のエネルギーレベルにまで低減するように動作可能なものである。
【0022】
図4A及び図4Bに示すように、システム100は、エンドステーション122も備えている。エンドステーション100は、質量分析され、角度補正装置120によって汚染除去されたリボン形イオンビーム104を受け入れるものである。エンドステーション122は、半導体ウエハのような1つ又は複数の加工物124を支持しており、加工物は、リボン形イオンビーム104を使用してイオン注入するために、第3ビーム経路111に沿って(但し、角度補正装置120により元のビームライン軸からは外れて)配置されている。このようなエンドステーション122には、図示したような単葉式エンドステーション122が含まれており、このエンドステーションでは、単一の加工物124がリボン形イオンビームを横切るように走査されるか、または、リボン形イオンビーム104が加工物124を横切るように走査される。本発明に係るエンドステーションには、バッチ式システムも含まれており、バッチ式システムでは、複数の加工物124がリボン形イオンビーム104を横切るように回転する。
【0023】
図6は、リボン形イオンビーム104を三次元で表した図である。リボン形イオンビーム104は、位置102として図示されたイオン源102(例えば、図4A、図4B、図4C、図4D、及び図5参照)から、垂直面(xy平面)117内で約30度の角度(例えば、図4C参照)を有して出射する。この際、リボン形イオンビーム104は、図4B、図4C、図4D、及び図6に示すように、平行ビームとしてイオン源102から出射する。これに対して、上述した米国特許第6,635,880号明細書を参照すると、リボン形イオンビーム12は、イオン源10から発散ビームとして出射している(例えば、図3参照)。同様に、上述した米国特許第5,126,575号明細書を参照すると、イオンビーム1は、イオン源9から出射するときに、明らかに平行ビームではなく、集束している(例えば、図1参照)。
【0024】
リボン形イオンビーム104は、近似的な位置604として図示された質量分析磁石110(図4A及び図4Bも参照)を通過し、ここで、第1双極子磁界により、垂直面(xy平面)117内で約30度の角度αだけ偏向させることができる。さらに、リボン形イオンビーム104は、質量分析磁石110のゼロではない出口シム角114(図4A参照)が四重極子単レンズとして機能することによって、水平面(xz平面)115内で発散する。上述したように、質量分析磁石110の直後に独立な四重極子単レンズを配置し、ビーム104を水平方向に発散させるものであってもよい。ビーム104の発散の程度、または仮想物点109(図4B)の位置は、出口シム角114を機械的に変更するか、または、独立な四重極子単レンズ(図示は省略する)内の磁界を変更することによって、調整することができる。質量分析磁石110から出射するリボン形イオンビーム104は、xz平面内で発散し、xy平面内で僅かに集束する。
【0025】
質量選別スリット118は、質量分析磁石110から出射するリボン形イオンビーム104中の所望のイオン種を選別するために、不要のイオン種を遮蔽して所望のイオン種のみを通過させるものである。次いで、リボン形イオンビーム104は、角度補正装置120(図4A)を通過する。角度補正装置120は、図6に示すように、リボン形イオンビーム104を、xz平面115内でxy平面117に対して垂直に偏向するように構成することができる。リボン形イオンビーム104中の選別されたイオンの軌道は、角度補正装置120の磁界の作用によって、角度βの箇所に示されるように、発散ビームから略平行なビームに変換される。角度補正装置120は、双極子磁石、点/平行型集束レンズ(pレンズ)として構成された静電レンズ、及び、磁気的または電気的四重極子レンズのうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
図7は、リボン形イオンビーム104(例えば、図6参照)の断面寸法、高さ(h)及び幅(w)を、イオン源102(図6参照)からの距離の関数として示したグラフである。第1のグラフ702は、リボン形イオンビーム104(図6参照)の幅の2分の1(w/2)を示し、第2のグラフ704は、リボン形イオンビーム104の高さの2分の1(h/2)を示している。イオン源の開口部の寸法は、縦軸706上に示されており、垂直方向寸法704は約1mm、水平方向寸法706は約50mmである。したがって、リボン形イオンビーム104(図4A及び図4B)の高さは約2mm、幅は約100mmである。図7のグラフ704及び図4Aのビーム104に示すように、イオン源から出射するイオンビーム104は、領域708に示す初期状態において、高さ方向には発散し、幅方向には略平行である。イオンビーム104は、質量分析磁石110の集束作用によって、領域710において幅方向に僅かに発散し、高さ方向に僅かに集束する。これは、図4A、図4B、図4C、及び、図4Dに明瞭に示されている。
【0027】
イオンビーム104は、領域712において、さらに、高さ方向に集束し、幅方向に発散して、イオン源102から約1.2m下流の箇所に交差部116を形成する。イオンビーム104は、次いで、質量選別スリット118を通って進行し、ここで、高さ方向に僅かに発散し、幅方向には大きく発散する。これは、図4A、図4B、及び図6のリボン形イオンビーム104に示されている。次いで、イオンビーム104は、その長さが約1.5mに達したときに、角度補正磁石120に入る。領域716は、角度補正磁石120内を示す。リボン形イオンビーム104は、角度補正磁石120から出射するときに、平行なリボン形イオンビームを形成する略一定の幅を有しており、ウエハ124(図4A及び図4B)に注入される前に、領域718において高さ方向に僅かに発散する。
【0028】
全体を通じて、垂直方向(y方向)107のビームのサイズ及び角度は、z方向105のビームのサイズ及び角度と比較して非常に小さく維持されている。さらに、図4A及び図7のグラフ704に示すように、イオン源から100mm幅(すなわち、x軸108から±50mm)の略平行なイオンビームが出射して質量分析磁石110に入る。イオンビームは、質量分析磁石110の選択された発散特性により、非分散性(non-dispersive)平面(xz平面)内で強く発散(約±8度)し、角度補正磁石120に向かって伝播するにつれて、その幅を急速に増大させる。角度補正磁石120は、±8度に発散するリボン形イオンビーム104を、約±180mm幅(すなわち、360mm幅)を有する平行なリボン形イオンビーム104に変換する。
【0029】
図8は、本発明の少なくとも1つの態様に従って、イオン注入のために高い質量エネルギー性能を備えたリボン形イオンビームを生成するための方法800を示すフローチャートである。この方法800によれば、リボン形イオンビームによる注入のために、低エネルギーにおける高ビーム電流を容易に発生させることができる。尚、上述した図及び説明は、方法800においても参照される。
【0030】
方法800は、段階802から開始し、ここで、所望のイオン種、エネルギー、電流等のイオン源のパラメータが選択される。イオン源102(例えば、図4A及び図4B参照)は、アーク放電を用いたイオン源であってもアーク放電を用いないイオン源であってもよい。イオン源102として、例えば高周波(RF)を用いたイオン源または電子銃を用いたイオン源を使用することができる。イオン源104用の1つまたは複数のイオン源材料を選択することによって、単一または複数のイオン種を選択することができる。電流は、例えば、電力の値及び/または電極を調整することによって選択することができる。段階802では、第1ビーム経路101に沿って伝播するリボン形イオンビーム104(例えば、図4A参照)を発生する。イオン源の開口部の寸法は、一実施形態では、高さが約2mm、幅が約100mmである。図4A及び図4Bに示すように、イオン源から出射して質量分析磁石110(図5)に入る前の初期状態のイオンビーム104は、高さ方向に僅かに発散し、幅方向には略平行である。言い換えれば、イオン源102から出射するリボン形イオンビーム104は、例えば約10cmの略一定の長さ(幅)寸法(w1)と僅かに発散する高さ(h1)とを備えた長方形の断面を有している。
【0031】
質量分析磁石110は、イオン源からのリボン形イオンビーム104を受け入れるために、イオン源の下流に配置することができる。リボン形イオンビーム104の初期幅(w1)は約100mmであり、これは、注入のための終期幅(w2)(約400mm)よりも非常に小さいため、質量分析磁石110に要する間隙をそれ程大きくする必要がない。これによって、質量分析磁石を、例えば、リボン形イオンビーム104または80KeVのエネルギーを有するイオンを偏向するために十分な高い質量エネルギー積を有するように構成することができる。これは、現在使用されている従来のイオン注入装置で得られる質量エネルギー積と同等な、高い質量エネルギー積である。質量分析磁石110の質量エネルギー積が高いことによって、リボン形イオンビーム104の偏向半径を小さく(例えば30cm)することが可能となる。これによって、磁界中の経路が短くなるため、低エネルギービームを良好に伝播することができる。また、質量エネルギー積が高いことによって、間隙の大きな質量分析磁石で通常必要とされる大きな電力消費を低減することも可能となる。双極子磁界の強さは、磁石110の巻線を流れる電流を調整する制御用電子装置によって制御される。
【0032】
質量分析磁石のパラメータは、選択されたイオン種、及び基本角度または公称角度に応じて段階804で選択される。コイル巻線に供給される電流のようなパラメータは、質量分析磁石110及び出口シム角114に応じて、選択されたイオン種を段階806において第2ビーム経路103(図4A)に沿って伝播させる磁界を生成するように、設定される。
【0033】
段階808において、質量選別スリット118を使用して所望のイオンが選択される。イオン源102から引き出された初期的なイオンビーム104中の様々に異なる質量を有するイオンは、質量分析磁石110によってそれぞれ異なる態様で偏向され、質量選別スリット118の異なる垂直位置に到達する。質量分析磁石110の磁界を調整することによって、所望のイオンのみが質量選別スリット118を通過し、さらに角度補正装置120に進行するように設定される。段階810において、第2ビーム経路103に沿って伝播し、xz平面内で発散するリボン形イオンビーム104は、第3ビーム経路111に沿って伝播する平行なリボン形イオンビーム104に変換される。
【0034】
以上、本発明を特定の態様及び実施形態に関連させて図示及び説明してきたが、当業者であれば、本明細書及び添付された図面の理解に基づいて、同等な変更及び修正に想至し得るものである。特に、上述した構成要素(アセンブリー、装置、デバイス、回路、システム等)によって実行される種々の機能に関して、そのような構成要素を説明するために使用された用語(「手段」に対する参照を含む)は、特に明示されない限り、ここに示された本発明の例示的な実施形態において特定の機能を実行する上述した構成要素のその機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)任意の構成要素に、たとえ開示された構成に構造的に同等でなくても、相当するものである。加えて、本発明の特定の特徴がいくつかの態様のうちの1つのみに関連して開示された場合であっても、所定の又は特定の用途のために望ましくかつ有利であるように、そのような特徴を他の態様の1つ又はそれ以上の特徴と組み合わせることもできる。さらに、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「有する(have)」、「有している(having)」という用語は、及びそれらの変化形が発明の詳細な説明又は請求項で使用されている範囲に関して、これらの用語が、用語「含んでいる(comprising)」と同様な意味で包含的なものであることが意図されている。また、本明細書において、「例示的な(exemplary)」という用語は、単に一例であることを意味するものであり、模範的なものであることを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、先行技術のリボン形イオンビーム注入システムを示す等角投影図である。
【図2】図2は、図1に示す先行技術のリボン形イオンビーム注入システムにおける垂直面(非分散性平面)の機能を示す図である。
【図3】図3は、先行技術のリボン形イオンビーム注入装置を示す上面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の1つまたは複数の態様に従う例示的なリボン形イオンビーム注入システムの構成要素を示す側面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示した本発明の様々な態様が実施される例示的なリボン形イオンビーム注入システムの上面図である。
【図4C】図4Cは、本発明の様々な態様が実施される例示的なリボン形イオンビームを示す透視図である。
【図4D】図4Dは、図4Cに示した本発明の一態様に従う例示的なリボン形イオンビームの前方断面図である。
【図5】図5は、本発明の一態様に従う例示的なリボン形イオンビーム注入システムを示す透視図である。
【図6】図6は、本発明の別の態様に従う例示的なリボン形イオンビームを示す透視図である。
【図7】図7は、本発明に従って、リボン形イオンビームの高さ及び幅をイオン源からの距離の関数として示すグラフである。
【図8】図8は、本発明のさらに別の態様に従って、リボン形イオンビーム注入システムにおける質量分析方法を示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、リボン形イオンビーム注入システムに関し、より詳しくは、高い質量エネルギー性能を備えたリボン形イオンビームの注入システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の製造において、半導体に不純物をドーピングするためにイオン注入システムが使用される。このようなシステムでは、所望のドーパント元素がイオン源でイオン化され、次いで、イオンンビームとしてイオン源から引き出される。イオンビームは、通常、質量分析されて所望の電荷対質量比を有するイオンが選別され、次いで、半導体加工物にドーパント元素を注入するために、加工物の表面に向けて導かれる。ビーム中のイオンは、例えば加工物にトランジスタ素子を作製する場合には、加工物の表面を貫通して所望の導電率の領域を形成する。典型的なイオン注入装置には、イオンビームを発生するイオン源と、磁界を使用してイオンビームを質量分析するための質量分析装置を含むビームラインアセンブリーと、イオンビームが注入される半導体ウエハまたは加工物を収容するターゲットチャンバーとが含まれる。イオンビーム注入装置は、イオン源と注入ステーションとの間に延在するビーム形成/整形構造体を含むものであってもよい。ビーム形成/整形構造体は、イオンビームを維持するものであり、また、イオンビームが注入ステーションへと至る過程で通過する細長い内部空洞または通路の境界を形成する。
【0003】
静電界及び磁界によるイオンの軸方向及び横方向の加速度は、イオンの電荷に対する質量(例えば、電荷対質量比)の影響を受ける。これによって、不要な分子量を有するイオンをビームから離れた位置に偏向し、半導体化加工物または他のターゲットの所望の領域に到達するビームの純度を高めて、所望の材料以外の材料の注入を避けることができる。所望の電荷対質量比と不所望の電荷対質量比とを分離するプロセスは、上述したように、質量分析として知られている。質量分析装置は、通常、双極子磁界を形成する質量分析磁石を使用して、イオンビーム中の種々のイオンを磁界の作用により正確な通路に沿って偏向するものである。
【0004】
特定の応用に対して所望の注入を達成するために、注入されるイオンの線量及びエネルギーを変化させることができる。与えられた半導体材料に注入されるイオンの濃度は、イオン線量によって制御される。通常、高線量注入に対しては、高電流注入装置が使用され、低線量の応用に対しては、中電流注入装置が使用される。また、イオンエネルギーは、半導体デバイスの接合部深さを制御するために使用される。ビーム中のイオンのエネルギーレベルによって、半導体または他の基板材料へのイオンの注入の程度、または、注入されるイオンの深さが定まる。半導体デバイスの微細化の傾向が続くことによって、高ビーム電流を低エネルギーで供給する機構、すなわち、高ビーム電流によって必要な線量レベルを提供し、一方、低エネルギー電流によって浅い注入を可能にすることが求められている。
【0005】
先行技術における多くのシステムでは、イオン注入のためにペンシル形ビームが使用されており、イオン源によって比較的細いビームを形成し、このビームは、質量分析、次いで、ビーム調整及び走査を経た後、加工物に到達する。この場合、低エネルギーでは、同種電荷を帯びたイオンの相互斥力により、イオンビームの集束性を維持することが困難になる。この問題の1つの解決方法は、ペンシル形ビームではなく、リボン形イオンビームを使用することである。リボン形ビームの利点の1つは、ビームの断面積がペンシル形ビームよりも非常に大きいことである。例えば、典型的なペンシル形ビームの直径は約1〜5cmであり、一方、リボン形ビームは、高さを約1〜5cmとし、幅を約40cmとすることもできる。ビーム断面積が非常に大きいことによって、与えられたビーム電流における電流密度は非常に小さいものとなり、ビームのパービアンス(perveance)が低減する。しかしながら、リボン形ビームには、その使用に関連する多くの特有の問題が存在する。
【0006】
典型的なリボン形イオンビームシステムでは、多くの場合、システム内に狭いビームスポットが形成されることを回避し、イオンビームの空間電荷膨張を低く抑えることが難しい。従来の方法の一例として、図1及び図2に、ニコラス アール. ホワイト(Nicholas R. White)に付与され、「広幅ビームイオン注入のための方法及び装置」と題された米国特許第5,126,575号に開示される方法を示す。図1及び図2には、イオンビーム1が、垂直方向の焦点12において、質量分析磁石3中に位置する狭いビームスポットを有することが示されている(第4欄の第4〜18行も参照)。ビーム1の垂直方向の焦点12における「狭さ」によって、低エネルギービームにおいて空間電荷膨張を要因とするビーム品質の大きな損失が発生する結果、ビーム搬送が劣化する可能性がある。さらに、図3には、アンソニー ルノー(Anthony Renau)に付与され、「イオン注入装置のための高搬送、低エネルギーのビームライン構造」と題された米国特許第6,635,880号明細書に示された従来の方法の例が示されている。この方法では、イオンビーム12は、イオン源10の出口において狭いビームスポットを有している。
【0007】
したがって、リボン形イオンビーム注入システムにおいても、低エネルギーで高ビーム電流を供給するリボン形イオンビーム注入システムに対する要望が存在する。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,126,575号明細書
【特許文献2】米国特許第6,635,880号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下に、本発明の1つまたは複数の態様の基本的な理解のために、本発明の簡単な要約を呈示する。この要約は、本発明の全範囲に亘る概要ではない。また、この要約は、本発明の主要な又は決定的な概念を明示するものでも、本発明の範囲を定めるものでもなく、後述するより詳細な説明の導入として、本発明のいくつかの概念を簡単に呈示することを主要な目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様におけるリボン形イオンビームシステムは、第1ビーム経路に沿ってリボン形イオンビームを発生するように構成されたイオン源を含み、前記リボン形イオンビームは、高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な長さ寸法(h2)を有して質量分析磁石に入り、該質量分析磁石は、運動量の分散性平面(xy平面)を備え、前記リボン形イオンビームを受け入れて、前記リボン形イオンビームを第2ビーム経路に沿って伝播させる磁界を発生するように構成されており、前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームは、非分散性平面(xz平面)内で発散し、かつxy平面内で集束し、さらに、発散する前記リボン形イオンビームを受け入れて、前記質量分析磁石から出射した前記イオンビームから所望のイオン種を選別するための質量選別スリットと、前記質量選別スリットから出射した発散する前記リボン形イオンビームを受け入れて、第3ビーム経路に沿って水平面(xz平面)内では平行であり、かつ、xz平面内では発散する前記リボン形イオンビームに変換する角度補正装置と、を含んでおり、平行な前記リボン形イオンビームは、可変高さ(h2)と、長さ(幅)寸法(w2)とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の別の態様におけるリボン形イオンビームを生成するための方法は、イオン源を使用して第1ビーム経路に沿って導かれるリボン形イオンビームを発生する段階と、高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な長さ寸法(w1)を備えた前記リボン形イオンビームを、質量分析磁石に入口シム角で受け入れる段階と、前記リボン形イオンビームを、出口シム角で第2ビーム経路に沿って伝播させて、前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームをxz平面内で発散させ、かつxy平面内で集束させる段階と、前記質量分析磁石を出射した前記リボン形イオンビーム中の所望のイオンを、質量選別スリットを使用して選別する段階と、前記質量選別スリットから出射した前記リボン形イオンビームを、角度補正装置を使用して、高さ(h2)と長さ(幅)寸法(w2)を有し、第3軸に沿ってxz平面内では平行であり、かつ、xy平面内では発散する前記リボン形イオンビームに変換する段階と、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のさらに別の態様における加工物を制御可能に処置するためのリボン形イオンビーム注入システムは、(a)第1ビーム経路に沿って導かれるリボン形イオンビームを発生させるための発生手段と、(b)可変高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な一定の長さ寸法(w1)を備えた断面を有して質量分析磁石に入る前記リボン形イオンビームを質量分析するための質量分析手段と、(c)前記リボン形イオンビームを入口シム角で受け入れるための受け入れ手段と、(d)xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビームを出口シム角で第2ビーム経路に沿って伝播させるための伝播手段と、(e)質量選別スリットを使用して、xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビーム中の所望のイオン種を選別するための選別手段と、(f)角度補正装置を使用して、xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビームを、第3ビーム経路に沿って伝播し、xz平面内で平行な前記リボン形イオンビームに変換する変換手段と、を含むことを特徴とする。
【0013】
上述した目的及び関連する目的を達成するために、添付図面及びその説明には、本発明の特定の例示的な態様及び実施形態が詳細に記載されているが、これらは、本発明の原理を使用可能な様々な態様のごく一部を示すものである。本発明の他の態様、利点、及び新規な特徴は、以下に記載した本発明の詳細な説明を図面と共に考慮することによって、明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を説明するが、以下の説明を通じて、同様の要素には同一の参照符号を付して参照する。図及び以下の説明は、例示的なものであり、本発明を限定するものではない。したがって、例示されたシステム及び方法の変形例及び本明細書に例示された実施形態とは異なる実施形態は、本発明及び添付請求項の範囲に含まれるものである。
【0015】
図4A、図4B、図4C、図4Dに、本発明の1つまたは複数の態様を実施するために好適なリボン形イオンビームシステム100を示す。図4Aは、リボン形イオンビームシステム100を簡略化して模式的に示す側面図、図4Bは、簡略化された上面図である。図5、図6には、様々なイオンビーム平面が詳細に示されている。
【0016】
図4Aに示すシステム100は、リボン形イオンビーム104(例えば、図4C、図4D、図5、図6を参照)を発生するためのイオン源102を含む。イオン源102は、例えば、関連する電源(図示は省略する)を備えたプラズマ源(図示は省略する)を含む。プラズマ源は、例えば、プラズマ閉込チャンバーを含んでおり、このチャンバーからイオンビーム104が引き出されるものであってもよい。リボン形イオンビームを発生する他の方法とは異なり、本発明では、イオンビーム104を、イオン源102からxz平面(図4C)内において発散または集束するように引き出すことを要しない。イオン源104から出射するリボン形イオンビーム104は、高さ(h0)、及び典型的には約100mmの長さ(幅)寸法(w0)を備えた長方形の断面を有している。イオン源102の下流には、イオン源からのリボン形イオンビーム104を受け入れる質量分析磁石110が備えられている。リボン形イオンビーム104の初期幅(w0)は約100mmであり、約400mmである終期幅(w2)よりもかなり小さいものであるため、質量分析磁石110の間隙をそれ程大きくする必要はなく、これによって、質量分析磁石を、例えば80KeVのイオンを偏向するために十分な高い質量エネルギー積を有するように構成することができる。これは、現在、従来の注入装置が備える質量エネルギー積と同等な高い質量エネルギー積である。質量分析磁石110の質量エネルギー積が高いことによって、リボン形イオンビーム104の偏向半径を小さくすること(例えば、30cm)が可能になる。これによって、ビームの中性化が完全には満たされないことが知られており、したがってビームの空間電荷膨張が生じる可能性がある磁界中の経路が短くなるため、低エネルギービームの伝播が改善される。高い質量エネルギー積によって、大きな間隙を有する質量分析磁石で通常必要とされる大きな消費電力を低減することこともできる。双極子磁界の強さは、制御用電子装置により質量分析磁石110の界磁巻線を通じて流れる電流を調整することによって、制御される。
【0017】
質量分析磁石110から出射するリボン形イオンビーム104は、xy平面117内で垂直方向(y方向)107に僅かに集束し(例えば、図4C参照)、質量分析磁石110から長距離下流にきた箇所で交差部116を形成する。そこには、質量選別スリット118が配置されている。イオン源102から引き出された初期のイオンビーム104中の様々に異なる質量を有するイオンは、質量分析磁石110によってそれぞれ異なる態様で偏向され、質量選別スリット118の異なる垂直位置に到達する。質量分析磁石110の磁界を調整することによって、所望のイオンのみが質量選別スリット118を通過し、さらに角度補正装置120に進行するように設定される。リボン形イオンビーム104が垂直方向に僅かに集束することによって、角度補正装置120の通過時及び加工物124への衝突時に、ビーム高さを小さく維持することができる。上述したように、リボン形イオンビーム104をイオン源102から略平行に引き出すことは、空間電荷膨張を低く抑える点で非常に有利であるとことが分かった。この方法によって、狭いビームスポットがイオン注入システム100内のどこにも現れないようにすることができ、例えば、低エネルギービームのイオンを大量に引き出して注入することが可能となる。
【0018】
質量分析磁石110から出射するリボン形イオンビーム104を、水平面(xz平面)115内で強く発散させることもできる(図4B、図4C、図4D参照)。この場合でも、ビームは、質量分析のために、質量分析磁石110に対するシム角(例えば、入口シム角112及び出口シム角114)を選択することによって垂直方向107に僅かに集束し、質量選別スリット118において交差部(cross over)を形成する。それぞれのゼロではないシム角は、四重極子単レンズのように機能する。四重極子単レンズの基本的な特性は、ビーム104を一方向について集束させ、他の方向について発散させることである。あるいは、質量分析磁石110の直後に独立な四重極子単レンズを追加することによって、同様の集束特性を得るものであってもよい。これによって、質量分析磁石110を、より柔軟に設計することができる。シム角112、114は、出射ビーム104の水平方向の発散を微調整するために機械的に調整可能であってもよい。独立な四重極子レンズを使用する場合には、単にその磁界を変更することによって、水平方向のビーム発散の微調整を達成することができる。
【0019】
図4A及び図4Bに示す実施形態における質量分析磁石110は、リボン形イオンビーム104中の所望の質量及びエネルギーを有するイオンを、約30度(例えば、図4Aに示す角度δ)偏向する。質量分析磁石110は、例えば、xy平面117におけるイオンの偏向角度δが約30度から90度の範囲となるように設計することができる。リボン形イオンビーム104は、分解アパーチャ119の質量選別スリット118の略中央で、xy平面における交差部116を有する。
【0020】
角度補正装置120は、質量選別スリット118からの水平方向に発散するビーム104を、広幅の平行ビーム104に変換するように構成されている。角度補正装置120は、水平方向(x方向)における点/平行型集束レンズ(point to parallel focusing lens)として構成することができ、発散ビーム104がその焦点距離にわたって放射されているように見える仮想物点109(図4A)を有している。図4A及び図4Bに示す実施形態では、角度補正装置120は双極子磁石であり、間隙130中に図示された磁界128は垂直方向(y)方向を向き、ビーム104をxz平面内で偏向するものである。角度補正装置120は、図示したように双極子磁石として構成することも、その代わりに静電レンズを使用することもできる。角度補正装置は、双極子磁石、点/平行型集束レンズ(pレンズ)として構成された静電レンズ、及び、磁気的または静電的四重極子レンズのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
システム100は、さらに、減速モジュール(図示は省略する)を含むものであってもよい。減速モジュールは、リボン形イオンビーム104のエネルギーを変更するように制御可能かつ選択的に動作可能なものである。例えば、中程度のエネルギーにおいて、リボン形イオンビームのエネルギーを実質的に変更する必要がない場合、減速モジュールは、リボン形イオンビーム104を実質的に変更することなく通過させるものであってもよい。一方、低エネルギーの応用(例えば、半導体中に浅い接合部を形成すること)では、リボン形イオンビーム104のエネルギーを低減する必要がある可能性があり、このような状況において、減速モジュールは、ビーム104を減速することによって、ビーム104のエネルギーを所望のエネルギーレベルにまで低減するように動作可能なものである。
【0022】
図4A及び図4Bに示すように、システム100は、エンドステーション122も備えている。エンドステーション100は、質量分析され、角度補正装置120によって汚染除去されたリボン形イオンビーム104を受け入れるものである。エンドステーション122は、半導体ウエハのような1つ又は複数の加工物124を支持しており、加工物は、リボン形イオンビーム104を使用してイオン注入するために、第3ビーム経路111に沿って(但し、角度補正装置120により元のビームライン軸からは外れて)配置されている。このようなエンドステーション122には、図示したような単葉式エンドステーション122が含まれており、このエンドステーションでは、単一の加工物124がリボン形イオンビームを横切るように走査されるか、または、リボン形イオンビーム104が加工物124を横切るように走査される。本発明に係るエンドステーションには、バッチ式システムも含まれており、バッチ式システムでは、複数の加工物124がリボン形イオンビーム104を横切るように回転する。
【0023】
図6は、リボン形イオンビーム104を三次元で表した図である。リボン形イオンビーム104は、位置102として図示されたイオン源102(例えば、図4A、図4B、図4C、図4D、及び図5参照)から、垂直面(xy平面)117内で約30度の角度(例えば、図4C参照)を有して出射する。この際、リボン形イオンビーム104は、図4B、図4C、図4D、及び図6に示すように、平行ビームとしてイオン源102から出射する。これに対して、上述した米国特許第6,635,880号明細書を参照すると、リボン形イオンビーム12は、イオン源10から発散ビームとして出射している(例えば、図3参照)。同様に、上述した米国特許第5,126,575号明細書を参照すると、イオンビーム1は、イオン源9から出射するときに、明らかに平行ビームではなく、集束している(例えば、図1参照)。
【0024】
リボン形イオンビーム104は、近似的な位置604として図示された質量分析磁石110(図4A及び図4Bも参照)を通過し、ここで、第1双極子磁界により、垂直面(xy平面)117内で約30度の角度αだけ偏向させることができる。さらに、リボン形イオンビーム104は、質量分析磁石110のゼロではない出口シム角114(図4A参照)が四重極子単レンズとして機能することによって、水平面(xz平面)115内で発散する。上述したように、質量分析磁石110の直後に独立な四重極子単レンズを配置し、ビーム104を水平方向に発散させるものであってもよい。ビーム104の発散の程度、または仮想物点109(図4B)の位置は、出口シム角114を機械的に変更するか、または、独立な四重極子単レンズ(図示は省略する)内の磁界を変更することによって、調整することができる。質量分析磁石110から出射するリボン形イオンビーム104は、xz平面内で発散し、xy平面内で僅かに集束する。
【0025】
質量選別スリット118は、質量分析磁石110から出射するリボン形イオンビーム104中の所望のイオン種を選別するために、不要のイオン種を遮蔽して所望のイオン種のみを通過させるものである。次いで、リボン形イオンビーム104は、角度補正装置120(図4A)を通過する。角度補正装置120は、図6に示すように、リボン形イオンビーム104を、xz平面115内でxy平面117に対して垂直に偏向するように構成することができる。リボン形イオンビーム104中の選別されたイオンの軌道は、角度補正装置120の磁界の作用によって、角度βの箇所に示されるように、発散ビームから略平行なビームに変換される。角度補正装置120は、双極子磁石、点/平行型集束レンズ(pレンズ)として構成された静電レンズ、及び、磁気的または電気的四重極子レンズのうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
図7は、リボン形イオンビーム104(例えば、図6参照)の断面寸法、高さ(h)及び幅(w)を、イオン源102(図6参照)からの距離の関数として示したグラフである。第1のグラフ702は、リボン形イオンビーム104(図6参照)の幅の2分の1(w/2)を示し、第2のグラフ704は、リボン形イオンビーム104の高さの2分の1(h/2)を示している。イオン源の開口部の寸法は、縦軸706上に示されており、垂直方向寸法704は約1mm、水平方向寸法706は約50mmである。したがって、リボン形イオンビーム104(図4A及び図4B)の高さは約2mm、幅は約100mmである。図7のグラフ704及び図4Aのビーム104に示すように、イオン源から出射するイオンビーム104は、領域708に示す初期状態において、高さ方向には発散し、幅方向には略平行である。イオンビーム104は、質量分析磁石110の集束作用によって、領域710において幅方向に僅かに発散し、高さ方向に僅かに集束する。これは、図4A、図4B、図4C、及び、図4Dに明瞭に示されている。
【0027】
イオンビーム104は、領域712において、さらに、高さ方向に集束し、幅方向に発散して、イオン源102から約1.2m下流の箇所に交差部116を形成する。イオンビーム104は、次いで、質量選別スリット118を通って進行し、ここで、高さ方向に僅かに発散し、幅方向には大きく発散する。これは、図4A、図4B、及び図6のリボン形イオンビーム104に示されている。次いで、イオンビーム104は、その長さが約1.5mに達したときに、角度補正磁石120に入る。領域716は、角度補正磁石120内を示す。リボン形イオンビーム104は、角度補正磁石120から出射するときに、平行なリボン形イオンビームを形成する略一定の幅を有しており、ウエハ124(図4A及び図4B)に注入される前に、領域718において高さ方向に僅かに発散する。
【0028】
全体を通じて、垂直方向(y方向)107のビームのサイズ及び角度は、z方向105のビームのサイズ及び角度と比較して非常に小さく維持されている。さらに、図4A及び図7のグラフ704に示すように、イオン源から100mm幅(すなわち、x軸108から±50mm)の略平行なイオンビームが出射して質量分析磁石110に入る。イオンビームは、質量分析磁石110の選択された発散特性により、非分散性(non-dispersive)平面(xz平面)内で強く発散(約±8度)し、角度補正磁石120に向かって伝播するにつれて、その幅を急速に増大させる。角度補正磁石120は、±8度に発散するリボン形イオンビーム104を、約±180mm幅(すなわち、360mm幅)を有する平行なリボン形イオンビーム104に変換する。
【0029】
図8は、本発明の少なくとも1つの態様に従って、イオン注入のために高い質量エネルギー性能を備えたリボン形イオンビームを生成するための方法800を示すフローチャートである。この方法800によれば、リボン形イオンビームによる注入のために、低エネルギーにおける高ビーム電流を容易に発生させることができる。尚、上述した図及び説明は、方法800においても参照される。
【0030】
方法800は、段階802から開始し、ここで、所望のイオン種、エネルギー、電流等のイオン源のパラメータが選択される。イオン源102(例えば、図4A及び図4B参照)は、アーク放電を用いたイオン源であってもアーク放電を用いないイオン源であってもよい。イオン源102として、例えば高周波(RF)を用いたイオン源または電子銃を用いたイオン源を使用することができる。イオン源104用の1つまたは複数のイオン源材料を選択することによって、単一または複数のイオン種を選択することができる。電流は、例えば、電力の値及び/または電極を調整することによって選択することができる。段階802では、第1ビーム経路101に沿って伝播するリボン形イオンビーム104(例えば、図4A参照)を発生する。イオン源の開口部の寸法は、一実施形態では、高さが約2mm、幅が約100mmである。図4A及び図4Bに示すように、イオン源から出射して質量分析磁石110(図5)に入る前の初期状態のイオンビーム104は、高さ方向に僅かに発散し、幅方向には略平行である。言い換えれば、イオン源102から出射するリボン形イオンビーム104は、例えば約10cmの略一定の長さ(幅)寸法(w1)と僅かに発散する高さ(h1)とを備えた長方形の断面を有している。
【0031】
質量分析磁石110は、イオン源からのリボン形イオンビーム104を受け入れるために、イオン源の下流に配置することができる。リボン形イオンビーム104の初期幅(w1)は約100mmであり、これは、注入のための終期幅(w2)(約400mm)よりも非常に小さいため、質量分析磁石110に要する間隙をそれ程大きくする必要がない。これによって、質量分析磁石を、例えば、リボン形イオンビーム104または80KeVのエネルギーを有するイオンを偏向するために十分な高い質量エネルギー積を有するように構成することができる。これは、現在使用されている従来のイオン注入装置で得られる質量エネルギー積と同等な、高い質量エネルギー積である。質量分析磁石110の質量エネルギー積が高いことによって、リボン形イオンビーム104の偏向半径を小さく(例えば30cm)することが可能となる。これによって、磁界中の経路が短くなるため、低エネルギービームを良好に伝播することができる。また、質量エネルギー積が高いことによって、間隙の大きな質量分析磁石で通常必要とされる大きな電力消費を低減することも可能となる。双極子磁界の強さは、磁石110の巻線を流れる電流を調整する制御用電子装置によって制御される。
【0032】
質量分析磁石のパラメータは、選択されたイオン種、及び基本角度または公称角度に応じて段階804で選択される。コイル巻線に供給される電流のようなパラメータは、質量分析磁石110及び出口シム角114に応じて、選択されたイオン種を段階806において第2ビーム経路103(図4A)に沿って伝播させる磁界を生成するように、設定される。
【0033】
段階808において、質量選別スリット118を使用して所望のイオンが選択される。イオン源102から引き出された初期的なイオンビーム104中の様々に異なる質量を有するイオンは、質量分析磁石110によってそれぞれ異なる態様で偏向され、質量選別スリット118の異なる垂直位置に到達する。質量分析磁石110の磁界を調整することによって、所望のイオンのみが質量選別スリット118を通過し、さらに角度補正装置120に進行するように設定される。段階810において、第2ビーム経路103に沿って伝播し、xz平面内で発散するリボン形イオンビーム104は、第3ビーム経路111に沿って伝播する平行なリボン形イオンビーム104に変換される。
【0034】
以上、本発明を特定の態様及び実施形態に関連させて図示及び説明してきたが、当業者であれば、本明細書及び添付された図面の理解に基づいて、同等な変更及び修正に想至し得るものである。特に、上述した構成要素(アセンブリー、装置、デバイス、回路、システム等)によって実行される種々の機能に関して、そのような構成要素を説明するために使用された用語(「手段」に対する参照を含む)は、特に明示されない限り、ここに示された本発明の例示的な実施形態において特定の機能を実行する上述した構成要素のその機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)任意の構成要素に、たとえ開示された構成に構造的に同等でなくても、相当するものである。加えて、本発明の特定の特徴がいくつかの態様のうちの1つのみに関連して開示された場合であっても、所定の又は特定の用途のために望ましくかつ有利であるように、そのような特徴を他の態様の1つ又はそれ以上の特徴と組み合わせることもできる。さらに、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「有する(have)」、「有している(having)」という用語は、及びそれらの変化形が発明の詳細な説明又は請求項で使用されている範囲に関して、これらの用語が、用語「含んでいる(comprising)」と同様な意味で包含的なものであることが意図されている。また、本明細書において、「例示的な(exemplary)」という用語は、単に一例であることを意味するものであり、模範的なものであることを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、先行技術のリボン形イオンビーム注入システムを示す等角投影図である。
【図2】図2は、図1に示す先行技術のリボン形イオンビーム注入システムにおける垂直面(非分散性平面)の機能を示す図である。
【図3】図3は、先行技術のリボン形イオンビーム注入装置を示す上面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の1つまたは複数の態様に従う例示的なリボン形イオンビーム注入システムの構成要素を示す側面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示した本発明の様々な態様が実施される例示的なリボン形イオンビーム注入システムの上面図である。
【図4C】図4Cは、本発明の様々な態様が実施される例示的なリボン形イオンビームを示す透視図である。
【図4D】図4Dは、図4Cに示した本発明の一態様に従う例示的なリボン形イオンビームの前方断面図である。
【図5】図5は、本発明の一態様に従う例示的なリボン形イオンビーム注入システムを示す透視図である。
【図6】図6は、本発明の別の態様に従う例示的なリボン形イオンビームを示す透視図である。
【図7】図7は、本発明に従って、リボン形イオンビームの高さ及び幅をイオン源からの距離の関数として示すグラフである。
【図8】図8は、本発明のさらに別の態様に従って、リボン形イオンビーム注入システムにおける質量分析方法を示すフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ビーム経路に沿ってリボン形イオンビームを発生するように構成されたイオン源を含み、
前記リボン形イオンビームは、高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な長さ寸法(h2)を有して質量分析磁石に入り、
該質量分析磁石は、運動量の分散性平面(xy平面)を備え、前記リボン形イオンビームを受け入れて、前記リボン形イオンビームを第2ビーム経路に沿って伝播させる磁界を発生するように構成されており、
前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームは、非分散性平面(xz平面)内で発散し、かつxy平面内で集束し、
さらに、発散する前記リボン形イオンビームを受け入れて、前記質量分析磁石から出射した前記イオンビームから所望のイオン種を選別するための質量選別スリットと、
前記質量選別スリットから出射した発散する前記リボン形イオンビームを受け入れて、第3ビーム経路に沿って水平面(xz平面)内では平行であり、かつ、xz平面内では発散する前記リボン形イオンビームに変換する角度補正装置と、を含んでおり、
平行な前記リボン形イオンビームは、可変高さ(h2)と、長さ(幅)寸法(w2)とを有することを特徴とするリボン形イオンビームシステム。
【請求項2】
前記角度補正装置の下流のエンドステーションは、前記角度補正装置から出射した平行な前記リボン形イオンビームによる加工物への注入のために、前記加工物を支持するように作動可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記質量分析磁石の入口シム角及び出口シム角は、出射した前記リボン形イオンビームが、前記非分散性平面内で発散し、前記分散性平面内で集束するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記質量分析磁石の入口シム角及び出口シム角は、前記角度補正装置から出射した平行な前記リボン形イオンビームが所望の幅(w2)を有するために前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散を調整できるように、機械的に調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散を調整可能とするために、前記質量分析磁石の直後に四重極子単レンズが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記角度補正装置は、角度補正用磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、磁気四重極子レンズアセンブリ及び静電四重極子レンズアセンブリのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記質量分析磁石は、該質量分析磁石に入った前記リボン形イオンビーム中のイオンを、xy平面内の約30度から90度の範囲の角度で偏向することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記リボン形イオンビームはxy平面内で交差し、前記リボン形イオンビームの交差部は、前記質量選別スリットの略中央に生じることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
イオン源を使用して第1ビーム経路に沿って導かれるリボン形イオンビームを発生する段階と、
高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な長さ寸法(w1)を備えた前記リボン形イオンビームを、質量分析磁石に入口シム角で受け入れる段階と、
前記リボン形イオンビームを、出口シム角で第2ビーム経路に沿って伝播させて、前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームをxz平面内で発散させ、かつxy平面内で集束させる段階と、
前記質量分析磁石を出射した前記リボン形イオンビーム中の所望のイオンを、質量選別スリットを使用して選別する段階と、
前記質量選別スリットから出射した前記リボン形イオンビームを、角度補正装置を使用して、高さ(h2)と長さ(幅)寸法(w2)を有し、第3軸に沿ってxz平面内では平行であり、かつ、xy平面内では発散する前記リボン形イオンビームに変換する段階と、
を含むことを特徴とするリボン形イオンビームを生成するための方法。
【請求項10】
前記角度補正装置は、双極子磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記リボン形イオンビームの経路の前記質量分析磁石の直後に焦点調節装置が配置され、該焦点調節装置は四重極子レンズを含んでおり、該四重極子レンズは、選択されたイオン種の軌道を調整するための可変焦点を備えるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記角度補正装置の下流のエンドステーションは、前記角度補正装置から出射した平行な前記リボン形イオンビームによる加工物への注入のために前記加工物を支持するように作動可能であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記角度補正装置から出射する平行な前記リボン形イオンビームの幅(w2)を調整可能とするため、前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散が、前記質量分析磁石の入口シム角及び出口シム角を機械的に調整することによって調整可能であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散を調整可能とするために、前記質量分析磁石の直後に四重極子単レンズが配置されていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記角度補正装置は、角度補正用磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、磁気四重極子レンズアセンブリ及び静電四重極子レンズアセンブリのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記質量分析磁石は、前記リボン形イオンビーム中のイオンを、xy平面内の約30度から90度の範囲の角度で偏向することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記リボン形イオンビームはxy平面内で交差し、前記リボン形イオンビームの交差部は、前記質量選別スリットの略中央に生じることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記角度補正装置は、双極子磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)及び点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項19】
加工物を制御可能に処置するためのリボン形イオンビーム注入システムであって、
(a)第1ビーム経路に沿って導かれ、ビーム断面中心を備えたリボン形イオンビームを発生させるための発生手段と、
(b)可変高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な一定の長さ寸法(w1)を備えた断面を有して質量分析磁石に入る前記リボン形イオンビームを質量分析するための質量分析手段と、
(c)前記リボン形イオンビームを入口シム角で受け入れるための受け入れ手段と、
(d)xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビームを出口シム角で第2ビーム経路に沿って伝播させるための伝播手段と、
(e)質量選別スリットを使用して、xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビーム中の所望のイオン種を選別するための選別手段と、
(f)角度補正装置を使用して、xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビームを、第3ビーム経路に沿って伝播し、xz平面内で平行な前記リボン形イオンビームに変換する変換手段と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項20】
前記発生手段によって生成される前記ビーム断面は、高さ(h1)と一定の長さ寸法(w1)を有し、前記角度補正装置の下流のエンドステーションは、前記角度補正装置から出射した平行な前記リボン形イオンビームによる加工物への注入のために前記加工物を支持するように作動可能である請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記角度補正装置は、角度補正用磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、磁気四重極子レンズアセンブリ及び静電四重極子レンズアセンブリのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散を調整可能とするために、前記質量分析磁石の直後に四重極子単レンズが配置されていることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記角度補正装置は、角度補正用磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、磁気四重極子レンズアセンブリ及び静電四重極子レンズアセンブリのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記質量分析磁石は、前記リボン形イオンビーム中のイオンを、xy平面内の約30度から90度の範囲の角度で偏向することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記リボン形イオンビームはxy平面内で交差し、前記リボン形イオンビームの交差部は、前記質量選別スリットの略中央に生じることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項1】
第1ビーム経路に沿ってリボン形イオンビームを発生するように構成されたイオン源を含み、
前記リボン形イオンビームは、高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な長さ寸法(h2)を有して質量分析磁石に入り、
該質量分析磁石は、運動量の分散性平面(xy平面)を備え、前記リボン形イオンビームを受け入れて、前記リボン形イオンビームを第2ビーム経路に沿って伝播させる磁界を発生するように構成されており、
前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームは、非分散性平面(xz平面)内で発散し、かつxy平面内で集束し、
さらに、発散する前記リボン形イオンビームを受け入れて、前記質量分析磁石から出射した前記イオンビームから所望のイオン種を選別するための質量選別スリットと、
前記質量選別スリットから出射した発散する前記リボン形イオンビームを受け入れて、第3ビーム経路に沿って水平面(xz平面)内では平行であり、かつ、xz平面内では発散する前記リボン形イオンビームに変換する角度補正装置と、を含んでおり、
平行な前記リボン形イオンビームは、可変高さ(h2)と、長さ(幅)寸法(w2)とを有することを特徴とするリボン形イオンビームシステム。
【請求項2】
前記角度補正装置の下流のエンドステーションは、前記角度補正装置から出射した平行な前記リボン形イオンビームによる加工物への注入のために、前記加工物を支持するように作動可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記質量分析磁石の入口シム角及び出口シム角は、出射した前記リボン形イオンビームが、前記非分散性平面内で発散し、前記分散性平面内で集束するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記質量分析磁石の入口シム角及び出口シム角は、前記角度補正装置から出射した平行な前記リボン形イオンビームが所望の幅(w2)を有するために前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散を調整できるように、機械的に調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散を調整可能とするために、前記質量分析磁石の直後に四重極子単レンズが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記角度補正装置は、角度補正用磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、磁気四重極子レンズアセンブリ及び静電四重極子レンズアセンブリのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記質量分析磁石は、該質量分析磁石に入った前記リボン形イオンビーム中のイオンを、xy平面内の約30度から90度の範囲の角度で偏向することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記リボン形イオンビームはxy平面内で交差し、前記リボン形イオンビームの交差部は、前記質量選別スリットの略中央に生じることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
イオン源を使用して第1ビーム経路に沿って導かれるリボン形イオンビームを発生する段階と、
高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な長さ寸法(w1)を備えた前記リボン形イオンビームを、質量分析磁石に入口シム角で受け入れる段階と、
前記リボン形イオンビームを、出口シム角で第2ビーム経路に沿って伝播させて、前記質量分析磁石から出射した前記リボン形イオンビームをxz平面内で発散させ、かつxy平面内で集束させる段階と、
前記質量分析磁石を出射した前記リボン形イオンビーム中の所望のイオンを、質量選別スリットを使用して選別する段階と、
前記質量選別スリットから出射した前記リボン形イオンビームを、角度補正装置を使用して、高さ(h2)と長さ(幅)寸法(w2)を有し、第3軸に沿ってxz平面内では平行であり、かつ、xy平面内では発散する前記リボン形イオンビームに変換する段階と、
を含むことを特徴とするリボン形イオンビームを生成するための方法。
【請求項10】
前記角度補正装置は、双極子磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記リボン形イオンビームの経路の前記質量分析磁石の直後に焦点調節装置が配置され、該焦点調節装置は四重極子レンズを含んでおり、該四重極子レンズは、選択されたイオン種の軌道を調整するための可変焦点を備えるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記角度補正装置の下流のエンドステーションは、前記角度補正装置から出射した平行な前記リボン形イオンビームによる加工物への注入のために前記加工物を支持するように作動可能であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記角度補正装置から出射する平行な前記リボン形イオンビームの幅(w2)を調整可能とするため、前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散が、前記質量分析磁石の入口シム角及び出口シム角を機械的に調整することによって調整可能であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散を調整可能とするために、前記質量分析磁石の直後に四重極子単レンズが配置されていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記角度補正装置は、角度補正用磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、磁気四重極子レンズアセンブリ及び静電四重極子レンズアセンブリのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記質量分析磁石は、前記リボン形イオンビーム中のイオンを、xy平面内の約30度から90度の範囲の角度で偏向することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記リボン形イオンビームはxy平面内で交差し、前記リボン形イオンビームの交差部は、前記質量選別スリットの略中央に生じることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記角度補正装置は、双極子磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)及び点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項19】
加工物を制御可能に処置するためのリボン形イオンビーム注入システムであって、
(a)第1ビーム経路に沿って導かれ、ビーム断面中心を備えたリボン形イオンビームを発生させるための発生手段と、
(b)可変高さ寸法(h1)とxy平面に垂直な一定の長さ寸法(w1)を備えた断面を有して質量分析磁石に入る前記リボン形イオンビームを質量分析するための質量分析手段と、
(c)前記リボン形イオンビームを入口シム角で受け入れるための受け入れ手段と、
(d)xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビームを出口シム角で第2ビーム経路に沿って伝播させるための伝播手段と、
(e)質量選別スリットを使用して、xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビーム中の所望のイオン種を選別するための選別手段と、
(f)角度補正装置を使用して、xz平面に沿って発散する前記リボン形イオンビームを、第3ビーム経路に沿って伝播し、xz平面内で平行な前記リボン形イオンビームに変換する変換手段と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項20】
前記発生手段によって生成される前記ビーム断面は、高さ(h1)と一定の長さ寸法(w1)を有し、前記角度補正装置の下流のエンドステーションは、前記角度補正装置から出射した平行な前記リボン形イオンビームによる加工物への注入のために前記加工物を支持するように作動可能である請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記角度補正装置は、角度補正用磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、磁気四重極子レンズアセンブリ及び静電四重極子レンズアセンブリのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記リボン形イオンビームのxz平面内の発散を調整可能とするために、前記質量分析磁石の直後に四重極子単レンズが配置されていることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記角度補正装置は、角度補正用磁石、点/平行型集束用に構成された静電レンズ(pレンズ)、磁気四重極子レンズアセンブリ及び静電四重極子レンズアセンブリのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記質量分析磁石は、前記リボン形イオンビーム中のイオンを、xy平面内の約30度から90度の範囲の角度で偏向することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記リボン形イオンビームはxy平面内で交差し、前記リボン形イオンビームの交差部は、前記質量選別スリットの略中央に生じることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−176717(P2009−176717A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−279675(P2008−279675)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(500266634)アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド (101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279675(P2008−279675)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(500266634)アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド (101)
【Fターム(参考)】
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