説明

高ポゾランセメント置換物およびそれに対する適合混和剤を含むセメント性混合物

【課題】ポゾラン性セメント置換材料を含むセメント性混合物を提供する。
【解決手段】セメント性混合物であって、水硬性セメント;該水硬性セメントおよびセメント置換物の重量を基準として約10重量%を超える量の、フライアッシュ、スラグ、天然ポゾランおよびそれらの混合物から選択されるポゾラン性セメント置換物;および減水剤としてはたらくことのできる適合ポリカルボキシレートポリマー分散剤を促進剤と組み合わせて含む適合混和剤を含むセメント性混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についてのクロス・リファレンス
本出願は、1997年5月15日堤出された米国仮特許出願No.60/046,617の利益を請求する。
技術分野
本発明は、ポゾラン性セメント置換材料を含むセメント性混合物に関する。より詳細には、本発明は、高いパーセンテージのポゾランセメント置換物を含むセメント性混合物およびそれに対する適合混和剤に関する。
【背景技術】
【0002】
何年にも亘って、コンクリートにおけるポルトランドセメントの部分置換物としてのセメント性材料の使用は、ポルトランドセメント単独に対する益々魅力的な代替物となってきている。コンクリート混合物においてフライアッシュ、溶鉱炉スラグおよびポゾラン性セメントの使用を増やす要望は、いくつかの因子に帰することができる。これらはセメント不足、ポルトランドセメント置換物の経済的な有利性、コンクリート製造物の浸透性の改善および、より低い水和熱を含む。
【0003】
コンクリートにおける、例えばフライアッシュのようなポゾラン性セメント置換物をより高い量で使用することを増大させることは、特に高いパーセンテージで、減水剤と組み合わせて使用するときに、これらの材料によって示された潜在的な不適合性により損なわれてきた。減水剤は、セメント性混合物の製造に必要な水の量を減少したり、生成するコンクリートの強度を増加するために望ましい。しかし、減水混和剤とポゾラン置換材料の不適合性は、これらの材料を含むコンクリートの初期および最後の凝結の有意な遅延になり得る。
【0004】
コンクリートにおけるポルトランドセメントの部分置換物としてのフライアッシュ、スラグおよび、天然ポゾランのコストおよび性能上の利点にもかかわらず、それらをセメント性混合物に使用できる量には実際上限界がある。ポルトランドセメントの約10〜15重量%強のような高いレベルでこれらの材料を使用することは、数時間、あるいは外気温によっては、多分もっと長いコンクリートの凝結時間の遅延になり得る。この不適合性は、エンドユーザーに許容できないコストおよび時間の負担を課す。
【0005】
コンクリート混合物に凝結時間促進剤を使用することが知られているが、これらの促進混和剤は、高ポゾラン置換物/ポルトランドセメント混合物に存在する適合性の問題を、特に減水混和剤と共に使用されるとき、解決できず、従って凝結時間を許容レベルに減少できない。ナフタレンスルホン酸塩、リグニンおよび置換リグニン、メラミン等の減水剤と促進剤の使用は、普通の凝結特性を有する許容可能な高ポゾラン性セメント置換含有水硬性セメントをベースにするセメント性混合物および許容できる生成コンクリートを製造するには効果的でなかった。
【0006】
米国特許第4,373,956および第4,473,405号は、硬化および凝結の速度を促進させるために水硬性セメント混合物への添加のための種々の混和組成物を開示する。米国特許第4,337,094号は、ポルトランドタイプセメントの凝結時間を促進するために使用できる添加剤の組み合わせを開示する。これらの添加剤は、減水剤のみならずポルトランドセメントおよび高割合のポゾランセメント置換物を含むセメント性混合物に使用されるとき、セメント置換物および減水剤の混合物において誘発される凝結時間の遅延の埋合わせをすることができず、従って許容できるようには、混合物を凝結へと促進しない。
【0007】
米国特許第5,556,458号は、高いパーセンテージのフライアッシュおよび水硬性セメントを含むセメント性組成物を開示しているが、特定の酸化カルシウム含有物を含むフライアッシュがを必要とし、減水混和剤は存在しない。この組成物は急速凝結修繕モルタルタイプの製品に有用である。
【0008】
しかし、産業上必要とされているものは、性能とコストを考慮して有意なパーセンテージのセメント置換材料(ポルトランドセメントのような水硬性セメントの一部を置換するための)、および水の使用量を減少させて圧縮強度を増加するための減水剤を含む、コンクリートを形成できるセメント性混合物であり、このようなセメント性混合物中の成分は適合性があり、混合物は工業的に許容される時間で凝結するものである。
【0009】
米国特許第5,158,996号およびEP0753488号公報は、両方ともが参照により本明細書中に取り込まれるが、、セメント混合物の分散剤のような、添加剤として有用なポリマー添加剤を開示しているが、高ポゾラン置換物/ポルトランドセメント混合物とのそれらの使用はこれまで考慮されていない。
【発明の概要】
【0010】
従って、許容できるかまたは改善された圧縮強度を有する、ポルトランドセメントのような水硬性セメントに対する有意な割合のポゾランセメント置換材料並びに減水材料を含むセメント性混合物を提供することが本発明の目的である。
【0011】
工業的に許容される時間で凝結する、ポルトランドセメントのような水硬性セメントに対する有意な割合のポゾランセメント置換材料並びに減水材料を含むセメント性混合物を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0012】
許容できるかまたは改善された圧縮強度を有し、且つ工業的に許容される時間で凝結する、ポルトランドセメントのような水硬性セメントに対する有意な割合のポゾランセメント置換材料並びに減水材料を含むセメント性混合物を製造する方法を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0013】
ポルトランドセメントのような水硬性セメントに対する有意な割合のポゾランセメント置換材料を含むセメント性混合物に対して適合する混和剤を提供することが本発明のさらなる目的であり、この混和剤は、許容できるかまたは改善された圧縮強度をあたえるための減水手段および混合物を工業的に許容される時間で凝結させるための凝結促進手段を提供する。
【0014】
本発明によるポルトランドセメントの一部のポゾランセメント置換物は、フライアッシュ(クラスCフライアッシュおよびクラスFフライアッシュの両方)、溶鉱炉スラグおよび天然ポゾラン性材料を含む。好ましくは、セメント性製造物におけるポルトランドセメントの50%までをポゾラン性セメント置換材料によって置換する。
【0015】
本発明は、従って水硬性セメント;該水硬性セメントおよびセメント置換物を基準として、フライアッシュ、スラグ、天然ポゾランおよびそれらの混合物から選択される、約10重量%を超えるポゾラン性セメント置換物;および、適合混和剤を含むセメント性混合物であって、この適合混和剤がコンクリートの促進剤と組み合わせてポリカルボキシレート減水分散剤を含む、前記セメント性混和剤を提供する。
一つの態様において、本発明のセメント性混合物は、一般式I:
【化1】

式中、RおよびRは各々独立してC−Cアルキルであり、
、R、RおよびR6は各々独立してH、C−Cアルキルであり、およびR7はO(RO)、CHO(RO)、COO(RO)およびCONH(RO)のひとつであり、
MはH、Li、Na、K、Ca、Mg、NH、アルキルアミンおよびヒドロキシアルキルアミンの少なくともひとつであり、
n+m=3〜約100、好ましくはn+m=約5〜約50であり、
m=0のとき、n=約5〜約100、好ましくはn=約20〜約50であり、
n=0のとき、m=約3〜約100、好ましくはm=約5〜約15であり、
pおよびqは各々独立して1〜約100であり、好ましくは約15〜約50であり、
u、vおよびwは各々独立して1〜約100であり、好ましくは20〜約50であり、
但し、n>0およびm>0のとき、u、vおよびwのひとつは零であってもよく、
零でないとき、uの(v+w)に対する比は約1:10〜約10:1であり、
uのvに対する比は約1:1〜約100:1であり、
m+p=約10〜約400であり、
xおよびyは各々独立して1〜約100であり、好ましくは20〜約50であり、
但し、n>0およびm>0のとき、 xおよびyのひとつは零であってもよく、
両方が零でないとき、xのyに対する比は約1:10〜約10:1であり、
n+q=約10〜約400である、
で示されるポリマーおよび、対応する酸、およびそれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの塩誘導体を含むポリカルボキシレート分散剤を含有する。
【0016】
好ましくは、促進剤は、
a) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムの硝酸塩;
b) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムの亜硝酸塩;
c) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのチオシアン酸塩;
d) アルカノールアミン
e) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのチオ硫酸塩;
f) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのヒドロキシド;
g) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのカルボン酸塩;
または、
h) ポリヒドロキシアルキルアミン;
の少なくともひとつを含む。
【0017】
さらに本発明は、水硬性セメントに、フライアッシュ、スラグ、天然ポゾランおよびそれらの混合物から選択されるポゾラン性セメント置換物および、ポリカルボキシレート減水分散剤を含む適合混和剤を、コンクリートの促進剤と組み合わせて混合することを含む、セメント性材料を製造する方法を提供する。一つの態様において、本方法は、一般式I:
【化2】

式中、RおよびRは各々独立してC−Cアルキルであり、
、R、RおよびRは各々独立してH、C−Cアルキルであり、およびRはO(RO)、CHO(RO)、COO(RO)およびCONH(RO)のひとつであり、
MはH、Li、Na、K、Ca、Mg、NH、アルキルアミンおよびヒドロキシアルキルアミンの少なくともひとつであり、
n+m=3〜約100、好ましくはn+m=約5〜約50であり、
m=0のとき、n=約5〜約100、好ましくはn=約20〜約50であり、
n=0のとき、m=約3〜約100、好ましくはm=約5〜約15であり、
pおよびqは各々独立して1〜約100であり、好ましくは約15〜約50であり、
u、vおよびwは各々独立して1〜約100であり、好ましくは20〜約50であり、
但し、n>0およびm>0のとき、u、vおよびwのひとつは零であってもよく、
零でないとき、uの(v+w)に対する比は約1:10〜約10:1であり、
uのvに対する比は約1:1〜約100:1であり、
m+p=約10〜約400であり、
xおよびyは各々独立して1〜約100であり、好ましくは20〜約50であり、
但し、n>0およびm>0のとき、 xおよびyのひとつは零であってもよく、
両方が零でないとき、xのyに対する比は約1:10〜約10:1であり、
n+q=約10〜約400である、
で示されるポリマーおよび、対応する酸、およびそれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの塩誘導体を含むポリカルボキシレート分散剤を、促進剤と組み合わせて含む適合混和剤を使用する。
【0018】
さらに本発明は、水硬性セメント、およびポリカルボキシレート減水分散剤をコンクリートの促進剤と組み合わせて含み、セメントとセメント置換物との総重量を基準として、約10重量%を超えるポゾラン性セメント置換物を含むセメント性混合物の適合混和剤を含む。一つの態様において、適合混和剤は、一般式I:
【化3】

式中、RおよびRは各々独立してC−Cアルキルであり、
、R、RおよびRは各々独立してH、C−Cアルキルであり、およびRはO(RO)、CHO(RO)、COO(RO)およびCONH(RO)のひとつであり、
MはH、Li、Na、K、Ca、Mg、NH、アルキルアミンおよびヒドロキシアルキルアミンの少なくともひとつであり、
n+m=3〜約100、好ましくはn+m=約5〜約50であり、
m=0のとき、n=約5〜約100、好ましくはn=約20〜約50であり、
n=0のとき、m=約3〜約100、好ましくはm =約5〜約15であり、
pおよびqは各々独立して1〜約100であり、好ましくは約15〜約50であり、
u、vおよびwは各々独立して1〜約100であり、好ましくは20〜約50であり、
但し、n>0およびm>0のとき、u、vおよびwのひとつは零であってもよく、
零でないとき、uの(v+w)に対する比は約1:10〜約10:1であり、
uのvに対する比は約1:1〜約100:1であり、
m+p=約10〜約400であり、
xおよびyは各々独立して1〜約100であり、好ましくは20〜約50であり、
但し、n>0およびm>0のとき、 xおよびyのひとつは零であってもよく、
両方が零でないとき、xのyに対する比は約1:10〜約10:1であり、
n+q=約10〜約400である、
で示されるポリマーおよび、対応する酸、およびそれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの塩誘導体を含むポリカルボキシレート分散剤を促進剤と組み合わせて、好ましくは、
a) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムの硝酸塩;
b) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムの亜硝酸塩;
c) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのチオシアン酸 塩;
d) アルカノールアミン
e) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのチオ硫酸塩;
f) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのヒドロキシド;
g) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのカルボン酸塩;
または、
h) ポリヒドロキシアルキルアミン;
の少なくともひとつと組合せて含む。
本発明のさらなる目的および、本発明がこれらの目的をいかに達成するかを、以下に記載する。
【0019】
好適態様の詳細な説明
本発明は、ポルトランドセメントおよびポゾラン性セメント置換物を含む、コンクリート、モルタルおよびグラウト等の水硬性セメント混合物に入れるための添加処方物または混和剤である。“ポルトランドセメント”は、高含量のトリカルシウムシリケートを有するすべてのセメント性組成物を意味し、従ってポルトランドセメントであるか、またはポルトランドタイプセメントに化学的に同様または類似のものであり、その明細はASTM明細C−150−80に説明されている。
【0020】
本発明による高割合で使用できる水硬性の、またはポルトランドタイプのセメントに対するポゾラン性セメント置換材料は、クラスCとクラスFの両方のフライアッシュ、溶鉱炉スラグおよび天然ポゾラン材料を含む。これらの置換材料を、水硬性セメントおよびセメント置換物の10重量%よりも多い、好ましくは15重量%よりも多い、そして最も好ましくは割合20重量%よりも多い割合で使用できる。しかしながら、セメント性ミックスは、ポルトランドセメントとポゾラン性セメント置換材料との組合せの全重量の少なくとも50重量%のポルトランドセメントを含むことが最も好ましい。
【0021】
上述のように、セメント性混合物に通常の減水混和剤(圧縮強土を増す減水剤)と組み合わせて高割合のポゾラン性材料の添加は、セメント性混合物の凝結時間の有意な遅延となる。
【0022】
本発明は、、水硬性セメントを含む高ポゾラン性置換材料に対する新規な適合混和剤並びにポゾラン性置換物および適合混和剤を含む新規なセメント性混合物を提供し、またセメント性材料を製造する方法を提供する。本発明は、水硬性の、またはポルトランドタイプのセメントに対する高割合のポゾラン性置換材料を含むコンクリートの遅延を有意に減じ、また多くの場合その遅延を除去する。
【0023】
本発明は、水硬性セメント;該水硬性セメントおよびセメント置換物全体を基準として約10重量%を超える量の、フライアッシュ、スラグ、天然ポゾランおよびそれらの混合物から選択されたポゾラン性セメント置換物;およびポリカルボキシレート減水分散剤コンクリートの促進剤と組み合わせて含む適合混和剤を含有するセメント性混合物を含む。
【0024】
本発明による減水ポリカルボキシレート分散剤は、一般的にカルボキシル、スルホネートおよびホスホネート官能基の少なくとも一つで誘導され、加えて側鎖として親水性エチレンオキシド単位および/または親油性ポリプロピレンオキシド単位の混合物を含むポリビニールカルボキシレートポリマーからなる。このポリマーの代表的な側鎖は、アルキル、フェニル、置換フェニル、スルホン化フェニル、カルボン酸または塩、スルホン酸または塩、リン酸または塩、ポリオキシアルキレン、−CHO−ポリオキシアルキレン、−C(O)O−ポリオキシアルキレン、−C(O)NH−ポリオキシアルキレン、−C(O)NH(CH)nSOM等を含むがそれらに限定されない。
【0025】
一つの態様において、本適合混和剤は、一般式I:
【化4】

式中、RおよびRは各々独立してC−Cアルキルであり、
、R、RおよびRは各々独立してH、C−Cアルキルであり、およびRはO(RO)、CHO(RO)、COO(RO)およびCONH(RO)のひとつであり、
MはH、Li、Na、K、Ca、Mg、NH、アルキルアミンおよびヒドロキシアルキルアミンの少なくともひとつであり、
n+m=3〜約100、好ましくはn+m=約5〜約50であり、
m=0のとき、n=約5〜約100、好ましくはn=約20〜約50であり、
n=0のとき、m=約3〜約100、好ましくはn=約5〜約15であり、
pおよびqは各々独立して1〜約100であり、好ましくは約15〜約50であり、
u、vおよびwは各々独立して1〜約100であり、好ましくは20〜約50であり、
但し、両方n>0およびm>0のとき、u、vおよびwのひとつは零であってもよく、
零でないとき、uの(v+w)に対する比は約1:10〜約10:1であり、
vに対するuの比は約1:1〜約100:1であり、
m+p=約10〜約400であり、
xおよびyは各々独立して1〜約100であり、好ましくは20〜約50であり、
但し、n>0およびm>0のとき、 xおよびyのひとつは零であってもよく、
両方が零でないとき、xのyに対する比は約1:10〜約10:1であり、
n+q=約10〜約400である、
で示されるポリマー、および対応する酸、およびそれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの塩誘導体を含むポリカルボキシレート分散剤を促進剤と組み合わせて含む。
【0026】
本発明の適合混和物に有用なポリマーの一般式Iの例として、制限はされないが、Rはエチレン基であり、最も好ましくは、すべてのR基は同じである。Rは好ましくは、メチルまたはエチルであり、より好ましくは、メチルである。Rは好ましくは、水素原子またはメチルであり、独立してRは好ましくは、水素原子またはメチルである。ROは、ブロックまたはランダム型のCおよびCオキシアルキレン基の1種または2種の混合でもよい。式Iのポリマーは、一般的に約1,000〜1,000,000、好ましくは約2,000〜100,000の分子量を有する。(ここでの分子量は平均分子量である。)
【0027】
ポリマー一般式Iに示される酸無水物基を式II:
【化5】

によって示されるような対応遊離カルボン酸、またはそれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウム塩、好ましくはLi、Na、K、Ca、Mg、NHの塩、最も好ましくは式III:
【化6】

によって示されるNa塩で置き換えてもよい。
【0028】
本発明の適合混和物に使用されるポリマーを、ここに参照して含められている米国特許第5,158,996号およびEP0753488号に引用されているように当技術で公知の方法によってつくることができる。
【0029】
ポリカルボキシレートポリマーを形成するために使用できるモノマー(一般ポリマー式Iに付けられたサブスクリプト表示で確認されるように)は、例として、しかし制限されないが、モノマーとしてのスチレン(u);モノマーとしてのマレイン酸無水物、マレイン酸またはその塩(v);モノマーとして、アルキルまたはシクロアルキルアルコール、またはフェノールにアルキレンオキシドを付加することによって得られるようなポリアルキレングリコール(w);モノマーとしてのアクリル酸、メタクリル酸またはそれらの塩(x);モノマーとして(y)、ポリエチレングリコールモノ(メト)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メト)アクリレート、ポリエチレングリコールプロピレングリコールモノ(メト)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メト)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メト)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メト)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メト)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メト)アクリレートおよびエトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メト)アクリレートを単独または二つ以上の混合物の形で含む。
【0030】
一つの態様において、本発明に記載の高ポゾラン性置換のセメント性混合物に対する適合混和剤を形成するために促進剤と組み合わせて有用なポリカルボキシレート分散剤は、一般式IV:
【化7】

式中、構成要素は式Iに定義されているポリマーを含む。好ましくは、構成要素は以下のように定義される。即ち、(R−O)p−Rはポリアルキレングリコール鎖、RはCHCHであり、RはCHであり、およびRはCHO(RO)である。
【0031】
促進剤と組み合わせて本発明に記載の適合混和剤を形成するために有用な他のポリカルボキシレート分散剤は、以下のものを含むが、それに制限はされない。
【0032】
一般式V:
【化8】

式中、好ましくはRはHまたはCHであり、XはCHまたはCH−φ(CH−フェニル)であり、YはCHまたはC=Oであり、Mは式Iで定義されたとおりであり、Naが好ましく、a+b+c+d=1、好ましくはa:b:c:d=1:1:1:1の比で、rは約10〜約1,000であり、s=2〜約500であり、分子量約1,000〜約1,000,000、好ましくは約2,000〜約100,000を有するメタクリルグラフトポリマー。
【0033】
一般式VI:
【化9】

式中、好ましくはR10はHまたはCHであり、R11はCHまたはC=φであり、R12はCHまたはCH−Oであり、e+f+g+h=1、jは約10〜約1,000であり、k=2〜約500であり、分子量約1,000〜約1,000,000、好ましくは約2,000〜約100,000を有するメタクリルグラフトポリマー。
【0034】
一般式VII:
【化10】

式中、Zは、限定されるのではないが例えば、マレイン酸無水物、またはCH=CHR10−CHSOMまたはCH=CHR10−CON−CHR10(CHOCHCH)d'−(OCH−CH10)−OCH等のエチレン不飽和化合物等のグループa'およびb'のモノマーと共重合できるモノマーであり、好ましくはR10はHまたはCHであり、Mは上記に定義されたとおりであり、a'+b'+c'=1、d'は約10〜約10,000であり、k=2〜約500であり、分子量約1,000〜約1,000,000、好ましくは約2,000〜約100,000を有するメタクリルグラフトポリマー。
【0035】
一般式VIII:
【化11】

式中、好ましくはR10はHまたはCHであり、R13はCHであり、Mは上記に定義されたとおりであり、e':f'は約2:1〜約100:1であり、g'は約10〜約1,000であり、分子量約1,000〜約1,000,000、好ましくは約2,000〜約100,000を有するメタクリルグラフトポリマー。
【0036】
一般式IX:
【化12】

式中、好ましくはR14はCHまたはt−ブチレンであり、m'=1〜約100であり、n'=約10〜約1,000であり、分子量約1,000〜約1,000,000、好ましくは約2,000〜約100,000を有するコハク酸無水物グラフトコポリマー。
【0037】
塩化カルシウムを含む通常の促進剤と一緒のポリカルボキシレートポリマー分散剤の使用は、高ポゾラン含量のセメント性混合物の凝結時間遅延を克服するために効果的であるが、本発明は特に、塩化物含有促進剤の使用を避けることに効果的であり、従ってそれらにしばしば伴う腐食問題を回避できる。
【0038】
好ましくは、本発明による促進剤は、
a) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムの硝酸塩;
b) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムの亜硝酸塩;
c) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのチオシアン酸塩;
d) アルカノールアミン
e) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのチオ硫酸塩;
f) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのヒドロキシド;
g) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのカルボン酸塩;
または、
h) ポリヒドロキシアルキルアミン;
の少なくともひとつを含む。
【0039】
硝酸の塩は、一般式M(NO)aを有し、ここでMはアルカリ金属、またはアルカリ土類金属またはアルミニウムであり、aはアルカリ金属塩に対しては1、アルカリ土類金属塩に対しては2、アルミニウム塩に対しては3である。好ましいのは、Na、K、Mg、CaおよびAlの硝酸塩である。
【0040】
亜硝酸塩は、一般式M(NO)aを有し、ここでMはアルカリ金属、またはアルカリ土類金属またはアルミニウムであり、aはアルカリ金属塩に対しては1、アルカリ土類金属塩に対しては2、アルミニウム塩に対しては3である。好ましいのは、Na、K、Mg、CaおよびAlの亜硝酸塩である。
【0041】
チオシアン酸の塩は、一般式M(SCN)bを有し、ここでMはアルカリ金属、またはアルカリ土類金属またはアルミニウムであり、bはアルカリ金属塩に対しては1、アルカリ土類金属塩に対しては2、アルミニウム塩に対しては3である。これらの塩は、種々スルホシアネート、スルホシアニド、ロダネートまたはロダニド塩として知られる。好ましいのは、Na、K、Mg、CaおよびAlのチオシアン酸塩である。
【0042】
アルカノールアミンは、アルキルアルコールの炭素原子に直接3価の窒素が付いているグループの化合物に対する一般名である。代表的な式は、NHc[(CH)dCHOH]eであり、ここでcは1〜2であり、dは1〜約5であり、eは1〜約3である。
【0043】
例は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンを含むが、これに限定されない。
【0044】
チオ硫酸塩は、一般式Mf(S)gを有し、ここでMはアルカリ金属、またはアルカリ土類金属またはアルミニウムであり、 M金属元素の原子価によってfは1または2、gは1、2または3である。好ましいのは、Na、K、Mg、CaおよびAlのチオ硫酸塩である。
【0045】
カルボン酸塩は一般式RCOOMを有し、式中RはHまたはC〜約C10アルキルであり、Mはアルカリ金属、またはアルカリ土類金属またはアルミニウムである。好ましいのは、Na、K、Mg、CaおよびAlのカルボン酸塩である。好ましいカルボン酸塩は蟻酸カルシウムである。
【0046】
好ましいポリヒドロキシルアミンは一般式(HO)jNHk(CH)lNHk(OH)jを有し、式中jは1〜2、kは1〜約3、lは1〜約5である。テトラヒドロキシエチレンジアミンが好ましい。
【0047】
通常の塩化物含有促進剤を、例えばコンクリートブロック製造において補強鋼の腐食が問題とならない製品に対しては、本発明による適合混和剤を形成するためにポリカルボキシレート分散剤と組み合わせて使用してもよい。
【0048】
セメント性混合物はさらに、セメントと骨材の混合物の水硬性凝結をおこすのに十分な量の水、および所望により、シリカヒュームまたはメタカオリン等の付加的材料を含んでもよい。当該技術で通例であるように、骨材という用語は、砂等の細骨材、礫等の粗骨材の両方を含む。細骨材および粗骨材の割合は、モルタルまたはコンクリートの所望の性質によって変わるであろう。水の量は、一般的にセメント成分の水硬性凝結をおこし、硬化前にミックスに所望の程度のワーカビリティをあたえるのに十分でなければならない。
【0049】
本発明の実施において、上記の適合混和剤成分を、このミックスの硬化および凝結の速度を促進し、硬化後の圧縮強度を増すための水を少なくし、それによって製造物の全体の耐久性を高めるために、ポゾラン性置換材料および水硬性セメントを適合させるのに十分な量を、水硬性セメントミックスに加える。混和剤を、好ましくは、水硬性セメント、ポゾラン性置換材料、骨材および付加的な添加剤を混合することに使用される水部分を含む水溶液としてミックスに加える。代表的な混和剤処方物を下の表1Aに説明する。(百分率は重量百分率である。)
【表1】

【0050】
混和剤溶液の残りは水を含む。例として、限定されることはないが、水溶液中の100ポンドのセメント性材料(セメント+セメント置換物)につき配分される活性混和材料の量は表1Bに以下のように好ましく計算される。
【表2】

【0051】
発明の具体的態様
本発明の実施によって得られる利点を説明するために、無筋コンクリートミックスを製造し、上記の適合混和剤を含む同様のミックスと比較した。試験の方法および詳細は現行ASTM規格に従い、各シリーズの試験において、個々のミックスは、セメント+セメント置換物含量およびASTM C143−78に従って測定されたワーカビリティの程度に関して同等程度であった。圧縮強度に使用された試験はASTM C39であり、凝結時間の試験はASTM C403であった。
【0052】
本発明に記載の適合混和剤を、式:
【化13】

式中、R、RおよびRはメチルであり、Rはエチルであり、Rはq=約75のポリエチレングリコール基であり、MはNaであり、mは0であり、nは約10〜20であり、xおよびyは各々1であり、促進化合物は下の表1Cに掲げた。成分を100ポンドのセメント性材料(セメント+セメント置換物)につき配分されるポンドで示す。
【0053】
【表3】

上記混和剤溶液を下の表で説明されるミックスデザインに利用した。混合物から得られるセメント性混合物を凝結時間、圧縮強度およびワーカビリティに対して試験した。
【0054】
例1−6
例1−6に対してつくられたセメント性材料ミックスデザインを下の表Aに説明する。
混和剤Aは例1、2および4に使用され、混和剤Bは例5に使用された。対照例3および6はポルトランドセメントに対するフライアッシュ置換物を有さず、従って適合混和剤は使用されなかった。凝結時間を下の表2に報告する。
【表4】

【表5】

【0055】
ポルトランドセメントに対して30%のフライアッシュ置換物を含有する発明例2の凝結時間は比較例3に比べてわずかに早いが、発明例4および5は比較例6よりも早かった。この発明した適合混和剤の使用は、ミックスデザインで使用される水の量を減少させ、凝結時間を遅延せず、むしろ発明混合物では促進した。圧縮強度は、例3Cよりも例1で若干小さく、例6Cよりも例4および5で若干小さかった。これは発明例ではセメント置換物を含有するコンクリートに対して、3Cおよび6Cでは比較されるコンクリートが無筋コンクリートであるからである。混和剤用量を増加(および減水を高める)ことにより、圧縮強度は例2におけるように無筋コンクリートのそれをも超えることができる。
【0056】
例7−12
例7−12に対してつくられたセメント性材料ミックスデザインを下の表Bに説明する。
混和剤Aを例8、9および11で使用したが、混和剤Bを例12で使用した。対照例7および10は、本発明の例のように、セメントに対して30重量%のフライアッシュを含むが、混和剤を含まなかった。試験結果を表3に説明する。
【表6】

【表7】

【0057】
適合混和剤を含まないフライアッシュ含有セメント性混合物の凝結時間は若干遅延したが、本発明ミックスの凝結時間は遅延フライアッシュ置換成分を含まない比較例よりもよかった。7Cに比べた例9および、10Cに比べた例11および12に示されるように、比較のフライアッシュ含有コンクリートよりも大きい圧縮強度が適合混和剤をの使用によって得られた。
【0058】
例13−16
例13−16に対してつくられたセメント性材料ミックスデザインを下の表Cに説明する。
混和剤Bを例14および16で使用した。本発明による例14のように、比較例13はセメントの25重量%の溶鉱炉スラグを含むが、適合混和剤をふまなかった。本発明による例16のように、比較例15はセメントの50重量%の溶鉱炉スラグを含むが、適合混和剤を含まなかった。試験結果をを表4に説明する。
【表8】

【表9】

【0059】
本発明例において、減水を本発明適合混和剤の使用によって達成し、同時に本発明セメント混合物の凝結時間は、対応する非適合比較例よりも有意に短かかった。
【0060】
例17−19
例17−19に対してつくられたセメント性材料ミックスデザインを下の表Dに説明する。
【表10】

【0061】
例17C、18および19のミックスデザインにおいて、セメントは24%の天然ポゾラン性材料を含有した。比較例17は適合混和剤を含まないが、混和剤Aを例18および19のミックスへ入れた。試験結果を表5に説明する。
【表11】

【0062】
本発明例18および19によって減水を達成し、同時に例19の凝結時間は、対応する比較例17よりも有意に促進された。
【0063】
例20−24
以下のミックスデザインを製造した。即ち
【表12】

【0064】
セメント性混合物を適合混和剤を加えずに、および種々の適合ポリマー含有混和剤を加えて凝結時間の試験をした。試験結果を表6に説明する。例21および22で使用されたポリマーAは式:
【化14】

式中、構成要素はポリマーAに対して上に定義されたとおりである。
例23で使用されたポリマーBは式:
【化15】

式中、p=24−25でRはエチルであり、Rはメチルであり、MはNaであり、mは約16〜約25であり、nは0であり、u:(v+w)=1:1、そしてv:w=1:1である。
【表13】

【0065】
本発明によるポリマーおよび促進剤混和剤Aを使用するか、比較として混和剤無しで、さらに以下のミックスデザインを製造し、50°Fで試験した。成分および試験結果を表7A(英語単位)および7B(SI単位)に説明する。
【表14】

【表15】

【0066】
上に説明したように、本発明は本発明の目的を達成している。許容できるかまたは改善された圧縮強度を有し、工業的に許容できる時間で凝結する、ポルトランドセメントのような水硬性セメント並びに減水材料に対する有意な割合のポゾランセメント置換材料を含むセメント性混合物が提供される。許容できるかまたは改善された圧縮強度を有し、工業的に許容できる時間で凝結する、ポルトランドセメントのような水硬性セメント並びに減水材料に対する有意な割合のポゾランセメント置換材料を含むセメント性混合物を製造するための方法が提供される。この目的が有意な割合のポゾランセメント置換物を含むセメント性混合物に対する本発明の適合混和剤によって達成される。
【0067】
この適合混和剤は、中性能減水剤(約5%から約15%の混合水の減少をする)として機能する。得られる製品の圧縮強度および耐久性が改善される。ポゾラン性材料による水硬性セメントの有意な置換が達成され、二つのクラスCおよびクラスFのフライアッシュ等の置換物を含むセメント性混合物の凝結時間が、置換材料を含まない通常の混合物の凝結時間と同等か、それ以下になる。本発明のセメント性混合物の凝結時間は、多量のフライアッシュ、溶鉱炉スラグまたはポゾラン性セメントを含む非処理コンクリートよりも有意に促進される。
【0068】
本発明は、上記の具体的態様に限定されるものではなく、修飾、変更および以下のクレームによって定義される均等な態様を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水硬性セメントと、ポルトランドセメントおよびセメント置換物の約10重量%を超える量のポゾラン性セメント置換物とを含有するセメント性混合物に対する適合混和剤であって、コンクリートの促進剤と組み合わせてポリカルボキシレート減水分散剤を含む、前記適合混和剤。
【請求項2】
適合混和剤が塩化物のない請求項1に記載の混和剤。
【請求項3】
促進剤が、
a) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムの硝酸塩;
b) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムの亜硝酸塩;
c) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのチオシアン酸 塩;
d) アルカノールアミン
e) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのチオ硫酸塩;
f) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのヒドロキシド;
g) アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアルミニウムのカルボン酸塩;
または、
h) ポリヒドロキシアルキルアミン;
の少なくともひとつを含む、請求項1に記載の混和剤。
【請求項4】
ポリカルボキシレート分散剤がカルボキシル、スルホネートおよびホスホネート官能基の少なくとも一つで誘導されたポリビニールカルボキシレートポリマーを含む、請求項1に記載の混和剤。
【請求項5】
ポリマーがさらに、1)親水性エチレンオキシド単位および、2)親油性ポリプロピレンオキシド単位の少なくとも一つを含む非イオン性ポリマー側鎖を含む、請求項4に記載の混和剤。
【請求項6】
ポリカルボキシレート分散剤が一般式I:
【化1】

式中、RおよびRは各々独立してC−Cアルキルであり、
、R、RおよびRは各々独立してH、C−Cアルキルであり、およびRはO(RO)、CHO(RO)、COO(RO)およびCONH(RO)のひとつであり、
MはH、Li、Na、K、Ca、Mg、NH、アルキルアミンおよびヒドロキシアルキルアミンの少なくともひとつであり、
n+m=3〜約100、好ましくはn+m=約5〜約50であり、
m=0のとき、n=約5〜約100、
n=0のとき、m=約3〜約100、
pおよびqは各々独立して1〜約100であり、
u、vおよびwは各々独立して1〜約100であり、
但し、n>0およびm>0のとき、u、vおよびwのひとつは零であってもよく、
零でないとき、uの(v+w)に対する比は約1:10〜約10:1であり、
vに対するuの比は約1:1〜約100:1であり、
m+p=約10〜約400であり、
xおよびyは各々独立して1〜約100であり、
但し、n>0およびm>0のとき、 xおよびyのひとつは零であってもよく、
両方が零でないとき、xのyに対する比は約1:10〜約10:1であり、
n+q=約10〜約400である、
で示されるポリマー、および対応する酸、およびそれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの塩誘導体;
任意に、式中mおよびnの一つが零であるポリマーを含む、請求項1に記載の混和剤。
【請求項7】
ポリカルボキシレートポリマーが、モノマー(u)としてスチレン;モノマー(v)としてマレイン酸無水物、マレイン酸及びその塩の少なくとも1つ;モノマー(w)として、ポリアルキレングリコール;モノマー(x)としてアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩の少なくとも1つ;モノマー(y)として、ポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)クリレート、ポリエチレングリコールプロピレングリコールモノ(メタ)クリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)クリレート、メトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)クリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)クリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)クリレートおよびエトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)クリレート、およびそれらの混合物の少なくとも1つを含む、請求項6に記載の混和剤。
【請求項8】
ポリカルボキシレート分散剤が、一般式IV:
【化2】

任意に、式中、(R−0)p−Rはポリアルキレングリコール鎖、RはCHCHであり、RはCH3であり、およびRはCHO(RO)である、
ポリマーを含む、請求項6に記載の混和剤。
【請求項9】
ポリカルボキシレート分散剤が、一般式V:
【化3】

式中、RはHまたはCHであり、XはCHまたはCH−φであり、YはCHまたはC=Oであり、MはH、Li、Na、K、Ca、Mg、NH、アルキルアミンおよびヒドロキシアルキルアミンの少なくともひとつであり、a+b+c+d=1、rは約10〜約1,000であり、s=2〜約500である、のポリマーを含む、請求項1に記載の混和剤。
【請求項10】
ポリカルボキシレート分散剤が、一般式VI:
【化4】

式中、R10はHまたはCHであり、R11はCHまたはC=Φであり、R12はCHまたはCH−φであり、e+f+g+h=1、jは約10〜約1,000であり、k=2〜約500である、
のポリマーを含む、請求項1に記載の混和剤。
【請求項11】
ポリカルボキシレート分散剤が、一般式VII:
【化5】

式中、 Zはグループa'およびb'のモノマーと共重合できるモノマーであり、R10はHまたはCHであり、MはH、Li、Na、K、Ca、Mg、NH、アルキルアミンおよびヒドロキシアルキルアミンの少なくともひとつであり、a'+b'+c'=1、d'は約10〜約1,000であり、k=2〜約500である、
のポリマーを含む、請求項1に記載の混和剤。
【請求項12】
ポリカルボキシレート分散剤が、一般式VIII:
【化6】

式中、R10はHまたはCHであり、R13はCHであり、 MはH、Li、Na、K、Ca、Mg、NH、アルキルアミンおよびヒドロキシアルキルアミンの少なくともひとつであり、e':f'は約2:1〜約100:1であり、g'は約10〜約1,000である、
のポリマーを含む、請求項1に記載の混和剤。
【請求項13】
ポリカルボキシレート分散剤が、一般式IX:
【化7】

式中、R14はCHまたはt−ブチレンであり、m'=1〜約100であり、n'=約10〜約1,000である、
のポリマーを含む、請求項1に記載の混和剤。
【請求項14】
セメント性材料を製造する方法であって、水硬性セメントを、フライアッシュ、スラグ、天然ポゾランおよびそれらの混合物から選択されるポゾラン性セメント置換物並びに請求項1〜12のいずれかに記載の適合混和剤を混合することを含み、任意にさらにセメントおよびセメント置換物と骨材とを混合することを含み、さらにセメント、セメント置換物および骨材の混合物の水硬性凝結を行わせるために十分な水を混合すること含む、前記方法。
【請求項15】
さらにシリカヒュームおよびメタカオリンの少なくとも一つをセメントおよびセメント置換物と混合することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
水硬性セメント;該水硬性セメントおよびセメント置換物の約10重量%を超える量の、フライアッシュ、スラグ、天然ポゾランおよびそれらの混合物から選択されるポゾラン性セメント置換物;および請求項1〜13のいずれかに記載の適合混和剤を含み、任意に骨材、シリカヒュームおよびメタカオリンの少なくとも一つを含むセメント性混合物。
【請求項17】
水硬性セメントが、ポルトランドセメントを含む請求項16に記載のセメント性混合物であって、該水硬性セメントおよびセメント置換物の重量を基準として少なくとも50重量%のポルトランドセメントを含有する、前記セメント性混合物。
【請求項18】
水硬性セメントおよびセメント置換物の約15重量%を超える量のセメント置換物を含み、任意にセメント置換物が、クラスCフライアッシュおよびクラスFフライアッシュの少なくとも一つを含む、請求項16に記載ののセメント性混合物。
【請求項19】
セメント置換物が、1)水硬性セメントおよびセメント置換物の少なくとも約25重量%の量のスラグ、および2)水硬性セメントおよびセメント置換物の少なくとも約24重量%の量の天然ポゾランの一つを含む、請求項16に記載のセメント性混合物。
【請求項20】
適合混和剤の活性成分が水硬性セメントおよびセメント置換物の重量の100部につき約0.09〜約2部の量で存在する、請求項16に記載のセメント性混合物。

【公開番号】特開2010−132547(P2010−132547A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281896(P2009−281896)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【分割の表示】特願平10−548990の分割
【原出願日】平成10年5月14日(1998.5.14)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【Fターム(参考)】