説明

高分子化合物の処理方法及び装置

【課題】反応用押出機のスクリュピースにニーディングディスクを使用することなく、バージン材料とほぼ同等の機械特性及び分子量を有する高分子生成物を生成する高分子化合物の処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体の薬剤とを反応用押出機10中で反応させて高分子生成物を生成する高分子化合物の処理方法において、反応用押出機10のスクリュ軸11と一体に回転するスクリュピース12を、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体の薬剤とを反応用押出機中で反応させて高分子生成物を生成する高分子化合物の処理方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
汎用高分子化合物材料であるポリエチレンは電気絶縁性に優れた材料であり、電線・ケーブルの被覆材料として広く使用されている。また、ポリエチレン分子同士を三次元的に架橋することで耐熱性を付与した架橋ポリエチレンについても電線・ケーブルの被覆材料として大量に使用されている。
【0003】
通常、ポリエチレンは熱可塑性であることから、再度成形が可能であり広くマテリアルリサイクルされているが、架橋ポリエチレンは熱可塑性を持たないためにマテリアルリサイクルがあまり進められておらず、ほとんどが埋立・焼却処分される。
【0004】
このような架橋ポリエチレンについても、マテリアルリサイクルを実施しようとする動きが高まり、これを可能とする技術も現れつつある。例えば、特許文献1には、押出機中でスクリュのせん断力を利用して架橋ポリエチレンの分子鎖を切断することにより熱可塑化する方法が開示されており、特許文献2,3には、亜臨界又は超臨界のアルコールや炭酸エステルと接触させることによりシラン架橋ポリマの架橋結合であるシロキサン結合を選択的に切断して熱可塑化する方法が開示されている。
【0005】
特に、亜臨界又は超臨界のアルコールや炭酸エステルを用いて熱可塑化する方法では、特許文献1に開示された方法に比べてポリエチレン分子量の低下が少ないため、比較的良好な機械特性を有する再生ポリエチレンが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3026270号公報
【特許文献2】特許第4081454号公報
【特許文献3】特開2010−1385号公報
【特許文献4】特開2006−26949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特に、特許文献1や特許文献2に示されるような処理方法には、(二軸)押出機が使用され、架橋ポリエチレンに対するせん断付与や高圧下で架橋ポリエチレンを充満させることを目的として、スクリュ構成の一部若しくは広い領域にニーディングディスク(楕円状ディスクから構成された混練用スクリュピース)を使用することが多い。
【0008】
このため、意図的に又は意図的でないにしろ架橋ポリエチレンや架橋ポリエチレンを処理した再生ポリエチレンに過度のせん断がかかってしまうため、再生ポリエチレンはバージン材料に比べて機械特性やポリエチレン分子量の低下が避けられない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、反応用押出機のスクリュピースにニーディングディスクを使用することなく、バージン材料とほぼ同等の機械特性及び分子量を有する高分子生成物を生成する高分子化合物の処理方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために創案された本発明は、高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体の薬剤とを反応用押出機中で反応させて高分子生成物を生成する高分子化合物の処理方法において、前記反応用押出機のスクリュ軸と一体に回転するスクリュピースを、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造とする高分子化合物の処理方法である。
【0011】
また、本発明は、高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体の薬剤とを反応用押出機中で反応させて高分子生成物を生成する高分子化合物の処理装置において、前記反応用押出機は、前記高分子化合物の供給部と、前記薬剤を注入する注入部と、前記薬剤を前記供給部側に逆流しないようにするためのシール部と、前記高分子化合物と前記薬剤の混合物を押出機下流側に搬送する搬送部とを備え、前記シール部が、前記反応用押出機のスクリュ軸と一体に回転するスクリュピースと、前記スクリュピースよりも押出機下流側に設けられたシールリングとからなり、前記スクリュピースが、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造である高分子化合物の処理装置である。
【0012】
前記スクリュピースの表面には、前記シール部に前記高分子化合物の圧力がかかる際に、前記反応用押出機のシリンダ内壁と接近又は接し、前記スクリュ軸を支持して前記スクリュ軸の振動や変形を防止する曲線を帯びた突起状の支持体が形成されると良い。
【0013】
前記反応用押出機停止中の前記支持体の頂点部と前記シリンダ内壁とのクリアランスは0.5mm以上1.5mm以下であると良い。
【0014】
前記スクリュピースは、L/D(スクリュ軸長(L)/スクリュ軸断面直径(D))=0.5mmに少なくとも1つ以上の前記支持体を有すると良い。
【0015】
前記反応用押出機は二軸押出機であると良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、反応用押出機のスクリュピースにニーディングディスクを使用することなく、バージン材料とほぼ同等の機械特性及び分子量を有する高分子生成物を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る高分子化合物の処理方法に用いるスクリュピースとその配置の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図2】反応用押出機のスクリュを示すシール部近傍の模式図である。
【図3】本発明に係る高分子化合物の処理方法に用いるスクリュピースとその配置の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図4】本発明に係る高分子化合物の処理方法に用いるスクリュピースとその配置の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図5】本発明に係る高分子化合物の処理方法に用いるスクリュピースとその配置の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図6】本発明に係る高分子化合物の処理方法に用いるスクリュピースとその配置の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図7】本発明に係る高分子化合物の処理方法に用いるスクリュピースとその配置の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図8】本発明に係る高分子化合物の処理方法に用いるスクリュピースとその配置の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る高分子化合物の処理装置を示す概略図である。
【図10】比較例1で用いた反応用押出機のスクリュを示すシール部近傍の模式図である。
【図11】比較例2で用いた反応用押出機のスクリュを示すシール部近傍の模式図である。
【図12】比較例3で用いた反応用押出機のスクリュを示すシール部近傍の模式図である。
【図13】従来のスクリュピースとその配置の一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る高分子化合物の処理方法は、高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体の薬剤とを反応用押出機中で反応させて高分子生成物を生成する方法であり、反応用押出機のスクリュピースにニーディングディスクを使用することなく、バージン材料とほぼ同等の機械特性及び分子量を有する高分子生成物を生成するためのものである。
【0019】
通常、ニーディングディスクは高分子化合物の混練・分散用途に用いられ、高圧下での使用にも適したスクリュピースである。ニーディングディスクは、特許文献2に示された押出機では特に高分子化合物を充満させる高圧環境下のシール部に適用されることがあり、また、特許文献4に示されたように超臨界流体用の押出機中に混練や脱気を目的として使用されることもある。
【0020】
高分子生成物の機械特性を考慮した場合、ニーディングディスクによって加えられるせん断は分子量の低下を招くため、できる限り使用領域を減らしたり、使用しないことが望ましい。
【0021】
例えば、特許文献2に示された従来の押出機では、シール部はニーディングディスクとシールリング(せき止め効果の高いリング状のシール用ピース)を組み合わせた構成である。
【0022】
特許文献2に示された構成の押出機を用いた場合に、高分子生成物のせん断を抑えるために、単純にニーディングディスクを除いた構成とした場合、シール部が、高分子化合物の供給部に使用されるフルフライト(材料を送るための羽根が付いた搬送用スクリュピース)とシールリングとからなる構成となり、シールリング手前で急激な圧力上昇が起こると、フルフライトはニーディングディスクのように混練する目的のものではないため、ニーディングディスクより脆く、フルフライトの羽根が破損するなどの不具合が予想される。
【0023】
そこで、段階的に昇圧しながら、且つせん断を抑制するために、シール部での高分子化合物の充満率を高め、高分子化合物にかかるせん断を抑制するには最も好適なスクリュピースであるトーピードピース(円筒状のスクリュピースで、シリンダ内の空間体積が大きく滞留時間の延長に効果がある)の適用が考えられるが、押出機停止状態でのシリンダとスクリュピースとの間の距離(クリアランス)が比較的大きいため、高圧下で使用した場合、高分子化合物の圧力が不均一であると圧力による応力でスクリュ軸が振動して変形し、最悪の場合、スクリュ軸が折れる可能性や他のスクリュピースが押出機シリンダ壁面と接触(かじり)を繰り返すことでスクリュピースの摩耗や破損、シリンダの損傷といった不具合が考えられるため、本用途には適用が難しい。
【0024】
そこで、このような高分子化合物が充満し、さらに高温高圧となる部分、特に反応用押出機のシール部において、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造のピースを配置するという本発明に至った。
【0025】
そのような形態の一つとして、トーピードピースの外面に突起状の支持体を有するスクリュピースをニーディングディスクの代わりに配置することが挙げられる。突起状の支持体は、スクリュピースが応力を受けた際に、スクリュ軸の振動を最小限に抑える効果があるため、トーピードピースの高圧下での使用を可能とするものである。
【0026】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0027】
図1,2に示すように、本実施の形態に係る高分子化合物の処理方法は、高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体の薬剤とを反応用押出機10中で反応させて高分子生成物を生成する方法であり、反応用押出機10のスクリュ軸11と一体に回転するスクリュピース12を、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造とすることを特徴とする。
【0028】
この高分子化合物の処理方法に用いる高分子化合物の処理装置は、反応用押出機10を有しており、反応用押出機10は、高分子化合物の供給部13と、薬剤を注入する注入部14と、薬剤を供給部13側に逆流しないようにするためのシール部15と、高分子化合物と薬剤の混合物を押出機下流側に搬送する搬送部16とを備える。
【0029】
反応用押出機10は、単軸押出機でも二軸押出機でも良いが、シール性の観点からは二軸押出機である方が良い。図2に示したように、二軸押出機であると、後述するシールリング17がシール部15で噛み合うように各スクリュ軸11に設置されるため、シール性が高く、高分子化合物の充満率を効率的に高くすることができる。
【0030】
シール部15は、反応用押出機10のスクリュ軸11と一体に回転するスクリュピース12を有するスクリュピース部と、スクリュピース12よりも押出機下流側に設けられたシールリング17を有するシールリング部とからなる。つまり、シール部15には、各スクリュ軸に対し、複数のスクリュピース12と1つのシールリング17が配置されている。
【0031】
これらスクリュピース12とシールリング17は、注入部14の手前に設けられる。また、スクリュピース12は、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造、特に有効な方法として、スクリュピース12の表面に支持体18を設けた構造にされる。
【0032】
従来の処理方法(分解方法)では、材料が充満しているシール部15で、材料にせん断をかけて、材料の架橋を分解する方法を用いていた。そのため、このシール部15には、ニーディングディスクを用いて材料をすりつぶしていた。
【0033】
ニーディングディスクの構造は、図13に示すように、ニーディングディスク60がスクリュ軸11に対して垂直に設置されているため、フルフライトのように材料を送り出す機能はなく、更に、シリンダ内壁19と接近する面61は、角を持った四角形であるため、フルフライトなどの材料を送り出す機能を持つピースから構成される供給部から送り出される材料によって、ニーディングディスクが設けられた部分に滞留する材料を押出機下流側へ押し出さない限り、この部分の材料は面61によってせん断がかけられる。
【0034】
本実施の形態においても、高分子化合物を充満させることは従来とかわらないため、支持体18はスクリュ軸11に対して垂直に設置され、材料を送り出す機能を持たず、供給部13から送られる高分子化合物圧により押し出され順次注入部14へ高分子化合物が送り込まれる。
【0035】
しかし、本実施の形態では、高分子化合物をせん断するのではなく、薬剤によって架橋を反応分解する方法に用いる装置であるので、シール部15で高分子化合物にせん断をかけることは望ましくない。
【0036】
そのため、シール部15に設けるスクリュピース12はスクリュ軸11の振動を抑制するためにスクリュ軸11を支持する支持体18を設けたものである。この支持体18による高分子化合物への応力はかからないように、若しくは最低限に抑えるようにすることが好ましいため、支持体18のシリンダ内壁19と接近若しくは接する部分は、図1に示したように、点又は曲面であるようにする。
【0037】
高分子化合物、又は高分子化合物と薬剤やその反応物を送り出す目的である供給部13、注入部14を含む搬送部16にはフルフライト20が設けられている。フルフライト20は、羽根21がスクリュ軸11に沿って螺旋状に設けられているため、材料を軸方向に送り出す機能を有する。
【0038】
一方、高分子化合物を充満させて薬剤の逆流を防ぐ目的のシール部15に用いるスクリュピースには、高分子化合物を搬送する機能を必要としない。
【0039】
以下、スクリュピースの構造について詳細に説明する。
【0040】
本発明に係る高分子化合物の処理方法(分解方法)は、高分子化合物を反応用押出機10のせん断により分解するのではなく、薬剤により反応分解させる方法であり、高分子化合物にはスクリュピースによるせん断を与えないことが好ましいため、ニーディングディスク60を使用しない。更に、シール部15は、高分子化合物が充満、滞留し、高圧になるため、それに耐え得るスクリュピースで構成されることが求められる。
【0041】
高分子化合物にせん断を与えず、高温高圧下での使用に耐え得るスクリュピースであれば使用可能であるが、一例として曲線を帯びた突起状の支持体18が形成されたスクリュピース12を設ける方法が有効である。端部に丸みを持たせたような形状であると、高圧下での使用でも摩耗が抑えられ、また高分子化合物に与えるせん断を低減させることが可能である。
【0042】
このような理由から、スクリュピース12の表面には、シール部15に高分子化合物の圧力がかかる際に、反応用押出機10のシリンダ内壁19と接近又は接し、スクリュ軸11を支持してスクリュ軸11の振動や変形を防止する曲線を帯びた突起状の支持体18が形成される。
【0043】
支持体18の形状は、角を持たない曲線からなり、シリンダ内壁19と接触する部分は、点又は角を持たない曲面であると良い。また、安定性を考慮し、各支持体18は同形状であることが好ましい。
【0044】
支持体18の頂点部22とシリンダ内壁19とのクリアランスCは0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。クリアランスCとは、各スクリュピース12の支持体18の頂点部22、即ち、頂点若しくは頂点を含む面と反応用押出機10のシリンダ内壁19との反応用押出機停止状態での空間距離のことであり、より好ましくは1.0mm以上1.2mm以下とすると良い。
【0045】
スクリュピース12は、L/D(スクリュ軸長(L)/スクリュ軸断面直径(D))=0.5mmに少なくとも1つ以上の支持体18を有することが好ましい。各スクリュピース12の支持体18の個数に合わせて、それぞれのスクリュピース12を組み合わせれば良い。
【0046】
このとき、高分子化合物の圧力がかかっても、スクリュ軸11が振動しないようにスクリュピース12の支持体18により支えられる構造であり、且つ高分子化合物にせん断を与えない配置とする。
【0047】
例えば、1つのスクリュピース12に支持体18が2つ以上ある場合には、1つのスクリュピース12があれば、その支持体18でスクリュ軸11の振動を抑えることができるが、スクリュピース12が1つであると、材料が充満する部分のL/Dが小さく、高分子化合物の充満時間が短くなるため、スクリュピース12は2つ以上設けることが好ましい。
【0048】
なお、1つのスクリュピース12に支持体18が1つの場合には、1つのスクリュピース12では、スクリュ軸11を支持できないため、支持体18を少なくとも1つ以上設けているスクリュピース12を更に設置する必要がある。
【0049】
以下にスクリュピース12の配置の一例を示す。以下の例は、シール部15に複数のスクリュピース12を設けた例であり、説明のためにホッパ側のスクリュピース12からそれぞれ第1スクリュピース12a、第2スクリュピース12b、第3スクリュピース12cとして説明する。スクリュピース12の個数は必要により適宜決められるが、ここでは説明のために3個までとした。さらに、支持体18とシリンダ壁面とのクリアランス等を見やすくするために、ここでは押出機が単軸であった場合の図、及び説明とする。なお、スクリュピース12の下流側には、シールリング17が設けられる。
【0050】
[支持体が1つである場合の例]
図3,4に示すように、1つのスクリュピース12に支持体18が1つである場合は、1つのスクリュピース12だけでは高分子化合物圧力によるスクリュ軸11の振動を抑えることができないため、スクリュピース12を複数個配置する必要がある。
【0051】
スクリュピース12を2つしか設けない場合は、第1スクリュピース12aと第2スクリュピース12bの支持体18a,18bは、図3に示すように、支持体18a,18bが対称的な位置となるように配置すると良い。
【0052】
支持体18が1つのスクリュピース12であっても、スクリュピース12を3つ以上設ける場合はその限りではなく、スクリュ軸11を支持できる構造であれば良い。例えば、図4に示すように、支持体18a,18b,18cが90度毎に配置されるように第1〜第3スクリュピース12a〜12cを配置する。
【0053】
なお、スクリュピース12はスクリュ軸11に固定され、それぞれのスクリュピース12は連動して動くため、固定した支持体18の位置がずれることはない。
【0054】
[支持体が2つ以上である場合の例]
図5〜8に示すように、1つのスクリュピース12に支持体18が2つ以上ある場合は、1つのスクリュピース12でもある程度、スクリュ軸11の振動を抑制できるため、第1スクリュピース12a、第2スクリュピース12b、それ以降のスクリュピース12の支持体18の配置角度は、特に規定されない。
【0055】
例えば、1つのスクリュピース12に支持体が4つの場合は、図7に示すように、第1及び第2スクリュピース12a,12bを側面から見たときに、各スクリュピース12a,12bの支持体18a,18bが並行に一列に並ぶように配置しても良いし、図8に示すように、第1及び第2スクリュピース12a,12bを側面から見たときに、第1スクリュピース12aの支持体18aと第2スクリュピース12bの支持体18bが並列せず、スクリュ軸11に対して螺旋を描くように点在した配置としても良い。
【0056】
また、スクリュ軸11の高分子化合物の圧力による振動を抑え、スクリュ軸11を支持できるのであれば、各スクリュピース12の支持体18の数は異なっても良い。しかし、あまり支持体18を多くし、且つ、各スクリュピース12の支持体18が螺旋を描くように点在している場合、角を持たない支持体18であっても高分子化合物へせん断が加わってしまうことに留意しなければならない。
【0057】
各スクリュピース12の支持体18の数、スクリュピース12の配置については適宜調整可能であるが、あくまで、高分子化合物圧によるスクリュ軸11の振動を抑え、スクリュ軸11を支持する最低限度の支持体18の数及び配置とする。
【0058】
これまで説明した機構を有する高分子化合物の処理装置の全体構成を説明する。
【0059】
図9に示すように、高分子化合物の処理装置30は、高分子化合物と薬剤とを反応させて高分子生成物を生成する反応用押出機10と、反応用押出機10で生成した高分子化合物と薬剤との混合物から薬剤を脱気する脱気用押出機31とを主に備える。
【0060】
反応用押出機10及び脱気用押出機31は、単軸でも多軸でも良いが、高分子化合物等のシール性の点から二軸押出機が好ましい。二軸押出機は、シリンダ内に一対のスクリュを互いに同方向、或いは異方向に回転自在に設けて構成される。
【0061】
反応用押出機10の基部には、高分子化合物を投入するホッパ32が設けられ、反応用押出機10の先端の吐出口には反応管33が接続される。ホッパ32と反応用押出機10吐出口との間のシリンダには注入部14が設けられる。
【0062】
注入部14は、薬剤注入ライン34を介して薬剤タンク35に接続される。薬剤注入ライン34には、薬剤を加圧し反応用押出機10に送り込むための薬剤注入ポンプ36と、薬剤を加熱するための薬剤加熱ヒータ37とが配置される。薬剤は、薬剤注入ポンプ36及び薬剤加熱ヒータ37により高温高圧にされ、超臨界又は亜臨界状態で反応用押出機10に注入される。
【0063】
反応用押出機10には、そのシリンダ内を所定の温度に保つためのジャケットやヒータなどの図示しない加熱手段が設けられる。反応用押出機10内は、薬剤が超臨界又は亜臨界の状態を保持できる温度・圧力に調整される。
【0064】
反応管33は、超臨界又は亜臨界状態を保持して高分子化合物と薬剤とを反応させるものである。反応管33の先端(吐出口)は、反応管33から吐出された高分子化合物と薬剤の混合物を常圧付近まで減圧する圧力調整機構38が設けられた吐出ライン39を介して、脱気用押出機31の投入口40に接続される。
【0065】
脱気用押出機31の投入口40の上流側には、高分子化合物と薬剤との混合物から薬剤を脱気するためのバックベント41が設けられ、投入口40の下流側には、バックベント41と同様に薬剤を脱気するフロントベント42が設けられる。バックベント41には、バックベント41を加熱するためのベントボックスヒータ43が設けられる。
【0066】
脱気用押出機31の先端(吐出口)には、脱気した高分子生成物をストランド状にして排出するためのダイス44が設けられる。ダイス44の下流側には、ストランド状の高分子生成物を冷却する冷却水槽45が配置され、その冷却水槽45の下流側には、ストランド状の高分子生成物(ストランド46)を切断してペレタイズ(ペレット47化)するストランドカッタ48が配置される。
【0067】
バックベント41及びフロントベント42は、吸引ライン49を介して、薬剤中の不純物をトラップするためのトラッパ50に接続される。吸引ライン49には、バックベント41及びフロントベント42内の圧力を調整するための槽圧調整バルブ51が設けられる。
【0068】
トラッパ50は、凝縮ライン52を介して、薬剤を凝縮して貯留するコンデンサ53に接続される。凝縮ライン52には、バックベント41及びフロントベント42から薬剤を真空吸引し、真空吸引した薬剤をコンデンサ53に凝縮するための真空ポンプ54が配置される。この真空ポンプ54としては、吸引した薬剤とオイルなどの液体が混合することのないドライ式のものを用いると良い。
【0069】
バックベント41及びフロントベント42には、ベントボックス内を開放するための安全ライン55がそれぞれ接続され、安全ライン55には安全弁56が設けられる。
【0070】
この高分子化合物の処理装置30を用いて高分子化合物を処理する方法の一例を挙げると、ホッパ32より高分子化合物としてシラン架橋ポリエチレンを反応用押出機10へと導入し、薬剤注入ポンプ36より薬剤としてのアルコールを送り出すと共に薬剤加熱ヒータ37で加熱して超臨界又は亜臨界状態とし、これを注入部14から反応用押出機10のシリンダに注入して反応用押出機10、及びこれに接続した反応管33の中で超臨界又は亜臨界状態を保持してシラン架橋ポリエチレンとアルコールとを反応させる。
【0071】
その後、熱可塑化された反応生成物と反応後のアルコールの混合物は圧力調整機構38を介して常圧付近まで減圧され、脱気用押出機31中で反応生成物と反応後のアルコールとに分離される。
【0072】
反応生成物は、脱気用押出機31のダイス44よりストランド46として押し出され、冷却水槽45を通して水冷した後にストランドカッタ48によりペレット47にされる。
【0073】
アルコールは、脱気用押出機31に接続したバックベント41及びフロントベント42から廃アルコール中の不純物を除去するためのトラッパ50、吸引した廃アルコールとオイルなどの液体が混合することのないドライ式の真空ポンプ54を通過してコンデンサ53内で凝縮される。
【0074】
なお、高分子化合物の処理装置30を用いて処理する高分子化合物としては、前述したシラン架橋ポリエチレン以外にも、架橋ポリマ、プラスチックやゴム等の熱硬化性又は熱可塑性を有しないポリマや、リグニン、セルロース、タンパク質等の天然高分子、更には合成高分子と天然高分子の混合物、シュレッダーダストのように高分子化合物を主として、これに他の材料が混合したものを適当な薬剤と組み合わせて反応するものには特に有効に機能する。
【0075】
本発明を用いれば、熱可塑性をもたないため、マテリアルリサイクルがあまり進められていなかったシラン架橋ポリエチレンを原料として得られる再生ポリエチレンをベースポリエチレンと同等の引張特性及び数平均分子量とすることが可能となる。
【0076】
この再生ポリエチレンは当然ながら幅広い用途への展開が可能となり、用途によっては特性を補填するためのバージン材の添加の必要もなくなる可能性があることから、環境性・経済性において大きな効果が期待できる。
【0077】
また、反応用押出機を用いて高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体とを接触させる場合において、特に高圧下でも過度のせん断を高分子化合物に与えないようにしたいときには有効に作用する。
【0078】
従って、本発明によれば、反応用押出機のスクリュピースにニーディングディスクを使用せず、反応用押出機のスクリュ軸と一体に回転するスクリュピースを、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造としているため、バージン材料とほぼ同等の機械特性及び分子量を有する高分子生成物を生成することができる。
【実施例】
【0079】
(実施例1)
表1に示す配合で作製したシラン架橋ポリエチレン(ゲル分率40%)を図9に示した高分子化合物の処理装置30を用いて、表2の条件で超臨界状態のメタノールにより分解することで、表3に示す再生ポリエチレンを得た。
【0080】
【表1】

【0081】
【表2】

【0082】
【表3】

【0083】
ここで、反応用押出機10及び脱気用押出機31は、スクリュ径30mmの二軸押出機(反応用押出機10のL/D=52.5、脱気用押出機31のL/D=32.0)を用いた。
【0084】
反応用押出機上流側からフルフライト20を用いた供給部13(L/D=20.75)、図1,2に示したスクリュピース部(L/D=2.5)とシールリング部(L/D=1.0)を用いたシール部15(L/D=3.5)、搬送部16(L/D=28.25)の順にスクリュが構成され、メタノールは押出機上流側からL/D=27.25の位置で押出機シリンダより注入した。
【0085】
シラン架橋ポリエチレンは40kg/h、8hの連続処理を20サイクル(計160h、6.4tを処理)行った。スクリュピース12は鉄ベース(クロム、コバルトなどを含有)の合金に焼入れを加えて高硬度とした工具鋼を使用した。
【0086】
この再生ポリエチレンのゲル分率、引張強さ、伸び、数平均分子量を表1中のベースポリエチレンと比較することにより、分子にかかるせん断の影響を評価した。
【0087】
また、20サイクル処理後にスクリュの引き抜きを行い、スクリュピース及び押出機シリンダ壁面の外観を目視にて観察して、スクリュピース及び押出機シリンダ壁面に摩耗・破損などがないかを確認した。
【0088】
判定は再生ポリエチレンのゲル分率が10%未満であり架橋切断反応が十分に進行し、引張強さ、伸び、数平均分子量の値がベースポリエチレンの90%以上であり、処理後のスクリュピースに摩耗・破損がなければ合格(○)、ゲル分率が10%以上であった場合又は評価した特性でベースポリエチレンの90%未満のものが一つでもあった場合又は処理後のスクリュピースに摩耗・破損があった場合を不合格(×)とした。
【0089】
ゲル分率は、JIS C 3005に準拠して110℃熱キシレン中で24時間抽出した。その後、80℃で4時間真空乾燥した後の重量を秤量し、抽出前の重量との比から下式によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(抽出後重量(g)/抽出前重量(g))×100
【0090】
引張試験は、JIS C 3605に準拠して1mm厚のシート状にプレス成形した生成物をダンベル3号の形状に打ち抜き、200mm/min.の速度でショッパー型引張試験機を用いて行った。
【0091】
数平均分子量は、試料をO−ジクロロベンゼンに溶解して高温GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定した。
【0092】
なお、残率とは、表1中ベースポリエチレンの物性値に対する割合を示す。また、ハッチング部分は、不合格となる判定項目を示す。
【0093】
実施例1では、図1、図2に示すように、ピース部に1つのスクリュピース12に支持体18を4つもつピースを1軸に対して3つ配置した。表3より、実施例1ではゲル分率0%、再生ポリエチレンの引張強さ、伸び、数平均分子量は全てベースポリエチレンの90%以上の特性を有しており、処理後のスクリュピースに摩耗や破損は見られなかった。
【0094】
これより、架橋切断反応は十分に進行しており、更に特性値がベースポリエチレンの90%以上であることから、反応用押出機10中でシラン架橋ポリエチレンに過度のせん断がかかっていないことが分かった。
【0095】
本条件においてはスクリュピース12の耐圧に問題ないものと考える。また、実験後に押出機シリンダ壁面には傷が付いていないことから、スクリュピース12とシリンダとの干渉も問題ないものと考える。
【0096】
トーピードピースの外面にトーピードピースが受ける応力を緩和するための突起状の支持体18を有したスクリュピース12は図1に示した形状に何ら限定されるものではなく、再生ポリエチレンがベースポリエチレンと同等の引張特性、数平均分子量となるレベルまでシラン架橋ポリエチレンに与えるせん断が小さく、スクリュピース12が高圧下で変形せずに摩耗・破損しないものであれば良い。
【0097】
実施例1では、二軸押出機を用いたが、反応用押出機10はこれに限定されるものではなく、単軸押出機や多軸押出機への展開も可能である。
【0098】
実施例1においては、高分子化合物として、シラン架橋ポリエチレンを用い、アルコールによって分解する例としたが、これに限定されるものではない。
【0099】
(比較例1)
図10に示すように、図2に示した反応用押出機10のシール部15において、図1に示したスクリュピース12に代えてニーディングディスク60を用いて、実施例1と同様の実験を行ったものである。
【0100】
表3より、比較例1では処理後のニーディングディスク60や押出機シリンダ壁面に摩耗や破損などは見られなかったが、再生ポリエチレンの引張強さ、数平均分子量はベースポリエチレンの90%未満であることが分かった。
【0101】
ゲル分率は0%であることから、架橋切断反応は十分に進行しているものの、過度のせん断がかかったために引張強さ、数平均分子量がベースポリエチレンと比べて低下したものと考える。
【0102】
(比較例2)
図11に示すように、図2に示した反応用押出機10のシール部15において、図1に示したスクリュピース12を除き供給部13のフルフライト20を延長した構成として(シールリング部(L/D=1.0)はシール部15後半に設けられている)、実施例1と同様の実験を行ったものである。
【0103】
表3より、比較例2では再生ポリエチレンのゲル分率は0%であり、引張強さ、伸び、数平均分子量は全てベースポリエチレンの90%以上の特性を有していたことから、架橋切断反応が十分に進行し、ベースポリエチレンと同等の特性を有することが分かったが、処理後のフルフライト20を観察したところ、シールリング17と接続したフルフライト20の羽根21の先端部が破損していることが分かった。
【0104】
また、押出機シリンダ壁面には特に傷などは見られなかった。これより、フルフライト20ではシール部15に滞留する高分子化合物の圧力により羽根21が破損してしまうため、図1に示したスクリュピース12の代替としては使用できないことが分かった。
【0105】
(比較例3)
図12に示すように、図2に示した反応用押出機10のシール部15において、図1に示したスクリュピース12に代えてトーピードピース70(通常の円筒状ピース、突起状の支持体18なし)を用い、トーピードピース70(L/D=2.5)とシールリング部(L/D=1.0)から構成されるシール部15(L/D=3.5)として、実施例1と同様の実験を行ったものである。
【0106】
表3より、比較例3では再生ポリエチレンのゲル分率は0%であり、引張強さ、伸び、数平均分子量は全てベースポリエチレンの90%以上の特性を有していたことから、架橋切断反応が十分に進行し、ベースポリエチレンと同等の特性を有することが分かったが、5サイクル目に反応用押出機10から異音が発生したため、運転を中止した。
【0107】
運転を中止した後のトーピードピース70を観察したところ、トーピードピース70と接続したフルフライト20の羽根21の先端部が摩耗し、押出機シリンダ壁面に傷が付いていることが分かった。シール部15に滞留する高分子化合物の圧力が、トーピードピース70にかかり、トーピードピース70はクリアランスCが3mm〜4mm程度と大きく、支持体18も持たないため、スクリュ軸11が大きく振動してフルフライト20の羽根21の先端部と押出機シリンダ壁面が干渉したために異音が生じたためと考えられる。
【0108】
以上より、シール部15にニーディングディスク60を使用した場合、再生ポリエチレンはベースポリエチレンと比べて引張強さと数平均分子量が大きく低下してしまうことが分かった。
【0109】
また、シール部15をシールリング17のみで構成した場合、高分子化合物の圧力によりシールリング17手前のフルフライト20の羽根21の先端部が欠けてしまい、本用途におけるシール部15には使用できないことが分かった。
【0110】
また、図1に示したスクリュピース12の代わりに通常のトーピードピース70を使用した場合、スクリュ軸11が振動し、供給部13のフルフライト20の羽根21の先端部が摩耗し、押出機シリンダ壁面が損傷してしまうため、運転が困難であることが分かった。
【符号の説明】
【0111】
10 反応用押出機
11 スクリュ軸
12 スクリュピース
12a 第1スクリュピース
12b 第2スクリュピース
12c 第3スクリュピース
13 供給部
14 注入部
15 シール部
16 搬送部
17 シールリング
18 支持体
18a 第1スクリュピース支持体
18b 第2スクリュピース支持体
18c 第3スクリュピース支持体
19 シリンダ内壁
20 フルフライト
21 羽根
22 支持体の頂点部
30 高分子化合物の処理装置
31 脱気用押出機
32 ホッパ
33 反応管
34 薬剤注入ライン
35 薬剤タンク
36 薬剤注入ポンプ
37 薬剤加熱ヒータ
38 圧力調整機構
39 吐出ライン
40 投入口
41 バックベント
42 フロントベント
43 ベントボックスヒータ
44 ダイス
45 冷却水槽
46 ストランド
47 ペレット
48 ストランドカッタ
49 吸引ライン
50 トラッパ
51 槽圧調整バルブ
52 凝縮ライン
53 コンデンサ
54 真空ポンプ
55 安全ライン
56 安全弁
60 ニーディングディスク
61 面
70 トーピードピース
C クリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体の薬剤とを反応用押出機中で反応させて高分子生成物を生成する高分子化合物の処理方法において、
前記反応用押出機のスクリュ軸と一体に回転するスクリュピースを、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造とすることを特徴とする高分子化合物の処理方法。
【請求項2】
高分子化合物と亜臨界又は超臨界流体の薬剤とを反応用押出機中で反応させて高分子生成物を生成する高分子化合物の処理装置において、
前記反応用押出機は、前記高分子化合物の供給部と、前記薬剤を注入する注入部と、前記薬剤を前記供給部側に逆流しないようにするためのシール部と、前記高分子化合物と前記薬剤の混合物を押出機下流側に搬送する搬送部とを備え、
前記シール部が、前記反応用押出機のスクリュ軸と一体に回転するスクリュピースと、前記スクリュピースよりも押出機下流側に設けられたシールリングとからなり、
前記スクリュピースが、高分子化合物にせん断を与えず、且つ、高温高圧に耐え得る構造であることを特徴とする高分子化合物の処理装置。
【請求項3】
前記スクリュピースの表面には、前記シール部に前記高分子化合物の圧力がかかる際に、前記反応用押出機のシリンダ内壁と接近又は接し、前記スクリュ軸を支持して前記スクリュ軸の振動や変形を防止する曲線を帯びた突起状の支持体が形成される請求項2に記載の高分子化合物の処理装置。
【請求項4】
前記反応用押出機停止中の前記支持体の頂点部と前記シリンダ内壁とのクリアランスは0.5mm以上1.5mm以下である請求項3に記載の高分子化合物の処理装置。
【請求項5】
前記スクリュピースは、L/D(スクリュ軸長(L)/スクリュ軸断面直径(D))=0.5mmに少なくとも1つ以上の前記支持体を有する請求項3又は4に記載の高分子化合物の処理装置。
【請求項6】
前記反応用押出機は二軸押出機である請求項2〜5のいずれかに記載の高分子化合物の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−1763(P2013−1763A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132421(P2011−132421)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】